JP2014086708A - 裏面電極型太陽電池の製造方法、および裏面電極型太陽電池 - Google Patents

裏面電極型太陽電池の製造方法、および裏面電極型太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】変換効率が最大となるようにpn接合の境界の形状を最適化した裏面電極型太陽電池を提供する。
【解決手段】第1導電型半導体基板の一方の面に、第1導電型不純物拡散領域6、第2導電型不純物拡散領域7、第1導電型不純物拡散領域6と接続される第1の電極および第2導電型不純物拡散領域7と接続される第2の電極を有し、第1導電型不純物拡散領域6と第2導電型不純物拡散領域7は、交互に形成されており、第2導電型不純物拡散領域7は、略矩形形状又は略円形形状であり、第1導電型半導体基板の裏面において、第2導電型不純物拡散領域7の外形は、微細な曲線形状を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、裏面電極型太陽電池、および裏面電極型太陽電池の製造方法、特に、裏面電極型太陽電池の裏面側の構造に関する。
太陽光エネルギを直接電気エネルギに変換する太陽電池は、近年、特に地球環境問題の観点から、次世代のエネルギ源としての期待が急激に高まっている。太陽電池としては、化合物半導体または有機材料を用いたものなど様々な種類があるが、現在、主流となっているのは、シリコン結晶を用いたものである。
現在、最も多く製造および販売されている太陽電池は、太陽光が入射する側の面である受光面と、受光面の反対側である裏面とに電極が形成された構造のものである。しかし、この構造を有する太陽電池では、受光面の電極における光の反射、吸収があることから、形成された電極の面積分だけ入射する太陽光が減少する。このため、裏面にのみ電極を形成した裏面電極型太陽電池が開発されている。
図11は、特許文献1に記載の裏面電極型太陽電池の断面構造を模式的に示した図である。裏面電極型太陽電池101において、n型シリコン基板102の受光面側には凹凸形状103(テクスチャ構造)が形成されている。凹凸形状103の受光面側には受光面パッシベーション膜104が形成されている。さらに、受光面パッシベーション膜104の受光面側には反射防止膜105が形成されている。受光面パッシベーション膜104は窒化シリコン膜であり、反射防止膜105も窒化シリコン膜である。
また、n型シリコン基板102の裏面には、裏面パッシベーション膜106が形成されている。n型シリコン基板102の裏面側にはn層(n型拡散層)107とp層(p型拡散層)108とが交互に隣接して形成されている。さらに、n層107にはn型用電極109が形成され、p層108にはp型用電極110が形成されている。
図12は、裏面電極型太陽電池101からn型用電極109、p型用電極110および裏面パッシベーション膜106を除去した場合に、n層107とp層108とを裏面側から見た図である。n層107とp層108は、直線状に交互に形成されている。すなわち、pn接合の境界は、直線状である。
特開2011−233657号公報
ところで、太陽電池は変換効率が高いほど望ましい。同一面積でより多くの電力を得ることができるためである。従って従来から、変換効率を向上させるために太陽電池の構造や材質などについて種々の検討が行われてきた。特に、太陽電池はpn接合における光起電力効果を用いて発電するものであるから、pn接合の境界の形状は変換効率に影響を与える要因の一つと考えられる。しかしながら、裏面電極型太陽電池のpn接合の境界の形状に関しては明確な知見は無く、本発明の発明者が検討したところ、直線状では無い場合に特性が変化することを発見した。本発明の発明者はその知見を基に鋭意検討し、変換効率が最大となるpn接合の境界の形状を突き止めた。
本発明は上記の検討により成されたものであり、変換効率が最大となるようにpn接合の境界の形状を最適化した裏面電極型太陽電池を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様によれば、本発明にかかる裏面電極型太陽電池は、第1導電型半導体基板の一方の面に、第1導電型不純物拡散領域、第2導電型不純物拡散領域、第1導電型不純物拡散領域と接続される第1の電極および第2導電型不純物拡散領域と接続される第2の電極を有し、第1導電型不純物拡散領域と第2導電型不純物拡散領域は、交互に形成されており、第2導電型不純物拡散領域は、略矩形形状又は略円形形状であり、第1導電型半導体基板の裏面において、第2導電型不純物拡散領域の外形は、微細な曲線形状を有することを特徴とする。
本発明の別の一態様によれば、本発明にかかる裏面電極型太陽電池は、第1導電型不純物拡散領域と第2導電型不純物拡散領域は、接して形成されていることを特徴とする。
本発明の別の一態様によれば、本発明にかかる裏面電極型太陽電池は、第1導電型不純物拡散領域と第2導電型不純物拡散領域は、離間して形成されていることを特徴とする。
本発明の別の一態様によれば、本発明にかかる裏面電極型太陽電池は、第2導電型不純物拡散領域の境界の曲線度は、1.01〜1.12の範囲内であっても良い。
本発明の別の一態様によれば、本発明にかかる裏面電極型太陽電池は、第1導電型半導体基板の裏面は、深さ1〜5μmで直径が20〜150μmのディンプルを有しても良い。
