JP2013191793A - スクリーン版、太陽電池の製造方法、および太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】スクリーン版の電極開口部の形状通りに印刷できるだけでなく、スクリーン紗にかかる負担を低減しスクリーン版の寿命を長くしたスクリーン版及びスクリーン版を用いた太陽電池の電極の製造方法を提供する。
【解決手段】スクリーン版は、マスク部材に太陽電池の電極に対応した形状の電極開口部10を有し、電極開口部10は、複数のメイン電極開口部18aと複数のサブグリッド電極開口部19からなる。サブグリッド電極開口部19は、メイン電極開口部18aと接続されている。サブグリッド電極開口部19とメイン電極開口部18aの接続点P1a、P1bにおいては、サブグリッド電極開口部19とメイン電極開口部18aが、直角より大きい角度を成している。また、複数のメイン電極開口部18aは、サブグリッド電極開口部19が延在する方向と垂直な方向において連続していない。
【選択図】図2
【解決手段】スクリーン版は、マスク部材に太陽電池の電極に対応した形状の電極開口部10を有し、電極開口部10は、複数のメイン電極開口部18aと複数のサブグリッド電極開口部19からなる。サブグリッド電極開口部19は、メイン電極開口部18aと接続されている。サブグリッド電極開口部19とメイン電極開口部18aの接続点P1a、P1bにおいては、サブグリッド電極開口部19とメイン電極開口部18aが、直角より大きい角度を成している。また、複数のメイン電極開口部18aは、サブグリッド電極開口部19が延在する方向と垂直な方向において連続していない。
【選択図】図2
Description
本発明は、スクリーン版、太陽電池の製造方法、および太陽電池、特に、太陽電池の入射光側の面である受光面の電極の製造方法、および受光面の電極に関する。
太陽光エネルギを直接電気エネルギに変換する太陽電池は、近年、特に地球環境問題の観点から、次世代のエネルギ源としての期待が急激に高まっている。太陽電池としては、化合物半導体または有機材料を用いたものなど様々な種類があるが、現在、主流となっているのは、シリコン結晶を用いたものである。
現在、最も多く製造および販売されている太陽電池は、受光面と、受光面の反対側である裏面とに電極が形成された構造のものである。
図17〜図19は、従来の太陽電池200を表す図である。図17は断面図であり、図18は受光面側、図19は受光面の反対側である裏面側から見た図である。図17は、図18、図19で示したF−F’の断面である。
p型シリコン基板201の受光面側にn型拡散層202が形成され、さらにその上には窒化シリコン膜等の反射防止膜203および受光面電極204がそれぞれ形成されている。太陽電池の変換効率を高めるために、p型シリコン基板201の受光面側にテクスチャ構造と呼ばれる凹凸形状を形成する場合もある。
また、p型シリコン基板201の裏面側には、p+層であるBSF(Back Surface Field)層205が形成され、さらにその上にはアルミニウム電極206および裏面銀電極207がそれぞれ形成されている。
受光面電極204は、図18に示すように集電用メイン電極208と集電用グリッド電極209とからなり、図17に現れている受光面電極204は、集電用メイン電極208である。ここで、集電用グリッド電極209は、太陽電池で発生したキャリアを収集する電極であり、図18に示すように、太陽電池の受光面側の全体に張り巡らされている。集電用グリッド電極209は、できるだけ太陽電池への入射光を遮らないように、細く形成される。一方、集電用メイン電極208は、集電用グリッド電極209で収集したキャリアをさらに集め、それを外部に取り出すためのインターコネクタ(図示せず)を接続するための電極である。集電用メイン電極208には集電用グリッド電極209より多くの電流が流れるため、より太く形成される。例えば、集電用グリッド電極209は100μm程度、集電用メイン電極208は3mm程度の幅である。
受光面電極を形成する方法としては、導電性ペーストである銀ペーストを用いたスクリーン印刷法が知られている。スクリーン印刷法およびスクリーン印刷法に用いるスクリーン版について次に説明する。
図20は、スクリーン印刷法を図解する模式的な図である。スクリーン印刷法は、所定の形状の開口部が形成されたスクリーン版250を用い、印圧を加えながらスキージ251を移動方向Sへ移動させ、塗布したいペースト状の材料252、例えば、銀ペーストを、フラットなステージ261上に保持させた基板260に塗布する方法である。
図21は、銀ペーストをスクリーン印刷法にて印刷するためのスクリーン版を示したものである。図21(a)は、スクリーン版250を上から見た図であり、図21(b)は、図21(a)で示したG−G’の断面である。258は集電用メイン電極の形状に対応する集電用メイン電極開口部、259は集電用グリッド電極の形状に対応する集電用グリッド電極開口部、270はスクリーン紗、271はマスク部材である乳剤部である。
基板260は、図21(b)に示す乳剤部271の下に置かれ、スクリーン紗270の上に銀ペーストが載せられ、スキージにより銀ペーストはスクリーン紗270を通過して印刷される。乳剤部271は一定の厚みを有し、集電用メイン電極開口部258および集電用グリッド電極開口部259の部分のスクリーン紗には、乳剤部271が形成されておらず、銀ペーストが通過できる。スクリーン印刷法により銀ペーストを印刷した後は、焼成することで、電極が形成される。
太陽電池の受光面電極の形成においては、工程削減のために、集電用グリッド電極209と集電用メイン電極208とを1つのスクリーン版を用いて同時に印刷することが行われている。また、集電用グリッド電極の幅は細いので、銀ペーストがスクリーン版を通過しやすいよう、集電用グリッド電極開口部が延在する方向に沿うようにスキージを移動させて銀ペーストを塗布する。図21のSはスキージの移動方向を示している。なお、スキージは、スクリーン版250を上から見たとき、スキージの移動方向Sに垂直になるように当てる。
