JP2013203483A - 乗客コンベア用移動手摺の補修装置および補修方法 - Google Patents

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育弘 吉田
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Abstract

【課題】加熱装置等の過大な設備を必要とせず、短時間で移動手摺の化粧層表面の傷を補修することができる乗客コンベア用移動手摺の補修装置および補修方法を得る。
【解決手段】この発明に係る乗客コンベア用移動手摺の補修装置は、熱可塑性エラストマーを化粧層に使用した移動手摺が設けられた乗客コンベアについて、移動手摺を補修する乗客コンベア用移動手摺の補修装置であって、移動手摺の化粧層表面に、熱可塑性エラストマーを溶解する溶剤を塗布する溶剤塗布部を備えたものである。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えばエスカレータや動く歩道等の乗客コンベアの欄干に設けられて、踏段と同期して回転駆動される移動手摺を補修する乗客コンベア用移動手摺の補修装置および補修方法に関する。
エスカレータ等の乗客コンベアには、進行方向両側の欄干に移動手摺が設けられている。移動手摺は、従来ゴム製のものが用いられてきたが、近年、化粧層に熱可塑性エラストマーを使用したものが多くなっている。熱可塑性エラストマーを使用した移動手摺は、従来のゴム製の移動手摺に比べて、硬度が高く、汚れにくいという利点がある。
しかしながら、その反面、熱可塑性エラストマーを使用した移動手摺では、硬度が高い分化粧層表面に傷がつきやすく、傷が目立ちやすいという問題がある。ここで、熱可塑性エラストマーの傷とは、表面に窪みを形成する引っ掻き傷、表面付近の破壊による変質部分、および擦りつけられて表面に溶融付着したプラスチック材料等を総称したものである。
このような傷を補修するために、従来は、ドライヤ等の加熱器からの熱により、移動手摺の化粧層表面を温めて、傷を埋める方法が採用されていた。また、このような方法に関連して、移動可能な補修用加熱装置や、加熱後にウレタンを噴霧することで傷を補修する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、移動手摺の化粧層表面を研磨した後に、加熱して傷を補修する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−119125号公報 特開2008−174375号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
移動手摺の化粧層表面を加熱して傷を補修する方法では、大きな加熱装置および電源が必要になるので、補修を行う現場での作業が制約を受けるという問題がある。また、移動手摺の化粧層表面の昇温に時間がかかるので、長尺の移動手摺を補修するためには、長時間を要するという問題もある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、加熱装置等の過大な設備を必要とせず、短時間で移動手摺の化粧層表面の傷を補修することができる乗客コンベア用移動手摺の補修装置および補修方法を得ることを目的とする。
この発明に係る乗客コンベア用移動手摺の補修装置は、熱可塑性エラストマーを化粧層に使用した移動手摺が設けられた乗客コンベアについて、移動手摺を補修する乗客コンベア用移動手摺の補修装置であって、移動手摺の化粧層表面に、熱可塑性エラストマーを溶解する溶剤を塗布する溶剤塗布部を備えたものである。
また、この発明に係る乗客コンベア用移動手摺の補修方法は、熱可塑性エラストマーを化粧層に使用した移動手摺が設けられた乗客コンベアについて、移動手摺を補修する乗客コンベア用移動手摺の補修方法であって、移動手摺の化粧層表面に、熱可塑性エラストマーを溶解する溶剤を塗布する溶剤塗布ステップを備えたものである。
この発明に係る乗客コンベア用移動手摺の補修装置および補修方法によれば、溶剤塗布部(ステップ)は、熱可塑性エラストマーを化粧層に使用した移動手摺の化粧層表面に、熱可塑性エラストマーを溶解する溶剤を塗布する。
これにより、溶剤が塗布された部分の熱可塑性エラストマーが溶解し、その後、溶剤が蒸発して固体の熱可塑性エラストマーが再生する過程において、移動手摺の化粧層表面の傷が補修される。
そのため、加熱装置等の過大な設備を必要とせず、短時間で移動手摺の化粧層表面の傷を補修することができる。