本発明によれば、変換効率が最大となるようにpn接合の境界の形状を最適化した裏面電極型太陽電池を提供することができる。
実施形態1にかかる裏面電極型太陽電池の断面構造を模式的に示した図である。 実施形態1にかかる裏面電極型太陽電池の裏面の構造を模式的に示した図である。 実施形態1にかかる裏面電極型太陽電池の製造工程を示した図である。 実施形態2にかかる裏面電極型太陽電池の裏面の構造を模式的に示した図である。 実施形態2にかかる裏面電極型太陽電池の製造工程の一部を示した図である。 実施形態2にかかるn型シリコン基板の表面のディンプルを模式的に示した図である。 実施形態2にかかるn型シリコン基板の表面を撮影した写真である。 実施形態3にかかる裏面電極型太陽電池の裏面の構造を模式的に示した図である。 フォトリソグラフィを用いた製造工程における露光用マスクの形状を模式的に示した図である。 実施例1〜3、比較例1、2および従来例の、pn接合の曲線度と最大出力の関係を示した図である。 従来の裏面電極型太陽電池の断面構造を模式的に示した図である。 従来の裏面電極型太陽電池の裏面の構造を模式的に示した図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1にかかる裏面電極型太陽電池1の断面構造を模式的に示した図である。n型シリコン基板2の受光面側には凹凸形状3が形成されている。これは一般的にテクスチャ構造と呼ばれる。凹凸形状3の凹凸はμmオーダーである。凹凸形状3の受光面側には、受光面パッシベーション膜と反射防止膜を兼ねた窒化シリコン膜4が形成されている。
n型シリコン基板2の裏面には、裏面パッシベーション膜5が形成されている。n型シリコン基板2の裏面側にはn層6とp層7が交互に接して形成されている。n層6はn型拡散層と、p層7はp型拡散層とも呼ばれる。n層6とp層7の間にpn接合が形成される。さらに、n層6にはn型用電極8が形成され、p層7にはp型用電極9が形成されている。n型用電極8およびp型用電極9は、インクジェット法やスクリーン印刷法で銀ペーストを印刷し焼成することにより形成する。これらの印刷方法では、あまり細い電極は形成することができず、少なくとも80〜100μmの幅となる。
図2は、本実施形態にかかる裏面電極型太陽電池1の裏面の構造を模式的に示した図である。裏面電極型太陽電池1からn型用電極8、p型用電極9および裏面パッシベーション膜5を除去し、n層6およびp層7を露出させた状態を表している。
図2(a)は、裏面電極型太陽電池1の裏面全体を示した図である。n層6とp層7は、略直線状に交互に接して形成されている。n層6とp層7は共に略矩形形状であり、n層6は、裏面電極型太陽電池1の裏面の外周縁において互いに接続されている。点Aと点A’を結ぶ直線は、n層6とp層7の間に形成されたpn接合の境界を指している。p層7の合計面積は裏面の全面積の8割以上であることが望ましい。シリコン基板の導電型であるn型と異なる導電型であるp層7の合計面積のほうがn層6の合計面積よりも大きいと、より高い短絡電流を得られるためである。従って、より面積の大きなp層7の方がn層6より幅が広くなる。一方、n層6の上にn型用電極8を印刷する際の位置合わせのマージンを考慮すると、n層6の幅は200μm以上であることが望ましい。
なお、n層6は長さ方向に対し垂直方向に分離されていてもよい。その際、n層6間はp層7が形成されていてもよい。また、p層7が長さ方向に対し垂直方向に分離されている場合は、p層7間にn層6が形成されていてもよい。
図2(b)は、裏面電極型太陽電池1の裏面の一部を拡大して示した図である。図に示すように、n層6とp層7の間のpn接合の境界の形状は、巨視的には直線状だが、微視的には微細な曲線形状を有する。言い換えれば、n層6の外形は、巨視的には略矩形形状だが、微視的には微細な曲線形状を有する。図2(b)では、円弧が連続した曲線形状の例を示している。このように、pn接合の境界が微細な曲線形状を有することが、本発明の特徴とするところである。ここで、pn接合の境界の微細な曲線形状の山と谷の幅の最大値を、Weとする。
さらに、pn接合の境界を直線として測った長さに対して、境界の微細な曲線形状に沿って測った長さの比(これを以下「曲線度」と呼ぶ)が、1.01〜1.12であるときに、裏面電極型太陽電池の変換効率が高くなる。より具体的に説明すると次の通りである。例えば図2(a)においてpn接合の境界がA−A’に沿った直線とみなした場合の長さと、境界の実際の微細な曲線形状に沿って測った長さの比が、1.01〜1.12であるときに、裏面電極型太陽電池の変換効率が高くなる。さらには、pn接合の曲線度が1.03〜1.08であるときに裏面電極型太陽電池の変換効率がより高くなる。その根拠に関しては後述する。
また、pn接合の境界の微細な曲線形状の山と谷の幅の最大値Weは、100μm以下であることが望ましい。さもなくば、A−A’を結ぶ直線よりもn層6側に入り込んだp層7と、n層6上のn型用電極8が接触するおそれが高くなる。また、Weは1μm以上であることが望ましい。不純物拡散層の深さは一般に数百nm以上あり、1μm以下の微小な凹凸は、基板内部では凹凸形状を保っていない可能性が高いためである。本発明の曲線度を算出する際には、1μm以下の形状は無視して長さを測定している。
