JP2013204357A - ガラス耐火扉 - Google Patents

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Abstract

【課題】消防活動拠点内への輻射熱の放射、煙や熱などの流入を防止する。
【解決手段】建物に固定されているドア枠43に開閉可能に取り付けられるガラス耐火扉31であって、ドア枠43に回動可能に取り付けられる耐火サッシ41と、耐火サッシ41の内側に嵌め込まれる遮熱型耐火ガラス42と、耐火サッシ41上の、当該ガラス耐火扉31が閉じられたときにドア枠43と対向する領域に設けられた第一の耐火ガスケットゴム55とを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、建物の特別避難階段室やその前室(附室)、非常用エレベータの乗降ロビーなどの消防活動拠点にその出入り口として設けられる耐火扉に関する。
消防法の性能規定化により、ビルや学校、集合住宅などの建物内に消防活動拠点を設置することが義務付けられる。消防活動拠点は耐火壁により周囲を囲われることにより居室空間に対して区画された耐火区画として構成されており、これを拠点として消防活動が行われる。また、消防活動拠点は、火災時などにおける避難者の一時待避場所としても使用される。
消防活動拠点を区画する耐火壁は、通常コンクリート製であり、耐火壁に出入り口として設けられる耐火扉は鉄製である。建築基準法によれば、耐火扉(防火戸)は、鉄製の骨組みの両面に厚みが0.5mm以上の鉄板を張ったものであることが求められている。または、鉄製で鉄板の厚みが1.5mm以上であることが求められている。
しかし、消防活動拠点を区画する耐火壁がコンクリート製であり、そこに出入り口として設けられる耐火扉が鉄製である場合、消防活動拠点と居室との間は見通しが効かなくなる。そのため、消防隊が消防活動拠点にまで駆けつけても、そこから居室内を目視することができないため、居室の火災状況を把握することが難しく、迅速な消防活動(消火活動)を行うことが困難であった。また、避難者にとっては、火災時などに避難階段を目視で確認することができないという問題があった。
そこで、消防活動拠点に設ける耐火扉として、ガラス耐火扉を用いるようにした技術が開発されている(例えば特許文献1参照)。耐火扉としてガラス耐火扉を用いることにより、消防活動拠点と居室との間の見通しが確保され、消防隊の迅速な消火活動や避難者の迅速な避難が可能となる。
特開平5−125877号公報
しかしながら、従来のガラス耐火扉に用いられている耐火ガラスでは輻射熱を十分に遮断することができないので、火災時に耐火ガラスを介して消防活動拠点内の広い範囲に輻射熱が放射されることになる。具体的には、消防活動拠点内に輻射熱が2kW/m以上になるエリアが生じることがあり、そのエリアは実質的に消防活動拠点として利用することができない。そのため、輻射熱が2kW/m以上となるエリアの分だけ消防活動拠点を予め大きく設計する必要があり、建物内において消防活動拠点が占めるスペースの割合が大きくなり、建物内のスペース全体の利用効率が低下するという問題があった。
また、消防活動拠点の安全性をより一層高めるためには、ガラス耐火扉とドア枠や床との隙間からの煙や熱などの流入を確実に防止することも必要である。
本発明の目的は、消防活動拠点内への輻射熱の放射、煙や熱などの流入を防止することである。
本発明のガラス耐火扉は、建物に固定されているドア枠に開閉可能に取り付けられるガラス耐火扉であって、前記ドア枠に回動可能に取り付けられる耐火サッシと、前記耐火サッシの内側に嵌め込まれる遮熱型耐火ガラスと、前記耐火サッシ上の、当該ガラス耐火扉が閉じられたときに前記ドア枠と対向する領域に設けられた第一の耐火ガスケットゴムとを有する。
