JP5942536B2 - 金属粉末射出成形用成形型 - Google Patents

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本発明は、金属粉末射出成形用成形型に関するものである。
近年、複雑な形状の金属焼結体を製造する方法として、金属粉末射出成形法(MIM)が普及しつつある。金属粉末射出成形法は、金属粉末と有機バインダーとの混練物を成形型のキャビティ内に射出成形し、得られた成形体を脱脂、焼成することにより、所望の形状の金属焼結体を製造する方法である。この方法であれば、最終形状に近い形状の金属焼結体を製造することができるので、二次加工を省略したり、加工量を減らすことができ、製造工程の簡略化および製造コストの削減が図られる。
金属粉末射出成形法が適用される金属焼結体として、ドットインパクト式のプリンター装置に用いられるヨークケースが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。このヨークケースは、軟磁性材料で構成された円環の板形状をなしている。また、円環の外縁部は一方の面側に突出しており、その内側にも複数の円柱状の鉄心が突出している。さらには、多数の貫通孔も設けられている。金属粉末射出成形法では、このようなヨークケースに対応した形状のキャビティ内に、軟磁性材料の粉末と有機バインダーとの混練物を射出し、得られた成形体を脱脂、焼成することによってヨークケースを得る。
ここで、金属粉末射出成形法において高い寸法精度を実現するには、成形型のキャビティ内に混練物を円滑に充填する必要がある。ところが、特許文献1に記載されているようなヨークケースの場合、複数の鉄心や貫通孔を形成するため、キャビティの形状が非常に複雑になる。このため、混練物の流動抵抗が高くなりがちであり、円滑に充填することができない。その結果、充填不良に伴うウェルドライン、寸法不良といった成形不具合の発生が避けられない。
特開2007−44980号公報
本発明の目的は、金属粉末射出成形法により、円環の板形状をなす高品質の成形体を確実に製造可能な金属粉末射出成形用成形型を提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の金属粉末射出成形用成形型は、円環の板形状をなす基部と、前記基部の一方の主面の外縁に沿って設けられ、前記一方の主面より立ち上がる形状をなす外縁部と、前記基部の前記一方の主面に直交する方向からの平面視で前記外縁部とは異なる位置に設けられ、前記基部を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔と、前記平面視で前記外縁部および前記複数の貫通孔と異なる位置の前記一方の主面から立ち上がるように設けられる複数のコア部と、を有する金属粉末射出成形体を成形するためのキャビティを形成可能な金属粉末射出成形用成形型であって、
前記金属粉末射出成形体の少なくとも前記基部の前記一方の主面とは反対側の他方の主面を成形する第1キャビティ面を有する第1の成形型と、
前記金属粉末射出成形体の少なくとも前記基部の前記一方の主面を成形する第2キャビティ面を有する第2の成形型と、
前記キャビティ内に金属粉末射出成形材料を導入する複数のゲートと、
を有し、
前記ゲートは、前記第1キャビティ面の平面視において前記金属粉末射出成形体の前記基部の円環の板形状の中心点に対して回転対称の関係を満足する位置であり、かつ、前記金属粉末射出成形体の前記複数の貫通孔および前記複数のコア部に対応する位置からそれぞれ離れた位置に設けられ、前記第1キャビティ面の平面視において前記ゲートの開口の一部と前記外縁部に対応する位置とが重なるよう構成されていることを特徴とする。
これにより、キャビティ内における成形材料の流動性および充填性が確保されるとともに、キャビティ内に充填される成形材料の温度等の均一化が図られ、いわゆるウェルドラインの発生が抑えられるので、円環の板形状をなす高品質の成形体を金属粉末射出成形法によって確実に製造可能な金属粉末射出成形用成形型が得られる。
また、これにより、ゲートから供給された成形材料は、その一部が外縁部を充填する方向へ流動し、残部は基部等を充填する方向へ流動する。その結果、成形材料の流れを効率よく枝分かれさせることができ、キャビティ内に成形材料が充填されるまでの時間を短縮することができる。すなわち、キャビティ内の一部が先に充填され、その後残部が充填されるというような、成形材料の充填において大きなタイムラグが生じるのを防止することができる。その結果、成形材料の温度等のバラツキがより一層抑えられ、成形体密度のさらなる均一化が図られるとともに、ウェルドラインの発生がより確実に抑えられる。
