JP2013204069A - 線材及びこれを用いた鋼線 - Google Patents

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Abstract

【課題】主相がパーライト組織である線材において、高強度化に伴う耐遅れ破壊特性の低下を抑制し、建築基準に適合する耐遅れ破壊特性を有する高強度PC鋼線、ワイヤーロープ等に用いることのできる線材を提供する。
【解決手段】所定量のC、Si、Mn、N、Al、Ti、P、Sを含み、残部が鉄及び不可避不純物であり、組織の主相がパーライトであるとともに、AlN量が0.005%以上であり、且つ、長さaと厚さbの相乗平均(ab)1/2で表されるAlNの径dGMの最大値極値分布において、dGMが10〜20μmであるAlNの割合が、個数基準で50%以上であることを特徴とする線材である。
【選択図】なし

Description

本発明は、PC鋼線やワイヤーロープ等に用いられる線材及びこれを用いた鋼線に関する。
土木・建築分野では、コンクリート部材の高強度化及び軽量化のニーズが強く、コンクリート部材の強化方法として、鋼線を用いてコンクリートに圧縮応力を与えるプレストレストコンクリート(以下、PCと呼ぶ)が良く知られている。PCに用いられる鋼線、すなわちPC鋼線は、高強度であるほどPCの高強度化及び軽量化に寄与でき、現状ではJIS G3536で規定されるように、例えばφ15.2mmの7本より線で、最大試験力261kN程度のものが知られている。
また、PC鋼線は、建築安全性等の観点からJIS規格以外にも種々の規格や推奨試験が定められている。特に、高強度PC鋼線を適用する上では、耐遅れ破壊特性を考慮することが重要である。遅れ破壊とは、応力が付加された状態で鋼材を長時間使用した場合に、鋼中に侵入した水素が鋼材表面の微細なキズ等に集中し、キズ周辺の組織を脆化させ、脆性破壊を引き起こす現象である。PC鋼線は、常に緊張された状態で使用されるため、遅れ破壊を起こす可能性があり、厳しい規格が設けられている。特に、強度の上昇に伴って遅れ破壊しやすくなることが良く知られており、高強度化しても遅れ破壊を抑制できる鋼材の開発が求められている。
例えば、特許文献1では炭素量が0.6〜1.1%のPC鋼線において、伸線加工後に450℃以上の温度でのブルーイングを行うことによって線材表層の板状セメンタイトを球状化し、耐遅れ破壊特性を向上させる技術が開示されている。しかし、特許文献1では、板状セメンタイトの球状化によって鋼線強度が低下し、強度の向上には限界があるため、2000MPa以上の素線強度が得られないという問題があった。
特許文献2は、炭素量が0.6〜1.3%のPC鋼線において、表層部に圧縮残留応力を付与した加工パーライト組織とすることによって、耐遅れ破壊特性を向上させる技術を開示している。しかし、特許文献2は、素線強度が1600MPa程度までを対象とした技術であり、この技術によって、素線強度が例えば2000MPa以上のより高い領域での水素拡散による耐遅れ破壊特性を十分に確保することは困難であると考えられる。
PC鋼線ではないが、特許文献3は、炭素量が0.65〜1.20%の軸受鋼において、50〜300nmのTi系又はAl系の窒化物等を所定以上分散させて水素をトラップし、焼戻しマルテンサイト組織における耐遅れ破壊性を向上させる技術が開示されている。しかし、組織が異なれば水素の拡散挙動も異なり、トラップサイトとして適切な析出物の大きさ、量などが異なるため、この技術を主相がパーライト組織であるPC鋼線などにそのまま適用することはできない。また、伸線加工後に焼入れ焼戻し処理を行う軸受鋼の製造工程と、パテンティング処理後に伸線加工を行うPC鋼線の製造工程は大きく異なっており、製造工程における窒化物等の析出制御方法も異なる。
特開2004−360005号公報 特開2004−131797号公報 特許第3591236号公報
本発明は、主相がパーライト組織である線材において、高強度化に伴う耐遅れ破壊特性の低下を抑制し、建築基準に適合する耐遅れ破壊特性を有する高強度PC鋼線、ワイヤーロープ等に用いることのできる線材を提供することを目的とする。
