JP2013193248A - プラテンローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】ラベルプリンタで台紙なしラベルを印字発行する際や、印字発行と停止との反復動作や、長時間停止した後の再印字発行動作においても安定した印字発行動作が可能なプラテンローラを提供することを課題とする。
【解決手段】回転軸である芯金11の周面に円柱状の弾性体12を形成したプラテンローラ10である。弾性体12の外周は表面に不規則な凹凸を有する非粘着性被膜13で被覆され、非粘着性被膜13で被覆された弾性体12の周面には、その円周方向に沿い、非粘着性被膜13を貫通して弾性体12内部に達する切込み15が軸方向に並べて複数箇所形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、台紙を省いて粘着剤層が露出した状態である長尺帯状の台紙なしラベルを、ラベルプリンタを用いて印字発行するために使用するプラテンローラに関する。
シールやラベル製品に用いる粘着紙は、ラベル基材、粘着剤層およびセパレータをこの順に積層したものである。粘着紙は、片面に剥離剤層を設けたセパレータの剥離剤層側に液状の粘着剤を塗工し、粘着剤の水分または溶剤を蒸発させた後、乾燥した粘着剤層にラベル基材を貼り合わせて作成される。この他、ラベル基材に粘着剤を直接塗工し、乾燥させた後にセパレータと貼り合わせる場合もある。このような工程を経て作成された粘着紙は所定の幅にスリットされ、粘着原紙ロールとしてラベル印刷機でラベルに加工される。しかし、このラベルは使用する際にセパレータを剥がしてラベルを貼り付けるため、剥がしたセパレータがゴミになってしまう。
そこで近年、省資源とゴミの減量を目的として台紙を省いた図5に示す台紙なしラベルが使われている。図5(a)は台紙なしラベル32が連なった台紙なしラベル連続体を巻回したロール30の斜視図、図5(b)は台紙なしラベル32一単位の平面図、図5(c)はそのc−c線断面図である。台紙なしラベル32は基材33の一面に剥離剤層34、他面に粘着剤層35を設けたもので、その連続体をロール状に巻き取った時に内周側の台紙なしラベル32の剥離剤層34上に外周側の台紙なしラベル32の粘着剤層35が重なるため、台紙(セパレータ)を不要にできる構造となっている。これにより、ラベル使用後にゴミとなる台紙が発生しない利点が生じる。
台紙なしラベル32には、基材33と剥離剤層34との間に予め印刷39を施し、この印刷39が施されただけの状態で表示ラベルとして使用するもの、基材33としてサーマル紙(感熱発色紙)を用い、後述するラベルプリンタで感熱印字できるようにしたもの、専用の熱転写リボンを用いて剥離剤層34の表面に熱転写印字を可能としたもの、剥離剤層34の表面に筆記可能にしたもの等がある。
ロール状に巻いた台紙なしラベル32のロール30には、台紙なしラベル32を一単位毎に分離する切り離し予定線37にミシン目を設けることもある。切り離し予定線37同士の間隔が台紙なしラベル32の一単位の長さPになる。
ラベルプリンタで印字発行するタイプの台紙なしラベル32には、ラベル基材33の粘着剤層35側、即ち、ラベル基材33と粘着剤層35の間に台紙なしラベル32の一単位を検出するためのタイミングマーク38が印刷されている。また、台紙なしラベル32は印字後にラベルプリンタのカッタで一単位ごとにカットするが、切断予定線37に形成したミシン目を手で切り離すこともある。
この台紙なしラベルロール11に一枚ごと異なる情報を書き込む場合は、図3に示すラベルプリンタ50を使用する。
図3に示すラベルプリンタ50は、ロール紙供給部51と印字部61を筐体52内に設けたものである。ロール紙供給部51には台紙なしラベル32のラベルロール30が支持されている。印字部61は、ラベルロール30を搬送するためのプラテンローラ62とサーマルヘッド63とで構成される。プラテンローラ62は、回転軸となる芯金を円柱状の弾性体12で被覆した物である。印字部の隣にはカッタユニット64と発行口65が設けられている。
プラテンローラ62が回転すると、ラベルロール30から巻き出された台紙なしラベル32は印字部61に至り、サーマルヘッド63で文字やバーコードが印字される。印字された台紙なしラベル32は発行口65から外部に至り、台紙なしラベル32が発行される。プラテンローラ62は非粘着性の材料で構成されているか、或いは、表面を非粘着性の材料でコーティングしてあるため、台紙なしラベル32の粘着剤がプラテンローラ62に貼り付くことはない。発行された台紙なしラベル32には台紙がないため、台紙を剥がす手間がかからず、発行されたラベルを即座に貼付けできることに加え、貼付ける作業現場でゴミが出ないという利点がある。
台紙なしラベル32の発行を終えてラベルプリンタ50が停止すると、後続の台紙なしラベル32はサーマルヘッド63とプラテンローラ62とに挟まれ、粘着剤層35がプラテンローラ62に圧接された状態で待機する。しかし、待機状態が長時間続くと、台紙なしラベル32の粘着剤がプラテンローラ62に貼り付き気味になって行き、印字発行動作を再開した際に、回転したプラテンローラ62に台紙なしラベル32が巻き付いて正常に発行されないことがある。所謂ジャムりの不具合が生じる。台紙なしラベル32がプラテンローラ62に巻き付きほどではなくとも、貼り付き気味になることにより台紙なしラベル32の向き(進行方向)が曲がり、発行口65の周囲(図3のプリンタ50ではカッタユニット64や筐体52の内壁)に突き当たることもある。この場合も正常な発行はなされない。このような不具合発生のリスクは、サーマルヘッド63とプラテンローラ62とで台紙なしラベル32を挟持したまま停止した待機時間が長くなる程高くなる。
特開2011−031426号公報
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、ラベルプリンタで台紙なしラベルを印字発行する際や、印字発行と停止との反復動作や、長時間停止した後の再印字発行動作においても安定した印字発行動作が可能なプラテンローラを提供することを課題とする。
上記の課題を達成するためになされた本発明のプラテンローラは、回転軸である芯金の周面に円柱状の弾性体を形成したプラテンローラであって、前記弾性体の外周は表面に不規則な凸部を有する非粘着性被膜で被覆され、該非粘着性被膜で被覆された弾性体の周面には、その円周方向に沿い、非粘着性被膜を貫通して弾性体の内部に達する切込みが軸方向に並べて複数箇所形成されていることを特徴としている。
本発明のプラテンローラの弾性体の硬度は30〜70であることを特徴とする。
本発明のプラテンローラの非粘着性被膜としては、例えば熱硬化性のシリコーン系化合物が使用可能である。
本発明のプラテンローラの非粘着性被膜表面の凹凸の、凸部と平坦部との起伏差が5〜100μmであることを特徴とする。
本発明のプラテンローラの非粘着性被膜は粒径が5〜100μmの粉体を含んでいることを特徴とする。
本発明のプラテンローラの切込みの深さDと、隣り合う切込み同士の間隔Wとの比D:Wが6:1〜1:3であることを特徴とする。
本発明のプラテンローラを用いたラベルプリンタは、台紙なしラベルを円滑に印字発行することが可能である。さらに、サーマルヘッドとプラテンローラとの間に台紙なしラベルを挟んだ状態で停止し、長時間停止した後に印字発行を再開した場合でも、台紙なしラベルがプラテンローラに貼り付いたり、回転するプラテンローラに貼り付いて巻き込まれることがなく、安定した印字発行動作を繰り返すことができる。
本発明のプラテンローラの斜視図。 本発明のプラテンローラの部分拡大断面図。 ラベルプリンタの概略側面図。 本発明のプラテンローラの作用を表す説明図。 台紙なしラベルをロール状に巻回した状態を示す斜視図と、一単位の台紙なしラベルの平面図および断面図。 転がり角度試験の結果を示す表図。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1および図2に本発明のプラテンローラ10を示す。図1はプラテンローラ10の斜視図、図2はその一部を切り欠いた部分拡大断面図である。
本発明のプラテンローラ10は回転軸となる芯金11を円柱状の弾性体12で被覆し、さらに弾性体12の周囲に非粘着性被膜13を形成したものである。非粘着性被膜13は粒径が5〜100μmの粉体を含んでおり、その表面は不規則な凹凸形状になっている。
弾性体12の周面には、その円周方向に沿う切込み15が軸方向に沿って複数箇所形成されている。切込み15は、非粘着性被膜13を貫通して弾性体12の内部(深部)に達している。
