JP2013194240A - 感温性コポリマー及びこれを用いた正浸透水処理装置と正浸透水処理方法 - Google Patents

感温性コポリマー及びこれを用いた正浸透水処理装置と正浸透水処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い浸透圧を発生する誘導溶液が得られ、温度の変化によって溶液から分離しやすい感温性コポリマーと、これを用いて高いエネルギー効率又は高い水処理効率と低コストで運転可能な正浸透水処理装置及び方法の提供。
【解決手段】感温性オリゴマーがグラフトされた第1の繰り返し単位と、イオン性残基及び前記イオン性残基の対イオンを含む第2の繰り返し単位と、を含むが、前記感温性オリゴマーは、一般式1又は一般式2で表わされる残基を有する不飽和モノマーに由来する繰り返し単位を含むオリゴマーであるか、あるいは、環内にC、N及びOを含み、且つ、C=N結合を有する複素環式化合物に由来する繰り返し単位を含むオリゴマーである感温性コポリマー。
【選択図】図1

Description

本発明は、感温性コポリマー及びこれを用いた正浸透水処理装置と正浸透水処理方法に関する。
浸透(又は、正浸透)とは、水が、より低い溶質濃度を有する溶液から、浸透圧によって、より高い溶質濃度を有する溶液へと移動する現象のことを言う。なお、逆浸透とは、人為的に圧力を加えて逆方向に水を移動させる方法のことをいう。
逆浸透工程(reverse osmosis)を用いた淡水化方法は、水処理分野においてよく知られている。通常、逆浸透工程は、高い圧力を必要とするため、エネルギー消費が極めて多いと言える。最近では、エネルギー効率を高めるために、浸透圧の原理をそのまま利用する正浸透(forward osmosis)工程が提案されており、浸透誘導溶液に用いる溶質としては、炭酸アンモニウム(ammonium bicarbonate)、二酸化硫黄(sulfur dioxide)、脂肪族アルコール(aliphatic alcohols)、硫酸アルミニウム(aluminum sulfate)、グルコース(glucose)、フルクトース(fructose)、硝酸カリウム(potassium nitrate)などが挙げられる。中でも、炭酸アンモニウム誘導溶液が最も広く知られているが、前記誘導溶液に含まれている溶質である炭酸水素アンモニウムは、正浸透過程後に、約60℃の温度下でアンモニアと二酸化炭素とに分解されて分離されうる。これらに加えて、新たに提案された誘導溶質としては、ペプチドなどの親水性高分子及び低分子物質などを付着したナノ磁性粒子(磁場で分離する)やデンドリマーなどの高分子電解質(限外ろ過膜、ナノろ過膜で分離する)などが挙げられる。
溶質が炭酸アンモニウムの場合には、60℃以上に加熱しなければ気化が進まないため高いエネルギー消耗量が求められ、しかも、アンモニアを完璧に除去することは事実上困難であるため、アンモニア臭がして飲料水として使用することはできない。ナノ磁性粒子の場合には、磁場によって分離・凝集された磁性粒子の再分散が困難であり、ナノ粒子を完全に除去することができないため、ナノ粒子の毒性問題も考慮せねばならない。感熱性デンドリマーあるいは親水性高分子又は親水性低分子物質でコーティングされている磁性ナノ粒子もまた、高分子の大きさが数〜数十nmのレベルであるためナノろ過膜、限外ろ過膜などのフィルターが必要であり、しかも、ろ過後に固まった高分子の再分散も困難である。
本発明の目的は、高い浸透圧が得られ、溶質の逆方向への拡散が非常に低く、しかも、溶質を回収・再生し易い誘導溶液が得られる感温性コポリマーを提供することである。
本発明の他の目的は、前記コポリマーの製造方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、前記感温性コポリマー及び水を含む誘導溶液を用いて正浸透工程を行う正浸透水処理装置及び正浸透水処理方法を提供することである。
本発明の一実施形態によれば、感温性オリゴマーがグラフトされた第1の繰り返し単位(first repeating unit)と、イオン性残基(ionic moiety)及び前記イオン性残基の対イオン(counter ion)を含む第2の繰り返し単位(second repeating unit)と、を含み、前記感温性オリゴマーは、下記一般式1又は下記一般式2で表わされる残基を有する不飽和モノマーに由来する繰り返し単位を含むオリゴマーであるか、あるいは、環内にC、N及びOを含み、且つ、C=N結合を有する複素環式化合物(heterocyclic compound)に由来する繰り返し単位を含むオリゴマーである感温性コポリマーを提供する。
[一般式1]
*−C(=O)N(R)(R
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素であるか、あるいは、直鎖状若しくは分岐鎖状のC〜Cのアルキル基、C〜Cのシクロアルキル基、又はC〜C10のアリール基であるが、R及びRが両方とも水素であることはなく、R及びRは、互いに結合して含窒素複素環を形成してもよい)
Figure 2013194240
(式中、Rは、C〜Cのアルキレン基である)
前記感温性コポリマーは、ポリアミノ酸誘導体であってもよい。
前記複素環式化合物は、下記一般式3で表わされるオキサゾリン化合物であってもよい。
Figure 2013194240
(式中、Akは、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、Rは、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜3のアルキル基である)
前記複素環式化合物は、2−メチル−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−プロピル−2−オキサゾリン、2−イソプロピル−2−オキサゾリン、2−ブチル−2−オキサゾリン、2−イソブチル−2−オキサゾリン、2−ペンチル−2−オキサゾリン、2−イソペンチル−2−オキサゾリン、又はこれらの組み合わせであってもよい。
前記感温性オリゴマーは、下記一般式4で表わされるN−アルキル(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位、下記一般式5で表わされるN−ビニルラクタムに由来する繰り返し単位、又はこれらの組み合わせを含んでいてもよく、必要に応じて、(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位をさらに含んでいてもよい。
Figure 2013194240
(式中、Rは、水素又はメチル基であり、R及びRは、それぞれ独立して、水素であるか、あるいは、直線状若しくは分岐鎖状のC〜Cのアルキル基、C〜Cのシクロアルキル基、又はC〜C10のアリール基であるが、R及びRが両方とも水素であることはなく、R及びRは、互いに結合して含窒素複素環を形成してもよい)
Figure 2013194240
(式中、Rは、炭素数2〜5のアルキレン基である)
前記N−アルキル(メタ)アクリルアミドは、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド(NIPAAm)、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソペンチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−エチルメチル(メタ)アクリルアミド、及びN,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド(DEAAM)からなる群から選ばれる一種以上であり、前記N−ビニルラクタムは、N−ビニルカプロラクタム(VCL)、N−ビニル−2−ピロリドン及びN−ビニル−ピペリドンからなる群から選ばれる一種以上であってもよい。
前記感温性オリゴマーは、重合度が2〜30の範囲であってもよい。
前記第2の繰り返し単位の前記イオン性残基は、−COO、−SO 、−PO 2−、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるアニオン性残基であってもよい。
前記第2の繰り返し単位は、同じイオン性残基を含むか、又は、それぞれ独立して、異なるイオン性残基を含んでいてもよい。
前記対イオンは、アルカリ金属のカチオン、アルカリ土類金属のカチオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれてもよい。
前記第1の繰り返し単位と前記第2の繰り返し単位との間のモル比は、1:99〜60:40であってもよい。
前記感温性コポリマーにおいて、第1の繰り返し単位は下記一般式6―1で表わされてもよく、前記第2の繰り返し単位は、下記一般式6−2で表わされてもよい。
Figure 2013194240
{式中、Aは、イオン性残基を含む基であり、Mは、前記イオン性残基の対イオンであり、Qは、−NR−(ここで、Rは、水素若しくは炭素数1〜5のアルキル基である)又は−S−であり、Lは、直接結合、置換若しくは非置換のC〜C20のアルキレン、又は置換若しくは非置換のC〜C20のチオアルキレン基であり、Ogは、下記一般式7の繰り返し単位を含むオリゴマー、下記一般式8の繰り返し単位を含むオリゴマー、又は下記一般式9の繰り返し単位を含むオリゴマーである。
Figure 2013194240
(式中、Rは、水素又はメチル基であり、R及びRは、それぞれ独立して、水素であるか、あるいは、直鎖状若しくは分岐鎖状のC〜Cのアルキル基、C〜Cのシクロアルキル基、又はC〜C10のアリール基であるが、R及びRが両方とも水素であることはなく、R及びRは、互いに結合して含窒素複素環を形成してもよい)
Figure 2013194240
(式中、Rは、C〜Cアルキレン基である)
Figure 2013194240
(式中、Akは、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、Rは、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜3のアルキル基である)}
