JP5740494B2 - ハイブリッド車両用駆動装置 - Google Patents

ハイブリッド車両用駆動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5740494B2
JP5740494B2 JP2014008071A JP2014008071A JP5740494B2 JP 5740494 B2 JP5740494 B2 JP 5740494B2 JP 2014008071 A JP2014008071 A JP 2014008071A JP 2014008071 A JP2014008071 A JP 2014008071A JP 5740494 B2 JP5740494 B2 JP 5740494B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
gear
shift
engine
clutch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014008071A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014129084A (ja
Inventor
藤本 修一
修一 藤本
真二 藤本
真二 藤本
隆行 岸
隆行 岸
石川 尚
尚 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2014008071A priority Critical patent/JP5740494B2/ja
Publication of JP2014129084A publication Critical patent/JP2014129084A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5740494B2 publication Critical patent/JP5740494B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Description

本発明は、ハイブリッド車両用駆動装置に関する。
従来、ハイブリッド車両は、電動機及び/又は内燃機関を動力源として駆動することによって走行し、電動機の動力のみによって走行するEV走行モード、内燃機関の動力のみによって走行するエンジン走行モード等、種々の走行モードで走行可能である。
特許文献1の車両用駆動装置200では、図18に示すように、クラッチC1,C2に連結されて動力源201の出力トルクが入力される入力軸203,204と、その出力トルクを出力部材212に出力する出力軸205,206と、入力軸203,204と出力軸205,206との間に配置された伝動機構を選択的に動力伝達状態に設定する切換機構S1〜S4とを備え、クラッチC1,C2および切換機構S1〜S4の係合・解放状態を制御して複数の変速段を設定する複数クラッチ式変速機が設けられ、一方の出力軸206と電動機217とが、動力伝達可能に連結されている。
このような複数クラッチ式変速機による自動変速は、例えば、第1速から第2速へアップシフトする際、第1入力軸203から第2速歯車対209を介して第1出力軸205に動力を伝達する第2切換機構S2を予めシフト動作(プレシフト)させておき、第1速で係合していた第2クラッチC2を開放し、第1クラッチC1を係合することで、第2速を設定している。
特開2009−154610号公報
ところで、ハイブリッド車両用駆動装置においては、変速の際のトルク抜けを極力小さくしてショックを最小限に抑制することが望まれるが、特許文献1の車両用駆動装置200では、これについて具体的な記載はない。特に、二つの入力軸のうち、電動機の動力が、一方の入力軸に設けられた変速ギヤ機構を介してのみ出力軸に伝達されるような構成のハイブリッド車両においては、電動機が設けられた一方の入力軸と、電動機が設けられていない他方の入力軸との間で、各イナーシャトルクが電動機の重量分異なり、このイナーシャトルクの違いによる変速ショックを抑制することが望まれる。また、電動機が設けられていない他方の入力軸に設けられた変速ギヤ機構を用いてプレシフトする場合には、電動機による回転数合わせができないため、このタイミングにおいても変速ショックを抑制することが望まれる。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、変速時やプレシフト時におけるトルク抜けを極力最小限に抑えることができ、良好なドライバビリティを与えることができるハイブリッド車両用駆動装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
内燃機関(例えば、後述の実施形態のエンジン6)と、
電動機(例えば、後述の実施形態のモータ7)と、
前記電動機に電力を供給する蓄電装置(例えば、後述の実施形態のバッテリ3)と、
前記電動機に接続されるとともに第1断接手段(例えば、後述の実施形態の第1クラッチ41)を介して選択的に前記内燃機関に接続される第1入力軸(例えば、後述の実施形態の第1主軸11)と、第2断接手段(例えば、後述の実施形態の第2クラッチ42)を介して選択的に前記内燃機関に接続される第2入力軸(例えば、後述の実施形態の第2中間軸16)と、被駆動部に動力を出力する出力軸(例えば、後述の実施形態のカウンタ軸14)と、前記第1入力軸と出力軸間で複数の第1変速段を構成可能な第1変速ギヤ機構(例えば、後述の実施形態の遊星歯車機構30、第3速用ギヤ対23、第5速用ギヤ対25)と、前記第2入力軸と出力軸間で複数の第2変速段を構成可能な第2変速ギヤ機構(例えば、後述の実施形態の第2速用ギヤ対22、第4速用ギヤ対24)と、前記複数の第1変速段のいずれかを選択するように前記第1変速ギヤ機構を切り換える第1同期装置(例えば、後述の実施形態のロック機構61、第1変速用シフター51)と、前記複数の第2変速段のいずれかを選択するように前記第2変速ギヤ機構を切り換える第2同期装置(例えば、後述の実施形態の第2変速用シフター52)と、を備える変速機構(例えば、後述の実施形態の変速機20)と、を備えたハイブリッド車両用駆動装置であって、
スロットル全開状態において前記電動機がアシストしながら、前記第1変速段から前記第2変速段にアップシフトする際、前記第1断接手段の締結を開放した後、そのイナーシャ相中に前記第2断接手段の締結容量を増やしながら、前記第1変速段から2段以上上の、前記複数の第1変速段に含まれる別の変速段にプレシフトを行うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加えて、