なお、pn接合の境界の微細な曲線形状は、必ずしも境界の上端から下端までの全ての部分に無くてもよい。一部でも微細な曲線形状を有していれば、その部分での変換効率は向上する。
図3は、本実施形態にかかる裏面電極型太陽電池1の製造工程を示した図である。以下、順に説明する。
まず、図3(a)に示すように、単結晶または多結晶のn型のシリコンインゴットを、たとえばワイヤソーなどでスライスすることによって、n型シリコン基板2を得る。ここで、n型シリコン基板2の表面全面には、上記のシリコンインゴットのスライス時に生じたダメージ層2aが形成される。
次に、図3(b)に示すように、n型シリコン基板2の表面全面を、厚さ10〜20μm程度エッチングすることによって、ダメージ層2aを除去する。エッチングには、フッ酸と硝酸の混酸もしくは水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液を使用する。
次に、図3(c)に示すように、n型シリコン基板2の受光面となる面の反対側の面である裏面に、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜等のテクスチャマスク21をCVD法、またはスパッタ法等で形成する。
次に、図3(d)に示すように、n型シリコン基板2の受光面となる面に凹凸形状3からなるテクスチャ構造をエッチングにより形成する。エッチングは、例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液にイソプロピルアルコールを添加し、70℃以上80℃以下に加熱した溶液により行われる。
次に、図3(e)を用いて次工程を説明する。図3(e)は、n型シリコン基板2の裏面側が上となっている。図3(e)に示すように、n型シリコン基板2の裏面に形成したテクスチャマスク21を除去後、n型シリコン基板2の裏面の全体に、例えば、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜等の拡散マスクをCVD法、またはスパッタ法等で形成する。もしくは、テクスチャマスクを除去せずに拡散マスクとして利用してもよい。さらにその上に、酸性薬品に耐性のあるレジスト23を塗布し、加熱処理を行なう。
次に、図3(f)に示すように、レジスト23上に所定の形状の露光用マスク24を重ね、露光25することで、レジスト23を硬化させる。ここで、露光用マスク24は、マスクパターンの縁を微細な曲線形状にしたものを用いる。
次に、図3(g)に示すように、露光されず硬化していないレジストを除去し、硬化レジスト23’のみを残す。そして、拡散マスク22をエッチング可能な酸性薬品26で処理することにより、硬化レジスト23’が表面に形成されていない部分の拡散マスク22のみをエッチングして開口部を形成し、n型シリコン基板2の表面を露出させる。この時、拡散マスク22の開口部の端部は、露光用マスク24の端部と同じく、微細な曲線形状になる。その後、図示はしないが、硬化レジスト23’を有機溶剤により除去する。
次に、図3(h)のように、n層6を形成しようとする箇所を覆うように、リンを含むリンインク27を、インクジェット、またはスクリーン印刷等で塗布する。このリンインク27は、リン以外に例えば溶剤、増粘剤および酸化シリコン前駆体を含む。
次に、図3(i)に示すように、熱処理を行い、リンインク27からリンが拡散してn層6が形成される。この時、上記のように拡散マスク22の開口部の端部が微細な曲線形状であることから、n層6の端部も微細な曲線形状になる。その後、n型シリコン基板2に形成した拡散マスク22ならびに拡散マスク22にリンが拡散して形成されたガラス層、および熱処理後のリンインク27を、フッ化水素酸処理により除去する。
次に、図3(j)に示すように、800〜1000℃にて熱酸化を行い、酸化シリコン膜28を形成する。ここで、熱酸化前のn層6のリンの表面濃度は、5×1019/cm以上であり、表面濃度の高いn層6は酸化膜成長レートが高いため、n層6以外の領域にくらべ酸化シリコン膜28が厚く成膜される。さらに、上記のようにn層6の端部が微細な曲線形状であることから、n層6上で酸化シリコン膜28が厚く成膜された部分の端部も微細な曲線形状となる。
次に、図3(k)に示すように、n型シリコン基板2のn層6上以外の酸化シリコン膜28をエッチングにより除去する。上記に示したように、酸化シリコン膜28は、n層6上に厚く形成されているため、n層6以外の領域でn型シリコン基板2が露出し、なおかつ、n層6上にp層形成時の拡散マスクとして機能する厚さが残るように、酸化シリコン膜28をエッチングする。ここで、上記のように酸化シリコン膜28が厚くなった部分の端部が微細な曲線形状であることから、残された酸化シリコン膜28の端部も微細な曲線形状となる。
次に、n型シリコン基板2の受光面に、酸化シリコン膜等の拡散マスク29を形成する。また、n型シリコン基板2の裏面において、p層7を形成しようとする箇所を覆うように、ボロンを含むボロンインク30をインクジェット、またはスクリーン印刷等で塗布する。このボロンインク30は、ボロン以外に例えば溶剤、増粘剤および酸化シリコン前駆体を含む。その後、ボロンインク30を焼結する。