上記一般式6中、Aは、それぞれ独立に、−COO、−CONR−Z−SO 、−CONR−Z−O−PO 2−、−CO−S−Z−SO 、及び−CO−S−Z−O−PO 2−からなる群から選ばれてもよい(ここで、Rは、水素又はC〜Cのアルキル基であり、Zは、置換又は非置換のC〜C20のアルキレン基であり、Mは、Na、K、Li、Ca2+、Mg2+、Ba2+、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる)。
前記感温性コポリマーは、5,000〜250,000の数平均分子量を有していてもよい。
本発明の別の実施形態によれば、感温性オリゴマーがグラフトされた第1の繰り返し単位と、イオン性残基及び前記イオン性残基の対イオンを含む第2の繰り返し単位と、を含む感温性コポリマーの製造方法を提供する。
本発明に係る感温性コポリマーの製造方法は、
ポリコハク酸イミドを用意するステップと、
片側の末端にアミン基若しくはチオール基を有し、且つ、下記一般式3で表わされるモノマーに由来する繰り返し単位を含む感温性オリゴマー、あるいは片側の末端にアミン基若しくはチオール基を有し、且つ、下記一般式4で表わされるモノマーに由来する繰り返し単位、下記一般式5で表わされるモノマーに由来する繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含む感温性オリゴマーを用意するステップと、
Figure 2013194240
(式中、Akは、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、Rは、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜3のアルキル基である)
Figure 2013194240
(式中、Rは、水素又はメチル基であり、R及びRは、それぞれ独立して、水素であるか、あるいは、直線状若しくは分岐鎖状のC〜Cのアルキル基、C〜Cのシクロアルキル基、又はC〜C10のアリール基であるが、R及びRが両方とも水素であることはなく、R及びRは、互いに結合して含窒素複素環を形成してもよい)
Figure 2013194240
(式中、Rは、炭素数2〜5のアルキレン基である)
前記ポリコハク酸イミドを前記感温性オリゴマーと反応させて、前記ポリコハク酸イミドのスクシンイミド環の一部を開環し、前記感温性オリゴマーをグラフトさせるステップと、
前記反応の生成物と、イオン性残基を含むアミン化合物、イオン性残基を含むチオール化合物、無機塩基、又はこれらの組み合わせと、を反応させて、前記ポリコハク酸イミドに残留しているスクシンイミド環を開環し、イオン性残基及び対イオンを取り込ませるステップと、を含む。
前記ポリコハク酸イミドは、数平均分子量が5,000以下であってもよい。
前記イオン性残基を有するアミン化合物は、C〜C20のホスホアルキルアミン、C〜C20のスルホアルキルアミン、又はこれらの組み合わせであってもよく、前記無機塩基は、アルカリ金属ヒドロキシド、アルカリ土類金属ヒドロキシド又はこれらの組み合わせであってもよい。
本発明の別の実施形態によれば、本発明は、水性媒体と、前記水性媒体に溶解されており、イオン性残基及び前記イオン性残基の対イオンを含む浸透圧誘発高分子鎖と、前記浸透圧誘発高分子鎖に感温性オリゴマーがグラフトの形で共有結合されている感温性コポリマーとを含有する誘導溶質と、を含み、前記誘導溶質は、下限臨界共溶温度(lower critical solution temperature:LCST)以上において相分離によって回収されうる浸透誘導溶液を提供する。
前記感温性コポリマーは、濃度0.01g/mlにおいて下限臨界共溶温度(LCST)が10〜50℃の範囲であってもよい。
前記感温性コポリマーは、前記下限臨界共溶温度(LCST)未満においては、水への溶解度が100g/L以上であってもよく、前記下限臨界共溶温度(LCST)以上においては、水への溶解度が1g/L以下であってもよい。
前記浸透誘導溶液の温度を前記下限臨界共溶温度(LCST)未満から前記下限臨界共溶温度(LCST)以上に昇温させる場合、全体の誘導溶質の50重量%以上が10倍以上の粒径の増加を示すことができる。
前記感温性オリゴマーは、アミドと、前記アミドの窒素原子に共有結合され、前記アミドに比べて疎水性である脂肪族残基と、を含み、前記脂肪族残基は、アミドの炭素原子と共有結合されているか、又は、結合されていないオリゴマーであるか、あるいは、環内にC、N及びOを含み、且つ、C=N結合を有する複素環式化合物に由来する繰り返し単位を含むオリゴマーであってもよい。
本発明のさらに別の実施形態によれば、水及び前記水に溶解されている分離対象物質を含む流入液(feed solution)と、前記浸透誘導溶液と、一方の面は前記流入液に接し、他方の面は前記浸透誘導溶液に接するように配設される半透膜と、浸透圧によって前記流入液から前記半透膜を介して前記浸透誘導溶液へと移動した水を含む処理溶液から前記感温性コポリマーを除去する回収システムと、前記回収システムから除去された前記感温性コポリマーを浸透誘導溶液に再投入する連結部と、を備える正浸透水処理装置を提供する。
前記回収システムにおいて、前記処理溶液から前記感温性コポリマーを除去して生産された処理水を排水する排水部をさらに備えていてもよい。
前記回収システムは、精密ろ過膜(Microfiltration membrane)、限外ろ過膜(Ultrafiltration memebrane)、又はナノろ過膜(Nanofiltration membrane)又は遠心分離機をさらに備えていてもよい。
前記回収システムは、前記除去された感温性コポリマーをその下限臨界共溶温度(LCST)以上に加熱する温度コントローラをさらに備えていてもよい。
前記回収システムは、前記除去された感温性コポリマーをその下限臨界共溶温度(LCST)未満に冷却する温度コントローラをさらに備えていてもよい。
本発明のさらに別の実施形態によれば、水及び前記水に溶解されている分離対象物質を含む流入液と前記浸透誘導溶液とを半透膜を挟んで接しさせて、浸透圧によって前記半透膜を介して前記流入液から前記浸透誘導溶液へと移動した水を含む処理溶液を得るステップと、前記処理溶液のうちの少なくとも一部を前記感温性コポリマーの下限臨界共溶温度(LCST)以上に加熱して前記処理溶液内の前記感温性コポリマーを凝集するステップと、前記凝集された感温性コポリマーを前記処理溶液からろ過によって除去して処理水を得るステップと、を含む正浸透水処理方法を提供する。
前記正浸透水処理方法は、前記除去された感温性コポリマーをその下限臨界共溶温度(LCST)以下に冷却して前記半透膜に接する浸透誘導溶液に再投入するステップをさらに含んでいてもよい。
本発明に係る感温性コポリマーによれば、高い浸透圧を発生する誘導溶液が得られ、温度の変化によって溶液から分離しやすいことから、これを用いた正浸透水処理装置及び正浸透水処理方法は、高いエネルギー効率又は高い水処理効率と低コストで運転可能である。
本発明の一実施形態による正浸透水処理装置の模式図である。 実施例1に従い合成されたコポリマーのH−NMR分析スペクトルである。 実施例1、実施例2及び比較例1に従い合成されたコポリマーをそれぞれ含む溶液の濃度に応じた浸透圧の変化を示すグラフである。 実施例1に従い合成されたコポリマーを含む浸透誘導溶液の温度に応じた500nm波長における吸光度を測定して示すグラフである。 実施例2に従い合成されたコポリマーを含む浸透誘導溶液の温度に応じた500nm波長における吸光度を測定して示すグラフである。
本発明の利点及び特徴、並びにこれらを達成する方法は、添付図面に基づいて詳述する実施形態を参照すれば明らかになる筈である。しかしながら、本発明は、後述する実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる種々の形態で実現される。単に、これらの実施形態は、本発明の開示を完全たるものにし、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範囲によってのみ定義されるものである。したがって、いくつかの実施形態において、周知の技術は、本発明が曖昧に解釈されることを避けるために具体的に説明していない。別に断りのない限り、本明細書において用いられるあらゆる用語(技術および科学的な用語を含む)は、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に共通して理解可能な意味として使用可能である。また、一般に用いられる、辞書に定義されている用語は、明らかに且つ特別に定義されていない限り、理想的または過度に解釈されない。明細書全般に亘って、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特別に反対の記載がない限り、他の構成要素を排除するわけではなく、他の構成要素をさらに含んでいてもよいことを意味する。
また、単数形は、特に断りのない限り、複数形を含む。
この明細書において記述する実施形態は、本発明の理想的な例示図である概略図に基づいて説明される。このため、図示の領域は概略的な属性を有し、発明の範囲を制限するためのものではない。なお、明細書全般に亘って、同じ参照符号は同じ構成要素を示す。
この明細書において、「置換」とは、当該残基において1以上の水素が、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、直鎖状若しくは分岐鎖状のC〜C30のアルキル基;C〜C10のアルキルシリル基;C〜C30のシクロアルキル基;C〜C30のアリール基;C〜C30のヘテロアリール基;C〜C10のアルコキシ基;ハロゲン基;又は、C〜C10のフルオロアルキル基で置換されたものを意味する。
本発明の一実施形態において、感温性コポリマーは、感温性オリゴマーがグラフトされた第1の繰り返し単位と、イオン性残基及び前記イオン性残基の対イオンを含む第2の繰り返し単位と、を含む。感温性コポリマーは、ポリアミノ酸誘導体であってもよい。具体的に、感温性コポリマーは、ポリアミノ酸主鎖を有してもよい。即ち、感温性コポリマーは、ポリアミノ酸系コポリマーであってもよい。感温性コポリマーは、2以上の異なる第1の繰り返し単位及び/又は2以上の異なる第2の繰り返し単位を含んでいてもよい。
感温性コポリマーの第1の繰り返し単位にグラフトされた感温性オリゴマーは、小さな温度変化に対応して格段に異なる値の水への溶解度(water solubility)を示すことができる。感温性オリゴマーは、一般式1又は一般式2で表わされる残基を有する不飽和モノマーに由来する繰り返し単位を含むオリゴマーであるか、あるいは、環内にC、N及びOを含み、且つ、C=N結合を有する複素環式化合物に由来する繰り返し単位を含むオリゴマーである。
