JPS6324918B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この発明は、エスカレータ、電動通路などの乗
客コンベアの移動手摺案内ローラを清掃する移動
手摺案内ローラ清掃装置に関するものである。

＜従来の技術＞ 一般に乗客コンベアにおいては、案内ローラの
清掃が困難であるという難点が存在していた。

第４図はエスカレータを例にとつた乗客コンベ
アの移動手摺の駆動機構を示すもので、移動手摺
４は、移動手摺ガイド５に沿つて移動自在に取り
付けられる。移動手摺ガイド５の両端にはほぼ半
円状のゲート部５−Ｇが設けられ、移動手摺４は
これらのゲート部５−Ｇを介して、移動手摺ガイ
ド５に対して無端状に取り付けられている。

移動手摺４は無端路の途中で、駆動プーリ８に
係装され、駆動プーリ８により同一方向に駆動さ
れている。ゲート部５−Ｇの部分において、移動
手摺４はゲートローラ６により保持され又移動手
摺４は、移動手摺ガイド５及びゲート部５−Ｇ以
外の部分において、案内ローラ７により保持駆動
される。

エスカレータの乗客は、移動手摺ガイド５上を
踏段と同期して移動する移動手摺４の表面に手を
置いて、身体のバランスを取ることが多い。この
ために、移動手摺４の表面は汚れ易く、移動手摺
４の表面に付された汚れは、移動手摺４の移送に
より、案内ローラ７に転移することになる。

移動手摺４の表面の汚れが、案内ローラ７に転
移しないように、案内ローラ７の表面を鏡面仕上
げにした構造のものも提案されているが、精密仕
上げに要する工数の割りには効果が充分でない。

ゲートローラ６を清掃するものとしては、例え
ば実開昭57−135564号公報に回転式ローラ清掃器
が提案され、実用上も効果を上げている。

＜発明が解決しようとする問題点＞ しかし、案内ローラ７の清掃に使用する器具は
未だ提案されておらず、案内ローラ７の汚れの清
掃は、エスカレータの案内ローラ７部分に手を入
れ、ブラシを用いて汚れをこすり取るという方法
で行われている。この方法は多大の時間と労力を
必要とし能率的なものでなかつた。

発明者等は、案内ローラ７の汚れ落としに使用
するブラシの形状構造を改良することを試みた
が、清掃時間の短縮は出来なかつた。

この発明は、従来行われている案内ローラの汚
れ落とし作業の難点を解決することを目的とし、
簡単な構成で効率的に案内ローラの汚れを除去す
ることが可能な移動手摺案内ローラ清掃装置を提
供するものである。

＜問題点を解決するための手段＞ この発明の移動手摺案内ローラ清掃装置では、
移動手摺案内ローラを洗浄する洗浄剤が含浸され
た含浸体が移動手摺の表面に固定され、移動手摺
案内ローラに付着した洗浄剤を払拭する払拭体
が、含浸体と異なる位置において移動手摺の表面
に固定されている。

＜作用＞ この発明にあつては、清掃時には含浸体と払拭
体とが固定された移動手摺を駆動することによ
り、移動手摺案内ローラ表面の汚れが含浸体に含
浸された洗浄剤で軟化され、引き続いて軟化され
た汚れが払拭体で払拭され、自動的に除去するこ
とができる。

以下、この発明の移動手摺案内ローラ清掃装置
を、その実施例に基づき図面を使用して詳細に説
明する。

この発明では、含浸体と払拭体とが乗客コンベ
アの移動手摺の表面の異なる位置に、それぞれ固
定される。

即ち、第２図に示すように、乗客コンベアの移
動手摺４の表面に含浸体２及び払拭体３が固定さ
れる。第１図は、この発明の第１の実施例におけ
る含浸体２及び払拭体３の構成を示すもので、薄
板１上に含浸体２及び払拭体３が構成された例で
ある。

第１図の実施例においては、幅80mm、長さ1200
mm、厚さ0.3mmのポリエステルの薄板１の移動手
摺４との対向面には、粘着物質が塗布されてい
る。薄板１の他面上に、幅80mm、長さ600mm、厚
さ10mmの布に、水を主成分とし少量のエチルアル
コールとアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
を混合した洗浄剤を含浸された含浸体２が取り付
けられる。払拭体３は、薄板１の残りの600mm上
に厚さ10mmの吸液性のネルを固定して構成され
る。

