JP2013194770A - クラッチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のクラッチによって複数の動力伝達経路をそれぞれ接続/遮断する場合において、原動機が過回転状態や極低回転状態になるのを回避でき、原動機の運転効率および運転性を良好なレベルに確保することができるクラッチ装置を提供する。
【解決手段】クラッチ装置1は、クラッチ10,20、クラッチ駆動装置30,40およびAT・ECU2cを備える。AT・ECU2cは、クラッチ駆動装置30,40の一方によってクラッチ10,20の一方が接続状態に駆動されている場合において、他方のクラッチ駆動装置30,40におけるピストン33,43を解放位置に駆動してから遮断位置まで復帰させた復帰タイミングでの予測回転数NE_ENDを算出し(ステップ3)、予測回転数NE_ENDが所定回転域(NE_L<NE_END<NE_H)内にないときに、他のクラッチ駆動装置のピストン33,43の解放位置への駆動を禁止する(ステップ5〜7,11)。
【選択図】図5

Description

本発明は、油圧によって接続/遮断される複数のクラッチを備えたクラッチ装置に関する。
従来、クラッチ装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。このクラッチ装置は、車両用のものであり、エンジンと変速機の間に設けられたクラッチと、このクラッチの接続/遮断状態を切り換えるクラッチ駆動装置と、クラッチ駆動装置を制御する制御装置などを備えている。クラッチは、クラッチディスク、プレッシャプレートおよびダイアフラムスプリングなどで構成されている。
また、クラッチ駆動装置は、マスタシリンダと、これに油路を介して接続されたスレーブシリンダと、マスタシリンダ内のマスタピストンを駆動する電動式のアクチュエータなどを備えており、マスタシリンダ、油路およびスレーブシリンダは、閉回路式の油圧回路を構成している。さらに、マスタシリンダには、油圧回路内の油圧を解放するためのリザーバが設けられている。
このクラッチ装置では、アクチュエータにより、マスタピストンが遮断位置と接続位置と解放位置との間で駆動可能に構成されており、マスタピストンが遮断位置に駆動されたときには、クラッチが遮断される。また、マスタピストンが接続位置に駆動されたときには、クラッチが接続されるとともに、マスタピストンが解放位置に駆動されたときには、リザーバとマスタシリンダとの間が連通し、油圧回路内の作動油がリザーバとマスタシリンダとの間で流入/流出することにより、油圧回路内の油圧が解放される。この場合、遮断位置は、マスタピストンがクラッチに最も近づく位置に設定され、解放位置はマスタピストンがクラッチから最も遠ざかる位置に設定されているとともに、接続位置は、遮断位置と解放位置との間に設定されている。
また、従来、クラッチ装置として、特許文献2に記載されたものが知られている。このクラッチ装置も、車両用のものであり、内燃機関と変速機の間に設けられた2つのクラッチを有している。このクラッチ装置では、2つのクラッチによって、2つの動力伝達経路がそれぞれ接続/遮断される。
特開2010−038176号公報 国際公開第2011/136235号パンフレット
特許文献1のクラッチ装置を、上記特許文献2のような2つのクラッチを備えたものに適用した場合、以下に述べるような問題が発生する。すなわち、2つのクラッチ駆動装置の一方によって2つのクラッチの一方が接続され、内燃機関の動力が2つの動力伝達経路の一方を介して駆動輪に伝達されている場合、他方の動力伝達経路による動力伝達が不要になるので、他方のクラッチは遮断状態に保持される。その場合、特許文献1のクラッチ装置では、前述したように、接続位置が遮断位置と解放位置との間に設定されているので、油圧回路内の油圧を解放するために、マスタピストンを解放位置に駆動する動作は、クラッチを接続状態に駆動しているクラッチ駆動装置側で実行されることになる。
そのように油圧の解放動作の実行中、アクセルペダルの踏み込み量が急増したときなどには、変速段を変更するために、解放動作を実行している方のクラッチ駆動装置において、クラッチを迅速に遮断する必要が生じる。しかし、上述したように、マスタピストンの解放位置は、遮断位置から最も遠い位置にあり、クラッチを遮断する場合には、マスタピストンを解放位置から接続位置を経て遮断位置まで駆動する必要がある。そのため、クラッチを遮断するのに時間がかかってしまうことで、内燃機関の過回転状態が発生し、燃費や運転効率が低下するおそれがある。また、これとは逆に、内燃機関の回転数が急激に低下し、変速動作が必要になった場合には、上述したように、クラッチを切断するのに時間がかかることに起因して、回転数が極低回転域まで低下してしまい、内燃機関の運転状態が不安定になるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、複数のクラッチによって複数の動力伝達経路をそれぞれ接続/遮断する場合において、原動機が過回転状態や極低回転状態になるのを回避でき、原動機の運転効率および運転性を良好なレベルに確保することができるクラッチ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係るクラッチ装置1は、原動機(内燃機関3)と、原動機の動力が複数の動力伝達経路を介して伝達される被駆動部(駆動輪DW)との間に設けられ、複数の動力伝達経路をそれぞれ接続/遮断する複数のクラッチ(第1および第2クラッチ10,20)と、複数のクラッチをそれぞれ、接続状態と遮断状態との間で切り換えるように駆動する複数のクラッチ駆動装置(第1および第2クラッチ駆動装置30,40)と、複数のクラッチ駆動装置を制御することにより、原動機の動力が複数の動力伝達経路のいずれか1つを介して被駆動部に伝達されるように、複数のクラッチの動作を制御する制御装置(AT・ECU2c)と、を備え、複数のクラッチ駆動装置の各々は、複数のクラッチの各々を駆動するための閉回路式の油圧回路と、油圧回路内の油圧を解放するための油圧解放室(リザーバ34,44)と、油圧回路内に設けられたシリンダ(マスタシリンダ32,42)と、シリンダ内に設けられ、クラッチを接続する接続位置(図3(a)に示す位置)と、シリンダと油圧解放室とを連通させることにより、油圧回路内の油圧を油圧解放室側に解放する解放位置(図3(c)に示す位置)と、解放位置および接続位置の間に位置し、クラッチを遮断する遮断位置(図3(b)に示す位置)との間で摺動自在のピストンと、制御装置によって制御されることにより、ピストンを接続位置と遮断位置と解放位置との間で駆動するアクチュエータ31,41と、を有し、制御装置は、複数のクラッチ駆動装置のうちの1つによって複数のクラッチのうちの1つが接続状態に駆動されている場合において、他のクラッチ駆動装置におけるピストンを、アクチュエータを介して解放位置に一旦、駆動してから遮断位置まで復帰させた復帰タイミングでの原動機の回転数の予測値として予測回転数NE_ENDを算出する予測回転数算出手段(AT・ECU2c、ステップ3)と、算出された予測回転数が所定回転域(NE_L<NE_END<NE_H)内にないときに、他のクラッチ駆動装置のピストンの解放位置への駆動を禁止する禁止手段(AT・ECU2c、ステップ5〜7,11)と、を有することを特徴とする。
このクラッチ装置によれば、制御装置によって、複数のクラッチ駆動装置が制御されることにより、原動機の動力が複数の動力伝達経路のいずれか1つを介して被駆動部に伝達されるように、複数のクラッチの動作が制御されるので、動力伝達を行っているクラッチ以外のクラッチは遮断されることになる。その場合、クラッチ駆動装置におけるピストンの遮断位置は、接続位置と解放位置との間に位置しているので、クラッチを遮断状態に駆動しているクラッチ駆動装置においては、ピストンを遮断位置から解放位置に駆動することが可能となり、油圧の解放動作が実行可能になる。すなわち、クラッチが遮断状態にあるときに、油圧の解放動作を実行することができる。
また、複数のクラッチ駆動装置のうちの1つによって複数のクラッチのうちの1つが接続状態に駆動されている場合において、他のクラッチ駆動装置におけるピストンを、アクチュエータを介して解放位置に一旦、駆動してから遮断位置まで復帰させた復帰タイミングでの原動機の回転数の予測値として予測回転数が算出され、算出された予測回転数が所定範囲内にないときに、他のクラッチ駆動装置のピストンの解放位置への駆動が禁止される。すなわち、予測回転数が所定回転域内にないときに、油圧の解放動作が禁止される。したがって、この所定回転域を原動機の過回転域や極低回転域以外の適切な回転域に設定することによって、原動機が過回転域状態や極低回転状態になるのを回避することができる。その結果、原動機として内燃機関を用いた場合には、燃費や運転効率および運転性を良好なレベルに確保することができる。一方、原動機として電動機を用いた場合には、運転効率や電力消費量を良好なレベルに確保することができる。以上により、商品性を向上させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のクラッチ装置1において、原動機(内燃機関3)およびクラッチ装置1は、車両Vに搭載されており、車両Vには、車両の速度VCARを検出する速度検出手段(車速センサ6)が設けられており、予測回転数検出手段は、速度検出手段によって検出された車両の速度VCARに基づき、復帰タイミングでの車両Vの速度の予測値として予測車速VCAR_ENDを算出する(ステップ2)とともに、算出した予測車速VCAR_ENDに基づき、予測回転数NE_ENDを算出する(ステップ3)ことを特徴とする。
このクラッチ装置によれば、速度検出手段によって検出された車両の速度に基づき、復帰タイミングでの車両の速度の予測値として予測車速が算出され、算出した予測車速に基づき、予測回転数が算出される。このように、車両において一般的な速度検出手段を用いて、格別の検出手段を付加することなく、予測回転数を算出することができるので、コストの上昇を抑制でき、商品性をさらに向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るクラッチ装置およびこれを適用した車両の動力系の構成を模式的に示す図である。 第1および第2クラッチ駆動装置の概略的な構成を模式的に示す図である。 第1クラッチ駆動装置のマスタピストンが(a)接続位置と、(b)遮断位置と、(c)解放位置とにあるときの動作状態を示す図である。 解放禁止判定処理を示すフローチャートである。 油圧解放制御処理を示すフローチャートである。 制御結果の一例を示すタイミングチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るクラッチ装置について説明する。図1に示すように、本実施形態のクラッチ装置1は、車両Vの駆動系に適用されたものである。この車両Vは、ハイブリッド車両タイプのものであり、原動機としての内燃機関(以下「エンジン」という)3および電動機(以下「モータ」という)4と、一対の駆動輪DW(1つのみ図示)と、一対の従動輪(図示せず)と、エンジン制御用のFI・ECU2aと、モータ制御用のMOT・ECU2bと、変速制御用のAT・ECU2c(図2参照)などを備えている。