本発明の金属粉末射出成形用成形型では、前記コア部の数をnとしたとき、前記ゲートの数はn/4以上n/2以下であることが好ましい。
これにより、成形材料がキャビティ内を流動している間に温度等の条件が変化し、成形体密度が低下したり、ウェルドラインが発生したりするのを防止するとともに、成形材料を各ゲートに対してほぼ同じタイミングで振り分けることにより、成形材料がゲートの開口を通過する時刻にズレが生じにくく、成形体密度の低下やウェルドラインの発生を防止することができるので、成形材料の高い充填性が確保される。
本発明の金属粉末射出成形用成形型では、前記ゲートの数は、3個以上6個以下であることが好ましい。
これにより、成形体密度の低下やウェルドラインの発生を十分に抑えることができる。
本発明の金属粉末射出成形用成形型では、前記各ゲートの位置は、前記第1キャビティ面の平面視において少なくとも2つの前記貫通孔から等しい距離にある位置であることが好ましい。
これにより、成形材料の流動抵抗を最小限に抑え、その円滑な流動が確保されることにより、成形体密度の低下やウェルドラインの発生をさらに確実に抑制することができる。
本発明の金属粉末射出成形用成形型では、前記金属粉末射出成形体は、さらに、前記基部の一方の主面の内縁に沿って設けられ、前記外縁部と同じ高さになるように前記一方の主面より立ち上がる形状をなす内縁部を有していることが好ましい。
これにより、外縁部と内縁部の双方を有するような、均一に充填させにくい形状のキャビティに対しても、均一に成形材料を充填可能な成形型が得られる。
本発明の金属粉末射出成形用成形型では、前記複数のコア部は、前記基部の円環の板形状の中心点に対して回転対称の関係を満足し、かつ、前記中心点からの距離が等しい位置に等間隔で配置されていることが好ましい。
これにより、成形材料の円滑な流動が確保され、成形体密度の低下やウェルドラインの発生を確実に抑制することができる。
本発明の金属粉末射出成形用成形型の第1実施形態の型閉め状態を示す断面図である。 図1に示す金属粉末射出成形用成形型のキャビティの平面図である。 図1に示す金属粉末射出成形用成形型の第1実施形態の型開き状態を示す断面図である。 図2に示す平面図の部分拡大図である。 本発明の金属粉末射出成形用成形型の第2実施形態の型閉め状態を示す断面図である。 図5に示す金属粉末射出成形用成形型のキャビティの平面図である。 図5に示す金属粉末射出成形用成形型の第2実施形態の型開き状態を示す断面図である。
以下、本発明の金属粉末射出成形用成形型について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の金属粉末射出成形用成形型の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の金属粉末射出成形用成形型の第1実施形態の型閉め状態を示す断面図であり、図2は、図1に示す金属粉末射出成形用成形型のキャビティの平面図、図3は、図1に示す金属粉末射出成形用成形型の第1実施形態の型開き状態を示す断面図である。なお、図1、3に示す断面図は、それぞれ図2のA−A線の断面図である。
図1に示す金属粉末射出成形用成形型(以下、省略して「成形型」という。)1は、型開きおよび型閉じ可能に設けられた第1の成形型11と第2の成形型12とを有している。そして、型閉じ状態にある第1の成形型11と第2の成形型12との間(パーティング面P)には、成形用のキャビティ10が形成されている。このキャビティ10は、ドットインパクト式のプリンター装置に用いられるヨークケース成形用のキャビティの一例である。
キャビティ10は、図1、2に示すように、円環の板形状の空洞で構成された基部101と、基部101の2つの主面のうち、一方の主面の外縁に沿って設けられ、この一方の主面から立ち上がるように構成された外縁部102と、一方の主面に直交する方向からの平面視において基部101上の外縁部102とは異なる位置に点在するよう設けられ、基部101を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔103と、平面視において基部101上の外縁部102および複数の貫通孔103とは異なる位置に点在するよう設けられ、基部101の一方の主面から立ち上がるよう構成された複数のコア部104と、基部101の一方の主面の内縁に沿って設けられ、外縁部102と同じ厚さになるように一方の主面から立ち上がるよう構成された内縁部105と、を有している。