次に、図3(l)を用いて次工程を説明する。図3(l)は、n型シリコン基板2の受光面側が上となっている。n型シリコン基板2の裏面には、熱処理により、ボロンインク30からボロンが拡散してp層7が形成される。この時、上記のように図3(k)の工程で残された酸化シリコン膜28の端部が微細な曲線形状であったことから、これを拡散マスクとして形成されたp層7の端部も微細な曲線形状になる。また、n層6の端部の微細な曲線形状とp層7の端部の微細な曲線形状は丁度反転した形状であり、互いにかみ合う。従って、n層6とp層7の間に形成されるpn接合の境界の形状も、微細な曲線形状となる。p層7のボロンの表面濃度は、1×1019/cm以上が望ましい。あまり不純物の表面濃度が低いと、p型用電極9との接触抵抗が大きくなるためである。
次に、図3(m)に示すように、n型シリコン基板2に形成した酸化シリコン膜28、拡散マスク29、酸化シリコン膜28にボロンが拡散して形成されたガラス層、および熱処理後のボロンインク30を、フッ化水素酸処理により除去する。さらに、n型シリコン基板2の裏面に酸化シリコン膜による裏面パッシベーション膜5を形成するため、熱酸化を行う。この時、受光面にも酸化シリコン膜が形成される。その後、n型シリコン基板2の受光面の酸化シリコン膜を除去する。
次に、図3(n)に示すように、n型シリコン基板2の受光面に、受光面パッシベーション膜と反射防止膜を兼ねた窒化シリコン膜4を、CVD法により形成する。
その後、n型シリコン基板2の裏面側に形成されたn層6、p層7に電極を形成するため、n型シリコン基板2の裏面に形成された裏面パッシベーション膜5にパターニングを行う。パターニングは、エッチングペーストをスクリーン印刷法などで塗布し加熱処理により行われる。ここで、エッチングペーストとしては、例えば、エッチング成分としてリン酸、フッ化水素、フッ化アンモニウムおよびフッ化水素アンモニウムからなる群から選択された少なくとも1種を含み、水、有機溶媒および増粘剤を含むものである。
次に、図3(o)に示すように、n型シリコン基板2の裏面の所定の位置に銀ペーストをスクリーン印刷法により塗布し、乾燥する。その後、焼成により、n層6にはn型用電極8が形成され、p層7にはp型用電極9が形成され、裏面電極型太陽電池1を作製した。
以上の工程によれば、露光用マスク24の形状通りにn層6が形成される。従って、端部が微細な曲線形状の露光用マスク24を用いれば、n層6も端部が微細な曲線形状となる。さらには、上記の図3(l)を用いて説明したように、n層6の端部の微細な曲線形状とp層7の端部の微細な曲線形状は丁度反転した形状であり、互いにかみ合う。従って、n層6とp層7の間に形成されるpn接合の境界の形状も、微細な曲線形状となる。
従って、以上のような方法により、図2(b)に示した、曲線を有するpn接合の境界を形成することができる。
以上説明した通り、本実施形態のようにフォトリソグラフィを用いた製造方法によれば、露光用マスク24の形状通りにpn接合の境界の形状を形成することができることから、所望の曲線度のpn接合の境界を容易に形成することが可能である。このため、種々の曲線度の裏面電極型太陽電池1を作製し、その特性を調べたところ、曲線度が1.01〜1.12であるときに、裏面電極型太陽電池の変換効率が高くなることが明らかになった。これについては後で詳述する。
<実施形態2>
本発明の実施形態2にかかる裏面電極型太陽電池41は、実施形態1と同じく裏面電極型太陽電池であるが、製造方法が異なる。実施形態2は、エッチングペーストを印刷工程で用いて、本発明にかかる裏面電極型太陽電池を作製する一例を示すものである。また、製造方法の違いにより、裏面の構造にも違いがある。
本実施形態にかかる裏面電極型太陽電池41の断面構造は、図1に示した実施形態1にかかる裏面電極型太陽電池1と同様であるので、説明を省略する。
図4は、本実施形態にかかる裏面電極型太陽電池41の裏面の構造を模式的に示した図である。図2と同様、n層46およびp層47を露出させた状態を表している。図4(a)は、裏面電極型太陽電池41の裏面全体を示した図であり、図4(b)は、裏面電極型太陽電池41の裏面の一部を拡大して示した図である。図2との違いは、図4(b)において、n層46とp層47の間のpn接合の境界の微細な曲線形状が、非周期でいびつな形状である点である。このような微細な曲線形状であっても、実施形態1にかかる裏面電極型太陽電池1と同様に、裏面電極型太陽電池の変換効率が高くなる効果を有する。
図5は、本実施形態にかかる裏面電極型太陽電池41の製造工程の一部を示した図である。以下、順に説明する。
図5(a)に示す工程は、図3(a)に示した工程と同様の工程である。まず、単結晶または多結晶のn型のシリコンインゴットを、たとえばワイヤソーなどでスライスすることによって、n型シリコン基板42を得る。ここで、n型シリコン基板42の表面全面には、上記のシリコンインゴットのスライス時に生じたダメージ層42aが形成される。
次に、図5(b)に示すように、n型シリコン基板42の表面全面を、厚さ10〜20μm程度エッチングすることによって、ダメージ層42aを除去する。エッチングには、水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液を使用する。この時、n型シリコン基板42の表面にディンプルを形成する。この点が、図3(b)に示した工程と異なる。ディンプルの形状は、深さ1〜5μm、直径20〜150μmが望ましい。このような形状のディンプルを形成するには、例えば、20%の水酸化ナトリウム溶液を90度に加熱した溶液を用い、5分間エッチングする。