[一般式1]
*−C(=O)N(R)(R
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素であるか、あるいは、直鎖状若しくは分岐鎖状のC〜Cのアルキル基、C〜Cのシクロアルキル基、又はC〜C10のアリール基であるが、R及びRが両方とも水素であることはなく、R及びRは互いに結合して含窒素複素環を形成してもよい)
Figure 2013194240
(式中、Rは、C〜Cアルキレン基である)
感温性オリゴマーの骨格(backbone)はビニルモノマー、アクリルモノマーなどの不飽和モノマーに由来するか、あるいは、ポリエーテル、ポリエチレングリコール、ポリエステルなどの繰り返し単位を含んでもよい。
具体的には、感温性オリゴマーは、下記一般式3で表わされるオキサゾリン化合物に由来する繰り返し単位を含むオリゴマーであってもよいか、あるいは、下記一般式4で表わされるN−アルキル(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位、下記一般式5で表わされるN−ビニルラクタムに由来する繰り返し単位、又はこれらの組み合わせを含むオリゴマーである。
Figure 2013194240
(式中、Akは、炭素数1〜10、具体的には、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、又はイソペンチル基であり、Rは、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜3のアルキル基である)
Figure 2013194240
(式中、Rは、水素又はメチル基であり、R及びRは、一般式1と同義である)
Figure 2013194240
(式中、Rは、上記一般式2と同義である)
感温性オリゴマーが、N−アルキル(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位、N−ビニルラクタムに由来する繰り返し単位、又はこれらの組み合わせを含むオリゴマーである場合、必要に応じて、(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位をさらに含む。
より具体的には、オキサゾリン化合物は、2−メチル−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−プロピル−2−オキサゾリン、2−イソプロピル−2−オキサゾリン、2−ブチル−2−オキサゾリン、2−イソブチル−2−オキサゾリン、2−ペンチル−2−オキサゾリン、2−イソペンチル−2−オキサゾリン、又はこれらの組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。オキサゾリン化合物を重合(例えば、カチオン重合)させると、下記一般式9の繰り返し単位を含む所望の分子量のオリゴマーを得ることができ、具体的な重合条件及び方法は、周知の通りである。
Figure 2013194240
(式中、Ak及びRは、上記一般式3と同義である)
N−アルキル(メタ)アクリルアミドは、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド(NIPAAm)、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソペンチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−エチルメチル(メタ)アクリルアミド、及びN,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド(DEAAM)からなる群から選ばれる一種以上であり、N−ビニルラクタムは、N−ビニルカプロラクタム(VCL)、N−ビニル−2−ピロリドン及びN−ビニル−ピペリドンからなる群から選ばれる一種以上である。
感温性オリゴマーが、N−アルキル(メタ)アクリルアミド及びN−ビニルラクタムのうちの一種以上と(メタ)アクリルアミドとのコオリゴマーである場合、全体のモノマー中の(メタ)アクリルイミドの割合は、40モル%以下、具体的には、30モル%以下、さらに具体的には、15モル%以下、最も具体的には、10モル%以下である。
一般式4で表わされるN−アルキル(メタ)アクリルアミド又は一般式5で表わされるN−ビニルラクタムを重合(例えば、ラジカル重合)すると、それぞれ、下記一般式7で表わされる繰り返し単位を含み、且つ、所望の重合度を有するオリゴマー又は下記一般式8で表わされる繰り返し単位を含み、且つ、所望の重合度を有するオリゴマーを得ることができ、具体的な重合方法及び条件は、周知の通りである。
Figure 2013194240
(式中、R、R、及びRは、上記一般式4と同義である)
Figure 2013194240
(式中、Rは、上記一般式5と同義である)
感温性コポリマーの第2の繰り返し単位において、イオン性残基の具体例は、−COO、−SO 、−PO 2−、又はこれらの組み合わせである。前記第2の繰り返し単位に含まれている対イオンは、前記イオン性残基とは反対の電荷を帯び、アルカリ金属のカチオン、アルカリ土類金属のカチオン又はこれらの組み合わせである。前記イオン性残基と前記対イオンは、イオン結合された状態で存在する。
感温性コポリマーにおいて、第2の繰り返し単位は、同じイオン性残基を含むか、あるいは、それぞれ独立して、異なるイオン性残基を含んでいてもよい。すなわち、感温性コポリマーは、1種のイオン性残基を含んでいてもよく、2種以上のイオン性残基を含む。
非制限的な例において、感温性コポリマーに存在する全ての第2の繰り返し単位は、イオン性残基として−COOを含む。
他の非制限的な例において、感温性コポリマーに存在する第2の繰り返し単位の一部は−COOをイオン性残基として含み、残りは−SO 及び/又は−PO 2−を含む。
具体的には、感温性オリゴマーがグラフトされた第1の繰り返し単位は、下記一般式6−1で表わされてもよい。また、イオン性残基及び対イオンを有する第2の繰り返し単位は、下記一般式6−2で表わされてもよい。
Figure 2013194240
{式中、Aは、イオン性残基を含む基であり、Mは、前記イオン性残基の対イオン であり、Qは、−NR−(ここで、Rは、水素若しくは炭素数1〜5のアルキル基である)又は−S−であり、Lは、直接結合、置換若しくは非置換のC〜C20のアルキレン、又は置換若しくは非置換のC〜C20のチオアルキレン基であり、Ogは、上記一般式7の繰り返し単位を含むオリゴマー、上記一般式8の繰り返し単位を含むオリゴマー、又は上記一般式9の繰り返し単位を含むオリゴマーである}
具体的には、Aは、それぞれ独立に、−COO、−CONR−Z−SO 、−CONR−Z−O−PO 2−、−CO−S−Z−SO 、及び−CO−S−Z−O−PO 2−からなる群から選ばれる(Rは、水素又はC〜Cのアルキル基であり、Zは、置換又は非置換のC〜C20のアルキレン基であり、Mは、Na、K、Li、Rb、Ca2+、Mg2+、Ba2+及びこれらの組み合わせから選ばれうる。
感温性コポリマーは、下限臨界共溶温度(LCST)を有し、小さな温度変化に対応して水への溶解度が格段に変わることがあり、沈殿することもある。この明細書において、「感温性」とは、当該コポリマー(又は、当該オリゴマー)の特定の溶媒(例えば、水)への溶解度が臨界温度以上において格段に下がって、臨界温度を基準として可逆的に凝集するか、あるいは、溶解するポリマー(又は、オリゴマー)の性質のことをいう。ここで、下限臨界共溶温度とは、それ以上の温度において感温性コポリマーの溶液(例えば、水溶液)が相分離を示しうる臨界温度のことをいう。すなわち、下限臨界共溶温度未満において、感温性コポリマーは水と混和性(miscible)を示す。感温性コポリマーの下限臨界共溶温度は、溶液濃度0.01g/mlにおいて、約10〜約50℃の範囲内に存在し、例えば、約25〜約50℃、具体的に、約30〜約45℃の範囲内に存在する。
下限臨界共溶温度(LCST)未満においては、感温性コポリマーにグラフトされた感温性オリゴマーが水と水素結合を形成することができて、感温性コポリマーが水に溶解された状態で存在しうる。下限臨界共溶温度(LCST)以上においては、感温性コポリマーの親水性が格段に下がって、グラフトされた感温性オリゴマーの間の疎水的相互作用(hydrophobic interaction)が支配的になる。
これにより、感温性コポリマーは水への溶解度が下がり、分子内又は分子間の疎水的相互作用によって自己凝集した粒子を形成して溶液から沈殿されうる。下限臨界共溶温度以上の温度において自己凝集したコポリマー粒子は、増大した粒径を有して溶液(例えば、浸透誘導溶液)から分離され易くなる。
本発明の一実施形態によれば、感温性コポリマーは、下限臨界共溶温度(LCST)よりも高い温度において、1次凝集粒子を形成することができる。ここで、グラフトされた感温性オリゴマー成分を調節したり、溶液中のコポリマーの濃度を高めて分子間相互作用(intermolecular interaction)が起こり易くなって2次凝集粒子を形成することができる。非制限的な例において、グラフトされたオリゴマー成分の調節は、オリゴマーの重合度を高めたり、感温性コポリマー中の第1の繰り返し単位の含量(すなわち、感温性オリゴマーの含量)を高めたりすることにより行われる。このような2次凝集によってコポリマー粒子は増大した粒径を有するため、溶液から分離され易くなる。このため、エネルギー消費が多い手段(例えば、遠心分離、逆浸透(RO)膜、ナノろ過など)によらずに(例えば、精密ろ過(MF)などによって)粒子を容易に分離することができる。このため、感温性コポリマーを誘導溶質として用いる場合に、浸透誘導溶液から溶質が分離され易くなる。