本発明者らは、主相がパーライト組織である線材において、水素トラップ効果を有する介在物について検討したところ、AlN量を所定量以上確保するとともに、AlNの中でも10〜20μmのサイズのAlNを所定以上確保することが重要であることを見出した。すなわち、本発明の線材は、C:0.8〜1.2%(質量%の意味。以下、成分組成について同じ。)、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.1〜2.0%、N:0.0020〜0.013%、Al:0.04〜0.15%、Ti:0.01〜0.3%、P:0.02%以下(0%を含む)、S:0.02%以下(0%を含む)を含み、残部が鉄及び不可避不純物であり、組織の主相がパーライトであるとともに、AlN量が0.005%以上であり、且つ、長さaと厚さbの相乗平均(ab)1/2で表されるAlNの径dGMの最大値極値分布において、dGMが10〜20μmであるAlNの割合が、個数基準で50%以上であることを特徴とする。上記線材は、固溶N量が0.003%以下であることが好ましい。また、Al量とTi量が下記式(1)の関係を満足することがより好ましい。
[Al]/[Ti]≧0.46・・・(1)
(但し、式(1)において[Al]、[Ti]は、それぞれAl、Tiの含有量(質量%)である。)
また、本発明は、更に(a)Cr:1.0%以下(0%を含まない)、Ni:1.0%以下(0%を含まない)、Co:1.0%以下(0%を含まない)、Mo:1.0%以下(0%を含まない)、及びCu:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種、(b)B:0.005%以下(0%を含まない)、Nb:0.5%以下(0%を含まない)及びV:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種を含有することも好ましい。
本発明は、上記線材から得られる鋼線も包含する。
本発明によれば、Al量とN量を適切に調整し、さらにAlNの総量と、所定サイズ(dGMが10〜20μm)のAlNを適切に存在させているため、耐遅れ破壊特性に優れた線材を提供することができる。また、本発明の好ましい態様において、固溶N量を所定以下に調整することによって、鋼線の捻回特性を向上できる。
本発明者らが検討したところ、主相がパーライト組織である線材においては、水素のトラップサイトとしてAlNを所定量確保し、且つサイズが10〜20μmであるAlNを所定以上確保することが有効であることを見出した。
AlN量は、多いほど水素のトラップ効果が高まるため、0.005%以上と定めた。AlN量は、好ましくは0.006%以上であり、より好ましくは0.007%以上(特に0.01%以上)である。AlN量の上限は特に限定されないが、通常0.04%程度である。
また、サイズが10〜20μmであるAlNの個数を確保する指標として、本発明では最大値極値分布を用いる。まず、AlNのサイズとしては、AlNの長さaと厚さbの相乗平均(ab)1/2を用い、これをdGM(μm)と表す。本発明において、AlNの長さaとは、線材長手方向のAlNの長さを意味し、AlNの厚さbとは、線材長手方向に垂直な方向のAlNの長さを意味する。
GMの最大値極値分布とは、所定面積中に存在するAlNのdGMの最大値dGM(max)を測定し、これを複数視野について繰り返し、測定された複数のdGM(max)について統計処理したものを意味する。本発明では、該極値分布において、dGM(max)が10〜20μmであるAlNの割合を、個数基準で50%以上とする。dGMが20μmを超えるAlNが多く存在すると、AlNの総個数が減少し、水素トラップ効果が十分に発揮できない。また、dGMが10μm未満のAlNは水素トラップ効果が少ない。従って、該極値分布において、dGM(max)が10〜20μmであるAlNの割合を、個数基準で50%以上とすることによって、水素トラップに有効なAlNを十分に確保できる。
なお本発明において、主相がパーライトであるとは、組織の95面積%以上がパーライト組織であることを意味する。パーライト組織の面積率は、好ましくは97%以上であり、より好ましくは100%である。
次に、本発明の線材の化学成分について説明する。
C:0.8〜1.2%