このエンジン3は、多気筒ガソリンエンジンタイプのものであり、動力を出力するためのクランク軸3aを有している。このエンジン3の場合、FI・ECU2aによって、その運転状態が制御される。モータ4は、ブラシレスDCモータタイプのものであり、MOT・ECU2bによって、その運転状態が制御される。
また、車両Vの駆動系には、クラッチ装置1と、第1および第2変速装置50,70と、リバース装置80などが設けられており、これらの装置1,50,70,80の動作状態がAT・ECU2cによって制御される。なお、本実施形態では、AT・ECU2cが制御装置、予測回転数算出手段および禁止手段に相当する。
クラッチ装置1は、第1および第2クラッチ10,20と、これらのクラッチ10,20をそれぞれ接続/遮断する第1および第2クラッチ駆動装置30,40(図2参照)などを備えている。AT・ECU2cは、第1および第2クラッチ駆動装置30,40をそれぞれ制御することにより、第1および第2クラッチ10,20の接続/遮断状態を制御する。
第1クラッチ10は、乾式単板クラッチであり、クランク軸3aに一体に取り付けられたフライホイールタイプのアウタクラッチ板11と、後述する第1入力軸51の一端部に一体に取り付けられたインナクラッチ板12と、これをアウタクラッチ板11から離間させるように付勢するリターンスプリング(図示せず)などを備えている。
また、第1クラッチ駆動装置30は、図2に示すように、アクチュエータ31、マスタシリンダ32およびスレーブシリンダ36などを備えている。マスタシリンダ32内には、マスタピストン33が摺動自在に設けられており、このマスタピストン33には、アクチュエータ31のロッド31aの一端部が固定されている。また、マスタピストン33の外周面には、環状溝が形成されており、この環状溝には、Oリング33aが装着されているとともに、このOリング33aによって、マスタシリンダ32とマスタピストン33との間が液密状態に保持されている。
アクチュエータ31は、電動機とギヤ機構(いずれも図示せず)を組み合わせたものであり、この電動機は、AT・ECU2cに電気的に接続されている。このアクチュエータ31の場合、AT・ECU2cからの制御入力信号によって電動機が制御されることにより、ロッド31aを図2の左右方向に伸縮させる。それにより、マスタピストン33は、図3(a)に示す接続位置と、図3(b)に示す遮断位置と、図3(c)に示す解放位置との間で駆動される。
また、スレーブシリンダ36は、油路35を介してマスタシリンダ32に接続されており、その内部には、スレーブピストン37が摺動自在に設けられている。また、スレーブピストン37の外周面には、環状溝が形成されており、この環状溝には、Oリング37bが装着されているとともに、このOリング37bによって、スレーブシリンダ36とスレーブピストン37との間が液密状態に保持されている。以上のマスタシリンダ32、マスタピストン33、油路35、スレーブシリンダ36およびスレーブピストン37は、閉回路式の油圧回路を構成しており、この油圧回路内には、作動油が充填されている。なお、図2,3においては、油圧回路内のハッチングで示す部分が作動油を表しているとともに、理解の容易化のために、ピストン33,37などの断面部分のハッチングが省略されている。
このような閉回路式の油圧回路が構成されていることに加えて、前述したリターンスプリングの付勢力によって、スレーブピストン37は、マスタピストン33が前述した接続位置と遮断位置と解放位置との間で駆動されるのに伴って、図3(a)に示す接続位置と、図3(b)に示す遮断位置と、図3(c)に示す解放位置との間で駆動される。
また、スレーブピストン37には、ロッド37aの一端部が固定されており、このロッド37aの他端部は、インナクラッチ板12に連結されている。以上の構成により、スレーブピストン37は、接続位置に駆動されたときに、リターンスプリングの付勢力に抗しながら、インナクラッチ板12をアウタクラッチ板11側に押圧する。それにより、第1クラッチ10が接続される。一方、スレーブピストン37が遮断位置に駆動されたときには、リターンスプリングの付勢力によって、インナクラッチ板12がアウタクラッチ板11から離間するように押圧される。それにより、第1クラッチ10が遮断される。
一方、マスタシリンダ32には、リザーバ34(油圧解放室)が設けられている。このリザーバ34は、油圧回路内の油圧を解放するためのものであり、その内部が大気側に連通するように構成されている。リザーバ34は、連通路34aを介してマスタシリンダ32に接続されており、図3(a),(b)に示すように、マスタピストン33が遮断位置や接続位置にあるときには、マスタピストン33によって連通路34aが閉鎖されることにより、作動油がリザーバ34とマスタシリンダ32との間で流入/流出するのを阻止される。一方、図3(c)に示すように、マスタピストン33が解放位置に駆動されたときには、連通路34aを介して、マスタシリンダ32とリザーバ34が連通し、それにより、作動油がリザーバ34とマスタシリンダ32との間で流入/流出することで、油圧回路内の油圧が解放される。
次に、前述した第2クラッチ20について説明する。この第2クラッチ20は、第1クラッチ10と同様の乾式単板クラッチであり、第1クラッチ10のアウタクラッチ板11に一体に固定されたアウタクラッチ板21と、後述する第1入力軸51上に回動自在に設けられたインナクラッチ板22と、これをアウタクラッチ板21から離間させるように付勢するリターンスプリング(図示せず)などを備えている。