プラテンローラ10の主要構成材である弾性体12は、JISスプリング式硬さ試験機A型による硬度が30〜70の範囲にある合成樹脂が使用可能である。好ましくは硬度が40〜60である。硬度が30未満の場合は、プラテンローラに台紙なしラベルが巻き付き易くなり、70を越えた場合は硬くなってゴム弾性が失われてグリップ力が低下し、ラベルの走行性が損なわれる。
弾性体12を構成する合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、結晶性ポリブタジエン、ポリブタジエン、スチレンブタジエン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、アイオノマー、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンポリテトラフルオロエチレン共重合体、ポリアセタール(ポリオキシメチレン)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシベンゾイル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエステル、1,2−ポリブタジエン、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂が使用可能である。この他、例えば、熱硬化性のシリコーンゴム、一液型RTV(Room Temperature Vulcanizing)ゴム、二液型RTVゴム、LTV(Low Temperature Vulcanizable)シリコーンゴム、耐油性熱硬化性ゴムが挙げられる。
非粘着性被膜13には剥離性を有する材料を使用する。例えば、熱硬化型のシリコーン系化合物、紫外線硬化型のシリコーン系化合物、電子線硬化型のシリコーン系化合物が使用可能である。この他、剥離性を有するフッ素系の樹脂で被膜を形成しても良い。
非粘着性被膜13の表面は不規則な凹凸形状である。その凸部と平坦部との起伏差は5〜100μmであることが好ましい。起伏差が5μm未満の場合はプラテンローラ10としての剥離能力が低下する。100μmを越えると印字の品位が低下する恐れがある。より好ましくは10〜50μmである。
非粘着性被膜13の膜厚は、薄い部分で5μm、厚い部分で105μmであり、平均膜厚は10〜30μmであることが好ましい。
非粘着性被膜13は、その層の内部に粒径が5〜100μmの粉体14を含んでいる。粉体14は非粘着性被膜の膜強度を確保するとともに、その外形が非粘着性被膜13表面に反映して凸部を形成している。特に粉体14が大きい場合は、非粘着性被膜13表面から突出した凸部形状になる。凹凸が不規則になるためには、粉体14の粒径が5〜100μmの範囲に分布していることが望ましい。より好ましくは10〜50μmの範囲に分布していることが望ましい。粉体14の粒径が5μm未満の場合は非粘着性被膜13の表面が平坦になってプラテンローラ10としての十分な剥離能力を発揮できなくなる恐れがある。粒径が100μmを越える場合は非粘着性被膜13の起伏差が大きくなり、印字品位が低下する恐れがある。
粉体14としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、タルク、クレィ、シリカ、カオリン、珪藻土、マイカ、リトボン、硫酸バリウム、ガラスパウダー、三酸化アンチモン、塩素化パラフィン、カーボランダム、ケイ石粉、ベンゾフェノン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンワックス、シリコーン樹脂粒子が使用可能である。無機粉体と有機粉体のどちらでも構わない。
プラテンローラ10の周面には、その円周方向に沿った切込み15が軸方向に並べて複数箇所形成してある。切込み15は、非粘着性被膜13を貫通して弾性体12の内部に達する。切込み15はプラテンローラ10を回転させながら鋭利な刃を押し入れて形成したものである。切込み15は切削によって形成されたものではないため、切込み15を形成して刃を外した後、切込み15の両側の弾性体12はその弾性復元力によって接した状態になる。