Cは、強度の上昇に有効な元素であり、C含有量の増加に伴って、線材及び冷間加工後の鋼線の強度が向上する。そこでC量は0.8%以上と定めた。C量は、好ましくは0.85%以上であり、より好ましくは0.90%以上である。しかし、C量が過剰になりすぎると、冷間伸線中に時効脆化を引き起こすため、鋼線の靭性が低下し、より線加工時に割れが発生するという問題がある。そこでC量は1.2%以下と定めた。C量は、好ましくは1.1%以下であり、より好ましくは1.05%以下である。
Si:0.1〜2.0%
Siは、脱酸剤の作用も有するが、特に線材の強度を向上させる作用及びリラクセーション特性を改善する作用を有するため有効な元素である。また、溶融亜鉛めっきを用いる場合には、Siはめっき時に生じる強度低下を抑える作用も有する。これら作用を有効に発揮させるため、Si量を0.1%以上と定めた。Si量は、好ましくは0.2%以上であり、より好ましくは0.4%以上である。一方、Si量が過剰になりすぎると、冷間伸線性を悪化させ、断線率の増加を引き起こす。そこで、Si量を2.0%以下と定めた。Si量は好ましくは1.8%以下であり、より好ましくは1.5%以下である。
Mn:0.1〜2.0%
Mnは、Siと同様に脱酸作用も有しているが、特に鋼中のSをMnSとして固定して、鋼の靭性及び延性を高める作用を有している。これらの作用を有効に発揮させるためにはMn量は0.1%以上とする。Mn量は、好ましくは0.15%以上であり、より好ましくは0.2%以上である。しかし、Mnは偏析し易い元素であり、過剰に添加すると、Mn偏析部の焼入れ性が過剰に増大し、マルテンサイト等の過冷組織を生成させる恐れがある。そこで、Mn量は2.0%以下と定めた。Mn量は、好ましくは1.8%以下であり、より好ましくは1.5%以下である。
N:0.0020〜0.013%
Nは、本発明の特徴であるAlNを形成するために重要な元素であり、0.0020%以上含有することが必要である。N量は、好ましくは0.0025%以上であり、より好ましくは0.0030%以上(特に0.0040%以上)である。しかし、NはCと同様に侵入型元素として鋼中に固溶し、歪み時効による脆化を引き起こすため、過剰に添加すると固溶N量が増大することによる捻回特性の低下を引き起こす。そこで、N量は0.013%以下と定めた。N量は、好ましくは0.01%以下であり、より好ましくは0.0090%以下、さらに好ましくは0.0080%以下である。
固溶N量:0.003%以下
上述した通り、固溶Nは捻回特性の低下を引き起こすため、少ないほど好ましい。従って、固溶N量は0.003%以下が好ましい。固溶N量は、より好ましくは0.002%以下であり、さらに好ましくは0.001%以下である。固溶N量は、Al、Ti、B、Nbなどの窒化物形成元素の量と、N量を調整することなどによって、制御できる。
Al:0.04〜0.15%
Alは、脱酸作用に加えて、本発明においてはNと結合してAlNを形成し、水素をトラップして耐遅れ破壊特性を向上させるために重要な元素である。また、前記AlNはピンニング効果によって結晶粒を微細化する効果も有する。このような効果を有効に発揮するため、Al量は0.04%以上とする。Al量は、好ましくは0.05%以上であり、より好ましくは0.055%以上である。一方、Al量が過剰になると粗大なAlNが生成し、AlNによる水素トラップ効果が低減する。従って、Al量の上限は0.15%に定める。Al量の上限は、好ましくは0.13%以下であり、より好ましくは0.10%以下である。
Ti:0.01〜0.3%
TiはNと結合してTiNを形成し、固溶Nを低減するために重要な元素であり、その他にも結晶粒を微細化し、延性を向上させる効果がある。そのような効果を発揮するため、Ti量は0.01%以上とする。好ましくは0.02%以上、より好ましくは0.03%以上である。一方、AlとTiが鋼中に共存する場合は、TiNがAlNよりも優先的に析出し、Ti量が過剰になるとAlNの析出を妨げる。そこで、Ti量は0.3%以下と定めた。Ti量は、好ましくは0.2%以下であり、より好ましくは0.15%以下である。
[Al]/[Ti]≧0.46
上述した通り、AlとTiが鋼中に共存する場合は、TiNがAlNよりも優先的に析出し、Ti量が過剰になるとAlNの生成を妨げてしまう。そこで、[Al]/[Ti]を下記式(1)のように調整することが好ましく、AlとTiの活量バランスを調整することでAlNを十分に析出させることができる。
[Al]/[Ti]≧0.46 ・・・(1)
