JP2013199843A - 圧縮自己着火式エンジンの始動制御装置 - Google Patents

圧縮自己着火式エンジンの始動制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】1圧縮始動が可能なピストン停止位置範囲の境界をエンジンの状態によって可変的に設定しつつ、1圧縮始動が可能か否かを常に正確に判断する。
【解決手段】エンジンの自動停止後、再始動条件が成立すると、圧縮行程で停止していた停止時圧縮行程気筒のピストン停止位置をクランク角センサの検出信号に基づき特定し、その特定したピストン停止位置が所定の基準停止位置よりも下死点側にあれば、上記停止時圧縮行程気筒に最初の燃料を噴射する1圧縮始動を実行し、そうでなければ、吸気行程で停止していた停止時吸気行程気筒に最初の燃料を噴射する2圧縮始動を実行する。クランクプレートの歯欠け部に対応した無信号角度範囲Hは、暖機の進行度合いに応じて変化する上記基準停止位置の可変範囲Rxと重複しないように設定されている。
【選択図】図10

Description

本発明は、燃料噴射弁から気筒内に噴射された燃料を自着火により燃焼させる圧縮自己着火式エンジンに設けられ、所定の自動停止条件が成立したときに上記エンジンを自動停止させるとともに、その後所定の再始動条件が成立したときに、スタータモータを用いて上記エンジンに回転力を付与しつつ上記燃料噴射弁から燃料を噴射することにより、上記エンジンを再始動させる圧縮自己着火式エンジンの始動制御装置に関する。
ディーゼルエンジンに代表される圧縮自己着火式エンジンは、一般に、ガソリンエンジンのような火花点火式エンジンよりも熱効率に優れ、排出されるCO2の量も少ないことから、近年、車載用エンジンとして広く普及しつつある。
上記のような圧縮自己着火式エンジンにおいて、より一層のCO2の削減を図るには、エンジンを自動的に停止または再始動させる、いわゆるアイドルストップ制御の技術を採用することが有効であり、そのことに関する種々の研究もなされている。
その一例として、下記特許文献1には、所定の自動停止条件が成立したときにディーゼルエンジンを自動停止させ、その後所定の再始動条件が成立すると、スタータモータを駆動しながら燃料噴射を実行してディーゼルエンジンを再始動させることが開示されている。
具体的に、同文献では、ディーゼルエンジンが自動停止されると、その時点で圧縮行程にある停止時圧縮行程気筒のピストンの停止位置が調べられる。その後、エンジンの再始動条件が成立すると、上記停止時圧縮行程気筒のピストン停止位置が、相対的に下死点寄りに設定された適正範囲にあるか否かが判定され、適正範囲にある場合には、上記停止時圧縮行程気筒に最初の燃料が噴射され、エンジン全体として1回目の圧縮上死点を迎える1圧縮目から燃焼が再開されることにより、エンジンが始動される(以下、これを「1圧縮始動」という)。
一方、上記停止時圧縮行程のピストン停止位置が上記適正範囲よりも上死点側にある場合には、吸気行程で停止していた気筒(停止時吸気行程気筒)が圧縮行程に移行してから当該気筒に最初の燃料が噴射され、エンジン全体として2回目の圧縮上死点を迎える2圧縮目から燃焼が再開されることにより、エンジンが始動される(以下、これを「2圧縮始動」という)。
特開2009−62960号公報
上記特許文献1の技術によると、停止時圧縮行程気筒のピストンが適正範囲にあるときには、1圧縮目から燃料を噴射する1圧縮始動によって速やかにエンジンを再始動させることができる一方、上記適正範囲から上死点側に外れている場合には、1圧縮目ではなく2圧縮目から燃料を噴射する2圧縮始動により、始動の迅速性は多少犠牲にしながらも、燃料の失火を防止して確実なエンジンの再始動を図ることができる。
ここで、上記特許文献1において、1圧縮始動が可能なピストン停止位置範囲である適正範囲は、再始動の開始時点でのエンジンの状態が異なれば当然異なり得る。このため、エンジンの状態にかかわらず1圧縮始動か2圧縮始動かを適正に判断するには、上記適正範囲の境界となり得るクランク角を常に正確に把握できるようにする必要があるが、実際には、ピストン停止位置を特定するためのセンサ(クランク角センサ)の構造上の制約があるので、上記の要求を満足することは容易ではない。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、1圧縮始動が可能なピストン停止位置範囲の境界をエンジンの状態によって可変的に設定しつつ、1圧縮始動が可能か否かを常に正確に判断することが可能な圧縮自己着火式エンジンの始動制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、燃料噴射弁から気筒内に噴射された燃料を自着火により燃焼させる圧縮自己着火式エンジンに設けられ、所定の自動停止条件が成立したときに上記エンジンを自動停止させるとともに、その後所定の再始動条件が成立したときに、スタータモータを用いて上記エンジンに回転力を付与しつつ上記燃料噴射弁から燃料を噴射することにより、上記エンジンを再始動させる圧縮自己着火式エンジンの始動制御装置であって、上記燃料噴射弁およびスタータモータを含む各種機器を制御する制御手段と、上記エンジンのクランクシャフトと一体に回転し、外周部に多数の歯を有するクランクプレートと、上記クランクプレートの歯の通過に応じてパルス信号を出力するクランク角センサとを備え、上記制御手段は、自動停止したエンジンを再始動させる際に、圧縮行程で停止していた停止時圧縮行程気筒のピストン停止位置を上記クランク角センサの検出信号に基づき特定し、特定したピストン停止位置が所定の基準停止位置よりも下死点側にあるか否かに応じて、上記停止時圧縮行程気筒に最初の燃料を噴射する1圧縮始動、または吸気行程で停止していた停止時吸気行程気筒に最初の燃料を噴射する2圧縮始動のいずれかを、上記燃料噴射弁およびスタータモータを駆動しつつ実行するものであり、上記1圧縮始動か2圧縮始動かの境目となる上記基準停止位置は、上記エンジンの暖機の進行度合いに応じて可変的に設定されるものであり、上記クランクプレートは、その外周部の特定箇所に、気筒判別用の基準とするために歯を省略した歯欠け部を有し、この歯欠け部に対応するクランク角である無信号角度範囲は、暖機の進行度合いに応じて変化する上記基準停止位置の可変範囲と重複しないように設定されていることを特徴とするものである(請求項1)。
なお、本発明において、「無信号角度範囲」と「基準停止位置の可変範囲」とが「重複しない」とは、これら両範囲どうしを重ね合わせたときのオーバーラップ量がゼロになるこという。よって、「無信号角度範囲」と「基準停止位置の可変範囲」とが完全に分離している必要はなく、無信号角度範囲の上限または下限の位置と、基準停止位置の可変範囲の下限または上限の位置とが一致していてもよい(つまり両範囲が連続していてもよい)。
本発明によれば、1圧縮始動が可能か否かを判断するための基準停止位置がエンジンの暖機の進行度合いに応じて可変的に設定されるため、例えば暖機が進行して着火性が改善されるほど基準停止位置を上死点側に変更することにより、1圧縮始動が可能なピストン停止位置範囲を柔軟に変化させて適切なエンジン再始動を図ることができる。また、暖機の進行度合いに応じて変化する上記基準停止位置の可変範囲が、クランクプレートの歯欠け部に対応した無信号角度範囲と重複しないため、停止時圧縮行程気筒のピストン停止位置が基準停止位置よりも下死点側にあるか上死点側にあるかを、暖機の進行度合いにかかわらず正確に検出することができ、その結果に基づいて、1圧縮始動と2圧縮始動とを適切に使い分けることができる。
本発明において、好ましくは、エンジンの冷却水温が80℃よりも低い基準温度以上のときにエンジンの自動停止を許可する(請求項2)。
この構成によれば、エンジンの暖機があまり進んでいない状態でもエンジンが自動停止されることになり、自動停止の機会が増える。この場合、1圧縮始動が可能か否かを判断するための基準停止位置は、エンジンの暖機の進行度合いに応じて幅広く変化し得るが、本発明のように、基準停止位置の可変範囲と無信号角度範囲とが互いに重複しないようになっていれば、基準停止位置が幅広く変動するにもかかわらず、基準停止位置よりも上死点側または下死点側のいずれにピストンが停止したかを正確に検出することができる。したがって、自動停止の基準温度を80℃よりも低くした上記構成によれば、エンジンの自動停止の機会を増やしてさらなる燃費の向上を図りつつ、1圧縮始動が可能か否かを常に正確に判断することができる。