ところで、従来のスクリーン版250を用いて受光面電極を印刷する際、集電用グリッド電極209がスキージの移動方向Sに向って集電用メイン電極208に接する個所において、集電用グリッド電極209の線幅が設計値よりも細くなる傾向がある。また、集電用グリッド電極209がスキージの移動方向Sに向って集電用メイン電極208から延出する個所において、集電用グリッド電極209の線幅が設計値よりも太くなる傾向がある。
上述のように集電用グリッド電極の線幅が設計値よりも細く印刷されると、断線の危険性が高まり、歩留まりや高効率化の障害となる。また、線幅が設計値よりも太く印刷されると、シャドーロスの原因となるばかりでなく、高価な銀ペーストの使用量が増大することになり、コストアップの原因ともなる。
この問題に対し特許文献1には、スキージの移動方向に向って集電用メイン電極開口部258に接する集電用グリッド電極開口部259の線幅が、スキージの移動方向へ向って集電用メイン電極開口部258から延出する集電用グリッド電極開口部259の線幅よりも広い開口部を有するスクリーン版が提案されている。
図22に、特許文献1に記載のスクリーン版における、集電用メイン電極208の形状に対応する開口部である第1パターン358と、集電用グリッド電極209の形状に対応する開口部である第2パターン359との交差部分を拡大して示す。第2パターン359は、スキージの移動方向Sに延び第1パターン358と接する導入部359aと、第1パターン358からスキージの移動方向Sに延出する導出部359bとを有し、導入部359aの幅W301は、導出部359bの幅W302よりも広く形成されている。このような開口部を有するスクリーン版を用いて印刷すると、印刷後の電極の形状は、スキージの移動方向に向って集電用メイン電極に接する部分の集電用グリッド電極の線幅と、スキージの移動方向へ向って集電用メイン電極から延出する部分の集電用グリッド電極の線幅がほぼ等しく印刷される。
太陽電池の光電変換効率を高くするためには、集電用グリッド電極209の線幅をさらに細くすることが望ましい。
しかし、特許文献1に記載のスクリーン版は要するに、集電用グリッド電極の印刷時に設計通り印刷されないことを見越して、集電用グリッド電極開口部である第2パターンをあらかじめ太くしたり細くしたりしておくことで、印刷後の集電用グリッド電極の幅が概ね正しく印刷されるものであって、集電用グリッド電極がスクリーン版の開口部の形状通りに印刷されない問題を根本的に解決するものではない。電極をさらに細く印刷するためには、より正確な印刷が必要となるが、特許文献1に記載のスクリーン版では十分に正確に集電用グリッド電極の幅をコントロールできない。この問題は、スキージの移動速度を速くすると、より顕著となる。このため、スキージの移動速度をより速くすることができず、印刷工程に要する時間の短縮の妨げになる。
また、スクリーン版250における集電用メイン電極開口部258の部分には、乳剤部271が存在しないため、印刷時にスキージが落ち込み、スキージの振動が生じる。このため、スキージが集電用メイン電極開口部258を通過した後の集電用グリッド電極開口部259の印刷において、かすれが発生する。
さらには、スキージがスクリーン版の集電用メイン電極開口部の部分に落ち込むことにより、スクリーン紗に負担がかかる。加えて、細い集電用グリッド電極を正確に印刷するためには、スクリーン紗のメッシュを細くしてペーストの抜けを良くすることが有効であるが、ますますスクリーン紗の強度が落ちるという問題がある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、スクリーン印刷による太陽電池の電極の形成において、スクリーン版の電極開口部の形状通りに印刷できるスクリーン版を提供すること、及びスクリーン紗にかかる負担を低減しスクリーン版の寿命を長くしたスクリーン版を提供することにある。
本発明の一態様によれば、本発明にかかるスクリーン版は、太陽電池の電極をスクリーン印刷によって形成するためのスクリーン版であって、スクリーン版は、少なくともマスク部材を有し、マスク部材は、電極に対応した形状の開口部を有し、開口部は、複数のメイン電極開口部と複数のサブグリッド電極開口部からなり、サブグリッド電極開口部は、メイン電極開口部と接続されており、サブグリッド電極開口部とメイン電極開口部の接続点においては、サブグリッド電極開口部とメイン電極開口部が、直角より大きい角度を成しており、複数のメイン電極開口部は、サブグリッド電極開口部が延在する方向と垂直な方向において連続していないことを特徴とする。
本発明の別の一態様によれば、メイン電極開口部は、2つのサブグリッド電極開口部間に配置されており、2つのサブグリッド電極開口部は直線上にあっても良い。
本発明の別の一態様によれば、メイン電極開口部は、2つのサブグリッド電極開口部間に接続して配置されており、2つのサブグリッド電極開口部は同一直線上に無くても良い。
本発明の別の一態様によれば、メイン電極開口部は、隣接するメイン電極開口部を接続するメイン電極開口接続部を有しても良い。
本発明の別の一態様によれば、サブグリッド電極開口部が延在する方向と垂直な方向において、メイン電極開口部の長さは、サブグリッド電極開口部の幅より長くても良い。
本発明の別の一態様によれば、本発明にかかる太陽電池の製造方法は、上記のいずれかのスクリーン版を用い、サブグリッド電極開口部の延在方向と垂直な方向にスキージを保ち、延在方向と平行な方向にスキージを移動させて電極を印刷する工程を有することを特徴とする。
本発明の別の一態様によれば、本発明にかかる太陽電池は、複数のメイン電極と複数のサブグリッド電極を備え、サブグリッド電極は、メイン電極と接続されており、サブグリッド電極とメイン電極の接続点においては、サブグリッド電極とメイン電極が、直角より大きい角度を成しており、複数のメイン電極は、サブグリッド電極が延在する方向と垂直な方向において連続していないことを特徴とする。
