JP2011184641A - 撥水処理方法と撥水処理剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】
保存安定性に優れ長期に撥水が持続し、水滴滑落性にすぐれるガラス用撥水処理液及び処理直前に二液を混合する煩わしい作業を軽減するガラス用撥水処理方法を提供する。
【解決手段】
一般式(1)で示されアルコキシシランを含有する(A)液と酸またはアルカリ触媒を含有する(B)液をそれぞれ別々にガラス表面にスポンジ又は布等により延展後、またはエアゾール缶に充填しスプレー後、乾燥して処理をすることを特徴とするガラス撥水処理剤及びガラス撥水処理方法。
【選択図】なし
保存安定性に優れ長期に撥水が持続し、水滴滑落性にすぐれるガラス用撥水処理液及び処理直前に二液を混合する煩わしい作業を軽減するガラス用撥水処理方法を提供する。
【解決手段】
一般式(1)で示されアルコキシシランを含有する(A)液と酸またはアルカリ触媒を含有する(B)液をそれぞれ別々にガラス表面にスポンジ又は布等により延展後、またはエアゾール缶に充填しスプレー後、乾燥して処理をすることを特徴とするガラス撥水処理剤及びガラス撥水処理方法。
【選択図】なし
Description
本発明は自動車用フロント及びリアーガラスやミラーなどに持続的に撥水を付与し水滴滑落性に優れた撥水処理剤及び撥水処理方法に関する。
従来,自動車ガラスの撥水処理剤としてはポリジメチルシロキサンなどをアルコール類に分散させた特許文献1が提案されているが、しかし水滴滑落性に優れるものの、撥水持続性が劣る傾向にあった。。
この問題を解決するために、フルオロアルキルシラン、酸触媒、水、アルコール溶液からなる撥水剤が特許文献2、特許文献3提案されたが、フルオロアルキルシラン、酸触媒、水、アルコール溶液からなる撥水処理剤はシランと触媒が徐々に反応し、液が不安定なばかりか水滴滑落性や持続性が時間の経過とともに徐々に劣る問題があった。
この問題を解決するためにフルオロアルキルシランを含有するアルコール溶液と、酸触媒を含有したアルコール溶液とに分離させた二液型の撥水剤が特許文献4、特許文献5にて提案され製品の保存安定性の問題が解決されたが、撥水処理作業の直前に二液を混合する必要があり、作業の手間がかかるなど作業が煩雑になった。
本発明の目的は、水滴滑落性かつ持続性にすぐれ、製品の保存安定性を損なうことがなく、しかも作業が簡単なガラス撥水剤およびガラス撥水処理方法の提供することにある。
上述の目的は下記第一の発明から第五の発明によって達成される。
<第一の発見>
アルコキシシランを含有する(A)液と酸またはアルカリ触媒を含有する(B)液をそれぞれ別々にガラス表面に塗布又はスプレーをすることを特徴とするガラス撥水処理剤及びガラス撥水処理方法。
アルコキシシランを含有する(A)液と酸またはアルカリ触媒を含有する(B)液をそれぞれ別々にガラス表面に塗布又はスプレーをすることを特徴とするガラス撥水処理剤及びガラス撥水処理方法。
<第三の発見>
アルコキシシランを含有する(A)液がさらに溶剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のガラス撥水剤及びガラス撥水処理方法
アルコキシシランを含有する(A)液がさらに溶剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のガラス撥水剤及びガラス撥水処理方法
<第四の発見>
酸またはアルカリ触媒を含有する(B)液がさらに溶媒を含むことを特徴とする求項1に記載のガラス撥水剤及びガラス撥水処理方法
酸またはアルカリ触媒を含有する(B)液がさらに溶媒を含むことを特徴とする求項1に記載のガラス撥水剤及びガラス撥水処理方法
<第五の発見>
アルコキシシランを含有する液及び酸やアルカリ触媒を含有する液の容器の形態がエアゾールであることを特徴とする請求項1に記載のガラス撥水剤及びガラス撥水処理方法
アルコキシシランを含有する液及び酸やアルカリ触媒を含有する液の容器の形態がエアゾールであることを特徴とする請求項1に記載のガラス撥水剤及びガラス撥水処理方法
本発明の、撥水処理方法と撥水処理剤により保存安定性に優れ、かつ別々に塗布またはスプレーした方が撥水耐久性、撥水耐候性に優れており、また二液の混合作業がなくなったことから大幅に作業性が改善された。
本発明のアルコキシシランのアルコキシはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基を示し、特に強靭な撥水被膜が得られることからメトキシ基とエトキシ基が好ましい。一般式(1)で示しているRは炭素数0〜8の整数の炭化水素基あるいはフルオロ基で、良好な撥水被膜が得られることから6〜8が特に好ましい。また整数yも良好な撥水被膜が得られることから2〜3が好ましい。一般式(1)で示されるアルコキシシランとしては
などが例示される。アルコキシシランの質量%は0.1〜100質量%で,経済性などの点から1質量%〜20質量%が好ましい。
などが例示される。アルコキシシランの質量%は0.1〜100質量%で,経済性などの点から1質量%〜20質量%が好ましい。
