JP2002349094A - 避難安全区画システム - Google Patents

避難安全区画システム

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JP2002349094A
JP2002349094A JP2001155395A JP2001155395A JP2002349094A JP 2002349094 A JP2002349094 A JP 2002349094A JP 2001155395 A JP2001155395 A JP 2001155395A JP 2001155395 A JP2001155395 A JP 2001155395A JP 2002349094 A JP2002349094 A JP 2002349094A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自力で速やかに避難することが難しく救出を
一時待避で待つ必要がある者を収容する施設における避
難安全システムを提案する。 【解決手段】 建物利用者の内、緊急時に素早く避難す
ることが難しく、一時待避により救出を待つことを要す
る緊急時要救出者を収容する病院施設10で、緊急時要
救出者を収容する収容スペース11としての病室11a
と、病室11aに繋がる通路12と、通路12に繋がる
避難階段13と、通路12に繋がり避難階段13とは離
して設けられる共用スペース14とを、建物の同一階に
設ける。通路12とそれに繋がる共用スペース14と、
通路12と避難階段13とを、それぞれ開閉可能に設け
たガラス防火戸31、32、ガラス耐火間仕切壁などで
区画して、火災時における緊急時要救出者の一時待避ス
ペースを確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスを通して向
こう側の様子が分かる視認性を有するガラス防火戸やガ
ラス耐火間仕切壁を使用して一時待避区画を形成し、火
災時などの緊急時に避難を必要とする場合に自分で速や
かに避難ができない者を、レスキュー隊などの救出者が
来るまで安全に一時待避できるようにした避難安全区画
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、病院などの医療施設、あるいは乳
幼児、あるいは身体障害者、あるいは老人などを収容す
る施設の避難安全区画システムとしては、ルーフバルコ
ニーを使用した避難方法などが採用されていた。
【0003】しかし、かかる施設に収容されている者に
は、火災時などの緊急避難を必要とする場合でも、自力
では速やかに避難できない者が多く、かかる者の安全避
難を十分に考慮した避難安全区画システムのあり方が問
われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、建築基準法が改
定され、建物における火災時などの避難に対しても、そ
の性能規定化により、その避難安全検証法に基づく評価
方法(通常、Bルートと呼ばれる)が義務づけられ、従
来以上にその安全性の向上が図られている。
【0005】しかし、従来より避難安全の対応が問題と
されていた病院などの上記施設に関しては、かかるBル
ートによる評価対象から外され、実質的には、ほぼ従来
通りの避難安全性が求められているに過ぎない。
【0006】かかる現状に対して、本発明者は、火災時
などの緊急非難時に自力ではどうしても速やかに避難で
きない弱者を、どのようにしてより安全に、従来以上の
安全性を以て避難させるか検討することは、建築家とし
ての社会的責務と考えた。
【0007】本発明は、緊急時に自力で速やかに避難す
ることが難しく、救出を一時待避で待つ必要がある者な
どの建物利用者を、安全に救出させることができる避難
安全区画システムを提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、建物の避難安
全区画システムであって、前記建物の同一階に、複数の
防火区画を隣接して設けることにより形成された避難経
路と、前記避難経路に沿って設けられ、視認性を有する
耐火ガラスを用いて区画され、一時待避所として利用で
きる安全区画とを有することを特徴とする。
【0009】前記防火区画は、建物利用者を収容する収
容スペース、前記収容スペースに繋がる通路、前記通路
に繋がる避難階段、前記通路に繋がり前記避難階段とは
離して設けられる共用スペースのいずれかを有し、前記
避難階段に設けた附室、前記通路、前記共用スペースに
設けられた業務区画のいずれかが前記安全区画であるこ
とを特徴とする。
【0010】あるいは、前記防火区画は、建物利用者を
収容する収容スペースと、前記収容スペースに繋がる通
路と、前記通路に繋がる避難階段と、前記通路に繋がり
前記避難階段とは離して設けられる共用スペースとを有
し、前記共用スペースに設けられた業務区画が1次安全
区画であり、前記通路が2次安全区画であり、前記附室
が3次安全区画であることを特徴とする。
【0011】前記いずれかの構成の避難安全区画システ
ムにおいて、前記安全区画は、ガラス耐火間仕切壁およ
び/またはガラス防火戸を使用して区画されていること
を特徴とする。
【0012】また、本発明は、建物の避難安全区画シス
テムであって、建物利用者を収容する収容スペースと、
前記収容スペースに繋がる通路と、前記通路に繋がる避
難階段と、前記通路に繋がり前記避難階段とは離して設
けられる共用スペースとを、前記建物の同一階に有し、
前記通路と前記共用スペースと、前記通路と前記避難階
段とが、それぞれ開閉可能に設けたガラス防火戸を介し
て連絡されていることを特徴とする。
【0013】前記収容スペースと前記通路とが、開閉可
能に設けたガラス防火戸を介して連絡されていることを
特徴とする。前記避難階段には、前記通路とガラス耐火
間仕切壁により区画された附室が設けられていることを
特徴とする。前記共用スペースには、ガラス耐火間仕切
壁により囲まれ、開閉可能に設けたガラス防火戸を介し
て外部と連絡する通用口とを有する業務区画が設けられ
ていることを特徴とする。
【0014】また、上記いずれかの構成の避難安全区画
システムにおいて、前記建物とは病院であり、前記共用
スペースの前記業務区画とはナースステーションであ
り、前記収容スペースとは、火災時に救出者が来るまで
一時待避できる一時待避室に構成された病室であること
を特徴とする。
【0015】本発明の上記構成で言う建物とは、火災時
などの緊急避難時に、自力で避難できず、救出を待たな
ければならないような者が利用する建物が対象となる。
例えば、デパート、ホテル、旅館、会堂などの一般的な
建物、さらには、病院などの建物もその対象となる。特
に、病院は、緊急時に、自力で避難するのが困難な患者
などを多数収容する施設であり、本発明の適用が極めて
有効と考えられる。
【0016】このように緊急時に自力で避難するのが困
難で、救出者による救出を待つ必要がある者を、以下簡
単に、本明細書では緊急時要救出者と呼ぶ場合がある。
かかる緊急時要救出者を収容する建物、施設としては、
上記の如く、入院患者を収容する病院が考えられるが、
その他にも、例えば、乳幼児が収容される乳児院、高齢
者が収容される高齢者福祉施設、あるいは知育発達に障
害を有する者を収容する施設なども当然に対象となる。
【0017】上記構成で使用する「収容」という言葉
は、長期間にわたり建物に滞在する者に限らず、短期滞
在の場合も含めて構わない。さらには、一時的に建物内
に立ち入って利用する場合も含めて考えてもよい。緊急
時要救出者を上記「収容」の意味に沿った状態で収容す
る建物は本発明の対象に含めても構わない。
【0018】本発明は、あくまでも、緊急時要救出者が
安全に避難できることを目的としてなされたものであ
り、その意味では、建物内における緊急時要救出者など
の建物利用者のあり様を問う必要はない。