本発明の別の一態様によれば、メイン電極は、2つのサブグリッド電極間に配置されており、2つのサブグリッド電極は直線上にあっても良い。
本発明の別の一態様によれば、メイン電極は、2つのサブグリッド電極間に接続して配置されており、2つのサブグリッド電極は同一直線上に無くても良い。
本発明の別の一態様によれば、メイン電極は、隣接するメイン電極を接続するメイン電極接続部を有しても良い。
本発明の別の一態様によれば、サブグリッド電極が延在する方向と垂直な方向において、メイン電極の長さは、サブグリッド電極の幅より長くても良い。
本発明によれば、スクリーン印刷による太陽電池の電極の形成において、スクリーン版の電極開口部の形状通りに印刷できるスクリーン版を提供すること、及びスクリーン紗にかかる負担を低減し寿命を長くしたスクリーン版を提供することが可能である。
図1に、本発明の実施例1にかかるスクリーン版1を示す。図1(a)はスクリーン版の平面図、図1(b)は図1(a)におけるA−A’の断面図である。スクリーン版1は、枠体2と、スクリーン紗3と、スクリーン紗3と一体化された乳剤部4とから主に構成される。10は電極開口部であり、太陽電池の受光面の電極に対応した形状の開口部を有する。電極開口部10の部分には、乳剤部4が存在せず、銀ペーストがスクリーン版1を通過することができる。なお、Sはスクリーン印刷時のスキージの移動方向である。
電極開口部10には、メイン電極の形状に対応するメイン電極開口部18と、サブグリッド電極の形状に対応するサブグリッド電極開口部19がある。なお、図中の18で示された波線は、破線で囲われた部分がメイン電極開口部18に該当することを意味しており、実際にスクリーン版に破線があるわけではない。
図2に、電極開口部10におけるメイン電極開口部18とサブグリッド電極開口部19の一部を拡大して示す。メイン電極開口部18は、離間して複数の部分に分かれており、横に長い六角形の形状を有するメイン電極開口部18aが縦方向に複数並んでいる。メイン電極開口部18aは、左右の頂点のそれぞれで、サブグリッド電極開口部19と接続している。P1a及びP1bは、サブグリッド電極開口部19とメイン電極開口部18aの接続点である。ここで、サブグリッド電極開口部19からメイン電極開口部18aに向かって幅が広くなり始める点を、接続点とする。以下の実施例でも同様である。P1aおよびP1bにおいて、メイン電極開口部18aとサブグリッド電極開口部19のなす角度θ1aとθ1bは、いずれも90°以上である。なお、θ1aとθ1bは、必ずしも同じ角度で無くても良い。以下の実施例でも同様である。
電極開口部10を有するスクリーン版1により太陽電池の表面に離間したメイン電極が形成された後、これらのメイン電極は、それぞれインターコネクタと接続されるため、電気的接続は確保される。なお、Sはスクリーン印刷時のスキージの移動方向である。
電極開口部10を有するスクリーン版1により電極を印刷した場合の効果を説明する。P1aはスキージの移動方向に向ってサブグリッド電極開口部19がメイン電極開口部18aに接する点であり、P1bはスキージの移動方向へ向ってメイン電極開口部18aからサブグリッド電極開口部19が延出する点である。図2のように、P1aにおいては、メイン電極開口部18aとサブグリッド電極開口部19のなす角度θ1aとθ1bは、いずれも90°以上である。従って、開口部の幅はP1aから徐々に広がる。このため、P1aにおいては、銀ペーストがサブグリッド電極開口部19からメイン電極開口部18aに引き込まれる現象が抑えられ、サブグリッド電極の線幅が設計値に近く印刷される。P1bにおいても、θ1aとθ1bは、いずれも90°以上である。従って、開口部の幅はP1bに向けて徐々に狭まる。このため、P1bにおいては、銀ペーストがメイン電極開口部18aからサブグリッド電極開口部19に押し出される現象が抑えられ、サブグリッド電極の線幅が設計値に近く印刷される。なお、上記の開口部の幅とは、サブグリッド電極が延在する方向と垂直な方向における、開口部の長さを指すものとする。以下の実施例でも同様である。
図3に、スクリーン版1を用いて形成した受光面電極を示す。受光面電極5は、メイン電極8とサブグリッド電極9とからなる。受光面電極5は、スクリーン版1の電極開口部10の形状通りに形成される。なお、図中の8で示された波線は、破線で囲われた部分がメイン電極8に該当することを意味しており、実際に破線があるわけではない。
このように、本実施例にかかるスクリーン版1は、サブグリッド電極の線幅がより設計値に近く印刷される効果を有することから、本実施例にかかるスクリーン版1を用いれば、従来より細い線幅のサブグリッド電極を、かすれたり幅が太くなったりすること無く形成することが可能となる。
また、サブグリッド電極がかすれたり幅が太くなったりする問題は、スキージの移動速度が速いほど顕著である。本実施例のスクリーン版1はこの問題を緩和するものであることから、スクリーン版1を用いれば、従来と同じ線幅のサブグリッド電極を印刷するのであれば、スキージの移動速度をより速くし、印刷工程に要する時間を短縮することが可能となる。
また、メイン電極開口部18は離間して複数の部分に分かれていることから、メイン電極開口部18の印刷中に、スキージのいずれかの部分の下には必ず乳剤部が存在する。言い換えれば、メイン電極開口部18の印刷中、スキージの下のメイン電極開口部18には、必ず不連続な部分がある。このため、スキージがメイン電極開口部18に落ち込むことがない。従って、スキージの振動が生じることがなく、サブグリッド電極開口部19に印刷のかすれが発生することも無い。また、スキージがメイン電極開口部18に落ち込まないことから、スクリーン紗への負担が減少し、スクリーン紗の寿命が延びる。
