JP2013204120A - 金属粉末射出成形用成形型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】成形型1は、型閉じ時にキャビティ10を形成可能な凸部および凹部の少なくとも一方を備えた第1の成形型11および第2の成形型12を有し、前記キャビティ10は、円環の板形状をなす空洞である基部101と、基部101よりも厚さが厚い外縁部102と、外縁部102から独立して点在し、基部101を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔103と、外縁部102および複数の貫通孔103から独立して基部101上に点在するよう設けられ、基部101よりも厚さが厚い複数のコア部104と、を有する。また、成形型1は、前記円環の中心点に対して点対称の関係を満足し、かつ、平面視において複数の貫通孔103および複数のコア部104からそれぞれ離れた位置に設けられた複数のゲート115と、を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明の金属粉末射出成形用成形型は、円環の板形状をなす基部と、前記基部の一方の主面の外縁に沿って設けられ、前記一方の主面より立ち上がる形状をなす外縁部と、前記基部の前記一方の主面に直交する方向からの平面視で前記外縁部とは異なる位置に設けられ、前記基部を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔と、前記平面視で前記外縁部および前記複数の貫通孔と異なる位置の前記一方の主面から立ち上がるように設けられる複数のコア部と、を有する金属粉末射出成形体を成形するためのキャビティを形成可能な金属粉末射出成形用成形型であって、
前記金属粉末射出成形体の少なくとも前記基部の前記一方の主面とは反対側の他方の主面を成形する第1キャビティ面を有する第1の成形型と、
前記金属粉末射出成形体の少なくとも前記基部の前記一方の主面を成形する第2キャビティ面を有する第2の成形型と、を有し、
前記金属粉末射出成形用成形型は、前記第1キャビティ面の平面視において前記金属粉末射出成形体の前記基部の円環の板形状の中心点に対して点対称の関係を満足する位置に設けられ、かつ、前記金属粉末射出成形体の前記複数の貫通孔および前記複数のコア部に対応する位置からそれぞれ離れた位置に設けられた、前記キャビティ内に金属粉末射出成形材料を導入する複数のゲート、を備えていることを特徴とする。
これにより、キャビティ内における成形材料の流動性および充填性が確保されるとともに、キャビティ内に充填される成形材料の温度等の均一化が図られ、いわゆるウェルドラインの発生が抑えられるので、円環の板形状をなす高品質の成形体を金属粉末射出成形法によって確実に製造可能な金属粉末射出成形用成形型が得られる。
これにより、ゲートから供給された成形材料は、その一部が外縁部を充填する方向へ流動し、残部は基部等を充填する方向へ流動する。その結果、成形材料の流れを効率よく枝分かれさせることができ、キャビティ内に成形材料が充填されるまでの時間を短縮することができる。すなわち、キャビティ内の一部が先に充填され、その後残部が充填されるというような、成形材料の充填において大きなタイムラグが生じるのを防止することができる。その結果、成形材料の温度等のバラツキがより一層抑えられ、成形体密度のさらなる均一化が図られるとともに、ウェルドラインの発生がより確実に抑えられる。
これにより、成形材料がキャビティ内を流動している間に温度等の条件が変化し、成形体密度が低下したり、ウェルドラインが発生したりするのを防止するとともに、成形材料を各ゲートに対してほぼ同じタイミングで振り分けることにより、成形材料がゲートの開口を通過する時刻にズレが生じにくく、成形体密度の低下やウェルドラインの発生を防止することができるので、成形材料の高い充填性が確保される。
本発明の金属粉末射出成形用成形型では、前記ゲートの数は、3個以上6個以下であることが好ましい。
これにより、成形体密度の低下やウェルドラインの発生を十分に抑えることができる。
これにより、成形材料の流動抵抗を最小限に抑え、その円滑な流動が確保されることにより、成形体密度の低下やウェルドラインの発生をさらに確実に抑制することができる。
これにより、外縁部と内縁部の双方を有するような、均一に充填させにくい形状のキャビティに対しても、均一に成形材料を充填可能な成形型が得られる。
これにより、成形材料の円滑な流動が確保され、成形体密度の低下やウェルドラインの発生を確実に抑制することができる。
<第1実施形態>