本発明のアルコキシシランを含有する液に使用する溶剤は、低級アルコール類、飽和・不飽和炭化水素、多価アルコール、エーテル類、芳香族炭化水素、エーテル類などが挙げられる。溶剤は一種類又は二種類以上を用いて良い。このうち、人体に対する安全性からエチルアルコール、n−プロピルアルコール、isoプロピルアルコール等の低級アルコール類が好ましい。
また、酸やアルカリ触媒を含有する液に使用される溶剤としては低級アルコール類、飽和・不飽和炭化水素、多価アルコール、エーテル類、芳香族炭化水素、エーテル類などが挙げられる。溶剤は一種類又は二種類以上を用いて良い。人体に対する安全性からエチルアルコール、n−プロピルアルコール、isoプロピルアルコール等の低級アルコール類が好ましい。溶剤の含有量は塗布の作業の利便性から80wt%〜99wt%が好ましい。
また、酸やアルカリ触媒を含有する液に使用される溶剤としては低級アルコール類、飽和・不飽和炭化水素、多価アルコール、エーテル類、芳香族炭化水素、エーテル類などが挙げられる。溶剤は一種類又は二種類以上を用いて良い。人体に対する安全性からエチルアルコール、n−プロピルアルコール、isoプロピルアルコール等の低級アルコール類が好ましい。溶剤の含有量は塗布の作業の利便性から80wt%〜99wt%が好ましい。
本発明に用いられる酸触媒としては、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸があげられ 塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸が好ましい。またアルカリ触媒としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基類を一種類又は二種類以上を混合して用いることが出来る。触媒の添加量は少ないと効果が劣り、多すぎると分解残留物が多くなり初期の接触角が低下することからアルコキシシランに対し質量の比率で1/10〜1/200が好ましい。
本発明の撥水処理方法として、アルコキシシランを含有する(A)液と酸またはアルカリ触媒を含有する(B)液を被処理物面に別々に塗布またはスプレーする際、(A)液、(B)液の使用比率は質量比で(A)液:(B)液=1:5〜5:1が好ましく、さらに性能の点、作業の利便性から(A)液:(B)液=1:2〜2:1が好ましい。
本発明の撥水処理液組成物には、さらに香料、紫外線吸収剤などの添加剤を添加することができる。また原料中に含まれる微量の成分や製造工程の段階で吸収する成分を含有してもよい
本発明の撥水処理剤はボトルに充填しスポンジや布等により延展後、またはトリガースプレーボトル、エアゾール缶等に充填しスプレー後、乾燥して処理することにより用いられる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
<実施例1>
イソプロピルアルコール95gに
35gを添加しアルコキシシラン含有液(A)とする。イソプロピルアルコール99gに硝酸(60質量%)を1g添加し触媒液(B)とする。(A)液を18cm×13cmのガラス板に0.5mlトリガースプレーで噴霧し、(B)液を同上に0.5mlトリガースプレーで噴霧した後、室温で10分間放置後、乾いたタオルでよく拭き取り更に室温にて24時間放置後、撥水耐久性と撥水耐候性を測定した。
イソプロピルアルコール95gに
35gを添加しアルコキシシラン含有液(A)とする。イソプロピルアルコール99gに硝酸(60質量%)を1g添加し触媒液(B)とする。(A)液を18cm×13cmのガラス板に0.5mlトリガースプレーで噴霧し、(B)液を同上に0.5mlトリガースプレーで噴霧した後、室温で10分間放置後、乾いたタオルでよく拭き取り更に室温にて24時間放置後、撥水耐久性と撥水耐候性を測定した。
<撥水耐久性測定方法>
市販の被膜除去剤(研磨剤炭化ケイ素粒径3.3μ15質量%含有)の20質量%水溶液に撥水処理を施したガラス板を浸漬し、可変攪拌機に直径6cmの背板付円形スポンジを取り付けて、スポンジに9g/cm2の加重でガラス板に押し付け、500回転/分で2分間研磨した後、ガラス板をよく水洗し研磨箇所にトリガースプレーで水をかけ撥水箇所の残存直径を測定し下記の評価指標により撥水耐久性を評価した
◎:直径2cm以上残存、 ○:1cm〜2cm未満、△:0.5cm〜1cm以下は、×:0.5cm未満
市販の被膜除去剤(研磨剤炭化ケイ素粒径3.3μ15質量%含有)の20質量%水溶液に撥水処理を施したガラス板を浸漬し、可変攪拌機に直径6cmの背板付円形スポンジを取り付けて、スポンジに9g/cm2の加重でガラス板に押し付け、500回転/分で2分間研磨した後、ガラス板をよく水洗し研磨箇所にトリガースプレーで水をかけ撥水箇所の残存直径を測定し下記の評価指標により撥水耐久性を評価した
◎:直径2cm以上残存、 ○:1cm〜2cm未満、△:0.5cm〜1cm以下は、×:0.5cm未満
<撥水耐候性測定方法>
