JP2013203892A - 重合性組成物、架橋性樹脂成形体、架橋樹脂成形体、および積層体 - Google Patents

重合性組成物、架橋性樹脂成形体、架橋樹脂成形体、および積層体 Download PDF

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信寛 佐藤
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Abstract

【課題】
高周波領域での誘電正接が極めて小さく、耐熱性に優れる積層体の製造原料として有用な重合性組成物、この重合性組成物を塊状重合させることで得られる架橋性樹脂成形体、この架橋性樹脂成形体を架橋させることで得られる架橋樹脂成形体、及びこれらの樹脂成形体を積層してなる積層体を提供する。
【解決手段】
(A)(メタ)アクリロイルオキシ基を有する特定のシクロオレフィンモノマー、(B)架橋性シクロオレフィンモノマー、(C)メタセシス重合触媒、(D)架橋剤、及び(E)アダマンチル基含有多官能(メタ)アクリレートを含有し、前記(A)成分と(B)成分の重量比〔(A)成分:(B)成分〕が、0.5:99.5〜20:80、かつ、前記(E)成分の含有量が、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して0.5〜30重量部、であることを特徴とする重合性組成物、この重合性組成物を塊状重合させることで得られる架橋性樹脂成形体、この架橋性樹脂成形体を架橋させることで得られる架橋樹脂成形体、並びにこれらの樹脂成形体を積層してなる積層体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高周波領域での誘電正接が極めて小さく、耐熱性に優れる架橋樹脂成形体の製造原料として有用な重合性組成物、この重合性組成物を塊状重合させることで得られる架橋性樹脂成形体、この架橋性樹脂成形体を架橋させることで得られる架橋樹脂成形体、及びこれらの樹脂成形体を積層してなる積層体に関する。
高度情報化時代を迎え、情報伝送は高速化・高周波化に動き出し、マイクロ波通信やミリ波通信が現実になってきている。これに伴い、高周波における伝送ロスを極限まで軽減するために誘電正接が小さい樹脂材料が求められている。
従来、誘電正接が小さい樹脂材料としては、特許文献1に記載された、シクロオレフィンモノマー、メタセシス重合触媒、架橋剤、連鎖移動剤及びジメタクリレート化合物を含む重合性組成物や、この重合性組成物を用いて得られるプリプレグや積層体が知られている。
特開2009−242568号公報
上記のように、これまでにも高周波化に対応し得る樹脂材料が提案されているが、近年においては、さらに高周波領域での誘電正接がより小さく、耐熱性に優れるものが要望されてきている。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、高周波領域での誘電正接が極めて小さく、耐熱性に優れる架橋樹脂成形体の製造原料として有用な重合性組成物、この重合性組成物を塊状重合させることで得られる架橋性樹脂成形体、この架橋性樹脂成形体を架橋させることで得られる架橋樹脂成形体、及びこれらの樹脂成形体を積層してなる積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、(A)下記式(I)で示されるシクロオレフィンモノマー、(B)架橋性シクロオレフィンモノマー、(C)メタセシス重合触媒、(D)架橋剤、及び(E)アダマンチル基含有多官能(メタ)アクリレートを含有し、上記(A)成分、(B)成分及び(E)成分をそれぞれ特定割合で含有する重合性組成物を用いることで、高周波領域での誘電正接が極めて小さく、耐熱性に優れた架橋樹脂成形体が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして本発明の第1によれば、下記(1)〜(4)の重合性組成物が提供される。
(1)(A)下記式(I)
Figure 2013203892
〔式中、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Aは、単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、又は下記式(II)
Figure 2013203892
(式中、Aは、炭素数1〜19のアルキレン基を表し、*は、式(I)中の脂環式構造を構成する炭素原子との結合部位を表す。)
で示される2価の基を表す。pは0、1又は2を表す。〕
で示されるシクロオレフィンモノマー、
(B)架橋性シクロオレフィンモノマー(ただし、前記式(I)で示される化合物を除く。)、
(C)メタセシス重合触媒、
(D)架橋剤、及び
(E)アダマンチル基含有多官能(メタ)アクリレートを含有し、
前記(A)成分と(B)成分の重量比〔(A)成分:(B)成分〕が、0.5:99.5〜20:80、かつ、
前記(E)成分の含有量が、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して0.5〜30重量部、であることを特徴とする重合性組成物。
(2)前記(A)成分と(E)成分の重量比〔(A)成分:(E)成分〕が、1:1〜1:20である(1)に記載の重合性組成物。
(3)前記(B)成分が、下記式(III)または(IV)で示される化合物である(1)又は(2)に記載の重合性組成物。
Figure 2013203892
〔式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。R又はRとR又はRは互いに結合して環構造を形成してもよい。R〜Rで表される炭化水素基、および、R又はRとR又はRが互いに結合して形成する環構造のいずれかは脂肪族炭素−炭素二重結合を有する。qは0、1又は2を表す。〕
Figure 2013203892
〔式中、R、R、R及びR10は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。qは0、1又は2を表す。〕
(4)前記(E)成分が、アダマンチル基含有2官能(メタ)アクリレート又はアダマンチル基含有3官能(メタ)アクリレートである、(1)〜(3)のいずれかに記載の重合性組成物。
本発明の第2によれば、下記(5)、(6)の架橋性樹脂成形体が提供される。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の重合性組成物を塊状重合させることで得られる架橋性樹脂成形体。
(6)さらに、繊維状強化材を含有する(5)に記載の架橋性樹脂成形体。
本発明の第3によれば、下記(7)の架橋樹脂成形体が提供される。
(7)前記(5)又は(6)に記載の架橋性樹脂成形体を架橋させることで得られる架橋樹脂成形体。
本発明の第4によれば、下記(8)の積層体が提供される。
(8)前記(5)又は(6)に記載の架橋性樹脂成形体、又は(7)に記載の架橋樹脂成形体を積層してなる積層体。
本発明によれば、高周波領域での誘電正接が極めて小さく、耐熱性に優れる架橋樹脂成形体の製造原料として有用な重合性組成物、この重合性組成物を塊状重合させることで得られる架橋性樹脂成形体、この架橋性樹脂成形体を架橋させることで得られる架橋樹脂成形体、及びこれらの樹脂成形体を積層してなる積層体が提供される。
本発明の重合性組成物を用いて得られる架橋樹脂成形体や積層体は、高周波領域での誘電正接が極めて小さく、耐熱性に優れるため、通信機器用途等に用いられるマイクロ波又はミリ波等の高周波回路基板の製造に好適に使用することができる。
以下、本発明を、1)重合性組成物、2)架橋性樹脂成形体、3)架橋樹脂成形体、及び、4)積層体、に項分けして詳細に説明する。
1)重合性組成物
本発明の重合性組成物は、下記(A)〜(E)成分を含有し、前記(A)成分と(B)成分の重量比〔(A)成分:(B)成分〕が、0.5:99.5〜20:80、かつ、前記(E)成分の含有量が、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して0.5〜30重量部、であることを特徴とするものである。
(A)成分:前記式(I)で示されるシクロオレフィンモノマー
(B)成分:架橋性シクロオレフィンモノマー(ただし、前記式(I)で示される化合物を除く。)
(C)成分:メタセシス重合触媒
(D)成分:架橋剤
(E)成分:アダマンチル基含有多官能(メタ)アクリレート
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート又はメタアクリレート」を意味し、他の「(メタ)」の記載も同様である。
本発明の重合性組成物は、シクロオレフィンモノマーとして、少なくとも(A)成分である前記式(I)で示されるシクロオレフィンモノマーと、(B)成分である架橋性シクロオレフィンモノマー(ただし、前記式(I)で示される化合物を除く。)とを含有する。
シクロオレフィンモノマーは、炭素原子で構成される脂環式構造を有し、かつ該脂環式構造中に脂肪族炭素−炭素二重結合を1つ有する化合物である。
本明細書において、「重合性の炭素−炭素二重結合」とは、開環重合可能な炭素−炭素二重結合をいう。開環重合には、イオン重合、ラジカル重合、及びメタセシス重合など、種々の形態のものが存在するが、本発明においては、通常、メタセシス開環重合をいう。
また、「架橋性の炭素−炭素二重結合」とは、開環重合には関与せず、架橋反応に関与可能な炭素−炭素二重結合をいう。架橋反応とは橋架け構造を形成する反応であり、縮合反応、付加反応、ラジカル反応、及びメタセシス反応など、種々の形態のものが存在するが、典型的には、ラジカル架橋反応又はメタセシス架橋反応、特にラジカル架橋反応をいう。
(A)成分
本発明の重合性組成物は、(A)成分として、前記式(I)で示されるシクロオレフィンモノマー(以下、「シクロオレフィンモノマー(α)」ということがある。)を含有する。
シクロオレフィンモノマー(α)は、架橋性の炭素−炭素二重結合を含む(メタ)アクリロイルオキシ基を有する。この(メタ)アクリロイルオキシ基は、特に(E)成分中の(メタ)アクリロイルオキシ基との反応性に優れるため、本発明の重合性組成物を用いることで、(E)成分に由来する架橋構造を多く含む架橋樹脂成形体を得ることができる。結果として、アダマンチル基を有する架橋構造を多く含む、耐熱性に優れる架橋樹脂成形体を得ることができる。
式(I)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。R〜Rの炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5である。
〜Rの炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜20のアルキル基;ビニル基、プロペニル基、クロチル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;エチニル基、プロパルギル基、3−ブチニル基等の炭素数2〜20のアルキニル基;フェニル基、2−ナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基;等が挙げられる。