【0019】本発明の上記構成においては、同一階に複
数の防火区画が隣接して設けることにより避難経路が形
成されているため、火災時などの避難の安全性が確保さ
れる。避難経路の前方に火災が迫った場合などには、防
火区画内に形成した安全区画内に逃げ込んで一時待避す
ることもできる。特に、安全区画の形成に際しては、視
認性を有する耐火ガラスを用いることにより、安全区画
外の状況把握が容易に行え、その後の避難対策などの検
討を的確に行うことができる。
【0020】また、複数の防火区画を同一階に設けてお
くことにより、歩行困難者などの建物を利用している緊
急時要救出者が火災発生時などの緊急時に、階段を使用
したりして建物の上下階への避難を行わずに済むように
配慮されている。同一階において安全な箇所に一時避難
して、所謂水平避難ができるのである。
【0021】上記防火区画は、緊急時要救出者などの建
物利用者を収容する収容スペース、収容スペースに繋が
る通路、通路に繋がる避難階段、通路に繋がり避難階段
とは離して設けられる共用スペースの少なくともいずれ
かを有するように構成しておけば、通常の建物内に設け
られる利用スペースを防火区画として使用することがで
き、防火区画を形成するための特段の間取り替えなどの
必要がない。
【0022】また、避難階段に設けた附室、通路、共用
スペースに設けられた業務区画の少なくともいずれかを
安全区画に構成することにより、避難路に沿って、安全
区画が飛び飛びに設けられることとなり、万が一の場合
でも最寄りの安全区画に速やかに逃げ込むことができ
る。
【0023】さらに、避難経路に沿って設けられた安全
区画を、1次安全区画、2次安全区画、3次安全区画と
して設定して、火災状況に合わせた避難段階での一時待
避がかかる安全区画で行えるようにしておけばよい。
【0024】また、例えば、通路と通路に繋がる共用ス
ペースと、通路と避難階段とを、それぞれ開閉可能に設
けたガラス防火戸により区画することにより、火災時の
避難状況をガラスを通して分かるように、あるいは火災
状況を確認できるようにしている。緊急時の安全な避難
においては、現場状況の的確な把握が必要となるが、鉄
扉などの防火戸を使用する従来構成では、戸の向こう側
の状況は視認することができず、危険を侵して開けてみ
なければ分からなかった。
【0025】しかし、ガラス防火戸を使用することによ
り、向こう側の状況が確認でき、火災時でも防火戸を開
けても大丈夫か否かの判断が的確に行える。万が一、火
災がガラス防火戸の向こう側に迫ったとしても、耐火ガ
ラスを用いたガラス防火戸で隔てられているため延焼な
どの心配はなく、レスキュー隊などの救出者の到着を待
つべく安全区画内に一時待避するとの判断も的確に行え
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明を病院施設
に適用した場合における避難安全区画システムを、基準
階の上方から吹き抜け状態で示す斜視図である。以下の
説明では、病院施設の基準階を例に挙げ説明するが、か
かる基準階と同一構成が、他の階にも適用されている。
【0027】図1に示すように、本発明の適用建物とし
ての病院施設10の建物は、左右の入院棟10a、10
bが中央の管理棟10cで連絡されるように構成されて
いる。左右の入院棟10aには、それぞれ、緊急時要救
出者としての入院患者を収容する収容スペース11とし
て病室11aが設けられている。
【0028】なお、かかる病院10は、外来患者、入院
患者、看護婦、医師、事務員、立ち入り業者など多数の
者が建物利用者として考えられるが、以下の説明では、
かかる者の内、自力で避難するのが困難な、所謂緊急時
要救出者を例に挙げて説明する。
【0029】病室11a(11)は、通路12を挟んで
両側に複数設けられ、通路12とは防火区画壁としての
耐火壁21とガラス防火戸31とで区画されている。通
路12の奥は、避難階段13に通じている。避難階段1
3は、防火区画壁としての耐火壁22、ガラス防火戸3
2により通路12、病室11a側などと延焼防止可能に
仕切られている。
【0030】通路12の一方は、中央の管理棟10bの
共用スペース14に、ガラス防火戸33を介して通じて
いる。共用スペース14には、業務区画15として、入
退院などの受付業務を行う事務局15a、看護婦の待機
あるいは通常業務スペースとしてのナースステーション
15bがそれぞれ設けられている。併せて、ベンチ16
を設けた待合スペースも形成されている。
【0031】かかる事務局15a、ナースステーション
15bは、それぞれ外部とは、耐火ガラス間仕切壁23
により区画され、ガラス防火戸34を介して往来可能に
構成されている。
【0032】共用スペース14は、エレベータ17、階
段18aをまとめた上下階連絡スペース18に、ガラス
防火戸35を介して通じている。さらに、上下階連絡ス
ペース18には、入院棟10aの通路12を挟んだ一方
の側の各病室11aの窓側に面したバルコニー19a
が、ガラス防火戸36を介して連絡されている。バルコ
ニー19aは、各病室11aとガラス防火戸37を介し
て連絡されている。
【0033】同様に、通路12を挟んだ他方の各病室1
1aの窓側に面したバルコニー19bは、共用スペース
14と、入院棟10aの避難階段13側に、ガラス防火
戸36を介して通じている。バルコニー19bと各病室
11aとは、ガラス防火戸37で行き来可能に連絡され
ている。
【0034】入院棟10bにおける病室11a、通路1
2、避難階段13などの構成は、入院棟10aにおける
上記説明の構成と同様に構成されている。すなわち。管
理棟10cを挟んで、左右に同様の構成の入院棟10
a、10bが設けられている。
【0035】上記のように本発明の避難安全区画システ
ムでは、同一階に、緊急時要救出者を収容する収容スペ
ース11としての病室11a、収容スペース11に繋が
る通路12、通路12に繋がる避難階段13、通路12
に繋がり避難階段13とは離して設けられた共用スペー
ス14とを有しているため、例えば、火災が発生した場
合には、その状況に応じて、同一階で避難を行ってレス
キュー隊などの救出者が来るまでの一時待避を行うこと
ができる。
【0036】例えば、一方の入院棟10aで火災が発生
し、その入院棟10aの避難階段13の使用が困難な場
合には、一方の入院棟10aから管理棟10cの共用ス
ペース14側に脱出して避難する。また、火災状況によ
っては、共用スペース14の業務区画15内に入って一
時待避、あるいは共用スペース14を通って他方の入院
棟10b側に避難して、病室11a内、通路12側に一
時待避、あるいは入院棟10bの避難階段13側に一時
待避することができる。
【0037】入院棟10a、10bと管理棟10cとの
通用部は、通路12に設けたガラス防火戸32を介して
区画されているため、火の手が追ってきても、緊急時要
救出者が救出されるまで、火災を一方の入院棟10a内
に、あるいは入院棟10aと管理棟10cの共用スペー
ス14内に閉じ込めておくことができる。
【0038】また、通路12と病室11aとの連絡もガ
ラス防火戸31、通路12と避難階段13側との連絡も
ガラス防火戸32を介して行えるようになっているた
め、万が一にも病棟10b側にも火災が延焼してきて
も、状況によっては、病室11a側に一時待避すること
もできる。ガラス防火戸31を通して、通路12側の状
況を確認し、ルーフバルコニー19a、19bを通っ
て、避難階段13側へ避難することも考えられる。
【0039】通路12と避難階段13側も、ガラス防火
戸32を介して連絡されているので、さらに火災状況が
切迫して、病室11a内の一時待避では済まない状態に
至ったと判断される場合には、避難階段13側に逃れて
そこで一時待避することも可能である。
【0040】また、共用スペース14内の業務区画15
は、ガラス耐火間仕切壁23で外部と区画されているた