前記蓄電装置が極低温状態にある場合、前記所定の第2変速段からダウンシフトする際、前記第1断接手段を滑り係合させ、前記電動機の回転数を前記内燃機関の回転数に合わせた後、前記第1断接手段を開放した状態で、前記第1同期装置によって1段下の前記第1変速段にインギヤし、その後、前記第1断接手段を締結することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加えて、
前記所定の第2変速段を選択して走行している際、前記第1同期装置によって前記第1変速段にプレシフトが行われている場合、前記第2断接手段の接続によって前記内燃機関に伝達される動力は、前記電動機の回生によって吸収可能であることを特徴とする。
請求項1に記載のハイブリッド車両用駆動装置によれば、ギヤ入れ替えの際のトルク抜けをクラッチの締結容量によって補うことができ、変速ショックを抑えることができる。
請求項2に記載のハイブリッド車両用駆動装置によれば、蓄電装置が極低温状態にある場合であっても、変速ショックを少なく効率的な変速を行うことができる。
また、請求項3に記載のハイブリッド車両用駆動装置によれば、所定の第2変速段を選択して走行している際、第1同期装置によって、所定の第2変速段より下の第1変速段にプレシフトが行われていることで、電動機のアシストによって良好なドライバビリティを与えることができ、また、より効率的な回生を行うことができる。
本発明のハイブリッド車両用駆動装置の一例を示す断面図である。 図1のハイブリッド車両用駆動装置の概略構成図である。 図1のハイブリッド車両用駆動装置の制御装置の概略構成図である。 制御マップの説明図である。 変速マップを示す図である。 変速マップを一部拡大して示す図である。 シフト線のオフセットを説明するための図である。 目標ギヤ段設定を説明するためのブロック図である。 3速段にプレシフトが行われている第4速走行からダウンシフトする際の状態変化を示すタイミングチャートである。 5速段にプレシフトが行われている第4速走行からダウンシフトする際の状態変化を示すタイミングチャートである。 (a)は、モータアシスト時のダウンシフトタイミングを踏み込み判定時点とした場合を説明するための図であり、(b)は、モータアシスト時のダウンシフトタイミングを要求駆動力に対してアシストできなくなった時点とした場合を説明するための図である。 3速段にプレシフトが行われている第4速走行から第5速走行にアップシフトする際の状態変化を示すタイミングチャートである。 バッテリ低温状態の第2速走行から第1速走行へダウンシフトする際の状態変化を示すタイミングチャートである。 5速段にプレシフトが行われている第3速走行からダウンシフトする際の状態変化を示すタイミングチャートである。 第5速走行から第3速走行へキックダウンする際の状態変化を示すタイミングチャートである。 ハイブリッド車両用駆動装置の走行性能線図である。 WOTアシスト走行で第1速走行から第2速走行にアップシフトする際に、モータ7のアシストを1速段から3速段に切り替える場合の状態変化を示すタイミングチャートである。 特許文献1の車両用駆動装置の概略図である。
以下、本発明の制御装置を搭載可能なハイブリッド車両用駆動装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態のハイブリッド車両用駆動装置1(以下、車両用駆動装置と呼ぶ。)は、図1及び図2に示すように、車両(図示せず)の駆動軸9,9を介して駆動輪DW,DW(被駆動部)を駆動するためのものであり、駆動源である内燃機関(以下「エンジン」という)6と、電動機(以下「モータ」という)7と、動力を駆動輪DW,DWに伝達するための変速機20と、を備えている。
エンジン6は、例えばガソリンエンジン又はディーゼルエンジンであり、このエンジン6のクランク軸6aには、変速機20の第1クラッチ41(第1断接手段)と第2クラッチ42(第2断接手段)が設けられている。
モータ7は、3相ブラシレスDCモータであり3n個の電機子71aで構成されたステータ71と、このステータ71に対向するように配置されたロータ72とを有している。各電機子71aは、鉄芯71bと、この鉄芯71bに巻き回されたコイル71cで構成されており、不図示のケーシングに固定され、回転軸を中心に周方向にほぼ等間隔で並んでいる。3n個のコイル71cは、n組のU相、V相、W相の3相コイルを構成している。
ロータ72は、鉄芯72aと、回転軸を中心にほぼ等間隔で並んだn個の永久磁石72bを有しており、隣り合う各2つの永久磁石72bの極性は、互いに異なっている。鉄芯72aを固定する固定部72cは、軟磁性体(例えば鉄)で構成された中空円筒状を有し、後述する遊星歯車機構30のリングギヤ35の外周側に配置され、遊星歯車機構30のサンギヤ32に連結されている。これにより、ロータ72は、遊星歯車機構30のサンギヤ32と一体に回転するように構成されている。
遊星歯車機構30は、サンギヤ32と、このサンギヤ32と同軸上に配置され、かつ、このサンギヤ32の周囲を取り囲むように配置されたリングギヤ35と、サンギヤ32とリングギヤ35に噛合されたプラネタリギヤ34と、このプラネタリギヤ34を自転可能、かつ、公転可能に支持するキャリア36とを有している。このようにして、サンギヤ32とリングギヤ35とキャリア36が、相互に差動回転自在に構成されている。
リングギヤ35には、同期機構(シンクロナイザー機構)を有しリングギヤ35の回転を停止(ロック)可能に構成されたロック機構61(第1同期装置)が設けられている。なお、ロック機構61としてブレーキ、スリーブによる摩擦係合装置を用いてもよい。
変速機20は、前述した第1クラッチ41と第2クラッチ42と、遊星歯車機構30と、後述する複数の変速ギヤ群を備えた、いわゆるツインクラッチ式変速機である。
より具体的に、変速機20は、エンジン6のクランク軸6aと同軸(回転軸線A1)上に配置された第1主軸11(第1の入力軸)と、第2主軸12と、連結軸13と、回転軸線A1と平行に配置された回転軸線B1を中心として回転自在なカウンタ軸14(出力軸)と、回転軸線A1と平行に配置された回転軸線C1を中心として回転自在な第1中間軸15と、回転軸線A1と平行に配置された回転軸線D1を中心として回転自在な第2中間軸16(第2の入力軸)と、回転軸線A1と平行に配置された回転軸線E1を中心として回転自在なリバース軸17を備えている。
第1主軸11には、エンジン6側に第1クラッチ41が設けられ、エンジン6側とは反対側に遊星歯車機構30のサンギヤ32とモータ7のロータ72が取り付けられている。従って、第1主軸11は、第1クラッチ41によって選択的にエンジン6のクランク軸6aと連結されるとともにモータ7と直結され、エンジン6及び/又はモータ7の動力がサンギヤ32に伝達されるように構成されている。