また、感温性コポリマーは、イオン性残基及び対イオンを含む第2の繰り返し単位を含み、このようなイオン性残基及び対イオンは、感温性コポリマーにイオン性(ionicity)を与えることができる。このようなイオン性によって、前記感温性コポリマーはLCST未満の温度において高いレベルの水への溶解度を有することができ、増大された水力学的な容量を示すことができる。これにより、感温性コポリマーの水溶液がより高いレベルの浸透圧を示すことができる。このような効果は、イオン性残基の対イオンのイオン半径が小さいほど、一層顕著になる。イオン性残基はポリマー鎖に含まれており、対イオンはイオン性残基に(イオン結合などの相互作用によって)拘束されているため、これを浸透誘導溶質として用いた場合に、半透膜による溶質の逆拡散を極力抑えながら高い浸透圧を得ることができる。なお、感温性コポリマーの第2の繰り返し単位に適切なイオン性残基及びその対イオンを取り込ませることによって、最終コポリマーが生体にやさしく、しかも、生分解性を有することができる。このため、このようなコポリマーは浄水処理用誘導溶質として好適に用いられる。
感温性コポリマーにおいて、第1の繰り返し単位にグラフトされたオリゴマーは、2〜30の範囲、具体的には、2〜25、より具体的には、4〜25の範囲の重合度を有する。また、感温性オリゴマーがグラフトされた第1の繰り返し単位と、イオン性残基及び対イオンを含む第2の繰り返し単位とを含む感温性コポリマーは、5000〜250,000の範囲、具体的には、5000〜100,000の範囲、さらに具体的には、5,000〜約50,000の範囲の数平均分子量を有する。前記範囲のオリゴマー重合度及び前記範囲の数平均分子量を有する感温性コポリマーは、下限臨界共溶温度(LCST)未満において水への溶解度が高いため高濃度の水溶液が得られ、製造された水溶液は高いレベルの浸透圧を生成してより高い水のフラックス(water flux)を誘導することができる。
感温性コポリマーの第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位との間のモル比を調節すると、最終コポリマーの感温性及び浸透圧のレベルを調節することができる。特定の理論に拘束される意図はないが、第1の繰り返し単位の相対的なモル比が高くなると、感温性が一層顕著になり、第2の繰り返し単位の相対的なモル比の増加はさらに高いレベルの浸透圧をもたらすことができる。本発明の一実施形態によれば、感温性コポリマーにおける第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位との間のモル比(第1の繰り返し単位:第2の繰り返し単位)は、1:99〜60:40、具体的には、1:99〜40:60、より具体的には、2:98〜20:80、さらに具体的には、2:98〜10:90の範囲である。このような範囲のモル比において、感温性コポリマーが顕著な感温性を有しながらも、高いレベルの浸透圧を発現することができる。
感温性コポリマーは、第1の繰り返し単位及び第2の繰り返し単位のブロック共重合体、ランダム共重合体、又はグラフト共重合体であってもよいが、これらに限定されない。
感温性コポリマーは、その下限臨界共溶温度(LCST)以上の溶液中で(自己)凝集して、粒径が急増する。感温性コポリマーは、その下限臨界共溶温度(LCST)未満の温度に比べ、下限臨界共溶温度(LCST)以上において溶液内に存在する全体のコポリマーの約50重量%以上の粒径が約10倍以上、具体的には、約10倍〜約10,000倍に、さらに具体的には、約100倍〜約10,000倍に、最も具体的には、約1,000倍〜約10,000倍に増加することができる。
このような粒径の変化は、動的光散乱(Dynamic Light Scattering)法により流体力学的径(hydrodynamic diameter)を測定して確認することができる。下限臨界共溶温度(LCST)以上の温度におけるコポリマー粒子の流体力学的径は、例えば、約100nm〜約50μm、具体的には、300nm〜約10,000nm、より具体的には、約300nm〜約5μmの範囲である。
感温性コポリマーは、その下限臨界共溶温度(LCST)未満において水への溶解度が約100g/L以上であってもよく、その下限臨界共溶温度(LCST)以上においては水への溶解度が約10g/L以下であってもよい。具体的には、感温性コポリマーは、下限臨界共溶温度(LCST)未満においては水への溶解度が約200g/L〜約800g/Lであり、下限臨界共溶温度(LCST)以上においては水への溶解度が約0.1g/L〜約10g/Lである。より具体的には、感温性コポリマーは、その下限臨界共溶温度(LCST)未満においては水への溶解度が約500g/L〜約800g/Lであり、その下限臨界共溶温度(LCST)以上においては水への溶解度が約0.1g/L〜約1g/Lである。
感温性コポリマーを水溶液として製造した場合に、水溶液は、感温性コポリマーの下限臨界共溶温度(LCST)未満の温度及び0.4g/mlの濃度において、浸透圧が20atm以上である。浸透圧は氷点降下法により測定するか、又は、膜浸透圧計(membrane osmometer)を用いて測定することが可能である。感温性コポリマーは、このようなレベルの浸透圧を得ることができるので、後述するように、浸透誘導溶液の溶質として好適に用いられる。のみならず、感温性を有することから、誘導溶質の用途に加えて、感温性が活用可能な様々な分野において好適に用いられる。例えば、前記感温性コポリマーは、薬物伝達システム(drug delivery system:DDS)などの用途に好適に用いられる。
本発明の別の実施形態によれば、本発明は、感温性オリゴマーがグラフトされた第1の繰り返し単位と、イオン性残基及びイオン性残基の対イオンを含む第2の繰り返し単位と、を含む感温性コポリマーの製造方法を提供する。
本発明に係る感温性コポリマーの製造方法は、ポリコハク酸イミドを用意するステップと、片側の末端にアミン基若しくはチオール基を有し、且つ、下記一般式3で表わされるモノマーに由来する繰り返し単位を含む感温性オリゴマー、又は片側の末端にアミン基若しくはチオール基を有し、且つ、下記一般式4で表わされるモノマーに由来する繰り返し単位、下記一般式5で表わされるモノマーに由来する繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含む感温性オリゴマーを用意するステップと、
Figure 2013194240
(式中、Akは、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、Rは、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜3のアルキル基である)
Figure 2013194240
(式中、Rは、水素又はメチル基であり、R及びRは、それぞれ独立して、水素であるか、あるいは、直線状若しくは分岐鎖状のC〜Cのアルキル基、C〜Cのシクロアルキル基、又はC〜C10のアリール基であるが、R及びRが両方とも水素であることはなく、R及びRは、互いに結合して含窒素複素環を形成してもよい)
Figure 2013194240
(式中、Rは、炭素数2〜5のアルキレン基である)
ポリコハク酸イミドを感温性オリゴマーと反応させて、ポリコハク酸イミドのスクシンイミド環の一部を開環し、感温性オリゴマーをグラフトさせるステップと、
前記反応の生成物と、イオン性残基を含むアミン化合物、イオン性残基を含むチオール化合物、無機塩基、又はこれらの組み合わせとを反応させて、ポリコハク酸イミドに残留しているスクシンイミド環を開環し、イオン性残基及び対イオンを取り込ませるステップと、を含む。
ポリコハク酸イミドの数平均分子量は、1,000〜25,000であってもよいが、これに限定されない。本発明の一実施形態において、ポリコハク酸イミドは、5,000以下の数平均分子量を有する。このような分子量範囲のポリコハク酸イミドは、公知の方法に従い製造することができる。
片側の末端にアミン基若しくはチオール基を有し、且つ、上記一般式3で表わされるモノマーに由来する繰り返し単位を含むオリゴマー、片側の末端にアミン基若しくはチオール基を有し、且つ、上記一般式4で表わされるモノマーに由来する繰り返し単位、上記一般式5で表わされるモノマーに由来する繰り返し単位、又はこれらの組み合わせを含むオリゴマーの詳細は、感温性オリゴマーについての記述と実質的に同様である。感温性オリゴマーは、N−アルキル(メタ)アクリルアミドオリゴマー、N−アルキル(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリルアミドのコ−オリゴマー(co−oligomer)、N−ビニルラクタムのオリゴマー、2−(アルキル)−2−オキサゾリンのオリゴマー、又はこれらの組み合わせであってもよい。感温性オリゴマーの具体例としては、N−イソプロピルアクリルアミドオリゴマー、N−イソプロピルアクリルアミド−(メタ)アクリルアミドのコオリゴマーN,N−ジエチルアクリルアミドオリゴマー、N−ビニルカプロラクタムオリゴマー、及び2−イソプロピル−2−オキサゾリンオリゴマーを挙げることができるが、これらに限定されない。感温性オリゴマーは、片側の末端にアミン基又はチオール基を含む。アミン基又はチオール基によってスクシンイミド環の開環反応が誘導(trigger)されうる。アミン基又はチオール基は、オリゴマーの製造に際して用いられる連鎖移動剤に由来するものであってもよい。あるいは、アミン基又はチオール基は、製造されたオリゴマーを適切に反応させて取り込ませてもよい。
感温性オリゴマーによりポリコハク酸イミドの環を開環する反応(開環反応)は、所定量のポリコハク酸イミド及び所定量の感温性オリゴマーを溶媒に溶解させた溶液内において行われうる。ポリコハク酸イミドと感温性オリゴマーとの間の量の割合を調節すると、感温性コポリマーにおける第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位との間のモル比を調整することができる。溶媒は、ポリコハク酸イミド及び感温性オリゴマーを溶解させることができ、しかも、アミン基又はチオール基との副反応を引き起こさないものである限り、特に限定されない。
溶媒の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及びジメチルアセトアミド(DMAc)を挙げることができるが、これらに限定されない。開環反応の温度及び時間も特に限定されず、適切に選択することができる。例えば、開環反応は、50〜100℃、具体的には、60〜90℃、さらに具体的には、70〜80℃の温度において、例えば、3時間〜72時間行われる。開環反応は、必要に応じて、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ピリジン又はこれらの組み合わせの存在下で行われる。開環反応により感温性オリゴマーがポリマー主鎖にグラフトされ、ポリコハク酸イミド及び感温性オリゴマーの量を量節してグラフト率を調節することができる。