この発明の実施の形態1に係る乗客コンベア用移動手摺の補修装置を示す構成図である。 図1に示した溶剤塗布部を示す断面図である。 この発明の実施の形態3に係る乗客コンベア用移動手摺の補修装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態4に係る乗客コンベア用移動手摺の補修装置を示す構成図である。
以下、この発明に係る乗客コンベア用移動手摺の補修装置および補修方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明するが、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る乗客コンベア用移動手摺の補修装置を示す構成図である。図1において、この乗客コンベア用移動手摺の補修装置は、熱可塑性エラストマーを化粧層に使用した移動手摺1が設けられた乗客コンベアについて、移動手摺1を補修する装置であって、移動手摺1の化粧層表面に、熱可塑性エラストマーを溶解する溶剤2を塗布する溶剤塗布部3を備えたものである。
移動手摺1は、溶剤塗布部3に対して、図中の矢印4の方向に相対的に移動する。溶剤塗布部3は、多孔質または刷毛や不織布等の繊維の集合体を有している。これにより、溶剤塗布部3は、熱可塑性エラストマーを溶解する溶剤2を内部に浸透保持する。また、溶剤塗布部3は、外部からの注入によって溶剤(2a)が供給される。
このような溶剤塗布部3の多孔質または繊維の集合体を、移動手摺1の化粧層表面に当接させることにより、溶剤2を外部に飛散させることなく、安定して移動手摺1の化粧層表面に溶剤2を塗布することができる。また、移動手摺1が溶剤塗布部3に対して相対的に移動することにより、移動手摺1の化粧層表面に溶剤2を広げることができる。
移動手摺1の化粧層表面に塗布された溶剤(2b)は、熱可塑性エラストマーを溶解させる。これにより、移動手摺1の化粧層表面の熱可塑性エラストマーが流動性を生じ、傷5が補修される。また、時間とともに溶剤2が蒸発し、熱可塑性エラストマーの流動性がなくなった時点で補修が完了する。
具体的には、移動手摺1の化粧層表面に形成された引っ掻き傷や表面付近の破壊による変質部分は、熱可塑性エラストマーが溶解することによって消失する。また、移動手摺1の化粧層表面に付着したプラスチック材料は、溶剤2に溶解する場合には、熱可塑性エラストマーと混合され、溶剤2に溶解しない場合には、熱可塑性エラストマー中に取り込まれる。
図2は、図1に示した溶剤塗布部3を示す断面図である。ここでは、溶剤塗布部3の多孔質または繊維の集合体と移動手摺1との接触状態の一例を示している。図2より、溶剤塗布部3の多孔質または繊維の集合体の形状を、移動手摺1の断面形状に沿う形にすることにより、塗布ムラ等のない移動手摺1の補修が可能となる。
なお、図1、2に示した溶剤塗布部3の代わりに、スプレー式の溶剤塗布部を使用してもよい。図1、2に示した溶剤塗布部3では、多孔質または繊維の集合体に移動手摺1の化粧層表面の汚れや熱可塑性エラストマーが付着したり、多孔質または繊維の集合体が磨耗したりすることで、溶剤2の塗布が不安定になる恐れがあるが、スプレー式の溶剤塗布部を使用することにより、このような事態を回避することができる。
ここで、移動手摺1は、その化粧層表面がウレタン樹脂等の熱可塑性エラストマーで形成されている。また、移動手摺1は、エスカレータや動く歩道等の乗客コンベアに設置された状態であっても、取り外された状態であってもよいが、溶剤塗布部3に対して相対的に移動するように設置されている必要がある。
相対的に移動するとは、静止した溶剤塗布部3に対して、乗客コンベアの稼働により移動手摺1が移動する方法、および静止した移動手摺1に対して、溶剤塗布部3が移動する方法の何れの方法であってもよい。
前者の方法では、乗客コンベアの動力を利用することができ、移動手摺1の全周について処理することができ、溶剤塗布部3の構造を簡便なものにすることができる。また、後者の方法では、溶剤塗布部3に対して移動させるために、車輪等の補助装置が必要となるが、乗客コンベアに設置されていない移動手摺を補修したり、電力が利用できない場合でも補修したりすることができる。
また、熱可塑性エラストマーを溶解する溶剤2として、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等を使用することができる。なお、溶剤2中、これらから選択される物質が70質量%以上含有されていることが好ましく、80質量%以上含有されていることがより好ましい。