め、万一に共用スペース14内に火の手が入っても、燃
え易い書類等がある業務区画15内への延焼を回避する
ことができる。あるいは、業務区画15内で火災が発生
した場合でも、その火災を発生した業務区画15内に閉
じ込め、共用スペース14の業務区画15外への延焼防
止に努めることができる。
【0041】さらに、ガラス耐火間仕切壁23を使用す
ることにより、業務区画15の内外の様子が分かり、火
災時には火災状況の把握が行え、的確な避難の検討が行
える。例えば、共用スペース14内に火の手が迫り、共
用スペース14内に煙が立ち込め、業務区画15からの
避難が最早危険と判断される場合には、業務区画15で
ある事務局15a、あるいはナースステーション15b
にレスキュー隊などの救出者を待って一時待避すること
ができる。
【0042】従来は、平常時の利便性、コンクリート製
などの耐火ボードを主体とする耐火区画壁で囲う場合の
採光性、閉鎖性などの観点から、かかる事務局15a、
ナースステーション15bなどの共用スペース14内に
設けられる業務区画15を、耐火壁で区画するとの発想
には至らず、オープンにされていた。
【0043】しかし、本発明者は、ガラス耐火間仕切壁
23を使用することにより、平常時でも、ガラス越しに
向こう側が見え、共用スペース14内の全体の見通しが
確保され、業務区画の存在による圧迫感を感じることな
く、且つガラスを通しての採光性を確保して、かかる業
務区画15を安全区画に構成することを発想したのであ
る。
【0044】また、受付業務などが円滑に行えるよう
に、ガラス耐火間仕切壁23には、適所に防火シャッタ
(図示せず)を設けた窓口15cを開口しておき、日常
業務に支障がないようにされている。
【0045】本発明の構成では、このように同一階に、
共用スペース14に設けた業務区画からなる防火区画
と、収容スペース11としての複数の病室11a、通路
12からなる防火区画と、避難階段13を有する防火区
画とが設けられ、避難経路が共用スペース14、通路1
2、避難階段13へと形成されている。
【0046】かかる避難経路に沿って設けられた共用ス
ペース14内の業務区画15としてのナーススーション
15a、事務局15bを1次安全区画に、共用スペース
14と病室11aとを連絡する通路12を2次安全区画
に、避難階段13側を3次安全区画に構成しておけば、
避難経路に沿って火災状況によっては一時待避可能とな
る区画を形成しておけば、火災状況に合わせた避難の各
段階での一時待避を状況に合わせて選択することができ
る。
【0047】段階的に一時待避箇所を予め設けることに
より、かかる配慮のない従来構成とは異なり、過剰な避
難を避け、火災状況、消火状況に合わせた適切な避難、
待避が行える。段階的に一時待避箇所を設けない従来構
成では、例えば、1箇所の一時待避所に一度に避難する
などの状態が発生するが、火災状況の段階に合わせて利
用できる一時待避所を複数設けておくことにより、火災
発生時には、重度の歩行困難者などは看護婦の誘導など
により3次安全区画に避難させておき、軽度の歩行困難
者は、取り敢えず1次安全区画に避難して、火災状況、
消火状況を把握した上で、2次安全区画にさらに避難す
るか否かの冷静、的確な判断が行える。
【0048】このように複数の防火区画を設け、かかる
防火区画内に、ガラス防火戸を介して互いに区画された
安全区画を設けることにより、杖を付いたり、あるいは
車椅子を利用したり、あるいはその他の歩行具を利用す
るなど、自力での歩行が事実上困難な者などの緊急時要
救出者は、歩行時の負担が極端に大きくなる階段利用に
よる上下階への避難を避けて、同一階の火災の影響が少
ない方への避難を段階的に安全に進めることができる。
【0049】本発明の避難安全区画システムに使用する
ガラス防火戸は、次に示すような構造に構成しておくの
が好ましい。すなわち、ガラス防火戸の取付構造とし
て、火災時に煙あるいは炎の通過が予測されるガラス防
火戸取付部の隙間に、火災時の熱により発泡する熱感応
型発泡材を設けておく。
【0050】ガラス防火戸を片開き戸に構成した場合に
は、ガラス防火戸と戸枠との間に生ずる隙間を考えれば
よい。あるいはガラス防火戸と、戸枠、戸収納部とのそ
れぞれの間に生ずる隙間を考えてもよい。ガラス防火戸
を両開き戸に構成した場合には、ガラス防火戸の召し合
せ部に生ずる隙間が考えられる。さらには、ガラス防火
戸と、戸枠、召し合せ部、戸収納部とのそれぞれの間に
形成された隙間を考えてもよい。
【0051】ガラス防火戸を自動開閉ガラス防火戸に構
成する場合には、ガラス防火戸とガラス防火戸開閉機構
部の組込部との隙間にも、火災時の熱により発泡する熱
感応型発泡材を設けておけばよい。
【0052】かかる構成を図面に基づきさらに詳細に説
明すれば次のようになる。図2(A)は、自動開閉の両
開き引き戸に構成したガラス防火戸を示す平断面図であ
り、(B)は開閉機構部を部分的に示した断面図であ
る。
【0053】例えば、入院棟10a、10bの通路12
と、管理棟10cの共用スペース14とを開閉可能に区
画するガラス防火戸33を例にとり説明する。図2に示
すように、入院棟10a、10bと管理棟10cとを仕
切る防火区画壁41の開口部に、ガラス防火戸33は自
動開閉式に設けられている。
【0054】ガラス防火戸33は、建築基準法で定めら
れた所定層厚のスチール枠に耐火ガラスを入れた両開き
の引き戸33a、33bとから構成されている。両開き
引き戸33a、33bの各々には、図2(B)に示すよ
うに、既知の自動開閉機構部42が設けられ、人が両開
き引き戸33a、33bの正面近傍に立つと、人が来て
いることを重量センサなどで検知して、自動的に開閉で
きるように構成されている。かかる構成は、従来より既
知の構成を適用すればよい。
【0055】ガラス防火戸33を構成する引き戸33
a、33bと、開口時の引き戸33a、33bを収納す
る戸袋側の防火区画壁41との間には、引き戸33a、
33bの開閉時に防火区画壁41面と擦れが生じないよ
うに、僅かな隙間43a、43bが設けられている。か
かる隙間43a、43bには、ケイ酸ソーダ系、カーボ
ングラファイト系など従来より使用されている熱感応型
発泡材44が設けられている。
【0056】熱感応型発泡材44は、図2(A)に示す
ように、防火区画壁41の引き戸33a、33bに対面
する側に設けられ、熱感応型発泡材44と引き戸33
a、33b面とが接しないように設けられている。さら
に、熱感応型発泡材44は、図示しないが、引き戸33
a、33bの上下方向に沿っても所定幅で設けられてい
る。
【0057】かかる熱感応型発泡材44は、火災が発生
した場合には、所定温度に達した時点で、発泡して膨張
し、隙間43a、43bを埋めることとなる。このため
防火区画壁41面と、引き戸33a、33bとの間に生
じている隙間43a、43bを通して、煙や炎が通るこ
とがない。熱感応型発泡材44を設けるに際しては、発
泡時に隙間43a、43bを十分に埋める程度に設ける
必要があり、かかる使用量は、熱感応型発泡材44の発
泡時における膨張率などから設定すればよい。
【0058】使用する熱感応型発泡材44の選択に際し
ては、上記発泡時の膨張率以外にも、発泡開始時の温度
にも十分に注意する必要がある。これは、火災初期の低
い温度で発泡してしまっては、ガラス防火戸33を通し
て避難する際に、ガラス防火戸33の開閉に支障を来す
虞があるためである。例えば、100〜120℃程度の
温度に設定しておけばよい。かかる温度に設定しておけ
ば、火災時にガラス防火戸33としての機能を発揮す
る。
【0059】ガラス防火戸33を構成する引き戸33
a、33bでは、両引き戸33a、33bを閉じた状態
で発生する召し合せ部の隙間45をも、火災時に塞ぐこ
とができるように、両引き戸33a、33bの端面にも
熱感応型発泡材44が設けられている。
【0060】図2(A)に示す場合には、引き戸33