開環反応の生成物を、イオン性残基を含むアミン化合物、イオン性残基を含むチオール化合物、無機塩基、又はこれらの組み合わせにより反応させて、ポリコハク酸イミドに残留しているスクシンイミド環を開環してポリマーにイオン性残基及び対イオンを取り込ませる。イオン性残基を含むアミン化合物の具体例としては、オルトホスフォエタノールアミンなどの、C〜C20のホスホアルキルアミン及びアミノエタンスルホン酸などのC〜C20のスルホアルキルアミンを挙げることができるが、これらに限定されない。前記無機塩基の具体例としては、NaOH、KOH、LiOHなどのアルカリ金属ヒドロキシド及びCa(OH)、Mg(OH)、Ba(OH)などのアルカリ土類金属ヒドロキシドを挙げることができるが、これらに限定されない。
感温性コポリマーは、正浸透水処理工程において浸透誘導溶質として使用可能である。感温性コポリマーの詳細は、上述した通りである。正浸透水処理工程は、流入液よりも高い濃度を有する浸透誘導溶液を用いて流入液から浸透誘導溶液へと水分子を移動させ、最終的な浸透誘導溶液から誘導溶質を分離して淡水を生産する水処理工程である。分離された誘導溶質は、再利用可能である。正浸透水処理は、圧力駆動工程(pressure−driven process)である逆浸透水処理に比べて、低コストで運転可能であるが、適切な誘導溶液の不在によりその開発が遅延している。上述した構造を有する感温性コポリマーは、水溶液内において高いレベルの浸透圧を誘起することができる。すなわち、感温性コポリマーは、感温性オリゴマーがグラフトされた第1の繰り返し単位と、イオン性残基及び対イオンを有する第2の繰り返し単位とを含むので、下限臨界共溶温度(LCST)未満においては水への溶解度が高くて、高濃度の浸透誘導溶液を製造することができ、しかも、高い浸透圧を誘起することができる。また、感温性コポリマーは、LCST温度の前後において顕著な溶解度の差を示すので、温度の調節によってポリマーを容易に回収することができ、ポリマー(溶質)の除去に必要なエネルギー消費が少ない。それだけでなく、他の誘導溶質に比べて相対的に高い分子量を有するので、溶質の逆拡散(reverse draw solute diffusion)が極力抑えられる。さらに、下限臨界共溶温度(LCST)以上において感温性コポリマーは自己凝集して沈殿するので、誘導溶液から溶質を分離・回収し易い。分離されたコポリマーを下限臨界共溶温度(LCST)未満に再冷却する場合に、凝集が解砕され、水への溶解度が急増して誘導溶質として再利用可能である。なお、ポリアミノ酸主鎖を有し、イオン性残基及び対イオンを含むので、生分解性及び生体へのやさしさ(すなわち、低い生毒性)を有し、これにより、飲料水又は生活用水などの提供に使用可能である。例えば、比較的高い分子量の感温性コポリマーの場合でも、生毒性は、例えば、3000ppmまでは全くない。
本発明のさらに別の実施形態によれば、本発明は、水性媒体と、水性媒体に溶解されており、イオン性残基及びイオン性残基の対イオンを含む浸透圧誘発高分子鎖と、浸透圧誘発高分子鎖に感温性オリゴマーがグラフトの形で共有結合されている感温性コポリマーとを含有する誘導溶質と、を含み、誘導溶質は、下限臨界共溶温度(LCST)以上において相分離によって回収されうる浸透誘導溶液を提供する。
水性媒体は、水であってもよい。感温性コポリマーの詳細は、上述した通りである。例えば、感温性コポリマーは、濃度0.01g/mlにおいてその下限臨界共溶温度(LCST)が10〜50℃の範囲であってもよい。感温性コポリマーは、その下限臨界共溶温度(LCST)未満においては、水への溶解度が100g/L以上であってもよく、その下限臨界共溶温度(LCST)以上においては、水への溶解度が1g/L以下であってもよい。浸透誘導溶液の温度をその下限臨界共溶温度(LCST)未満からその下限臨界共溶温度(LCST)以上に昇温させる場合、全体の誘導溶質の50重量%以上の10倍以上の粒径の増加を示すことができる。
感温性オリゴマーは、アミドと、アミドの窒素原子に共有結合され、アミドに比べて疎水性である脂肪族残基と、を含み、脂肪族残基は、アミドの炭素原子と共有結合されているか、又は、結合されていないオリゴマーであるか、あるいは、環内にC、N及びOを含み、且つ、C=N結合を有する複素環式化合物に由来する繰り返し単位を含む。脂肪族残基は、例えば、線状、側鎖状(branched)、又は、環状(cyclic)のアルキル基である。
本発明のさらに別の実施形態によれば、本発明は、感温性コポリマーを含む誘導溶液を含む正浸透水処理装置を提供する。正浸透水処理装置は、水及び水に溶解されている分離対象物質を含む流入液(feed solution)と、浸透誘導溶液と、一方の面は流入液に接し、他方の面は浸透誘導溶液に接するように配設される半透膜と、浸透圧によって流入液から半透膜を介して浸透誘導溶液へと移動した水を含む処理溶液から感温性コポリマーを除去する回収システムと、回収システムから除去された感温性コポリマーを浸透誘導溶液に再投入する連結部と、を備える。図1は、後述する正浸透水処理方法により作動可能な本発明の一実施形態による正浸透水処理装置の模式図である。
半透膜(semi−permeable membrane)は、水に対して透過性(water−permeable)を有し、分離対象物質に対して非透過性を有する。流入液の種類は、正浸透水処理が行える限り、特に限定されない。分離対象物質は、不純物である。流入液の具体例としては、海水(sea water)、汽水(brackish water)、地下水(groundwater)、廃水(wastewater)を挙げることができるが、これらに限定されない。非制限的な例において、正浸透水処理装置により海水を処理して飲用水を得ることができる。
感温性コポリマーの詳細は、上述した通りである。浸透誘導溶液は、流入液よりも高い浸透圧を誘起するようにその濃度を調節する。例えば、一部の感温性コポリマーは、高くは約10wt%の濃度で(低い場合に、0.01g/ml又は0.02g/mlで)溶解した場合に、与えられた処理対象液に対して約40気圧以上の浸透圧を誘起することができる。また、他の感温性コポリマーは、高くは約20wt%で溶解された場合に、与えられた処理対象液に対して約80気圧以上の浸透圧を誘起することができる。浸透誘導溶液の濃度とそれから誘起される浸透圧は、ポリマーの構造、流入液の種類によって異なる。例えば、海水の淡水化のために、高くは26気圧、あるいは約50気圧以上の浸透圧が必要になることがある。他の例として、廃水の浄化のためには、約10〜約20気圧の比較的低い浸透圧が求められることがあり、例えば、約2wt%以下の濃度の浸透誘導溶液も使用可能である。ある実施形態において、感温性コポリマーは、非常に低い濃度においても高いレベルの浸透圧(例えば、0.02g/mlにおいて50atm以上)を示し、また、このような濃度においても低い相分離温度を示すことができて、理想的な誘導溶液を得ることができる。
回収システムにおける感温性コポリマーの除去は、コポリマーの感温性を用いて行うことができる。回収システムは温度コントローラを備えて、処理液を下限臨界共溶温度(LCST)以上に加熱することができる。加熱によって処理液内のコポリマーが自己凝集されて増大された粒径の粒子を形成し、形成された粒子はろ過及び分離され易くなる。このような温度コントローラの具体例としては、加熱ジャケットなどの加熱単位(heating unit)などを挙げることができるが、これに限定されない。非制限的な例において、温度コントローラは、廃水処理施設(waste water treatment plant)、発電所(power plant)、蒸留施設(distillation plant)などの工業的水熱供給源(industrial water heat source)からの廃熱を用いる装置である。回収システムは、凝集されたコポリマーのろ過又は分離のために、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜又は遠心分離機を備える。ナノろ過膜は、ルース(loose)ナノろ過膜であってもよい。 非制限的な例において、感温性コポリマーは、加熱によってマイクロ寸法のミセルネットワークを有する粒子を形成し、このような粒子は精密ろ過膜により分離可能であるので、回収エネルギーが大幅に低減される。
除去されたコポリマーは、連結部を介して再び誘導溶液に取り込まれうる。連結部は、除去されたコポリマーを下限臨界共溶温度(LCST)未満に冷却する温度コントローラを備える。このような温度コントローラの具体例としては、冷却ジャケットなどの冷却単位(cooling unit)を挙げることができるが、これに限定されない。下限臨界共溶温度(LCST)未満に冷却されたコポリマーは、水に対して高い溶解度を示すので、溶質として再利用可能である。
正浸透水処理装置は、回収システムにおいて処理溶液から感温性コポリマーを除去して生産された処理水を排水する排水部をさらに備える。排水部の種類は、特に限定されない。
正浸透水処理装置においては、正浸透工程が感温性コポリマーの下限臨界共溶温度(LCST)未満の温度において行われ、正浸透工程により得られた処理溶液を回収システムにおいて下限臨界共溶温度(LCST)以上に加熱して感温性コポリマー(すなわち、誘導溶質)を容易に分離及び回収することができる。特に、感温性コポリマーの下限臨界共溶温度(LCST)は、約10〜約50℃の範囲であるため、誘導溶質の回収のために高温の条件が不要になり、運転エネルギーを低減することができる。なお、回収システムから分離された感温性コポリマーは、下限臨界共溶温度(LCST)未満の温度に冷却して誘導溶質として再利用することができる。
本発明のさらに別の実施形態によれば、本発明は、正浸透水処理方法を提供する。本発明に係る正浸透水処理方法は、水及び水に溶解されている分離対象物質を含む流入液と浸透誘導溶液とを半透膜を挟んで接しさせて、浸透圧によって半透膜を介して流入液から浸透誘導溶液へと移動した水を含む処理溶液を得るステップと、処理溶液のうちの少なくとも一部を感温性コポリマーの下限臨界共溶温度(LCST)以上に加熱して処理溶液内の感温性コポリマーを凝集するステップと、処理溶液から凝集された感温性コポリマーを除去して処理水を得るステップと、を含む。処理水は適切に排水することができる。
