JP2013192174A - 振動片の製造方法、振動片および電子機器 - Google Patents

振動片の製造方法、振動片および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】歩留りが高く、基板から個片化した際の厚み精度にばらつきの少ない振動片の製造方法を提供する。
【解決手段】振動片の製造方法は、基板50の一方の主面に、圧電層54と、圧電層54に電気的に接続されている電極層(下部電極層52、上部電極層56)とを設ける成膜工程と、成膜工程の後、一方の主面に保護部材を設ける基板保護工程と、基板保護工程の後、基板50の他方の主面側から基板50の一部を除去して、基板50の厚みを調整する板厚調整工程と、板厚調整工程の後、基板50に対し、素子片の所望の外形形状に沿ってパターニングする外形形成工程と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、振動片の製造方法に係り、特に振動片の小型化、薄型化に適した振動片の製造方法、およびこの製造方法により製造した振動片に関する。
電子機器の小型化、薄型化、および高集積化に伴い、振動子や角速度センサー、加速度センサー、および圧力センサーなどの振動デバイスに対する小型化、薄型化への要請も高まっている。
このような背景の下、振動デバイスの分野では、例えば特許文献1に開示されているような、圧電薄膜を用いた振動片が提案されている。特許文献1に開示されている振動片は、シリコン(Si)により形成された素子片に、電極膜で挟持された圧電層(圧電薄膜)を配置するという構成のものである。特許文献1に開示されている振動片は、いずれも屈曲振動を励起するものであり、振動腕の幅方向両端部近傍に圧電層を配置している。このような構成とした場合、対を成す圧電層に逆極性の電圧を印加することで、振動腕を主面と平行な方向へ屈曲させることが可能となる。
このような構成の振動片の製造では従来、特許文献2に開示されているように、まず、基板に対する成膜が行われる。成膜工程が終了した後、振動片の外形形状に沿った溝の形成(外形形成工程)が行われる。外形形成工程における溝の深さは、最終的に振動片に要求する素子片の厚み以上で、かつ基板を貫通することの無い深さである。外形形成工程が終了すると、成膜面側に、接着層を介してダミー基板を接着する。ダミー基板を接着した後、成膜面と反対側から、基板を研削して素子片を所望の肉厚にする。ここで、ダミー基板は、基板を薄肉化する際の補強部材であると共に、外形形成工程で形成した溝が貫通した際に個片化された振動片がバラバラになることを防止する役割を担う。
特開2003−227719号公報 特開2003−218420号公報
特許文献1に開示されているような振動片を、特許文献2に開示されているような方法で製造することによれば、確かに小型、薄型な振動片を得ることができる。
しかし、特許文献2に開示されているような製造方法を実施した場合、特に、基板の研削を行う工程において、素子片に割れや欠けが生ずる虞がある。これは、基板を薄肉化して行く工程で、振動片の外形形状に沿った溝が貫通した際、振動片の外形部に主面方向に沿った引き摺りが生ずることが一因であると考えられる。
そこで本発明では、上記課題を解決し、歩留りが高く、個片化した際の厚み精度にばらつきの少ない振動片の製造方法を提供することを第1の目的とする。また、本発明では、この製造方法により製造した振動片を提供することを第2の目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]基板の一方の主面に、圧電層と、前記圧電層に電気的に接続されている電極層とを設ける成膜工程と、前記成膜工程の後、前記一方の主面に保護部材を設ける基板保護工程と、前記基板保護工程の後、前記基板の他方の主面側から前記基板の一部を除去して、前記基板の厚みを調整する板厚調整工程と、前記板厚調整工程の後、前記基板に対し、素子片の所望の外形形状に沿ってパターニングする外形形成工程と、を備えることを特徴とする振動片の製造方法。
このような特徴を有する振動片の製造方法によれば、板厚調整工程において、基板に凹凸箇所が生ずることが無い。このため、加工時に基板の他方の主面に掛かる面圧が安定し、集中応力に起因した割れや欠けを防ぐことができる。よって、振動片の歩留りを高めることができる。また、加工時の面圧が安定しているため、厚みのバラツキが少ない。よって、個片化した際の厚み精度にばらつきが少ない振動片を製造することができる。また、熱による応力の影響が出易い成膜を、基板の厚みが厚い状態で行うことができる。これにより、成膜時に基板に歪みが生ずることを抑制することができる。
[適用例2]前記外形形成工程では、前記素子片の一部を前記基板の残余部分から成る枠部と接続する折取部を形成し、前記外形形成工程の後に前記折取部から前記素子片を切除する個片化工程を備えることを特徴とする適用例1に記載の振動片の製造方法。