a、33bの両端面に設けられ、平常時には、両端面に
設けられた熱感応型発泡材44同士の間に隙間が発生す
るように構成されている。これは、平常時に両熱感応型
発泡材44同士の間に隙間がない場合には、火災時に熱
感応型発泡材44が発泡することにより、閉じ状態にあ
る引き戸33a、33bを左右に開こうとする大きな力
が発生するが、かかる力が発生しないようにするためで
ある。
【0061】図3に示す場合には、召し合せ部の隙間4
5における熱感応型発泡材44の取付例を示している。
引き戸33a、33bの互いに対面するそれぞれの端面
間の隙間45は、例えば、5mmに設定されている。引
き戸33a、33bの両端面には、中央部に突起状部4
4aを形成するように平坦部44bができるように熱感
応型発泡材44を設ければよい。このように突起状部4
4aを形成するように設けておけば、図2に示すよう
に、両突起状部44aの先が出合いになっているため、
熱感応型発泡材44を、突起状部44aを設けることな
く、双方とも平らに設けた場合に比べて、隙間45の許
容間隔を広く設定することができる。
【0062】引き戸33a、33bは、その端面が対面
する形式の引き戸に構成した場合について説明したが、
例えば、図3(B)に示すように、引き戸33a、33
bを、引き違い戸に構成してもよい。図3(B)に示す
場合には、引き戸33a、33bが閉じた状態で互いに
対面する隙間46に、引き戸33bの側に、中央に突起
状部44aができるように平坦部44bを形成するよう
に設けておけばよい。突起状部44aを形成しておくこ
とにより、隙間46は、かかる突起状部44を設けずに
平らに設ける場合に比べて、隙間46の許容間隔をより
広く設定することができる。
【0063】図3(B)では、突起状部44aは、片方
の引き戸33b側から設けた場合について示したが、引
き戸33a、33bの両方から図3(A)に示すよう
に、突起状部44aを設けた場合には、図3(B)に示
す場合よりも、さらに隙間46の許容間隔を広く設定す
ることができる。
【0064】また、図示しないが、引き戸33a、33
bと戸枠との間に生ずる隙間側も、火災時に塞ぐことが
できるように、熱感応型発泡材44を、戸枠の引き戸3
3a、33bに面する側に設けておけばよい。さらに、
図2(B)に示すように、ガラス防火戸33の上端側に
設けた開閉機構部42の組込部42aの隙間にも、火災
時に組込部42aの内部を煙や炎が通らない程度に埋め
ることができるように、上記構成の熱感応型発泡材44
が設けられている。
【0065】図2(B)に示す場合には、熱感応型発泡
材44は、略ボックス状に形成された開閉機構部42の
内周面に設けられ、火災時には、開閉機構部42の内部
の組込部42aの隙間を十分に埋めることができるよう
になっている。
【0066】かかる構成のガラス防火戸の取付構造で
は、火災が発生し、所定温度に達した時点で熱感応型発
泡材44が発泡して、ガラス防火戸33、すなわち引き
戸33a、33bの閉じ状態で、その周囲の戸枠、戸袋
側、召し合せ部、開閉機構部側の隙間を、煙や炎が通ら
ない程度に発泡して埋めることとなる。
【0067】図4に示すように、ガラス防火戸33を両
開き戸33c、33dに構成しても構わない。両開き戸
33c、33dが閉じ状態で、両端面が対面する側に、
熱感応型発泡材44を設けておけばよい。両開き戸33
c、33dの回転中心側と、戸枠47側との間に生ずる
隙間にも熱感応型発泡材44を設けておく。図示しない
が、開き戸33c、33dの上端側、下端側の戸枠との
隙間にも熱感応型発泡材44を設け、火災時には、かか
る隙間を埋めて、煙、炎を通さないようにしておく。
【0068】図4に示す場合でも、熱感応型発泡材44
の形状は、上記説明のように平坦部44bに突起状部4
4aが設けられた構成にしておけば、隙間間隔を前記説
明と同様の理由でより広くすることができる。
【0069】図5(A)には、通路12と病室11aと
の出入り口を開閉可能に区画するガラス防火戸31を示
す。ガラス防火戸31は、片開き引き戸31aに構成さ
れている。引き戸31aは、図面右側に片開きできるよ
うに構成され、病室11aと通路12とを区画する防火
区画壁としての耐火壁22との間に形成される隙間を火
災時に塞ぐことができるように、閉じ状態の引き戸31
aと対面する防火区画壁22の対面側に熱感応型発泡材
44が設けられている。
【0070】図5(B)には、バルコニー19aと上下
階連絡スペース18との出入口を開閉可能に区画するガ
ラス防火戸36のように、片開き戸36aに構成した場
合を示す。片開き戸36aの回転中心側に面する戸枠4
7側には、図4に示すと同様に、熱感応型発泡材44が
設けられている。片開きのガラス防火戸32、34、に
ついても、同様の構成を適用すればよい。
【0071】しかし、ガラス防火戸の構成は、上記説明
に限定されるものではない。例えば、上記説明では、ス
トレッチャーに患者を載せた状態でも、車椅子利用者で
も、特段の開閉操作をしなくても円滑に通過できるよう
にとの目的で、ガラス防火戸を自動開閉機構を有する自
動扉に構成した場合について述べたが、状況に応じて
は、手動開閉の構成にしても構わない。
【0072】このように本発明の避難安全区画システム
では、ガラス防火戸とその取付構造部との隙間には、熱
感応型発泡材が予め設けられているため、万が一にも火
災が発生した場合でも、火災時の温度により熱感応型発
泡材が発泡してその隙間を塞ぐため、かかる隙間に熱感
応型発泡材を設けない場合とは異なり、火災側から、ガ
ラス防火戸により遮られている防火区画側に煙や炎が通
ることがない。そのため、火災時でも、防火区画内を煙
や炎から保護できるので、かかる隙間の手当てをしない
構成に比べて、防火区画内の安全性をより確実に確保す
ることができる。
【0073】建築基準法で定められた従来構成の鉄扉な
どの防火戸では、相当厚の鋼鉄板が使用されており、火
災時の高温環境において、熱変形を起こし、正常時に比
べて防火戸の取付構造部分における隙間が大きくなるこ
とがあった。そのため、かかる隙間が発生すると、火災
時においては煙、あるいは炎などの格好の通り道となる
ことが予想され、火災規模によっては、防火戸としての
機能を十分には発揮できない場合も予想された。
【0074】しかし、上記構成のガラス防火戸に構成し
ておけば、火災時においてもガラス防火戸の取付構造部
分に生ずる隙間から煙や炎が通る心配がないので、従来
とは異なり確実に延焼防止、防煙効果を確保することが
でき、とかく避難が遅れがちに成り易い緊急時要救出者
であっても、十分に避難することができる。
【0075】次に、本発明の避難安全区画システムで使
用する避難階段13側の構成について説明する。かかる
構成としては、次に示すような構造に構成しておけばよ
い。
【0076】すなわち、防火区画で病室などを設けた居
住空間などの建物内部と区画された階段室に避難用の階
段を設ける避難階段の区画システムで、前記防火区画に
は、前記建物内部から前記階段室への出入り用の引き戸
に形成された遮熱性能を有する耐火ガラス製のガラス防
火戸を設け、前記避難階段の階段室には、緊急時要救出
者収容などの歩行困難者が待避する待避空間を設け、前
記待避所を区画する防火区画壁には、待避空間内の状況
が視認できるガラス耐火間仕切を使用する構成とすれば
よい。
【0077】前記階段室と建物内部との間には、排煙お
よび/または防煙装置を設けた附室を介在させるように
してもよい。階段室には、排煙および/または防煙装置
を設けておけばよい。
【0078】前記ガラス防火戸が片開き引き戸の場合に
は、前記ガラス防火戸と、戸枠、戸袋、引き戸開閉用機
械設置部とのそれぞれの間に生ずる隙間に、あるいは、
前記ガラス防火戸が両開き引き戸に構成されている場合
には、前記ガラス防火戸と、戸枠、召し合せ部、戸袋、
引き戸開閉用機械組込部とのそれぞれの間に形成された