まず、本発明の金属粉末射出成形用成形型の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の金属粉末射出成形用成形型の第1実施形態の型閉め状態を示す断面図であり、図2は、図1に示す金属粉末射出成形用成形型のキャビティの平面図、図3は、図1に示す金属粉末射出成形用成形型の第1実施形態の型開き状態を示す断面図である。なお、図1、3に示す断面図は、それぞれ図2のA−A線の断面図である。
この第1の凸部120には、前記複数のコア部104に対応する部分と、前記内縁部105に対応する部分とに、それぞれ凹み(複数の第2の凹部121および第3の凹部122)が形成されており(図2、3参照)、この凹みによってキャビティ10のコア部104と内縁部105とが形作られている。また、図1に示すように、第1の凸部120の外径は第1の凹部111の内径より小さくなっており、この差に相当する空洞が前記外縁部102に対応している。さらに、第1の凸部120の一部には、周囲より一段厚くなっている円柱状の部分が複数あり、この部分(複数の第2の凸部123)がキャビティ10の基部101を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔103に対応している。
キャビティ10の内径(基部101の内径)は、特に限定されないが、一例として15mm以上200mm以下程度とされる。また、キャビティ10の厚さは、特に限定されないが、一例として2mm以上30mm以下程度とされる。
また、成形型1におけるパーティング面Pの位置は、図1、3に示す面に限定されず、それ以外の位置に設定されていてもよい。
基部101は、図2に示すように、円環の板形状の空洞で構成されており、その厚さは0.5mm以上3mm以下程度とされる。
外縁部102は、基部101の外縁に沿って設けられた円環状の空洞で構成されており、その厚さはキャビティ10の厚さと同等であり、その幅(円環の半径方向の長さ)は1mm以上5mm以下程度とされる。また、基部101と外縁部102との段差は、0.5mm以上15mm以下程度とされる。
複数のコア部104は、図2に示すように、円環の円周方向に沿って等間隔に配置されている。各コア部104は、平面視において略台形をなしており、その長径は2mm以上10mm以下程度、短径は1mm以上8mm以下程度とされる。また、各コア部104の厚さはキャビティ10の厚さと同等であり、好ましくは外縁部102および内縁部105の厚さと等しくなるよう設定される。なお、コア部104の配置パターンは特に限定されず、等間隔でなくてもよい。
また、基部101と各コア部104との段差は、特に限定されないが、0.5mm以上15mm以下程度とされる。
なお、好ましくは、外縁部102、コア部104および内縁部105の厚さがそれぞれ等しく設定される。
また、第1の成形型11には3つのゲート115が開口しており、その開口は、それぞれコア部104の外側の位置している。さらに、開口は、平面視においてその一部が外縁部102に対応する位置と重なる位置に設けられている。
図4に示すように、ゲート115の開口は、第1キャビティ面の平面視においてその一部が外縁部102に対応する位置と重なり、残部は基部101と重なる位置に設けられている。ゲート115の開口の位置をこのように設定することにより、ゲート115から供給された成形材料は、その一部が外縁部102を充填する方向(図4に示す矢印F1)へ流動し、残部は基部101等を充填する方向(図4に示す矢印F2)へ流動する。その結果、成形材料の流れを効率よく枝分かれさせることができ、キャビティ10内に成形材料が充填されるまでの時間を短縮することができる。すなわち、キャビティ10内の一部が先に充填され、その後残部が充填されるというような、成形材料の充填において大きなタイムラグが生じるのを防止することができる。その結果、成形材料の温度等のバラツキがより一層抑えられ、成形体密度のさらなる均一化が図られるとともに、ウェルドラインの発生がより確実に抑えられる。
なお、図2の場合、コア部104の数は12個であるので、ゲート115の数は3個以上6個以下であるのが好ましい。
また、ゲート115の開口が、前述したように、平面視において各貫通孔103や各コア部104からそれぞれ離れた位置に設けられることで、ゲート115からの成形材料の供給が阻害され難くなり、円滑な充填が可能になる。この場合、ゲート115の開口と各貫通孔103との平面視における離間距離L1やゲート115の開口と各コア部104との平面視における離間距離L2は、それぞれ好ましくは1mm以上に設定され、より好ましくは2mm以上に設定される。
なお、ゲート115の開口の位置は、3つ以上の貫通孔103から等しい距離にある位置に設定されていてもよい。
ガスベントの形成位置は特に限定されないが、一例として、パーティング面P、イジェクトピン近傍が挙げられる。また、第1の成形型または第2の成形型が入れ子構造になっている場合、入れ子の合わせ面にガスベントを設けるようにしてもよい。