上記式(1)中、[Al]、[Ti]は、それぞれAl、Tiの含有量(質量%)を表している。式(1)は、Ti、Al量を様々に変化させた際のAlN析出量を調べた数多くの実験例から導き出された式である。
P:0.02%以下(0%を含む)
Pは、旧オーステナイト粒界に偏析して粒界を脆化させ、疲労特性を低下させるため、その含有量は少なければ少ないほど好ましい。従って、P量は0.02%以下とする。P量は、好ましくは0.015%以下であり、より好ましくは0.010%以下である。
S:0.02%以下(0%を含む)
Sは、Pと同様に旧オーステナイト粒界に偏析して粒界を脆化させ、疲労特性を低下させるため、その含有量は少なければ少ないほど好ましい。従って、S量は0.02%以下とする。S量は、好ましくは0.015%以下であり、より好ましくは0.010%以下である。
本発明の線材の基本成分は上記の通りであり、残部は実質的に鉄である。但し、原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる不可避不純物が鋼中に含まれることは当然に許容される。さらに本発明の線材は、強度、靭性、延性等の特性をさらに向上させるため、必要に応じて下記の元素を含有していても良い。
Cr:1.0%以下(0%を含まない)、Ni:1.0%以下(0%を含まない)、
Co:1.0%以下(0%を含まない)、Mo:1.0%以下(0%を含まない)、及びCu:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種
Crは、パーライトのラメラ間隔を微細化し、線材の強度や靭性を高める作用を有する。このような作用を有効に発揮させるため、Cr量は0.05%以上が好ましい。Cr量は、より好ましくは0.1%以上であり、さらに好ましくは0.2%以上である。一方、Cr量が過剰になりすぎると、焼入れ性が向上して熱間圧延中の過冷組織を発生させる危険性が高まるため、Cr量は1.0%以下とすることが好ましい。Cr量は、より好ましくは0.6%以下であり、さらに好ましくは0.5%以下である。
Niは、伸線後の鋼線の靭性を高める元素である。このような作用を有効に発揮させるため、Ni量は0.05%以上が好ましく、より好ましくは0.1%以上であり、さらに好ましくは0.2%以上である。しかし、Niは過剰に添加してもその効果が飽和し、経済的に無駄である。従って、Ni量は1.0%以下が好ましく、より好ましくは0.7%以下、さらに好ましくは0.6%以下である。
Coは、初析セメンタイトを低減し(特にC量が高い場合)、組織を均一なパーライト組織に制御しやすくするという作用を有する。この作用を有効に発揮するため、Co量は0.05%以上が好ましく、より好ましくは0.1%以上、さらに好ましくは0.2%以上である。しかし、Coは過剰に添加してもその効果が飽和し、経済的に無駄である。従って、Co量は1.0%以下が好ましく、より好ましくは0.8%以下であり、さらに好ましくは0.6%以下である。
Moは、鋼線の耐食性を向上させる元素である。このような作用を有効に発揮するため、Mo量は0.05%以上が好ましく、より好ましくは0.1%以上である。しかし、Mo量が過剰になると、熱間圧延時に過冷組織が発生しやすくなり、また延性も劣化する。そこでMo量は1.0%以下が好ましく、より好ましくは0.5%以下であり、さらに好ましくは0.3%以下である。
Cuは、鋼線の耐食性を向上させる元素である。このような作用を有効に発揮するため、Cu量は0.05%以上が好ましく、より好ましくは0.07%以上である。一方、Cu量が過剰になると、Sと反応して粒界部にCuSを偏析させ、線材製造過程で疵を発生させる。このような影響を避けるため、Cu量は0.5%以下が好ましく、より好ましくは0.2%以下であり、さらに好ましくは0.18%以下である。
B:0.005%以下(0%を含まない)、Nb:0.5%以下(0%を含まない)及びV:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種
