JP2013197241A - ネオジム系希土類焼結磁石及びその製造方法。 - Google Patents

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Abstract

【課題】ネオジム系希土類永久磁石において、磁気特性を維持したまま、希土類元素の使用を低減し、さらには、磁性材料特有の弱点である耐熱性、耐食性を改善する。
【解決手段】ガス成分を除く構成元素の純度を99.9wt%以上、好ましくは99.99wt%以上、さらに好ましくは99.999wt%以上とする。これにより、同等又はそれ以下の最大エネルギー積(BH)maxを有するネオジム系希土類永久磁石に比べて、ネオジム含有量を10%以上低減することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、磁石材料を高純度化することによって、従来と同程度の磁気特性を維持したまま、希土類元素の使用を低減した、高純度ネオジム系希土類永久磁石及びその製造方法に関する。
近年、永久磁石は飛躍的な進歩に端を発して様々な分野へ応用され、その性能の向上と新しい機器の開発が日々刻々となされている。特に、省エネや環境対策の観点から、IT、自動車、家電、FA分野などへの普及が急激に伸びている。
永久磁石の用途として、パソコンでは、ハードディスクドライブ用ボイスコイルモーターやDVD/CDの光ピックアップ用部品、携帯電話では、マイクロスピーカーやバイブレーションモーター、家電や産業機器関連では、サーボモーターやリニアモーターなどの各種モーターがある。また、HEVなどの電気自動車には、1台当たり100個以上の永久磁石が使用されている。
永久磁石として、アルニコ(Alnico)磁石、フェライト(Feerrite)磁石、サマコバ(SmCo)磁石、ネオジム(NdFeB)磁石などが知られている。近年では、特にネオジム磁石の研究開発が活発であり、高性能化に向けて様々な取り組みが行われている。ネオジム磁石は通常、強磁性のNdFe14金属間化合物(主相)、常磁性のBリッチ相、非磁性のNdリッチ相、さらに不純物としての酸化物などから構成されている。これにさらに種々の元素を添加するなどして、磁気特性を改善させる取り組みが行われている。
例えば、特許文献1には、R−Fe−B系希土類永久磁石(Rは、Nd、Pr、Dy、Tb、Hoのうちの1種又は2種以上)に、Co、Al、Cu及びTiを同時に添加することにより、磁気特性を著しく改良することが開示されており、また、特許文献2には、組成を調整しながらGaを添加することで、最大エネルギー積(BH)maxを42MOe以上とすることが開示されている。
磁気特性を向上させるために、その他にも、磁気特性を低下させる要因である不純物の酸素を適当な量導入する方法(特許文献3)、適量添加したフッ素が磁石の粒界部分に偏在することで主相結晶粒の成長を抑えて保磁力を上昇させる方法(特許文献4)、磁気特性を低下させるBリッチ相やRリッチ相を低減し、主相のRFe14B相を増加させることで磁石の性能を向上させる方法(特許文献5)などが、知られている。
このように、従来では、磁気特性を向上させるために、新たな種類の成分元素(希土類元素、遷移金属元素、不純物元素など)を添加するなどして、磁気特性を改善する試みが行われている。
しかし、ネオジム系磁石を構成するNd、Dyなどの希土類金属は、比較的に豊富に存在するものの、その産出地は地理的に偏っていること、また、希土類元素は、永久磁石以外にも非常に幅広い分野で用いられるように、その需要は一層高まりつつあり、近年、使用済みの製品から希土類金属をリサイクルする試みが行われていることなどを考慮すると、将来的にもこれらの希土類金属の安定的な供給を受けることは困難となることが予想される。
特開2000−331810号公報 特開平6−231921号公報 特開2005−51002号公報 国際公開WO2005/123974号公報 特開平7−45413号公報