本発明において、好ましくは、上記制御手段は、上記1圧縮始動によるエンジン再始動時に、少なくとも上記停止時圧縮行程気筒への最初の燃料噴射として、圧縮上死点を過ぎてから熱発生率のピークを迎えるようなメイン燃焼を起こさせるメイン噴射と、このメイン噴射の開始よりも前に熱発生率のピークを迎えるようなプレ燃焼を起こさせるプレ噴射とを実行する(請求項3)。
この構成によれば、停止時圧縮行程気筒への燃料噴射によってエンジンを再始動させる1圧縮始動の際に、まずプレ噴射が実行され、その後にメイン噴射が実行される。プレ噴射された燃料は、所定の着火遅れの後に自着火により燃焼し(プレ燃焼)、停止時圧縮行程気筒の筒内温度・圧力を上昇させるため、それに引き続いてメイン噴射が実行されたときには、噴射された燃料がほどなく自着火により燃焼する(メイン燃焼)。このように、メイン噴射された燃料の着火性が、それ以前のプレ噴射(プレ燃焼)によって改善されるため、停止時圧縮行程気筒での圧縮代がそれほど多くなくても、停止時圧縮行程気筒での燃焼は確実に行われる。この結果、1圧縮始動が可能なピストン停止位置範囲(特定範囲)をより上死点側に拡大することができ、エンジン始動の迅速化を促進することができる。
上記構成において、より好ましくは、上記無信号角度範囲における最も上死点側の位置が、上記基準停止位置の可変範囲における最も下死点側の位置と同一かもしくはこれよりも下死点側に設定される(請求項4)。
この構成によれば、上記プレ噴射のタイミングと無信号角度範囲とが重なることを有効に回避でき、プレ噴射のタイミングを正確に決定することができる。
上記構成において、より好ましくは、上記1圧縮始動のときに上記停止時圧縮行程気筒に噴射される燃料の量は、当該気筒のピストン停止位置が上死点に近いほど少なく設定されるものであり、上記制御手段は、上記停止時圧縮行程気筒のピストンが上記無信号角度範囲のいずれかで停止していると予想され、かつその状態から上記1圧縮始動によるエンジン再始動を行う際に、上記停止時圧縮行程気筒への噴射量を、上記無信号角度範囲における最も上死点側の位置に対応する噴射量に設定する(請求項5)。
この構成によれば、筒内に残存している空気の量に対して過剰な燃料が供給される(つまり混合気がオーバーリッチになる)のを確実に防止できるので、燃焼により生じるHCの量を抑制でき、再始動時の低エミッション化をより確実に図ることができる。
以上説明したように、本発明の圧縮自己着火式エンジンの始動制御装置によれば、1圧縮始動が可能なピストン停止位置範囲の境界をエンジンの状態によって可変的に設定しつつ、1圧縮始動が可能か否かを常に正確に判断することができる。
本発明の一実施形態に係る始動制御装置が適用されたディーゼルエンジンの全体構成を示す図である。 エンジンの運転中にクランク角センサから出力されるパルス信号を示す図である。 上記エンジンを自動的に停止させる自動停止制御の具体的手順を示すフローチャートである。 上記エンジンの自動停止制御時における各種状態量の変化を示すタイムチャートである。 図4のタイムチャートにおけるエンジン回転速度およびクランク角の波形を部分的に拡大して示すとともに、圧縮行程となる気筒の番号の変化を示す図である。 停止時圧縮行程気筒が異なるケースにおける図5相当図である。 自動停止したエンジンを再始動させる再始動制御の具体的手順を示すフローチャートである。 1圧縮始動によるエンジン再始動のときに停止時圧縮行程気筒に噴射すべき燃料の量を決定する手順を示すフローチャートである。 1圧縮始動が可能な上限のピストン停止位置である基準停止位置を説明するための図である。 上記基準停止位置の可変範囲と、クランクプレートの歯欠け部に対応した無信号角度範囲との位置関係を示す図である。 上記停止時圧縮行程気筒への噴射量を決定するために用いられるマップの一例である。 プレ噴射およびメイン噴射に分けて燃料を噴射した場合に、その噴射した燃料がどのようなタイミングで燃焼するかを示した図である。
(1)エンジンの全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る始動制御装置が適用されたディーゼルエンジンの全体構成を示す図である。本図に示されるディーゼルエンジンは、走行駆動用の動力源として車両に搭載される4サイクルのディーゼルエンジンである。このエンジンのエンジン本体1は、いわゆる直列4気筒型のものであり、紙面に直交する方向に列状に並ぶ4つの気筒2A〜2Dを有するシリンダブロック3と、シリンダブロック3の上面に設けられたシリンダヘッド4と、各気筒2A〜2Dにそれぞれ往復摺動可能に挿入されたピストン5とを有している。
上記ピストン5の上方には燃焼室6が形成されており、この燃焼室6には、燃料としての軽油が、後述する燃料噴射弁15からの噴射によって供給される。そして、噴射された燃料(軽油)が、ピストン5の圧縮作用により高温・高圧化した燃焼室6で自着火し(圧縮自己着火)、その燃焼による膨張力で押し下げられたピストン5が上下方向に往復運動するようになっている。
上記ピストン5は図外のコネクティングロッドを介してクランク軸7と連結されており、上記ピストン5の往復運動(上下運動)に応じて上記クランク軸7が中心軸回りに回転するようになっている。
ここで、図示のような4サイクル4気筒のディーゼルエンジンでは、各気筒2A〜2Dに設けられたピストン5が、クランク角で180°(180°CA)の位相差をもって上下運動する。このため、各気筒2A〜2Dでの燃焼(そのための燃料噴射)のタイミングは、180°CAずつ位相をずらしたタイミングに設定される。具体的には、気筒2A,2B,2C,2Dの気筒番号をそれぞれ1番、2番、3番、4番とすると、1番気筒2A→3番気筒2C→4番気筒2D→2番気筒2Bの順に燃焼が行われる。このため、例えば1番気筒2Aが圧縮行程であれば、3番気筒2C、4番気筒2D、2番気筒2Bは、それぞれ、吸気行程、排気行程、膨張行程となる。
上記シリンダヘッド4には、各気筒2A〜2Dの燃焼室6に開口する吸気ポート9および排気ポート10と、各ポート9,10を開閉する吸気弁11および排気弁12とが設けられている。なお、吸気弁11および排気弁12は、シリンダヘッド4に配設された一対のカムシャフト等を含む動弁機構13,14により、クランク軸7の回転に連動して開閉駆動される。
また、上記シリンダヘッド4には、燃料噴射弁15が各気筒2A〜2Dにつき1つずつ設けられている。各燃料噴射弁15は、蓄圧室としてのコモンレール20に分岐管21を介してそれぞれ接続されている。コモンレール20には、燃料供給ポンプ23から燃料供給管22を通じて供給された燃料(軽油)が高圧状態で蓄えられており、このコモンレール20内で高圧化された燃料が分岐管21を通じて各燃料噴射弁15にそれぞれ供給されるようになっている。
上記燃料噴射弁15は、先端部に複数(例えば8〜12個)の噴孔を有した多噴孔型のものであり、その内部に、上記各噴孔に通じる燃料通路と、この燃料通路を開閉するために電磁的に駆動されるニードル状の弁体とを有している(いずれも図示省略)。そして、通電による電磁力で上記弁体が開方向に駆動されることにより、コモンレール20から供給された燃料が上記各噴孔から燃焼室6に向けて直接噴射されるようになっている。
上記燃料噴射弁15と対向するピストン5の冠面(上面)の中央部には、他の部分(冠面の周縁部)よりも下方に凹んだキャビティ5aが形成されている。このため、ピストン5が上死点の近くにある状態で上記燃料噴射弁15から燃料が噴射された場合、この燃料は、まずキャビティ5aの内部に侵入することになる。
ここで、当実施形態のエンジン本体1は、その幾何学的圧縮比(ピストン5が下死点にあるときの燃焼室容積とピストン5が上死点にあるときの燃焼室容積との比)が14に設定されている。すなわち、一般的な車載用のディーゼルエンジンの幾何学的圧縮比が18もしくはそれ以上に設定されることが多いのに対し、当実施形態では、幾何学的圧縮比が14というかなり低い値に設定されている。
上記シリンダブロック3やシリンダヘッド4の内部には、冷却水が流通する図外のウォータジャケットが設けられており、このウォータジャケット内の冷却水の温度を検出するための水温センサSW1が、上記シリンダブロック3に設けられている。
