JP2013192884A - ティシュペーパー及びティシュペーパーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原紙102の表裏2面(面104,106)のうち、JIS P8147に準拠して測定した摩擦係数が小さい方の面108が最外面に位置するように、原紙102を複数枚積層して1組としたティシュペーパー100。
【選択図】図1B
Description
本発明のティシュペーパーは、図1A及び図1Bに示すティシュペーパー100のように、抄紙された原紙102を複数枚積層して1組としたティシュペーパーである。「ティシュペーパー」とは、衛生用紙の一種であって、顔ふき紙、化粧紙等と呼ばれるものである。
「原紙」は、複数枚1組のティシュペーパーの1層を構成する、ティシュペーパーの中間体となる紙である。原紙102としては、ティシュペーパー用原紙、より具体的には坪量10〜18g/m2、紙厚35〜85μmのティシュペーパー用原紙を好適に用いることができる。前記範囲内のティシュペーパー用原紙は強度と柔軟性のバランスに優れており、柔らかい触感と適正な強度を併せ持つ。
図1A及び図1Bに示すティシュペーパー100は、2枚の原紙102を積層して1組とした2プライのものである。但し、本発明においては、原紙を「複数枚」積層したものであればよい。即ち、3枚以上の原紙を積層して1組とした3プライ以上(マルチプライ)のティシュペーパーも本発明の範囲に含まれる。
(1)本体152の固定台156に取り付けた水準器160で水平を確認する。
(2)治具166を用いて本体用試験片164を傾斜板158に密着させ、同様に治具174を用いて錘用試験片172を錘154に密着させる。この際、本体用試験片164、錘用試験片172は、いずれも測定面が外側に露出するように固定する。即ち、試験片は、表裏2面のうち、同一面が外側に露出するように固定する。例えば、試験片の表面の摩擦係数を測定するときには、本体用試験片164、錘用試験片172とも表面が外側に露出し、互いに表面同士が接するように、傾斜板158又は錘154に固定する。また、本体用試験片164、錘用試験片172は抄造流れの方向が滑り方向と合致するように固定する。
(3)傾斜板158の傾斜角を0°に合わせ、本体用試験片164の上に、錘用試験片172を取り付けた錘154を載せる。
(4)ハンドル170をゆっくり一定の速度で回転させることにより、傾斜板158を徐々に傾斜させる。錘154が滑り始めた時の傾斜角θを読み取り、傾斜角θの正接(tanθ)を摩擦係数とする。
本発明の製造方法は、抄紙機により原紙を形成し、前記原紙を複数枚積層して1組とするティシュペーパーの製造方法である。そして、前記原紙の表裏2面のうち、JIS P8147に準拠して測定した摩擦係数が小さい方の面が最外面に位置するように、前記原紙を複数枚積層して1組とするティシュペーパーの製造方法である。
本発明のティシュペーパーの製造方法においては、抄紙機により原紙を形成する(抄紙)。抄紙機としては、例えば図3に示すような抄紙機1を用いることができる。この抄紙機1は、ワイヤパート40、プレスパート42、ドライパート44、カレンダーパート46、リールパート48を備えている。
ワイヤパート40は、パルプスラリー9に含まれる水分を搾水し、薄層状の湿紙10を形成する工程(湿紙形成工程50)を行う部分である。ワイヤパート40は、抄き網を環状の無限軌道ベルトに構成したワイヤ2、3と、パルプスラリー9を噴き付けるヘッドボックス8(「フローボックス」、「スタッフボックス」とも称される。)とを備える。抄紙機1は上下2枚のワイヤ2、3を備えた、ツインワイヤフォーマ方式の抄紙機である。
プレスパート42は、ワイヤパート40で形成された薄層状の湿紙10の水分を更に除去する工程(脱水工程52)を行う部分である。プレスパート42は、フェルトを環状の無限軌道ベルトに構成したドライヤフェルト22と、ドライヤフェルト22に当接するように配置され、ドライヤフェルト22の走行とともに回転する、複数のフェルトロール24と、を備える。
ドライパート44は、プレスパート42で水分を除去された湿紙10を更に乾燥する工程(乾燥工程54)を行う部分である。ドライパート44は、加熱可能な円柱状のドライヤシリンダ26(ヤンキードライヤ)、熱風の噴射口を有するフード28とを備える。
カレンダーパート46は、ドライパート44で得られた原紙31に対してカレンダー加工を施す工程(カレンダー加工工程56)を行う部分である。カレンダーパート46は、カレンダーロール30と受けロール32を備える。
リールパート48は、カレンダー加工を施した原紙31を巻き取る工程(巻取工程58)を行う部分である。リールパート48はリール34を備える。