このキャビティ10に金属粉末射出成形材料が充填されることにより、キャビティ10の形状に対応した形状の金属粉末射出成形体(以下、省略して「成形体」という。)が得られる。すなわち、基部101に対応して成形体の基部が、外縁部102に対応して成形体の外縁部が、貫通孔103に対応して成形体の貫通孔が、コア部104に対応して成形体のコア部が、内縁部105に対応して成形体の内縁部が、それぞれ形成される。
また、第1の成形型11および第2の成形型12のパーティング面Pには、このキャビティ10の形状に応じた凸部および凹部が形成されている。具体的には、図1に示す第1の成形型11のうち、キャビティ10に臨む面である第1キャビティ面には、パーティング面Pから凹没するように形成され、キャビティ10の厚さと外径とに対応した第1の凹部111が設けられている。この第1キャビティ面は、キャビティ10を画成する面のうち、基部101の一方の主面とは反対側に位置する他方の主面側の領域を構成する面である。
一方、図1に示す第2の成形型12のうち、キャビティ10に臨む面である第2キャビティ面には、パーティング面Pから突出するように形成され、第1の凹部111に対応した略円柱状の第1の凸部120が設けられている。この第2キャビティ面は、キャビティ10を画成する面のうち、基部101の一方の主面側の領域を構成する面である。
この第1の凸部120には、前記複数のコア部104に対応する部分と、前記内縁部105に対応する部分とに、それぞれ凹み(複数の第2の凹部121および第3の凹部122)が形成されており(図2、3参照)、この凹みによってキャビティ10のコア部104と内縁部105とが形作られている。また、図1に示すように、第1の凸部120の外径は第1の凹部111の内径より小さくなっており、この差に相当する空洞が前記外縁部102に対応している。さらに、第1の凸部120の一部には、周囲より一段厚くなっている円柱状の部分が複数あり、この部分(複数の第2の凸部123)がキャビティ10の基部101を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔103に対応している。
さらに、第1の成形型11には、キャビティ10内に金属粉末射出成形材料(以下、省略して「成形材料」という。)を導入する複数のゲート115が設けられている。これら複数のゲート115の開口は、図2に示すように、前記円環の中心点Oに対して回転対称の関係を満足し、かつ、平面視において各貫通孔103および各コア部104からそれぞれ離れた位置に設けられている。
このような成形型1によれば、成形材料を円滑に流動させ、キャビティ10内に均一に充填することができる。その結果、成形型1は、均質で緻密な焼結体を製造可能な高品質な成形体を確実に成形し得るものとなる。なお、キャビティ10に外縁部102と内縁部105の双方がある場合、ゲート115の位置によってはいずれかの充填性が低下するおそれがあるが、本発明によればこのような形状のキャビティ10に対しても均一に成形材料を充填することができる。
キャビティ10の内径(基部101の内径)は、特に限定されないが、一例として15mm以上200mm以下程度とされる。また、キャビティ10の厚さは、特に限定されないが、一例として2mm以上30mm以下程度とされる。
第1の成形型11および第2の成形型12の構成材料は、セラミックス材料であってもよいが、一般には耐熱鋼、超硬合金、ステンレス鋼のような金属材料である。
また、成形型1におけるパーティング面Pの位置は、図1、3に示す面に限定されず、それ以外の位置に設定されていてもよい。
基部101は、図2に示すように、円環の板形状の空洞で構成されており、その厚さは0.5mm以上3mm以下程度とされる。
外縁部102は、基部101の外縁に沿って設けられた円環状の空洞で構成されており、その厚さはキャビティ10の厚さと同等であり、その幅(円環の半径方向の長さ)は1mm以上5mm以下程度とされる。また、基部101と外縁部102との段差は、0.5mm以上15mm以下程度とされる。
複数の貫通孔103は、基部101を厚さ方向に貫通しており、その内径、すなわち第2の凸部123の外径は、0.5mm以上5mm以下程度とされる。また、複数の貫通孔103の数、すなわち第2の凸部123の数は、特に限定されないが、8個以上200個以下程度とされる。
複数のコア部104は、図2に示すように、円環の円周方向に沿って等間隔に配置されている。各コア部104は、平面視において略台形をなしており、その長径は2mm以上10mm以下程度、短径は1mm以上8mm以下程度とされる。また、各コア部104の厚さはキャビティ10の厚さと同等であり、好ましくは外縁部102および内縁部105の厚さと等しくなるよう設定される。なお、コア部104の配置パターンは特に限定されず、等間隔でなくてもよい。