このような方法を採用することで、外形形成用の溝が貫通した際に、素子片がバラバラになる虞が無い。また、振動片のズレに基づく加工精度の劣化を防ぐことができる。
[適用例3]前記板厚調整工程の後と、前記外形形成工程との間に、前記保護部材を除去する保護部材除去工程を備えることを特徴とする適用例1または2に記載の振動片の製造方法。
このような方法を採用することで、外形形成のための貫通孔の形成を基板の一方の主面側から行うことが可能となる。
[適用例4]前記外形形成工程には、ドライエッチングの技法を用いることを特徴とする適用例1乃至3のいずれか1例に記載の振動片の製造方法。
このような方法を採用することで、ウェットエッチング等に比べ、高いアスペクト比での深堀が可能となる。
[適用例5]前記板厚調整工程では、研削にて前記基板の一部を除去することを特徴とする適用例1乃至4のいずれか1例に記載の振動片の製造方法。
このような方法を採用することで、基板の他方の主面を平坦に、かつ基板内の厚みムラが非常に少なく板厚の調整を行うことができる。
[適用例6]適用例1乃至5のいずれか1例に記載の振動片の製造方法を用いて製造したことを特徴とする振動片。
このような特徴を有する振動片によれば、基板単位のロットにおける検出周波数のバラツキを少なくすることができる。
[適用例7]適用例6に記載の振動片を搭載したことを特徴とする電子機器。
発明に係る振動片の製造方法の工程を示すフローである。 発明に係る振動片の製造方法により製造される振動片の一例としての音叉型振動片の例を示す平面図である。 成膜工程を経て基板に下部電極層、圧電層、および上部電極層を成膜した様子を示す部分断面拡大図である。 基板の一方の主面に駆動用膜部、入出力電極および引出電極の形状をパターニングした様子の例を示す平面図である。 板厚調整を行う際に、基板に保護部材を貼付した様子を示す図である。 素子片の外形形成のための貫通孔を基板に形成した様子を示す平面図である。 発明に係る振動片の製造方法により製造した振動片における振動腕の断面構成を示す部分拡大図である。 従来の振動片の製造方法により製造した振動片における振動腕の断面構成を示す部分拡大図である。 発明に係る振動片の製造方法により製造可能な音叉型の角速度センサー素子片の例を示す平面図である。 発明に係る振動片の製造方法により製造可能なダブルT型の角速度センサー素子片の例を示す平面図である。 実施形態に係る電子機器の一例としての携帯電話装置の外観構成を示す斜視図である。
以下、本発明の振動片の製造方法、および振動片に係る実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、図2を参照して、本発明の振動片10について説明する。図2に示す振動片10は、本発明の振動片に係る1実施形態としての音叉型振動片である。本実施形態に係る振動片10は、素子片12と、駆動用膜部14,16、入出力電極20、および引出電極18を基本として形成されている。
素子片12は、基部12aと、基部12aを基点として延設される一対の振動腕12bとを備える。基部12aは、駆動信号や検出信号の入出力を行うための入出力電極20や、詳細を後述する駆動用膜部14,16と入出力電極20とを電気的に接続する引出電極18を配設する実装部である。振動腕12bは、詳細を後述する駆動用膜部14,16を配設する振動部である。
駆動用膜部14は、図7に図2におけるA−A断面部を示すように、下部電極層14a,16aと、圧電層14b,16b、および上部電極層14c,16cを基本として構成される。具体的には、次のような構成とされている。下部電極層14a,16aは、素子片12を構成する振動腕12bの一方の主面に形成される。圧電層14b,16bは、下部電極層14a,16aの上面に形成される。上部電極層14c,16cは、圧電層14b,16bの上面に形成され、下部電極層14a,16aとの間に圧電層14b,16bを挟み込む形態を採る。このような構成とすることで、下部電極層14a,16aと上部電極層14c,16cに、極性の異なる電圧を印加することで、圧電層14b,16bを収縮、あるいは伸張させることが可能となる。
実施形態に係る振動片10では、対を成す振動腕12bのそれぞれに、一対の駆動用膜部14,16が配設されている。駆動用膜部14,16の配設位置については、振動腕12bの長手方向中心軸を基点として線対称となるように配設されていれば良いが、振動腕12bの幅方向両端部寄りに配設することが望ましい。振動腕12bの屈曲率を稼ぐことができるからである。
上記のような基本構成を備える振動片10において、入出力電極20、引出電極18、下部電極層14a,16a、および上部電極層14c,16cは、導電性を有する薄膜であれば良い。また、圧電層14b,16bは、圧電効果を生じさせる薄膜であれば良い。
次に、上記のような基本構成を備える振動片の製造方法について、図1を参照して説明する。