また、図2に示すように、第2クラッチ駆動装置40は、前述した第1クラッチ駆動装置30と同様に、アクチュエータ41、ロッド41a、マスタシリンダ42、Oリング42a、マスタピストン43、リザーバ44(油圧解放室)、連通路44a、油路45、スレーブシリンダ46、スレーブピストン47、ロッド47aおよびOリング47bを備えている。これらの機器および部品41〜47,41a,42a,44a,47a,47bはいずれも、第1クラッチ駆動装置30のものと同様に構成されており、その機能および動作も同じであるので、その説明は省略する。
次に、前述した第1変速装置50について説明する。この第1変速装置50は、入力された動力を、1速段、3速段、5速段および7速段の1つによって変速して駆動輪DWに伝達するものである。これらの1速段〜7速段の変速比は、その段数が大きいほど、より高速側に設定されている。第1変速装置50は、第1入力軸51、遊星歯車装置52、3速ギヤ53、5速ギヤ54および7速ギヤ55を有している。この第1入力軸51は、軸受け(図示せず)に回転自在に支持されており、そのエンジン3側の端部には、前述したように、第1クラッチ10のインナクラッチ板12が固定されている。
遊星歯車装置52は、シングルプラネタリ式のものであり、サンギヤ52aと、このサンギヤ52aの外周に回転自在に設けられ、サンギヤ52aよりも歯数が多いリングギヤ52bと、両ギヤ52a,52bに噛み合う複数(例えば3つ)のプラネタリギヤ52c(2つのみ図示)と、プラネタリギヤ52cを回転自在に支持する回転自在のキャリア52dとを有している。
サンギヤ52aは、モータ4の回転軸4aに同心に取り付けられているとともに、このモータ4の回転軸4aは、第1入力軸51と同軸かつ一体に構成されている。以上の構成により、第1入力軸51、サンギヤ52aおよび回転軸4aは、互いに一体に回転する。
また、リングギヤ52bには、1速用のシンクロクラッチ(図示せず)が設けられている。この1速用のシンクロクラッチは、AT・ECU2cによって接続/遮断され、接続状態のときに、リングギヤ52bを回転不能に保持するとともに、遮断状態のときに、リングギヤ52bの回転を許容する。AT・ECU2cは、1速段で走行する場合、この1速用のシンクロクラッチを接続する。キャリア52dは、中空の回転軸56に一体に取り付けられており、この回転軸56は、第1入力軸51の外側に相対的に回転自在に配置されている。
3速ギヤ53は、回転軸56に一体に取り付けられており、回転軸56およびキャリア52dと一体に回転自在である。また、5速ギヤ54および7速ギヤ55は、第1入力軸51に回転自在に設けられている。また、第1入力軸51には、3速用、5速用および7速用のシンクロクラッチ(図示せず)が設けられている。AT・ECU2cは、3速段、5速段および7速段のいずれかで走行する場合、これらの3速用、5速用および7速用のシンクロクラッチのいずれかを駆動することによって、3速ギヤ53、5速ギヤ54および7速ギヤ55のいずれかを選択的に第1入力軸51に係合させ、第1入力軸51と一体に回転させる。さらに、これらの3速ギヤ53、7速ギヤ55および5速ギヤ54は、遊星歯車装置52と第1クラッチ10の間に、この順で並んでいる。
また、3速ギヤ53、5速ギヤ54および7速ギヤ55には、第1ギヤ57、第2ギヤ58および第3ギヤ59がそれぞれ噛み合っており、これらの第1〜第3ギヤ57〜59は、出力軸60に一体に取り付けられている。出力軸60は、軸受け(図示せず)に回転自在に支持されており、第1入力軸51と平行に配置されている。また、出力軸60には、ギヤ61が一体に取り付けられており、このギヤ61は、差動装置を有する終減速装置FGのギヤに噛み合っている。出力軸60は、これらのギヤ61や終減速装置FGを介して、駆動輪DWに連結されている。
以上の構成の第1変速装置50では、遊星歯車装置52、3速ギヤ53および第1ギヤ57によって1速段および3速段のギヤ段が構成され、5速ギヤ54および第2ギヤ58によって5速段のギヤ段が、7速ギヤ55および第3ギヤ59によって7速段のギヤ段が、それぞれ構成されている。また、第1入力軸51に入力された動力は、これらの1速段、3速段、5速段および7速段の1つによって変速され、出力軸60、ギヤ61および終減速装置FGを介して駆動輪DWに伝達される。
次に、前述した第2変速装置70について説明する。この第2変速装置70は、入力された動力を、2速段、4速段および6速段の1つにより変速して駆動輪DWに伝達するものである。これらの2速段〜6速段の変速比は、その段数が大きいほど、より高速側に設定されている。具体的には、第2変速装置70は、第2入力軸71、アイドラギヤ72、中間軸73、2速ギヤ74、4速ギヤ75および6速ギヤ76を有している。
第2入力軸71は、中空状に形成され、第1入力軸51の外側に相対的に回転自在に配置されている。この第2入力軸71は、その一端部が第2クラッチ20のインナクラッチ板22に同心に固定されており、他端部には、ギヤ71aが一体に取り付けられている。
中間軸73は、第2入力軸71および前述した出力軸60と平行に配置されており、その一端部には、ギヤ73aが一体に取り付けられている。このギヤ73aは、アイドラギヤ72と噛み合っており、アイドラギヤ72は、第2入力軸71のギヤ71aに噛み合っている。中間軸73は、これらのギヤ73a、アイドラギヤ72およびギヤ71aを介して、第2入力軸71に連結されている。