これらの中でも、重合時の反応性の観点から、R〜Rは、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
は、水素原子又はメチル基を表し、なかでもメチル基が好ましい。
Aは、単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、又は、下記式(II)で示される2価の基を表す。
Figure 2013203892
「単結合」とは、式(I)において、−O−C(=O)−C(R)=CHで表される基が、脂環式構造を構成する炭素原子と直接結合している状態を表す。
Aの炭素数1〜20のアルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5である。Aの炭素数1〜20のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等が挙げられる。
式(II)中、Aの炭素数1〜19のアルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜9、より好ましくは1〜4である。Aの炭素数1〜19のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等が挙げられる。
pは、0、1又は2を表し、好ましくは0又は1である。
pが0の化合物としては、アクリル酸5−ノルボルネン−2−イル、メタクリル酸5−ノルボルネン−2−イル、アクリル酸(5−ノルボルネン−2−イル)メチル、メタクリル酸(5−ノルボルネン−2−イル)メチル、アクリル酸−1−(5−ノルボルネン−2−イル)エチル、アクリル酸−2−(5−ノルボルネン−2−イル)エチル、メタクリル酸−1−(5−ノルボルネン−2−イル)エチル、メタクリル酸−2−(5−ノルボルネン−2−イル)エチル、アクリル酸−1−(5−ノルボルネン−2−イル)プロピル、アクリル酸−2−(5−ノルボルネン−2−イル)プロピル、アクリル酸−3−(5−ノルボルネン−2−イル)プロピル、メタクリル酸−1−(5−ノルボルネン−2−イル)プロピル、メタクリル酸−2−(5−ノルボルネン−2−イル)プロピル、メタクリル酸−3−(5−ノルボルネン−2−イル)プロピル、アクリル酸−n−4−(5−ノルボルネン−2−イル)ブチル、メタクリル酸−n−4−(5−ノルボルネン−2−イル)ブチル、アクリル酸(5−ノルボルネン−2−イル)ヘキシル、メタクリル酸(5−ノルボルネン−2−イル)ヘキシル、アクリル酸(5−ノルボルネン−2−イル)オクチル、メタクリル酸(5−ノルボルネン−2−イル)オクチル、アクリル酸(5−ノルボルネン−2−イル)デシル、メタクリル酸(5−ノルボルネン−2−イル)デシル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸(アクリロイルオキシ)メチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸(メタクリロイルオキシ)メチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸−2−(アクリロイルオキシ)エチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸−2−(メタクリロイルオキシ)エチル等が挙げられる。
pが1の化合物としては、アクリル酸テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル、メタクリル酸テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル、アクリル酸(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)メチル、メタクリル酸(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)メチル、アクリル酸−1−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)エチル、アクリル酸−2−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)エチル、メタクリル酸−1−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)エチル、メタクリル酸−2−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)エチル、アクリル酸−1−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)プロピル、アクリル酸−2−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)プロピル、アクリル酸−3−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)プロピル、メタクリル酸−1−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)プロピル、メタクリル酸−21−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)プロピル、メタクリル酸−3−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)プロピル、アクリル酸−1−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)ブチル、アクリル酸−2−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)ブチル、アクリル酸−3−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)ブチル、アクリル酸−4−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)ブチル、メタクリル酸−1−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)ブチル、メタクリル酸−2−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)ブチル、メタクリル酸−3−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)ブチル、メタクリル酸−4−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)ブチル、アクリル酸(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)ヘキシル、メタクリル酸(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)ヘキシル、アクリル酸(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)オクチル、メタクリル酸(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)オクチル、アクリル酸(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)デシル、メタクリル酸(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−イル)デシル、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸(アクリロイルオキシ)メチル、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸(メタクリロイルオキシ)メチル、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸−2−(アクリロイルオキシ)エチル、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸−2−(メタクリロイルオキシ)エチル等が挙げられる。
これらのシクロオレフィンモノマー(α)は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分
本発明の重合性組成物は、(B)成分として、架橋性シクロオレフィンモノマー(ただし、前記式(I)で示される化合物を除く。)(以下、「シクロオレフィンモノマー(β)」ということがある。)を含有する。架橋性シクロオレフィンモノマーとは、脂環式構造中に脂肪族炭素−炭素二重結合を1つ有するのに加え、分子内において、脂環式構造中及び/又は脂環式構造以外の部分に、脂肪族炭素−炭素二重結合を1つ以上さらに有するシクロオレフィンモノマーである。かかるモノマーにおいて、通常、脂環式構造中のいずれか1つの脂肪族炭素−炭素二重結合は重合性の炭素−炭素二重結合であり、その他の脂肪族炭素−炭素二重結合は架橋性の炭素−炭素二重結合である。
本発明に用いるシクロオレフィンモノマー(β)は、脂環式構造を有するものであるため、本発明の重合性組成物を用いることで、誘電正接が小さい架橋樹脂成形体を得ることができる。また、これらのシクロオレフィンモノマーは、架橋性の炭素−炭素二重結合を有するため、架橋構造の形成にも寄与し得る。
シクロオレフィンモノマー(β)が有する脂環式構造は、単環構造であっても、多環構造であってもよい。なかでも、得られる積層体の誘電特性と耐熱性とを高度にバランスさせる観点から、多環構造が好ましい。多環構造のシクロオレフィンモノマーとしては、特にノルボルネン系モノマーが好ましい。なお、「ノルボルネン系モノマー」とは、ノルボルネン環構造を分子内に有するシクロオレフィンモノマーをいう。例えば、ノルボルネン類、ジシクロペンタジエン類、及びテトラシクロドデセン類等が挙げられる。
脂環式構造を構成する炭素数に特に限定はないが、通常、4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個である。
シクロオレフィンモノマー(β)中、架橋性の炭素−炭素二重結合の存在位置は特に限定されるものではなく、炭素原子で構成される脂環式構造内の他、該脂環式構造以外の任意の位置、例えば、側鎖の末端や内部に存在していてもよい。例えば、架橋性の炭素−炭素二重結合は、ビニル基(CH=CH−)や、ビニリデン基(CH=C<)、ビニレン基(−CH=CH−)、1−プロペニリデン基(>C=CH−CH)等として存在し得る。ラジカル架橋反応性に優れる観点から、架橋性の炭素−炭素二重結合は側鎖の末端や内部に存在することが好ましく、ビニル基、ビニリデン基又は1−プロペニリデン基として存在するのがより好ましく、ビニリデン基又は1−プロペニリデン基として存在するのがより好ましい。