原紙の積層は、例えば図4に示すような方法で行う。2プライのティシュペーパーであれば、2本の原紙ロール36をアンワインドし、2枚の原紙31を積層して積層体78を構成する。
カレンダーパート70は、アンワインドされた原紙31に対してカレンダー加工を施す工程(カレンダー加工工程72)を行う部分である。カレンダーパート70は、カレンダーロール74と受けロール76を備える。カレンダーパート70は、既に説明した図3に示すカレンダーパート46に準じて構成することができる。機能、効果も同様である。
クリンパパート80は、積層体78に対してプライボンディングを施す工程(プライボンディング工程82)を行う部分である。クリンパパート80は、表面にダイヤモンド模様が刻まれたホイール84と受けロール86を備える。
スリッタパート88は、クリンパが形成された積層体78を製品幅に切り分ける工程(切り分け工程90)を行う部分である。スリッタパート88は、スリッタナイフ92と受けロール94を備える。図4に示す装置では、27基のスリッタナイフ92を備えており、積層体78を197mm幅で26分割するように形成されている。スリッタパート88で切り分けられた積層体78は分割された状態で巻き取られ、ロール化される。
前記スリッタパートでロール化された積層体は、折板式加工機(「多連機」とも称される。)、ロータリーシリンダー式加工機(「インターフォールダー」とも称される。)等の折り畳み加工機を用いて折り畳まれ、その折り畳まれた状態で製品幅に裁断される。裁断されたティシュペーパーの束は、例えば箱詰めされたカートン入りティシュ等として製品化される。
実施例1においては、図1A及び図1Bに示すティシュペーパー100を製造した。ティシュペーパー100の両側縁部には、クリンパ110が形成されている。原紙102としては、坪量12g/m2、紙厚53μmのティシュペーパー用原紙を用いた。
実施例2においては、実施例1と同様の方法により、実施例1と同様の構造のティシュペーパー100を製造した。原紙102としては、坪量11g/m2、紙厚47μmのティシュペーパー用原紙を用いた。
実施例3においては、実施例1、2と同様の方法により、実施例1、2と同様の構造のティシュペーパー100を製造した。原紙102としては、坪量16g/m2、紙厚72μmのティシュペーパー用原紙を用いた。
抄紙の工程は、実施例1と同様に行い、図3に示す原紙ロール36を得た。そして、実施例1とは逆に、原紙ロール36の内側に位置する面(即ち、ヤンキードライヤのフード側に位置した面)が内側に、ヤンキードライヤのフード28側に位置した面が最外面に位置するように、原紙を2枚積層して、ティシュペーパーを得た。
抄紙の工程は、実施例2と同様に行い、図3に示す原紙ロール36を得た。そして、実施例1とは逆に、原紙ロール36の内側に位置する面(即ち、ヤンキードライヤのフード側に位置した面)が内側に、ヤンキードライヤのフード28側に位置した面が最外面に位置するように、原紙を2枚積層して、ティシュペーパーを得た。
実施例1〜3及び比較例1、2のティシュペーパーについては、図2Aに示すような滑り傾斜角測定装置150を用い、JIS P8147に準拠して、摩擦係数を測定した。また、ティシュペーパーの柔軟性(手触り感)について、官能評価を行った。男性5名、女性5名を被験者とし、非常に良い場合を「◎」、良い場合を「○」、普通の場合を「△」、悪い場合を「×」とする4段階で評価した。その結果を表1に示す。
Claims (4)
- 抄紙された原紙を複数枚積層して1組としたティシュペーパーであって、
前記原紙の表裏2面のうち、JIS P8147に準拠して測定した摩擦係数が小さい方の面が最外面に位置するように、前記原紙を複数枚積層して1組としたティシュペーパー。 - 前記抄紙の際にヤンキードライヤによる乾燥が行われ、前記原紙の表裏2面のうち、前記ヤンキードライヤのフード側に位置した面が最外面に位置するように、前記原紙を複数枚積層して1組とした請求項1に記載のティシュペーパー。
- 抄紙機により原紙を形成し、前記原紙を複数枚積層して1組とするティシュペーパーの製造方法であって、
前記原紙の表裏2面のうち、JIS P8147に準拠して測定した摩擦係数が小さい方の面が最外面に位置するように、前記原紙を複数枚積層して1組とするティシュペーパーの製造方法。 - 前記抄紙機においてヤンキードライヤによる乾燥を行い、
前記原紙の表裏2面のうち、前記ヤンキードライヤのフード側に位置した面が最外面に位置するように、前記原紙を複数枚積層して1組とする請求項3に記載のティシュペーパーの製造方法。
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