まず、基板50の表面に駆動用膜部14,16、入出力電極20、および引出電極18を形成するための成膜を行う(図3、図7参照)。ここで、基板50としては、半導体、例えばシリコン(Si)などを採用すると良い。基板50の表面にはまず、一方の主面に、下部電極層14a,16a、入出力電極20、および引出電極18を構成する下部電極層52を形成する。下部電極層52としては、例えばプラチナ(Pt)やプラチナを主体としたチタン合金(Pt−Ti)などであると良い。下部電極層52にTiを含有させることで、上層に構成する圧電層54(例えばPZT:チタン酸ジルコン酸鉛:Pb(Zr,Ti)O)との密着性を向上させることができるからである。また、PtやPt−Tiから成る下部電極層52を形成する場合、基板50との間に、下地層(不図示)を形成しても良い。下地層としては、例えばTiなどであれば良い。
下地層、および下部電極層52の形成は、それぞれ蒸着やスパッタリングといった技法を用いれば良い。なお、基板50として大径のものを採用する場合には、スパッタリングによると良い。膜厚の均等化が容易となるからである。
下部電極層14a,16a、入出力電極20、および引出電極18を構成する下部電極層52の形成を終えた後、下部電極層52の上面に対して圧電層54の形成を行う。圧電層54としては、上述したPZTや、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、ニオブ酸カリウム(KNbO)などを含むものにより構成すれば良い。圧電層54の成膜は、スパッタリングなどの技法によれば良い。
圧電層54を成膜した後、圧電層54の上面に対して、上部電極層14c,16cを構成する上部電極層56の形成を行う。上部電極層56としては、例えば金(Au)や、プラチナ(Pt)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)等や、これらの金属を主体とした合金などにより構成すれば良い。なお、上部電極層56の形成は、下部電極層52と同様に、蒸着やスパッタリングなどの技法によれば良い。
下部電極層52、圧電層54、および上部電極層56の成膜を終えた後、各膜を所望する形状にパターニングする。パターニングには、フォトリソグラフィーの技法を用いれば良い。
なお、上記説明では、下部電極層52、圧電層54、上部電極層56の成膜を終えた後にパターニングを行う旨記載した。しかしながら、下部電極層14a,16a、圧電層14b,16b、上部電極層14c,16c、入出力電極20、および引出電極18の形成は、メタルマスク(不図示)を用いて蒸着やスパッタリングを行うことにより、直接パターニングするようにして形成しても良い。パターニング終了後の基板50は、図4に示すような形態となる(S10:成膜工程)。
パターニングにより、基板50の一方の主面に、駆動用膜部14,16、入出力電極20、および引出電極18を形成した後、図5に示すように、基板50の一方の主面に、保護部材62を貼付する。保護部材62は、詳細を後述する板厚調整工程における研削時に、基板50に反りや割れが生ずることを抑制することを第1の目的として貼付される。また、保護部材62の第2の目的は、駆動用膜部14,16等を形成した基板50の一方の主面に、加工により汚染物質が付着することを防止できることである。
このため、保護部材62には、基板50の曲がり等を抑制するための機械的強度と、汚染物質の侵入を防ぐ密着性が要求される。これらを満足するために、本実施形態における保護部材62は、強度維持層60と、接着層58により構成される。強度維持層60は、研削時の摩擦によっても歪みを生じさせない機械的強度が維持でき、かつ平坦度に優れている部材であれば良く、例えば、裏面研削用表面保護フィルムやガラス基板(ガラス板)などであれば良い。
接着層58は、接着面に汚染物質が入り込むことを防止することのできる高い密着性と、駆動用膜部14,16等のパターンに起因した凹凸の吸収性に優れた部材であると良い。一般に、このような要求に適した接着層58としては、テープ型の物や、接着剤型の物が知られている。そして、テープ型、接着剤型共に、紫外線(UV)硬化型や熱発泡性の素材により構成されていることが多い。テープ型の物は、使用後に紫外線を照射または熱を印加することで、その粘着性を低下させ、剥離時に基板50に歪みが生ずることを抑制するという効果がある。一方接着剤型の物も、テープ型と同様に紫外線や熱による剥離が可能であり、特に接着対象とする物質の表面形状に沿った形状で接着面が維持されることとなる。このため、基板表面等における凹凸吸収性に優れ、かつ高い密着性を得ることができる。
なお、強度維持層60に関しては、吸着穴またはポーラス状のステージに真空で吸着され研削機に固定される。または、適宜ガラス基板等を用意することに換え、研磨機の定盤を強度維持層60として基板50を貼付しても良い。基板50の歪みを抑制するという作用に変わり無いからである(S20:基板保護工程)。