実施例2は、上記の実施例1の電極開口部10の変形例である。
図4に、実施例2にかかるスクリーン版の電極開口部20におけるメイン電極開口部28とサブグリッド電極開口部29の拡大図を示す。実施例1にかかる電極開口部10との違いは、メイン電極開口部28aとサブグリッド電極開口部29の接続点であるP2a、P2bにおいて、形状がより滑らかに変化していることである。また、メイン電極開口部28aの右上、左上、右下、左下の頂点部分も、実施例1にかかるメイン電極開口部18aに比べて、滑らかな形状を有する。なお、Sはスクリーン印刷時のスキージの移動方向である。
P2aおよびP2bにおいて、メイン電極開口部28aとサブグリッド電極開口部29のなす角度θ2aとθ2bは、いずれも90°以上である。ここで、θ2aとθ2bは、メイン電極開口部28aの、P2aやP2b近傍の微小な領域と、サブグリッド電極開口部29がなす角度と考えても良い。あるいは、メイン電極開口部28aにおいて接続点から伸びる2本の辺部分の中央の点Ta、Tbにおけるそれぞれの接線と、サブグリッド電極開口部29がなす角度と考えても良い。以下の、メイン電極開口部が滑らかな形状を有する実施例においても同様である。
本実施例にかかる電極開口部20を有するスクリーン版は、前記の実施例1にかかる電極開口部10を有するスクリーン版1と同様の効果を有する。さらに、図4のように、電極開口部20は、スキージの移動方向Sに沿って見た場合、P2aからの開口部の幅の広がり方、およびP2bに向けた開口部の幅の狭まり方が、実施例1に記載の電極開口部10に比べてさらに滑らかである。このため、P2aにおいては、銀ペーストがサブグリッド電極開口部29からメイン電極開口部28aに引き込まれる現象がさらに抑えられ、形成されたサブグリッド電極の線幅が設計値により近く印刷される。また、P2bにおいては、銀ペーストがメイン電極開口部28aからサブグリッド電極開口部29に押し出される現象がさらに抑えられ、形成されたサブグリッド電極の線幅が設計値により近く印刷される。
実施例3は、上記の実施例1、2の電極開口部とは構造の異なる電極開口部を有するスクリーン版の例である。
図5に、本発明の実施例3にかかるスクリーン版の電極開口部30を示す。スクリーン版自体は実施例1にかかるスクリーン版1と同様であるので、図を省略する。電極開口部30は、太陽電池の受光面の電極に対応した形状の開口部を有する。電極開口部30の部分には、乳剤部が存在せず、銀ペーストがスクリーン版を通過することができる。なお、Sはスクリーン印刷時のスキージの移動方向である。
電極開口部30には、メイン電極の形状に対応するメイン電極開口部38と、サブグリッド電極の形状に対応するサブグリッド電極開口部39がある。なお、図中の38で示された波線は、破線で囲われた部分がメイン電極開口部38に該当することを意味しており、実際にスクリーン版に破線があるわけではない。
図6に、電極開口部30におけるメイン電極開口部38とサブグリッド電極開口部39の一部を拡大して示す。メイン電極開口部38は離間して複数の部分に分かれており、傾いた長方形の形状を有するメイン電極開口部38aが縦方向に複数並んでいる。メイン電極開口部38aは、左端の頂点と右端の頂点で、サブグリッド電極開口部39と接続している。すなわち、メイン電極開口部38aは、サブグリッド電極開口部の間隔1つ分ずれた2つのサブグリッド電極開口部39を、斜め方向に接続している。P3aおよびP3bは、サブグリッド電極開口部39とメイン電極開口部38aの接続点である。P3aおよびP3bにおいて、メイン電極開口部38aとサブグリッド電極開口部39のなす角度θ3aとθ3bは、いずれも90°以上である。
電極開口部30を有するスクリーン版により太陽電池の表面に離間したメイン電極が形成された後、これらのメイン電極は、それぞれインターコネクタと接続されるため、電気的接続は確保される。なお、Sはスクリーン印刷時のスキージの移動方向である。
電極開口部30を有するスクリーン版により電極を印刷した場合の効果を説明する。P3aはスキージの移動方向に向ってサブグリッド電極開口部39がメイン電極開口部38aに接する点であり、P3bはスキージの移動方向へ向ってメイン電極開口部38aからサブグリッド電極開口部39が延出する点である。図6のように、P3aにおいては、メイン電極開口部38aとサブグリッド電極開口部39のなす角度θ3aとθ3bは、いずれも90°以上である。従って、開口部の幅はP3aから徐々に広がる。このため、P3aにおいては、銀ペーストがサブグリッド電極開口部39からメイン電極開口部38aに引き込まれる現象が抑えられ、サブグリッド電極の線幅が設計値に近く印刷される。P3bにおいても、θ3aとθ3bは、いずれも90°以上である。従って、開口部の幅はP3bに向けて徐々に狭まる。このため、P3bにおいては、銀ペーストがメイン電極開口部38aからサブグリッド電極開口部39に押し出される現象が抑えられ、サブグリッド電極の線幅が設計値に近く印刷される。
このように、本実施例にかかるスクリーン版は、サブグリッド電極の線幅がより設計値に近く印刷される効果を有することから、本実施例にかかるスクリーン版を用いれば、従来より細い線幅のサブグリッド電極を、かすれたり幅が太くなったりすること無く形成することが可能となる。
また、サブグリッド電極がかすれたり幅が太くなったりする問題は、スキージの移動速度が速いほど顕著である。本実施例のスクリーン版はこの問題を緩和するものであることから、本実施例のスクリーン版を用いれば、従来と同じ線幅のサブグリッド電極を形成するのであれば、スキージの移動速度をより速くし、印刷工程に要する時間を短縮することが可能となる。