2速ギヤ74、6速ギヤ76および4速ギヤ75は、中間軸73に回転自在に設けられ、この順で並んでいるとともに、前述した第1ギヤ57、第3ギヤ59および第2ギヤ58にそれぞれ噛み合っている。さらに、中間軸73には、2速用、4速用および6速用のシンクロクラッチ(図示せず)が設けられている。AT・ECU2cは、2速段、4速段および6速段のいずれかで走行する場合、これらの2速用、4速用および6速用のシンクロクラッチのいずれかを駆動することによって、2速ギヤ74、4速ギヤ75および6速ギヤ76のいずれかを選択的に中間軸73に係合させ、中間軸73と一体に回転させる。
以上の構成の第2変速装置70では、2速ギヤ74および第1ギヤ57によって2速段のギヤ段が構成され、4速ギヤ75および第2ギヤ58によって4速段のギヤ段が、6速ギヤ76および第3ギヤ59によって6速段のギヤ段が、それぞれ構成されている。また、第2入力軸71に入力された動力は、ギヤ71a、アイドラギヤ72およびギヤ73aを介して中間軸73に伝達され、中間軸73に伝達された動力は、これらの2速段、4速段および6速段の1つによって変速され、出力軸60、ギヤ61および終減速装置FGを介して駆動輪DWに伝達される。
以上のように、第1および第2変速装置50,70では、変速された動力を駆動輪DWに伝達するための出力軸60が共用化されている。
また、前述したリバース装置80は、車両Vの後進走行用のものであり、リバース軸81、リバースギヤ82およびギヤ83などを備えている。リバースギヤ82は、リバース軸81上に回動自在に設けられており、第1入力軸51上に同軸に固定されたギヤ84と噛みあっている。また、ギヤ83は、リバース軸81上に同軸に固定されており、アイドラギヤ72と噛みあっている。さらに、リバース軸81には、リバース用のシンクロクラッチ(図示せず)が設けられている。AT・ECU2cは、車両Vの後進走行時、このリバース用のシンクロクラッチを駆動することによって、リバースギヤ82をリバース軸81に係合させ、リバース軸81と一体に回転させる。その結果、車両Vの後進走行が可能になる。
一方、前述した3つのECU2a〜2cはいずれも、RAM、ROM、CPUおよびI/Oインターフェースなどからなるマイクロコンピュータ(いずれも図示せず)で構成されているとともに、互いの間で各種の電気信号を伝達するようになっている。
また、FI・ECU2aには、クランク角センサ5が接続されている。このクランク角センサ5は、マグネットロータおよびMREピックアップで構成されており、クランクシャフト3aの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号をFI・ECU2aに出力する。このCRK信号は、所定クランク角(例えば1゜)毎に1パルスが出力され、FI・ECU2aは、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。
さらに、AT・ECU2cには、車速センサ6(速度検出手段)が接続されている。この車速センサ6は、出力軸60の回転速度を検出して、それを表す検出信号をAT・ECU2cに出力する。AT・ECU2cは、この車速センサ6の検出信号に基づき、車両Vの速度(以下「車速」という)VCARを算出する。
以上のように構成された車両Vでは、FI・ECU2aによるエンジン3の運転制御と、MOT・ECU2bによるモータ4の運転制御と、AT・ECU2cによる2つのクラッチ駆動装置30,40、2つの変速装置50,70およびリバース装置80の制御とによって、車両Vの走行モードが、エンジン走行モード、EV走行モード、アシスト走行モードおよび充電走行モードの間で切り換えられる。
エンジン走行モードは、エンジン3のみを動力源として用いる走行モードであり、このエンジン走行モードでの前進走行のときには、AT・ECU2cによって、第1および第2クラッチ駆動装置30,40による第1および第2クラッチ10,20の接続/遮断動作と、1〜7速段用のシンクロクラッチの接続/遮断動作とが制御される。それにより、エンジン3の動力が、1〜7速段のいずれかの変速段を介して駆動輪DWに伝達されることによって、車両Vが前進走行する。
その際、エンジン3の動力は、4つの奇数段(1,3,5,7速段)のいずれかによる場合と、3つの偶数段(2,4,6速段)のいずれかによる場合とによって、互いに異なる動力伝達経路で駆動輪DWに伝達される。具体的には、エンジン3の動力が奇数段による動力伝達経路で伝達されるときには、AT・ECU2cによって、第1クラッチ10が接続されるとともに、4つの奇数段用のシンクロクラッチのいずれかが接続される。
また、エンジン3の動力が偶数段による動力伝達経路で伝達されるときには、AT・ECU2cによって、第2クラッチ20が接続されるとともに、2速段用、4速段用および6速段用のシンクロクラッチのいずれか接続される。さらに、シフトアップまたはシフトダウンの変速動作によって、動力伝達経路が奇数段および偶数段の一方から他方に切り換えられるときには、AT・ECU2cによって、プリシフト制御が実行される。このプリシフト制御では、例えば、2速段から3速段にシフトアップする場合、第1クラッチ10を遮断した状態で、3速段用のシンクロクラッチが予め接続される。そして、その状態から、第2クラッチ20を遮断するとともに、第1クラッチ10を接続することにより、速段から3速段へのシフトアップが実行される。