本発明のガラス耐火扉は、前記耐火サッシ上の、当該ガラス耐火扉が閉じられたときに前記建物の床と対向する領域に設けられた第二の耐火ガスケットゴムを有する。
本発明のガラス耐火扉では、前記第二の耐火ガスケットゴムが前記耐火サッシに貼り付けられている耐火被覆材の下面に設けられている。
本発明のガラス耐火扉は、前記第二の耐火ガスケットゴムを前記建物の床に圧接させる弾性体を有する。
本発明のガラス耐火扉では、前記弾性体が前記耐火被覆材の内側に内蔵されている。
本発明によれば、消防活動拠点内への輻射熱の放射、煙や熱などの流入がより確実に防止される。
本発明が適用されたガラス耐火扉が設けられた消防活動拠点を示す説明図である。 (a)は図1に示すガラス耐火扉の正面図であり、(b)は同背面図である。 図2におけるA−A線に沿う断面図である。 図2におけるB−B線に沿う断面図である。 図2におけるC−C線に沿う拡大断面図である。 図1に示すガラス耐火扉に設けられる耐火ガスケットゴムの一例を示す部分拡大断面図である。 図1に示すガラス耐火扉に設けられる耐火ガスケットゴムの他例を示す部分拡大断面図である。 比較例として遮熱型耐火ガラスを用いない場合におけるガラス耐火扉を介した消防活動拠点内への輻射熱の放射状況を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示されている消防活動拠点11は、ビル、学校、集合住宅などの建物12内に設けられ、火災時などにおいて消防隊が建物12内で消火活動する際の拠点として使用される。この消防活動拠点11は、火災時などにおいて、避難者の一時待避場所としても使用される。
消防活動拠点11は四方を耐火壁13〜17により囲われており、居室18と区画された耐火区画として建物12内に形成されている。また、消防活動拠点11の内部には耐火間仕切壁19が設けられ、この耐火間仕切壁19により区画されて消防活動拠点11の内部には階段室21とその前室(特別避難階段附室)22とが設けられている。以下の説明では、特別避難階段附室22を“附室22”と略称する。
階段室21には避難階段(特別避難階段)23が設けられ、この避難階段23を使って避難者が地上などへ避難し、また、消防隊が各階の附室22に向かうことができる。また、附室22に隣接して建物12には2基のエレベータ24が設けられており、附室22はこれらのエレベータ24の乗降ロビー(エレベータホール)としても使用される。
消防活動拠点11を区画する耐火壁13〜17の一部、つまり附室22と居室18とを区画する耐火壁13と、階段室21と居室18とを区画する耐火壁14とは、それぞれガラス耐火壁13,14として構成されている。これらのガラス耐火壁13,14は壁材として耐火ガラス13a,14aを用いたものである。耐火壁13,14をガラス耐火壁13,14として構成することにより、階段室21と居室18との間および附室22と居室18との間の見通しが確保されている。つまり、階段室21や附室22からガラス耐火壁13,14を通して居室18の内部を見通すことができ、また、居室18からもガラス耐火壁13,14を通して階段室21や附室22の内部を見通すことができる。
このように、附室22と居室18との間の耐火壁13と、階段室21と居室18との間の耐火壁14とを、それぞれガラス耐火壁13,14で構成するようにしたので、階段室21と居室18との間および附室22と居室18との間の見通しが確保され、火災時などにおいて消防活動拠点11に駆けつけた消防隊が、消防活動拠点11から居室18内を目視で確認することができる。したがって、消防活動拠点11から居室18内の状況を容易に確認することができ、この消防活動拠点11を利用した消防隊の迅速な消火活動が可能となる。また、居室18から消防活動拠点11内を見通すことができるので、火災時などにおいて避難者が居室18から消防活動拠点11を目視で確認することができる。したがって、火災時などにおいて避難者が消防活動拠点11を容易に認識でき、消防活動拠点11を利用した避難者の迅速な避難が可能となる。