基板50の一方の主面に対して保護部材62を貼付した後、基板50の他方の主面の研削を行う。研削は、高速に回転している研削砥石を有するグラインダにより行う。更に表面粗さを細かくする場合には、研磨機を用いたケミカル・メカニカルポリッシング(CMP)により行えば良い。具体的には、砥粒を含有するスラリーと、基板50の他方の主面を摺動するパッドを用いた加工である。CMPの工程としては、厚みの調整と歪みの除去を行うラッピングと、基板50の加工面である他方の主面の平坦化を行うポリッシングといったものがある。両工程の違いは、主にスラリーに含有する砥粒の粗さにある。
基板50の研削は、基板50が所望する厚みとなるまで行う。例えば、所望する板厚を150μmとした場合には、研削後の板厚が、150μmとなるまで行われる。
本実施形態では、従来技術と異なり、基板50に溝加工を施すことなく研削を行っている。このため、研削の途中で基板50の一方の主面(加工側主面)に凹凸が生ずることが無い。このため、研削対象となる主面に掛かる面圧を均等に保つことが容易となり、研削後における基板50の板厚を高精度に保つことができる。また、研削面に凹凸が生じないため、引掛りなども無く、加工に起因した割れや欠けなどの発生も抑えることができる(S30:板厚調整工程)。
基板50を所望する厚みにまで研削した後、一方の主面に貼付した保護部材62を剥離する。保護部材62の剥離としては、接着層58に対する紫外線の照射や、レーザーの照射、熱の印加を行う。例えば、接着層58として紫外線硬化型のテープを採用した場合には、本工程において、紫外線を接着層58に照射してテープを硬化させることで、接着面の粘着性が低下し、剥離時に基板50に生ずる応力を抑制することができる。一方、紫外線硬化型の接着剤を接着層58として採用した場合、強度維持層60と接着層58との間にレーザーを照射し、強度維持層60と接着層58とを剥離し、その後に、接着層58を基板50から剥離するという手段を採る。一般に接着剤型の接着層58は、高い密着性を持つが粘着性は持たないため、接着層58単体であれば、基板50からめくり取るように剥離させることができる(S40:保護部材除去工程)。
保護部材62を剥離した後、素子片12の外形形成を行う。外形形成は、基板50に対して素子片12の形状に沿った貫通溝(貫通孔68)を形成することで、基板50を素子片12と、その余剰部位である枠部64とに分けることをいう。
外形形成は、ボッシュプロセスなどの技法によるドライエッチングで行うと良い。エッチング喰われが少なく、高いアスペクト比での貫通孔68の深堀が可能となるからである。
本工程では、まず、基板50の一方の主面に対し、非加工部位を覆うマスク(不図示)を形成する。マスクは、レジスト膜を用い、これをフォトリソグラフィーの技法によってパターニングすることにより形成することができる。
マスクを形成した後、ボッシュプロセスにより、マスク開口部に対して等方性エッチングと保護膜の形成、および異方性エッチングによる保護膜の一部除去を繰り返すことで、貫通孔68を形成する。ボッシュプロセスに用いるガスは、SFとC等であれば良い。2つのガスを交互に導入することで、SFによりエッチングが行われ、Cにより保護膜の形成が行われることとなる。
なお、本工程では、素子片12を構成する部位と、枠部64を構成する部位とを接続する折取部66を残すようにして、貫通孔68を形成すると良い。エッチング終了後に振動片10を構成した素子片12が、バラバラになることを防ぐことができるからである。
このような工程で外形形成を行った場合、図7に示すように、エッチング面には、ドライエッチング(ボッシュプロセス)に起因したスキャロップ70と呼ばれる微小な凹凸が連続して現れる。また、図7に示すように、一方の面側からドライエッチングを施した場合には、他方の面側の加工面には、加工側面に入り込む方向に、僅かな傾斜が現れる(S50:外形形成工程)。
貫通孔68の形成により外形形状の形成が終了した素子片12を、エアピンセット等の保持具により吸引吸着し、折取部66の先端括れ部分から切り離す。切り離しにより個片化された振動片10は、図示しないパッケージへ実装される(S60:個片化工程)。
このような工程を経て形成された振動片10は、上述したように、個片単位における素子片12の厚み、およびロット単位における素子片12の厚みのバラツキを少なくすることができる。よって、基板50単位のロット間における検出周波数のバラツキを少なくすることができる。
また、加工時における割れや欠けを減らすことができるため、歩留りを向上させることができる。