さらに、以上のような変速動作の実行中、作動油の温度上昇などに伴って、第1および第2クラッチ駆動装置30,40の油圧回路内の油圧が上昇することがある。その場合、油圧回路が閉回路式であり、油圧が自然に解放されない構造である関係上、油圧回路内の油圧を強制的に解放する必要が生じる。そのため、本実施形態のクラッチ装置1では、後述するように、AT・ECU2cによって、油圧解放制御処理が実行される。
この油圧解放制御処理を第1クラッチ駆動装置30で実行した場合、マスタピストン33を解放位置まで駆動し、マスタシリンダ32とリザーバ34との間を連通させることによって、油圧回路内の油圧が解放される。また、油圧解放制御処理を第2クラッチ駆動装置40で実行した場合、マスタピストン43を解放位置まで駆動し、マスタシリンダ42とリザーバ44との間を連通させることによって、油圧回路内の油圧が解放される。
次に、図4を参照しながら、解放禁止判定処理にいて説明する。この処理は、前述した油圧解放制御処理の実行後におけるエンジン回転数NEの予測結果に基づいて、油圧解放制御処理を禁止すべきか否かを判定するものであり、AT・ECU2cによって所定の制御周期ΔT(例えば10msec)実行される。
同図に示すように、まず、ステップ1(図では「S1」と略す。以下同じ)で、下式(1)により、車両加速度GCARを算出する。
Figure 2013194770
この式(1)のVCARzは車速VCARの前回値を表している。
次に、ステップ2に進み、下式(2)により、予想車速VCAR_ENDを算出する。
Figure 2013194770
この式(2)において、TCLは、油圧解放制御処理の実行時間(以下「制御実行時間」という)であり、油圧解放制御処理によって油圧回路内の油圧を確実に解放できるような値(一定値)に設定されている。また、式(2)のK1は、値GCAR・TCLを車速に変換するための換算係数である。したがって、式(2)の右辺第2項GCAR・TCL・K1は、現時点から時間TCLが経過したときの車速VCARの変化分として算出される。その結果、予想車速VCAR_ENDは、現時点で油圧解放制御処理を実行した場合の、油圧解放制御処理の終了タイミングでの車速VCARの予測値として算出される。
なお、この場合、制御実行時間TCLを、一定値ではなく、油圧回路内の作動油の温度やエンジン回転数NEなどに応じて、マップ検索により算出するように構成してもよい。
ステップ2に続くステップ3で、下式(3)により、予測回転数NE_ENDを算出する。
Figure 2013194770
この式(3)において、RAD_TIREは車両Vのタイヤの半径を表しており、RGEARは現時点での変速段の変速比を表している。また、K2は、値(VCAR_END)/(RAD_TIRE・RGEAR)をエンジン回転数に変換するための換算係数であり、したがって、予測車速VCAR_ENDは、現時点で油圧解放制御処理を実行した場合の、油圧解放制御処理の終了タイミングでのエンジン回転数NEの予測値として算出される。
次いで、ステップ4に進み、車両加速度GCARが値0以下であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、車両Vが加速状態にあるときには、ステップ5に進み、予測回転数NE_ENDが所定の上限値NE_H以上であるか否かを判別する。この所定の上限値NE_Hは、エンジン3が過回転状態になるのを回避するための値であり、所定のヒステリシス付きの一定値に設定されている。これは、演算誤差などに起因して、予測回転数NE_ENDの演算結果が所定の上限値NE_Hの付近でばらついた場合、判定結果が頻繁に変化し、制御のハンチングを生じてしまうので、それを回避するためである。
ステップ5の判別結果がYESのときには、油圧解放制御処理を実行すると、その終了タイミングでエンジン回転数NEが過回転域に達してしまう可能性があり、油圧解放制御処理を禁止すべきであると判定して、ステップ7に進み、それを表すために、解放禁止フラグF_REFINGを「1」に設定した後、本処理を終了する。
一方、ステップ5の判別結果がNOのときには、油圧解放制御処理を許可すべきであると判定して、ステップ8に進み、それを表すために、解放禁止フラグF_REFINGを「0」に設定した後、本処理を終了する。
一方、前述したステップ4の判別結果がYESで、車両Vがクルーズ走行状態か減速走行状態にあるときには、ステップ6に進み、予測回転数NE_ENDが所定の下限値NE_L以下であるか否かを判別する。この所定の下限値NE_Lは、エンジン回転数NEが極低回転域まで低下するのを回避するための値であり、前述した所定の上限値NE_Hと同じ理由により、所定のヒステリシス付きの一定値に設定されている。
ステップ6の判別結果がYESのときには、油圧解放制御処理を実行すると、その終了タイミングでエンジン回転数NEが極低回転域に達してしまう可能性があり、油圧解放制御処理を禁止すべきであると判定して、前述したように、ステップ7で、解放禁止フラグF_REFINGを「1」に設定した後、本処理を終了する。
一方、ステップ6の判別結果がNOのときには、油圧解放制御処理を許可すべきであると判定して、前述したように、ステップ8で、解放禁止フラグF_REFINGを「0」に設定した後、本処理を終了する。
次に、図5を参照しながら、油圧解放制御処理について説明する。この油圧解放制御処理は、第1および第2クラッチ駆動装置30,40の油圧回路内の油圧を解放するためのものであり、MOT・ECU2bによって、前述した所定の制御周期ΔTで実行される。