切込み15の深さDと、隣り合う切込み15同士の間隔Wとの比D:Wは、6:1〜1:3である。なかでも3:1〜1:2の範囲であることが望ましい。切込み15の深さDと、隣り合う切込み15同士の間隔Wとの比D:Wが6:1を越えた場合、即ち、切込み15を深くして間隔を狭めても、弾性体12の深部は押圧された場合の変形量が少ないために剥離効果の向上が望めない。また、プラテンローラ10が損傷し易くなる不具合が生じる。一方、切込み15の深さDと、隣り合う切込み15同士の間隔Wとの比D:Wが1:3未満になると、切込み15を形成したことによる剥離効果が現れにくくなる。
図2に例示したプラテンローラ10の場合、切込み15の深さDは1.5mm、間隔Wは1.0mmである。切込み15の深さDと、隣り合う切込み15同士の間隔Wとの比が上記の範囲であれば、切込み15同士の間隔Wは均等でも不揃いでも構わない。尚、ラベルプリンタ50のプラテンローラ10の直径は10〜30mm程度の物が多いが、切込み15の深さDは直径には依存しない。
次に、本発明のプラテンローラ10の非粘着性を評価する試験として、転がり角度試験について説明する。
平坦で水平な台板上に台紙なしラベル32を粘着剤層35を上方に向けて固定する。粘着剤層35に試験体としてプラテンローラ10を載置し、さらにその上から2kgの重りを乗せて15秒間荷重を加え、プラテンローラ10を台紙なしラベル32に接着する。15秒経過後に重りを外し、台板を傾斜させて行く。プラテンローラ10が転動し始めた時点で台板の傾斜を停止し、台板の傾斜角を読み取る。傾斜角が小さく、転がり易いプラテンローラ10の方が非粘着性が高く、台紙なしラベル32の搬送に適することになる。試験結果を図6に示す。
試験に用いたプラテンローラと台紙なしラベル32の粘着剤は以下の通りである。
<プラテンローラ>
実施例、比較例とも、有効幅=47mm、直径10mm
実施例:本発明のプラテンローラ10
(切込み15の深さD=1.0mm、間隔W=1.0mm)
比較例1:実施例と同一材料で、切込みを設けない物。
比較例2:従来の台紙なしラベル用シリコーン製プラテンローラ
<粘着剤>
粘着剤1:ホットメルト系 強粘
粘着剤2:エマルジョン系 強粘
粘着剤3:エマルジョン系 ポリオレフィン製被着体にも適用する粘着剤
粘着剤4:エマルジョン系 超強粘
図6に示した試験結果によれば、本発明のプラテンローラ10は様々な種類の粘着剤を塗工した台紙なしラベルに対しても優れた非粘着性を有することがわかる。
<ラベルプリンタへの実装>
図3は本発明のプラテンローラ10を用いたラベルプリンタ50の概略側面図である。このラベルプリンタ50は、ロール紙供給部51と印字部61を筐体52内に設けたものである。ロール紙供給部51の軸55には台紙なしラベル32の連続体を巻回したラベルロール30が回転可能に支持されている。台紙なしラベル32の走行経路に沿って、ガイドバー56、台紙なしラベル32の連続体の有無を検知する用紙センサ57、ラベル一単位のインターバルを検出するピッチセンサ58が取り付けられている。その下流の印字部61は、非粘着性のプラテンローラ10と、前記プラテンローラ10とともに台紙なしラベル32の連続体を押圧保持するサーマルヘッド63、それらの下流のカッタユニット64で構成される。筐体52には、カッタユニット64に隣接して発行口65が設けてある。
プラテンローラ10が回転すると、ラベルロール30から巻き出された台紙なしラベル32は、ガイドバー56、用紙センサ57、ピッチセンサ58を経て印字部61に至り、各台紙なしラベル32にサーマルヘッド63の発熱走査で文字やバーコード等の情報が印字される。印字が行なわれた台紙なしラベル32は、連続したまま、あるいは、カッタユニット64でカットされて発行口65から外部に至り、台紙なしラベル32が発行される。一連の発行作業で廃棄物が発生することは無い。
図4にラベルプリンタ50の印字部61の状態を示す。同図は、サーマルヘッド63が押し当てられた状態のプラテンローラ10の断面を表す模式図である。
台紙なしラベル32の発行が中断されてラベルプリンタ50が停止すると、後続の台紙なしラベル32はサーマルヘッド63とプラテンローラ10とに挟まれ、粘着剤層35がプラテンローラ10に押し付けられた状態になる。