また、上記シリンダブロック3には、クランク軸7の回転角度および回転速度を検出するためのクランク角センサSW2が設けられている。このクランク角センサSW2は、クランク軸7と一体に回転するクランクプレート25の回転に応じてパルス信号を出力する。
具体的に、上記クランクプレート25の外周部には、一定ピッチで並ぶ多数の歯25aが突設されており、その外周部における特定の基準位置には、歯25aが複数枚省略された歯欠け部25bが形成されている。そして、このように基準位置に歯欠け部25bを有したクランクプレート25が回転し、それに基づくパルス信号(歯25aの有無によるON/OFF信号)が上記クランク角センサSW2から出力されることにより、クランクシャフト7の回転角度(クランク角)および回転速度(エンジン回転速度)が検出されるようになっている。
図2は、エンジンの運転中にクランク角センサSW2から出力されるパルス信号を示している。本図に示すように、クランク角センサSW2からのパルス信号の中には、上述したクランクプレート25の歯欠け部25bに対応して、360°CAごとに生成される無信号部Pが含まれる。つまり、上記歯欠け部25bにおいて省略された歯の数の分だけパルス信号が発生しないために、所定期間にわたって信号のない無信号部Pが生じる。歯欠け部25bにおける歯の省略数は、5もしくはそれ以上になるのが一般的であるから、例えば歯25aのピッチ角度(隣接する歯25aどうしの角度間隔)が6度であるとすれば、少なくともクランク角にして30度以上は無信号部Pが生じることになる。
上記無信号部Pは、2サイクルに1回の頻度で生成される。例えば、1番気筒2A、4番気筒2Dの場合では、当該気筒が圧縮行程または排気行程になったときにのみ、無信号部Pが生成される。
図1に示すように、上記シリンダヘッド4には、動弁用のカムシャフト(図示省略)の角度を検出するためのカム角センサSW3が設けられている。カム角センサSW3は、カムシャフトと一体に回転するシグナルプレートの歯の通過に応じて、気筒判別用のパルス信号を出力する。
すなわち、エンジンの運転中に上記クランク角センサSW2から出力されるパルス信号の中には、上述した歯欠け部25bに対応して、360°CAごとに無信号部(図2のP部)が生成されるが、その情報だけでは、クランク角を知ることはできても、どの気筒が何行程にあるのか(気筒判別)を認識することができない。そこで、720°CAごとに1回転するカムシャフトの回転に基づきカム角センサSW3からパルス信号を出力させ、その信号が出力されるタイミングと、上記クランク角センサSW2の無信号部Pのタイミング(歯欠け部25bの通過タイミング)とに基づいて、気筒判別を行うようにしている。
上記吸気ポート9および排気ポート10には、吸気通路28および排気通路29がそれぞれ接続されている。すなわち、外部からの吸入空気(新気)が上記吸気通路28を通じて燃焼室6に供給されるとともに、燃焼室6で生成された排気ガス(燃焼ガス)が上記排気通路29を通じて外部に排出されるようになっている。
上記吸気通路28のうち、エンジン本体1から所定距離上流側までの範囲は、気筒2A〜2Dごとに分岐した分岐通路部28aとされており、各分岐通路部28aの上流端がそれぞれサージタンク28bに接続されている。このサージタンク28bよりも上流側には、単一の通路からなる共通通路部28cが設けられている。
上記共通通路部28cには、各気筒2A〜2Dに流入する空気量(吸気流量)を調節するための吸気絞り弁30が設けられている。吸気絞り弁30は、エンジンの運転中は基本的に全開もしくはこれに近い高開度に維持されており、エンジンの停止時等の必要時にのみ閉弁されて吸気通路28を遮断するように構成されている。
また、上記吸気絞り弁30とサージタンク28bとの間の共通通路部28cには、吸気流量を検出するためのエアフローセンサSW4が設けられている。
上記クランク軸7には、ベルト等を介してオルタネータ32が連結されている。このオルタネータ32は、図外のフィールドコイルの電流を制御して発電量を調節するレギュレータ回路を内蔵しており、車両の電気負荷やバッテリの残容量等から定められる発電量の目標値(目標発電電流)に基づき、クランク軸7から駆動力を得て発電を行うように構成されている。
上記シリンダブロック3には、エンジンを始動するためのスタータモータ34が設けられている。このスタータモータ34は、モータ本体34aと、モータ本体34aにより回転駆動されるピニオンギア34bとを有している。上記ピニオンギア34bは、クランク軸7の一端部に連結されたリングギア35と離接可能に噛合している。そして、上記スタータモータ34を用いてエンジンを始動する際には、ピニオンギア34bが所定の噛合位置に移動して上記リングギア35と噛合し、ピニオンギア34bの回転力がリングギア35に伝達されることにより、クランク軸7が回転駆動されるようになっている。
(2)制御系
以上のように構成されたエンジンは、その各部がECU(エンジン制御ユニット)50により統括的に制御される。ECU50は、周知のとおり、CPU、ROM、RAM等から構成されるマイクロプロセッサであり、本発明にかかる制御手段として機能するものである。
上記ECU50には、各種センサから種々の情報が入力される。すなわち、ECU50は、エンジンの各部に設けられた上記水温センサSW1、クランク角センサSW2、カム角センサSW3、およびエアフローセンサSW4と電気的に接続されており、これら各センサSW1〜SW4からの入力信号に基づいて、エンジンの冷却水温、クランク角、回転速度、気筒判別情報、吸気流量等の種々の情報を取得する。
また、ECU50には、車両に設けられた各種センサ(SW5〜SW9)からの情報も入力される。すなわち、車両には、運転者により踏み込み操作されるアクセルペダル36の開度を検出するためのアクセル開度センサSW5と、ブレーキペダル37のON/OFF(ブレーキの有無)を検出するためのブレーキセンサSW6と、車両の走行速度(車速)を検出するための車速センサSW7と、バッテリ(図示省略)の残容量を検出するためのバッテリセンサSW8と、車室内の温度を検出するための室温センサSW9とが設けられている。ECU50は、これら各センサSW5〜SW9からの入力信号に基づいて、アクセル開度、ブレーキの有無、車速、バッテリの残容量、車室内温度といった情報を取得する。
上記ECU50は、上記各センサSW1〜SW9からの入力信号に基づいて種々の演算等を実行しつつ、エンジンの各部を制御する。具体的に、ECU50は、上記燃料噴射弁15、吸気絞り弁30、オルタネータ32、およびスタータモータ34と電気的に接続されており、上記演算の結果等に基づいて、これらの機器にそれぞれ駆動用の制御信号を出力する。
上記ECU50が有するより具体的な機能について説明する。ECU50は、例えばエンジンの通常運転時に、運転条件に基づき定められる所要量の燃料を燃料噴射弁15から噴射させたり、車両の電気負荷やバッテリの残容量等に基づき定められる所要発電量をオルタネータ32に発電させる等の基本的な機能を有する他、いわゆるアイドルストップ機能として、予め定められた特定の条件下でエンジンを自動的に停止させ、または再始動させる機能をも有している。このため、ECU50は、エンジンの自動停止または再始動制御に関する機能的要素として、自動停止制御部51および再始動制御部52を有している。
すなわち、上記自動停止制御部51は、エンジンの運転中に、予め定められたエンジンの自動停止条件が成立したか否かを判定し、成立した場合に、エンジンを自動停止させる制御を実行するものである。
また、上記再始動制御部52は、エンジンが自動停止した後、予め定められた再始動条件が成立したか否かを判定し、成立した場合に、エンジンを再始動させる制御を実行するものである。
(3)自動停止制御
次に、上記ECU50の自動停止制御部51により実行されるエンジンの自動停止制御の内容を、図3のフローチャートおよび図4のタイムチャートを用いて説明する。