また、このような工程を経て形成された振動片10の形態的特徴としては、ドライエッチングによる加工面に生ずるスキャロップ70がはっきりと現れるという特徴がある。従来技術のように、溝加工後にバックラップ(板厚調整工程)を行った場合には、研削時に生じた研削カスや研磨に用いる吐粒(スラリー)が、ドライエッチングを施した加工側面にも付着・滞留する。このため図8に示すように、研削・研磨側主面(他方の主面)における加工側面端部にも摩耗が生じ、加工側面側に入り込むようなダレが生じてしまう。このため、当該部分に形成されていたスキャロップ70も消失することとなる。ダレの発生具合は、研削カスやスラリーの滞留具合等に起因する。このような要因によっても、本願の製造方法により製造された振動片10に比べて検出周波数のバラツキが大きくなる虞がある。なお、ドライエッチングの技法がボッシュプロセスでない場合であっても、段階的に貫通孔を形成するような技法であれば、その加工側面に現れる加工痕の様子により、本発明に係る製造方法による製造物であるか否かを判断することができ、同様な効果を得ることができる。具体的には、加工側面における加工痕の有無、および一部喪失の有無による。
上記実施形態では、振動片10の例として、振動子を挙げて説明した。しかしながら、本発明に係る振動片の製造方法は、角速度センサー素子片や、加速度センサー素子片、および圧力センサー素子片等の製造にも適用することができる。また、形成する素子片の形状の如何を問うことも無い。よって、図9に示すような音叉型の角速度センサー素子片であっても、図10に示すようなダブルT形状の角速度センサー素子片、および図示しない双音叉型の素子片等であっても、本発明に係る振動片の製造方法により製造することができる。なお、図9、図10においては、表現を簡単化するために、入出力電極や引出電極については表示を省略している。また、図9、図10において、検出用膜部とは、角速度等の発生に起因した振動腕の振動を検出するための膜部であり、その構成は、駆動用膜部と同様である。
次に、上記のような構成の振動子を構成する振動片を搭載した電子機器について説明する。なお、図11は、上記実施形態で説明した振動子を発信源として備える携帯電話を示す図である。
図11に示す携帯電話100の外観構成としては、液晶表示装置104、複数の操作ボタン106、受話口102、および送話口108を挙げることができる。
なお、本発明に係る電子機器としては、携帯電話に限らず、パーソナルコンピューターやインクジェット式吐出装置、テレビ、電子辞書、電卓、姿勢制御機能を要するカーナビゲーションシステムや、航空機、ロボット、船舶、車両、電子ゲーム機器、モーションコントローラー、ヘッドマウントディスプレイ、PDR(歩行者位置方位計測)、ゲーム用コントローラー等や、手振れ防止機能を有するデジタルカメラや、デジタルビデオカメラ等も含むものとする。
10………振動片、12………素子片、12a………基部、12b………振動腕、14………駆動用膜部、14a………下部電極層、14b………圧電層、14c………上部電極層、16………駆動用膜部、16a………下部電極層、16b………圧電層、16c………上部電極層、18………引出電極、20………入出力電極、50………基板、52………下部電極層、54………圧電層、56………上部電極層、58………接着層、60………強度維持層、62………保護部材、64………枠部、66………折取部、68………貫通孔、70………スキャロップ。

Claims (7)

  1. 基板の一方の主面に、圧電層と、前記圧電層に電気的に接続されている電極層とを設ける成膜工程と、
    前記成膜工程の後、前記一方の主面に保護部材を設ける基板保護工程と、
    前記基板保護工程の後、前記基板の他方の主面側から前記基板の一部を除去して、前記基板の厚みを調整する板厚調整工程と、
    前記板厚調整工程の後、前記基板に対し、素子片の所望の外形形状に沿ってパターニングする外形形成工程と、
    を備えることを特徴とする振動片の製造方法。
  2. 前記外形形成工程では、前記素子片の一部を前記基板の残余部分から成る枠部と接続する折取部を形成し、
    前記外形形成工程の後に前記折取部から前記素子片を切除する個片化工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の振動片の製造方法。
  3. 前記板厚調整工程の後と、前記外形形成工程との間に、
    前記保護部材を除去する保護部材除去工程を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の振動片の製造方法。
  4. 前記外形形成工程には、ドライエッチングの技法を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の振動片の製造方法。
  5. 前記板厚調整工程では、研削にて前記基板の一部を除去することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の振動片の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の振動片の製造方法を用いて製造したことを特徴とする振動片。
  7. 請求項6に記載の振動片を搭載したことを特徴とする電子機器。
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