また、基部101と各コア部104との段差は、特に限定されないが、0.5mm以上15mm以下程度とされる。
さらに、コア部104の数も、特に限定されないが、4個以上100個以下程度とされる(図2では12個)。また、コア部104の配置は、円環の中心点Oに対して回転対称の関係を満足しており、かつ、中心点Oからの距離が等しい位置に設定されている。このような位置にコア部104を設けることにより、成形材料の円滑な流動が確保され、成形体密度の低下やウェルドラインの発生を確実に抑制することができる。
なお、貫通孔103は、各コア部104に対してそれぞれ等しい位置関係になるよう1個または複数個ずつ配置される。具体的には、図2に示すキャビティ10では、各コア部104の中心点O側の位置と、各コア部104の外側の位置とに、それぞれ1個ずつの貫通孔103が配置されている。したがって、貫通孔103の個数は、コア部104の個数の整数倍になることが好ましい。図2では、各コア部104に2個ずつの貫通孔103が配置されており、このうち、各コア部104の中心点O側に配置された貫通孔103は中心点Oに対して回転対称の関係を満足し、かつ等間隔に配置されており、一方、各コア部104の外側に配置された貫通孔103も中心点Oに対して回転対称の関係を満足し、かつ等間隔に配置されている。なお、貫通孔103の配置パターンは特に限定されず、等間隔でなくてもよい。
内縁部105は、基部101の内縁に沿って設けられた円環状の空洞で構成されており、その厚さはキャビティ10の厚さと同等であり、その幅(円環の半径方向の長さ)は1mm以上5mm以下程度とされる。また、基部101と内縁部105との段差は、0.5mm以上15mm以下程度とされる。
なお、好ましくは、外縁部102、コア部104および内縁部105の厚さがそれぞれ等しく設定される。
ここで、前述したように、第1の成形型11には複数のゲート115が設けられており、その開口の配置は図2に示すように、前記円環の中心点Oに対して回転対称の関係を満足し、かつ、平面視において各貫通孔103および各コア部104からそれぞれ離れた位置になっている。ゲート115をこのように配置したことにより、キャビティ10に充填される成形材料の温度等の均一化が図られる。その結果、複数のゲート115から導入された成形材料がキャビティ10内で合流するとき、成形材料の温度等が揃っているので、互いに混じり合い易くなり、いわゆるウェルドラインの発生が抑えられるとともに、成形体の密度が均一になる。
また、第1の成形型11には3つのゲート115が開口しており、その開口は、それぞれコア部104の外側の位置している。さらに、開口は、平面視においてその一部が外縁部102に対応する位置と重なる位置に設けられている。
図4は、図2に示す平面図の部分拡大図である。
図4に示すように、ゲート115の開口は、第1キャビティ面の平面視においてその一部が外縁部102に対応する位置と重なり、残部は基部101と重なる位置に設けられている。ゲート115の開口の位置をこのように設定することにより、ゲート115から供給された成形材料は、その一部が外縁部102を充填する方向(図4に示す矢印F1)へ流動し、残部は基部101等を充填する方向(図4に示す矢印F2)へ流動する。その結果、成形材料の流れを効率よく枝分かれさせることができ、キャビティ10内に成形材料が充填されるまでの時間を短縮することができる。すなわち、キャビティ10内の一部が先に充填され、その後残部が充填されるというような、成形材料の充填において大きなタイムラグが生じるのを防止することができる。その結果、成形材料の温度等のバラツキがより一層抑えられ、成形体密度のさらなる均一化が図られるとともに、ウェルドラインの発生がより確実に抑えられる。
この場合、ゲート115の開口のうち、平面視において外縁部102と重なっている領域(図4に示す領域1152)は、基部101と重なっている領域(図4に示す領域1151)より狭くなるよう設定されるのが好ましい。これにより、成形材料の流れのバランスが最適化される。なお、領域1152の面積は、領域1151の面積の5%以上45%以下であるのが好ましく、10%以上40%以下であるのがより好ましい。