シクロオレフィンモノマー(β)は、任意の位置に置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキリデン基、及びアリール基等の炭素数1〜30の炭化水素基;カルボキシル基、酸無水物基等の極性基;等が挙げられる。低誘電正接の架橋樹脂成形体が得られやすいことから、極性基を有しないものが好ましい。
シクロオレフィンモノマー(β)は、より低い誘電正接の架橋樹脂成形体が得られやすくなることから、炭化水素であることが好ましい。
本発明に用いるシクロオレフィンモノマー(β)の好ましいものとしては、下記式(III)又は(IV)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2013203892
上記式中、R、R、R、R、R及びR10は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
〜R10の炭化水素基の炭素数は、好ましくは、1〜10、より好ましくは、1〜5である。
〜R10の炭素数1〜20の炭化水素基としては、先に式(I)中のR〜Rとして例示したものが挙げられる。
また、R又はRとR又はRは互いに結合して環構造を形成してもよい。
〜Rで表される炭化水素基、および、R又はRとR又はRが互いに結合して形成する環構造のいずれかは脂肪族炭素−炭素二重結合を有する。かかる脂肪族炭素−炭素二重結合は架橋性である。
qは、0、1又は2を表し、好ましくは0又は1である。
これらの中では、シクロオレフィンモノマー(β)は、式(IV)で示される化合物が好ましい。
シクロオレフィンモノマー(β)の具体例としては、3−ビニルシクロヘキセン、4−ビニルシクロヘキセン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロへキサジエン、1,4−シクロへキサジエン、5−エチル−1,3−シクロへキサジエン、1,3−シクロへプタジエン、及び1,3−シクロオクタジエンなどの単環シクロオレフィンモノマー;
5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−n−プロピリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−アリル−2−ノルボルネン、5,6−ジエチリデン−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエンなどの二環シクロオレフィンモノマー;
ジシクロペンタジエンなどの三環シクロオレフィンモノマー;
9−メチリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチリデン−10−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチリデン−10−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチリデン−10−イソプロピルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチリデン−10−ブチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデン−10−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデン−10−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデン−10−イソプロピルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデン−10−ブチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−n−プロピリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−n−プロピリデン−10−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−n−プロピリデン−10−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−n−プロピリデン−10−イソプロピルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−n−プロピリデン−10−ブチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−イソプロピリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−イソプロピリデン−10−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−イソプロピリデン−10−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−イソプロピリデン−10−イソプロピルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−イソプロピリデン−10−ブチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−ビニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−プロペニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンなどのテトラシクロドデセン構造を有する四環シクロオレフィンモノマー;などが挙げられる。
シクロオレフィンモノマー(β)は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の重合性組成物は、前記(A)成分と(B)成分の重量比〔(A)成分:(B)成分〕が、0.5:99.5〜20:80、好ましくは、1:99〜18:82、より好ましくは、2:98〜15:85である。(A)成分の含有量が上記範囲を下回る重合性組成物を用いる場合には、(E)成分が十分に反応できないため、耐熱性に優れる架橋樹脂成形体が得られないおそれがある。一方、(A)成分の含有量が上記範囲を上回る重合性組成物を用いる場合には、式(I)で示されるシクロオレフィンモノマー由来の繰り返し単位中に、架橋形成に関与しない(メタ)アクリロイルオキシ基が残存し過ぎるため、誘電正接が小さい架橋樹脂成形体が得られないおそれがある。
その他のモノマー
本発明の重合性組成物は、本発明の効果を阻害しない限り、(A)成分及び(B)成分と共重合可能なその他のモノマーを含有してもよい。
その他のモノマーとしては、(A)成分及び(B)成分以外のシクロオレフィンモノマーが挙げられる。
かかるシクロオレフィンモノマーとしては、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、及びシクロへプテンなどの単環シクロオレフィンモノマー;
ノルボルネン、1−メチル−2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、7−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−プロピル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5,6−ジメチル−2−ノルボルネン、5,5,6−トリメチル−2−ノルボルネン、5−クロロ−2−ノルボルネン、5,5−ジクロロ−2−ノルボルネン、5−フルオロ−2−ノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチル−2−ノルボルネン、5−クロロメチル−2−ノルボルネン、5−メトキシ−2−ノルボルネン、5,6−ジカルボキシル−2−ノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノ−2−ノルボルネン、及び5−シアノ−2−ノルボルネンなどの二環シクロオレフィンモノマー;
1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエンなどの三環シクロオレフィンモノマー;
1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン(TCD)、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどのテトラシクロドデセン構造を有する四環シクロオレフィンモノマー;などが挙げられる。
本発明の重合性組成物が、その他のモノマーを含有する場合、その含有量は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、通常、30重量部以下、好ましくは、0.5〜20重量部である。
(C)成分
本発明の重合性組成物は、(C)成分としてメタセシス重合触媒を含有する。
本発明に用いるメタセシス重合触媒としては、遷移金属原子を中心原子として、複数のイオン、原子、多原子イオン、及び化合物などが結合してなる遷移金属錯体が挙げられる。遷移金属原子としては、5族、6族及び8族(長周期型周期表による。以下、同じ。)の原子が使用される。それぞれの族の原子は特に限定されないが、5族の原子としては、例えば、タンタルが挙げられ、6族の原子としては、例えば、モリブデンやタングステンが挙げられ、8族の原子としては、例えば、ルテニウムやオスミウムが挙げられる。なかでも、遷移金属原子としては、8族のルテニウムやオスミウムが好ましい。
すなわち、本発明に用いるメタセシス重合触媒としては、ルテニウム又はオスミウムを中心原子とする錯体が好ましく、ルテニウムを中心原子とする錯体がより好ましい。
ルテニウムを中心原子とする錯体としては、カルベン化合物がルテニウムに配位してなるルテニウムカルベン錯体が好ましい。ここで、「カルベン化合物」とは、メチレン遊離基を有する化合物の総称であり、(>C:)で表されるような電荷のない2価の炭素原子(カルベン炭素)を持つ化合物をいう。ルテニウムカルベン錯体は、塊状重合時の触媒活性に優れるため、本発明の重合性組成物を塊状重合に供して架橋性樹脂成形体を得る場合、得られる成形体には未反応のモノマーに由来する臭気が少なく、生産性良く良質な成形体が得られる。また、酸素や空気中の水分に対して比較的安定であって、失活しにくいので、大気下でも使用可能である。
ルテニウムカルベン錯体の具体例としては、以下の式(V)又は式(VI)で示される錯体が挙げられる。
Figure 2013203892