本発明は、ネオジム系希土類永久磁石において、高純度技術を磁性材料に応用することにより、磁気特性を維持したまま、希土類元素の使用を低減することができ、さらには、磁性材料特有の弱点である耐熱性、耐食性を改善した高性能のネオジム系希土類永久磁石を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を行った結果、超高純度のNd、Fe、Bなどを使用することにより、磁気特性を維持したまま、希土類元素の使用を低減することができ、また、耐熱性や耐食性なども改善できることを見出した。
このような知見に基づき、本発明は、
1)ガス成分及び成分元素を除く純度が99.9wt%以上であって、同等レベルの最大エネルギー積(BH)maxを有するネオジム系希土類永久磁石に比べて、ネオジム含有量の低減率が10%以上であることを特徴とするネオジム系希土類永久磁石、
2)ガス成分及び成分元素を除く純度が99.99wt%以上であることを特徴とする請求項1記載のネオジム系希土類永久磁石
3)ガス成分及び成分元素を除く純度が99.999wt%以上であることを特徴とする請求項1記載のネオジム系希土類永久磁石、
4)ガス成分及び成分元素を除く純度が99.9wt%以上であって、同等レベルの最大エネルギー積(BH)maxを有するネオジム系希土類永久磁石に比べて、ジスプロシウム含有量の低減率が50%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のネオジム系希土類永久磁石、を提供する。
本発明のネオジム系希土類永久磁石は、磁気特性を維持したまま、希土類元素の使用を低減することを可能にし、さらには、磁性材料特有の弱点である耐熱性、耐食性を改善することができるという、優れた効果を有する。
本発明のネオジム系希土類永久磁石は、ガス成分及び成分元素を除く純度を99.9wt%以上とすることによって、同等レベルの最大エネルギー積(BH)maxを有する従来のネオジム系希土類永久磁石(純度99wt%)に比べて、ネオジム含有量を10%以上低減することができる。さらには、ジスプロシウム含有量を50%以上低減することができる。
一般に、ネオジム系希土類永久磁石中におけるネオジムやジスプロシウムなどの希土類元素の含有量を低減した場合、最大エネルギー積は低下してしまう。しかしながら、本発明によれば、ネオジム系希土類永久磁石の純度を高めることにより、希土類元素を低減しても、従来と同等レベルの最大エネルギー積を維持できるという優れた効果を有する。
本発明の希土類永久磁石に使用されるネオジムやジスプロシウムは貴重資源であるので、できるだけその使用を低減することが好ましく、同等レベルの最大エネルギー積が維持できるのであれば、これら希土類元素の低減量の下限値に特に制限はなく、また、実施例に開示された範囲に限定されるものでもない。
本発明において、ガス成分及び成分元素を除く純度が99.9wt%以上、好ましくは、99.99wt%以上、さらに好ましくは、99.999wt%以上とする。一般に、ある程度の酸素、窒素、水素、カーボン等のガス成分は、他の不純物元素に比べて多く混入する。これらのガス成分の混入量は少ないほうが望ましいが、通常混入する程度の量であれば、本発明の目的を達成するためには、特に有害とならない。
本発明のネオジム系希土類永久磁石は、Nd、Fe、Bが典型的な成分であるが、磁気特性の向上や耐食性などの改善のために、添加成分として、Dy、Pr、Tb、Hoなどの希土類元素や、Co、Ni、Alなどの遷移金属元素を含んでもよい。本発明では、これらの添加成分としての希土類元素も磁気特性を著しく低下することなく、その量を低減することができる。特に高価なジスプロシウムの使用量を極端に減らすことができる。なお、これらの添加成分は、本発明のネオジム系希土類永久磁石の純度から除かれる、すなわち、不純物にはカウントしないことは言うまでもない。