図3のフローチャートに示す処理がスタートすると、自動停止制御部51は、各種センサ値を読み込む制御を実行する(ステップS1)。具体的には、水温センサSW1、クランク角センサSW2、カム角センサSW3、エアフローセンサSW4、アクセル開度センサSW5、ブレーキセンサSW6、車速センサSW7、バッテリセンサSW8、および室温センサSW9からそれぞれの検出信号を読み込み、これらの信号に基づいて、エンジンの冷却水温、クランク角、回転速度、気筒判別情報、吸気流量、アクセル開度、ブレーキの有無、車速、バッテリの残容量、車室内温度等の各種情報を取得する。
次いで、自動停止制御部51は、上記ステップS1で取得された情報に基づいて、エンジンの自動停止条件が成立しているか否かを判定する(ステップS2)。例えば、車両が停止状態にあること、アクセルペダル36の開度がゼロであること(アクセルOFF)、ブレーキペダル37が所定の踏力以上で踏み込まれていること(ブレーキON)、エンジンの冷却水温が所定の基準温度以上であること、バッテリの残容量が所定値以上であること、エアコンの負荷(車室内温度とエアコンの設定温度との差)が比較的少ないこと、等の複数の要件が全て揃ったときに、自動停止条件が成立したと判定する。なお、車両が停止状態にあるという要件については、必ずしも完全停止(車速=0km/h)を必須とする必要はなく、所定の低車速以下(例えば3km/以下)になったときに車両が停止状態にあると判定してもよい。また、エンジンの冷却水温の下限値である上記基準温度としては、エンジンが充分に暖機されたといえる目安の温度である80℃よりもかなり低い値(例えば30℃)に設定される。すなわち、当実施形態において、エンジンの自動停止は、エンジンが暖機状態にあるときだけでなく、これよりも冷却水温が低い半暖機状態にある場合にも実行されるようになっている。
上記ステップS2でYESと判定されて自動停止条件が成立したことが確認された場合、自動停止制御部51は、吸気絞り弁30の開度を、アイドル運転時に設定される通常時の開度(例えば80%)から、全閉(0%)まで低下させる制御を実行する(ステップS3)。なお、図4のタイムチャートでは、自動停止条件が成立した時点をt1、その後吸気絞り弁30の開度を低下させ始める時点をt2としている。
次いで、自動停止制御部51は、燃料噴射弁15からの燃料の供給を停止する燃料カットを実行する(ステップS4)。すなわち、吸気絞り弁30を全閉(0%)にした後、各気筒2A〜2Dの燃料噴射弁15から噴射すべき燃料の量である目標噴射量をゼロに設定し、全ての燃料噴射弁15からの燃料噴射を停止することにより、燃料カットを実行する。なお、図4のタイムチャートでは、吸気絞り弁30が全閉になった時点をわずかに過ぎた時点t3で、燃料カットが実行されている。
上記燃料カットを実行した後は、図4の時点t3以降におけるエンジン回転速度の波形に示すように、エンジンは一時的に惰性で回転する。具体的に、エンジン回転速度は、4つの気筒2A〜2Dのいずれかが圧縮上死点(圧縮行程と膨張行程の間の上死点)を迎える度に一時的に落ち込み、圧縮上死点を越えた後に再び上昇するというアップダウンを繰り返しながら徐々に低下していく。
図4の時点t4は、エンジンがその停止動作中に最後に迎える上死点である最終TDCのタイミングを示している。この最終TDCを超えた後、エンジンは、一度も上死点を超えることなく(一時的にはピストンの揺れ戻しにより逆回転もしながら)、時点t5において最終的に完全停止に至る。なお、図4において、エンジン停止時の各気筒2A〜2Dのサイクル(最終TDCの時点t4以降の気筒サイクル)は、1番気筒2Aが圧縮行程、3番気筒2Cが吸気行程、4番気筒2Dが排気行程、2番気筒2Bが膨張行程となっている。
上記ステップS4で燃料カットを実行した後、自動停止制御部51は、エンジンの回転速度が0rpmであるか否か、つまりエンジンが完全停止したか否かを判定する(ステップS5)。そして、ここでYESと判定されてエンジンが完全停止していることが確認された場合に、自動停止制御部51は、吸気絞り弁30の開度を通常時の開度(例えば80%)に戻した上で(ステップS6)、自動停止制御を終了する。
図5は、図4のタイムチャートにおけるエンジン回転速度およびクランク角の波形を部分的に拡大して示すとともに、圧縮行程となる気筒の番号(圧縮行程気筒No.)の変化を示す図である。なお、図4では、最終的に圧縮行程で停止する気筒が1番気筒2Aであったので、図5において、最終TDCを迎える時点t4以降の圧縮行程気筒No.は、「1」(1番気筒2A)となる。また、最終TDC(時点t4)以前の圧縮行程気筒No.については、最終TDCの1つ前の上死点から最終TDCまでが「2」(2番気筒2B)、最終TDCの2つ前から1つ前の上死点までが「4」(4番気筒2D)、最終TDCの3つ前から2つ前の上死点までが「3」(3番気筒2C)となる。
図5に示すように、1番気筒2Aが圧縮行程となる時点t4以降のクランク角の波形(つまりクランク角センサSW2による検出角度)には、破線で丸く囲って示すように、クランク角が大きくジャンプする部分が生じる。また、時点t4より前に遡ると、同様の現象は、1サイクル飛ばして遡るごとに(つまり2サイクルに1回)見られることが分かる。これは、クランクプレート25の歯欠け部25bに対応したものである。
すなわち、先に図2を用いて説明したように、クランク角センサSW2からのパルス信号の中には、クランクプレート25の歯欠け部25bに対応して、360°CAごとに無信号部Pが生じる。この無信号部Pは、1番気筒2Aまたは4番気筒2Dが圧縮行程にあるときに生成されるので、これに対応して、図5においては、時点t4以降の最後のサイクルと、そのサイクルの2つ前、4つ前‥‥の各サイクルに、クランク角のジャンプ現象(破線で丸く囲んだ部分)が見られる。なお、このジャンプ現象を示す部分以外の細かな段差は、クランクプレート25に形成された歯25aのピッチ角度(隣接する歯25aどうしの角度間隔)に起因するものである。つまり、歯25aのピッチ角度がαであるとすれば、クランク角センサSW2からはこのピッチ角度αごとにパルス信号が出力されるため(図2参照)、クランク角センサSW2による検出角度も、上記ピッチ角度αごとに段階的に認識されることになる。
ここで、上記無信号部Pに起因したクランク角のジャンプ現象が見られるクランク角の範囲を無信号角度範囲Hとし、その上限および下限の角度をそれぞれV2、V1とする。図5の例では、見かけ上は、停止時に圧縮行程にある1番気筒2Aのピストン5が、角度V1の位置で停止したことになっている。しかしながら、角度V1〜V2(無信号角度範囲H)ではクランク角センサSW2からのパルス信号が得られず、正確なクランク角を認識できない。このため、実際には、上記気筒2Aのピストン5は、角度V1に限らず、角度V1〜V2の間のいずれかの位置で停止している可能性がある(破線で示すWの波形参照)。なお、当実施形態において、無信号角度範囲Hは、圧縮行程の前半であって、後述する基準停止位置Xと重複しない位置に設定される。
圧縮行程で停止した気筒(以下、停止時圧縮行程気筒という)の正確なピストン停止位置が分からないという上記のような問題は、停止時圧縮行程気筒が4番気筒2Dであった場合にも、同様に発生する。これは、図2に示した無信号部Pが、1番気筒2Aだけでなく、4番気筒2Dが圧縮行程であるときにも生成されるからである。
一方、停止時圧縮行程気筒が2番気筒2Bまたは3番気筒2Cであれば、上記のような問題は生じない。これは、図2に示したように、2番気筒2Bまたは3番気筒2Cが圧縮行程であるときには、無信号部Pが生じないからである。
図6は、停止時圧縮行程気筒が3番気筒2Cであった場合の図5相当図である。本図において、3番気筒2Cのピストン停止位置(クランク角)は角度V1となっているが、このことは、実際のピストン停止位置も角度V1であることを意味する。つまり、停止時圧縮行程気筒が3番気筒2Cである場合は(2番気筒2Bでも同様)、クランク角センサSW2からのパルス信号が圧縮行程中の全角度範囲において得られるため、図5に示したような無信号角度範囲Hの影響はなく、正確なピストン停止位置を知ることができる。もちろん、より厳密には、クランクプレート25における歯25aのピッチ角度αの存在により段階的にしかクランク角を認識できないが、それでも、上記無信号角度範囲H(歯25aが複数枚省略された歯欠け部25bに対応する範囲)にわたってクランク角を認識できない図5のケースに比べれば、その影響は微小である。