階段室21と附室22とを区画する耐火間仕切壁19は、ガラス耐火間仕切壁19として構成されている。ガラス耐火間仕切壁19は壁材として耐火ガラス19aを用いたものである。耐火間仕切壁19をガラス耐火間仕切壁19として構成することにより、階段室21と附室22との間の見通しが確保されている。つまり、階段室21からガラス耐火間仕切壁19を通して附室22の内部を見通すことができ、附室22からもガラス耐火間仕切壁19を通して階段室21の内部を見通すことができる。また、階段室21からガラス耐火間仕切壁19とガラス耐火壁13とを介して居室18の内部を見通すことができ、居室18からもガラス耐火壁13とガラス耐火間仕切壁19とを介して階段室21の内部を見通すことができる。
このように、階段室21と附室22との間の耐火間仕切壁19をガラス耐火間仕切壁19として構成するようにしたので、階段室21と附室22の間の見通しが確保され、火災時などにおいて消防活動拠点11に駆けつけた消防隊が、階段室21から附室22の内部の状況を目視で確認することができる。したがって、階段室21から附室22内の状況を容易に確認することでき、この消防活動拠点11を利用した消防隊の迅速な消火活動が可能となる。また、附室22から階段室21内を見通すことができるので、火災時などにおいて避難者が附室22から階段室21に向けて迅速に移動することができる。
さらに、耐火壁13をガラス耐火壁13として構成するとともに耐火間仕切壁19をガラス耐火間仕切壁19として構成することにより、附室22を介して階段室21と居室18との間の見通しを確保することができる。つまり、火災時などにおいて消防活動拠点11に駆けつけた消防隊は階段室21から附室22を介して居室18の内部の状況を目視で確認することができる。したがって、階段室21から居室18内の状況をさらに容易に確認することできるので、この消防活動拠点11を利用した消防隊の迅速な消火活動が可能となる。また、居室18から附室22を介して階段室21内を見通すことができるので、火災時に避難者が居室18から避難階段23の存在を容易に確認することができる。したがって、消防活動拠点11を利用した避難者の迅速な避難が可能となる。
図1に示されるように、附室22と居室18との間には、消防活動拠点11と居室18との間の出入り口として耐火扉31が設けられ、この耐火扉31を通して、避難者や消防隊が居室18と附室22との間を行き来することができるようになっている。また、耐火扉31は、これが閉じられたときには、ガラス耐火壁13とともに消防活動拠点11を耐火区画として居室18に対して区画するようになっている。
この耐火扉31はガラス耐火扉31として構成され、居室18と附室22との間の見通しを確保できるようになっている。つまり、火災時などにおいて消防活動拠点11に駆けつけた消防隊は、附室22からガラス耐火扉31を介して居室18の内部の状況を目視で確認することができる。したがって、この消防活動拠点11を利用した消防隊の迅速な消火活動が可能となる。また、居室18からガラス耐火扉31を介して消防活動拠点11内を見通すことができるので、火災時に消防活動拠点11を利用した避難者の迅速な避難が可能となる。
階段室21と附室22との間には、これらの間の出入り口として耐火扉32が設けられ、この耐火扉32を通して、避難者や消防隊が階段室21と附室22との間を行き来することができるようになっている。また、耐火扉32は、これが閉じられたときには、ガラス耐火間仕切壁19とともに階段室21と附室22との間を区画するようになっている。