本発明のネオジム系希土類永久磁石は、高純度のNd、Fe、Bなどを原料として使用することで、磁気特性を維持したまま、希土類元素の含有量を低減させることができる。この技術は、これまで知られているネオジム系希土類永久磁石全てに対して応用することが可能であり、その成分組成に特に制限はない。
ネオジム希土類永久磁石として、31Nd−68Fe−1B(用途:MRI)、26Nd−5Dy−68Fe−1B(用途:OA機器サーボモーター)、21Nd−10Dy−68Fe−1B(用途:ハイブリッドカー用モーター)など、が知られている。これらの全てにおいて、成分元素を高純度化することで、貴重な希土類元素であるネオジムやジスプロシウムの含有量を低減することができる。特に、ネオジム含有量が25wt%を超える組成の磁石、また、ジスプロシウム含有量が4wt%を超える組成の磁石に対して有効である。
ネオジム系希土類永久磁石は一般的に、脆く割れやすく、耐食性に劣り錆び易いことが知られている。また、耐熱性に劣り高温領域で減磁することが知られている。本発明において、超高純度化技術を磁性材開発に応用することで、これら汎用磁性材料の弱点である加工性、耐食性、耐熱性などを低下させることなく、貴重な希土類元素の使用の低減を可能にすることができる。
また、耐食性や脆性を低減するために、一般に希土類永久磁石をニッケルなどの金属でメッキすることが知られているが、本発明はこれらのメッキ処理を施す工程を省略することができる。一方、これらの技術を組み合わせることによって、耐食性や加工性などをさらに向上させることができる。
以下に製造方法の詳細を説明するが、この製造方法は、代表的かつ好適な例を示すものである。すなわち、本発明は以下の製造方法に制限するものではなく、他の製造方法であっても、本願発明の目的と条件を達成できるものであれば、それらの製造法を任意に採用できることは容易に理解される。
まず、市販のNd原料(純度2Nレベル)、市販のFe原料(純度2〜3Nレベル)、市販のB原料(純度2Nレベル)を用意する。また場合に応じて、添加成分としての、市販のDy原料(純度2Nレベル)などを用意する。
次いで、Nd原料、B原料を溶融塩電解することにより、いずれも純度4N〜5NレベルのNd、純度4N〜5NレベルのBが得られる。また、Fe原料を水溶液電解することにより、純度4N〜6NレベルのFeが得られる。
なお、含有量が少ない成分、例えば、Bなどについては高純度化せずそのまま使用することも可能である。
これらの高純度の原料を所望の組成になるように秤量する。このとき、組成は用途に応じて適宜決定することができる。一例として、Nd15〜35wt%、Dy0〜10wt%、B0.5〜2wt%、Fe60〜90wt%となるように、原料を配合することができる。
次いで、これらの原料を高周波溶解炉にて、加熱溶解してインゴットを形成する。なお、加熱温度は1250℃〜1500℃程度とするのが好ましい。その後、このインゴットをジェットミル等の公知の手法を用いて、粉砕する。このとき、混合中の酸化の問題を考慮すると、不活性ガス雰囲気中あるいは真空中で混合することが好ましい。粉砕粉の平均粒径は3〜5μm程度とするのが好ましい。
次に、合金化した粉砕粉を磁場プレス機によって成形する。このとき、磁場強度15〜30KOe、成形密度4〜5g/ccとするのが好ましい。また、高性能の永久磁石の場合には、窒素雰囲気で成形することが好ましい。
次に、得られた成形体を焼結炉で焼結し、その後、この焼結体を熱処理炉で熱処理する。このとき、焼結炉の温度を1100℃〜1150℃程度とし、また熱処理炉の温度を500℃〜1000℃程度とするのが好ましい。それぞれの炉内の雰囲気は、真空中で行うことが好ましい。なお、焼結と熱処理を同一の炉内にて行うことも可能である。
