JP2013203797A - 自動車用窓ガラス撥水コーティング剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、長鎖アルキルアルコキシシランを主剤とする自動車用窓ガラス撥水コーティング剤に関する。
従来,自動車ガラスの撥水処理剤としてはポリジメチルシロキサンなどをアルコール類に分散させた特許文献1が提案されているが、しかし水滴滑落性に優れるものの、撥水持続性が劣る傾向にあった。
この問題を解決するために、フルオロアルキルシラン、酸触媒、水、アルコール溶液からなる撥水剤が特許文献2、特許文献3提案されたが、フルオロアルキルシラン、酸触媒、水、アルコール溶液からなる撥水処理剤はシランと触媒が徐々に反応し、液が不安定なばかりか水滴滑落性や持続性が時間の経過とともに徐々に劣る問題や触媒として酸を使用することから安全面の問題があった。
この問題を解決するために、フルオロアルキルシランを含有するアルコール溶液と、酸触媒を含有したアルコール溶液と分離させた二液型の撥水剤が特許文献4、特許文献5にて提案され製品の保存安定性の問題が解決されたが、撥水処理作業の直前に二液を混合する必要があり作業の手間がかかるなど作業が煩雑になった。依然、触媒として酸を使用することからの安全面の問題については未解決であった。
本発明の目的は、持続性に優れ、製品の保持安定性を損なうことがなく、また触媒としての酸またはアルカリ剤を全く使用しない安全でかつ作業が簡単な自動車用窓ガラス撥水コーティング剤を提供することにある。
上述の目的は下記第一の発明によって達成される。
本発明の、自動車用窓ガラス撥水コーティング剤により持続性、保存安定性に優れ、かつ安全性に優れており、また、混合作業がないことから大幅に作業性が改善された。
本発明の長鎖アルキルアルコキシシランは一種類又は二種類以上用いても良く、含有量は0.1wt%〜100wt%で、作業性などの点から5wt%〜100wt%が好ましい。
本発明の長鎖アルキルアルコキシシランを含有する液に使用する溶剤は、アルコール類、飽和・不飽和炭化水素、石油留分、多価アルコール、エーテル類、芳香族炭化水素、などが挙げられる。溶剤は一種類又は二種類以上を用いて良い。
上記アルコール類としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、i−プロパノール、ブタノール等が、飽和・不飽和炭化水素としては、例えばヘキサン、シクロヘキサン、ヘキセン、オクタン、オクテン、イソオクテン等が挙げられ、石油留分としては例えば、ガソリン、灯油、軽油等が、多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ペンタンジオール、ヘキシレングリコール等が、エーテル類としては例えば、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が、また芳香族化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、メチルナフタレン、エチルナフタレン等が挙げられる。溶剤の含有量は塗布作業の利便性から5wt%〜95wt%が好ましい。
本発明の撥水処理剤には、さらに香料、紫外線吸収剤などの添加剤を添加することができる。また、原料中に含まれる微量の成分や製造工程の段階で吸収する成分を含有してもよい。
従来、比較的短鎖長アルキル基を持つアルコキシシランを用いて、触媒として酸を使用することが必須であり、酸の使用によりアルキルアルコキシシランのシラノール化が進み、ガラスと反応して撥水性を発現させるという原理に基づいているが、本発明の長鎖長のアルキルアルコキシシランの場合には、酸が存在すると嵩高なために密集した状態でシラノール化反応がすすむためアルキルシラン同子の反応が支配的になりガラス表面に均一な単層被膜が生成しにくいと推察される、一方酸を添加しないとシラノール化反応がゆっくりとすすむためにガラス表面のOH基との脱水縮合が支配的に進むことで、単層被膜が得られ撥水性が飛躍的に向上したと考えられる。
本発明の撥水処理剤はボトルに充填しスポンジや布等により延展後、またはトリガースプレーボトル、エアゾール缶等に充填しスプレー後、乾燥して処理することにより用いられる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
<実施例1>
オクタデシルトリメトキシシラン0.005gを18cm×13cmのカラス板に垂らし、乾いたタオルで拭きのばしながら拭きあげ、24時間室温にて乾燥させ試験片を得て耐熱性、耐摩耗性、耐候性について評価した。
<実施例2>
ドデシルトリエトキシシラン0.005gを18cm×13cmのカラス板に垂らし、乾いたタオルで拭きのばしながら拭きあげ、24時間室温にて乾燥させ試験片を得て耐熱性、耐摩耗性、耐候性について評価した。
<実施例3>