Bは、初析フェライトや初析セメンタイトの生成を妨げ、組織を均一なパーライト組織に制御しやすくする作用を有する。また、AlNが析出した後の余剰の固溶NをBNで固定することにより、固溶Nによる歪み時効を抑制して靭性を向上できる他、固溶B自体も靭性を向上させる作用がある。このような作用を有効に発揮させるため、B量は0.0003%以上が好ましく、より好ましくは0.0005%以上、さらに好ましくは0.001%以上である。一方、B量が過剰になると、Feとの化合物であるFe−B系化合物(例えばFeB2)が析出し、熱間圧延時の割れを引き起こすため、B量は0.005%以下が好ましい。B量は、より好ましくは0.004%以下であり、さらに好ましくは0.003%以下である。
Nbは、AlNが析出した後の余剰の固溶Nと窒化物を形成し、結晶粒微細化に寄与する他、固溶Nを固定することによる時効脆化の抑制効果も有する。このような作用を有効に発揮するため、Nb量は0.01%以上が好ましく、より好ましくは0.03%以上、さらに好ましくは0.05%以上である。しかし、Nb量が過剰になってもその効果は飽和し、経済的に無駄であるため、Nb量は0.5%以下が好ましく、より好ましくは0.4%以下、さらに好ましくは0.2%以下である。
VはNbと同様にAlNが析出した後の余剰の固溶Nと窒化物を形成し、結晶粒微細化に寄与する他、固溶Nを固定することによる時効脆化の抑制効果も有する。このような作用を有効に発揮するため、V量は0.01%以上が好ましく、より好ましくは0.02%以上、さらに好ましくは0.03%以上である。しかし、V量が過剰になってもその効果は飽和し、経済的に無駄であるため、V量は0.5%以下が好ましく、より好ましくは0.4%以下、さらに好ましくは0.2%以下である。
線材(冷間伸線前のものを意味する)は、通常、化学成分を適切に制御した鋼を溶製、分塊圧延、熱間圧延する(さらに必要に応じてパテンティング処理する)ことにより製造できるが、本発明の線材においてAlNの量と粒度分布(AlNのdGMの最大値極値分布において、dGMが10〜20μmであるAlNの割合が、個数基準で50%以上)を適切に制御するためには、Al及びNの含有量を上述した範囲に適切に制御した上で、AlNが析出する温度範囲での熱履歴を適切に制御することが重要である。
AlNは、鋼中では約1300℃以下で析出を開始し、温度が低下するにつれて析出量が増大し、約900℃で完全に析出する。したがって、製造工程において鋼がこれらの温度範囲に曝され、AlNの析出挙動に大きく影響する分塊圧延及び熱間圧延の条件を適切に制御する必要がある。通常、分塊圧延後の冷却速度は遅いため、析出したAlNが粗大化しやすく、これに対して熱間圧延後の冷却速度は相対的に速いので、析出したAlNを微細にできる。
具体的には、分塊圧延での加熱温度を1230〜1280℃、冷却速度を0.2℃/秒以上とする。分塊圧延時に高温で加熱し、且つ冷却速度を速めることでAlNの析出及び粗大化を防ぐことができる。そこで分塊圧延温度は1230℃以上が好ましく、より好ましくは1240℃以上である。一方、分塊圧延温度が高すぎると焼き割れが生じるため、上限は1280℃以下とすることが好ましく、より好ましくは1270℃以下である。また冷却速度は0.2℃/秒以上が好ましく、より好ましくは0.4℃/秒以上、さらに好ましくは0.5℃/秒以上である。冷却速度の上限は特に限定されないが、例えば1.5℃/秒以下(好ましくは1.2℃/秒以下)である。
さらに、分塊圧延により得られたビレットを熱間圧延した後、水冷等によって850〜950℃に冷却し、コイル状に載置する。前記したコイル状の線材の載置温度を低めにすることによって、微細(dGMが10〜20μm)なAlNを析出できる。そこで、載置温度は950℃以下が好ましく、より好ましくは940℃以下、さらに好ましくは920℃以下である。一方、載置温度が低すぎると、水素トラップに寄与しない非常に微細なAlNが数多く析出する。そこで、載置温度は850℃以上が好ましく、より好ましくは870℃以上、さらに好ましくは890℃以上である。
また、前記した分塊圧延や熱間圧延の条件の少なくとも一部が外れるなどして、AlNの量や分布状態が適切に制御できない場合には、熱間圧延後に、適切な温度範囲でのパテンティング処理を行うことも有効である。パテンティング処理時の再加熱温度は880〜1000℃、パテンティング温度は530〜620℃が好ましい。熱間圧延後のAlN量が少ない場合は、上記した再加熱温度を低め(例えば880〜940℃程度)に設定すれば、析出量を増加できる。また、熱間圧延後のAlNが粗大化している場合には、再加熱温度を高め(例えば940〜1000℃)に設定し、粗大化したAlNを鋼中に一旦固溶させてから再度析出させれば良い。