式(V)及び(VI)において、R11及びR12はそれぞれ独立して、水素原子;ハロゲン原子;又はハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでいてもよい、環状又は鎖状の、炭素数1〜20の炭化水素基;を表す。X及びXはそれぞれ独立して、任意のアニオン性配位子を示す。L及びLはそれぞれ独立して、ヘテロ原子含有カルベン化合物又はヘテロ原子含有カルベン化合物以外の中性電子供与性化合物を表す。また、R11とR12は互いに結合して、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族環又は芳香族環を形成してもよい。さらに、R11、R12、X、X、L及びLは、任意の組合せで互いに結合して多座キレート化配位子を形成してもよい。
ヘテロ原子とは、周期律表15族及び16族の原子を意味し、具体的には、窒素原子(N)、酸素原子(O)、リン原子(P)、硫黄原子(S)、砒素原子(As)、及びセレン原子(Se)などを挙げることができる。これらの中でも、安定なカルベン化合物が得られる観点から、N、O、P、及びSなどが好ましく、Nが特に好ましい。
前記ルテニウムカルベン錯体としては、得られる架橋樹脂成形体及び積層体の機械的強度と耐衝撃性とが高度にバランスされ得ることから、ヘテロ原子含有カルベン化合物としてヘテロ環構造を有するカルベン化合物を配位子として少なくとも1つ有するものが好ましい。ヘテロ環構造としては、イミダゾリン環構造又はイミダゾリジン環構造が好ましい。
ヘテロ環構造を有するカルベン化合物としては、以下の式(VII)又は式(VIII)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2013203892
式(VII)及び(VIII)において、R13〜R16はそれぞれ独立して、水素原子;ハロゲン原子;又はハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでいてもよい、環状又は鎖状の、炭素数1〜20個の炭化水素基;を表す。また、R13〜R16は任意の組合せで互いに結合して環を形成していてもよい。
前記式(VII)又は式(VIII)で示される化合物としては、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ(1−アダマンチル)イミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジメシチルオクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、及び1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデンなどが挙げられる。
また、前記式(VII)又は式(VIII)で示される化合物のほかに、1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン、N,N,N’,N’−テトライソプロピルホルムアミジニリデン、1,3,4−トリフェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、及び3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2,3−ジヒドロチアゾール−2−イリデンなどのヘテロ原子含有カルベン化合物も用い得る。
前記式(V)及び式(VI)において、アニオン(陰イオン)性配位子X、Xは、中心原子から引き離されたときに負の電荷を持つ配位子である。例えば、弗素原子(F)、塩素原子(Cl)、臭素原子(Br)、及び沃素原子(I)などのハロゲン原子、ジケトネート基、置換シクロペンタジエニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、及びカルボキシル基などを挙げることができる。これらの中でもハロゲン原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
また、中性電子供与性化合物は、中心原子から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子であればいかなるものでもよい。その具体例としては、カルボニル類、アミン類、ピリジン類、エーテル類、ニトリル類、エステル類、ホスフィン類、チオエーテル類、芳香族化合物、オレフィン類、イソシアニド類、及びチオシアネート類などが挙げられる。これらの中でも、ホスフィン類、エーテル類及びピリジン類が好ましく、トリアルキルホスフィンがより好ましい。
前記式(V)で示されるルテニウムカルベン錯体としては、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(3−フェニル−1H−インデン−1−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−オクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン[1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジイソプロピルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(エトキシメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)ピリジンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(2−フェニルエチリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−フェニルエチリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)[(フェニルチオ)メチレン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、及び(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−ピロリドン−1−イルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドなどの、ヘテロ原子含有カルベン化合物及び中性の電子供与性化合物が各々1つ結合したルテニウムカルベン錯体;
ベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドや(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリドなどの、2つの中性電子供与性化合物が結合したルテニウムカルベン錯体;
ベンジリデンビス(1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウムジクロリドやベンジリデンビス(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ルテニウムジクロリドなどの、2つのヘテロ原子含有カルベン化合物が結合したルテニウムカルベン錯体;などが挙げられる。
前記式(VI)で示されるルテニウムカルベン錯体としては、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(フェニルビニリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(t−ブチルビニリデン)(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、及びビス(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリドなどが挙げられる。
これらのルテニウムカルベン錯体の中でも、前記式(V)で表され、かつ配位子として前記式(VIII)で表される化合物を1つ有するものが最も好ましい。
これらのルテニウムカルベン錯体は、Org.Lett.,1999年,第1巻,953頁や、Tetrahedron.Lett.,1999年,第40巻,2247頁などに記載された方法によって製造することができる。
メタセシス重合触媒は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
メタセシス重合触媒の含有量は、モル比(メタセシス重合触媒中の金属原子:シクロオレフィンモノマー混合物全体)で、通常、1:2,000〜1:2,000,000、好ましくは1:5,000〜1:1,000,000、より好ましくは1:10,000〜1:500,000の範囲である。
メタセシス重合触媒は所望により、少量の不活性溶媒に溶解又は懸濁して使用することができる。かかる溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、流動パラフィン、及びミネラルスピリットなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ジシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデン、及びシクロオクタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、及びキシレンなどの芳香族炭化水素;インデンやテトラヒドロナフタレンなどの脂環と芳香環とを有する炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、及びアセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどの含酸素炭化水素;などが挙げられる。これらの中では、鎖状脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、及び脂環と芳香環とを有する炭化水素の使用が好ましい。
(D)成分
本発明の重合性組成物は、(D)成分として、架橋剤を含有する。
架橋剤は、重合性組成物の重合反応で形成する架橋性樹脂の架橋反応を誘起しうる化合物である。したがって、本発明の重合性組成物の重合反応により得られる成形体は、後架橋可能な架橋性樹脂成形体となり得る。ここで「後架橋可能な」とは、架橋性樹脂成形体を加熱して架橋させることで架橋樹脂成形体にし得ることを意味する。
架橋剤としては、特に限定されないが、通常、ラジカル発生剤が好適に用いられる。ラジカル発生剤としては、例えば、有機過酸化物、ジアゾ化合物、および非極性ラジカル発生剤などが挙げられ、好ましくは有機過酸化物、および非極性ラジカル発生剤である。
有機過酸化物としては、t−ブチルヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド類;ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン等のジアルキルペルオキシド類;ジプロピオニルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド等のジアシルペルオキシド類;2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等のペルオキシケタール類;t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエート等のペルオキシエステル類;t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、ジ(イソプロピルペルオキシ)ジカルボナート等のペルオキシカルボナート類;t−ブチルトリメチルシリルペルオキシド等のアルキルシリルペルオキシド類;3,3,5,7,7−ペンタメチル−1,2,4−トリオキセパン、3,6,9−トリエチル−3,6,9−トリメチル−1,4,7−トリパーオキソナン、3,6−ジエチル−3,6−ジメチル−1,2,4,5−テトロキサン等の環状パーオキサイド類;が挙げられる。これらのなかでも、重合反応に対する障害が少ない点で、ジアルキルペルオキシド類、ペルオキシケタール類、および環状パーオキサイド類が好ましい。