含有量が70質量%に満たない場合には、熱可塑性エラストマーの溶解性が低すぎて、傷5の補修ができなかったり、塗布後に移動手摺1の化粧層表面が白濁したりする恐れがある。特に、溶剤2のその他の成分として含まれる物質が水である場合には、白濁等の影響を与えやすい。そのため、溶剤2における水分の含有量は、5質量%未満であることが好ましく、3質量%未満であることがより好ましい。水分が5質量%以上含有されると、移動手摺1の化粧層表面が白濁する可能性が高い。
また、溶剤2の塗布量は、移動手摺1の化粧層表面100cmあたりの塗布量で、0.02g以上かつ0.5g以下であることが好ましい。塗布量が0.02g未満であれば、溶剤2が少なすぎて、傷5を確実に補修することができない。また、塗布量が0.5gを超える場合には、塗布した溶剤2が移動手摺1の化粧層表面を流れやすくなるので、好ましくない。
また、熱可塑性エラストマーを溶解する溶剤2にレベリング剤を添加することにより、処理後の移動手摺1の化粧層表面の平滑性を向上させることができるとともに、ハケ目等の少ないきれいな補修をすることができる。ここで、レベリング剤は、溶剤2または熱可塑性エラストマーの溶解した溶剤2の表面張力を低下させる物質であることが好ましい。
このことを考慮して、レベリング剤としては、例えばフッ化炭化水素基を分子内に含み、分子のその他の部分が炭化水素基であったり、水酸基、カルボン酸基、エーテル基、アミノ基等の極性基またはこれらを含む炭化水素基であったりするものを使用することができる。
なお、レベリング剤の添加量は、溶剤2に対して0.01質量%以上かつ1.5質量%以下であることが好ましく、0.02質量%以上かつ1.0質量%以下であることがより好ましい。添加量が0.01質量%未満であれば、十分なレベリングの効果を得ることができない。また、添加量が1.5質量%を超える場合には、処理後に残るレベリング剤が、移動手摺1の化粧層表面の光沢を劣化させる恐れがあるので、好ましくない。
熱可塑性エラストマーを溶解する溶剤2は、多孔質または繊維の集合体に含浸されて、移動手摺1の化粧層表面に塗布される。ここで、多孔質は、溶剤2を含むことができ、溶剤2によって溶解や分解されることがない材質であり、多孔質の内部で溶剤2が移動できるように連通孔が形成されているものであれば使用することができる。また、無機物の多孔質を使用することもできるが、ポリウレタンやポリエチレン等のスポンジは、ゴミの発生が少なく、移動手摺1の化粧層表面に筋ムラを生じにくいという利点があるので、好ましい。
なお、スポンジの場合の孔の大きさは、その直径が0.1mm以上かつ3.0mm以下であることが好ましく、0.5mm以上かつ1.0mm以下であることがより好ましい。直径が0.1mm未満であれば、スポンジ内の溶剤2の移動速度が小さくなり、移動手摺1の化粧層表面に塗布される溶剤の量が少なくなりすぎて、十分に傷5の補修を行うことができない場合がある。また、直径が3.0mmを超える場合には、スポンジから重量で溶剤2が流れ出してしまうので、好ましくない。
また、繊維の集合体は、溶剤2によって溶解したり、劣化したりしない繊維からなる不織布、織布、繊維束であり、各種の天然繊維や合成繊維を使用することができる。また、繊維の集合体において、溶剤2は、繊維の隙間に保持され、移動手摺1の化粧層表面に接した場合に、化粧層表面に供給される。
なお、繊維径は、その直径が0.5μm以上かつ500μm以下であることが好ましい。直径が0.5μm未満であれば、繊維の集合体が柔らかくなりすぎて、溶剤2を塗布しにくくなるので、好ましくない。また、直径が500μmを超える場合には、繊維から重量で溶剤2が流れ出してしまうので、好ましくない。
ここで、多孔質または繊維の集合体に対して、熱可塑性エラストマーを溶解する溶剤2を外部から供給しながら処理を行うことにより、長尺の移動手摺1を連続して処理することができ、均質な状態に仕上げることができる。なお、溶剤2の供給量は、移動手摺1の化粧層表面に塗布される量に相当する量とする。これにより、多孔質または繊維の集合体中に存在する溶剤2の量を大きく変動させることがなく、移動手摺1の化粧層表面に塗布される溶剤2の量の変動を抑制することができる。
また、多孔質または繊維の集合体に溶剤2を供給する方法としては、定量の溶剤2を滴下させたり、細い管を通して流し込んだりするものがある。ここで、溶剤2を保持する容器と多孔質または繊維の集合体とを繊維束で連結し、毛管現象により溶剤2を移動させる方法は、液量の調整が容易なので、装置も簡便なものとなって好ましい。