オクタデシルトリメトキシシラン10wt%と、イソプロピルアルコール90wt%を配合撹拌し得られた自動車用窓ガラス撥水コーティング剤0.5gを18cm×13cmのカラス板に垂らし、乾いたタオルで拭きのばしながら拭きあげ、24時間室温にて乾燥させ試験片を得て耐熱性、耐摩耗性、耐候性について評価した。
<実施例4>
オクタデシルトリメトキシシラン50wt%と、イソプロピルアルコール50wt%を配合撹拌し得られた自動車用窓ガラス撥水コーティング剤0.1gを18cm×13cmのカラス板に垂らし、乾いたタオルで拭きのばしながら拭きあげ、24時間室温にて乾燥させ試験片を得て耐熱性、耐摩耗性、耐候性について評価した。
<比較例1>
イソプロピルアルコール47.5wt%と、硝酸(60%)2.5%と、オクタデシルトリメキシシラン50wt%とを順次配合撹拌し得られた自動車用窓ガラス撥水コーティング剤0.1gを18cm×13cmのカラス板に垂らし、乾いたタオルで拭きのばしながら拭きあげ、24時間室温にて乾燥させ試験片を得て耐熱性、耐摩耗性、耐候性について評価した。
<比較例2>
デシルトリメトキシシラン0.005gを18cm×13cmのカラス板に垂らし、乾いたタオルで拭きのばしながら拭きあげ、24時間室温にて乾燥させ試験片を得て耐熱性、耐摩耗性、耐候性について評価した。
<比較例3>
ヘキシトリエトキシシラン0.005gを18cm×13cmのカラス板に垂らし、乾いたタオルで拭きのばしながら拭きあげ、24時間室温にて乾燥させ試験片を得て耐熱性、耐摩耗性、耐候性について評価した。
<比較例4>
イソプロピルアルコール93wt%と、硝酸(60%)2%と、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン5wt%とを順次配合撹拌し得られた自動車用窓ガラス撥水コーティング剤0.1gを18cm×13cmのカラス板に垂らし、乾いたタオルで拭きのばしながら拭きあげ、24時間室温にて乾燥させ試験片を得て耐熱性、耐摩耗性、耐候性について評価した。
オクタデシルトリメトキシシラン0.005gを18cm×13cmのカラス板に垂らし、乾いたタオルで拭きのばしながら拭きあげ、24時間室温にて乾燥させ試験片を得て耐熱性、耐摩耗性、耐候性について評価した。
<実施例2>
ドデシルトリエトキシシラン0.005gを18cm×13cmのカラス板に垂らし、乾いたタオルで拭きのばしながら拭きあげ、24時間室温にて乾燥させ試験片を得て耐熱性、耐摩耗性、耐候性について評価した。
<実施例3>
オクタデシルトリメトキシシラン10wt%と、イソプロピルアルコール90wt%を配合撹拌し得られた自動車用窓ガラス撥水コーティング剤0.5gを18cm×13cmのカラス板に垂らし、乾いたタオルで拭きのばしながら拭きあげ、24時間室温にて乾燥させ試験片を得て耐熱性、耐摩耗性、耐候性について評価した。
<実施例4>
オクタデシルトリメトキシシラン50wt%と、イソプロピルアルコール50wt%を配合撹拌し得られた自動車用窓ガラス撥水コーティング剤0.1gを18cm×13cmのカラス板に垂らし、乾いたタオルで拭きのばしながら拭きあげ、24時間室温にて乾燥させ試験片を得て耐熱性、耐摩耗性、耐候性について評価した。
<比較例1>
イソプロピルアルコール47.5wt%と、硝酸(60%)2.5%と、オクタデシルトリメキシシラン50wt%とを順次配合撹拌し得られた自動車用窓ガラス撥水コーティング剤0.1gを18cm×13cmのカラス板に垂らし、乾いたタオルで拭きのばしながら拭きあげ、24時間室温にて乾燥させ試験片を得て耐熱性、耐摩耗性、耐候性について評価した。
<比較例2>
デシルトリメトキシシラン0.005gを18cm×13cmのカラス板に垂らし、乾いたタオルで拭きのばしながら拭きあげ、24時間室温にて乾燥させ試験片を得て耐熱性、耐摩耗性、耐候性について評価した。
<比較例3>
ヘキシトリエトキシシラン0.005gを18cm×13cmのカラス板に垂らし、乾いたタオルで拭きのばしながら拭きあげ、24時間室温にて乾燥させ試験片を得て耐熱性、耐摩耗性、耐候性について評価した。
<比較例4>
イソプロピルアルコール93wt%と、硝酸(60%)2%と、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン5wt%とを順次配合撹拌し得られた自動車用窓ガラス撥水コーティング剤0.1gを18cm×13cmのカラス板に垂らし、乾いたタオルで拭きのばしながら拭きあげ、24時間室温にて乾燥させ試験片を得て耐熱性、耐摩耗性、耐候性について評価した。
<耐熱性測定方法>
試験片を80度の温水に6時間浸漬し、試験後の接触角が試験前の接触角を95%保持している場合を◎、90%から95%以下の場合は○、85%から90%以下の場合は△、85%以下は×として評価した。
試験片を80度の温水に6時間浸漬し、試験後の接触角が試験前の接触角を95%保持している場合を◎、90%から95%以下の場合は○、85%から90%以下の場合は△、85%以下は×として評価した。
<耐摩耗性測定方法>