流入液と浸透誘導溶液とが半透膜を挟んで接すると、流入液内に含まれている水が浸透圧によって半透膜を介して浸透誘導溶液に移動されることが可能になる。
感温性コポリマーと、半透膜と、正浸透工程と、コポリマーの加熱/冷却及び凝集の詳細は、上述した通りである。
正浸透水処理方法は、回収された感温性コポリマーを下限臨界共溶温度(LCST)以下に冷却して浸透誘導溶液に再投入するステップをさらに含む。感温性コポリマーの下限臨界共溶温度(LCST)は、約10〜約50℃である。
(実施例1)
反応式1に従い下記一般式11のコポリマーを合成した。
Figure 2013194240
1)NIPAAmオリゴマーの合成
自由ラジカル重合により、一般式10で表わされるN−イソプロピルアクリルアミドオリゴマー(oligo−NIPAAm)を合成した。NIPAAmモノマー5.8g(51.2mmol)、連鎖移動剤としてのアミノエタンチオールヒドロクロライド(aminoethanethiol hydrochloride;AET−HCl)0.175g(1.53mmol)、及び開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル(azobisisobutyronitile;AIBN)0.084g(0.51mmol)が30mlのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解されている混合物を、72℃の窒素雰囲気下において15時間反応させた。重合されたNIPAAmオリゴマーを、ジエチルエーテル中で沈殿して、遠心分離して真空オーブンにおいて一日間乾燥させた。
Figure 2013194240
(式中、zは重合度であり、H−NMRにより末端分析から計算した場合、重合度は18〜25であった)
2)感温性コポリマーの合成
ポリコハク酸イミド(Polysuccinic Acid imide;PSI)0.97g(スクシンイミド環に対して計算したときに10mmol)[L−アスパラギン酸からリン酸触媒下で縮合重合する(以下、「合成物」と称する)、数平均分子量:18,000]及び一般式10で表わされるNIPAAmオリゴマー2.5g(1mmol)を、トリエチルアミン0.28mL(2mmol)の存在下で、DMF溶媒中で70℃において48時間反応させた。反応生成物を1MのNaOH溶液に加えて攪拌して反応生成物内に残留しているイミド環を全て開環した。反応溶液をメタノール及び水に対してそれぞれ48時間連続して透析して液状生成物を得、これを凍結乾燥して粉末状の生成物を得た。得られた生成物は、下記一般式11で表わされるコポリマーであることをそのNMRにより確認した。図2は、実施例1に従い合成されたコポリマーのH−NMR分析スペクトルである。
Figure 2013194240
(式中、Rは−ONaであり、xは、イオン性残基を含む第2の繰り返し単位の重合度であり、yは、NIPAAmオリゴマーがグラフトされた第1の繰り返し単位の重合度を示し、zは、NIPAAMオリゴマーの重合度であり、18〜25である)
得られた感温性コポリマーは、第1の繰り返し単位の含量が10モル%(第2の繰り返し単位の含量は、90モル%)であった。ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)及びプロトン核磁気共鳴分光法(H−NMR)により確認した場合、合成されたコポリマーの数平均分子量は26,400g/molであった。
(実施例2)
ポリコハク酸イミド(PSI)0.97g(10mmol)(合成物、数平均分子量:18,000)及び一般式10で表わされるNIPAAmオリゴマー10g(4mmol)を用いた以外は、実施例1の方法と同様にして、第1の繰り返し単位の含量が40モル%(第2の繰り返し単位の含量は、60モル%)の感温性コポリマーを合成した。ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)及びプロトン核磁気共鳴分光法(H−NMR)により確認した場合、合成されたコポリマーの数平均分子量は127,800g/molであった。
(実施例3)
ポリコハク酸イミド(PSI)0.97g(10mmol)(製造元:バイエル社、数平均分子量:2,000〜3,000)及び一般式10で表わされるNIPAAmオリゴマー0.5g(0.2mmol)を用いた以外は、実施例1の方法と同様にして、第1の繰り返し単位の含量が2モル%(第2の繰り返し単位の含量は、98モル%)のコポリマーを合成した。ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)及びプロトン核磁気共鳴分光法(H−NMR)により確認した場合、合成されたコポリマーの数平均分子量は6,527g/molであった。
(実施例4)
ポリコハク酸イミド(PSI)0.97g(10mmol)(製造元:バイエル社、数平均分子量:2,000〜3,000)及び一般式10で表わされるNIPAAmオリゴマー1g(0.4mmol)を用いた以外は、実施例1の方法と同様にして、第1の繰り返し単位の含量が4モル%(第2の繰り返し単位の含量は、96モル%)のコポリマーを合成した。ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)及びプロトン核磁気共鳴分光法(H−NMR)により確認した場合、合成されたコポリマーの数平均分子量は8,123g/molであった。
(実施例5)
ポリコハク酸イミド(PSI)0.97g(10mmol)(合成物、数平均分子量:18,000)及び一般式10で表わされるNIPAAmオリゴマー0.5g(0.2mmol)を用いた以外は、実施例1の方法と同様にして、第1の繰り返し単位の含量が2モル%(第2の繰り返し単位の含量は、98モル%)のコポリマーを合成した。ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)及びプロトン核磁気共鳴分光法(H−NMR)により確認した場合、合成されたコポリマーの数平均分子量は20,678g/molであった。
(実施例6)
ポリコハク酸イミド(PSI)0.97g(10mmol)(合成物、数平均分子量:18,000)及び一般式10で表わされるNIPAAmオリゴマー1g(0.4mmol)を用いた以外は、実施例1の方法と同様にして、第1の繰り返し単位の含量が4モル%(第2の繰り返し単位の含量は、96モル%)のコポリマーを合成した。ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)及びプロトン核磁気共鳴分光法(H−NMR)により確認した場合、合成されたコポリマーの数平均分子量は23,625g/molであった。
(実施例7)
ポリコハク酸イミド(PSI)0.97g(10mmol)(合成物、数平均分子量:18,000)及び一般式10で表わされるNIPAAmオリゴマー1.5g(0.6mmol)を用いた以外は、実施例1の方法と同様にして、第1の繰り返し単位の含量が6モル%(第2の繰り返し単位の含量は94モル%)のコポリマーを合成した。ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)及びプロトン核磁気共鳴分光法(H−NMR)により確認した場合、合成されたコポリマーの数平均分子量は25,591g/molであった。
(実施例8)
ポリコハク酸イミド(PSI)0.97g(10mmol)(合成物、数平均分子量:18,000)及び一般式10で表わされるNIPAAmオリゴマー2g(0.8mmol)を用いた以外は、実施例1の方法と同様にして、第1の繰り返し単位の含量が8モル%(第2の繰り返し単位の含量は、92モル%)のコポリマーを合成した。ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)及びプロトン核磁気共鳴分光法(H−NMR)により確認した場合、合成されたコポリマーの数平均分子量は29,029g/molであった。
(実施例9)
反応式2により一般式12又は一般式13のコポリマーを合成した。
Figure 2013194240
1)NIPAAmオリゴマーの合成
実施例1の方法と同様にして、上記一般式10で表わされるNIPAAmオリゴマーを合成した。
2)コポリマーの合成
ポリコハク酸イミド(PSI)0.97g(10mmol)(製造元:バイエル社、数平均分子量:2,000〜3,000)及び一般式10で表わされるNIPAAmオリゴマー2.5g(0.1mmol)を、トリエチルアミン0.28mL(2mmol)存在下で、DMF溶媒中で70℃において48時間反応させた。反応生成物を4.85mlのDMFに溶解させ、オルトホスフォエタノールアミン(0.14g、残留しているスクシンイミド環に対して0.1等量)の水溶液を加えた後、攪拌して24時間反応させた。得られた生成物を1MのNaOH溶液(残留しているスクシンイミド環に対して1.2等量)に加え、室温において3時間激しく攪拌して反応生成物内に残留しているイミド環を全て開環した。反応溶液をメタノール及び水に対してそれぞれ48時間連続して透析して粉末状の生成物を得た。得られた粉末状の生成物を、凍結乾燥した。得られた生成物は、下記一般式12で表わされるコポリマーであることをそのNMRにより確認した。
Figure 2013194240
得られた感温性コポリマーは、第1の繰り返し単位の含量は2モル%であり、第2の繰り返し単位の含量は98モル%であり、COOとPO 2−との間のモル比(COO:PO 2−)は9:1であった。合成されたコポリマーの数平均分子量は12,900g/molであった。
(実施例10)
オルトホスフォエタノールアミン0.41g(残留しているスクシンイミド環に対して0.3等量)の水溶液を用いた以外は、実施例9の方法と同様にして、一般式12で表わされるコポリマー(ここで、第1の繰り返し単位の含量は2モル%であり、第2の繰り返し単位の含量は98モル%であり、COOとPO 2−との間のモル比(COO:PO 2−)は7:3である)を合成した。合成されたコポリマーの数平均分子量は13,000g/molであった。
(実施例11)
オルトホスフォエタノールアミンの水溶液の代わりに、アミノエタンスルホン酸0.12g(残留しているスクシンイミド環に対して0.1等量)の水溶液を用いて、25℃において24時間反応を行った以外は、実施例9の方法と同様にして、下記一般式13で表わされるコポリマー(ここで、第1の繰り返し単位の含量は2モル%であり、第2の繰り返し単位の含量は98モル%であり、COOとSO との間のモル比(COO:SO )は9:1である)を合成した。合成されたコポリマーの数平均分子量は12,900g/molであった。