以上のように、実施の形態1によれば、溶剤塗布部(ステップ)は、熱可塑性エラストマーを化粧層に使用した移動手摺の化粧層表面に、熱可塑性エラストマーを溶解する溶剤を塗布する。
これにより、溶剤が塗布された部分の熱可塑性エラストマーが溶解し、その後、溶剤が蒸発して固体の熱可塑性エラストマーが再生する過程において、移動手摺の化粧層表面の傷が補修される。
そのため、加熱装置等の過大な設備を必要とせず、短時間で移動手摺の化粧層表面の傷を補修することができる。
なお、従来の熱による傷の補修においては、熱可塑性エラストマーの昇温による低粘度化で傷が補修される。これに対して、溶剤による傷の補修では、この低粘度化の程度が熱の場合に比べて非常に大きいので、傷の補修に要する時間が短く、傷の大きさや広さ等の損傷程度についても、補修可能な範囲が広い。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、処理時に空気中からの水分の混入により、処理面が白濁する場合がある。このことは、高湿度時、特に移動手摺1の化粧層表面が露点以下の温度となっている場合に問題になりやすい。
そこで、処理面の白濁を防止するために、移動手摺1の化粧層表面を溶剤2の塗布前に加温しておくことが好ましい。なお、この発明の実施の形態2に係る乗客コンベア用移動手摺の補修装置は、実施の形態1のものと同様の構成なので、説明を省略する。
ここで、加温は、露点以上であることが好ましく、露点から5℃以上高い温度であることがより好ましい。露点近辺では、溶剤2の蒸発により、移動手摺1の化粧層表面の温度が低下するので、露点以下になってしまうことがあるからである。しかしながら、露点で管理する方法は、露点の測定が必要であること等、煩雑になる点が実用上好ましくない。
そこで、これに代わる方法として、移動手摺1の化粧層表面を30℃以上、より好ましくは、40℃以上に加温して行う方法がある。温度が30℃以上であれば、大抵の場合において白濁を抑制することができる。一方、これに満たない温度であれば、白濁する可能性が高くなる。また、露点ではなく、一定温度で管理する方法は、溶剤2の乾燥速度を一定にすることができるので、作業の管理が容易になるという利点もある。
なお、移動手摺1の化粧層表面を加温する方法としては、赤外線、温風、摩擦、高温部材の接触等各種の方法をとることができる。また、溶剤2を塗布する直前に加温する方法と、あらかじめ移動手摺1全体を加温した後に、溶剤2を塗布する方法とがある。
前者の方法では、短時間での処理が可能であるという利点がある。また、後者の方法では、時間をかけて加温できるので、弱い熱源でも処理可能であり、装置が簡便なものになることや、前者の方法では対応できないような、移動手摺1の化粧層表面の温度が低すぎる場合にも対応できることや、移動手摺1全体での不均一性を生じにくいこと等の利点がある。
実施の形態3.
上記実施の形態1、2で示した熱可塑性エラストマーを溶解する溶剤2を、移動手摺1の化粧層表面に付着した汚れ(汚染物)を除去することに利用することもできる。図3は、この発明の実施の形態3に係る乗客コンベア用移動手摺の補修装置を示す構成図である。
移動手摺1の化粧層表面の熱可塑性エラストマーが溶解した状態では、移動手摺1の化粧層表面に付着した汚れが、溶解した樹脂(熱可塑性エラストマー)中に遊離することになる。そのため、樹脂中に遊離した汚れを、溶解した樹脂ごと除去することにより、通常の方法では除去することが困難な汚れでも剥離することができる。このような方法で汚れを剥離した後、移動手摺1の化粧層表面に再度溶剤2を塗布し、熱可塑性エラストマーを溶解させて乾燥させることにより、傷5を補修するとともに、汚れを除去することができる。
具体的には、図3において、この乗客コンベア用移動手摺の補修装置は、溶剤塗布部3を2個備えている。また、移動手摺1の進行方向に対して先行する一方の溶剤塗布部3の、移動手摺1の化粧層表面と接する面には、例えば不織布6等が挟み込まれている。なお、不織布6は、不織布巻き取り部7aおよび不織布送り出し部7bによって、移動手摺1の化粧層表面と接する部分が、移動されるようになっている。
このような装置において、不織布6を適宜移動させたり、取り替えたりすることによって、不織布6により移動手摺1の化粧層表面に付着した汚れを除去することができる。そのため、後続する溶剤塗布部3による溶剤2の塗布において、汚れの除去に伴い、移動手摺1の化粧層表面の平滑性の乱れを修正することができる。なお、不織布6の代わりに、多孔質や、織布、繊維束を用いてもよい。
実施の形態4.