また、メイン電極開口部38は離間して複数の部分に分かれていることから、印刷中にスキージのいずれかの部分の下には必ず乳剤部が存在する。言い換えれば、メイン電極開口部38の印刷中、スキージの下のメイン電極開口部38には、必ず不連続な部分がある。このため、スキージがメイン電極開口部38に落ち込むことがない。従って、スキージの振動が生じることがなく、サブグリッド電極開口部39に印刷のかすれが発生することも無い。また、スキージがメイン電極開口部38に落ち込まないことから、スクリーン紗への負担が減少し、スクリーン紗の寿命が延びる。
また、左下側のサブグリッド電極開口部39、メイン電極開口部38、右上側のサブグリッド電極開口部39からなる、連続している電極開口部に注目する。スキージが左から右へと移動するにつれ、左下側のサブグリッド電極開口部39のみを通過していた銀ペーストが、P3aからは主に紙面の上側に広がりながらメイン電極開口部38を通過し、さらに狭まりながらP3bへと繋がり、再び右上側のサブグリッド電極開口部39のみを通過することになる。このような挙動により、銀ペーストはメイン電極開口部38の部分で紙面の上側方向に移動させられることになる。サブグリッド電極開口部39を印刷しているときは、サブグリッド電極開口部39部分のみしか銀ペーストを消費しないため、銀ペーストに偏りが生じる。それが、メイン電極開口部38を印刷する際に銀ペーストが上側方向に移動させられることにより、銀ペーストの偏りを是正する効果が得られ、より均一な印刷が可能となる。
実施例4は、上記の実施例3の電極開口部30の変形例である。
図7に、実施例4にかかるスクリーン版の電極開口部40におけるメイン電極開口部48とサブグリッド電極開口部49の拡大図を示す。実施例3にかかる電極開口部30との違いは、メイン電極開口部48aとサブグリッド電極開口部49の接続点であるP4a、P4bにおいて、形状がより滑らかに変化していることである。また、メイン電極開口部48aの左下、右上の頂点部分も、実施例3にかかるメイン電極開口部38aに比べて、滑らかな形状を有する。なお、Sはスクリーン印刷時のスキージの移動方向である。
本実施例にかかる電極開口部40を有するスクリーン版は、前記の実施例3にかかる電極開口部30を有するスクリーン版と同様の効果を有する。さらに、図7のように、電極開口部40は、スキージの移動方向Sに沿って見た場合、P4aからの開口部の幅の広がり方、およびP4bに向けた開口部の幅の狭まり方が、実施例3に記載の電極開口部30に比べてさらに滑らかである。このため、P4aにおいては、銀ペーストがサブグリッド電極開口部49からメイン電極開口部48aに引き込まれる現象がさらに抑えられ、形成されたサブグリッド電極の線幅が設計値により近く印刷される。また、P4bにおいては、銀ペーストがメイン電極開口部48aからサブグリッド電極開口部49に押し出される現象がさらに抑えられ、形成されたサブグリッド電極の線幅が設計値により近く印刷される。
実施例5は、上記の実施例1〜4の電極開口部とはさらに構造の異なる電極開口部を有するスクリーン版の例である。
図8に、本発明の実施例5にかかるスクリーン版の電極開口部50を示す。スクリーン版自体は実施例1にかかるスクリーン版1と同様であるので、図を省略する。電極開口部50は、太陽電池の受光面の電極に対応した形状の開口部を有する。電極開口部50の部分には、乳剤部が存在せず、銀ペーストがスクリーン版を通過することができる。なお、Sはスクリーン印刷時のスキージの移動方向である。
電極開口部50には、メイン電極の形状に対応するメイン電極開口部58と、サブグリッド電極の形状に対応するサブグリッド電極開口部59がある。なお、図中の58で示された波線は、破線で囲われた部分がメイン電極開口部58に該当することを意味しており、実際にスクリーン版に破線があるわけではない。
図9に、電極開口部50におけるメイン電極開口部58とサブグリッド電極開口部59の一部を拡大して示す。このように、メイン電極開口部58は離間して複数の部分に分かれており、平行四辺形の形状を有するメイン電極開口部58aと、平行四辺形の2か所の鈍角の角近傍に位置し傾いた正方形の形状を有するメイン電極開口部58bがある。メイン電極開口部58aは、平行四辺形の2か所の鋭角の角で、メイン電極開口部58aの左下のサブグリッド電極開口部59aおよび右上のサブグリッド電極開口部59aと接続している。すなわち、メイン電極開口部58aは、サブグリッド電極開口部の間隔1つ分ずれた2つのサブグリッド電極開口部59を、斜め方向に接続している。P5aおよびP5bは、サブグリッド電極開口部59aとメイン電極開口部58aの接続点である。P5aおよびP5bにおいて、メイン電極開口部58aとサブグリッド電極開口部59aのなす角度θ5aとθ5bは、いずれも90°以上である。
メイン電極開口部58bは、サブグリッド電極開口部59bの端部であり、インターコネクタとの接続面積を広げるために、このような形状としている。
電極開口部50を有するスクリーン版により太陽電池の表面に離間したメイン電極が形成された後、これらのメイン電極は、それぞれインターコネクタと接続されるため、電気的接続は確保される。なお、Sはスクリーン印刷時のスキージの移動方向である。
電極開口部50を有するスクリーン版により電極を印刷した場合の効果を説明する。P5aはスキージの移動方向に向ってサブグリッド電極開口部59aがメイン電極開口部58aに接する点であり、P5bはスキージの移動方向へ向ってメイン電極開口部58aからサブグリッド電極開口部59aが延出する点である。図9のように、P5aにおいては、メイン電極開口部58aとサブグリッド電極開口部59aのなす角度θ5aとθ5bは、いずれも90°以上である。従って、開口部の幅はP5aから徐々に広がる。このため、P5aにおいては、銀ペーストがサブグリッド電極開口部59からメイン電極開口部58aに引き込まれる現象が抑えられ、サブグリッド電極の線幅が設計値に近く印刷される。P5bにおいても、θ5aとθ5bは、いずれも90°以上である。従って、開口部の幅はP5bに向けて徐々に狭まる。このため、P5bにおいては、銀ペーストがメイン電極開口部58aからサブグリッド電極開口部59に押し出される現象が抑えられ、サブグリッド電極の線幅が設計値に近く印刷される。