ジアゾ化合物としては、4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノン等が挙げられる。
非極性ラジカル発生剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、1,1,2−トリフェニルエタン、1,1,1−トリフェニル−2−フェニルエタン等が挙げられる。
ラジカル発生剤を架橋剤として使用する場合、1分間半減期温度は、硬化(架橋性樹脂成形体の架橋)の条件により適宜選択されるが、通常、100〜300℃、好ましくは150〜250℃、より好ましくは160〜230℃の範囲である。100℃以上であることで、加熱溶融特性に優れる架橋性樹脂が得られやすくなる。また、300℃以下であることで、過度の高温条件を用いなくても架橋反応を行うことができる。ここで1分間半減期温度は、ラジカル発生剤の半量が1分間で分解する温度である。
架橋剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
(E)成分
本発明の重合性組成物は、(E)成分として、アダマンチル基含有多官能(メタ)アクリレートを含有する。
「アダマンチル基含有多官能(メタ)アクリレート」は、「1又は2以上のアダマンチル基及び2以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するエステル化合物」を意味する。
アダマンチル基含有多官能(メタ)アクリレートは、架橋反応に関与し得る(メタ)アクリロイルオキシ基を2以上有するため、本発明の重合性組成物を用いることで、アダマンチル基を有する架橋構造を多く含む架橋樹脂成形体を得ることができる。アダマンチル基を有する架橋構造は架橋樹脂成形体の耐熱性を向上させるため、本発明の重合性組成物を用いて得られた架橋樹脂成形体は耐熱性に優れたものとなる。
アダマンチル基含有多官能(メタ)アクリレートは、1又は2以上のアダマンチル基及び2以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するエステル化合物であれば特に制限されない。
なかでも、2つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物であるアダマンチル基含有2官能(メタ)アクリレートや、3つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物であるアダマンチル基含有3官能(メタ)アクリレートが好ましく、アダマンチル基を1つ含有する、アダマンチル基含有2官能(メタ)アクリレート又はアダマンチル基含有3官能(メタ)アクリレートがより好ましい。
アダマンチル基含有多官能(メタ)アクリレートは、その炭素数が、通常、16〜100、好ましくは16〜60の化合物である。
アダマンチル基含有多官能(メタ)アクリレートの多くは、公知化合物である。これらのアダマンチル基含有多官能(メタ)アクリレートとしては、特公表昭57−500785号公報、特開2004−26700号公報、特開2005−8527号公報、特開2008−105999号公報、WO2007/125890に記載の化合物等が挙げられる。
(E)成分として用いるアダマンチル基含有多官能(メタ)アクリレートとして、典型的には、下記式(IX)又は式(X)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2013203892
式(IX)中、sは2〜4の整数、tは0〜3の整数を表す。
17は水素原子又はメチル基を表し、なかでもメチル基が好ましい。複数のR17で表される基は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
18は炭素数1〜5のアルキル基を表す。R18の炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。tが2又は3のとき、複数のR18で表される基は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
は、単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、又は炭素数6〜20の置換若しくは無置換のアリーレン基を表す。
「単結合」とは、式(IX)において、−O−C(=O)−C(R17)=CHで表される基が、アダマンチル基を構成する炭素原子と直接結合している状態を表す。
複数のBで表される基は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
の炭素数1〜20のアルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5である。Bの炭素数1〜20のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等が挙げられる。
の炭素数6〜20の置換又は無置換のアリーレン基の炭素数は、好ましくは6〜15、より好ましくは6〜10である。Bの炭素数6〜20の置換又は無置換のアリーレン基の置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基が挙げられる。
の炭素数6〜20の置換又は無置換のアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、メチルフェニレン基、ジメチルフェニレン基等が挙げられる。
式(IX)で示されるアダマンチル基含有多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、1,3−ジアクリロイルオキシアダマンタン、1,3−ジメタクリロイルオキシアダマンタン、1,3−アダマンタンジメタノールジアクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレート等のアダマンチル基含有2官能(メタ)アクリレート;1,3,5−トリアクリロイルオキシアダマンタン、1,3,5−トリメタクリロイルオキシアダマンタン、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリアクリレート、1,3,5−アダマンタントリメタノールトリメタクリレート等のアダマンチル基含有3官能(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
Figure 2013203892
式(X)中、R17、R18及びtは上記と同じ意味を表す。uは2又は3、vは1〜4の整数、wは0〜3の整数をそれぞれ表す。
19は炭素数1〜5のアルキル基を表す。R19の炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。wが2又は3のとき、複数のR19で表される基は、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
は単結合又は下記式(XI)で示される2価の基を表す。
Figure 2013203892
式(XI)中、*は、式(X)中のベンゼン環を構成する炭素原子との結合部位を表す。
「単結合」とは、式(X)において、−O−C(=O)−C(R17)=CHで表される基が、ベンゼン環を構成する炭素原子と直接結合している状態を表す。
式(X)で示されるアダマンチル基含有多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、1−〔2,4−ビス(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル〕アダマンタン等のアダマンチル基含有2官能(メタ)アクリレート;1,3−ビス〔2,4−ビス(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル〕アダマンタン等のアダマンチル基含有4官能(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
(E)成分は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(E)成分の含有量は、前記(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して0.5〜30重量部、好ましくは、1〜25重量部である。(E)成分の含有量が上記基準で0.5重量部を下回る重合性組成物を用いて架橋樹脂成形体を製造すると、アダマンチル基を有する架橋構造が形成しにくいため、耐熱性に優れる架橋樹脂成形体が得られないおそれがある。一方、(E)成分の含有量が上記基準で30重量部を上回る重合性組成物を用いて架橋樹脂成形体を製造すると、未反応の(E)成分が多く残留することになり、誘電正接が小さい架橋樹脂成形体が得られないおそれがある。
本発明の重合性組成物は、前記(A)成分と(E)成分の重量比〔(A)成分:(E)成分〕が、好ましくは1:1〜1:20、より好ましくは1:1〜1:15、さらに好ましくは1:1〜1:10である。(A)成分と(E)成分の重量比が上記範囲内にある重合性組成物は、誘電正接が小さく、耐熱性に優れた架橋樹脂成形体の製造用原料として特に適している。
その他の配合剤
本発明の重合性組成物には、上記の(A)成分〜(E)成分に加えて、所望により、連鎖移動剤、架橋助剤、反応性流動化剤、充填剤、難燃剤、重合調整剤、重合反応遅延剤、老化防止剤などのその他の配合剤を添加することができる。
連鎖移動剤は、開環重合反応に関与し得る炭素−炭素二重結合を有し、シクロオレフィンモノマーの重合反応で生成する重合体の末端に結合し得る化合物である。連鎖移動剤を用いることで、架橋性樹脂成形体の分子量を調製することができる。連鎖移動剤は、前記の炭素−炭素二重結合に加えて、架橋性の炭素−炭素二重結合を有していてもよい。
連鎖移動剤としては、1−ヘキセン、2−ヘキセン等の脂肪族オレフィン類;スチレン、ジビニルベンゼン、スチルベン等の芳香族オレフィン類;ビニルシクロヘキサン等の脂環式オレフィン類;エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチルビニルケトン、1,5−ヘキサジエン−3−オン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン−3−オン等のビニルケトン類等が挙げられる。これらの中でも、誘電正接が小さい架橋樹脂成形体や積層体が得られることから、ヘテロ原子を持たない炭化水素化合物が好ましい。