プラテンローラ10は複数の切込み15で区画されているため、各切込み15で挟まれたエリア12a・12b・12c・12d・・・はそれぞれ独立した挙動を示す。図4に示すプラテンローラ10の場合、非粘着性被膜13の起伏が大きいエリア12a・12cと、起伏が小さいエリア12b・12dとではプラテンローラ10から受ける押圧力が異なり、起伏が大きいエリア12a・12cは、プラテンローラ10の法線方向へ相対的に大きな力を受ける。そのため、起伏が大きいエリア12a・12cは、プラテンローラ10の回転方向の前方向あるいは後方向に歪んで圧縮変形する。さらに、プラテンローラ10の軸線方向に歪んだり傾く場合もある。非粘着性被膜13の起伏が小さいエリア12b・12dは、サーマルヘッド63から受ける力が小さいために歪みや変形の量は相対的に少なくなる。プラテンローラ10にはこの状態で台紙なしラベル32の粘着剤層35が押し付けられ、時間の経過とともに貼り付き気味になって行く。
ラベルプリンタ50が動作を再開してプラテンローラ11が回転すると、切込み15で区画された各エリア12a・12b・12c・12d・・・は、それぞれ別の動きを示す。歪みの大きいエリア12a・12cはサーマルヘッド63の押圧が開放されると直ちに元の形状に復元する。その際、にプラテンローラ10の表面、即ち、非粘着性被膜13の表面は、粘着剤層と接したままプラテンローラ10の円周方向や軸線方向に動く。一方、歪みが小さいエリア12b・12dの周面の復元に伴う動きは小さく、歪みの大きいエリア12a・12cとは復元に伴う形状変形量が異なる。そのため、起伏が大きいエリア12a・12cが復元する力で台紙なしラベル32が剥離し易くなる。さらに、エリア12a・12cが復元する際に台紙なしラベル32を引張り、形状変形が少ないエリア12b・12dから剥離させるように作用する。このように各エリア12a・12b・12c・12d・・・がばらばらに台紙なしラベル32を押し戻すことによりプラテンローラ10の離型性が向上される。
本発明のプラテンローラ10は、非粘着性であることに加え、サーマルヘッド63から受ける圧力に対して切込み15で区画されたエリア12a・12b・12c・12d・・・が独立して圧縮と復元の変形を繰り返す。さらに一つのエリア(例えばエリア12a)の範囲内でも凸部と平坦部とでは圧縮と復元の際の変形量が異なるため、台紙なしラベル32から剥離するように作用する。よって、ラベルプリンタ50が印字動作を再開した際に台紙なしラベル32がプラテンローラ10に貼り付いたまま巻き込まれたり、進行方向が曲がってジャムりが発生することが無い。
図4の模式図ではプラテンローラ10のうちエリア12a・12cを非粘着性被膜13の凸部14の起伏(突出の大きさ)が大きいエリアとし、エリア12b・12dを起伏が小さいエリアとして説明したが、それは、サーマルヘッド63による押圧を受けている瞬間的に生じた状態であって、起伏の大小はプラテンローラ10の回転に伴って次々に変化して行く。一例を挙げれば、プラテンローラ10が5度回転した時点では、エリア12a・12dの起伏がエリア12b・12cの起伏よりも大きくなり、10度回転した時点ではエリア12b・12dの起伏がエリア12a・12cの起伏よりも大きいというような変化が連続的に起きる。特定のエリアの凸部14が大きいのではない。
ここまではラベルプリンタ50がサーマルヘッド63とプラテンローラ10とで台紙なしラベル32を挟持した状態で停止し、時間経過後に印字発行動作を再開した例を説明したが、台紙なしラベル32を連続して発行する場合も、同じ作用、効果が得られる。非粘着性被膜13の起伏が大きいエリア12a・12cと、起伏が小さいエリア12b・12dとに生じた変形量の差に伴う復元量の違いが台紙なしラベル32が剥がれ易いように作用し、台紙なしラベル32がプラテンローラ10に貼り付くことはない。
本発明のプラテンローラ10は、様々な種類の台紙なしラベル32に対して巻き込みやジャムり等のトラブルを回避できるという効果が得られる。また、台紙なしラベル32の他、台紙が付いている一般的なラベルや、衣料用のタグ(提げ札)、チケット、伝票、荷札、レシート、リストバンドのような粘着剤が露出していないか、或いは粘着剤層が無いシート状の記録媒体の発行にも使用可能である。