サブグリッド電極開口部59bがメイン電極開口部58bに接続する点であるP5cおよびP5dにおいても、同様の効果が得られ、形成されたサブグリッド電極の線幅が設計値に近く印刷される。
このように、本実施例にかかるスクリーン版は、サブグリッド電極の線幅がより設計値に近く印刷される効果を有することから、本実施例にかかるスクリーン版を用いれば、従来より細い線幅のサブグリッド電極を、かすれたり幅が太くなったりすること無く形成することが可能となる。
また、サブグリッド電極がかすれたり幅が太くなったりする問題は、スキージの移動速度が速いほど顕著である。本実施例のスクリーン版はこの問題を緩和するものであることから、本実施例のスクリーン版を用いれば、従来と同じ線幅のサブグリッド電極を形成するのであれば、スキージの移動速度をより速くし、印刷工程に要する時間を短縮することが可能となる。
また、メイン電極開口部58は離間して複数の部分に分かれていることから、印刷中にスキージのいずれかの部分の下には必ず乳剤部が存在する。言い換えれば、メイン電極開口部58の印刷中、スキージの下のメイン電極開口部58には、必ず不連続な部分がある。このため、スキージがメイン電極開口部58に落ち込むことがない。従って、スキージの振動が生じることがなく、サブグリッド電極開口部59に印刷のかすれが発生することも無い。また、スキージがメイン電極開口部58に落ち込まないことから、スクリーン紗への負担が減少し、スクリーン紗の寿命が延びる。
また、左下側のサブグリッド電極開口部59a、メイン電極開口部58a、右上側のサブグリッド電極開口部59aからなる、連続している電極開口部に注目する。スキージが左から右へと移動するにつれ、左下側のサブグリッド電極開口部59aのみを通過していた銀ペーストが、P5aからは紙面の上側に広がりながらメイン電極開口部58aを通過し、さらに狭まりながらP5bへと繋がり、再び右上側のサブグリッド電極開口部59aのみを通過することになる。このような挙動により、銀ペーストはメイン電極開口部58の部分で紙面の上側方向に移動させられることになる。サブグリッド電極開口部59を印刷しているときは、サブグリッド電極開口部59部分のみしか銀ペーストを消費しないため、銀ペーストに偏りが生じる。それが、メイン電極開口部58を印刷する際に銀ペーストが上側方向に移動させられることにより、銀ペーストの偏りを是正する効果が得られ、より均一な印刷が可能となる。
なお、図9のBで示した部分では上記の通り、メイン電極開口部58aとメイン電極開口部58bが離間して配置されている。ここで、電極開口部50を有するスクリーン版により電極を印刷する際に、矢印Bで示した部分において、メイン電極開口部58bの右端部分で銀ペーストがはみ出して電極が大きく形成され、メイン電極開口部58bにより形成された電極とメイン電極開口部58aにより形成された電極が、繋がってしまう可能性がある。しかしこのように、メイン電極部分の内部でメイン電極開口部通りに印刷されないとしても、メイン電極は後にインターコネクタと接続され、全て覆われてしまうため、特に問題とはならない。
実施例6は、上記の実施例5の電極開口部50の変形例である。
図10に、実施例6にかかるスクリーン版の電極開口部60におけるメイン電極開口部68とサブグリッド電極開口部69の拡大図を示す。実施例5にかかる電極開口部50との違いは、メイン電極開口部68aとサブグリッド電極開口部69の接続点であるP6a、P6bにおいて、形状がより滑らかに変化していることである。また、メイン電極開口部68aの左上、右下の頂点部分も、実施例5にかかるメイン電極開口部58aに比べて、滑らかな形状を有する。なお、Sはスクリーン印刷時のスキージの移動方向である。
本実施例にかかる電極開口部60を有するスクリーン版は、前記の実施例5にかかる電極開口部50を有するスクリーン版と同様の効果を有する。さらに、図10のように、電極開口部60は、スキージの移動方向Sに沿って見た場合、P6aからの開口部の幅の広がり方、およびP6bに向けた開口部の幅の狭まり方が、実施例5に記載の電極開口部50に比べてさらに滑らかである。このため、P6aにおいては、銀ペーストがサブグリッド電極開口部69からメイン電極開口部68aに引き込まれる現象がさらに抑えられ、形成されたサブグリッド電極の線幅が設計値により近く印刷される。また、P6bにおいては、銀ペーストがメイン電極開口部68aからサブグリッド電極開口部69に押し出される現象がさらに抑えられ、形成されたサブグリッド電極の線幅が設計値により近く印刷される。
実施例7は、上記の実施例1の電極開口部10の別の変形例である。
図11に、実施例7にかかるスクリーン版の電極開口部70におけるメイン電極開口部78とサブグリッド電極開口部79の拡大図を示す。実施例1にかかる電極開口部10との違いは、メイン電極開口部78a同士を斜めに接続するメイン電極開口接続部77を有する点である。
本実施例にかかる電極開口部70を有するスクリーン版は、前記の実施例1にかかる電極開口部10と同様の効果を有するほか、さらに以下の効果を有する。電極開口部70を有するスクリーン版により印刷された電極は、離間したメイン電極同士が、メイン電極開口接続部77により形成されたメイン電極接続部により電気的に接合されている。従って、仮に離間したメイン電極の一部がインターコネクタと接続されなかった場合でも、メイン電極接続部を通してその部分の電流を集めることができるため、メイン電極とインターコネクタとの接続不良による特性の劣化を防止することができる。
一方、図12に、メイン電極開口接続部の形状の不適切な例を示す。図12に示したメイン電極開口接続部77’のように、メイン電極開口接続部の幅が広すぎると、矢印Dで示した部分では、メイン電極開口部78が縦方向に全てつながって乳剤部が存在しなくなり、スキージが落ち込む。従って、メイン電極開口接続部77の幅は、広くしすぎてはいけない。