次の図5(c)及び図5(d)に示した工程は、図3(c)及び図3(d)に示した工程と同様である。図5(c)に示すように、n型シリコン基板42の受光面となる面の反対側の面である裏面に、窒化シリコン膜等のテクスチャマスク51をCVD法、またはスパッタ法等で形成する。
次に、図5(d)に示すように、n型シリコン基板42の受光面となる面に凹凸形状43からなるテクスチャ構造をエッチングにより形成する。エッチングは、例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液にイソプロピルアルコールを添加し、70℃以上80℃以下に加熱した溶液により行われる。
次に、図5(e)を用いて次工程を説明する。図5(e)は、n型シリコン基板42の裏面側が上となっている。図5(e)に示すように、n型シリコン基板42の裏面に形成したテクスチャマスク51を除去後、n型シリコン基板42の裏面の全体に、拡散マスク52として、例えば酸化シリコン膜を、CVD法を用いて形成する。次に、拡散マスク52上においてn層46を形成しようとする箇所に、拡散マスク52をエッチングする成分、例えばリン酸を含有するエッチングペースト53を、インクジェット、またはスクリーン印刷等で塗布する。この時、n型シリコン基板42の裏面側表面のディンプルにより、印刷されたエッチングペースト53が不均一に流動するため、エッチングペースト53の端部は微細な曲線形状になる。この現象に関しては後述する。
次に、図5(f)に示すように、加熱処理を行い、拡散マスク52をパターンエッチングする。ここで、上記のようにエッチングペースト53の端部が微細な曲線形状であることから、パターンエッチングにより形成された拡散マスク52の開口部の端部も、微細な曲線形状となる。次に、拡散マスク52の開口部を覆うように、リンを含むリンインク54をインクジェット、またはスクリーン印刷等で塗布する。
以降の工程は、図3(i)以降に示した工程と同一であるため、説明を省略する。
上記の図5(e)を用いて説明した工程において、エッチングペースト53の端部は微細な曲線形状になることを述べた。これについてさらに詳細に説明する。
図6は、n型シリコン基板42の表面のディンプルを模式的に示した図である。図6(a)は、n型シリコン基板42の裏面を示す図であり、図6(b)は、図6(a)のB−B’に沿った断面を示す図である。上記の図5(b)を用いて説明したように、n型シリコン基板42の表面には、ダメージ層除去のためのエッチングを制御することにより、シリコンの結晶構造に従って中央が窪んだ、多数のディンプルを形成している。
このような状態の基板の上に拡散マスク52を形成すると、拡散マスク52も、ディンプルに沿った凹凸形状となる。さらにその上に、エッチングペースト53を印刷する。図6(a)では、エッチングペースト53をC−C’の点線とD−D’の点線の間の領域に印刷した状態を示している。ここで、エッチングペースト53は流動性を有することから、印刷されてから乾燥するまでの間に、拡散マスク52の上を流動して広がろうとする。この時、上記のようにn型シリコン基板2の表面に多数のディンプルを形成していることから、エッチングペースト53の流動量は場所によって異なる。例えば図6(a)および図6(b)において矢印Eで示した円の部分では、エッチングペースト53はディンプルの下り斜面に印刷されており、斜面の下方向、つまりディンプルの底の方向に向かって流動する。一方、図6(a)および図6(b)において矢印Fで示した円の部分では、エッチングペースト53はディンプルの上り斜面に印刷されており、これ以上右側へと流動することができない。
以上のように、エッチングペースト53は、印刷時の端部より外側にはみ出すように流動しようとする。またこの時、エッチングペースト53の流動量は、ディンプルの影響により場所によって異なることから、エッチングペースト53が印刷された領域の端部は、図6(a)のGおよびHで示した実線の曲線のように、微細な曲線形状になる。
このエッチングペースト53の端部の微細な曲線形状は、上記の図3(i)〜(l)を用いて説明したように、続く工程にも影響を与え、n層46とp層47の端部の形状は、微細な曲線形状となる。さらにはn層46とp層47の間に形成されるpn接合の境界の形状も、図4(b)に示したように微細な曲線形状となる。なお、図4(b)において、n層46に内接する2本の点線が、図6(a)においてC−C’の点線およびD−D’の点線で示した、エッチングペースト53の印刷直後の端部の位置に対応するものである。
図7は、n型シリコン基板2の表面を撮影した写真である。上記の図5(f)を用いて説明した、拡散マスク52をパターンエッチングした後の状態を撮影した。n型シリコン基板42の上には、多数のディンプルが形成されている。n型シリコン基板42において、中央部分はn型シリコン基板42が露出している。左右両側の少し色の濃い部分は、n型シリコン基板42上に形成した拡散マスク52である。拡散マスク52の端部は、ディンプルの凹凸に沿って微細な曲線形状になっている。
以上のような方法により、図4(b)に示した、微細な曲線形状を有するpn接合の境界を形成することができる。