この耐火扉32も、耐火扉31と同様に、ガラス耐火扉32として構成され、階段室21と附室22との間の見通しを確保できるようになっている。つまり、火災時などにおいて消防活動拠点11に駆けつけた消防隊は、階段室21からガラス耐火扉32を介して附室22の内部の状況を目視で確認することができる。したがって、この消防活動拠点11を利用した消防隊の迅速な消火活動が可能となる。また、附室22からガラス耐火扉32を介して階段室21内を見通すことができるので、火災時などにおいて避難者が附室22から階段室21内の状況を確認しつつ階段室21に向けて迅速に移動することができる。
次に、これらのガラス耐火扉31,32の構造を図2〜図7に基づいて説明する。もっとも、これらのガラス耐火扉31,32は同一の基本構造を有するので、以下では居室18と附室22との間に設けられるガラス耐火扉31の構造についてのみ説明する。
図2に示されるように、ガラス耐火扉31は、耐火サッシ41と耐火ガラス42とを備えた矩形の板状に形成され、図示しないヒンジにより、建物12に固定されたドア枠43の内側に開閉可能に取り付けられている。より具体的には、耐火サッシ41がドア枠43の内側に回動可能に取り付けられ、耐火ガラス42が耐火サッシ41の内側に嵌め込まれている。
ドア枠43は、断面矩形のパイプ材によって門型に組まれた枠支持鋼材44を備えている。図3に示されるように、枠支持鋼材44の表側面(図1に示される附室22の側を向く面)、裏側面(図1に示される居室18の側を向く面)および内側面(ガラス耐火扉31の側を向く面)には、それぞれ厚さ5〜25mm程度の板状に形成された耐火被覆材45が貼り付けられている。この耐火被覆材45としては、例えば不燃材や耐火材などを板状に成形したものが用いられている。
また、ドア枠43の表側面および裏側面に貼り付けられている耐火被覆材45には、耐火被覆材45よりも薄い化粧材46が重ねて貼り付けられている。この化粧材46には、塗装された鋼材、アルミ材、ステンレス材などが用いられている。なお、枠支持鋼材44は不図示のアンカーにより建物12の柱や梁に固定されている。
一方、ガラス耐火扉31の耐火サッシ41は、断面矩形のパイプ材によって矩形枠状に組まれた扉支持鋼材48を備えている。扉支持鋼材48の表側面(ガラス耐火扉31が閉じられた際に、図1に示される附室22の側を向く面)と裏側面(ガラス耐火扉31が閉じられた際に、図1に示される居室18の側を向く面)には、それぞれ板状に形成された耐火被覆材49が貼り付けられている。この耐火被覆材49としては、ドア枠43に貼り付けられている耐火被覆材45と同様に、例えば不燃材や耐火材などを板状に成形したものが用いられている。
また、図4に示されるように、耐火サッシ41の高さ方向の中間部にも、当該サッシ41の枠内開口を上下に区画するように断面矩形のパイプ材からなる扉支持鋼材48が水平に配置されている。図3〜図5に示されるように、扉支持鋼材48の表側面と裏側面にも板状に成形された不燃材や耐火材などからなる耐火被覆材49が貼り付けられている。さらに、それぞれの耐火被覆材49には化粧材51が重ねて貼り付けられている。この化粧材51にも、塗装された鋼材、アルミ材、ステンレス材などが用いられている。
図2(a)や図3に示されるように、耐火サッシ41の表側には、その右側枠部分に、ガラス耐火扉31を開閉するための取っ手(引き棒)52が縦向きに取り付けられている。また、図2(b)や図4に示されるように、耐火サッシ41の裏側には、その中間枠部分に、ガラス耐火扉31を開閉するための取っ手(押し棒)53が横向き(水平方向)に取り付けられている。