第2主軸12は、第1主軸11より短く中空に構成されており、第1主軸11のエンジン6側の周囲を覆うように相対回転自在に配置されている。また、第2主軸12には、エンジン6側に第2クラッチ42が設けられ、エンジン6側とは反対側にアイドル駆動ギヤ27aが一体に取り付けられている。従って、第2主軸12は、第2クラッチ42によって選択的にエンジン6のクランク軸6aと連結され、エンジン6の動力がアイドル駆動ギヤ27aへ伝達されるように構成されている。
連結軸13は、第1主軸11より短く中空に構成されており、第1主軸11のエンジン6側とは反対側の周囲を覆うように相対回転自在に配置されている。また、連結軸13には、エンジン6側に第3速用駆動ギヤ23aが一体に取り付けられ、エンジン6側とは反対側に遊星歯車機構30のキャリア36が一体に取り付けられている。従って、プラネタリギヤ34の公転により連結軸13に取り付けられたキャリア36と第3速用駆動ギヤ23aが一体に回転するように構成されている。
さらに、第1主軸11には、連結軸13に取り付けられた第3速用駆動ギヤ23aと第2主軸12に取り付けられたアイドル駆動ギヤ27aとの間に、第1主軸11と相対回転自在に第5速用駆動ギヤ25aが設けられるとともに第1主軸11と一体に回転するリバース従動ギヤ28bが取り付けられている。さらに第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aとの間には、第1主軸11と第3速用駆動ギヤ23a又は第5速用駆動ギヤ25aとを連結又は開放する第1変速用シフター51が設けられている。そして、第1変速用シフター51が第3速用接続位置でインギヤするときには、第1主軸11と第3速用駆動ギヤ23aが連結して一体に回転し、第5速用接続位置でインギヤするときには、第1主軸11と第5速用駆動ギヤ25aが一体に回転し、第1変速用シフター51がニュートラル位置にあるときには、第1主軸11は第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aに対し相対回転する。なお、第1主軸11と第3速用駆動ギヤ23aが一体に回転するとき、第1主軸11に取り付けられたサンギヤ32と第3速用駆動ギヤ23aに連結軸13で連結されたキャリア36が一体に回転するとともに、リングギヤ35も一体に回転し、遊星歯車機構30が一体となる。この遊星歯車機構30が一体となって回転するとき、後述する第3速走行がなされる。また、第1変速用シフター51がニュートラル位置にあって前述のロック機構61が第1速用接続位置で接続されると、リングギヤ35がロックされ、サンギヤ32の回転が減速されてキャリア36に伝達される。これにより後述する第1速走行がなされる。
第1中間軸15には、第2主軸12に取り付けられたアイドル駆動ギヤ27aと噛合する第1アイドル従動ギヤ27bが一体に取り付けられている。
第2中間軸16には、第1中間軸15に取り付けられた第1アイドル従動ギヤ27bと噛合する第2アイドル従動ギヤ27cが一体に取り付けられている。第2アイドル従動ギヤ27cは、前述したアイドル駆動ギヤ27aと第1アイドル従動ギヤ27bとともに第1アイドルギヤ列27Aを構成している。また、第2中間軸16には、第1主軸11周りに設けられた第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aと対応する位置にそれぞれ第2中間軸16と相対回転可能な第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aとが設けられている。さらに第2中間軸16には、第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aとの間に、第2中間軸16と第2速用駆動ギヤ22a又は第4速用駆動ギヤ24aとを連結又は開放する第2変速用シフター52が設けられている。そして、第2変速用シフター52が第2速用接続位置でインギヤするときには、第2中間軸16と第2速用駆動ギヤ22aとが一体に回転し、第2変速用シフター52が第4速用接続位置でインギヤするときには、第2中間軸16と第4速用駆動ギヤ24aとが一体に回転し、第2変速用シフター52がニュートラル位置にあるときには、第2中間軸16は第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aに対し相対回転する。
カウンタ軸14には、エンジン6側とは反対側から順に第1共用従動ギヤ23bと、第2共用従動ギヤ24bと、パーキングギヤ21と、ファイナルギヤ26aとが一体に取り付けられている。
ここで、第1共用従動ギヤ23bは、連結軸13に取り付けられた第3速用駆動ギヤ23aと噛合して第3速用駆動ギヤ23aと共に第3速用ギヤ対23を構成し、第2中間軸16に設けられた第2速用駆動ギヤ22aと噛合して第2速用駆動ギヤ22aと共に第2速用ギヤ対22を構成する。
第2共用従動ギヤ24bは、第1主軸11に設けられた第5速用駆動ギヤ25aと噛合して第5速用駆動ギヤ25aと共に第5速用ギヤ対25を構成し、第2中間軸16に設けられた第4速用駆動ギヤ24aと噛合して第4速用駆動ギヤ24aと共に第4速用ギヤ対24を構成する。
ファイナルギヤ26aは差動ギヤ機構8と噛合して、差動ギヤ機構8は、駆動軸9,9を介して駆動輪DW,DWに連結されている。従って、カウンタ軸14に伝達された動力はファイナルギヤ26aから差動ギヤ機構8、駆動軸9,9、駆動輪DW,DWへと出力される。
リバース軸17には、第1中間軸15に取り付けられた第1アイドル従動ギヤ27bと噛合する第3アイドル従動ギヤ27dが一体に取り付けられている。第3アイドル従動ギヤ27dは、前述したアイドル駆動ギヤ27aと第1アイドル従動ギヤ27bとともに第2アイドルギヤ列27Bを構成している。また、リバース軸17には、第1主軸11に取り付けられた後進用従動ギヤ28bと噛合する後進用駆動ギヤ28aがリバース軸17と相対回転自在に設けられている。後進用駆動ギヤ28aは、後進用従動ギヤ28bとともに後進用ギヤ列28を構成している。さらに後進用駆動ギヤ28aのエンジン6側とは反対側にリバース軸17と後進用駆動ギヤ28aとを連結又は開放する後進用シフター53が設けられている。そして、後進用シフター53が後進用接続位置でインギヤするときには、リバース軸17と後進用駆動ギヤ28aとが一体に回転し、後進用シフター53がニュートラル位置にあるときには、リバース軸17と後進用駆動ギヤ28aとが相対回転する。