Figure 2013194240
(実施例12)
オルトホスフォエタノールアミンの水溶液の代わりに、アミノエタンスルホン酸0.37g(残留しているスクシンイミド環に対して0.3等量)の水溶液を用いて、25℃において24時間反応を行った以外は、実施例9の方法と同様にして、上記一般式13で表わされるコポリマー(ここで、第1の繰り返し単位の含量は2モル%であり、第2の繰り返し単位の含量は98モル%であり、ONaとSO との間のモル比(ONa:SO )は7:3である)を合成した。合成されたコポリマーの数平均分子量は12,900g/molであった。
(比較例1)
ポリコハク酸イミド(PSI)0.97g(10mmol、数平均分子量:2,000〜3,000、製造元:バイエル社)を1MのNaOH水溶液に加えて3時間攪拌した。反応物を過量のメタノールに沈殿させて、遠心分離及び真空乾燥して上記一般式11においてy=0のポリアミノ酸を得た。
(比較例2)
ポリコハク酸イミド(PSI)0.97g(合成物、数平均分子量:18,000)を用いた以外は、比較例1の方法と同様にして、上記一般式11においてy=0のポリアミノ酸を得た。
実験例1:浸透誘導溶液の製造及び浸透圧分析
実施例1〜12に従い合成されたコポリマー及び比較例1及び比較例2に従い合成されたポリマーを用いて、下記表に示すように、様々な濃度で浸透誘導溶液を製造し、膜測定法により、浸透圧測定機器(Osmomat090、製造元:ゴノテック社)を用いてそれぞれの溶液に対する浸透圧(平均値)を分析した。それらの結果を下記表1〜表4にまとめて示す。
Figure 2013194240
図3は、前記表1の結果をグラフで示すものである。表1の結果から、実施例1及び実施例2は濃度が増加するに伴い、増加された浸透圧を示すことを確認することができる。
Figure 2013194240
Figure 2013194240
Figure 2013194240
表1〜表4の結果から、実施例1〜12に従い合成されたコポリマーは、水溶液として製造した場合、コポリマーの具体的な組成(例えば、用いたポリコハク酸イミドの分子量、oligo(NIPAAm)のグラフト率など)及び水溶液内の濃度に応じて、高くは50atm以上の浸透圧を誘起しうることを確認することができる。
実験例2:下限臨界共溶温度(LCST)の測定
実施例1及び実施例2に従い製造されたコポリマーを含む浸透誘導溶液を製造した(濃度:0.01g/ml)。浸透誘導溶液の温度を常温から徐々に昇温させた後に再び常温まで降温させながら、温度に応じた溶液の溶解度の変化を500nmの固定された可視光波長における吸光度を測定して観察した。図4は、実施例1のコポリマーに対する結果を示す。図5は、実施例2のコポリマーに対する結果を示す。温度を昇温させながら、吸光度の飽和された値(saturated value)の90%に達する温度を「下限臨界共溶温度(LCST)」とし、表5にまとめて示す。
Figure 2013194240
実施例1及び実施例2のコポリマーは、oligo(NIPAAm)と同様に、32℃において相分離温度(即ち、下限臨界共溶温度)を示し、加熱及び冷却サイクルの両方において履歴現象(hysteresis)を示す。これは、分析装備の構造上の限界に起因するものと考えられる。すなわち、測定装備内において測定溶液が均一に攪拌されなかった結果、セル内部の温度分布が均一ではなかったと考えられる。実施例2のコポリマーは、実施例1のものよりも高いレベルの吸光度を示す。これは、実施例2のオリゴNIPAAmのグラフト率が実施例1よりも高いため、温度の昇温に際してより高い疎水性を示すためである。より高い疎水性は、生成される自己凝集された凝集物の大きさを増大させうるか、あるいは、凝集物の数を増大させうる。
実験例3:正浸透性能の評価
実施例3及び実施例4のコポリマーを誘導溶質として溶解した誘導溶液に対して、次のようにして浸透圧の流れ分析を行った。U字状のセミダイナミック正浸透装置を直接的に製作して浸透圧の流れを評価した。誘導溶質の性能を評価するために、市販中の半透性正浸透(FO)膜(セルローストリフルオロアセテート)(製造元:米国のHydration Technology Innovation(HTI)社)を装置の途中に載せた。膜の両面をそれぞれ流入溶液(feed solution)である蒸留水及び所定の濃度を有する誘導溶液により満たした。選択層を流入溶液側に対面させ、流入溶液から誘導溶液への水分フラックス(water flux)は、30分後に1時間中のそれぞれの溶液の体積変化から計算した。誘導溶液から流入溶液への膜を通った逆方向溶質フラックスは、伝導度、誘導結合プラズマ発光分光分析法(inductively coupled plasma optical emission spectroscopy:ICP−OES)及び全有機炭素(total organic carbon:TOC)によって測定した。
その結果を下記表6及び下記表7に示す。
Figure 2013194240
Figure 2013194240
表6及び表7の結果から、実施例3及び実施例4のコポリマーを含む誘導溶液は、流入液に対して、高い水分フラックスの値及び低いレベルの逆方向塩フラックス(reverse solute flux)を示すことが分かる。
実験例4:回収試験
実施例1〜実施例6のコポリマーを含む誘導溶液に対して、40℃及び常圧の条件下で精密ろ過膜を用いて回収試験を行ったところ、94.1%以上の効率で誘導溶質を分離/回収しうることを確認した。これに対し、比較例1のポリマーは、同じ条件下で分離し得ないことを確認した。
実験例5:下限臨界共溶温度(LCST)
実施例3〜8のコポリマーに対して、実験例2の方法と同様にして、異なる濃度において下限臨界共溶温度(LCST)を測定した。その結果を下記表にまとめて示す。
Figure 2013194240
表8から、実施例3〜実施例8のコポリマーは、高い浸透圧を示しうる濃度において比較的低い下限臨界共溶温度(LCST)を有するため、比較的低い温度において除去可能であることが分かる。
以上、本発明の好適な実施例について詳述したが、本発明の権利範囲はこれに何ら限定されるものではなく、次の特許請求の範囲において定義している本発明の基本概念を用いた当業者の種々の変形及び改良形態もまた本発明の権利範囲に属するものである。

Claims (30)

  1. 感温性オリゴマーがグラフトされた第1の繰り返し単位と、イオン性残基及び前記イオン性残基の対イオンを含む第2の繰り返し単位と、を含み、前記感温性オリゴマーは、下記一般式1又は下記一般式2で表わされる残基を有する不飽和モノマーに由来する繰り返し単位を含むオリゴマーであるか、あるいは、環内にC、N及びOを含み、且つ、C=N結合を有する複素環式化合物に由来する繰り返し単位を含むオリゴマーである、感温性コポリマー:
    [一般式1]
    *−C(=O)N(R)(R
    (式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素であるか、あるいは、直鎖状若しくは分岐鎖状のC〜Cのアルキル基、C〜Cのシクロアルキル基、又はC〜C10のアリール基であるが、R及びRが両方とも水素であることはなく、R及びRは、互いに結合して含窒素複素環を形成してもよい)
    Figure 2013194240
    (式中、Rは、C〜Cのアルキレン基である)。
  2. ポリアミノ酸誘導体である、請求項1に記載の感温性コポリマー。
  3. 前記複素環式化合物は、下記一般式3で表わされるオキサゾリン化合物である、請求項1又は2に記載の感温性コポリマー:
    Figure 2013194240
    (式中、Akは、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、Rは、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜3のアルキル基である)。
  4. 前記複素環式化合物は、2−メチル−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−プロピル−2−オキサゾリン、2−イソプロピル−2−オキサゾリン、2−ブチル−2−オキサゾリン、2−イソブチル−2−オキサゾリン、2−ペンチル−2−オキサゾリン、2−イソペンチル−2−オキサゾリン、又はこれらの組み合わせである、請求項1から3のいずれか一項に記載の感温性コポリマー。
  5. 前記感温性オリゴマーは、下記一般式4で表わされるN−アルキル(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位、下記一般式5で表わされるN−ビニルラクタムに由来する繰り返し単位、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の感温性コポリマー:
    Figure 2013194240
    (式中、Rは、水素又はメチル基であり、R及びRは、それぞれ独立して、水素であるか、あるいは、直線状若しくは分岐鎖状のC〜Cのアルキル基、C〜Cのシクロアルキル基、又はC〜C10のアリール基であるが、R及びRが両方とも水素であることはなく、R及びRは、互いに結合して含窒素複素環を形成してもよい)
    Figure 2013194240
    (式中、Rは、炭素数2〜5のアルキレン基である)。
  6. 前記N−アルキル(メタ)アクリルアミドは、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド(NIPAAm)、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソペンチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−エチルメチル(メタ)アクリルアミド、及びN,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド(DEAAM)からなる群から選ばれる一種以上であり、前記N−ビニルラクタムは、N−ビニルカプロラクタム(VCL)、N−ビニル−2−ピロリドン及びN−ビニル−ピペリドンからなる群から選ばれる一種以上である、請求項5に記載の感温性コポリマー。