次に、得られた焼結体をスライジングマシンなど公知の手法を用いて切断加工した後、表面や外周部分を研磨器や研削盤を用いて最終表面処理を行う。その後、必要に応じて、表面にニッケルや銅などによって金属メッキを行うことができる。メッキ方法は、公知の手法を用いることができる。めっき厚みは10〜20μmとするのが好ましい。
以上によって、ガス成分を除く純度が99.9wt%以上のネオジム系希土類永久磁石を得ることができる。なお上記では、インゴットを粉砕し、その粉砕粉を焼結して、希土類永久磁石を作製する例を示したが、インゴットを粉砕せずに、成形したインゴットを、そのまま希土類永久磁石とすることも可能である。
このような、高純度の希土類永久磁石は、従来の希土類永久磁石に比べて、磁気特性を維持したまま、希土類元素を低減することができ、また、耐熱性、耐食性などを改善することができる。本発明の高純度希土類永久磁石は、Nd、Fe、Bを成分として含有する全ての永久磁石に適用できる。したがって、他の成分、含有量については、特に制限のないことは容易に理解できるであろう。つまり、既に公知の成分からなる希土類永久磁石に特に有用である。
次に、本発明の実施例について説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想の範囲に含まれる実施例以外の態様あるいは変形を全て包含するものである。
(参照例1)
市販の純度2Nレベルのネオジム原料を31kg用意した。また、市販の純度3Nレベルの鉄を68kg用意した。また、市販の純度2Nレベルのボロンを1kg用意した。
次に、上記の原料を高周波溶解炉において、加熱温度を1250℃程度にて、加熱溶解してインゴットを製造した。その後、製造したインゴットを、不活性ガスアルゴン雰囲気中、ジェットミルを用いて粉砕した。このとき、粉砕粉の平均粒径を4μm程度とした。
次に、このように合金化させた粉砕粉を、窒素雰囲気中、磁場強度20KOe、成形密度4.5g/ccとして、磁場プレス機を用いて成形した。その後、この成形体を焼結炉にて焼結した後、この焼結体を熱処理炉で熱処理した。このとき、焼結炉の温度を1150℃、熱処理炉の温度を700℃とした。また、それぞれの炉内の雰囲気を真空とした。
次に、このようにして製造した焼結体を、スライジングマシンを用いて切断加工し、その後、表面や外周部分を研磨器や研削盤を用いて最終表面処理を行った。なお、一般に、この後に酸化防止のためメッキ処理を施すことがあるが、今回は行わなかった。
その結果、参照例1で作製したネオジム系希土類永久磁石の組成、純度、最大エネルギー積をそれぞれ表1に示す。表1に示すように、参照例1のネオジム系希土類永久磁石の組成は31Nd−68Fe−1Bであり、純度は2N(99wt%)レベルであった。このとき、最大エネルギー積(BH)maxが46MOeであった。また、耐食性及び耐熱性は、いずれも後述する実施例1−3に比べて劣る結果となった。なお、耐食性は、「JIS Z 2371(塩水噴霧試験方法)」を用いて、各試料の状態を観察して、比較評価した。
(実施例1)
市販の純度2Nレベルのネオジム原料を、塩酸系の溶融塩電解により純度3Nレベルとし、それを27kg製造した。また、市販の純度3Nレベルの鉄原料を、塩酸系の水溶液電解により純度4Nレベルとし、それを72kg製造した。また、ボロンについては、市販の純度2Nレベルを1kg用意した。その後の工程は、参照例1と同様の条件とした。
その結果、実施例1で作製したネオジム系希土類永久磁石の組成、純度及び最大エネルギー積をそれぞれ表1に示す。表1に示すように、実施例1のネオジム系希土類永久磁石の組成は27Nd−72Fe−1Bであり、純度は3N(99.9wt%)レベルであった。このとき、最大エネルギー積(BH)maxが46MOeであった。このように実施例1は、参照例1と同等の磁気特性を維持したまま、ネオジウムを13%低減させることができた。また、耐食性及び耐熱性のいずれも良好な結果を示していた。