また、キャビティ10の寸法は、製造しようとする成形体の寸法に応じて設定される。
この成形体は、その後、脱脂処理および焼成処理を経て金属焼結体となる。この金属焼結体が前述したヨークケースとなる。
さらに、金属焼結体に対しては、通常、研磨処理が施される。したがって、キャビティ10を設計する際には、この研磨処理における研磨量を反映させることも効果的である。これにより、設計通りの金属焼結体を効率よく製造することができる。
次に、本発明の金属粉末射出成形用成形型の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の金属粉末射出成形用成形型の第2実施形態の型閉め状態を示す断面図であり、図6は、図5に示す金属粉末射出成形用成形型のキャビティの平面図、図7は、図5に示す金属粉末射出成形用成形型の第2実施形態の型開き状態を示す断面図である。なお、図5、7に示す断面図は、それぞれ図6のB−B線の断面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図5〜7において第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明したのと同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
なお、本実施形態に係る第1の成形型11および第2の成形型12には、このキャビティ10に対応する凸部と凹部とが形成されている。すなわち、図5〜7に示す第2の成形型12は、キャビティ10の内縁部105に対応する第3の凹部122が省略されている以外、図1〜3に示す第2の成形型12と同様である。
例えば、成形型には、上記の構造物以外に任意の構造物が付加されていてもよい。
また、本発明の金属粉末射出成形用成形型は、前述したような円環の板形状をなす金属製品であれば、いかなる用途のものでも製造可能な成形体を成形することができる。
Claims (7)
- 円環の板形状をなす基部と、前記基部の一方の主面の外縁に沿って設けられ、前記一方の主面より立ち上がる形状をなす外縁部と、前記基部の前記一方の主面に直交する方向からの平面視で前記外縁部とは異なる位置に設けられ、前記基部を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔と、前記平面視で前記外縁部および前記複数の貫通孔と異なる位置の前記一方の主面から立ち上がるように設けられる複数のコア部と、を有する金属粉末射出成形体を成形するためのキャビティを形成可能な金属粉末射出成形用成形型であって、
前記金属粉末射出成形体の少なくとも前記基部の前記一方の主面とは反対側の他方の主面を成形する第1キャビティ面を有する第1の成形型と、
前記金属粉末射出成形体の少なくとも前記基部の前記一方の主面を成形する第2キャビティ面を有する第2の成形型と、を有し、
前記金属粉末射出成形用成形型は、前記第1キャビティ面の平面視において前記金属粉末射出成形体の前記基部の円環の板形状の中心点に対して点対称の関係を満足する位置に設けられ、かつ、前記金属粉末射出成形体の前記複数の貫通孔および前記複数のコア部に対応する位置からそれぞれ離れた位置に設けられた、前記キャビティ内に金属粉末射出成形材料を導入する複数のゲート、を備えていることを特徴とする金属粉末射出成形用成形型。 - 前記第1キャビティ面の平面視において、前記ゲートの開口の一部と前記外縁部に対応する位置とが重なるよう構成されている請求項1に記載の金属粉末射出成形用成形型。
- 前記コア部の数をnとしたとき、前記ゲートの数はn/4以上n/2以下である請求項1または2に記載の金属粉末射出成形用成形型。
- 前記ゲートの数は、3個以上6個以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の金属粉末射出成形用成形型。
- 前記各ゲートの位置は、前記第1キャビティ面の平面視において少なくとも2つの前記貫通孔から等しい距離にある位置である請求項1ないし4のいずれかに記載の金属粉末射出成形用成形型。
- 前記金属粉末射出成形体は、さらに、前記基部の一方の主面の内縁に沿って設けられ、前記外縁部と同じ高さになるように前記一方の主面より立ち上がる形状をなす内縁部を有している請求項1ないし5のいずれかに記載の金属粉末射出成形用成形型。
- 前記複数のコア部は、前記基部の円環の板形状の中心点に対して点対称の関係を満足し、かつ、前記中心点からの距離が等しい位置に等間隔で配置されている請求項1ないし6のいずれかに記載の金属粉末射出成形用成形型。
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