  7. 前記感温性オリゴマーは、(メタ)アクリルアミドに由来する繰り返し単位をさらに含む、請求項5又は6に記載の感温性コポリマー。
  8. 前記感温性オリゴマーは、重合度が2〜30の範囲である、請求項1から7のいずれか一項に記載の感温性コポリマー。
  9. 前記第2の繰り返し単位の前記イオン性残基は、−COO、−SO 、−PO 2−、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれるアニオン性残基である、請求項1から8のいずれか一項に記載の感温性コポリマー。
  10. 前記第2の繰り返し単位は、同じイオン性残基を含むか、又は、それぞれ独立して、異なるイオン性残基を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の感温性コポリマー。
  11. 前記対イオンは、アルカリ金属のカチオン、アルカリ土類金属のカチオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる、請求項1から10のいずれか一項に記載の感温性コポリマー。
  12. 前記第1の繰り返し単位と前記第2の繰り返し単位との間のモル比は、1:99〜60:40である、請求項1から11のいずれか一項に記載の感温性コポリマー。
  13. 前記第1の繰り返し単位は、下記一般式6−1で表わされ、前記第2の繰り返し単位は、下記一般式6−2で表わされる、請求項1から12のいずれか一項に記載の感温性コポリマー:
    Figure 2013194240
    {式中、Aは、イオン性残基を含む基であり、Mは、前記イオン性残基の対イオンであり、Qは、−NR−(ここで、Rは、水素若しくは炭素数1〜5のアルキル基である)又は−S−であり、Lは、直接結合、置換若しくは非置換のC〜C20のアルキレン、又は置換若しくは非置換のC〜C20のチオアルキレン基であり、Ogは、下記一般式7の繰り返し単位を含むオリゴマー、下記一般式8の繰り返し単位を含むオリゴマー、又は下記一般式9の繰り返し単位を含むオリゴマーである:
    Figure 2013194240
    (式中、Rは、水素又はメチル基であり、R及びRは、それぞれ独立して、水素であるか、あるいは、直鎖状若しくは分岐鎖状のC〜Cのアルキル基、C〜Cのシクロアルキル基、又はC〜C10のアリール基であるが、R及びRが両方とも水素であることはなく、R及びRは、互いに結合して含窒素複素環を形成してもよい)
    Figure 2013194240
    (式中、Rは、C〜Cアルキレン基である)
    Figure 2013194240
    (式中、Akは、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、Rは、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜3のアルキル基である)}。
  14. は、それぞれ独立に、−COO、−CONR−Z−SO 、−CONR−Z−O−PO 2−、−CO−S−Z−SO 、及び−CO−S−Z−O−PO 2−からなる群から選ばれる(ここで、Rは、水素又はC〜Cのアルキル基であり、Zは、置換又は非置換のC〜C20のアルキレン基であり、Mは、Na、K、Li、Ca2+、Mg2+、Ba2+、及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれる)、請求項13に記載の感温性コポリマー。
  15. 5,000〜250,000の数平均分子量を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の感温性コポリマー。
  16. 感温性オリゴマーがグラフトされた第1の繰り返し単位と、イオン性残基及び前記イオン性残基の対イオンを含む第2の繰り返し単位と、を含む感温性コポリマーの製造方法であって、
    ポリコハク酸イミドを用意するステップと、
    片側の末端にアミン基若しくはチオール基を有し、且つ、下記一般式3で表わされるモノマーに由来する繰り返し単位を含む感温性オリゴマー、あるいは片側の末端にアミン基若しくはチオール基を有し、且つ、下記一般式4で表わされるモノマーに由来する繰り返し単位、下記一般式5で表わされるモノマーに由来する繰り返し単位又はこれらの組み合わせを含む感温性オリゴマーを用意するステップと、
    Figure 2013194240
    (式中、Akは、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、Rは、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜3のアルキル基である)
    Figure 2013194240
    (式中、Rは、水素又はメチル基であり、R及びRは、それぞれ独立して、水素であるか、あるいは、直線状若しくは分岐鎖状のC〜Cのアルキル基、C〜Cのシクロアルキル基、又はC〜C10のアリール基であるが、R及びRが両方とも水素であることはなく、R及びRは、互いに結合して含窒素複素環を形成してもよい)
    Figure 2013194240
    (式中、Rは、炭素数2〜5のアルキレン基である)
    前記ポリコハク酸イミドを前記感温性オリゴマーと反応させて、前記ポリコハク酸イミドのスクシンイミド環の一部を開環し、前記感温性オリゴマーをグラフトさせるステップと、
    前記反応の生成物と、イオン性残基を含むアミン化合物、イオン性残基を含むチオール化合物、無機塩基、又はこれらの組み合わせとを反応させて、前記ポリコハク酸イミドに残留しているスクシンイミド環を開環し、イオン性残基及び対イオンを取り込ませるステップと、
    を含む、感温性コポリマーの製造方法。
  17. 前記ポリコハク酸イミドは、数平均分子量が5,000以下である、請求項16に記載の感温性コポリマーの製造方法。
  18. 前記イオン性残基を有するアミン化合物は、C〜C20のホスホアルキルアミン、C〜C20のスルホアルキルアミン、又はこれらの組み合わせであり、前記無機塩基は、アルカリ金属ヒドロキシド、アルカリ土類金属ヒドロキシド又はこれらの組み合わせである、請求項16又は17に記載の感温性コポリマーの製造方法。
  19. 水性媒体と、
    前記水性媒体に溶解されており、イオン性残基及び前記イオン性残基の対イオンを含む浸透圧誘発高分子鎖と、前記浸透圧誘発高分子鎖に感温性オリゴマーがグラフトの形で共有結合されている感温性コポリマーとを含有する誘導溶質と、
    を含み、
    前記誘導溶質は、下限臨界共溶温度(LCST)以上において相分離によって回収されうる浸透誘導溶液。
  20. 前記感温性コポリマーは、濃度0.01g/mlにおいて下限臨界共溶温度(LCST)が10〜50℃の範囲である、請求項19に記載の浸透誘導溶液。
  21. 前記感温性コポリマーは、前記下限臨界共溶温度(LCST)未満においては、水への溶解度が100g/L以上であり、前記下限臨界共溶温度(LCST)以上においては、水への溶解度が1g/L以下である、請求項19又は20に記載の浸透誘導溶液。
  22. 前記浸透誘導溶液の温度を前記下限臨界共溶温度(LCST)未満から前記下限臨界共溶温度(LCST)以上に昇温させる場合、全体の誘導溶質の50重量%以上が10倍以上の粒径の増加を示す、請求項19から21のいずれか一項に記載の浸透誘導溶液。
  23. 前記感温性オリゴマーは、
    アミドと、前記アミドの窒素原子に共有結合され、前記アミドに比べて疎水性である脂肪族残基と、を含み、
    前記脂肪族残基は、アミドの炭素原子と共有結合されているか、又は、結合されていないオリゴマーであるか、あるいは、
    環内にC、N及びOを含み、且つ、C=N結合を有する複素環式化合物に由来する繰り返し単位を含むオリゴマーである、請求項19から22のいずれか一項に記載の浸透誘導溶液。
  24. 水及び前記水に溶解されている分離対象物質を含む流入液と、請求項19から23のいずれか一項に記載の浸透誘導溶液と、一方の面は前記流入液に接し、他方の面は前記浸透誘導溶液に接するように配設される半透膜と、浸透圧によって前記流入液から前記半透膜を介して前記浸透誘導溶液へと移動した水を含む処理溶液から前記感温性コポリマーを除去する回収システムと、前記回収システムから除去された前記感温性コポリマーを浸透誘導溶液に再投入する連結部と、を備える、正浸透水処理装置。
  25. 前記回収システムにおいて、前記処理溶液から前記感温性コポリマーを除去して生産された処理水を排水する排水部をさらに備える、請求項24に記載の正浸透水処理装置。
  26. 前記回収システムは、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜又は遠心分離機をさらに備える、請求項24又は25に記載の正浸透水処理装置。
  27. 前記回収システムは、前記除去された感温性コポリマーをその下限臨界共溶温度(LCST)以上に加熱する温度コントローラをさらに備える、請求項24から26のいずれか一項に記載の正浸透水処理装置。
  28. 前記回収システムは、前記除去された感温性コポリマーをその下限臨界共溶温度(LCST)未満に冷却する温度コントローラをさらに備える、請求項24から27のいずれか一項に記載の正浸透水処理装置。
  29. 水及び前記水に溶解されている分離対象物質を含む流入液と、請求項19から23のいずれか一項に記載の浸透誘導溶液とを半透膜を挟んで接しさせて、浸透圧によって前記半透膜を介して前記流入液から前記浸透誘導溶液へと移動した水を含む処理溶液を得るステップと、前記処理溶液のうちの少なくとも一部を前記感温性コポリマーの下限臨界共溶温度(LCST)以上に加熱して前記処理溶液内の前記感温性コポリマーを凝集するステップと、前記凝集された感温性コポリマーを前記処理溶液からろ過によって除去して処理水を得るステップと、を含む、正浸透水処理方法。
  30. 前記除去された感温性コポリマーをその下限臨界共溶温度(LCST)以下に冷却して前記半透膜に接する浸透誘導溶液に再投入するステップをさらに含む、請求項29に記載の正浸透水処理方法。
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