図3、図4に示されるように、ドア枠43の裏側面に貼り付けられている耐火被覆材45aは、表側面に貼り付けられている耐火被覆材45bよりも枠内側に向けて突出しており、この突出部分には鋼材製の押さえプレート54が重ねて設けられている。一方、耐火サッシ41の左右両側枠部分および上側枠部分の裏側面に貼り付けられている化粧板51の上には、第一の耐火ガスケットゴム55が重ねて設けられている。これにより、ガラス耐火扉31が閉じられると、ドア枠43に設けられている耐火被覆材45aの突出部分と耐火サッシ41の左右両側枠部分および上側枠部分とが対向し、ドア枠43と耐火サッシ41との隙間はクランク状になる。さらに、第一の耐火ガスケットゴム55が押さえプレート54に密接し、上記隙間が封止される。すなわち、ガラス耐火扉31が閉じられると、ドア枠43と耐火サッシ41との隙間がクランク状になるばかりでなく、この隙間が第一の耐火ガスケットゴム55によって封止される。よって、火災時にドア枠43とガラス耐火扉31との隙間を介して煙、火炎、熱気などが居室18側から消防活動拠点11側へ流れ込むことが防止される。
また、扉支持鋼材48の外周部分、つまりガラス耐火扉31が閉じられたときにドア枠43の内側面や床面に対向する面には、それぞれ熱感応型発泡材61が設けられている。これらの熱感応型発泡材61は、所定温度にまで加熱されると発泡、膨張するものであり、例えば、ケイ酸ソーダ系、カーボングラファイト系のものなどが用いられている。熱感応型発泡材61を扉支持鋼材48の外周部分に設けることにより、火災時には、当該火災の熱を受けて発泡した熱感応型発泡材61によりドア枠43とガラス耐火扉31との間の隙間が塞がれる。したがって、火災時に、煙、火炎、熱気などが居室18側からガラス耐火扉31とドア枠43との隙間を介して消防活動拠点11側に流れ込むことがより一層確実に防止される。
耐火ガラス42は矩形の板状に形成され、耐火サッシ41の枠内に形成される2つの開口部分にそれぞれ嵌め込まれている。
耐火サッシ41の各開口部分の内周側には、断面コの字の溝状に形成されたガラス保持鋼材56が配置されており、耐火ガラス42はその外周部分がガラス保持鋼材56に嵌め込まれて耐火サッシ41に取り付けられている。なお、耐火サッシ41の左右両側枠部分においては、耐火ガラス42を耐火サッシ41の枠内に配置した後に押縁62を取り付けることで固定されている(図3)。これらの押縁62としては、鋼材に化粧材が張られたものや塗装された鋼材、アルミ材、ステンレス材などが用いられる。
ガラス保持鋼材56と、このガラス保持鋼材56に嵌め込まれている耐火ガラス42の外周部分との間にはそれぞれセラミックファイバー製の保持材63が配置されるとともにシリコンシーラントなどのシール材64が配置されている。また、図4に示されるように、耐火ガラス42の下端が嵌め込まれているガラス保持鋼材56と扉支持鋼材48との間には不燃材で形成されたセッティングブロック65が配置され、このセッティングブロック65により耐火ガラス42が所定の高さ位置に支持されている。
ガラス耐火扉31を構成する耐火ガラス42としては、遮熱型耐火ガラス42が用いられている。遮熱型耐火ガラス42としては、例えば、ケイ酸ソーダ積層ガラス、ゲル封入複層ガラスなどが用いられる。耐火ガラス42として遮熱型耐火ガラス42を用いることにより、図1に示されている居室18と附室22との間の見通しを高めつつ火災時にはガラス耐火扉31を介した附室22内への輻射熱の放射を遮断することができる。
図4や図6に示されるように、耐火サッシ41の下側枠部分には、第二の耐火ガスケットゴム70が設けられている。具体的には、下側枠部分の裏側面に貼られている耐火被覆材49aの下面(図1に示されている建物12の床と対向する面)に、その長手方向に沿って第二の耐火ガスケットゴム70が設けられている。第二の耐火ガスケットゴム70は、耐火被覆材49aの下面の全長に亘って連続して設けられている。これにより、ガラス耐火扉31が閉じられると、耐火サッシ41と床の隙間が第二の耐火ガスケットゴム70によって封止される。よって、火災時にガラス耐火扉31と床との隙間を介して煙、火炎、熱気などが居室18側から消防活動拠点11側へ流れ込むことが防止される。なお、ガラス耐火扉31が閉じられると、ガラス耐火扉31とドア枠43との隙間が第一の耐火ガスケットゴム55(図3、図4)によって封止されることは既述の通りである。すなわち、ガラス耐火扉31が閉じられると、ガラス耐火扉31の全周に亘って隙間が封止され、ガラス耐火扉31とドア枠43および床との隙間から煙、火炎、熱気などが流れ込むことが防止される。