同図に示すように、まず、ステップ10で、実行条件フラグF_RELEASEが「1」であるか否かを判別する。この実行条件フラグF_RELEASEは、油圧解放制御処理の実行条件が成立しているか否かを表すものであり、図示しない設定処理において、油圧回路内の作動油の温度や前回の油圧解放制御処理の実行後の経過時間などに基づいて、油圧解放制御処理の実行条件が成立しているときには「1」に、不成立のときには「0」にそれぞれ設定される。
ステップ10の判別結果がNOで、油圧解放制御処理の実行条件が不成立であるときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ10の判別結果がYESで、油圧解放制御処理の実行条件が成立しているときには、ステップ11に進み、前述した解放禁止フラグF_REFINGが「1」であるか否かを判別する。
この判別結果がYESのときには、油圧解放制御処理を禁止すべきであると判定して、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ11の判別結果がNOのときには、油圧解放制御処理を許可すべきであると判定して、ステップ12に進み、第1クラッチ10が遮断されているか否かを判別する。
この判別結果がYESのときには、ステップ13に進み、第1クラッチ駆動装置30の油圧解放制御処理を実行する。具体的には、前述したように、アクチュエータ31によって、マスタシリンダ32を遮断位置から解放位置に駆動し、前述した実行時間TCLが経過するまでの間、解放位置に保持した後、遮断位置に復帰させる。それにより、第1クラッチ駆動装置30の油圧回路内の油圧が解放される。以上のように、ステップ13を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ12の判別結果がNOのときには、ステップ14に進み、第2クラッチ駆動装置40の油圧解放制御処理を実行する。具体的には、前述したように、アクチュエータ41によって、マスタシリンダ42を遮断位置から解放位置に駆動し、前述した実行時間TCLが経過するまでの間、解放位置に保持した後、遮断位置に復帰させる。それにより、第2クラッチ駆動装置40の油圧回路内の油圧が解放される。以上のように、ステップ14を実行した後、本処理を終了する。
次に、図6を参照しながら、以上の油圧解放制御処理を実行したときの制御結果の一例(以下「制御結果例」という)について説明する。同図の制御結果例は、エンジン回転数NEが上昇中で、第1クラッチ10が遮断状態にあり、かつ第2クラッチ20が接続状態にあるときのものである。同図において、POIL1,POIL2はそれぞれ、第1クラッチ駆動装置30および第2クラッチ駆動装置40の油圧回路内の油圧を表しており、以下の説明では、これらの値をそれぞれ第1油圧POIL1および第2油圧POIL2という。
同図に示すように、F_RELEASE=1が成立したタイミング(時刻t1)では、NE_END<NE_Hが成立することで、解放禁止フラグF_REFING=0となる。その場合、第1クラッチ10が遮断状態にあることで、第1クラッチ駆動装置30のマスタシリンダ32が遮断位置から解放位置に駆動される。それにより、第1油圧POIL1が解放状態の圧力(以下「解放圧」という)まで低下する。
そして、時刻t1から前述した制御実行時間TCLが経過したタイミング(時刻t2)で、第1クラッチ駆動装置30のマスタシリンダ32が解放位置から遮断位置に駆動されることにより、第1油圧POIL1が解放圧から遮断状態での圧力まで上昇する。なお、このタイミングでは、実際のエンジン回転数NEが時刻t1での予測回転数NE_ENDにほぼ等しい値まで上昇していることが判る。
さらに、時間の経過に伴い、NE_END≧NE_Hが成立したタイミング(時刻t3)で、解放禁止フラグF_REFINGが「1」に設定される。それにより、油圧解放制御処理の実行が禁止される。そして、時刻t4で、第1クラッチ駆動装置30による第1クラッチ10の接続動作と、第2クラッチ駆動装置40による第2クラッチ20の遮断動作とが開始されることにより、第1油圧POIL1が上昇し始めると同時に、第2油圧POIL2が低下し始める。
さらに、時間の経過に伴い、時刻t5で、第2クラッチ20が完全に遮断されると同時に、第1クラッチ10が接続状態になり、より高段側の変速段での動力伝達が開始されることで、エンジン回転数NEが、上限値NE_Hを超えることなく低下してゆく。すなわち、仮に、時刻t1〜t2の間で油圧解放制御処理を実行していない場合において、時刻t3以降にF_RELEASE=1が成立したとしても、解放禁止フラグF_REFING=1となっており、油圧解放制御処理が禁止されることによって、エンジン3の過回転状態を回避できることが判る。
以上のように、本実施形態のクラッチ装置1によれば、AT・ECU2cにより、2つのクラッチ10,20の一方が接続状態にあるときに、クラッチ10,20の他方が遮断状態に制御されるとともに、その制御中、クラッチが遮断状態にある方のクラッチ駆動装置において、油圧解放制御処理を実行したと仮定したときの、油圧解放制御処理の終了タイミングでのエンジン回転数NEの予測値として、予測回転数NE_ENDが算出される。そして、この予測回転数NE_ENDが所定回転域(NE_L<NE_END<NE_H)にないときには、油圧解放制御処理の実行が禁止されるとともに、変速動作が実行される。すなわち、NE_END≦NE_LまたはNE_END≧NE_Hが成立しているときには、油圧回路の油圧の解放動作が禁止されるとともに、変速動作が実行される。
それにより、エンジン回転数NEが過回転域まで上昇したり、極低回転域まで低下したりするのを回避でき、燃費や運転効率および運転性を良好なレベルに確保することができる。