上述したように、移動手摺1の化粧層表面に溶剤2を塗布した後、溶剤2が乾燥するまでの間に水分が吸収されると、処理面が白濁する恐れがある。そこで、移動手摺1の化粧層表面に溶剤2を塗布した後、溶剤2が完全に蒸発する前に、移動手摺1の化粧層表面を加熱することにより、処理面の白濁を抑制することができる。
図4は、この発明の実施の形態4に係る乗客コンベア用移動手摺の補修装置を示す構成図である。図4において、この乗客コンベア用移動手摺の補修装置は、図1に示した補修装置に加えて、移動手摺1の化粧層表面を加熱する加熱部8を備えている。ここで、加熱部8としては、各種の機器を用いることができるが、エアブローを用いるものが好ましい。エアーにより溶剤2の蒸気が希釈されるので、引火や爆発の危険性が小さくなるからである。
また、溶剤2を塗布した後に、移動手摺1の化粧層表面を加熱することにより、溶剤2の乾燥時間を短くすることができる。さらに、これにより、溶剤2の使用量を減らすことができる。移動手摺1の化粧層表面を加熱しない場合と比較して、溶剤2と熱可塑性エラストマーとの混合物の粘度は、加熱によって上昇するので、少量の溶剤2でも傷5を補修することが可能となるからである。
なお、溶剤2を塗布しないで移動手摺1の化粧層表面を加熱する場合には、傷5を補修するために、300℃以上の高温化が必要であり、加熱時間も長いものとなる。これに対して、溶剤2を塗布した後に移動手摺1の化粧層表面を加熱する場合には、低い温度や短時間での処理が可能となる。
このとき、移動手摺1の化粧層表面の温度は、80℃以上かつ350℃未満であることが好ましく、120℃以上かつ300℃未満であることがより好ましい。この場合の表面温度は、放射温度計による値である。
表面温度が80℃未満であれば、加熱の効果を十分に得ることができない。また、表面温度が350℃を超える場合には、熱可塑性エラストマーが劣化したり気泡を発生したりする場合があり、好ましくないばかりでなく、加熱装置が過大となってしまうという問題もある。なお、加熱時間は短時間でよく、所定の温度まで昇温させた後は、温度を保持してもよいし、自然冷却に任せてもよい。
また、移動手摺1の化粧層表面を加熱する場合の溶剤2の塗布量は、移動手摺1の化粧層表面100cmあたりの塗布量で、0.01g以上かつ0.3g以下であることが好ましい。塗布量が0.01g未満であれば、溶剤2が少なすぎて、傷5を確実に補修することができない。また、塗布量が0.3gを超える場合には、溶剤2の流動による処理面の凹凸が形成されやすくなるので、好ましくない。
また、移動手摺1の化粧層表面を加熱する場合の溶剤2として、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等を使用することができる。なお、溶剤2中、これらから選択される物質が60質量%以上含有されていることが好ましく、70質量%以上含有されていることがより好ましい。
含有量が60質量%に満たない場合には、熱可塑性エラストマーの溶解性が低すぎて、傷5の補修ができなかったり、塗布後に移動手摺1の化粧層表面が白濁したりする恐れがある。また、溶剤2における水分の含有量は、10質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましい。水分が10質量%以上含有されると、移動手摺1の化粧層表面が白濁する可能性が高い。なお、これらの値は、移動手摺1の化粧層表面を加熱しない場合の値と異なっているが、加熱により白濁を生じにくいための違いである。
1 移動手摺、2 溶剤、2a 溶剤塗布部に供給する溶剤、2b 塗布された溶剤、3 溶剤塗布部、4 矢印、5 傷、6 不織布、7a 不織布巻き取り部、7b 不織布送り出し部、8 加熱部。

Claims (22)

  1. 熱可塑性エラストマーを化粧層に使用した移動手摺が設けられた乗客コンベアについて、前記移動手摺を補修する乗客コンベア用移動手摺の補修装置であって、
    前記移動手摺の化粧層表面に、前記熱可塑性エラストマーを溶解する溶剤を塗布する溶剤塗布部
    を備えたことを特徴とする乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
  2. 前記溶剤は、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびジメチルスルホキシドから選択される物質を70質量%以上含有し、水分の含有量が5質量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
  3. 前記溶剤は、レベリング剤を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
  4. 前記溶剤塗布部は、
    多孔質または繊維の集合体を有し、
    前記多孔質または繊維の集合体に前記溶剤を含浸し、前記多孔質または繊維の集合体を前記移動手摺の化粧層表面に当接させることにより、前記溶剤を塗布する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
  5. 前記溶剤塗布部は、外部から前記溶剤を供給されながら、前記移動手摺の化粧層表面に前記溶剤を塗布することを特徴とする請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
  6. 前記溶剤塗布部は、前記移動手摺の化粧層表面が30℃以上に加温された後に、前記移動手摺の化粧層表面に前記溶剤を塗布することを特徴とする請求項1から請求項5までの何れか1項に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