また、前記のように、図5(b)を用いて説明した工程において、n型シリコン基板42の表面のディンプルを、深さ1〜5μm、直径20〜150μmの大きさに形成しておくことで、pn接合の曲線度を1.01〜1.12に、pn接合の境界の微細な曲線形状の山と谷の幅の最大値Weを100μm以下に形成することができる。前記の通り、pn接合の曲線度が、1.01〜1.12となるよう形成すると、裏面電極型太陽電池1の変換効率が高くなる。さらには、pn接合の曲線度が1.03〜1.08であるときに裏面電極型太陽電池1の変換効率がより高くなる。また、前記の通り、pn接合の境界の微細な曲線形状の山と谷の幅の最大値Weを100μm以下となるよう形成することで、n層46内に入り込んだp層47と、n層46上のn型用電極が接触することを防止できる。
本実施形態のようにエッチングペーストを印刷工程で用いた製造方法は、実施形態1のフォトリソグラフィを用いた製造方法に比べて工程数が少ないため、より低コストで、本発明にかかる裏面電極型太陽電池を作製できる。
なお、上記の図5で示した製造工程では、エッチングペーストを用い、その印刷時にn型シリコン基板42上に形成したディンプルによってペーストを流動させることにより、pn接合の境界を微細な曲線形状に形成した。その他に、マスキングペーストやドーピングペーストを用い、その印刷時にn型シリコン基板42上に形成したディンプルによってペーストを流動させることにより、pn接合の境界を微細な曲線形状に形成することも可能である。ここで、マスキングペーストとは、前記の通り、溶剤、増粘剤および酸化シリコン前駆体を含むペーストである。また、ドーピングペーストとは、上記マスキングペーストに加え、リン化合物などのn型ドーパントまたは、ボロン化合物などのp型ドーパントなどを含むペーストである。いずれのペーストを用いても同様に、pn接合の境界を微細な曲線形状に形成することができる。
また、本実施形態のようにn型シリコン基板42上に形成したディンプルによってペーストを流動させる製造方法においては、pn接合の微細な曲線形状は、ディンプルの形状のほか、ペーストの粘度や乾燥時間等にも影響を受ける。従って、所望のpn接合の微細な曲線形状を得るために、ペーストの粘度、表面張力や乾燥時間等を調整することも有効である。
<実施形態3>
本発明の実施形態3にかかる裏面電極型太陽電池61は、実施形態1及び2と同じく、裏面電極型太陽電池であるが、裏面の構造が異なる。
n型シリコン基板を用いた裏面電極型太陽電池は、裏面に形成したp層の面積が大きいほど、変換効率が高くなる。言い換えれば、裏面に形成したn層の面積は小さいことが望ましい。このため、従来から、n層をドット形状にすることが提案されている。本発明は、このようにn層をドット形状に形成した裏面電極型太陽電池にも適用することができる。
図8は、本実施形態にかかる裏面電極型太陽電池61の裏面の構造を模式的に示した図である。図2と同様、n層66およびp層67を露出させた状態を表している。図8(a)は、裏面電極型太陽電池61の裏面全体を示した図である。図8(a)に示すように、本実施形態においては、裏面電極型太陽電池61の裏面に、ドット形状のn層66が多数並ぶ構造を有している。n層66以外の領域が、p層67である。このように、n層66をドット形状とすることで、p層67の面積をより大きくすることができる。また、図8(a)のI−I’に沿って見ると、裏面電極型太陽電池61の裏面では、n層66とp層67が交互に接して形成されている。
図8(b)は、n層66の一つを拡大して示した図である。図に示すように、n層66とp層67の間のpn接合の境界の形状は、巨視的にはなめらかな略円形形状だが、微視的には略正弦波形状の微細な曲線形状を有する。言い換えれば、n層66の外形は、巨視的にはなめらかな略円形形状だが、微視的には略正弦波形状の微細な曲線形状を有する。このようにすることによって、実施形態1及び2と同様に、裏面電極型太陽電池の変換効率が高くなる効果を有する。
図8(b)に示したn層66は、実施形態1と同様に、フォトリソグラフィを用いた製造方法によって形成することが可能である。また、n層66は、実施形態2と同様に、n型シリコン基板上に形成したディンプルによってペーストを流動させることによって形成することも可能である。後者の場合は、n層66の外形の微細な曲線形状は、図4(b)と同様に、非周期でいびつな形状になる。
なお、図8に示したn層66は、略円形のドット形状であったが、これには楕円形も含まれるものである。また、多角形であっても構わないし、よりゆがんだ形状であっても構わない。
また、pn接合の境界の微細な曲線形状は、必ずしもドット形状のn層66の全周囲に形成されていなくてもよい。一部でも微細な曲線形状を有していれば、その部分での変換効率は向上する。
<実施例1、実施例2、比較例1および従来例>
本発明の効果を確認するため、上記の実施形態1で説明した、フォトリソグラフィを用いた製造方法を用いて、実施例1、実施例2、比較例1および従来例となる裏面電極型太陽電池を作製した。上記の、図3(f)を用いて説明した工程における露光用マスク24のマスクパターンを変えることで、pn接合の曲線度を変えた複数種類の裏面電極型太陽電池を作製し、その最大出力を測定した。