尚、本発明のプラテンローラ10を台紙なしラベル32の印字発行に用いる場合、ラベル基材33の種類や材質は、紙や合成樹脂フィルムなど特に限定されるものではなく、粘着紙として一般的に用いられているものである。サーマル紙(紙ベースのサーマル紙や合成樹脂シートやフィルムをベースにしたサーマル紙)の他にも、熱転写印字する場合は、例えば、上質紙、コート紙、アート紙のような紙基材、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)を素材とした合成樹脂フィルムや、前記の合成樹脂を複数種組み合わせたシート、合成樹脂フィルムと紙とを合わせた複合シートでも良い。
剥離剤層34に用いる剥離剤としては、例えば、紫外線硬化型のシリコーン、熱硬化型のシリコーン、溶剤型のシリコーン、アルキルペンダントポリマーの他、フッ素系の剥離剤や、それらを含む組成物が使用可能である。
粘着剤層35に用いる粘着剤は、例えば、エマルジョン系(粘着剤を水に分散したもの)、ソルベント系(粘着剤を溶剤に溶解したもの)、ホットメルト系(熱可塑性を利用したもの)等である。材質としては、合成ゴム系や天然ゴム系、アクリル樹脂系、ポリビニルエーテル樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーン樹脂系等の粘着剤があげられる。ホットメルト系の粘着剤はゴム系でもアクリル系でも良い。塗工後に紫外線を照射して硬化させる(化学的な安定化をはかる)紫外線硬化型の粘着剤でも良い。粘着剤の粘着特性は、いわゆる微粘着、再剥離、弱粘、標準糊、中粘、強粘、超強粘、冷凍糊、ポリオレフィン用、粗面用、タイヤ用など広範囲の粘着剤に対して効果が得られる。
また、本発明のプラテンローラ10は台紙なしラベル32に文字やバーコード等の可変情報をラベルプリンタ50で印字する例を説明したが、先に図柄や情報を印刷した台紙なしラベル32を1枚ずつカットしながら自動貼りする自動貼り機の搬送ローラとしても使用可能である。
なお、本発明が前述した実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状、配置等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
10 プラテンローラ(本発明)
11 芯金
12 弾性体
12a・12b・12c・12d 弾性体のエリア
13 非粘着性被膜
14 凸部
15 切込み
16 粉体
30 台紙なしラベルロール
32 台紙なしラベル
33 ラベル基材
34 剥離剤層
35 粘着剤層
37 切断予定線
38 タイミングマーク
39 プレ印刷
50 ラベルプリンタ
51 供給部
52 筐体
55 軸
56 ガイドバー
57 用紙センサ
58 ピッチセンサ
61 印字部
62 プラテンローラ(従来例)
63 サーマルヘッド
64 カッタユニット
65 発行口
P ラベル一単位の送り長さ
D 切込みの深さ
W 切込みの間隔

Claims (6)

  1. 回転軸である芯金の周面に円柱状の弾性体を形成したプラテンローラであって、
    前記弾性体の外周は表面に不規則な凹凸を有する非粘着性被膜で被覆され、
    該非粘着性被膜で被覆された弾性体の周面には、その円周方向に沿い、非粘着性被膜を貫通して弾性体に達する切込みが軸方向に並べて複数箇所形成されていることを特徴とするプラテンローラ。
  2. 前記弾性体の硬度が30〜70であることを特徴とする請求項1に記載のプラテンローラ。
  3. 前記非粘着性被膜が熱硬化性のシリコーン系化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラテンローラ。
  4. 前記非粘着性被膜表面の凹凸の、凸部と平坦部との起伏差が5〜100μmであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のプラテンローラ。
  5. 前記非粘着性被膜は粒径が5〜100μmの粉体を含んでいることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のプラテンローラ。
  6. 前記切込みの深さDと、隣り合う切込み同士の間隔Wとの比D:Wが6:1〜1:3であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載のプラテンローラ。
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