本発明の線材は、水素トラップサイトとして有効に作用できるAlNを十分に確保しているため、これを用いたワイヤロープやPC鋼線などの鋼線は、耐遅れ破壊特性に優れており、有用である。また、本発明はこのような鋼線も包含する。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前記、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
表1に示す成分の鋼塊を、表2に示した条件で分塊圧延、熱間圧延して線材コイルに加工し、場合によっては更にパテンティング処理を行った。採取したサンプルの抽出残渣測定からAlNの総量を、そして断面積の観察からAlNの分布状態を評価した。
1.AlNの総量、及び固溶N量の測定
抽出残渣測定では、10%アセチルアセトン溶液を用いた電解抽出残渣測定を行い、メッシュは0.1μmのものを用い、残渣中のAlN量をブロムエステル法で測定した。また、インドフェノール吸収分光光度法を用いて、AlNを含めた窒素化合物の量を測定し、鋼中の全N量から差し引くことによって固溶N量を求めた。ブロムエステル法に用いた試料重量は3g、吸収分光法に用いた試料重量は0.5gとした。
2.AlNの分布状態の測定
本測定では、線材の軸線を含み、且つ長手方向に平行な断面において、表層からD/4(Dは線材の直径)までの領域(2箇所)の合計が140mm2となるようにサンプルを切り出し(すなわち、サンプルの長さLはL×D/4+L×D/4=L×D/2が140mm2となるように定められる)、前記断面において、JIS G0555に従って、観察視野内で最大のAlNの大きさを測定し、これを任意の20視野について行った。なお、測定に際しては、JIS G0551に規定されるD系及びDS系介在物をAlNとみなし、AlNの大きさとしてはAlNの長さ(a)と厚さ(b)の相乗平均(ab)1/2を採用した。
次に、得られた線材コイルを伸線加工して鋼線を作製し、鋼線の引張強度(素線強度)を測定するとともに、より線加工及びホットストレッチ処理を行って、ロープ強度、耐遅れ破壊特性、及び捻回特性を測定した。
3.鋼線の引張強度(素線強度)の測定
鋼線の引張強度を、JIS Z2241に従って測定した。
4.ロープ強度の測定
ロープ強度の測定は、JIS G3536に従い、引張試験の最大試験力を測定した。
5.耐遅れ破壊特性の測定
遅れ破壊特性は、文献1(fib bullten 30: Acceptance of stay cable systems using prestressing steels, January.2005)の記載に基づき、0.8p.u(0.8p.uとは破断荷重の80%を意味する)の荷重下で、20質量%、50℃のチオシアン酸アンモニウム溶液に浸漬し、12サンプルについて破断するまでの時間を測定した。最小破断時間が2時間以上であり、かつ中央値破断時間が5時間以上である場合を合格とした。
6.捻回特性の測定
捻回特性は、FKKフレネシー工法のFKK HTS−26規格に基づき、捻回値3回以上を達成している場合を合格とした。
Figure 2013204069
Figure 2013204069
Figure 2013204069
試験No.1〜3、5、9、10、13〜20、27は、成分、組織、AlNの量、及びAlNの分布状態がいずれも本発明の要件を満たしていたため、素線強度で2000MPa以上(好ましくは2100MPa以上)を達成でき、JIS G3536に規定の基準を満たす高いより線強度を満たしつつ、耐遅れ破壊特性も良好であり、実用に耐える高強度より線が得られた。さらに、No.1〜3、5、10、13〜20、27は、好ましい要件である固溶N量の要件も満たしているため、捻回特性にも優れている。なお、例えば試験No.15〜18は、発明例中でも特に固溶N量が低減された例であり、その結果、捻回特性も非常に優れており、一方、発明例中で最も固溶N量が多かった試験No.9は、発明例中で捻回値が最も小さかった。また、No.27は、[Al]/[Ti]が好ましい範囲を満たしていないために、分塊圧延後の冷却速度を速めに設定し、TiNの析出を抑制することでAlNの析出量を確保した。ただし、冷却速度が速すぎる場合は過冷組織の発生や偏析の増加などの悪影響が懸念される。[Al]/[Ti]が好ましい範囲にある方が製造条件の制約が緩く、操業上の観点から好ましい。