図9は、露光用マスク24の形状を模式的に示した図である。上記のように、この露光用マスク24の形状通りにn層6が形成され、さらにはこの露光用マスク24の形状通りにpn接合の境界の形状が形成される。図9(a)は、実施例1、実施例2および比較例1の作製に用いた露光用マスク24のマスクパターンの一部を示した図である。マスクパターンの端部は、円弧が連続した微細な曲線形状である。マスクパターンの最大幅は200μmであり、端部の微細な曲線形状の幅の最大値は、Weである。
図9(b)は、図9(a)に示したマスクパターンの、端部の微細な曲線形状の調整方法を説明する図である。直径200μmの円を、ピッチPで縦に並べ、その外周をつなぐことで、図9(a)のマスクパターンを作成している。Pを大きくすると、Weが大きくなり、曲線度も大きくなる。実施例1、実施例2および比較例1では、Pの大きさを変え、曲線度の異なる裏面電極型太陽電池を作製した。
図9(c)は、従来例の作成に用いた露光用マスク24を示した図である。マスクパターンの幅は200μmであり、マスクパターンの端部は直線である。このマスクパターンを使用して形成したpn接合の境界も直線になる。
表1に、実施例1、実施例2、比較例1および従来例の作製条件および測定結果を示す。
Pの欄およびWeの欄は、各実施例および比較例の作製に用いたマスクパターンに関して、円のピッチPと、端部の微細な曲線形状の幅の最大値Weを示したものである。従来例の作製に用いたマスクパターンはこのような形状ではないので、値を記入していない。
曲線度の欄は、マスクパターンの曲線度を示したものである。なお、上記の通りフォトリソグラフィを用いた製造方法では、マスクパターンの通りにpn接合の境界が形成されるので、pn接合の境界の曲線度もこの値となる。
最大出力の欄は、従来例の最大出力を100%とした時の比率で表している。最大出力が大きいほど、太陽電池の変換効率が高く、特性が良いことを示す。
実施例1、実施例2および比較例1の作製においては、Pを50、100、150μmと変えて、露光用マスク24のマスクパターンの端部の微細な曲線形状の曲線度を調整した。円のピッチPが大きくなるにつれ、曲線度も大きくなる。
一方、従来例は、図9(c)のようにマスクパターンの端部が直線であり、曲線度は1である。
最大出力の欄によれば、実施例1および実施例2は、最大出力が従来例を上回った。また、実施例2の特性が最も良く、103.5%となった。このように、上記の実施形態1で説明した、フォトリソグラフィを用いた製造方法を用いて、pn境界が微細な曲線形状の裏面電極型太陽電池を作製することにより、変換効率が向上することが確認できた。
一方、比較例1は最大出力が99.1%と、従来例を下回った。このことから、曲線度を大きくしすぎると、かえって変換効率が低下するものと考えられる。
<実施例3および比較例2>
次に、別の製造方法によっても本発明の効果が得られることを確認するため、上記の実施形態2で説明した、n型シリコン基板2上に形成したディンプルによってペーストを流動させる製造方法を用いて、実施例3および比較例2となる裏面電極型太陽電池を作製した。
実施例3および比較例2はいずれも、上記の図5(b)で説明した工程において、n型シリコン基板2の表面のディンプルを、その直径の中心値が50〜60μmとなるように形成した。
また、実施例3と比較例2は、曲線度が異なるよう作製した。実施例3は、エッチングペーストを用い、スクリーン印刷により印刷した。エッチングペーストの粘度は、30Pa・sであった。比較例2は、マスキングペーストを用い、インクジェット法により印刷した。マスキングペーストの粘度は、20mPa・sであった。
このようにして実施例3および比較例2を作製し、その最大出力を測定した。
表2に、実施例3および比較例2の曲線度および測定結果を示す。
曲線度の欄は、作製した裏面電極型太陽電池のpn接合の境界面の長さを実際に測定して求めた値である。
最大出力の欄は、表1と同じく、従来例の最大出力を100%とした時の比率で表している。
実施例3の曲線度は1.062であり、最大出力は104.7%であった。従って、従来例の特性を上回る結果を得た。このように、上記の実施形態2で説明した、n型シリコン基板2上に形成したディンプルによってペーストを流動させる製造方法を用いた場合でも、pn境界が微細な曲線形状の裏面電極型太陽電池を作製することにより、変換効率が向上することが確認できた。
一方、比較例2の曲線度は1.300であり、最大出力は93.9%であった。すなわち、比較例1と同様、従来例の最大出力を下回る結果となった。このことから、比較例1と同様に、曲線度を大きくしすぎると、かえって変換効率が低下するものと考えられる。
なお、実施例3の作製に用いたエッチングペーストは、スクリーン印刷法で用いたものであって、比較的粘度が高い。一方、比較例2の作製に用いたマスキングペーストは、インクジェット法で用いたものであって、より粘度が低く流動性が高い。このことから、実施例3より比較例2の方がn型シリコン基板2上のディンプルによるペーストの流動が大きく、曲線度が大きくなったものと思われる。従って、エッチングペーストやマスキングペースト等を用いる場合は、ペースト材の粘度を適切に調整することによって、適切な曲線度を得ることができる。
図10は、上記の実施例1〜3、比較例1、2および従来例の、pn接合の曲線度と最大出力の関係を合わせて示した図である。フォトリソグラフィを用いて作製したもの、すなわち実施例1、実施例2、比較例1および従来例を黒の四角で、ペーストを用いて作製したもの、すなわち実施例3および比較例2を白の三角でプロットしている。また、近似曲線を重ねて図示している。