  7. 前記溶剤塗布部を複数個備え、
    前記移動手摺の進行方向に対して先行する一方の溶剤塗布部の、前記移動手摺の化粧層表面と接する面に、前記溶剤を含浸した多孔質または繊維の集合体が配置され、前記多孔質または繊維の集合体が、前記移動手摺の化粧層表面の汚染物を取り込む
    ことを特徴とする請求項1から請求項6までの何れか1項に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
  8. 前記移動手摺の化粧層表面を加熱する加熱部
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項7までの何れか1項に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
  9. 前記加熱部は、前記移動手摺の化粧層表面を80℃以上に加熱することを特徴とする請求項8に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
  10. 前記加熱部は、エアブローにより前記移動手摺の化粧層表面を加熱することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
  11. 前記溶剤は、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびジメチルスルホキシドから選択される物質を60質量%以上含有することを特徴とする請求項8から請求項10までの何れか1項に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
  12. 熱可塑性エラストマーを化粧層に使用した移動手摺が設けられた乗客コンベアについて、前記移動手摺を補修する乗客コンベア用移動手摺の補修方法であって、
    前記移動手摺の化粧層表面に、前記熱可塑性エラストマーを溶解する溶剤を塗布する溶剤塗布ステップ
    を備えたことを特徴とする乗客コンベア用移動手摺の補修方法。
  13. 前記溶剤は、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびジメチルスルホキシドから選択される物質を70質量%以上含有し、水分の含有量が5質量%未満であることを特徴とする請求項12に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修方法。
  14. 前記溶剤は、レベリング剤を含むことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修方法。
  15. 前記溶剤塗布ステップを実行する溶剤塗布部は、
    多孔質または繊維の集合体を有し、
    前記溶剤塗布ステップは、前記多孔質または繊維の集合体に前記溶剤を含浸し、前記多孔質または繊維の集合体を前記移動手摺の化粧層表面に当接させることにより、前記溶剤を塗布する
    ことを特徴とする請求項12から請求項14までの何れか1項に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修方法。
  16. 前記溶剤塗布ステップは、外部から前記溶剤を供給されながら、前記移動手摺の化粧層表面に前記溶剤を塗布することを特徴とする請求項12から請求項15までの何れか1項に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修方法。
  17. 前記溶剤塗布ステップの前に、前記移動手摺の化粧層表面を30℃以上に加温する加温ステップ
    をさらに備えたことを特徴とする請求項12から請求項16までの何れか1項に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修方法。
  18. 前記溶剤塗布ステップを実行する溶剤塗布部が複数個設けられ、
    前記移動手摺の進行方向に対して先行する一方の溶剤塗布部の、前記移動手摺の化粧層表面と接する面に配置された、前記溶剤を含浸した多孔質または繊維の集合体により、前記移動手摺の化粧層表面の汚染物を取り込むステップ
    をさらに備えたことを特徴とする請求項12から請求項17までの何れか1項に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修方法。
  19. 前記移動手摺の化粧層表面を加熱する加熱ステップ
    をさらに備えたことを特徴とする請求項12から請求項18までの何れか1項に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修方法。
  20. 前記加熱ステップは、前記移動手摺の化粧層表面を80℃以上に加熱することを特徴とする請求項19に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修方法。
  21. 前記加熱ステップは、エアブローにより前記移動手摺の化粧層表面を加熱することを特徴とする請求項19または請求項20に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修方法。
  22. 前記溶剤は、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびジメチルスルホキシドから選択される物質を60質量%以上含有することを特徴とする請求項19から請求項21までの何れか1項に記載の乗客コンベア用移動手摺の補修方法。
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