連鎖移動剤は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
連鎖移動剤を用いる場合、その含有量は、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは、0.05〜5重量部である。
架橋助剤は、開環重合反応には関与しないが、架橋剤で誘起される架橋反応に関与し得る官能性基を2以上有し、架橋構造の一部を構成し得る多官能化合物である。架橋助剤を用いることで、架橋密度が高く、より耐熱性に優れる、架橋樹脂成形体や積層体を得ることができる。
架橋助剤の官能性基としては、ビニリデン基が挙げられる。特に、架橋反応性に優れることから、ビニリデン基は、イソプロペニル基又はメタクリロイル基として存在するのが好ましく、メタクリロイル基として存在するのがより好ましい。
架橋助剤としては、p−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、o−ジイソプロペニルベンゼン等のイソプロペニル基を2以上有する化合物;エチレンジメタクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、1,4−ブチレンジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート等のメタクリロイル基を2以上有する化合物;等が挙げられる。なかでも、架橋助剤としては、メタクリロイル基を2以上有する化合物が好ましく、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート等のメタクリロイル基を3つ有する化合物がより好ましい。
架橋助剤は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋助剤を用いる場合、その含有量は、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.1〜100重量部、好ましくは、0.5〜50重量部である。
架橋助剤が上記範囲であることで、耐熱性に優れ、誘電正接が小さい架橋樹脂成形体や積層体が得られやすくなる。
反応性流動化剤は、開環重合反応には関与しないが、架橋剤で誘起される架橋反応に関与し得る官能性基を1つ有し、架橋構造の一部を構成し得る単官能化合物である。反応性流動化剤は、架橋反応前は樹脂成形体中で実質的に遊離の状態で存在し、樹脂成形体の可塑性を向上させる。したがって、反応性流動化剤を含有する架橋性樹脂成形体は、加熱溶融時に適度な流動性を有するため、成形性に優れる。また、反応性流動化剤は、最終的には、前記架橋助剤と同様に架橋の一部を構成し得るため、架橋樹脂成形体や積層体の耐熱性の向上に寄与する。
反応性流動化剤の官能性基としては、ビニリデン基が挙げられる。特に、架橋反応性に優れることから、ビニリデン基は、イソプロペニル基やメタクリル基として存在するのが好ましく、メタクリル基として存在するのがより好ましい。
反応性流動化剤としては、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート等のメタクリロイル基を1つ有する化合物;イソプロペニルベンゼン等のイソプロペニル基を1つ有する化合物;等が挙げられる。なかでも、反応性流動化剤としては、メタクリロイル基を1つ有する化合物が好ましい。
反応性流動化剤は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
反応性流動化剤を用いる場合、その含有量は、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.1〜100重量部、好ましくは、0.5〜50重量部である。
充填剤としては、公知の充填剤を用いることができる。無機系充填剤および有機系充填剤のいずれも用いることができるが、通常は、無機系充填剤が好適に用いられる。充填剤を含有することで、機械強度と耐熱性に優れる、架橋樹脂成形体及び積層体を得ることができる。
充填剤は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
充填剤を用いる場合、その含有量は、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、1〜1,000重量部、好ましくは10〜500重量部、より好ましくは50〜350重量部である。
難燃剤としては、公知のハロゲン系難燃剤や非ハロゲン系難燃剤を用いることができる。ハロゲン系難燃剤としては、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、塩素化ポリスチレン、塩素化ポリエチレン、高塩素化ポリプロピレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニルオキシド、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、1,2−ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、テトラブロモビスフェノールS、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニルプロパン)、ペンタブロモトルエンなどが挙げられる。
難燃剤は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
難燃剤を用いる場合、その含有量は、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、10〜300重量部、好ましくは20〜200重量部、より好ましくは30〜150重量部である。
重合調整剤は、重合活性を制御し得る化合物である。重合調整剤としては、トリアルコキシアルミニウム、トリフェノキシアルミニウム、ジアルコキシアルキルアルミニウム、アルコキシジアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、ジアルコキシアルミニウムクロリド、アルコキシアルキルアルミニウムクロリド、ジアルキルアルミニウムクロリド、トリアルコキシスカンジウム、テトラアルコキシチタン、テトラアルコキシスズ、テトラアルコキシジルコニウムなどが挙げられる。
重合調整剤は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。重合調整剤を用いる場合、その含有量は、モル比(メタセシス重合触媒中の金属原子:重合調整剤)で、通常、1:0.05〜1:100、好ましくは1:0.2〜1:20、より好ましくは1:0.5〜1:10の範囲である。
重合反応遅延剤は、重合性組成物の粘度増加を抑制し得る化合物である。重合反応遅延剤としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、ジシクロヘキシルホスフィン、ビニルジフェニルホスフィン、アリルジフェニルホスフィン、トリアリルホスフィン、スチリルジフェニルホスフィンなどのホスフィン化合物;アニリン、ピリジンなどのルイス塩基;等を用いることができる。
重合反応遅延剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。重合反応遅延剤の含有量は、所望により適宜調整すればよい。
老化防止剤としては、フェノール系老化防止剤、アミン系老化防止剤、リン系老化防止剤、イオウ系老化防止剤などの公知の老化防止剤を用いることができる。これらの中でも、フェノール系老化防止剤およびアミン系老化防止剤が好ましく、フェノール系老化防止剤がより好ましい。老化防止剤を含有することで、耐熱性に優れる架橋樹脂成形体及び積層体を得ることができる。
老化防止剤は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。老化防止剤を用いる場合、その含有量は、シクロオレフィンモノマー100重量部に対して、通常、0.0001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部、より好ましくは0.01〜2重量部である。
その他の配合剤としては、着色剤、光安定剤、顔料、発泡剤などが挙げられる。これらの配合剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。その含有量は、本発明の効果を損ねない範囲で適宜選択される。
本発明の重合性組成物は、上記成分を混合して得ることができる。混合方法としては、常法に従えばよく、例えば、メタセシス重合触媒を適当な溶媒に溶解若しくは分散させた液(触媒液)を調製し、別に(A)成分、(B)成分等のシクロオレフィンモノマーの混合物、架橋剤及びアダマンチル基含有多官能(メタ)アクリレートなどの必須の成分、並びに所望によりその他の配合剤を配合した液(モノマー液)を調製し、該モノマー液に触媒液を添加し、攪拌することによって調製することができる。
2)架橋性樹脂成形体
本発明の架橋性樹脂成形体は、本発明の重合性組成物を塊状重合させることで得られるものである。
重合性組成物を塊状重合させて架橋性樹脂成形体を得る方法としては、例えば、(a)重合性組成物を支持体上に塗布し、次いで塊状重合させる方法、(b)重合性組成物を成形型内に注入し、次いで塊状重合させる方法、(c)重合性組成物を繊維状強化材に含浸させ、次いで塊状重合させる方法などが挙げられる。
上記(a)の方法によれば、フィルム状や板状等の架橋性樹脂成形体が得られる。該成形体の厚さは、通常、15mm以下、好ましくは5mm以下、より好ましくは0.5mm以下、最も好ましくは0.1mm以下である。支持体としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、及びナイロンなどの樹脂からなるフィルムや板;鉄、ステンレス、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、金、及び銀などの金属材料からなる箔や板;などが挙げられる。中でも、金属箔又は樹脂フィルムの使用が好ましい。金属箔又は樹脂フィルムの厚さは、作業性などの観点から、通常、1〜150μm、好ましくは2〜100μm、より好ましくは3〜75μmである。金属箔としては、その表面が平滑であるものが好ましく、表面粗度(Rz)としては、AFM(原子間力顕微鏡)により測定される値で、通常、10μm以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。金属箔の表面粗度が上記範囲にあれば、例えば、得られる高周波回路基板において、高周波伝送におけるノイズ、遅延、及び伝送ロス等の発生が抑えられ、好ましい。また、金属箔の表面は、シランカップリング剤、チオールカップリング剤、及びチタネートカップリング剤などの公知のカップリング剤や接着剤などで処理されているのが好ましい。(a)の方法によれば、例えば、支持体として銅箔を用いた場合、樹脂付き銅箔〔Resin Coated Copper (RCC)〕を得ることができる。