図10によれば、フォトリソグラフィを用いて作製したものも、ペーストを用いて作製したものも、同一の近似曲線で近似可能と考えられる。従って、本発明の効果は、裏面電極型太陽電池のpn接合の境界の微細な曲線形状に依存して得られるものであり、製造方法には依存しないことが明らかになった。
また、近似曲線によれば、pn接合の曲線度が1.00より大きくなるにつれ、最大出力は一旦上昇し、1.05付近で最大となる。しかしさらに曲線度を大きくすると、かえって最大出力が低下する。このことから、曲線度には望ましい範囲があると考えられる。近似曲線によれば、曲線度が1.01〜1.12であるとき、最大出力は従来例に比べて101.0%以上となる効果が得られるものと考えられる。図10に両矢印Jでこの範囲を示した。また、曲線度が1.03〜1.08であるとき、最大出力は従来例に比べて103.0%以上となる効果が得られるものと考えられる。図10に両矢印Kでこの範囲を示した。
なお、上記の実施形態1、2および3では、裏面電極型太陽電池は、n型シリコン基板の裏面にn層とp層が交互に接して形成されたものであった。しかし、n型シリコン基板の裏面にn層とp層を交互に離間して形成した裏面電極型太陽電池もある。この場合は、裏面電極型太陽電池の裏面において、n型シリコン基板とp層の間の境界がpn接合を形成しており、この境界が微細な曲線形状を有していれば、同様の効果を発揮する。
また、本発明のpn接合の境界の微細な曲線形状は、特定の形状に限られるものではない。例えば上記の図2(b)や図9(a)に示したように、円弧を連続させた形状であっても良いし、上記の図8(b)に示したように、略正弦波形状であっても良いし、三角波形状等であっても良い。あるいは、上記の図4(b)や図6(a)に示したように、非周期でいびつな形状であってもよい。
また、上記の実施形態1、2および3では、シリコン基板がn型である場合に関して説明したが、p型シリコン基板を用いることも可能である。このようにシリコン基板がp型であっても、裏面に形成されたpn接合の境界の微細な曲線形状を上記のような曲線度となるようにすることで、上記の実施形態1、2および3と同様の効果が得られる。
また、p型シリコン基板を用いる場合は、より高い短絡電流を得るために、シリコン基板の導電型であるp型と異なる導電型であるn層の合計面積のほうがp層の合計面積よりも大きい。この場合、p層は長さ方向に対し垂直方向に分離されていてもよい。その際、p層間はn層が形成されていてもよい。また、n層が長さ方向に対し垂直方向に分離されている場合は、n層間にp層が形成されていてもよい。
また、本発明の裏面型太陽電池の製造方法は、上記の実施形態1および2で開示した製造方法のほか、様々な製造方法で作製可能である。それらの製造方法にも、本発明のようにn型シリコン基板上に形成したディンプルによってペーストを流動させる方法を適用可能である。
本発明に係る裏面電極型太陽電池、および裏面電極型太陽電池の製造方法は、裏面電極型太陽電池、および裏面電極型太陽電池の製造方法全般に広く適用することができる。
1、41、61 裏面電極型太陽電池
2、42 n型シリコン基板
2a、42a ダメージ層
3、43 凹凸形状
4 窒化シリコン膜
5 裏面パッシベーション膜
6、46、66 n
7、47、67 p
8 n型用電極
9 p型用電極
21、51 テクスチャマスク
22、52 拡散マスク
23 レジスト
23’ 硬化レジスト
24 露光用マスク
25 露光
26 酸性薬品
27、54 リンインク
28 酸化シリコン膜
29 拡散マスク
30 ボロンインク
53 エッチングペースト

Claims (5)

  1. 第1導電型半導体基板の一方の面に、第1導電型不純物拡散領域、第2導電型不純物拡散領域、前記第1導電型不純物拡散領域と接続される第1の電極および前記第2導電型不純物拡散領域と接続される第2の電極を有する裏面電極型太陽電池において、
    前記第1導電型不純物拡散領域と前記第2導電型不純物拡散領域は、交互に形成されており、
    前記第2導電型不純物拡散領域は、略矩形形状又は略円形形状であり、
    前記第1導電型半導体基板の裏面において、前記第2導電型不純物拡散領域の外形は、微細な曲線形状を有すること
    を特徴とする裏面電極型太陽電池。
  2. 前記第1導電型不純物拡散領域と前記第2導電型不純物拡散領域は、接して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の裏面電極型太陽電池。
  3. 前記第1導電型不純物拡散領域と前記第2導電型不純物拡散領域は、離間して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の裏面電極型太陽電池。
  4. 前記第2導電型不純物拡散領域の境界の曲線度は、1.01〜1.12の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の裏面電極型太陽電池。
  5. 前記第1導電型半導体基板の裏面は、深さ1〜5μmで直径が20〜150μmのディンプルを有することを特徴とする請求項1に記載の裏面電極型太陽電池。
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