以上のように、当実施形態において、1番気筒2Aまたは4番気筒2Dが圧縮行程で停止した場合には、クランク角の検出角度が大きくジャンプしてしまう上記無信号角度範囲Hの存在により、正確なピストン停止位置を認識できないという事態が生じ得る。つまり、1番気筒2Aまたは4番気筒2Dのピストン5が無信号角度範囲Hの中のいずれかの位置で停止したとしても、無信号角度範囲Hの境界である角度V1で停止したとしか認識できず、正確なピストン停止位置を認識することができない。
このような特定の気筒(1番気筒2Aまたは4番気筒2D)のピストン停止位置が正確に認識できない可能性があるという問題は、エンジンの再始動時に考慮する必要があるが、その対策の具体的内容は、次の「(4)再始動制御」の中で説明する。
(4)再始動制御
次に、上記ECU50の再始動制御部52により実行されるエンジンの再始動制御の具体的内容について、図7のフローチャートを用いて説明する。このフローチャートに示す処理がスタートすると、再始動制御部52は、各種センサ値を読み込み(ステップS11)、その値に基づいて、エンジンの再始動条件が成立しているか否かを判定する(ステップS12)。例えば、ブレーキペダル37がリリースされたこと、アクセルペダル36が踏み込まれたこと、エンジンの冷却水温が上記基準温度(例えば30℃)未満になったこと、バッテリの残容量の低下量が許容値を超えたこと、エンジンの停止時間(自動停止後の経過時間)が上限時間を越えたこと、エアコン作動の必要性が生じたこと(つまり車室内温度とエアコンの設定温度との差が許容値を超えたこと)等の要件の少なくとも1つが成立したときに、再始動条件が成立したと判定する。
上記ステップS12でYESと判定されて再始動条件が成立したことが確認された場合、上記再始動制御部52は、図9に示される基準停止位置Xを決定する制御を実行する(ステップS13)。ここで、基準停止位置Xは、エンジンの再始動を、後述する1圧縮始動または2圧縮始動のいずれで行うかを判断するための基準となるものであり、上記水温センサSW1により検出されるエンジンの冷却水温に応じて(つまり暖機の進行度合いに応じて)可変的に設定される。具体的には、エンジンの冷却水温が高いほど基準停止位置Xが上死点側に設定され、冷却水温が低いほど基準停止位置Xが下死点側に設定される。
次いで、再始動制御部52は、上述したエンジンの自動停止制御に伴い圧縮行程で停止した停止時圧縮行程気筒(図4では1番気筒2A)のピストン停止位置を、クランク角センサSW2に基づき特定し、その特定したピストン停止位置が、ステップS13で決定した上記基準停止位置Xよりも下死点側、つまり図9に示す特定範囲Yにあるか否かを判定する(ステップS14)。
上記ステップS14でNOと判定されて停止時圧縮行程気筒のピストン5が特定範囲Yよりも上死点側で停止していたことが確認された場合、再始動制御部52は、吸気行程で停止していた停止時吸気行程気筒(図4では3番気筒2C)に最初の燃料を噴射する2圧縮始動によってエンジンを再始動させる制御を実行する(ステップS16)。すなわち、停止時圧縮行程気筒のピストン5が上死点を迎える1圧縮目を過ぎて、次に停止時吸気行程気筒が圧縮行程を迎えるまで、燃料を噴射することなく、スタータモータ34の駆動のみによってエンジンを強制的に回転させる。そして、その時点で燃料噴射弁15から停止時吸気行程気筒に燃料を噴射し、噴射した燃料を自着火させることにより、エンジン全体として2回目の圧縮上死点を迎える2圧縮目から燃焼を再開させ、エンジンを再始動させる。
一方、上記ステップS14でYESと判定されて停止時圧縮行程気筒のピストン停止位置が基準停止位置Xよりも下死点側(特定範囲Y)にあることが確認された場合、再始動制御部52は、停止時圧縮行程気筒(図4では1番気筒2A)に最初の燃料を噴射する1圧縮始動によってエンジンを再始動させる制御を実行する(ステップS15)。すなわち、スタータモータ34を駆動してクランク軸7に回転力を付与しつつ、燃料噴射弁15から停止時圧縮行程気筒に燃料を噴射して自着火させることにより、エンジン全体として最初の圧縮上死点を迎える1圧縮目から燃焼を再開させて、エンジンを再始動させる。
上記ステップS15のような1圧縮始動によるエンジン再始動が可能なのは、停止時圧縮行程気筒のピストン停止位置が相対的に下死点寄りの特定範囲Yに存在していれば、ピストン5による圧縮代(上死点までのストローク量)が多く、エンジン再始動時のピストン5の上昇に伴って当該気筒内の空気が十分に圧縮されて高温・高圧化するからである。1圧縮始動によるエンジン再始動では、停止時吸気行程気筒が圧縮上死点を迎える2圧縮目まで燃焼が再開されない2圧縮始動(ステップS14)のときと比べて、エンジンの再始動に要する時間、つまり、スタータモータ34の駆動開始時点からエンジンの完爆(例えば回転速度が750rpmに達する状態)までの時間が短く済み、より迅速にエンジンを再始動することができる。
以上のように、当実施形態では、停止時圧縮行程気筒のピストン5が基準停止位置Xよりも下死点側で停止しているか否かに応じて、1圧縮始動(S15)と2圧縮始動(S16)とが使い分けられる。これら1圧縮始動と2圧縮始動との境目となるピストン停止位置である上記基準停止位置X(図9)は、上述したように、エンジンの冷却水温に応じて可変的に設定されるが、当実施形態では、いずれの場合の基準停止位置Xも、上述した無信号角度範囲Hよりも上死点側(もしくは、少なくとも無信号角度範囲Hの上限角度V2と同一)となるように、基準停止位置Xの可変範囲が設定されている。
図10は、1番気筒2Aまたは4番気筒2Dが圧縮行程にあるときに生じる無信号角度範囲Hと、基準停止位置Xがとり得る範囲(つまりエンジンの冷却水温に応じて変化する基準停止位置Xの可変範囲)Rxとの位置関係を例示する図である。本図に示すように、基準停止位置Xの可変範囲Rxは、上記無信号角度範囲Hと重複しない位置に設定されている。具体的に、当実施形態では、基準停止位置Xの可変範囲Rxにおける最も下死点側の位置(下限角度)が、無信号角度範囲Hの上限角度と同じV2に設定され、基準停止位置Xの可変範囲Rxにおける最も上死点側の位置(上限角度)が、上記角度V2よりも上死点側にずれたV3に設定されている。
具体的な数値を用いて好適例を説明する。無信号角度範囲Hは、気筒2A,2Dの圧縮行程中において下死点後(ABDC)42〜72°CAの区間に生じ得る。このとき、基準停止位置Xの可変範囲Rxは、例えばABDC72〜102°CAに設定することが可能である。すなわち、当該例において、無信号角度範囲Hの下限角度V1、無信号角度範囲Hの上限角度(=基準停止位置Xの可変範囲Rxの下限角度)V2、基準停止位置Xの可変範囲Rxの上限角度V3は、それぞれ、ABDC42、72、102°CAとなる。
なお、上記の例のように、基準停止位置Xの可変範囲RxをABDC72〜102°CAとした場合、基準停止位置Xは、冷却水温に応じて次のように設定される。すなわち、基準停止位置Xは、エンジンの自動停止が可能な下限の温度である基準温度(例えば30℃)まで冷却水温が低下している状態では、ABDC72°CA(=下限角度V2)に設定され、冷却水温が上昇するほど上死点側へと変化し、冷却水温が充分に上昇している状態(例えば80℃以上になった状態)では、ABDC102°CA(=上限角度V3)に設定される。
次に、上記ステップS15で1圧縮始動を行う際にどのような態様で燃料が噴射されるかについて説明する。1圧縮始動を行う際には、基本的に、停止時圧縮行程気筒への最初の燃料噴射(1圧縮目の燃料噴射)として、当該気筒に存在する空気量に見合った適宜の量の燃料が噴射される。このとき、停止時圧縮行程気筒への噴射燃料を1回で完了させることも考えられるが、当実施形態では、複数回に分けて燃料を噴射する。具体的には、圧縮上死点付近もしくはそれ以降に噴射されるメイン噴射に加えて、このメイン噴射よりも前の予備的な噴射であるプレ噴射を行う。プレ噴射は、圧縮上死点前よりも前であって、かつ噴射した燃料がピストン5冠面のキャビティ5aに収まるようなクランク角範囲内で、少なくとも1回以上実行される。
上記プレ噴射により噴射された燃料は、メイン噴射に基づき主に圧縮上死点以降に生じる拡散燃焼(以下、この燃焼を「メイン燃焼」という)を確実に引き起こすために利用される。すなわち、メイン噴射よりも早い段階で、プレ噴射によって少量の燃料を噴射し、その噴射した燃料を所定の着火遅れの後に燃焼させることにより(以下、この燃焼を「プレ燃焼」という)、筒内温度・圧力を上昇させて、その後に続くメイン燃焼を促進する。