ゲート115の数は、特に限定されないが、好ましくはコア部104の数をnとしたときn/4以上n/2以下に設定される。これにより、成形材料の高い充填性が確保される。なお、ゲート115の数が前記下限値を下回る場合、ゲート115の数が少ないため、成形材料がキャビティ10内を流動している間に温度等の条件が変化し、成形体密度が低下したり、ウェルドラインが発生したりするおそれがある。一方、ゲート115の数が前記上限値を上回る場合、ゲート115の数が多すぎるため、成形材料を各ゲート115に対して同じタイミングで振り分けることが難しくなり、成形材料がゲート115の開口を通過する時刻にズレが生じて成形体密度が低下したり、ウェルドラインが発生したりするおそれがある。
なお、図2の場合、コア部104の数は12個であるので、ゲート115の数は3個以上6個以下であるのが好ましい。
また、ゲート115の数は、キャビティ10の大きさに応じて適宜設定されるものの、前述したような内径、厚さであれば、3個以上6個以下程度であるのが好ましい。ゲート115の数をこの程度に設定することで、成形体密度の低下やウェルドラインの発生を十分に抑えることができる。
また、ゲート115の開口が、前述したように、平面視において各貫通孔103や各コア部104からそれぞれ離れた位置に設けられることで、ゲート115からの成形材料の供給が阻害され難くなり、円滑な充填が可能になる。この場合、ゲート115の開口と各貫通孔103との平面視における離間距離L1やゲート115の開口と各コア部104との平面視における離間距離L2は、それぞれ好ましくは1mm以上に設定され、より好ましくは2mm以上に設定される。
また、ゲート115の開口の位置は、少なくとも2つの貫通孔103から等しい距離にある位置に設定されるのが好ましい。このような位置に設定されることで、成形材料のより円滑な流動が確保され、成形体密度の低下やウェルドラインの発生をさらに確実に抑制することができる。これは、キャビティ10に設けられた貫通孔103が、成形材料の流動を妨げる抵抗要素になっているところ、ゲート115の位置を前記のように設定することにより、流動抵抗を最小限に抑えられるからである。図4では、各ゲート115の開口の円周方向の両側にそれぞれ貫通孔103が位置しており、これらの貫通孔103とゲート115との離間距離L1が等しくなっている。
なお、ゲート115の開口の位置は、3つ以上の貫通孔103から等しい距離にある位置に設定されていてもよい。
以上、第1の成形型11および第2の成形型12について説明したが、これらの成形型は必要に応じて複数のブロックに分割されていたり、入れ子構造(インサートブロック)になっていたりしてもよい。また、図示していないが、第1の成形型11および第2の成形型12にはイジェクトピンが設けられており、このイジェクトピンはキャビティ10内に突出可能になっている。成形材料の成形後、このイジェクトピンをキャビティ10内に突出させることにより、成形体をキャビティ10から離型させることができる。
また、第1の成形型11または第2の成形型12には、必要に応じて、ガスベントが設けられる。ガスベントを設けることにより、キャビティ10内の不要なガスを外部に放出し、成形材料の充填性を高めることができる。
ガスベントの形成位置は特に限定されないが、一例として、パーティング面P、イジェクトピン近傍が挙げられる。また、第1の成形型または第2の成形型が入れ子構造になっている場合、入れ子の合わせ面にガスベントを設けるようにしてもよい。
また、ゲート115は、第2の成形型12側に設けられていてもよく、複数のゲート115のうち、一部が第1の成形型11側に設けられ、残部が第2の成形型12側に設けられていてもよい。
また、キャビティ10の寸法は、製造しようとする成形体の寸法に応じて設定される。
この成形体は、その後、脱脂処理および焼成処理を経て金属焼結体となる。この金属焼結体が前述したヨークケースとなる。
ここで、脱脂処理や焼成処理においては成形体が収縮するため、成形体を製造するときにはこの収縮率を考慮して成形体の寸法を設計する。ところが、収縮率は成形体の形状に応じて変化するため、図1、2に示すような複雑な形状のキャビティ10で成形された成形体では、部分的に収縮率が異なる。そこで、キャビティ10を設計する際には、このような収縮率のバラツキを反映させることが好ましい。