なお、本実施例は実施例1の変形例であったが、実施例2に関しても、同様の変形例が考えられる。
実施例8は、上記の実施例3の電極開口部30の別の変形例である。
図13に、実施例8にかかるスクリーン版の電極開口部80におけるメイン電極開口部88とサブグリッド電極開口部89の拡大図を示す。実施例3にかかる電極開口部30との違いは、メイン電極開口部88a同士を水平方向に接続するメイン電極開口接続部87を有する点である。
本実施例にかかる電極開口部80を有するスクリーン版は、前記の実施例3にかかる電極開口部30と同様の効果を有するほか、さらに以下の効果を有する。電極開口部80を有するスクリーン版により印刷された電極は、離間したメイン電極同士が、メイン電極開口接続部87により形成されたメイン電極接続部により電気的に接合されている。従って、仮に離間したメイン電極の一部がインターコネクタと接続されなかった場合でも、メイン電極接続部を通してその部分の電流を集めることができるため、メイン電極とインターコネクタとの接続不良による特性の劣化を防止することができる。
一方、図14に、メイン電極開口接続部の形状の不適切な例を示す。図14に示したメイン電極開口接続部87’のように、メイン電極開口接続部の幅が広すぎると、矢印Eで示した部分では、メイン電極開口部88が縦方向に全てつながって乳剤部が存在しなくなり、スキージが落ち込む。従って、メイン電極開口接続部87の幅は、広くしすぎてはいけない。
なお、本実施例は実施例3の変形例であったが、実施例4に関しても、同様の変形例が考えられる。
実施例9は、上記の実施例1の電極開口部10のさらに別の変形例である。
図15に、実施例9にかかるスクリーン版の電極開口部90におけるメイン電極開口部98とサブグリッド電極開口部99の拡大図を示す。実施例1にかかる電極開口部10との違いは、メイン電極開口部98a同士を縦方向に接続するメイン電極開口接続部97を有する点である。図15に示すように、メイン電極開口接続部97は、メイン電極開口部98aの左右に交互に配置されている。
本実施例にかかる電極開口部90を有するスクリーン版は、前記の実施例1にかかる電極開口部10と同様の効果を有するほか、さらに以下の効果を有する。電極開口部90を有するスクリーン版により印刷された電極は、離間したメイン電極同士が、メイン電極開口接続部97により形成されたメイン電極接続部により電気的に接合されている。従って、仮に離間したメイン電極の一部がインターコネクタと接続されなかった場合でも、メイン電極接続部を通してその部分の電流を集めることができるため、メイン電極とインターコネクタとの接続不良による特性の劣化を防止することができる。
また上記の通り、メイン電極開口接続部97は、メイン電極開口部98aの左右に交互に配置されていることから、メイン電極開口部98aが縦方向に全て繋がることはなく、スキージが落ち込むことを防止する効果は失われない。なお、図15では、メイン電極開口接続部97は、メイン電極開口部98aの右・左の2通りの位置を一組として配置したが、右・中央・左のように3通りの位置を一組としてもよく、さらに異なった組み合わせを用いても良い。
なお、本実施例は実施例1の変形例であったが、実施例2に関しても、同様の変形例が考えられる。
実施例10は、上記の実施例3の電極開口部30のさらに別の変形例である。
図16に、実施例10にかかるスクリーン版の電極開口部100におけるメイン電極開口部108とサブグリッド電極開口部109の拡大図を示す。実施例3にかかる電極開口部30との違いは、メイン電極開口部108a同士を縦方向に接続するメイン電極開口接続部107を有する点である。図16に示すように、メイン電極開口接続部107は、メイン電極開口部108aの左右に交互に配置されている。
本実施例にかかる電極開口部100を有するスクリーン版は、前記の実施例3にかかる電極開口部30と同様の効果を有するほか、さらに以下の効果を有する。電極開口部100を有するスクリーン版により印刷された電極は、離間したメイン電極同士が、メイン電極開口接続部107により形成されたメイン電極接続部により電気的に接合されている。従って、仮に離間したメイン電極の一部がインターコネクタと接続されなかった場合でも、メイン電極接続部を通してその部分の電流を集めることができるため、メイン電極とインターコネクタとの接続不良による特性の劣化を防止することができる。
また上記の通り、メイン電極開口接続部107は、メイン電極開口部108aの左右に交互に配置されていることから、メイン電極開口部108aが縦方向に全て繋がることはなく、スキージが落ち込むことを防止する効果は失われない。なお、図16では、メイン電極開口接続部107は、メイン電極開口部108aの右・左の2通りの位置を一組として配置したが、右・中央・左のように3通りの位置を一組としてもよく、さらに異なった組み合わせを用いても良い。
なお、本実施例は実施例3の変形例であったが、実施例4に関しても、同様の変形例が考えられる。
上記の実施例9、10のメイン電極開口部90、100は、縦長の長方形の形状を有するメイン電極開口接続部が、サブグリッド電極開口部に対して垂直に配置されているが、サブグリッド電極開口部に対して斜めになるよう配置しても構わない。
上記の実施例1〜10のスクリーン版を用いて電極を形成した太陽電池はいずれも、メイン電極にインターコネクタを接続してメイン電極部分のパターンが隠れれば、サブグリッド電極は見掛け上一直線になる。
上記の実施例3〜6、8、10では、メイン電極開口部は、サブグリッド電極開口部の間隔1つ分ずれた2つのサブグリッド電極開口部を、斜め方向に接続している。しかしこのずれ量は、サブグリッド電極開口部の間隔1つ分に限られない。例えば、メイン電極開口部がサブグリッド電極開口部の間隔の1/2の量だけずれた2つのサブグリッド電極を斜め方向に接続するようにしても良い。要するに、メイン電極開口部により接続された2つのサブグリッド電極開口部が、同一直線上に無い状態であれば良い。ただし、ずれ量がサブグリッド電極開口部の間隔の整数倍では無い場合は、サブグリッド電極は見掛け上一直線にはならない。