なお、第1変速用シフター51、第2変速用シフター52、後進用シフター53は、接続する軸とギヤの回転数を一致させる同期機構(シンクロナイザー機構)を有するクラッチ機構を用いている。
このように構成された変速機20は、2つの変速軸の一方の変速軸である第1主軸11上に第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aからなる奇数段ギヤ群(第1ギヤ群)が設けられ、2つの変速軸の他方の変速軸である第2中間軸16上に第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aからなる偶数段ギヤ群(第2ギヤ群)が設けられる。
以上の構成により、本実施形態の車両用駆動装置1は、以下の第1〜第5の伝達経路を有している。
(1)第1伝達経路は、エンジン6のクランク軸6aが、第1主軸11、遊星歯車機構30、連結軸13、第3速用ギヤ対23(第3速用駆動ギヤ23a、第1共用従動ギヤ23b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。ここで、遊星歯車機構30の減速比は、第1伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達されるエンジントルクが第1速相当となるように設定されている。即ち、遊星歯車機構30の減速比と第3速用ギヤ対23の減速比をかけ合わせた減速比が第1速相当となるように設定されている。
(2)第2伝達経路は、エンジン6のクランク軸6aが、第2主軸12、第1アイドルギヤ列27A(アイドル駆動ギヤ27a、第1アイドル従動ギヤ27b、第2アイドル従動ギヤ27c)、第2中間軸16、第2速用ギヤ対22(第2速用駆動ギヤ22a、第1共用従動ギヤ23b)又は第4速用ギヤ対24(第4速用駆動ギヤ24a、第2共用従動ギヤ24b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。
(3)第3伝達経路は、エンジン6のクランク軸6aが、第1主軸11、第3速用ギヤ対23(第3速用駆動ギヤ23a、第1共用従動ギヤ23b)又は第5速用ギヤ対25(第5速用駆動ギヤ25a、第2共用従動ギヤ24b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、遊星歯車機構30を介さずに、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。
(4)第4伝達経路は、モータ7が、遊星歯車機構30又は第3速用ギヤ対23(第3速用駆動ギヤ23a、第1共用従動ギヤ23b)又は第5速用ギヤ対25(第5速用駆動ギヤ25a、第2共用従動ギヤ24b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。
(5)第5伝達経路は、エンジン6のクランク軸6aが、第2主軸12、第2アイドルギヤ列27B(アイドル駆動ギヤ27a、第1アイドル従動ギヤ27b、第3アイドル従動ギヤ27d)、リバース軸17、後進用ギヤ列28(後進用駆動ギヤ28a、後進用従動ギヤ28b)、遊星歯車機構30、連結軸13、第3速用ギヤ対23(第3速用駆動ギヤ23a、第1共用従動ギヤ23b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。
このように構成された車両用駆動装置1は、ロック機構61、第1及び第2クラッチ41、42の断接を制御するとともに第1変速用シフター51、第2変速用シフター52および後進用シフター53の接続位置を制御することにより、エンジン6で第1〜第5速走行および後進走行を行うことができる。
第1速走行は、第1クラッチ41を締結しロック機構61を接続することで第1伝達経路を介して駆動力が駆動輪DW,DWに伝達される。第2速走行は、第2クラッチ42を締結して第2変速用シフター52を第2速用接続位置でインギヤすることで第2伝達経路を介して駆動力が駆動輪DW,DWに伝達され、第3速走行は、第1クラッチ41を締結して第1変速用シフター51を第3速用接続位置でインギヤすることで第3伝達経路を介して駆動力が駆動輪DW,DWに伝達される。
また、第4速走行は、第2クラッチ42を締結して第2変速用シフター52を第4速用接続位置でインギヤすることで第2伝達経路を介して駆動力が駆動輪DW,DWに伝達され、第5速走行は、第1クラッチ41を締結して第1変速用シフター51を第5速用接続位置でインギヤすることで第3伝達経路を介して駆動力が駆動輪DW,DWに伝達される。さらに、第2クラッチ42を締結して後進用シフター53を接続することで、第5伝達経路を介して後進走行がなされる。
また、エンジン走行中にロック機構61を接続したり、第1及び第2変速用シフター51、52をインギヤしてプレシフトすることでモータ7でアシストしたり回生したり、さらにアイドリング中であってもエンジン6をモータ7で始動したり、バッテリ3を充電することもできる。さらに、第1及び第2クラッチ41、42を切断してモータ7でEV走行を行うこともできる。EV走行の走行モードとしては、第1及び第2クラッチ41、42を切断して、ロック機構61を接続することで第4伝達経路を介して走行する第1速EVモードと、第1変速用シフター51を第3速用接続位置でインギヤすることで第4伝達経路を介して走行する第3速EVモードと、第1変速用シフター51を第5速用接続位置でインギヤすることで第4伝達経路を介して走行する第5速EVモードとが存在する。
図3に示すように、モータ7は、その動作を制御するパワードライブユニット(以下、PDUという。)2に接続されており、また、PDU2は、モータ7へ電力を供給、また、モータ7からの電力を充電するバッテリに接続されている。即ち、モータ7は、バッテリ3からPDU2を介して供給された電力によって駆動され、また、減速走行時における駆動輪DW,DWの回転やエンジン6の動力により回生発電を行って、バッテリ3の充電(エネルギー回収)を行うことが可能である。
また、PDU2は、車両全体の各種制御を行うための制御装置5に接続されている。制御装置5には、車両が接地する路面の勾配を検知する勾配センサ55、車両の車速を検出する車速センサ56、アクセルペダルの操作量(踏み込み量)を検知するアクセルペダルセンサ57、ブレーキペダルの操作量(踏み込み量)を検知するブレーキペダルセンサ58、及び車両の外気圧を検知する外気圧センサ59が接続されている。