なお、図7に示されるように、耐火被覆材49aの内側にスプリングなどの弾性体71を内蔵し、この弾性体71によって第二の耐火ガスケットゴム70が床に圧接されるように構成してもよい。この場合、第二の耐火ガスケットゴム70による封止がより一層確実なものとなる。なお、図7に図示されている弾性体71は一つであるが、必要に応じて弾性体71を増設することができる。また、弾性体71はスプリングに限定されるものではなく、例えば板バネであってもよい。
図8に示すように、ガラス耐火扉31を構成する耐火ガラス42として遮熱型耐火ガラスを用いない比較例の場合では、居室18と附室22との間の見通しを確保することはできるが、火災時には、ガラス耐火扉31を介して附室22の内部に輻射熱が放射され、その輻射熱が2kW/m以上になるエリアS(図8中ハッチングを付して示す)が広範囲に及ぶこととなる。そのため、附室22内における安全性を確保するためには、附室22をエリアSの分だけ広く形成する必要があり、建物12内において消防活動拠点11(附室22)が占めるスペースの割合が大きくなる。
これに対し、本実施形態では、図1に示されているガラス耐火扉31,32を構成する耐火ガラス42として遮熱型耐火ガラス42を用いることにより、居室18と附室22との間および階段室21と附室22との間の見通しを確保しつつ、火災時には、ガラス耐火扉31,32を介する輻射熱の放射を遮断することができる。また、ガラス耐火扉31,32の全周に亘って隙間が封止され、ガラス耐火扉31,32とドア枠43および床との隙間からの煙、火炎、熱気などの流入が阻止される。したがって、輻射熱の放射を考慮することなく、消防活動拠点11(附室22)を必要最低限の小さなスペースに形成することができる。また、消防活動拠点11(附室22)への煙、火炎、熱気などの流入を阻止して消防活動拠点11(附室22)の安全性を高めることができる。
さらに、本実施形態では、階段室21や附室22と居室18との間を区画するガラス耐火壁13,14においても、これを構成する耐火ガラス13a,14aとして遮熱型耐火ガラス13a,14aが用いられている。これらの遮熱型耐火ガラス13a,14aとしては、ガラス耐火扉31の場合と同様に、例えば、ケイ酸ソーダ積層ガラス、ゲル封入複層ガラスなどが用いられている。ガラス耐火壁13,14を構成する耐火ガラス13a,14aとして遮熱型耐火ガラス13a,14aを用いることにより、火災時に、ガラス耐火壁13,14を介して居室18から階段室21や附室22、つまり消防活動拠点11内へ向かう輻射熱をガラス耐火壁13,14により遮断することができる。
このように、本実施形態では、消防活動拠点11を区画するガラス耐火壁13,14に遮熱型耐火ガラス13a,14aが用いられているので、消防活動拠点11と居室18との間の見通しを確保するための耐火壁13,14としてガラス耐火壁13,14を用いるようにしても、ガラス耐火壁13,14を介した輻射熱を遮断することができる。したがって、耐火ガラス13a,14aを介した輻射熱を考慮することなく、その分、消防活動拠点11のスペースを小さくすることが可能となり、建物12内において消防活動拠点11が占めるスペースを小さくすることができる。
加えて、本実施形態では、階段室21と附室22との間を区画するガラス耐火間仕切壁19においても、これを構成する耐火ガラス19aとして遮熱型耐火ガラス19aが用いられている。この遮熱型耐火ガラス19aとしては、ガラス耐火扉31やガラス耐火壁13,14の場合と同様に、例えば、ケイ酸ソーダ積層ガラス、ゲル封入複層ガラスなどが用いられている。ガラス耐火間仕切壁19を構成する耐火ガラス19aとして遮熱型耐火ガラス19aを用いることにより、火災時に、ガラス耐火間仕切壁19を介して附室22から階段室21へ向かう輻射熱を遮断することができる。