上記のように処理したガラス板を屋外のアスファルト面から1mの高さに処理面を真南に向け設置し、30日後、60日後、90日後、120日後、180日後毎に水洗後さらにisoプロピルアルコールで洗浄し室温で10分間乾燥後、マイクロシリンジにて0.05mlの水滴をガラス面に滴下し徐々に傾け水滴が滑り出した角度を滑落角度とし測定する。撥水処理直後の滑落角度を基準として角度が増加した度合いで下記の評価指標により撥水耐候性を評価した。
◎:0〜5°未満増加、○:5〜10°未満増加 △:10〜15°未満増加 ×:15°以上増加。
上記のように処理したガラス板を屋外のアスファルト面から1mの高さに処理面を真南に向け設置し、30日後、60日後、90日後、120日後、180日後毎に水洗後さらにisoプロピルアルコールで洗浄し室温で10分間乾燥後、マイクロシリンジにて0.05mlの水滴をガラス面に滴下し徐々に傾け水滴が滑り出した角度を滑落角度とし測定する。撥水処理直後の滑落角度を基準として角度が増加した度合いで下記の評価指標により撥水耐候性を評価した。
◎:0〜5°未満増加、○:5〜10°未満増加 △:10〜15°未満増加 ×:15°以上増加。
<実施例2〜6>
表1に示す組成で実施例1と同様に調整し、実施例1と同様に撥水耐久性と撥水耐候性を測定した。結果を表2に示す。
表1に示す組成で実施例1と同様に調整し、実施例1と同様に撥水耐久性と撥水耐候性を測定した。結果を表2に示す。
<比較例1〜2>
表2に示す組成で実施例1と同様に調整し、実施例1と同様に撥水耐久性と撥水耐候性を測定した。結果を表3に示す。
表2に示す組成で実施例1と同様に調整し、実施例1と同様に撥水耐久性と撥水耐候性を測定した。結果を表3に示す。
<比較例3>
表2に示す組成で酸触媒をあらかじめアルコキシシランの加えた溶液を調製し、溶液をガラス板に0.5mlトリガースプレーで噴霧した後室温で10分間放置後、乾いたタオルでよく拭き取り更に室温にて24時間放置後、撥水耐久性と撥水耐候性を測定した。
表2に示す組成で酸触媒をあらかじめアルコキシシランの加えた溶液を調製し、溶液をガラス板に0.5mlトリガースプレーで噴霧した後室温で10分間放置後、乾いたタオルでよく拭き取り更に室温にて24時間放置後、撥水耐久性と撥水耐候性を測定した。
本発明は、製品保存安定性に、また持続的に撥水を付与し水滴滑落性に優れた撥水処理剤及び撥水処理方法に関するもので、自動車用フロント及びリアーガラスやミラーなどの水滴付着防止に利用可能である。
Claims (5)
- アルコキシシランを含有する(A)液と酸またはアルカリ触媒を含有する(B)液をそれぞれ別々にガラス表面に塗布又はスプレーをすることを特徴とするガラス撥水処理剤及びガラス撥水処理方法。
- アルコキシシランを含有する(A)液がさらに溶剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のガラス撥水剤及びガラス撥水処理方法
- 酸またはアルカリ触媒を含有する(B)液がさらに溶媒を含むことを特徴とする求項1に記載のガラス撥水剤及びガラス撥水処理方法
- アルコキシシランを含有する液及び酸やアルカリ触媒を含有する液の容器の形態がエアゾールであることを特徴とするは請求項1に記載のガラス撥水剤及びガラス撥水処理方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010053794A JP2011184641A (ja) | 2010-03-10 | 2010-03-10 | 撥水処理方法と撥水処理剤 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2010053794A JP2011184641A (ja) | 2010-03-10 | 2010-03-10 | 撥水処理方法と撥水処理剤 |
Publications (1)
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JP2011184641A true JP2011184641A (ja) | 2011-09-22 |
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JP2010053794A Pending JP2011184641A (ja) | 2010-03-10 | 2010-03-10 | 撥水処理方法と撥水処理剤 |
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JP (1) | JP2011184641A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014161825A (ja) * | 2013-02-27 | 2014-09-08 | Aisin Seiki Co Ltd | 酸化物皮膜及びその製造方法 |
-
2010
- 2010-03-10 JP JP2010053794A patent/JP2011184641A/ja active Pending
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