さらに、制御装置5は、要求駆動力決定手段81、バッテリ状態検出手段82、変速段決定手段83を含み、上述したセンサ55〜59などによって、加速要求、制動要求、エンジン回転数、モータ回転数、モータ温度、第1、第2主軸11、12の回転数、カウンタ軸14等の回転数、車速、シフトポジション、SOC(State of Charge)などが入力される一方、エンジン6を制御する信号、モータ7を制御する信号、バッテリ3における発電状態・充電状態・放電状態などを示す信号、第1、第2変速シフター51、52、後進用シフター53を制御する信号、ロック機構61の接続(ロック)と開放(ニュートラル)を制御する信号などが出力される。
この制御装置5は、バッテリ3のSOCに応じて各種制御の実施可否を判断する図4に示すような制御マップMapを有しており、基本的にはこの制御マップMapに基づいて、ENG始動、アイドルストップ、減速回生、ENG切離し、EV走行、エアコン用コンプレッサ駆動の可否が判断される。なお、図4中、○は実施可能、×は禁止、△は条件付実施可能となっている。
この制御マップMapでは、SOCを少ない方から多い方にCゾーン、Bゾーン、Aゾーン、Dゾーンの4つに分類するとともに、さらにAゾーンをSOCの少ない方から多い方にA−Lゾーン、A−Mゾーン、A−Hゾーンの3つに分類し、トータルで6つのゾーンに区分けしている。そして、最大充電量に近いDゾーンでは、減速回生やENG切離しを条件付で許容し、BゾーンとCゾーンではEV走行やアイドルストップを禁止し、A−Mゾーンを目標充電量として制御している。
要求駆動力決定手段81は、車速センサ56が検知した車速V、アクセルペダルセンサ57が検知したアクセルペダルの操作量、及びブレーキペダルセンサ58が検知したブレーキペダルの操作量に応じて、カウンタ軸14から出力することが必要な要求駆動力を取得する。要求駆動力決定手段81は、ECU5内の図示しないROM等に格納された図5の変速マップMを用いて、要求駆動力を取得する。
これにより、制御装置5は、図4の制御マップ及び図5の変速マップMに基づいて、車両の走行状態(ENG走行、EV走行、HEV走行)及び変速機20の変速段を制御する。
変速マップMは、燃費の観点からエンジン走行中はモータ7によるアシストを行わず回生のみを行い、回生により溜まったエネルギーによりEV走行をできるだけ行うように設定されている。このため、エンジン6は、スロットルバルブの全開状態(WOT:Wide Open Throttle)、また、取りうる最低ギヤ段以外ではBSFCボトムトルク以上のトルクを出力せず、また、モータ7は、取りうる最低ギヤ段、若しくは、1段下のギヤ段にプレシフトがあるときのみアシストを許可する。
変速マップMは、変速段毎に、アップシフト線及びダウンシフト線を有する。また、図6に示すように、変速マップMは、各アップシフト線及びダウンシフト線を横切る直前に次の変速段にプレシフトするための、各アップシフト線及びダウンシフト線に倣ったプレシフト線をそれぞれ有する。アップシフト線とダウンシフト線との間にはヒステリシスを持たせており、変速状態が頻繁に遷移してしまうシフトハンチングを抑制している。
また、図7に示すように、アップシフト線、ダウンシフト線及びプレシフト線は、モータ7にアシスト可能トルクがあり、1段下にプレシフトされているアシスト可能状態にあるときには、高トルク側にオフセットする。
さらに、アップシフト線、ダウンシフト線及びプレシフト線は、エンジン6の出力上限トルクに応じて、高トルク側または低トルク側にオフセットする。例えば、高地走行によって、外気圧センサ59から外気圧の低下が検出され、エンジン出力上限トルクが下がった場合には、アップシフト線、ダウンシフト線及びプレシフト線を低トルク側にオフセットすることで、低速段で長くエンジン6を使用することができ、所望のトルクを得ることができる。従って、図7中の表に示すように、各シフト線の位置に応じて、領域a,bで選択されるギヤ段が変更される。
なお、アクセルペダルが全開状態又はスロットルバルブ全開状態では、エンジン6は最高出力で運転される。
そして、図5に変速マップMから車速とアクセル開度に基づいてギヤ段を検索し、また、図8に示すように、車速とギヤ段を平坦アップ線マップに入力して各ギヤ段でのアップシフト線出力トルクを検索する。なお、入力する車速の値は、実車速に対して急ブレーキや、エンジン冷却水またクラッチ作動油の温度に応じてオフセットされる。そして、得られた各ギヤ段でのアップシフト線トルクにギヤ効率を積算し、さらに、エンジン6のトルク変化率を積算する。さらに、アシスト可能トルクを加算し、ギヤ段ごとに得られたトルク値と目標出力トルクとを比較して、目標ギヤ段を選択する。
なお、変速マップは、図8に示すように、路面が軽登坂である場合には、別のアップシフト線マップを用いて、各ギヤ段でのアップシフト線出力トルクを検索する。また、ダウンシフトする場合も同様の手順で行われる。
ここで、本実施形態では、バッテリの出力制限やモータの作動制限がない通常走行において、偶数段(第2変速段)を選択して走行している際、1段下の奇数段(第1変速段)にプレシフトが行われている。
具体的に、図6に示すように、第1速走行から第2速走行へアップシフトする際には、第2変速用シフター52を第2速用接続位置でインギヤすることでプレシフトを行い、その後、第2クラッチ42を締結すると共に第1クラッチ41を開放して、エンジン6の駆動力が第2伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達されるが、ロック機構61の第1速用接続位置での接続状態を維持する。
また、第3速走行から第2速走行へダウンシフトする際には、第2変速用シフター52を第2速用接続位置でインギヤすることでプレシフトを行い、その後、第2クラッチ42を締結すると共に第1クラッチ41を開放して、エンジン6の駆動力が第2伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達される。その際、第1変速用シフター51を第3速用接続位置からニュートラル位置へ開放すると共に、ロック機構61を第1速用接続位置に接続する。
これにより、第2速を選択して走行している間、1速段にプレシフトが行われており、第2速走行においても、モータ7のアシスト及び回生を行うことができる。また、1段下の奇数段にプレシフトした状態で回生を行うことで、1段上の奇数段にプレシフトした状態で回生を行う場合に比べて、より効率的な回生が可能となる。