このように、本実施形態では、階段室21と附室22とを区画するガラス耐火間仕切壁19を構成する耐火ガラス19aとして遮熱型耐火ガラス19aを用いるようにしたので、ガラス耐火間仕切壁19により火災の輻射熱を遮断することができる。したがって、耐火ガラス19aを介した輻射熱を考慮することなく、その分、消防活動拠点11のスペースを小さくすることが可能となり、建物12内において消防活動拠点11が占めるスペースの割合を小さくすることができ、建物全体のスペース利用効率を高めることができる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前記実施形態においては、居室18と附室22との間のガラス耐火扉31と、階段室21と附室22との間のガラス耐火扉32の両方に遮熱型耐火ガラス42が用いられているが、これに限らず、いずれか一方のガラス耐火扉31,32のみに遮熱型耐火ガラス42を用いるようにしてもよい。
また、耐火サッシ41を構成する扉支持鋼材48に貼り付けられる耐火被覆材49の厚みを適宜変更してもよい。例えば、耐火サッシ41の左右両側枠部分および上側枠部分においては、扉支持鋼材48の裏面側に貼り付けられる耐火被覆材49の厚みを表面側に貼り付けられる耐火被覆材49の厚みの半分程度とする一方、耐火サッシ41の下側枠部分および中間枠部分においては、扉支持鋼材48の裏面側に貼り付けられる耐火被覆材49の厚みと表面側に貼り付けられる耐火被覆材49の厚みを同一としてもよい。
11 消防活動拠点
12 建物
13,14 耐火壁(ガラス耐火壁)
13a,14a 耐火ガラス(遮熱型耐火ガラス)
15〜17 耐火壁
18 居室
19 耐火間仕切壁(ガラス耐火間仕切壁)
19a 耐火ガラス(遮熱型耐火ガラス)
21 階段室
22 附室(特別避難階段附室)
23 避難階段(特別避難階段)
24 エレベータ
31,32 耐火扉(ガラス耐火扉)
41 耐火サッシ
42 耐火ガラス(遮熱型耐火ガラス)
43 ドア枠
44 枠支持鋼材
45 耐火被覆材
46 化粧材
47 アンカー
48 扉支持鋼材
49 耐火被覆材
51 化粧材
52 取っ手(引き棒)
53 取っ手(押し棒)
54 押さえプレート
55 第一の耐火ガスケットゴム
56 ガラス保持鋼材
61 熱感応型発泡材
62 押縁
63 保持材
64 シール材
65 セッティングブロック
70 第二の耐火ガスケットゴム
S エリア

Claims (5)

  1. 建物に固定されているドア枠に開閉可能に取り付けられるガラス耐火扉であって、
    前記ドア枠に回動可能に取り付けられる耐火サッシと、
    前記耐火サッシの内側に嵌め込まれる遮熱型耐火ガラスと、
    前記耐火サッシ上の、当該ガラス耐火扉が閉じられたときに前記ドア枠と対向する領域に設けられた第一の耐火ガスケットゴムと、を有することを特徴とするガラス耐火扉。
  2. 前記耐火サッシ上の、当該ガラス耐火扉が閉じられたときに前記建物の床と対向する領域に設けられた第二の耐火ガスケットゴムを有することを特徴とする請求項1に記載のガラス耐火扉。
  3. 前記第二の耐火ガスケットゴムが前記耐火サッシに貼り付けられている耐火被覆材の下面に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のガラス耐火扉。
  4. 前記第二の耐火ガスケットゴムを前記建物の床に圧接させる弾性体を有することを特徴とする請求項3に記載のガラス耐火扉。
  5. 前記弾性体が前記耐火被覆材の内側に内蔵されていることを特徴とする請求項4に記載のガラス耐火扉。
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