(実施例2)
純度2Nレベルのネオジム原料を、原料の酸洗浄と溶融塩電解により純度を4Nレベルとし、22kg用意した。また、市販の純度3Nレベルの鉄を、塩酸系の水溶液電解により純度4Nとし、77kg用意した。また、市販の純度2Nレベルのボロンを1kg用意した。その後の工程は、参照例1と同様の条件とした。
その結果、実施例2で作製したネオジム系希土類永久磁石の組成、純度及び最大エネルギー積をそれぞれ表1に示す。表1に示すように、実施例2のネオジム系希土類永久磁石の組成は22Nd−77Fe−1Bであり、純度は4N(99.99wt%)レベルであった。このとき、最大エネルギー積(BH)maxが46MOeであった。このように実施例2は、参照例1と同等の磁気特性を維持したまま、ネオジウムを29%低減させることができた。また、耐食性及び耐熱性のいずれも良好な結果を示していた。
(実施例3)
市販の純度2Nレベルのネオジム原料を、原料の酸洗浄と溶融塩電解により純度4Nレベルとし、16kg用意した。また、市販の純度3Nレベルの鉄を、イオン交換と塩酸系の水溶液電解により純度5N以上とし、83kg用意した。また、市販の純度6Nレベルのボロンを1kg用意した。その後の工程は、参照例1と同様の条件とした。
その結果、実施例3で作製したネオジム系希土類永久磁石の組成、純度及び磁気特性をそれぞれ表1に示す。表1に示すように、実施例3のネオジム系希土類永久磁石の組成は16Nd−83Fe−1Bであり、純度は5N(99.999wt%)レベルであった。このとき、最大エネルギー積(BH)maxが45MOeであった。このように実施例3は、参照例1と同等の磁気特性を維持したまま、ネオジウムを48%低減させることができた。また、耐食性及び耐熱性のいずれも良好な結果を示していた。
(参照例2)
市販の純度2Nレベルのネオジム原料を26kg用意した。また、市販の純度3Nレベルの鉄を68kg用意した。また、市販の純度2Nレベルのボロンを1kg用意した。さらに、市販の純度2Nレベルのジスプロシウムを5kg用意した。その後の工程は、参照例1と同様の条件とした。
その結果、参照例2で作製したネオジム系希土類永久磁石の組成、純度及び磁気特性をそれぞれ表1に示す。表1に示すように、参照例2のネオジム系希土類永久磁石の組成は26Nd−5Dy−68Fe−1Bであり、純度は2N(99wt%)レベルであった。このとき、最大エネルギー積(BH)maxが41MOeであった。また、耐食性及び耐熱性は、いずれも後述する実施例4、5に比べて劣る結果となった。
(実施例4)
市販の純度2Nレベルのネオジム原料を、原料の酸洗浄と溶融塩電解により純度4Nとし、26kg用意した。また、市販の純度3Nレベルの鉄を、塩酸系の水溶液電解により純度4Nとし、71kg用意した。また、市販の純度2Nレベルのボロンを1kg用意した。さらに、市販の純度2Nレベルのジスプロシウムを、蒸留により純度4Nレベルとし、2kg用意した。その後の工程は、参照例1と同様の条件とした。
その結果、実施例4で作製したネオジム系希土類永久磁石の組成、純度及び磁気特性をそれぞれ表1に示す。表1に示すように、実施例4のネオジム系希土類永久磁石の組成は26Nd−2Dy−71Fe−1Bであり、純度は4N(99.99wt%)レベルであった。このとき、最大エネルギー積(BH)maxが42MOeであった。このように実施例4は、参照例2と同等の磁気特性を維持したまま、ジスプロシウムを60%低減させることができた。また、耐食性及び耐熱性のいずれも良好な結果を示していた。
(実施例5)
市販の純度2Nレベルのネオジム原料を、原料の酸洗浄と溶融塩電解により純度4Nとし、23kg用意した。また、市販の純度3Nレベルの鉄を塩酸系の水溶液電解により純度4Nレベルとし、73.5kg用意した。また、市販の純度2Nレベルのボロンを1kg用意した。さらに、市販の純度2Nレベルのジスプロシウムを、蒸留により純度4Nレベルとし、2.5kg用意した。その後の工程は、参照例1と同様の条件とした。