なお、第2速走行(偶数段)から第3速走行(奇数段)へのアップシフトは、第1変速用シフター51を第3速用接続位置でインギヤすることでプレシフトを行い、その後、第1クラッチ41を締結すると共に第2クラッチ42を開放して、エンジン6の駆動力が第3伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達される。そして、第2変速用シフター52を第2速用接続位置からニュートラル位置へ開放する。また、第2速走行(偶数段)から第1速走行(奇数段)へのダウンシフトは、ロック機構61を第1速用接続位置に接続することでプレシフトを行い、その後、第1クラッチ41を締結すると共に第2クラッチ42を開放して、エンジン6の駆動力が第3伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達される。そして、第2変速用シフター52を第2速用接続位置からニュートラル位置へ開放する。
また、図9に示すように、1段下の奇数段(3速段)にプレシフトが行われている偶数段(第4速)走行時に、運転者の要求駆動力がエンジン6のBSFCボトムトルク出力を超えた場合、奇数段のギヤの入れ替えがなく、モータ7によるアシストで対応することができる。また、アクセルペダルのさらなる踏み込みによってダウンシフト(キックダウン)した場合には、モータ7のアシストによってイナーシャ相の引き込みを打ち消すことができ、駆動力抜けを抑制することができる。一方、図10に示すように、1段上の奇数段(5速段)にプレシフトが行われている偶数段(第4速)走行時にダウンシフトする場合は、1段下の奇数段へギヤを入れ替えるため、その間にモータ7によるアシストは行われず、入れ替えの間駆動力抜けが大きい。なお、図9以降のタイミングチャートにおいて、符号APは、アクセルペダルの開度、Neはエンジン6の回転数、Nmはモータ7の回転数、C41は第1クラッチ41の状態、C42は第2クラッチ42の状態、Teはエンジン6のトルク、Tmはモータ7のアシスト又は回生トルク、Tdsはカウンタ軸からの出力をそれぞれ示す。
また、図11(b)に示すように、モータ7によるアシストが可能な場合には、通常のキックダウン線(以下、KD線という)、即ち、エンジンの駆動限界に対して、アシスト限界分をオフセットしたKD線が設定される。この場合、モータ7のアシストによりSOCが低下してくると、それに伴ってKD線も下降することから、アクセルペダルの踏み込みが一定であるにも関わらず、運転者の要求駆動力を満たすことができなくなった段階で、キックダウンしていた。
このため、本実施形態では、図11(a)に示すように、SOCが減ってアシスト量が徐々に下がっていき、要求駆動力との偏差(図11(a)の網掛部分)がでて要求駆動力を満たすことができなくなった場合でもキックダウンさせずに、運転者のアクセルペダルの踏み込みをトリガーとしてキックダウンをさせるようにしている。これにより、運転者が要求するタイミングに合わせて運転者に違和感を与えることなくキックダウンを行うことができる。
図12は、3速段にプレシフトが行われており、モータ7が回生動作している第4速走行から第5速走行にアップシフトする際の状態変化を示すタイミングチャートである。この場合、変速機20における伝達経路を、第4速用ギヤ対24を介した第2伝達経路から第5速用ギヤ対25を介した第3伝達経路に切り替える前に、制御装置5は、モータ7の回生トルクTmが0[Nm]となるようモータ7を制御し、BSFC(Brake Specific Fuel Consumption)ボトム運転中のエンジン6のトルクTeを下げ、駆動力合せをする。なお、BSFCボトム運転とは、消費燃料量が最小となる一定の回転数での定点運転である。そして、モータ7の第1変速用シフター51の接続位置を第3速用接続位置から第5速用接続位置に切り替える。
次に、制御装置5は、第2クラッチ42の締結状態を開放していくトルク相開始と同時に、第1クラッチ41の締結度合を上げる。そして、第1クラッチ41のクラッチトルクに基づいて、駆動力合わせを規定割合まで行う。その後、第1クラッチ41が係合し始め、エンジン回転数が低下するイナーシャ相では、入出力回転数比GRatioに基づいて残りの割合を合わせて変速中に駆動力合わせを完了する。そして、第1クラッチ41が完全に締結されて、第5速走行に切り替わる。
なお、入出力回転数比GRatioとは、第1主軸11とカウンタ軸14の回転数比を所定のテーブル(図示せず)にてテーブル換算した値である。このため、GRatioはクラッチが完全に係合していれば各変速段のギヤ比を基準にした一定の範囲内に収束すると共に変速時においてはその進行度に応じて逐次変化することから、変速の進行度を示す指標とすることができる。
また、モータ7が過回転(所定の回転数より高い回転数)、モータ7が高温状態(第1の所定温度より高温)、又はバッテリ3が極低温状態(第2の所定温度より低温)の場合で、偶数段を選択して走行している際には、モータ7の異常昇温防止、また、バッテリ3の出力が低下してモータ7の出力も低下してしまうことから、現在の偶数段より高い奇数段にプレシフトを行う。ただし、この場合には、モータ7のアシストはエンジン6の駆動力範囲内とする。
図13に示すように、バッテリ3が極低温状態にあって、1段上の3速段にプレシフトが行われている第2速走行においては、第2速から第1速にダウンシフトする際、第1変速用シフター51を第3速用接続位置からニュートラル位置に開放した後、第2クラッチ42を開放すると共に、第1クラッチ41を半クラッチ状態に滑り係合し、モータ7の回転数をエンジン6の回転数に合わせて、各回転数が落ちないように制御する。その後、第1クラッチ41を開放した状態で、ロック機構61を第1速用接続位置にインギヤし、第1クラッチ41を締結する。これにより、ダウンシフト時にロック機構61を第1速用接続位置にインギヤする時のショックを抑制することができる。
さらに、図14は、第4速走行において1段上の5速段がプレシフトされた状態からアクセル開度の増加によって1段下の3速段にダウンシフトするときの状態変化を示すタイミングチャートである。ダウンシフト線は、スロットル全開状態を除いてBSFCボトムトルク線に設定されているとした場合、アクセルペダルの踏み込みによりモータ7の回生量が徐々に減少していき、ダウンシフト線に到達したときには回生量が0Nmとなる。この時点で、第1クラッチ41を滑らせながら係合するとともに、第2クラッチ42の接続を部分的に解除し、第1変速用シフター51を第5速用接続位置から第3速用接続位置に変速段の入れ替えを行う。エンジン6はBSFCボトムトルク線に沿った出力を維持し、第1クラッチ41が完全に締結して、イナーシャ相の終了時点から余剰トルクをモータ7の回生によって徐々に吸収する。
また、図15に示すように、第5速を選択して走行している際、アクセル開度が急増により第3速にキックダウンする場合には、第1クラッチ41を開放し始めるとともに、第2クラッチ42を締結し始め、イナーシャ相でエンジン6の回転数が増加している間に、第2クラッチ42の締結を滑り係合状態として一旦4速段に切り替え、また、第1クラッチ41を滑り係合状態から開放した後に、第1変速用シフター51を第5速用接続位置から第3速用接続位置に切り替える。その後、第2クラッチ42の締結を開放すると共に、第1クラッチ41を締結することで、第3速にダウンシフトしている。なお、イナーシャ相の長さは、ダウンシフトによる目標段が1段下の4速段か、2段下の3速段であるかどうかで決定される。