さらに、金属焼結体に対しては、通常、研磨処理が施される。したがって、キャビティ10を設計する際には、この研磨処理における研磨量を反映させることも効果的である。これにより、設計通りの金属焼結体を効率よく製造することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の金属粉末射出成形用成形型の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の金属粉末射出成形用成形型の第2実施形態の型閉め状態を示す断面図であり、図6は、図5に示す金属粉末射出成形用成形型のキャビティの平面図、図7は、図5に示す金属粉末射出成形用成形型の第2実施形態の型開き状態を示す断面図である。なお、図5、7に示す断面図は、それぞれ図6のB−B線の断面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図5〜7において第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明したのと同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態は、キャビティ10が内縁部105を含んでいないこと以外は、第1実施形態と同様である。このような形態であっても、成形型1によれば、均質で緻密な焼結体を製造可能な高品質な成形体を確実に成形することができる。
なお、本実施形態に係る第1の成形型11および第2の成形型12には、このキャビティ10に対応する凸部と凹部とが形成されている。すなわち、図5〜7に示す第2の成形型12は、キャビティ10の内縁部105に対応する第3の凹部122が省略されている以外、図1〜3に示す第2の成形型12と同様である。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、成形型には、上記の構造物以外に任意の構造物が付加されていてもよい。
また、本発明の金属粉末射出成形用成形型は、前述したような円環の板形状をなす金属製品であれば、いかなる用途のものでも製造可能な成形体を成形することができる。
1……成形型 10……キャビティ 101……基部 102……外縁部 103……貫通孔 104……コア部 105……内縁部 11……第1の成形型 111……第1の凹部 115……ゲート 1151、1152……領域 12……第2の成形型 120……第1の凸部 121……第2の凹部 122……第3の凹部 123……第2の凸部 P……パーティング面

Claims (6)

  1. 円環の板形状をなす基部と、前記基部の一方の主面の外縁に沿って設けられ、前記一方の主面より立ち上がる形状をなす外縁部と、前記基部の前記一方の主面に直交する方向からの平面視で前記外縁部とは異なる位置に設けられ、前記基部を厚さ方向に貫通する複数の貫通孔と、前記平面視で前記外縁部および前記複数の貫通孔と異なる位置の前記一方の主面から立ち上がるように設けられる複数のコア部と、を有する金属粉末射出成形体を成形するためのキャビティを形成可能な金属粉末射出成形用成形型であって、
    前記金属粉末射出成形体の少なくとも前記基部の前記一方の主面とは反対側の他方の主面を成形する第1キャビティ面を有する第1の成形型と、
    前記金属粉末射出成形体の少なくとも前記基部の前記一方の主面を成形する第2キャビティ面を有する第2の成形型と、
    前記キャビティ内に金属粉末射出成形材料を導入する複数のゲートと、
    を有し、
    前記ゲートは、前記第1キャビティ面の平面視において前記金属粉末射出成形体の前記基部の円環の板形状の中心点に対して回転対称の関係を満足する位置であり、かつ、前記金属粉末射出成形体の前記複数の貫通孔および前記複数のコア部に対応する位置からそれぞれ離れた位置に設けられ、前記第1キャビティ面の平面視において前記ゲートの開口の一部と前記外縁部に対応する位置とが重なるよう構成されていることを特徴とする金属粉末射出成形用成形型。
  2. 前記コア部の数をnとしたとき、前記ゲートの数はn/4以上n/2以下である請求項に記載の金属粉末射出成形用成形型。
  3. 前記ゲートの数は、3個以上6個以下である請求項1または2に記載の金属粉末射出成形用成形型。
  4. 前記各ゲートの位置は、前記第1キャビティ面の平面視において少なくとも2つの前記貫通孔から等しい距離にある位置である請求項1ないしのいずれか1項に記載の金属粉末射出成形用成形型。
  5. 前記金属粉末射出成形体は、さらに、前記基部の一方の主面の内縁に沿って設けられ、前記外縁部と同じ高さになるように前記一方の主面より立ち上がる形状をなす内縁部を有している請求項1ないしのいずれか1項に記載の金属粉末射出成形用成形型。
  6. 前記複数のコア部は、前記基部の円環の板形状の中心点に対して回転対称の関係を満足し、かつ、前記中心点からの距離が等しい位置に等間隔で配置されている請求項1ないしのいずれか1項に記載の金属粉末射出成形用成形型。
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