その結果、実施例5で作製したネオジム系希土類永久磁石の組成、純度及び磁気特性をそれぞれ表1に示す。表1に示すように、実施例5のネオジム系希土類永久磁石の組成は23Nd−2.5Dy−73.5Fe−1Bであり、純度は4N(99.99wt%)レベルであった。このとき、最大エネルギー積(BH)maxが40MOeであった。このように実施例5は、参照例2と同等の磁気特性を維持したまま、ネオジウムを12%低減させることができ、ジスプロシウムを50%低減させることができた。また、耐食性及び耐熱性のいずれも良好な結果を示していた。
(参照例3)
市販の純度2Nレベルのネオジム原料を21kg用意した。また、市販の純度3Nレベルの鉄を68kg用意した。また、市販の純度2Nレベルのボロンを1kg用意した。さらに、市販の純度2Nレベルのジスプロシウムを10kg用意した。その後の工程は、参照例1と同様の条件とした。
その結果、比較例3で作製したネオジム系希土類永久磁石の組成、純度及び磁気特性をそれぞれ表1に示す。表1に示すように、参照例3のネオジム系希土類永久磁石の組成は21Nd−10Dy−68Fe−1Bであり、純度は2N(99wt%)レベルであった。このとき、最大エネルギー積(BH)maxが36MOeであった。また、耐食性及び耐熱性は、いずれも後述する実施例6に比べて劣る結果となった。
(実施例6)
市販の純度2Nレベルのネオジム原料を、原料の酸洗浄と溶融塩電解により純度4Nとし、21kg用意した。また、市販の純度3Nレベルの鉄を、イオン交換と塩酸系の水溶液電解により純度5N以上とし、77kg用意した。また、市販の純度6Nレベルのボロンを1kg用意した。さらに、市販の純度2Nレベルのジスプロシウムを、蒸留により純度4Nレベルとし、1kg用意した。その後の工程は、参照例1と同様の条件とした。
その結果、実施例6で作製したネオジム系希土類永久磁石の組成、純度及び磁気特性をそれぞれ表1に示す。表1に示すように、実施例6のネオジム系希土類永久磁石の組成は21Nd−1Dy−77Fe−1Bであり、純度は5N(99.999wt%)レベルであった。このとき、最大エネルギー積(BH)maxが37MOeと良好な結果を示していた。このように実施例6は、参照例3と同等の磁気特性を維持したまま、ジスプロシウムを90%低減させることができた。また、耐食性及び耐熱性のいずれも良好な結果を示していた。
Figure 2013197241
本発明は、高純度技術を磁性材料に応用することにより、従来と同程度の磁気特性を維持したまま、希土類元素の使用を低減し、さらには、磁性材料特有の弱点である耐熱性、耐食性を改善した高性能のネオジム系希土類永久磁石の提供に有用である。

Claims (4)

  1. ガス成分及び成分元素を除く純度が99.9wt%以上であって、同等レベルの最大エネルギー積(BH)maxを有するネオジム系希土類永久磁石に比べて、ネオジム含有量の低減率が10%以上であることを特徴とするネオジム系希土類永久磁石。
  2. ガス成分及び成分元素を除く純度が99.99wt%以上であることを特徴とする請求項1記載のネオジム系希土類永久磁石。
  3. ガス成分及び成分元素を除く純度が99.999wt%以上であることを特徴とする請求項1記載のネオジム系希土類永久磁石。
  4. ガス成分及び成分元素を除く純度が99.9wt%以上であって、同等レベルの最大エネルギー積(BH)maxを有するネオジム系希土類永久磁石に比べて、ジスプロシウム含有量の低減率が50%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のネオジム系希土類永久磁石。
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