支持体上に本発明の重合性組成物を塗布する方法としては、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、及びスリットコート法などの公知の塗布方法が挙げられる。
支持体上に塗布された重合性組成物を所望により乾燥させ、次いで塊状重合させる。塊状重合は重合性組成物を所定の温度で加熱して行われる。重合性組成物の加熱方法としては特に制約されず、支持体に塗布された重合性組成物を、加熱プレート上に載せて加熱する方法、プレス機を用いて加圧しながら加熱(熱プレス)する方法、加熱したローラーで押圧する方法、加熱炉内で加熱する方法などが挙げられる。
上記(b)の方法によれば、任意の形状の架橋性樹脂成形体が得られる。その形状としては、シート状、フィルム状、柱状、円柱状、及び多角柱状等が挙げられる。
ここで用いる型としては、従来公知の成形型、例えば、割型構造、すなわち、コア型とキャビティー型を有する成形型を用いることができ、それらの空隙部(キャビティー)に重合性組成物を注入して塊状重合させる。コア型とキャビティー型は、目的とする成形品の形状にあった空隙部を形成するように作製される。成形型の形状、材質、大きさなどは特に制限されない。さらに、ガラス板や金属板などの板状成形型と所定の厚さのスペーサーとを用意し、スペーサーを2枚の板状成形型で挟んで形成される空間内に重合性組成物を注入し塊状重合させることにより、シート状又はフィルム状の架橋性樹脂成形体を得ることもできる。
重合性組成物を成形型のキャビティー内に充填する際の充填圧力(注入圧)は、通常、0.01〜10MPa、好ましくは0.02〜5MPaである。充填圧力が低すぎると、キャビティー内周面に形成された転写面の転写が良好に行われない傾向があり、充填圧が高すぎると、成形型の剛性を高くする必要があり、経済的ではない。型締圧力は、通常、0.01〜10MPaの範囲内である。重合性組成物の加熱方法としては、成形型に配設された電熱器やスチームなどの加熱手段を利用する方法や、成形型を電気炉内で加熱する方法などが挙げられる。
上記(c)の方法によれば、シート状又はフィルム状の架橋性樹脂成形体(架橋性複合体)が得られる。得られる成形体の厚さは、通常、0.001〜10mm、好ましくは0.005〜1mm、より好ましくは0.01〜0.5mmの範囲である。この範囲にあれば、積層時の賦形性、及び積層体の機械的強度や靭性などが向上し、好適である。重合性組成物の繊維状強化材への含浸は、例えば、重合性組成物の所定量を、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、及びスリットコート法等の公知の方法により繊維状強化材に塗布し、所望によりその上に保護フィルムを重ね、上側からローラーなどで押圧することにより行うことができる。重合性組成物を繊維状強化材に含浸させた後、含浸物を所定温度に加熱することで重合性組成物を塊状重合させ、所望の架橋性樹脂成形体を得ることができる。架橋性樹脂成形体中、繊維状強化材の含有量としては、通常、10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%の範囲である。この範囲にあれば、得られる積層体の誘電特性と機械的強度がバランスされ、好適である。
繊維状強化材としては、無機系及び/又は有機系の繊維が使用でき、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)繊維、アラミド繊維、超高分子ポリエチレン繊維、ポリアミド(ナイロン)繊維、及び液晶ポリエステル繊維などの有機繊維;ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、タングステン繊維、モリブデン繊維、ブデン繊維、チタン繊維、スチール繊維、ボロン繊維、シリコンカーバイド繊維、及びシリカ繊維などの無機繊維;などが挙げられる。これらの中でも、有機繊維やガラス繊維が好ましく、特にアラミド繊維、液晶ポリエステル繊維、及びガラス繊維が好ましい。ガラス繊維としては、Eガラス、NEガラス、Sガラス、Dガラス、及びHガラス等の繊維を好適に用いることができる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組合せて用いることができる。繊維状強化材の形態としては、特に限定されず、例えば、マット、クロス、及び不織布などが挙げられる。
繊維状強化材に重合性組成物を含浸させてなる含浸物の加熱方法としては、例えば、含浸物を支持体上に設置して上記(a)の方法のようにして加熱する方法、予め型内に繊維状強化材を設置しておき、該型内で重合性組成物を含浸させて含浸物を得、前記(b)の方法のようにして加熱する方法などが挙げられる。
上記(a)、(b)及び(c)のいずれの方法においても、重合性組成物を重合させるための加熱温度は、通常、30〜250℃、好ましくは50〜200℃、より好ましくは90〜150℃の範囲であって、かつ架橋剤、通常、ラジカル発生剤の1分間半減期温度以下、好ましくは1分間半減期温度の10℃以下、より好ましくは1分間半減期温度の20℃以下である。また、重合時間は適宜選択すればよいが、通常、1秒間〜20分間、好ましくは10秒間〜5分間である。重合性組成物をかかる条件で加熱することにより未反応モノマーの少ない架橋性樹脂成形体を得ることができる。
本発明の架橋性樹脂成形体を構成する架橋性樹脂は、実質的に架橋構造を有さず、例えば、トルエンに可溶である。当該重合体の分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(溶離液:テトラヒドロフラン)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜100,000の範囲である。
本発明の架橋性樹脂成形体は、後架橋可能な樹脂成形体であるが、その構成樹脂の一部分が架橋されたものであってもよい。例えば、型内で重合性組成物を塊状重合したときには、型の中心部分は重合反応熱が発散しにくいので、型内の一部の温度が高くなりすぎる場合がある。高温部では架橋反応が起き、架橋が生ずることがある。しかし、熱を発散しやすい表面部が後架橋可能な架橋性の樹脂で形成されていれば、本発明の架橋性樹脂成形体は所望の効果を充分に発揮し得る。
本発明の架橋性樹脂成形体は、塊状重合を完結させて得られるものであり、保管中にさらに重合反応が進行するというおそれがない。また、本発明の架橋性樹脂成形体は、ラジカル発生剤などの架橋剤を含有するが、架橋反応を起す温度以上に加熱しない限り、表面硬度が変化するなどの不具合を生じず、保存安定性に優れる。
本発明の架橋性樹脂成形体を構成する架橋性樹脂は、ガラス転移点が、通常、130℃以下であり、好ましくは、120℃以下である。このように、本発明の重合性組成物を用いて得られる架橋性樹脂は、ガラス転移点が高すぎないため、成形性に優れる。したがって、本発明の架橋性樹脂成形体をプリプレグとして用いると、層間密着性に優れる積層体を製造することができる。
3)架橋樹脂成形体
本発明の架橋樹脂成形体は、本発明の架橋性樹脂成形体を架橋させることで得られるものである。
架橋反応は、架橋性樹脂成形体を所定の温度以上に加熱することによって行うことができる。加熱温度は、通常、架橋剤により架橋反応が誘起される温度以上である。例えば、架橋剤としてラジカル発生剤を使用する場合、通常、1分間半減期温度以上、好ましくは1分間半減期温度より5℃以上高い温度、より好ましくは1分間半減期温度より10℃以上高い温度である。典型的には、100〜300℃、好ましくは150〜250℃の範囲である。加熱時間は、0.1〜180分間、好ましくは0.5〜120分間、より好ましくは1〜60分間の範囲である。
また、本発明の重合性組成物を、上述した架橋性樹脂成形体が架橋する温度以上に維持することにより(具体的には、上述した温度及び時間で加熱することにより)、シクロオレフィンモノマーの塊状重合と、当該重合により生ずるシクロオレフィンポリマーにおける架橋反応とを共に進行させて、本発明の架橋樹脂成形体を製造することも可能である。このようにして架橋樹脂成形体を製造する場合、上記(a)の方法に準じ、例えば、支持体として銅箔を用いれば、銅張積層板〔Copper Clad Laminates (CCL)〕を得ることができる。
本発明の架橋樹脂成形体を構成する架橋樹脂は、ガラス転移点が、通常、170℃以上であり、好ましくは、170〜200℃、より好ましくは180〜200℃である。このように、本発明の重合性組成物を用いて得られる架橋樹脂はガラス転移点が高いため、耐熱性に優れるものである。
4)積層体
本発明の積層体は、前記架橋性樹脂成形体、又は前記架橋樹脂成形体を積層してなるものである。両成形体はそれぞれ、連続的に積層されていても、他の層を挟んで間接的に積層されていてもよい。
本発明の架橋性樹脂成形体を積層してなる積層体としては、例えば、上記(a)の方法で得られる、銅箔と架橋性樹脂成形体とが層状に一体化してなるRCCが挙げられる。また、本発明の架橋樹脂成形体を積層してなる積層体としては、例えば、上記(a)の方法に準じて得られる、銅箔と架橋樹脂成形体とが層状に一体化してなるCCLが挙げられる。上記(a)の方法において、支持体として、別途得られた架橋樹脂成形体を用いれば、架橋性樹脂成形体と架橋樹脂成形体との積層体を得ることもできる。
また、架橋性樹脂成形体がシート状又はフィルム状である場合、該成形体、及び所望により、シート状又はフィルム状の架橋樹脂成形体を、任意に積層し、又はさらに、例えば、前記金属箔を積層し、熱プレスして架橋することにより、架橋樹脂成形体を積層してなる、本発明の積層体が得られる。その際、上記RCCやCCLなどの積層体を積層してもよい。熱プレスするときの圧力は、通常、0.5〜20MPa、好ましくは3〜10MPaである。熱プレスは、真空又は減圧雰囲気下で行ってもよい。熱プレスは、平板成形用のプレス枠型を有する公知のプレス機、シートモールドコンパウンド(SMC)やバルクモールドコンパウンド(BMC)などのプレス成形機を用いて行なうことができる。
本発明の積層体は、高周波領域での誘電正接が極めて小さく、耐熱性に優れたものである。かかる特性を有する本発明の積層体は、高周波基板材料として広く好適に用いることができる。具体的には、本発明の積層体は、通信機器用途等のマイクロ波またはミリ波等の高周波回路基板に好適に用いることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。各例中の部及び%は、特に断りのない限り、重量基準である。
実施例及び比較例における各特性は、以下の方法に従って評価した。
(1)耐熱性