また、試験No.10、13、15、17については、熱間圧延の載置温度が好ましい要件を外れているが、その後に適切なパテンティング処理を行っているため、本発明の要件を満たす線材が得られている。
一方、試験No.4、6〜8、11、12、21〜26は、本発明の要件のいずれかが満たされていなかった例である。
No.4は、分塊圧延時の加熱温度が低かったため、またNo.6は分塊圧延後の冷却速度が遅かったため、いずれも粗大なAlNが析出し、AlNの粒度分布が本発明の要件を満足せず、耐遅れ破壊特性が劣化した。
No.7は、熱間圧延後の載置温度が高く、載置中のAlNの析出が不十分となり、AlN量及びAlNの粒度分布がいずれも本発明の要件を満足せず、耐遅れ破壊性が劣化した。No.8は、熱間圧延後の載置温度が低く、AlNが過度に微細化したため、AlNの粒度分布が本発明の要件を満足せず、耐遅れ破壊性が劣化した。
No.11は、分塊圧延時の加熱温度が高すぎたために焼き割れを起こした。
No.12は、パテンティング処理温度が低すぎたため、ベイナイトとパーライトの混合組織となり、伸線性が低下した。なお、ベイナイトの分率は、およそ20面積%であった。
No.21は、C量が多かった例であり、伸線中の時効脆化が顕著で、断線が多発した。No.22は、C量が少なかった例であり、JIS G3536で規定のより線B種の強度を達成できなかった。
No.23は、Al量が少なかった例であり、AlN量が十分確保できなかったために、耐遅れ破壊特性が劣化した。No.24は、N量が本発明の範囲内ではあるが少なめであり、且つAl量が多かった例であり、多量のAl系酸化物が生成して、伸線時の断線が多発した。
No.25は、N量が少なかった例であり、十分な量のAlN量が確保できないとともに、AlNの粒度分布も本発明の要件を満足できず、耐遅れ破壊特性が劣化した。No.26はN量が多かった例であり、粗大なAlNが析出したために耐遅れ破壊特性が劣化した。またNo.26は、固溶N量が本発明の好ましい要件を満たしていないため、捻回値が他の試験例に比べて最も小さい。

Claims (6)

  1. C :0.8〜1.2%(質量%の意味。以下、成分組成について同じ。)、
    Si:0.1〜2.0%、
    Mn:0.1〜2.0%、
    N :0.0020〜0.013%、
    Al:0.04〜0.15%、
    Ti:0.01〜0.3%、
    P :0.02%以下(0%を含む)、
    S :0.02%以下(0%を含む)を含み、残部が鉄及び不可避不純物であり、
    組織の主相がパーライトであるとともに、
    AlN量が0.005%以上であり、且つ、長さaと厚さbの相乗平均(ab)1/2で表されるAlNの径dGMの最大値極値分布において、dGMが10〜20μmであるAlNの割合が、個数基準で50%以上であることを特徴とする線材。
  2. 固溶N量が0.003%以下である請求項1に記載の線材。
  3. Al量とTi量が下記式(1)の関係を満足する請求項1または2に記載の線材。
    [Al]/[Ti]≧0.46・・・(1)
    (但し、式(1)において[Al]、[Ti]は、それぞれAl、Tiの含有量(質量%)である。)
  4. 更に、
    Cr:1.0%以下(0%を含まない)、
    Ni:1.0%以下(0%を含まない)、
    Co:1.0%以下(0%を含まない)、
    Mo:1.0%以下(0%を含まない)、及び
    Cu:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の線材。
  5. 更に、
    B :0.005%以下(0%を含まない)、
    Nb:0.5%以下(0%を含まない)、及び
    V:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の線材。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の線材から得られる鋼線。
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