上記のようなプレ噴射を停止時圧縮行程気筒に対し実行すれば、圧縮上死点付近での筒内温度・圧力を故意に高めることができるので、停止時圧縮行程気筒のピストン停止位置が少々上死点側に近づいても、確実に1圧縮始動によりエンジンを再始動させることができるようになる。上記特定範囲Yの境界である基準停止位置Xは、このようなプレ噴射による着火性の改善を加味して設定されたものである。つまり、プレ噴射がなかった場合には、上記基準停止位置Xは、図10の例よりも下死点側に設定せざるを得ないが、プレ噴射によって着火性を改善することで、基準停止位置Xをより上死点側に設定することが可能になり、その結果、基準停止位置Xを、例えばABDC72〜102°CAといった、下死点からかなり離れた位置に設定することが可能となる。これにより、特定範囲Yが上死点側に拡大するので、停止時圧縮行程気筒のピストン5がより高い頻度で上記特定範囲Yに収まることとなり、1圧縮始動による迅速な再始動を行える機会が増える。特に、当実施形態では、エンジン本体1の幾何学的圧縮比が14とかなり低く、燃料の着火性を確保しにくい状況にあるため、上記プレ噴射により始動時の着火性を改善することが、1圧縮始動の機会を増やす上で特に有効である。
図12は、上記ステップS15で行われる1圧縮始動のときの燃料噴射の態様を示す図である。ここでは、一例として、プレ噴射を3回実行している。具体的には、ABDC162〜170°CAの間に、プレ噴射として1回あたり2mm3の燃料を3回噴射し(下段の波形Ip)、その後、メイン噴射として、プレ噴射よりも多くの(少なくともプレ噴射1回分よりは多くの)燃料を圧縮上死点(ABDC180°CA)で噴射している(下段の波形Im)。また、図12の上段に示す波形(Bp,Bm)は、このような燃料噴射に伴い生じる燃焼の様子を熱発生率の変化として図示したものである。
図12に示すように、3回のプレ噴射(Ip)が実行されると、最後のプレ噴射の完了後、所定の着火遅れ時間が経過してから、プレ噴射された燃料の自着火によるプレ燃焼(Bp)が起きる。このプレ燃焼(Bp)は、圧縮上死点(ABDC180°CA)よりも前に生じ、その後熱発生率のピークを迎えてからいったん収束しかけるが、圧縮上死点付近からメイン噴射(Im)が開始されることで、そのメイン噴射された燃料の自着火によるメイン燃焼(Bm)が、引き続いて発生する。このメイン燃焼(Bm)は、プレ燃焼(Bp)によって筒内が高温・高圧化された状態で実行されるメイン噴射(Im)に基づき、ごく短い着火遅れの後に燃焼を開始する(拡散燃焼)。
なお、図12には、1圧縮始動のときに行われる1圧縮目の燃料噴射(停止時圧縮行程気筒への燃料噴射)の態様を示したが、上記停止時圧縮行程気筒よりも後に圧縮行程を迎える気筒(図4では3番気筒2Cおよび4番気筒2D)についても、必要に応じて、図12と同様の、プレ噴射およびメイン噴射に基づく燃焼制御を実行してもよい。エンジン再始動時に最も着火性が厳しいのは、エンジン全体として最初の圧縮上死点を迎える1圧縮目であるが、少なくとも2圧縮目や3圧縮目についても、着火性の改善は充分ではないと考えられるからである。
また、上記のようなプレ噴射およびメイン噴射に基づく燃焼制御は、1圧縮目から燃料噴射による燃焼を再開する1圧縮始動のときだけでなく、2圧縮目から燃料噴射による燃焼を再開する2圧縮始動によってエンジンを始動する際にも、同様に行うことが望ましい。
ここで、当実施形態において、停止時圧縮行程気筒が特定の気筒(1番気筒2Aまたは4番気筒2D)であった場合には、上述したとおり、その気筒のピストン停止位置を正確に把握できないケースが生じ得る。このため、1圧縮始動によってエンジンを再始動させる際には、停止時圧縮行程気筒が何番気筒であるかに応じて、最初に噴射する燃料の量の決定の仕方を変更する必要がある。この点について、1圧縮始動の具体的な制御手順を示した図8のフローチャートを用いて詳しく説明する。
図8のフローチャートに示す処理がスタートすると、再始動制御部52は、エンジンの自動停止制御に伴い圧縮行程で停止した気筒(停止時圧縮行程気筒)が、1番気筒2Aおよび4番気筒2Dのいずれかであるのか、またはそれ以外の気筒であるのかを判定する(ステップS21)。そして、ここでYESと判定された場合(つまり1番気筒2Aまたは4番気筒2Dが停止時圧縮行程気筒である場合)、再始動制御部52は、クランク角センサSW2により検出される停止時圧縮行程気筒のピストン停止位置(クランク角)が、図5に示した角度V1であるか否かを判定する(ステップS22)。
上記ステップS21およびS22のいずれかでNOと判定された場合、つまり、停止時圧縮行程気筒が2番気筒2Bまたは3番気筒2Cであるか、もしくは、停止時圧縮行程気筒の検出クランク角が角度V1でない場合には、停止時圧縮行程気筒に噴射する最初の燃料の噴射量として、予め記憶された所定のマップから、ピストン停止位置に応じた噴射量を読み出す制御を実行する(ステップS24)。
図11は、停止時圧縮行程気筒への燃料噴射量を決定するために用いられるマップの一例を示している。本図に示すように、停止時圧縮行程気筒への噴射量(プレ噴射量およびメイン噴射量のトータルの噴射量)は、当該気筒のピストン停止位置が上死点(TDC)側にあるほど少なく設定される。なお、停止時圧縮行程気筒が圧縮上死点を迎える1圧縮目から燃料を噴射して燃焼させる1圧縮始動は、当該気筒のピストン停止位置が基準停止位置Xよりも下死点側にあるときにしか実行されないので、図11に示す噴射量のデータは、下死点(BDC)から基準停止位置Xまでの間にしか設定されていない。そして、このようなマップデータに基づき、停止時圧縮行程気筒への噴射量は、基準停止位置Xに近づくほど少なく設定され、基準停止位置Xから下死点側に離れるほど多く設定されることになる。
上記のような態様で燃料の噴射量が設定されるのは、ピストン停止位置が上死点(もしくは基準停止位置X)に近いほど、停止時圧縮行程気筒の内部に存在する空気の量が少なくなるからである。すなわち、停止時圧縮行程気筒では、エンジンが完全停止した直後から、筒内の圧縮空気がピストン5とシリンダー壁面との隙間から外部に漏れ出ていくため、最終的には、筒内の圧力が大気圧になるまで筒内の空気が減少する可能性がある。そこで、このようなエンジン停止後の空気の漏れを見越して、ピストン停止位置が上死点にあるほど停止時圧縮行程気筒の空気量が少ないものとみなし、それに見合った燃料の噴射量を設定するようにしている。
また、図11では、噴射量が細かく段階的に設定されているが、これは、クランクプレート25の歯25aのピッチ角度に対応したものである。例えば、ピッチ角度が6度であるとすると、ピストン停止位置は6度刻みでしか認識できないため、これに対応して、噴射量も6度刻みで段階的に設定されている。
また、図11のマップでは、停止時圧縮行程気筒への噴射量(メイン噴射およびプレ噴射のトータルの噴射量)だけでなく、プレ噴射の回数についても、ピストン停止位置に応じて可変的に設定される。具体的に、プレ噴射の回数は、ピストン停止位置が上死点(もしくは基準停止位置X)に近いほど多く設定され、下死点に近いほど少なく設定される。例えば、最も上死点に近いケースで3回、最も下死点に近いケースで1回に設定される。
上記図11のマップに基づいて停止時圧縮行程気筒への燃料噴射量およびプレ噴射の回数が決定されると、再始動制御部52は、決定された噴射量およびプレ噴射の回数に則って、停止時圧縮行程気筒に燃料を噴射する制御を実行する(ステップS25)。例えば、図11のマップから、噴射量(トータル噴射量)が25mm3でプレ噴射の回数が3回であると決定され、かつプレ噴射1回あたりの噴射量が2mm3であると予め決まっていた場合、上記ステップS25での制御では、1回あたり2mm3の量のプレ噴射が3回実行されるとともに、25−2×3=19mm3の量のメイン噴射が実行されることになる。