粘着物質が塗布された薄板１の面を、移動手摺
４の表面に粘着固定して、含浸体２と払拭体３が
移動手摺４の表面に固定される。第２図に示す実
施例においては、移動手摺４の走行方向に対し
て、含浸体２を先にして含浸体２と払拭体３が取
り付けられている。

稼働年数が４年及び６年のエスカレータに対し
て、この発明の移動手摺案内ローラ清掃装置を取
り付けて行つた発明者等の実験によると、３分な
いし５分間の駆動で、案内ローラ表面の汚れは完
全に除去されていることが確認された。

案内ローラ表面に固化した状態で付着し、従来
の方法ではその除去が困難であつた汚れも、この
発明によると含浸体２の洗浄剤で、汚れが軟化さ
れ完全に除去することが出来る。

第３図Ａに構成を示すのは、この発明の第２実
施例であり、この実施例では樹脂板１０上に含浸
体２及び払拭体３が構成されている。このように
樹脂板１０上に構成された、含浸体２および払拭
体３がそれぞれ移動手摺４の表面に固定される。

第３図Ｂに構成を示すのは、この発明の第３の
実施例であり、薄板１が含浸体２と払拭体３とで
分離した構成となつている。

第２及び第３の実施例では、含浸体２と払拭体
３との間隔を、洗浄剤に合わせて選定することが
出来るので、所定時間が経過し汚れが充分に溶出
した状態で、払拭して洗浄効果を高めることが出
来る。

第３図Ｃに構成を示すのは、この発明の第４の
実施例であり、同一薄板１上に含浸体２と払拭体
３が２組構成されている。第３図Ｄに示す、この
発明の第５の実施例は、第４の実施例において薄
板１を分離した構成のもので、第２および第３の
実施例と同様に、含浸体２と払拭体３との間隔の
選定が可能である。

第３図Ｅに構成を示すのは、この発明の第６の
実施例であり、同一薄板１上に１つの含浸体２と
二つの払拭体３が構成され、このような構成のも
のが二つ移動手摺４の表面に間隔を置いて固定さ
れている。この第６の実施例は、移動手摺４に洗
浄剤を残すことなく、完全に払拭仕上げを行う場
合に最適の構成である。

なお、実施例では液体の洗浄剤を使用する場合
について説明したが、洗浄剤は液体に限らずゼリ
ー状のもの固形のものなど、各種のものを使用す
ることが出来る。

＜発明の効果＞ 以上詳細に説明したように、この発明によると
乗客コンベアの移動手摺に簡単に取り付け可能で
あり、短時間で移動手摺の汚れを自動的に完全に
除去することが可能な移動手摺案内ローラ清掃装
置を提供することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の第１の実施例の要部の構
成を示す斜視図、第２図は、この発明の実施例の
適用例を示す図、第３図ＡないしＥは、この発明
のそれぞれ第２ないし第６の実施例の要部の構成
を示す図、第４図は、エスカレータの全体の要部
構成を示す図である。 １……薄板、２……含浸体、３……払拭体、４
……移動手摺、５……移動手摺ガイド、５−Ｇ…
…ゲート部、６……ゲートローラ、７……案内ロ
ーラ、８……駆動プーリ、１０……樹脂板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 乗客コンベアの移動手摺の表面に固定され、
   前記乗客コンベアの移動手摺案内ローラを洗浄す
   る洗浄剤が含浸された含浸体と、この含浸体と異
   なる位置において前記移動手摺の表面に固定さ
   れ、前記移動手摺案内ローラに付着した前記洗浄
   剤を払拭する払拭体とを有することを特徴とする
   移動手摺案内ローラ清掃装置。 ２ 含浸体と払拭体の少なくとも一方が、移動手
   摺の表面に粘着された薄板上に配置されてなるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の移動
   手摺案内ローラ清掃装置。 ３ 払拭体が移動手摺の走行方向に対して含浸体
   よりも後方に位置していることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の移動手摺案内ローラ清掃
   装置。