隙間に、それぞれ火災時の熱により発泡する熱感応型発
泡材を設けておけばより好ましい。
【0079】かかる避難階段13側のより詳細な構成に
ついては、以下、図面を用いて説明する。図6は、避難
階段13側の区画状況を示す平面図である。図7は、階
段室を通路側から矢視方向に附室を眺めた様子を示す説
明図である。図8は、階段室内の待避空間の様子を示す
説明図である。
【0080】避難階段13側は、図6に示すように、入
院棟10a、病室11a、通路12側の居住空間と防火
区画壁としての耐火壁22により区画された階段室51
内に、避難階段13を設けた構成となっている。
【0081】階段室51の正面は、ガラス防火戸52を
介して附室53に通じている。附室53は、ガラス防火
戸32を介して通路12に通じている。かかる構成の附
室53には、ダクトを介して外壁側に排煙口を設けた排
煙装置54が設けられている。附室53内に流れ込んだ
火災時の煙を建物の外部に排煙装置54により、排煙で
きるようになっている。
【0082】このようにして、入院棟10aでは、病室
11a、通路12を設けた居住空間と、避難階段13を
設けた階段室51は、排煙装置54を設けた附室53を
間に介在させて間接的に連絡されることとなる。
【0083】そこで、例えば、病室11a側などを有す
る居住空間側で火災が発生した場合でも、防火区画壁と
しての耐火壁22で区画されているため、附室53、階
段室51、避難階段13側への延焼をくい止めることが
できる。
【0084】上記ガラス防火戸32は、避難時の開閉が
円滑に行えるように、自動開閉式に構成しておけばよ
い。図6に示す場合には、片開きの開き戸に形成した
が、より好ましくは、引き戸に構成しておけばよい。こ
れは、極力開閉部に相当するガラス防火戸32の開閉空
間を、避難に支障がでない程度に少空間に抑えるためで
ある。開き戸に形成しておくと、避難時に扉が通行方向
に開閉するため、避難者の通行を開閉の度に妨げる虞れ
がある。
【0085】また、ガラス防火戸32は、向こう側が少
なくともある程度視認できる程度の透明性の遮熱性能を
有する耐火ガラスを使用した構成に形成されている。併
せて、階段室51と附室53とを仕切る耐火間仕切壁5
5も、遮熱性能を有する耐火ガラスを使用したガラス耐
火間仕切壁55aに形成されている。ガラス耐火間仕切
壁55aも防火区画壁として機能している。
【0086】階段室51は、図6に示すように、ガラス
防火戸52を開けて階段室51内に入った箇所が少し広
めの踊り場に形成されている。踊り場には、図6に示す
ように、図中破線表示として緊急時要救出者などの歩行
困難者が一時待避できる待避空間56が設けられてい
る。
【0087】図7は通路12側から階段室51内に人が
一時待避している様子が、耐火壁22をガラス耐火間仕
切壁22aに構成して見通している様子を示している。
階段室51内の待避空間56は、例えば車椅子に人が載
った状態で、3台横に並んで待避できる程度に形成して
おけばよい。車椅子3台分の個々の空間を、フロアに区
画表示して設定するようにしてもよい。かかる待避空間
56の大きさは、階段室51の踊り場の広さに合わせて
適宜決めればよい。なお、ガラス耐火間仕切壁22aの
側面には、防火シャッタ58が設けられている。
【0088】待避空間56の側面の外壁57部分を大き
く開口しておき、この部分に強化ガラスなどを嵌め込
み、外光が階段室51内に入り込むように構成してもよ
い。待避空間56は、背後の遮熱性能を有するガラス耐
火間仕切壁22a、強化ガラスを嵌めた外壁57で囲む
ようにして、待避空間以外の部位から待避空間56内の
様子が分かるようにするとともに、併せて、待避空間5
6内の照明状態を明るく保てるようにしておけばよい。
【0089】火災が発生した場合には、建物内の多くの
人が階段室51内に入り、避難階段13を利用して避難
することとなるが、例えば車椅子などを使用した障害者
の場合には、階段室51まではなんとか避難できても、
階段を自力で降りることはできず、その場で立ち往生す
ることが予想される。
【0090】避難する健常者が、複数で車椅子を持ち上
げ、一緒に避難階段を降りてくれれば良いが、常にそれ
を期待することは難しい。そこで、上記待避空間56を
設けておけば、歩行困難者は無理をして避難階段を利用
することなく、建物外部からの救助隊の到着を安全に待
つことができる。従来は、かかる待避空間56を設けて
いないため、健常者の避難の流れに巻き込まれて、車椅
子ごと階段を落下したり、転倒したりなどの虞が十分に
予想された。
【0091】しかし、待避空間56を設けておくことに
より、車椅子に乗った歩行困難者でも、安全に、健常者
の避難の流れに巻き込まれずに、救助隊の到着を待つこ
とができる。
【0092】特に階段室51を、ガラス防火戸32、ガ
ラス耐火間仕切壁22a、ガラス耐火間仕切壁55aで
区画するように構成してあるため、ガラスを通して向こ
う側がある程度視認できるため、救助隊が階段室51の
外から建物内に進入した場合でも、附室53の側から、
待避空間56内に待避している人が居るか居ないかの確
認が簡単にできる。一刻も争う緊急時においては、かか
る確認が素早く行えるか否かは、極めて重要である。
【0093】また、外壁57部分に強化ガラスを用いて
建物外部と内部とがある程度見通せるように構成してお
けば、建物外部から階段室51の待避空間56に、救助
を求めて待っている人がいることを確認することがで
き、救助隊の進入目標が前もって分かり、敏速な救助活
動を助けることとなる。
【0094】待避空間56には、図8に示すように、車
椅子に乗った状態で救助依頼ができるように、建物内の
防災センターに通じるインターホンAを設けておけばよ
い。また、かかる待避空間56は、車椅子を使用してい
る歩行困難者以外の者でも使用できることは勿論であ
る。さらには、待避空間56の近くの外壁57に、救助
隊が外部から進入できるような緊急時の進入口を設けて
おけば更に効果的である。
【0095】さらに、ガラス防火戸52には、前述した
ように、その取付構造部における隙間に、熱感応型発泡
材が設けられ、万が一にも附室53内に火災が延焼した
場合でも、上下階に通じ、外部に通じる避難階段13を
有する階段室51に煙や炎が入り込まないように構成さ
れている。すなわち、図9に示すように、ガラス防火戸
52の取付構造部の隙間59には熱感応型発泡材44が
設けておけばよい。
【0096】熱感応型発泡材44は、前述の如く、ケイ
酸ソーダ系、カーボングラファイト系など従来より使用
されているものを使用すればよく、ガラス防火戸52の
上下方向に沿っても所定幅で設けておけばよい。
【0097】かかる熱感応型発泡材44は、火災が発生
した場合には、所定温度に達した時点で、発泡して膨張
し、隙間59を埋めることとなる。このため附室53に
火災が延焼したり、あるいは附室53内で十分な排煙が
行えない場合でも、隙間59を通して、煙や炎が通るこ
とがない。
【0098】上記説明では、附室53を階段室51に隣
接して設けることにより、火災時に発生する煙を、階段
室51に通さないように構成したが、図9に示すよう
に、ガラス防火戸52の取付構造部の隙間59などを熱
感応型発泡材44で火災時に発泡膨張させて塞ぐ構成を
採用しておけば、図10に示すように、附室53を設け
ない構成も採用できる。
【0099】また、附室53を設けない構成では、図1
0に示すように、階段室51内に排煙装置54を設けて
おき、万が一にも階段室51内に煙が進入した場合で
も、十分に排気して、避難階段を使用して避難する際に
煙にまかれないようにしてもよい。
【0100】このように本発明の避難安全区画システム
における避難階段に、上記構成を採用することで、かか
る構成を採用しない場合に比べて、例えば、次のような
効果が得られる。
【0101】すなわち、階段室に待避空間が設けられて
いるため、避難階段を利用して避難することが困難な歩