次に、上記ステップS22でYESと判定された場合、つまり、停止時圧縮行程気筒が1番気筒2Aまたは4番気筒2Dであり、かつ当該気筒の検出クランク角が角度V1である場合について説明する。この場合において、図11のマップをそのまま使用したとすると、停止時圧縮行程気筒(2Aまたは2D)への燃料噴射量は、角度V1に対応する噴射量Q1、より正確には角度V1〜(V1+α)の区間に対応する噴射量Q1に設定されることになる。しかしながら、検出クランク角が角度V1である場合は、図5において破線の波形Wで示したように、実際のピストン5の停止位置(クランク角)が、角度V1ではなく、角度V1〜V2(無信号角度範囲H)のうちのいずれかである可能性がある。このため、仮に噴射量をQ1に設定したとすると、実際のピストン停止位置が角度V1+αよりも上死点側であったときに、実際の空気量に対し過剰な燃料が供給されることとなり、混合気がオーバーリッチになるおそれがある。そうすると、燃焼により生じるHCの量が増大し、始動時のエミッション性を損なうことにつながる。
このような事態を回避するべく、次のステップS23では、上記角度V1ではなく、これよりも上死点寄りの角度(V2−α)〜V2の区間に対応する噴射量(したがって角度V1のときよりも少ない噴射量)が、停止時圧縮行程気筒への噴射量として設定される。すなわち、再始動制御部52は、図11に破線で示すように、無信号角度範囲Hの上限角度(上死点側の限界値)であるV2から当該角度よりもピッチ角度αだけ戻った区間、つまり角度(V2−α)〜V2の区間に対応する噴射量Q2を、上記停止時圧縮行程気筒への噴射量として読み出す。また、プレ噴射の回数についても、ピストン停止位置(クランク角)が上記区間(V2−α)〜V2であるときの回数を読み出す。そして、このようにして決定された噴射量およびプレ噴射の回数に則って、停止時圧縮行程気筒に燃料を噴射する制御を実行する(ステップS25)。
(5)作用効果等
以上説明したように、当実施形態では、所定の条件下で自動的にエンジンを停止させたり再始動させたりする、いわゆるアイドルストップ機能を有したディーゼルエンジンにおいて、次のような特徴的な構成を採用した。
エンジンの自動停止後、再始動条件が成立すると、ECU(エンジン制御ユニット)50の再始動制御部52は、クランク角センサSW2の検出信号に基づいて、圧縮行程で停止していた停止時圧縮行程気筒のピストン5が所定の基準停止位置Xよりも下死点側(特定範囲Y)にあるか否かを調べる。そして、停止時圧縮行程気筒のピストン停止位置が基準停止位置Xよりも下死点側にある場合には、上記停止時圧縮行程気筒に最初の燃料を噴射する1圧縮始動によってエンジンを再始動させる一方、そうでない場合(特定範囲Yよりも上死点側でピストン5が停止していた場合)には、吸気行程で停止していた停止時吸気行程気筒に最初の燃料を噴射する2圧縮始動によってエンジンを再始動させる。
上記1圧縮始動か2圧縮始動かの境目となる上記基準停止位置Xは、エンジンの暖機の進行度合い(より具体的には冷却水温の値)に応じて可変的に設定されるが、その可変範囲Rx(図10の角度V2〜V3)は、特定の気筒(1番気筒2Aまたは4番気筒2D)が圧縮行程にあるときにクランクプレート25の歯欠け部25bに対応して生じる無信号角度範囲H(角度V1〜V2)と重複しないように設定される。
上記の構成によれば、1圧縮始動が可能なピストン停止位置範囲の境界である基準停止位置Xを、エンジンの暖機の進行度合いによって可変的に設定しつつ、1圧縮始動が可能か否かを常に正確に判断できるという利点がある。
すなわち、上記実施形態では、1圧縮始動が可能か否かを判断するための基準停止位置Xがエンジンの暖機の進行度合い(エンジンの冷却水温の値)に応じて可変的に設定されるため、例えば暖機が進行して着火性が改善されるほど基準停止位置Xを上死点側に変更することにより、1圧縮始動が可能なピストン停止位置範囲(特定範囲Y)を柔軟に変化させて適切なエンジン再始動を図ることができる。また、暖機の進行度合いに応じて変化する上記基準停止位置Xの可変範囲Rxが、クランクプレート25の歯欠け部25bに対応した無信号角度範囲Hと重複しないため、停止時圧縮行程気筒のピストン停止位置が基準停止位置Xよりも下死点側にあるか上死点側にあるかを、暖機の進行度合いにかかわらず正確に検出することができ、その結果に基づいて、1圧縮始動と2圧縮始動とを適切に使い分けることができる。
例えば、基準停止位置Xの可変範囲Rxと無信号角度範囲Hとが重複していると仮定すると、その重複範囲でピストンが停止したときには、正確なピストン位置が分からないため、本来は1圧縮始動が可能なケースでも、2圧縮始動を選択せざるを得なくなるケースが想定される。これに対し、上記実施形態では、このような事態が生じ得ないので、1圧縮始動が可能か否かを常に正確に判断することができる。
特に、上記実施形態では、エンジンの自動停止が許可される冷却水温の下限値である基準温度が、暖機が充分に進行したといえる目安の温度である80℃よりも低い値(例えば30℃)に設定されるため、エンジンの暖機があまり進んでいない状態でもエンジンが自動停止されることになり、自動停止の機会が増える。この場合、1圧縮始動が可能か否かを判断するための基準停止位置Xは、エンジンの暖機の進行度合いに応じて幅広く変化し得るが、上記実施形態のように、基準停止位置Xの可変範囲Rxと無信号角度範囲Hとが互いに重複しないようになっていれば、基準停止位置Xが幅広く変動するにもかかわらず、基準停止位置Xよりも上死点側または下死点側のいずれにピストン5が停止したかを正確に検出することができる。したがって、自動停止の基準温度を80℃よりも低くした上記実施形態によれば、エンジンの自動停止の機会を増やしてさらなる燃費の向上を図りつつ、1圧縮始動が可能か否かを常に正確に判断することができる。
また、上記実施形態では、例えば図12に示したように、1圧縮始動時の停止時圧縮行程気筒への燃料噴射として、圧縮上死点を過ぎてから熱発生率のピークを迎えるようなメイン燃焼(Bm)を起こさせるメイン噴射(Im)と、このメイン噴射の開始よりも前に熱発生率のピークを迎えるようなプレ燃焼(Bp)を起こさせるプレ噴射(Ip)とが実行される。このような構成によれば、1圧縮始動時の着火性をより改善して、エンジン始動の迅速化をさらに促進することができる。
すなわち、プレ噴射された少量の燃料は、所定の着火遅れの後に自着火により燃焼し(プレ燃焼)、停止時圧縮行程気筒の筒内温度・圧力を上昇させるため、それに引き続いてメイン噴射が実行されたときには、噴射された燃料がほどなく自着火により燃焼する(メイン燃焼)。このように、メイン噴射された燃料の着火性が、それ以前のプレ噴射(プレ燃焼)によって改善されるため、停止時圧縮行程気筒での圧縮代(上死点までのストローク量)がそれほど多くなくても、停止時圧縮行程気筒での燃焼は確実に行われる。この結果、1圧縮始動が可能なピストン停止位置範囲(特定範囲Y)をより上死点側に拡大することができ、エンジン始動の迅速化を促進することができる。
また、上記実施形態では、図11に示したように、1圧縮始動のときに上記停止時圧縮行程気筒に対し行われるプレ噴射の回数が、当該気筒のピストン停止位置が上死点に近いほど多く設定される。このような構成によれば、停止時圧縮行程のピストン5が上死点に近いために圧縮上死点付近での筒内温度・圧力の上昇がそれほど期待できない状況でも、噴射した燃料を確実に燃焼させることができる。すなわち、ピストン停止位置が上死点に近いほどプレ噴射の回数が増やされることで、プレ噴射1回あたりの噴射量が少なくなり、噴霧のペネトレーションが抑制される。これにより、着火し易いリッチな混合気が筒内(キャビティ5aの内部)に形成されるため、着火性を効果的に改善することができ、1圧縮始動の機会をより増やすことができる。
また、上記実施形態では、1圧縮始動によるエンジン再始動の際に、停止時圧縮行程気筒に噴射される燃料の量は、基本的に、当該気筒のピストン5が上死点(もしくは基準停止位置X)に近い位置で停止しているほど少なく設定される。ただし、上記ピストン5が、クランクプレート25の歯欠け部25bに対応する無信号角度範囲H(角度V1〜V2)で停止していると予想される場合、つまり、停止時圧縮行程気筒が1番気筒2Aまたは4番気筒2Dであり、かつ、クランク角センサSW2に基づくピストン5の検出位置が角度V1である場合には、図11に破線で示したように、上記停止時圧縮行程気筒(2Aまたは2D)への噴射量が、無信号角度範囲Hにおける最も上死点側の位置(より正確には角度V2−α〜V2の区間)に対応する噴射量Q2に設定される。このような構成によれば、過剰な燃料が供給されるのを防止して、再始動時のエミッション性を良好に確保することができる。