実施例及び比較例で得られた銅張積層板の銅箔をエッチング除去することで架橋樹脂からなる試験片を得た。この試験片を用いて動的粘弾性分析(DMA法)を行い、損失正接のピーク温度から架橋樹脂のガラス転移温度(Tg)を求め、以下の基準に従って耐熱性を評価した。なお、動的粘弾性分析には、SIIナノテクノロジー社製、DMS6100標準型を用いた。
A:ガラス転移温度が180℃超
B:ガラス転移温度が170℃超、180℃以下
C:ガラス転移温度が170℃以下
(2)誘電正接
実施例及び比較例で得られた銅張積層板の銅箔をエッチング除去したものを幅2mm、長さ80mmに切り出すことで架橋樹脂からなる試験片(厚み2mm)を得た。この試験片について、空洞共振器摂動法誘電率測定装置(関東電子応用開発社製)を用いて10GHzにおける誘電正接の測定を行い、下記の基準で評価した。
A:誘電正接が0.004以下
B:誘電正接が0.004超、0.005以下
C:誘電正接が0.005超
実施例及び比較例で用いた化合物の詳細を以下に示す。
(1)シクロオレフィンモノマー
MAcNB:メタクリル酸5−ノルボルネン−2−イル
ETD:エチリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン
(2)メタセシス重合触媒
ベンジリデン(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド
(3)架橋剤
3,3,5,7,7−ペンタメチル−1,2,4−トリオキセパン(1分間半減期温度205℃)
(4)アダマンチル基含有多官能(メタ)アクリレート
アダマンチル基含有2官能(メタ)アクリレート:1,3−ジメタクリロイルオキシアダマンタン
アダマンチル基含有3官能(メタ)アクリレート:1,3,5−トリメタクリロイルオキシアダマンタン
アダマンチル基含有4官能(メタ)アクリレート:1,3−ビス〔2,4−ビス(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル〕アダマンタン
〔実施例1〕
メタセシス重合触媒 51部と、トリフェニルホスフィン 79部とを、トルエン 952部に溶解させて触媒液を調製した。
これとは別に、MacNB 5部、及びETD 95部、架橋剤 2部、アダマンチル基含有3官能(メタ)アクリレート 10部、酸化ケイ素粒子(アドマテックス社製、商品名SOC02、平均粒子径0.5μm)200部、連鎖移動剤としてスチレン 0.74部、反応性流動化剤としてベンジルメタクリレート 15部、難燃剤としてジメチルホスフィン酸アルミニウム 50部、フェノール系老化防止剤として3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール 1部を混合してモノマー液を調製した。
このモノマー液に上記触媒液をシクロオレフィンモノマー(ETDとMacNB)100gあたり0.12mLの割合で加えて撹拌し、重合性組成物を調製した。
ついで、得られた重合性組成物をガラスクロス(NEガラス)に含浸させ、これを120℃に5分間加熱して塊状重合させて、厚さ0.15mmのプリプレグシート(架橋性樹脂成形体)を得た。
次に、作製したプリプレグシート6枚を重ね、さらに厚み12μmのF2銅箔(古河サーキットフォイル社製、シランカップリング剤処理電解銅箔、粗度Rz=1,600nm)で、積層したプリプレグシートを挟み、205℃で20分間、3MPaにて加熱プレスを行い、銅張積層板(積層体)を得た。
得られた銅張積層板を用いて、上記方法によりガラス転移温度(Tg)と誘電正接を測定した。結果を第1表に示す。
〔実施例2〕
実施例1において、MacNBを10部、ETDを90部、アダマンチル基含有3官能(メタ)アクリレートを15部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、プリプレグシート及び銅張積層板を得、各特性について評価した。結果を第1表に示す。
〔実施例3〕
実施例1において、アダマンチル基含有3官能(メタ)アクリレートを1部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、プリプレグシート及び銅張積層板を得、各特性について評価した。結果を第1表に示す。
〔実施例4〕
実施例1において、アダマンチル基含有3官能(メタ)アクリレートを5部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、プリプレグシート及び銅張積層板を得、各特性について評価した。結果を第1表に示す。
〔実施例5〕
実施例1において、アダマンチル基含有3官能(メタ)アクリレートを15部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、プリプレグシート及び銅張積層板を得、各特性について評価した。結果を第1表に示す。
〔実施例6〕
実施例1において、アダマンチル基含有3官能(メタ)アクリレートをアダマンチル基含有2官能(メタ)アクリレートに変更したこと以外は実施例1と同様にして、プリプレグシート及び銅張積層板を得、各特性について評価した。結果を第1表に示す。
〔実施例7〕
実施例1において、アダマンチル基含有3官能(メタ)アクリレートをアダマンチル基含有4官能(メタ)アクリレートに変更したこと以外は実施例1と同様にして、プリプレグシート及び銅張積層板を得、各特性について評価した。結果を第1表に示す。
〔比較例1〕
実施例1において、MacNBを30部、ETDを70部、アダマンチル基含有3官能(メタ)アクリレートを30部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、プリプレグシート及び銅張積層板を得、各特性について評価した。結果を第1表に示す。
〔比較例2〕
実施例1において、MacNBを0部、ETDを100部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、プリプレグシート及び銅張積層板を得、各特性について評価した。結果を第1表に示す。
〔比較例3〕
実施例2において、アダマンチル基含有3官能(メタ)アクリレートを0部に変更したこと以外は実施例2と同様にして、プリプレグシート及び銅張積層板を得、各特性について評価した。結果を第1表に示す。
〔比較例4〕
実施例2において、アダマンチル基含有3官能(メタ)アクリレートを50部に変更したこと以外は実施例2と同様にして、プリプレグシート及び銅張積層板を得、各特性について評価した。結果を第1表に示す。
〔比較例5〕
実施例1において、アダマンチル基含有3官能(メタ)アクリレートをエチレングリコールジメタクリレートに変更したこと以外は実施例1と同様にして、プリプレグシート及び銅張積層板を得、各特性について評価した。結果を表1に示す。
Figure 2013203892
第1表より以下のことが分かる。
実施例1〜7の架橋樹脂成形体1〜7は優れた耐熱性を有し、誘電正接が低い。特に、実施例1、2の架橋樹脂成形体1、2及び実施例4〜6の架橋樹脂成形体4〜6は、より優れた耐熱性を有する。
一方、比較例1の架橋樹脂成形体8は、(A)成分が多すぎる重合性組成物を用いたため、誘電正接が低くならない。
比較例2の架橋樹脂成形体9は、(A)成分を含有しない重合性組成物を用いたため、目的の架橋構造があまり形成されない。このため、架橋樹脂成形体9は耐熱性に劣り、また、残存する(E)成分の影響で誘電正接が低くならない。
比較例3の架橋樹脂成形体10は、(E)成分を含有しない重合性組成物を用いたため、目的の架橋構造が形成されない。このため、架橋樹脂成形体10は耐熱性に劣る。さらに、(A)成分(MacNB)由来の繰り返し単位中のメタクリロイルオキシ基が残存するため、架橋樹脂成形体10は誘電正接が低くならない。
比較例4の架橋樹脂成形体11は、(E)成分が多すぎる重合性組成物を用いたため、残存する(E)成分の影響で誘電正接が低くならない。
また比較例5の架橋樹脂成形体12で示されるように、(E)成分の代わりに、他の多官能(メタ)アクリレートを用いても、耐熱性を有し、誘電正接が低い架橋樹脂成形体は得られない。

Claims (8)

  1. (A)下記式(I)
    Figure 2013203892
    〔式中、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Aは、単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、又は下記式(II)
    Figure 2013203892
    (式中、Aは、炭素数1〜19のアルキレン基を表し、*は、式(I)中の脂環式構造を構成する炭素原子との結合部位を表す。)
    で示される2価の基を表す。pは0、1又は2を表す。〕
    で示されるシクロオレフィンモノマー、
    (B)架橋性シクロオレフィンモノマー(ただし、前記式(I)で示される化合物を除く。)、
    (C)メタセシス重合触媒、
    (D)架橋剤、及び
    (E)アダマンチル基含有多官能(メタ)アクリレートを含有し、
    前記(A)成分と(B)成分の重量比〔(A)成分:(B)成分〕が、0.5:99.5〜20:80、かつ、
    前記(E)成分の含有量が、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して0.5〜30重量部、であることを特徴とする重合性組成物。
  2. 前記(A)成分と(E)成分の重量比〔(A)成分:(E)成分〕が、1:1〜1:20である請求項1に記載の重合性組成物。
  3. 前記(B)成分が、下記式(III)または(IV)で示される化合物である請求項1又は2に記載の重合性組成物。
    Figure 2013203892
    〔式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。R又はRとR又はRは互いに結合して環構造を形成してもよい。R〜Rで表される炭化水素基、および、R又はRとR又はRが互いに結合して形成する環構造のいずれかは脂肪族炭素−炭素二重結合を有する。qは0、1又は2を表す。〕
    Figure 2013203892
    〔式中、R、R、R及びR10は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。qは0、1又は2を表す。〕
  4. 前記(E)成分が、アダマンチル基含有2官能(メタ)アクリレート又はアダマンチル基含有3官能(メタ)アクリレートである、請求項1〜3のいずれかに記載の重合性組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の重合性組成物を塊状重合させることで得られる架橋性樹脂成形体。
  6. さらに、繊維状強化材を含有する請求項5に記載の架橋性樹脂成形体。
  7. 請求項5又は6に記載の架橋性樹脂成形体を架橋させることで得られる架橋樹脂成形体。
  8. 請求項5又は6に記載の架橋性樹脂成形体、又は請求項7に記載の架橋樹脂成形体を積層してなる積層体。
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