行困難者が、健常者の避難の流れに巻き込まれずに、救
助隊の到着を安心して待つことができる。
【0102】階段室51へ通じるガラス防火戸52の取
付構造の隙間に、熱感応型発泡材44を設けておくこと
により、ガラス防火戸52を介して階段室51に隣接す
る空間が火災になった場合でも、熱感応型発泡材44が
発泡、膨張して隙間を塞ぐため、階段室51を煙や炎か
ら保護することができるのである。
【0103】従来の防火戸は建築基準法で定められた仕
様規定の所定厚のスチール製に構成されていても、火災
時の高温環境においては、防火戸に使用するスチールが
熱変形を起こし、正常時に比べて防火戸の取付構造部分
における隙間が大きくなる虞れがあった。火災時におい
ては煙、あるいは炎などの格好の通り道となることが十
分に予測され、火災規模によっては、防火戸としての機
能を十分には発揮できない場合が危惧された。
【0104】しかし、本発明では上記構成の熱感応型発
泡材を使用することにより、火災時の炎、あるいは煙な
どの通り道となりそうな隙間を有効に塞ぐことができる
ので、火災が発生した場合でも、煙などが防火区画で囲
われた避難階段に入り込み、安全な避難が脅かされる危
険を回避することができるのである。
【0105】また、避難に際しては、早くに避難したい
という気持ちから、どうしても我がちに避難する場合も
ある。かかる状況下では、身体に何らかの障害などを負
い、素早い歩行が行えないなどの歩行困難者は、健常者
の素早い避難行動に追いつけず、最悪の場合には、後ろ
から押されて転ぶなどの事故も発生し易い。我がちに避
難する際に、転んだりすると、後続の避難者が次々に覆
いかぶさるように倒れ、将棋倒しの大惨事になる場合も
十分に考えられる。
【0106】しかし、本発明では、階段室内に一時待避
所を設ける構成を採用しているので、避難階段での健常
者の避難と、歩行困難者の一時待避により救出活動を待
つ避難とを区別して、速やかな避難が円滑に行えるよう
にすることができるのである。
【0107】次に、本発明の避難安全区画システムで使
用するガラス耐火間仕切壁について説明する。かかるガ
ラス耐火間仕切壁の構造としては、例えば、次に示すよ
うな構成を採用しておけばよい。
【0108】すなわち、耐火ガラスを用いて火災側と非
火災側とを画するガラス耐火間仕切壁の耐火ガラス取付
構造としては、耐火ガラスを、その外周に枠状にサッシ
を設けない状態で、前記耐火ガラスの適用部位に、断熱
材を介して取り付けるようにすればよい。複数枚の前記
耐火ガラスを連接する場合には、前記耐火ガラス同士
は、アルミナシリカ系セラミック材、あるいはガラス繊
維混入ケイ酸カルシウム材を介して連接しておけばよ
い。前記耐火ガラスと、前記アルミナシリカ系セラミッ
ク材、あるいは前記ガラス繊維混入ケイ酸カルシウム材
との間には、熱感応型発泡材が介在しておけば好まし
い。
【0109】かかる構成について、以下、図面に基づい
て詳細に説明する。図11(A)は、ガラス耐火間仕切
壁の部分正面図を示し、(B)は、(A)のA−A線で
切断した様子を示す断面図である。図12は、耐火ガラ
スの上下支持部の飲み込み状況を示した断面図である。
【0110】ガラス耐火間仕切壁22aは、図11
(A)に示すように、複数枚の耐火ガラス110を、天
井スラブ120と床スラブ130との間に、横方向に連
接して形成されている。耐火ガラス110は、図12に
示すように、3枚の耐熱ガラス140間に、所定温度に
達すると熱に感応して発泡する加熱発泡材150を介在
させた積層構造に形成されている。
【0111】尚、使用する耐火ガラス110には、図1
2に示す構成以外の耐火ガラスを使用してもよく、要
は、十分にその耐火性能を有する構成の耐火ガラスであ
れば、本発明に適用することができる。
【0112】かかる構成の耐火ガラス110には、図1
1(B)、図12に示すように、その外周にはサッシが
枠状に設けられていない。すなわち、従来構成の耐火性
のサッシは、耐火ガラス110の周囲には設けられてい
ない。このようにサッシレスの状態で、耐火ガラス11
0が建物の耐火ガラス適用部位としてのガラス耐火間仕
切壁に取り付けされている。
【0113】耐火ガラス110の取付は、図12に示す
ように、その上端110a、下端110bを、それぞれ
ガラス耐火間仕切壁の敷設箇所の天井側、床側に固定し
て行われている。建物の耐火ガラス適用部位の天井スラ
ブ120には、ガラス耐火間仕切壁の敷設方向に沿って
形成された溝部120aが設けられ、床スラブ130側
には溝部130aが設けられている。
【0114】溝部120a、130aに、耐火ガラス1
10の上端110a、下端110bが嵌められ、溝部1
20a、130aと耐火ガラス110の上端110a 、
110bとの間の隙間には耐火層160が介在されて、
耐火ガラス110の上下端が固定されている。
【0115】天井スラブ120側の耐火層160は、図
12に示すように、溝部120aにビス止めにより設け
られた断面凹型部材1610と、断面凹型部材1610
内面と、耐火ガラス110の上端110aとの間に介在
させるセラミックファイバー1620、耐火シール16
30とから構成されている。セラミックファイバー16
20は、耐火ガラス110の上端110a側にキャップ
状に被せるような状態で介在させられている。キャップ
状に被せたセラミックファイバー1620と、天井スラ
ブ面120b側との間は、耐火ガラス110の周囲に耐
火シール1630が設けられて、火災時の耐火性が確保
されている。
【0116】床スラブ130側の耐火層160は、図1
2に示すように、溝部130aにビス止めにより設けら
れた断面凹型部材1610と、断面凹型部材1610内
面と耐火ガラス110の下端110bとの間に介在させ
るセラミックファイバー1620と、耐火シール163
0と、セッティングブロック1640とから構成されて
いる。
【0117】耐火ガラス110の下端110bは、断面
凹型部材1610内面に平らに設けた珪酸カルシウム板
などから構成されるセッティングブロック1640上に
載置された状態となっている。
【0118】セッティングブロック1640の周囲に
は、断面凹型部材1610との間に、セラミックファイ
バー1620が介在させられ、さらに、セラミックファ
イバー1620上端から床スラブ面130bまで、耐火
ガラス110の周面に耐火シール1630が設けられ
て、火災時の耐火性が確保されている。
【0119】また、溝部120aは、図11(B)、図
12に示すように、溝部130aより深く形成され、耐
火ガラス110の上端110a側の天井スラブ120へ
の飲み込み量hを、下端110bより深くすることによ
り、サッシレスの耐火ガラスの取付支持構造の安定、強
化を図っている。かかる飲み込み量hとしては、20〜
30mmの範囲を設定すればよい。
【0120】耐火層160の構成としては、上記構成以
外の構成でも、耐火ガラス110と溝部120a、13
0aとの間を埋めて、且つ耐火ガラス110の上下端を
確実に固定できるものであればよい。
【0121】このようにして、図11に示すガラス耐火
間仕切壁22aに使用されている複数枚の耐火ガラス1
10は、その上端110aが天井スラブ120の溝部1
20aに、その下端110bが床スラブ130の溝部1
30aに、それぞれ固定されている。
【0122】上下が固定された複数枚の耐火ガラス11
0同士は、間に断熱材170を介して連接されている。
断熱材170としては、例えば、アルミナシリカ系セラ
ミック材、ガラス繊維混入ケイ酸カルシウム材を使用で
きる。図13に示すように、かかる断熱材170が柱1
70aに形成され、柱170a(170)の周囲には、
熱感応型発泡材180で成形された耐火ガラス保持部1
80aが設けられている。
【0123】耐火ガラス保持部180aは、図13
(A)に示すように、柱170aの両側に縦方向に沿っ