すなわち、停止時圧縮行程気筒(2Aまたは2D)のピストン5が無信号角度範囲Hで停止していた場合には、ピストン5の停止位置をクランク角センサSW2によって正確に知ることができないため、図5において破線の波形Wで示したように、上記ピストン5の実際の停止位置が、クランク角センサSW2に基づく検出位置よりも上死点側にずれている可能性がある。このような問題に対し、上記実施形態では、停止時圧縮行程気筒(2Aまたは2D)のピストン5が上記無信号角度範囲Hで停止していると予想される場合に、上記無信号角度範囲Hにおける最も上死点側の位置(角度V2−α〜V2の区間)対応する最小限の噴射量Q2に一律に設定されるため、筒内に残存している空気の量に対して過剰な燃料が供給される(つまり混合気がオーバーリッチになる)ことが確実に防止される。これにより、燃焼により生じるHCの量を抑制でき、再始動時の低エミッション化をより確実に図ることができる。
なお、上記実施形態では、図10に示したように、1番気筒2Aまたは4番気筒2Dが圧縮行程にあるときに生じる無信号角度範囲Hが、暖機の進行度合いに応じて変化する基準停止位置Xの可変範囲Rxに対し下死点側にずれるように、クランクプレート25の歯欠け部25bの位置を設定したが、上記無信号角度範囲Hは、基準停止位置Xの可変範囲Rxと重複しない位置に存在していればよく、当該可変範囲Rxに対し上死点側にずれた位置、つまり図10の角度範囲Zのいずれかに設定されていてもよい。しかしながら、このような角度範囲Zの中に無信号角度範囲Hを設定した場合には、少なくとも1圧縮始動の際に停止時圧縮気筒に対し行われるプレ噴射Ipおよびメイン噴射Imを含む燃料噴射を正確に制御できないおそれがある。すなわち、相対的に上死点に近い上記角度範囲Z内に無信号角度範囲Hが存在すると、圧縮上死点よりも前に実行されるプレ噴射Ipのタイミングと無信号角度範囲Hとが重なり、プレ噴射のタイミングを正確に決定することができなくなるおそれがある。このような事態を確実に避けるためには、やはり上記実施形態のように、無信号角度範囲Hを、基準停止位置Xの可変範囲Rxに対し下死点側にずらすことが望ましい。
また、上記実施形態では、無信号角度範囲Hにおける最も上死点側の位置(上限角度)と、基準停止位置Xの可変範囲Rxにおける最も下死点側の位置(下限角度)とが、ともに角度V2で同一であり、基準停止位置Xの可変範囲Rxと無信号角度範囲Hとが連続するものとしたが、当然ながら、無信号角度範囲Hの上限角度と可変範囲Rxとは互いに離れていてもよい。
また、上記実施形態では、エンジンの自動停止条件または再始動条件の成立を、アクセルペダル36やブレーキペダル37の操作に関する要件を含めて判断するようにしたが、これは、主に自動変速機を搭載したAT車を念頭に入れたものである。一方、AT車でない場合、つまり、手動変速機を搭載したMT車である場合は、上記とは異なる要件を採用することができる。例えば、自動停止条件に関しては、アクセルOFFかつブレーキONという要件に代えて、手動変速機の変速段がニュートラルであり、かつクラッチペダルがリリースされていること、という要件を設定することができる。また、再始動条件に関しては、アクセルONまたはブレーキOFFという要件に代えて、クラッチペダルが踏み込まれていること、という要件を設定することができる。
また、上記実施形態では、幾何学的圧縮比が14のエンジン本体1を備えたディーゼルエンジンを例に挙げて本発明の好ましい形態を説明したが、当然ながら、本発明の構成を適用可能なエンジンは、幾何学的圧縮比が14のものに限られない。エミッション性や着火性の確保等の観点からすれば、本発明を好適に適用可能なディーゼルエンジンは、幾何学的圧縮比が12以上16未満のディーゼルエンジンであり、より好ましくは、幾何学的圧縮比が13以上15以下のディーゼルエンジンである。
また、本発明は、圧縮自己着火式のエンジンであれば、上記実施形態のようなディーゼルエンジン(軽油を自着火により燃焼させるエンジン)に限らず適用可能である。例えば、最近では、ガソリンを含む燃料を高圧縮比で圧縮して自着火させるタイプのエンジンが研究、開発されているが、このような圧縮自己着火式のガソリンエンジンに対しても、本発明にかかる自動停止・再始動制御を好適に適用することができる。
1 エンジン本体
2A〜2D 気筒
5 ピストン
15 燃料噴射弁
25 クランクプレート
25a 歯
25b 歯欠け部
34 スタータモータ
50 ECU(制御手段)
SW2 クランク角センサ
X 基準停止位置
Rx (基準停止位置の)可変範囲
H 無信号角度範囲
Ip プレ噴射
Im メイン噴射
Bp プレ燃焼
Bm メイン燃焼

Claims (5)

  1. 燃料噴射弁から気筒内に噴射された燃料を自着火により燃焼させる圧縮自己着火式エンジンに設けられ、所定の自動停止条件が成立したときに上記エンジンを自動停止させるとともに、その後所定の再始動条件が成立したときに、スタータモータを用いて上記エンジンに回転力を付与しつつ上記燃料噴射弁から燃料を噴射することにより、上記エンジンを再始動させる圧縮自己着火式エンジンの始動制御装置であって、
    上記燃料噴射弁およびスタータモータを含む各種機器を制御する制御手段と、
    上記エンジンのクランクシャフトと一体に回転し、外周部に多数の歯を有するクランクプレートと、
    上記クランクプレートの歯の通過に応じてパルス信号を出力するクランク角センサとを備え、
    上記制御手段は、自動停止したエンジンを再始動させる際に、圧縮行程で停止していた停止時圧縮行程気筒のピストン停止位置を上記クランク角センサの検出信号に基づき特定し、特定したピストン停止位置が所定の基準停止位置よりも下死点側にあるか否かに応じて、上記停止時圧縮行程気筒に最初の燃料を噴射する1圧縮始動、または吸気行程で停止していた停止時吸気行程気筒に最初の燃料を噴射する2圧縮始動のいずれかを、上記燃料噴射弁およびスタータモータを駆動しつつ実行するものであり、
    上記1圧縮始動か2圧縮始動かの境目となる上記基準停止位置は、上記エンジンの暖機の進行度合いに応じて可変的に設定されるものであり、
    上記クランクプレートは、その外周部の特定箇所に、気筒判別用の基準とするために歯を省略した歯欠け部を有し、この歯欠け部に対応するクランク角である無信号角度範囲は、暖機の進行度合いに応じて変化する上記基準停止位置の可変範囲と重複しないように設定されていることを特徴とする圧縮自己着火式エンジンの始動制御装置。
  2. 請求項1記載の圧縮自己着火式エンジンの始動制御装置において、
    上記制御手段は、エンジンの冷却水温が80℃よりも低い基準温度以上のときにエンジンの自動停止を許可することを特徴とする圧縮自己着火式エンジンの始動制御装置。
  3. 請求項1または2記載の圧縮自己着火式エンジンの始動制御装置において、
    上記制御手段は、上記1圧縮始動によるエンジン再始動時に、少なくとも上記停止時圧縮行程気筒への最初の燃料噴射として、圧縮上死点を過ぎてから熱発生率のピークを迎えるようなメイン燃焼を起こさせるメイン噴射と、このメイン噴射の開始よりも前に熱発生率のピークを迎えるようなプレ燃焼を起こさせるプレ噴射とを実行することを特徴とする圧縮自己着火式エンジンの始動制御装置。
  4. 請求項3記載の圧縮自己着火式エンジンの始動制御装置において、
    上記無信号角度範囲における最も上死点側の位置が、上記基準停止位置の可変範囲における最も下死点側の位置と同一かもしくはこれよりも下死点側に設定されることを特徴とする圧縮自己着火式エンジンの始動制御装置。
  5. 請求項4記載の圧縮自己着火式エンジンの始動制御装置において、
    上記1圧縮始動のときに上記停止時圧縮行程気筒に噴射される燃料の量は、当該気筒のピストン停止位置が上死点に近いほど少なく設定されるものであり、
    上記制御手段は、上記停止時圧縮行程気筒のピストンが上記無信号角度範囲のいずれかで停止していると予想され、かつその状態から上記1圧縮始動によるエンジン再始動を行う際に、上記停止時圧縮行程気筒への噴射量を、上記無信号角度範囲における最も上死点側の位置に対応する噴射量に設定することを特徴とする圧縮自己着火式エンジンの始動制御装置。
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