上記の実施例3〜6、8、10のメイン電極開口部は、メイン電極開口部の左下側のサブグリッド電極開口部と右上側のサブグリッド電極開口部を接続していたが、左右あるいは上下が逆であってもかまわない。
上記の実施例1〜10の電極開口部は、破線で囲んだ2か所の領域にメイン電極開口部を有しているが、3か所の領域にメイン電極開口部を有していても良いし、それ以外の数でもよい。
上記の実施例1〜10の電極開口部の形状は、いずれも回転対称であるため、各実施例のスクリーン版を180°回転させて使用することが可能である。このことから、例えば一定回数印刷するごとにスクリーン版を180°回転させて使用することで、スクリーン版の磨耗を均一化し、寿命を延ばすことが可能である。
また、上記の実施例1〜10のメイン電極開口部はいずれも、離間した複数の部分からなる。言い替えれば、破線で囲んだメイン電極開口部において電極を形成しない部分を有することから、銀ペーストの使用量を削減できる。
上記の実施例1〜10のスクリーン版は、マスク部材として乳剤を使用したが、金属材料をマスク部材として用いることも可能である。さらには、スクリーン紗を備えず、金属板のみで形成されたスクリーン版である、いわゆるメタルマスクにも、本発明を利用することができる。
上記の実施例1〜10では、銀ペーストをスクリーン印刷することにより、電極を形成した。しかしその他の印刷手段により電極を形成する場合にも、本発明を利用することが可能である。例えば、凹版印刷により電極を形成する場合にも、本発明を利用することができる。凹版印刷は、版に電極開口部の凹部を形成し、その凹部にペーストを詰めて印刷する。版にペーストを塗布し、余分なペーストをドクターブレードにより掻き落とした後、凹部に残ったペーストをシリコン基板に印刷する。余分なペーストをドクターブレードにより掻き落とす工程において、ドクターブレードが凹部に落ち込む現象が発生する。本発明はこれを防止することが可能である。
1 スクリーン版
2 枠体
3 スクリーン紗
4 乳剤部
5 受光面電極
8 メイン電極
9 サブグリッド電極
10、20、30、40、50、60、70、80、90、100 電極開口部
18、28、38、48、58、68、78、88、98、108 メイン電極開口部
19、29、39、49、59、69、79、89、99、109 サブグリッド電極開口部
77、87、97、107 メイン電極開口接続部
2 枠体
3 スクリーン紗
4 乳剤部
5 受光面電極
8 メイン電極
9 サブグリッド電極
10、20、30、40、50、60、70、80、90、100 電極開口部
18、28、38、48、58、68、78、88、98、108 メイン電極開口部
19、29、39、49、59、69、79、89、99、109 サブグリッド電極開口部
77、87、97、107 メイン電極開口接続部
Claims (11)
- 太陽電池の電極をスクリーン印刷によって形成するためのスクリーン版であって、
前記スクリーン版は、少なくともマスク部材を有し、
該マスク部材は、前記電極に対応した形状の開口部を有し、
該開口部は、複数のメイン電極開口部と複数のサブグリッド電極開口部からなり、
前記サブグリッド電極開口部は、前記メイン電極開口部と接続されており、
前記サブグリッド電極開口部と前記メイン電極開口部の接続点においては、前記サブグリッド電極開口部と前記メイン電極開口部が、直角より大きい角度を成しており、
前記複数のメイン電極開口部は、前記サブグリッド電極開口部が延在する方向と垂直な方向において連続していない
スクリーン版。 - 前記メイン電極開口部は、2つの前記サブグリッド電極開口部間に配置されており、
前記2つのサブグリッド電極開口部は直線上にある
前記請求項1に記載のスクリーン版。 - 前記メイン電極開口部は、2つの前記サブグリッド電極開口部間に接続して配置されており、
前記2つのサブグリッド電極開口部は同一直線上に無い
前記請求項1に記載のスクリーン版。 - 前記メイン電極開口部は、隣接する前記メイン電極開口部を接続するメイン電極開口接続部を有する前記請求項1に記載のスクリーン版。
- 前記サブグリッド電極開口部が延在する方向と垂直な方向において、前記メイン電極開口部の長さは、前記サブグリッド電極開口部の幅より長い前記請求項1に記載のスクリーン版。
- 前記請求項1〜5のいずれかに記載のスクリーン版を用い、前記サブグリッド電極開口部の延在方向と垂直な方向にスキージを保ち、該延在方向と平行な方向にスキージを移動させて前記電極を印刷する工程を有する太陽電池の製造方法。
- 複数のメイン電極と複数のサブグリッド電極を備えた太陽電池であって、
前記サブグリッド電極は、前記メイン電極と接続されており、
前記サブグリッド電極と前記メイン電極の接続点においては、前記サブグリッド電極と前記メイン電極が、直角より大きい角度を成しており、
前記複数のメイン電極は、前記サブグリッド電極が延在する方向と垂直な方向において連続していない
太陽電池。 - 前記メイン電極は、2つの前記サブグリッド電極間に配置されており、
前記2つのサブグリッド電極は直線上にある
前記請求項7に記載の太陽電池。 - 前記メイン電極は、2つの前記サブグリッド電極間に接続して配置されており、
前記2つのサブグリッド電極は同一直線上に無い
前記請求項7に記載の太陽電池。 - 前記メイン電極は、隣接する前記メイン電極を接続するメイン電極接続部を有する前記請求項7に記載の太陽電池。
- 前記サブグリッド電極が延在する方向と垂直な方向において、前記メイン電極の長さは、前記サブグリッド電極の幅より長い前記請求項7に記載の太陽電池。
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