市販の研磨材入りの油膜除去剤を背板付スポンジに1g取り1kgの分銅を載せ試験片面上を10往復させ、験後の接触角が試験前の接触角を95%保持している場合を◎、90%から95%以下の場合は○、85%から90%以下の場合は△、85%以下は×として評価した。
市販の研磨材入りの油膜除去剤を背板付スポンジに1g取り1kgの分銅を載せ試験片面上を10往復させ、験後の接触角が試験前の接触角を95%保持している場合を◎、90%から95%以下の場合は○、85%から90%以下の場合は△、85%以下は×として評価した。
<耐候性測定方法>
試験片を屋外のアスファルト面から1mの高さに処理面を地表に垂直、真南に向け設置し、180日後の接触角が試験前の接触角を95%保持している場合を◎、90%から95%以下の場合は○、85%から90%以下の場合は△、85%以下は×として評価した。
試験片を屋外のアスファルト面から1mの高さに処理面を地表に垂直、真南に向け設置し、180日後の接触角が試験前の接触角を95%保持している場合を◎、90%から95%以下の場合は○、85%から90%以下の場合は△、85%以下は×として評価した。
以上の試験結果を下記表1に示した。
表1から明らかのように、本発明の自動車用窓ガラス撥水コーティング剤は、持続性、かつ安全性に優れており、また、混合作業がないことから大幅に作業性が改善された。
本発明の自動車用窓ガラス撥水コーティング剤は、持続的に撥水を付与し自動車フロントガラスやミラーになどへの水滴付着防止に利用可能である。
Claims (1)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012071812A JP2013203797A (ja) | 2012-03-27 | 2012-03-27 | 自動車用窓ガラス撥水コーティング剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012071812A JP2013203797A (ja) | 2012-03-27 | 2012-03-27 | 自動車用窓ガラス撥水コーティング剤 |
Publications (1)
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JP2013203797A true JP2013203797A (ja) | 2013-10-07 |
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Family Applications (1)
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JP2012071812A Pending JP2013203797A (ja) | 2012-03-27 | 2012-03-27 | 自動車用窓ガラス撥水コーティング剤 |
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JP (1) | JP2013203797A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019137594A (ja) * | 2018-02-14 | 2019-08-22 | Toto株式会社 | 水まわり部材 |
JP2019218305A (ja) * | 2018-06-20 | 2019-12-26 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | アルコキシ基とアシロキシ基を有するシラン類の製造方法、新規なシラン類、およびそれらの用途 |
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2012
- 2012-03-27 JP JP2012071812A patent/JP2013203797A/ja active Pending
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JP2019137594A (ja) * | 2018-02-14 | 2019-08-22 | Toto株式会社 | 水まわり部材 |
JP2019218305A (ja) * | 2018-06-20 | 2019-12-26 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | アルコキシ基とアシロキシ基を有するシラン類の製造方法、新規なシラン類、およびそれらの用途 |
JP7129693B2 (ja) | 2018-06-20 | 2022-09-02 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | アルコキシ基とアシロキシ基を有するシラン類の製造方法、新規なシラン類、およびそれらの用途 |
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