て溝部190を設けた形状に形成され、溝部190に耐
火ガラス110の縦方向端部が嵌め込まれて支持されて
いる。
【0124】このように耐火ガラス110同士は、間に
断熱材170、熱感応型発泡材180を介して連接保持
されており、従来のような耐火ガラスの周囲に枠状に設
けたサッシを支持支柱で支持する構成とは全く異なる。
そのため、耐火ガラス面には、従来のように太いサッシ
部分がでることはなく、意匠的にすっきりとさせること
ができる。
【0125】耐火ガラス保持部180aに使用できる熱
感応型発泡材180としては、ケイ酸ソーダ系、カーボ
ングラファイト系など従来より使用されている熱感応型
発泡材を使用することができる。
【0126】さらに、耐火ガラス自体は、その上端11
0a、下端110b側は、コンクリートなどの耐火材を
介して天井スラブ120、床スラブ130に固定され、
隣接する耐火ガラスとはその側方を耐火材170、熱感
応型発泡材180を介して互いに連接接合されているの
で、火災時の耐火性も十分に確保されている。
【0127】かかる構成のノンサッシ構造の耐火ガラス
取付構造は、ガラス耐火間仕切壁22a以外にも、避難
階段の防火区画壁、あるいは嵌め殺しの耐火窓などに使
用して構わない。ナースステーション15bの周囲を囲
むガラス耐火間仕切壁23、階段室51と通路12とを
区画するガラス耐火間仕切壁に適用できることは言うま
でもない。
【0128】さらには、病室11aと通路12とを区画
する耐火壁21に、上記構成のガラス耐火間仕切壁を使
用しても構わない。但し、かかる場合には、通路12側
と病室11a内が互いに見通せることとなるため、病室
11a側にカーテン、あるいはブラインドを設けるなど
して、平常時には通路12側からの見通しを入院患者側
からコントロールできるようにしておくことが好まし
い。
【0129】ガラス耐火間仕切壁の構成は、上記説明に
限定されるものではなく、上記説明の趣旨を逸脱しない
範囲で以下のように変更してもよい。
【0130】例えば、前記説明では、耐火ガラス110
の上端110a、下端110bの天井スラブ120、床
スラブ130への取り付けを、断面凹型部材1610な
どを使用した図2に示すような構成にしたが、簡単な構
成としては、図14に示すように、耐火材のコンクリー
トを用いて耐火層160を構成するようにしてもよい。
【0131】また、上記説明では、耐火ガラス同士の連
接を、断熱材170で構成した柱170aの周囲に、熱
感応型発泡材180の耐火ガラス保持部材180aを介
して行う構成について説明したが、図13(B)に示す
ように、断熱材170の柱170aを使用することな
く、熱感応型発泡材180による耐火ガラス保持部材1
80aのみで両隣の耐火ガラスの縦方向端部を挟持して
連接させてもよい。
【0132】上記説明では、耐火ガラス同士の連接に際
して使用する柱170aの断熱材170として、アルミ
ナシリカ系セラミック材、あるいはガラス繊維混入ケイ
酸カルシウム材を単独使用する場合について説明した
が、これらを併用した構成を採用しても勿論構わない。
【0133】本発明の避難安全区画システムで採用する
ガラス耐火間仕切壁では、従来とは異なり耐火ガラスの
周囲に枠状にサッシを設けないため、その分耐火ガラス
面の視野を遮るものがない。そのため、火災発生時にお
いて、ガラスを通して向こう側の状況をより確実に把握
することができる。
【0134】さらに、意匠的にもガラス面を広く使うこ
とができる。特に、緊急時要救出者収容施設などでの病
院施設、あるいは老人施設などでは、長期入院患者など
をも含めて長期滞在者がおり、自宅での療養などとは異
なり、一定の規則に従った集団生活が求められ、どうし
ても気うつに成り易い傾向があると言われる。
【0135】本発明で使用するガラス耐火間仕切壁で
は、サッシを用いない耐火ガラスを使用しているので、
サッシを用いる場合とは異なり、ガラス面を遮る部材が
なく、心理的な圧迫感を受けない。そのため、サッシを
設けないガラス耐火間仕切壁を意識的に使用することに
より、従来よりも一層の開放感を演出して、かかる長期
滞在者の気うつを少しでも解消する構成とすることがで
きる。
【0136】また、サッシを使用しない取付構造である
ため、耐火ガラスとその周囲に設けるサッシとの火災時
の高温における熱膨張率の違いに基づくガラス破損を未
然に防止することができ、より火災時のガラス耐火間仕
切壁の信頼性を高めることがができる。さらに、サッシ
を用いない分、耐火ガラスの全体重量が軽くなり、施工
容易性を向上させることができ、結果として施工費用の
低減を図ることもできる。
【0137】また、ガラス耐火間仕切壁は耐火ガラス部
分で採光できるので、透光性を有しないそれまでの防火
区画材に比べて、防火区画内の採光環境が改善される。
透光性を有しない防火区画材を使用した場合には、防火
区画内の空間は暗くなりがちで、特別の照明を設ける必
要がある。しかし、耐火ガラスを用いることにより、防
火区画に隣接する通常の使用空間などから光が入り込
み、防火区画内の空間を明るくすることができる。その
ため、防火区画内の空間を、平時でも周囲空間とは違和
感がなく気軽に利用できる存在とすることができる。
【0138】避難路などは、平時から違和感なく使い慣
れていた方が好ましいと言われている。普段から使い慣
れていた方が、非常時でも安心して落ち着いて避難する
ことができるからである。すなわち、防火区画壁に耐火
ガラスを使用することにより、普段から防火区画内の避
難空間を明るい親しみ易い空間に構成しておくことが、
避難行動時の心理面からも意味のあることである。
【0139】さらに、火災時においても、耐火ガラスを
通して火災側の状況がある程度察することができるた
め、全く透光性を有しない防火区画材を使用する場合に
比べて、かかる避難路の使用の可否を判断することもで
き、より安全な避難行動の確保を行うことができる。
【0140】本発明は、上記実施の形態に限定されるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲で必要に応じて
変更してもよい。
【0141】例えば、共用スペースに設ける業務区画を
外部と仕切る耐火間仕切壁には、防火シャッタを開閉可
能に設けた窓口を開口させた場合について説明したが、
業務区画内に別途受付カウンターなどを設けておき、ガ
ラス防火戸を通して業務区画内に入った状態で受付など
が行えるようにしても構わない。かかる構成にしておけ
ば、ガラス耐火間仕切壁に開口部を設けないようにする
ことができ、火災時における開口部からの延焼などをよ
り回避することができる。
【0142】前記説明では、管理棟を挟んで左右に同様
の構成を有する入院棟を設けた病院施設を例に上げて説
明したが、左右の入院棟の構成は異なる仕様でも構わな
い。さらには、1棟全体が、入院棟のように構成され、
ガラス耐火間仕切壁で病室側と仕切られたナースステー
ションを設ける構成でも構わない。
【0143】共用スペースは、上記説明では業務区画と
して事務局、ナースステーションを想定して説明した
が、施設利用者用の売店などであっても構わない。
【0144】また、前記説明の避難安全区画システムの
構成は、病院施設の全ての階に適用しても構わないし、
あるいは一部の階に適用しても構わない。
【0145】
【発明の効果】本発明では、避難階段およびその附室の
ガラス耐火間仕切壁並びにガラス防火戸を設置するた
め、火災時に避難者の避難階段の安全確認が可能とな
り、併せて消防隊が火災階内部の火災状況を確認するこ
とができる。レスキュー隊の区画内の一時待避者の確認
容易性を確保することともなる。
【0146】本発明を病院に適用すれば、病室等の通路
と病室出入り口及び区画にガラス耐火間仕切壁並びにガ
ラス防火戸を設置しているため、入院患者の病室内での
一時待避を可能にし、看護婦などの病室内の適切な状況
把握に役立つ。
【0147】また、共用スペースと病室の区画にガラス