また、図16は、ハイブリッド車両用駆動装置1の走行性能線図を示している。細破線Aで示す3本の線はそれぞれ、第1速EV走行モード、第3速EV走行モード、第5速EV走行モードにおいて、本来モータ7が出力可能な最大駆動力であり、細破線Bで示す3本の線はそれぞれ、第1速EV走行モード、第3速EV走行モード、第5速EV走行モードで走行時に、モータ7により走行駆動力として出力される駆動力の制限値を示している。すなわち、第1速EV走行モードで走行する際にモータ7により出力可能な駆動力は、本来モータ7が出力可能な最大駆動力(細線Aの1stで示す)ではなく、エンジン6を始動させるのに使用される駆動力を除くことにより制限された駆動力制限値(細破線Bの1stで示す)である。また、太線Cで示される5本の線は、第1速〜第5速でエンジン走行する際の、車速とエンジン6のクランク軸の回転数との関係を示す。太破線Dで示される5本の線は、第1速〜第5速で走行する際の、エンジン6により出力可能な最大駆動力を示す。太一点鎖線Eで示される5本の線は、第1速〜第5速でエンジン6とモータ7との両方の駆動力により走行する際に、エンジン6とモータ7により出力可能な最大駆動力の合計を示す。
ここで、本実施形態では、モータ7でアシストしながらエンジン6をWOT状態で運転して走行中(以後、WOTアシスト走行という。)にアップシフトする際、ギヤ入れ替え時にモータ7のアシストが途切れることで発生する、図16のXVI部分に示すようなトルク抜けをクラッチの締結容量で補っている。
例えば、図17は、WOTアシスト走行で第1速走行から第2速走行にアップシフトする際に、モータ7のアシストを1速段から3速段に切り替える場合の状態変化を示すタイミングチャートである。この場合、第1クラッチ41と第2クラッチ42の掴み替えによりトルク分担が切り替わり、第1クラッチ41の締結が開放されたトルク相終了後、イナーシャ相中にロック機構61を第1速用接続位置から開放し、第1変速用シフター51を第3速用接続位置でインギヤしてギヤ入れ替えする際、第2クラッチ42の締結容量をモータ7のアシストトルク分増加する。これにより、ギヤ入れ替え時のトルク抜けを補うことができ、変速ショックを抑えることができる。
以上説明したように、本実施形態のハイブリッド車両用駆動装置1によれば、スロットル全開状態においてモータ7がアシストしながら、第1速走行から第2速走行にアップシフトする際、第1クラッチ41の締結を開放した後、そのイナーシャ相中に第2クラッチ42の締結容量を増やしながら、1速段から3速段にプレシフトを行うので、ギヤ入れ替えの際のトルク抜けを第2クラッチ42の締結容量によって補うことができ、変速ショックを抑えることができる。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、車両用駆動装置1は、ツインクラッチ式変速機のモータ7が接続された入力軸である第1主軸11に奇数段ギヤを配置し、モータ7が接続されていない入力軸である第2中間軸16に偶数段ギヤを配置したが、これに限定されず、モータ7が接続された入力軸である第1主軸11に偶数段ギヤを配置し、モータ7が接続されていない入力軸である第2中間軸16に奇数段ギヤを配置してもよい。
また、奇数段の変速段として第1速用駆動ギヤとしての遊星歯車機構30と、第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aに加えて、第7、9・・速用駆動ギヤを、偶数段の変速段として第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aに加えて、第6、8・・速用駆動ギヤを設けてもよい。
また、カウンタ軸14に取り付けられる従動ギヤを第2速用駆動ギヤ22aと第3速用駆動ギヤ23aと共同して噛合する第1共用従動ギヤ23bと、第4速用駆動ギヤ24aと第5速用駆動ギヤ25aと共同して噛合する第2共用従動ギヤ24bとしたが、これに限らず、それぞれのギヤと噛合する従動ギヤを複数設けてもよい。また、第1速用駆動ギヤとして遊星歯車機構30を例示したが、これに限らず第3速用駆動ギヤ23aなどと同様に第1速用駆動ギヤを設けてもよい。
1 ハイブリッド車両用駆動装置
2 制御装置
3 バッテリ(蓄電手段)
6 エンジン(内燃機関)
7 モータ(電動機)
11 第1主軸(第1の入力軸)
14 カウンタ軸(出力軸)
16 第2中間軸(第2の入力軸)
20 変速機
22 第2速用ギヤ対
23 第3速用ギヤ対
24 第4速用ギヤ対
25 第5速用ギヤ対
30 遊星歯車機構
41 第1クラッチ(第1断接手段)
42 第2クラッチ(第2断接手段)
51 第1変速用シフター(第1同期装置)
52 第2変速用シフター(第2同期装置)
61 ロック機構(第1同期装置)

Claims (3)

  1. 内燃機関と、
    電動機と、
    前記電動機に電力を供給する蓄電装置と、
    前記電動機に接続されるとともに第1断接手段を介して選択的に前記内燃機関に接続される第1入力軸と、第2断接手段を介して選択的に前記内燃機関に接続される第2入力軸と、被駆動部に動力を出力する出力軸と、前記第1入力軸と出力軸間で複数の第1変速段を構成可能な第1変速ギヤ機構と、前記第2入力軸と出力軸間で複数の第2変速段を構成可能な第2変速ギヤ機構と、前記複数の第1変速段のいずれかを選択するように前記第1変速ギヤ機構を切り換える第1同期装置と、前記複数の第2変速段のいずれかを選択するように前記第2変速ギヤ機構を切り換える第2同期装置と、を備える変速機構と、を備えたハイブリッド車両用駆動装置であって、
    スロットル全開状態において、前記第1変速段から前記第2変速段にアップシフトする際、前記第1断接手段の締結を開放した後、そのイナーシャ相中に前記第2断接手段の締結容量を増やしながら、前記第1変速段から2段以上上の、前記複数の第1変速段に含まれる別の変速段にプレシフトを行うことを特徴とするハイブリッド車両用駆動装置。
  2. 前記蓄電装置が極低温状態にある場合、前記所定の第2変速段からダウンシフトする際、前記第1断接手段を滑り係合させ、前記電動機の回転数を前記内燃機関の回転数に合わせた後、前記第1断接手段を開放した状態で、前記第1同期装置によって1段下の前記第1変速段にインギヤし、その後、前記第1断接手段を締結することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