また、車速VCARに基づき、油圧解放制御処理の終了タイミングでの車速VCARの予測値として予測車速VCAR_ENDが算出され、予測車速VCAR_ENDに基づいて、予測回転数NE_ENDが算出される。この場合、車両Vにおいては車速センサ6を備えているのが一般的であり、そのような車速センサ6を用いて、格別のセンサを付加することなく、予測回転数NE_ENDを算出することができるので、コストの上昇を抑制でき、商品性をさらに向上させることができる。
なお、実施形態は、複数のクラッチおよび複数のクラッチ駆動装置として、2つのクラッチ10,20と2つのクラッチ駆動装置30,40を用いた例であるが、本発明のクラッチおよびクラッチ駆動装置の数はこれに限らず、複数であればよい。例えば、複数のクラッチとして、3つ以上のクラッチを用いてもよく、その場合は、クラッチと同じ数のクラッチ駆動装置を用いればよい。
また、実施形態は、複数の動力伝達経路として、2つの動力伝達経路を用いた例であるが、本発明の動力伝達経路の数はこれに限らず、3つ以上の動力伝達経路を用いてもよい。
さらに、実施形態は、原動機として、内燃機関3を用いた例であるが、本発明の原動機はこれに限らず、原動機として、電動機や、内燃機関および電動機を組み合わせて用いてもよい。
一方、実施形態は、本発明のクラッチ装置1を車両Vに適用した例であるが、本発明のクラッチ装置は、これに限らず、船舶や他の産業機器にも適用可能であることは言うまでもない。
また、実施形態は、被駆動部として、駆動輪DWを用いた例であるが、本発明の被駆動部はこれに限らず、原動機の動力が伝達されるものであればよい。例えば、本発明のクラッチ装置を船舶に適用した場合には、スクリューを被駆動部として用いればよい。
さらに、実施形態は、予測回転数の所定回転域として、NE_L<NE_END<NE_Hを用いた例であるが、本発明の所定回転域はこれに限らず、ピストンの解放位置への駆動を禁止すべき領域であればよい。例えば、所定回転域として、NE_END<NE_Hを用いてもよい。
V 車両
DW 駆動輪(被駆動部)
1 クラッチ装置
2c AT・ECU(制御装置、予測回転数算出手段、禁止手段)
3 内燃機関
6 車速センサ(速度検出手段)
10 第1クラッチ(複数のクラッチの1つ)
20 第2クラッチ(複数のクラッチの1つ)
30 第1クラッチ駆動装置(複数のクラッチ駆動装置の1つ)
31 アクチュエータ
32 マスタシリンダ(シリンダ)
34 リザーバ(油圧解放室)
40 第2クラッチ駆動装置(複数のクラッチ駆動装置の1つ)
41 アクチュエータ
42 マスタシリンダ(シリンダ)
44 リザーバ(油圧解放室)
NE_END 予測回転数
NE_H 上限値(所定回転域の上限を規定する値)
NE_L 下限値(所定回転域の下限を規定する値)
VCAR 車両の速度
VCAR_END 予測車速

Claims (2)

  1. 原動機と、当該原動機の動力が複数の動力伝達経路を介して伝達される被駆動部との間に設けられ、当該複数の動力伝達経路をそれぞれ接続/遮断する複数のクラッチと、
    当該複数のクラッチをそれぞれ、接続状態と遮断状態との間で切り換えるように駆動する複数のクラッチ駆動装置と、
    当該複数のクラッチ駆動装置を制御することにより、前記原動機の動力が前記複数の動力伝達経路のいずれか1つを介して前記被駆動部に伝達されるように、前記複数のクラッチの動作を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記複数のクラッチ駆動装置の各々は、
    前記複数のクラッチの各々を駆動するための閉回路式の油圧回路と、
    当該油圧回路内の油圧を解放するための油圧解放室と、
    前記油圧回路内に設けられたシリンダと、
    当該シリンダ内に設けられ、前記クラッチを接続する接続位置と、前記シリンダと前記油圧解放室とを連通させることにより、前記油圧回路内の前記油圧を前記油圧解放室側に解放する解放位置と、当該解放位置および前記接続位置の間に位置し、前記クラッチを遮断する遮断位置との間で摺動自在のピストンと、
    前記制御装置によって制御されることにより、前記ピストンを前記接続位置と前記遮断位置と前記解放位置との間で駆動するアクチュエータと、
    を有し、
    前記制御装置は、
    前記複数のクラッチ駆動装置のうちの1つによって前記複数のクラッチのうちの1つが接続状態に駆動されている場合において、他のクラッチ駆動装置における前記ピストンを、前記アクチュエータを介して前記解放位置に一旦、駆動してから前記遮断位置まで復帰させた復帰タイミングでの前記原動機の回転数の予測値として予測回転数を算出する予測回転数算出手段と、
    当該算出された予測回転数が所定回転域内にないときに、前記他のクラッチ駆動装置の前記ピストンの前記解放位置への駆動を禁止する禁止手段と、
    を有することを特徴とするクラッチ装置。
  2. 前記原動機および前記クラッチ装置は、車両に搭載されており、
    当該車両には、当該車両の速度を検出する速度検出手段が設けられており、
    前記予測回転数検出手段は、当該速度検出手段によって検出された車両の速度に基づき、前記復帰タイミングでの前記車両の速度の予測値として予測車速を算出するとともに、当該算出した予測車速に基づき、前記予測回転数を算出することを特徴とする請求項1に記載のクラッチ装置。
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