防火戸を設置することで、病室などの通路を安全区画と
して機能させることができる。他に、避難経路の見通し
を良くし、さらに自動ドアにして日常の入院患者の車椅
子、ベッドなどの円滑な通行の確保が行える。
【0148】ナースステーションにガラス耐火間仕切壁
並びにガラス防火戸を設置することで、カルテなどの可
燃物の多いナースステーションからの出火延焼拡大を効
果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の避難安全区画システムの実施の形態の
一例を示す説明図である。
【図2】(A)は両開き引き戸に構成したガラス防火戸
の取付構造を示す断面図であり、(B)はその開閉機構
部を示す断面図である。
【図3】(A)は両開き引き戸の召し合せ部を示す断面
図であり、(B)は引き違い引き戸の召し合せ部を示す
断面図である。
【図4】両開き戸に構成したガラス防火戸の取付構造を
示す断面図である。
【図5】(A)は片開き引き戸に構成したガラス防火戸
の取付構造を示す断面図であり、(B)は片開き戸に構
成したガラス防火戸の取付構造を示す断面図である。
【図6】避難階段の区画システムの構成を示す平面図で
ある。
【図7】通路側から階段室側の様子をみた説明図であ
る。
【図8】階段室内からみた待避空間の状況を示す説明図
である。
【図9】ガラス防火戸の取付構造部における隙間に熱感
応型発泡材を設けた様子を示す断面図である。
【図10】階段室に隣接して附室を設けない構成を示す
平面図である。
【図11】(A)は、耐火ガラス取付構造を適用したガ
ラス耐火間仕切壁の正面図であり、(B)は(A)のA
−A線で切断した場合の断面図である。
【図12】耐火ガラスの上下端側の取付状況を示す断面
図である。
【図13】(A)は、連接する耐火ガラス同士の接合部
を示す断面図であり、(B)は耐火ガラスの連接を熱感
応型発泡材のみで接合する場合の接合部を示す断面図で
ある。
【図14】耐火ガラスの上下端側の取付状況の変形例を
示す断面図である。
【符号の説明】
10 病院施設 10a 入院棟 10b 入院棟 10c 管理棟 11 収容スペース 11a 病室 12 通路 13 避難階段 14 共用スペース 15 業務区画 15a 事務局 15b ナースステーション 15c 窓口 16 ベンチ 17 エレベータ 18 上下階連絡スペース 18a 階段 19a バルコニー 19b バルコニー 21 耐火壁 22 耐火壁 22a ガラス耐火間仕切壁 23 ガラス耐火間仕切壁 31 ガラス防火戸 31a 片開き引き戸 32 ガラス防火戸 33 ガラス防火戸 33a 引き戸 33b 引き戸 33c 開き戸 33d 開き戸 34 ガラス防火戸 35 ガラス防火戸 36 ガラス防火戸 36a 片開き戸 37 ガラス防火戸 41 防火区画壁 42 自動開閉機構部 42a 組込部 43a 隙間 43b 隙間 44 熱感応型発泡材 44a 突起状部 44b 平坦部 45 隙間 46 隙間 47 戸枠 51 階段室 52 ガラス防火戸 53 附室 54 排煙装置 55 耐火間仕切壁 55a ガラス耐火間仕切壁 56 待避空間 57 外壁 58 防火シャッタ 59 隙間 110 耐火ガラス 120 天井スラブ 120a 溝部 120b 天井スラブ面 130 床スラブ 130a 溝部 130b 床スラブ面 140 耐熱ガラス 150 熱感応型発泡材 160 耐火層 170 断熱材 170a 柱 180 熱感応型発泡材 180a 耐火ガラス保持部 190 溝部 1610 断面凹型部材 1620 セラミックファイバー 1630 耐火シール 1640 セッティングブロック A インターホン

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の避難安全区画システムであって、 前記建物の同一階に、複数の防火区画を隣接して設ける
    ことにより形成された避難経路と、 前記避難経路に沿って設けられ、視認性を有する耐火ガ
    ラスを用いて区画され、一時待避所として利用できる安
    全区画とを有することを特徴とする避難安全区画システ
    ム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の避難安全区画システムに
    おいて、 前記防火区画は、建物利用者を収容する収容スペース、
    前記収容スペースに繋がる通路、前記通路に繋がる避難
    階段、前記通路に繋がり前記避難階段とは離して設けら
    れる共用スペースのいずれかを有し、 前記避難階段に設けた附室、前記通路、前記共用スペー
    スに設けられた業務区画のいずれかが前記安全区画であ
    ることを特徴とする避難安全区画システム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の避難安全区画システムに
    おいて、 前記防火区画は、建物利用者を収容する収容スペース
    と、前記収容スペースに繋がる通路と、前記通路に繋が
    る避難階段と、前記通路に繋がり前記避難階段とは離し
    て設けられる共用スペースとを有し、 前記共用スペースに設けられた業務区画が1次安全区画
    であり、前記通路が2次安全区画であり、前記附室が3
    次安全区画であることを特徴とする避難安全区画システ
    ム。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の避難安全区画システムにおいて、 前記安全区画は、ガラス耐火間仕切壁および/またはガ
    ラス防火戸を使用して区画されていることを特徴とする
    避難安全区画システム。
  5. 【請求項5】 建物の避難安全区画システムであって、 建物利用者を収容する収容スペースと、前記収容スペー
    スに繋がる通路と、前記通路に繋がる避難階段と、前記
    通路に繋がり前記避難階段とは離して設けられる共用ス
    ペースとを、前記建物の同一階に有し、 前記通路と前記共用スペースと、前記通路と前記避難階
    段とが、それぞれ開閉可能に設けたガラス防火戸を介し
    て連絡されていることを特徴とする避難安全システム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の避難安全区画システムに
    おいて、 前記収容スペースと前記通路とが、開閉可能に設けたガ
    ラス防火戸を介して連絡されていることを特徴とする避
    難安全区画システム。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の避難安全区画シ
    ステムにおいて、 前記避難階段には、前記通路とガラス耐火間仕切壁によ
    り区画された附室が設けられていることを特徴とする避
    難安全区画システム。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし7のいずれか1項に記載
    の避難安全区画システムにおいて、 前記共用スペースには、ガラス耐火間仕切壁により囲ま
    れ、開閉可能に設けたガラス防火戸を介して外部と連絡
    する通用口とを有する業務区画が設けられていることを
    特徴とする避難安全区画システム。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    の避難安全区画システムにおいて、 前記建物とは病院であり、 前記共用スペースの前記業務区画とはナースステーショ
    ンであり、 前記収容スペースとは、火災時に救出者が来るまで一時
    待避できる一時待避室に構成された病室であることを特
    徴とする避難安全区画システム。
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