  3. 前記所定の第2変速段を選択して走行している際、前記第1同期装置によって前記第1変速段にプレシフトが行われている場合、前記第2断接手段の接続によって前記内燃機関に伝達される動力は、前記電動機の回生によって吸収可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
JP2014008071A 2014-01-20 2014-01-20 ハイブリッド車両用駆動装置 Expired - Fee Related JP5740494B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014008071A JP5740494B2 (ja) 2014-01-20 2014-01-20 ハイブリッド車両用駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014008071A JP5740494B2 (ja) 2014-01-20 2014-01-20 ハイブリッド車両用駆動装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010105476A Division JP2011230741A (ja) 2010-04-30 2010-04-30 ハイブリッド車両用駆動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014129084A JP2014129084A (ja) 2014-07-10
JP5740494B2 true JP5740494B2 (ja) 2015-06-24

Family

ID=51407900

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014008071A Expired - Fee Related JP5740494B2 (ja) 2014-01-20 2014-01-20 ハイブリッド車両用駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5740494B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017105377A (ja) * 2015-12-11 2017-06-15 スズキ株式会社 ハイブリッド車両の駆動制御装置
KR101766116B1 (ko) 2016-02-12 2017-08-24 현대자동차주식회사 Dct차량의 클러치 특성 학습방법

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3988428B2 (ja) * 2001-10-09 2007-10-10 株式会社日立製作所 自動変速機,制御装置、および自動車
JP2009173196A (ja) * 2008-01-25 2009-08-06 Toyota Motor Corp ハイブリッド車両
JP5131126B2 (ja) * 2008-09-29 2013-01-30 トヨタ自動車株式会社 ツインクラッチ式変速機の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014129084A (ja) 2014-07-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5703294B2 (ja) ハイブリッド車両用駆動装置
JP6101718B2 (ja) ハイブリッド車両
US8827852B2 (en) Controller for vehicle drive unit
JP5655063B2 (ja) ハイブリッド車両
JP2011213166A (ja) ハイブリッド車両用駆動装置
US9925976B2 (en) Hybrid electric vehicle drive apparatus
JP5732457B2 (ja) 車両の制御装置及び制御方法
JP2011230741A (ja) ハイブリッド車両用駆動装置
JP5656440B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP5740494B2 (ja) ハイブリッド車両用駆動装置
JP5989303B2 (ja) ハイブリッド車両
JP6068300B2 (ja) 動力出力装置の制御装置
JP5634967B2 (ja) ハイブリッド車両及びその制御方法
JP2011183959A (ja) ハイブリッド車両用駆動装置の制御装置
JP5947059B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP5481344B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP6165093B2 (ja) ハイブリッド車両
US20230191894A1 (en) Multi-speed hybrid transmission and transmission operating method
US20230191897A1 (en) Multi-speed hybrid transmission and transmission operating method
US20230191895A1 (en) Multi-speed hybrid transmission and transmission operating method
US20230191896A1 (en) Multi-speed hybrid transmission and transmission operating method

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150113

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150313

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150331

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150427

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5740494

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees