JP2013191783A - 太陽電池封止材用樹脂組成物、太陽電池黒色封止材および太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池封止材用樹脂組成物、太陽電池黒色封止材および太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池セルの配線の腐食を抑制でき、長期にわたり変換効率が維持できる太陽電池用裏面封止材を製造できる太陽電池封止材用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂と、硫黄含有量が300ppm以下のカーボンブラックとを含む太陽電池黒色封止材用樹脂組成物。またカーボンブラックは、含有するアルカリ金属とアルカリ土類金属の合計が、20ppm以下であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池封止材に使用する樹脂組成物に関する。
太陽エネルギー利用はエネルギー問題、地球温暖化問題など、人類が直面するさまざまな問題の解決にも重要な役割を果たしている。特に近年、太陽光発電システムは、地球温暖化対策や、枯渇懸念のある化石燃料代替の観点から、クリーンで持続的なエネルギーシステムとして、世界中で関心が高まっている。そのため、太陽電池市場は、年率3割近い成長率で急拡大している。現在主流の太陽光発電は、結晶シリコンやアモルファスシリコン等のシリコン系やCdTe、CIGS等の化合物半導体系の太陽電池モジュールと周辺装置から構成されているが、太陽光発電システムのさらなる拡大には、発電コストの低減が最大の課題である。ここ数年、発電コストは従来に比べて大幅に低減しているものの、現時点の発電コストは他のエネルギーと比較し依然割高であり、太陽電池の耐久性向上などの技術開発が求められている。
太陽電池の耐久性を向上させるために太陽電池封止剤が使用されている。この太陽電池封止材には、太陽電池セルの保護のための耐熱性、雨水等の浸入防止のための接着性、セル割れ防止のための柔軟性、長期利用可能であるための耐候性、発電効率向上のための透明性などの特性が求められている(特許文献1、2、3参照)。そして、引用文献4および5では、太陽電池の裏面側封止材には透明性は要求されないので、意匠性、発電効率等の向上を目的として、黒色に着色することが提案されている。
特開2000−183381号公報 特開2009−152543号公報 特開2008−153520号公報 特開2006−36875号公報 特開2010−278428号公報
しかし、従来の太陽電池黒色封止材は、一般的なカーボンブラックを配合して黒色に着色していたため、カーボンブラックに含まれる不純物により太陽電池セルの配線が腐食するため、時間の経過につれて発電効率の低下が起こるという問題があった。
本発明は、太陽電池セルの配線の腐食を抑制でき、長期にわたり変換効率が維持できる太陽電池用黒色封止材を製造できる太陽電池封止材用樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明の太陽電池封止材用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)と、硫黄含有量が300ppm以下のカーボンブラック(B)とを含む構成である。
上記構成の本発明は、カーボンブラックの硫黄含有量を低下させることで、太陽電池モジュールに浸入した水を原因とする亜硫酸や硫酸の生成を抑制したことで、太陽電池セルの配線の腐食を抑制することができた。これにより変換効率を長期間維持することが可能になる。
本発明により太陽電池セルの配線の腐食を抑制でき、長期にわたり変換効率が維持できる太陽電池黒色封止剤を製造できる太陽電池封止材用樹脂組成物を提供できた。
図1は、太陽電池モジュールの断面の一例を示す模式的説明図である。 図2は、耐久試験用サンプルの断面のの説明図である。 図3は、電流−電圧曲線における直列抵抗を示す例としての説明図である。
本発明の太陽電池封止材用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)と、カーボンブラック(B)とを含むものである。この太陽電池封止材用樹脂組成物は、シート状に成形して黒色の太陽電池封止材として使用できる。黒色であるがゆえ、通常2枚使用する太陽電池封止材のうち、太陽電池セルの太陽から近い側には、通常の透明な封止材を使用し、太陽電池セルの太陽から遠い側に本発明の太陽電池黒色封止材を使用する。
カーボンブラックには原料油や製造工程で使用される工業用水や製造設備から不純物を含むことが知られている。そして、カーボンブラックには不純物として、水素、酸素、硫黄、灰分などが含まれているのが一般的である。その中でも硫黄はカーボンブラックと化学的に結合しているものと、遊離しているもの両方が存在している。遊離硫黄は溶剤や硫化アルカリ水溶液により抽出可能であるが、結合硫黄は1000℃の高温下でも完全に脱離できない。この結合硫黄は、水の存在下で亜硫酸や硫酸発生の原因となる。カーボンブラックの一般的な硫黄含有量は1000ppm〜25000ppmである。そのため、太陽電池モジュールにエチレン共重合体と、一般的なカーボンブラックを含む太陽電池用裏面封止材を用いると硫黄の存在を原因として太陽電池セルの配線が時間の経過につれて腐食する問題があった。
そこで本発明では、カーボンブラック(B)は硫黄を全く含まないことが好ましい。しかし現実には技術的に難しいため硫黄の含有量は0ppmより多く300ppm以下が好ましく、0.01ppm以上200ppm以下がより好ましい。カーボンブラックの硫黄の含有量を少なくすることで太陽電池セルの配線の腐食を防止することができ、これにより太陽電池の変換効率を長期間維持することができる。なお、硫黄含有量はASTM D1619−03に準拠して測定した数値である。
カーボンブラック(B)は、さらにアルカリ金属およびアルカリ土類金属の不純物を含まないことが好ましい。しかし、現実にはカーボンブラック(B)の製造工程から含有量を皆無にすることは技術的に難しい。そこで、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の含有量は0ppmより多く20ppm以下が好ましく、0.01ppm以上10ppm以下がより好ましい。アルカリ金属およびアルカリ土類金属の中でもカリウムおよびナトリウムなどの1価金属を含まないことが特に好ましい。太陽電池黒色封止材と隣接する、太陽電池用裏面保護シートは多数の機能層から構成される。その中でもフッ素樹脂を用いた層がある場合に、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の不純物が含有していると、フッ素樹脂中のフッ素を抜きとり、フッ素樹脂を劣化させる。そのためアルカリ金属およびアルカリ土類金属の含有量を減らすことで太陽電池裏面保護シートにフッ素樹脂が含まれていても劣化しにくくなる。なおアルカリ土類金属含有量はASTM D1506−99に準拠して測定した数値である。
また、カーボンブラック(B)は、比表面積が10m2/g以上150m2/g以下であることが好ましく、100m2/g以下がより好ましく、80m2/g以下がさらに好ましい。比表面積を150m2/g以下にすることで、カーボンブラック(B)の分散性をより向上できる。これにより太陽電池黒色封止材の平滑性がより向上することで、太陽電裏面封止材と太陽電池裏面保護シートとの接着性をより向上できる。なお比表面積とはASTM3037−89に準拠して測定した数値である。
また、カーボンブラック(B)は、DBP吸油量が、120ml/100g〜400ml/100gが好ましく、140ml/100g〜400ml/100gがより好ましく、180ml/100g〜400ml/100gがさらに好ましい。DBP吸油量が、120ml/100g〜400ml/100gの範囲内であることで、カーボンブラック(B)の熱可塑性樹脂(A)に対する分散性をより向上できる。なおDBP吸油量とは、空隙容積を測定することでカーボンブラックのストラクチャーを間接的に定量化するもので、JIS K 6217−4に準拠して測定した数値である。なおDBPはDibutylphtalateである。
上記カーボンブラック(B)は、製法として、MMMプロセス法、オイルファーネス法、ガスファーネス法、アセチレン分解法、チャンネル法、ランプ法、サーマル法が挙げられる。これらの中でも特にMMMプロセス法、アセチレン分解法が好ましい
本発明において熱可塑性樹脂(A)は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリイソプレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アイオノマー樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂等ならびにそれらの変性樹脂、共重合樹脂等が好ましい。これらの中でもエチレン系共重合体樹脂がより好ましい。エチレン系共重合体樹脂は、二種類以上の単量体の共重合体であり、単量体の少なくとも一種類がエチレン単量体であれば特に限定されることはない。具体的には、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸メチル共重合体、エチレンアクリル酸エチル共重合体、エチレンメタクリル酸メチル共重合体、エチレンメタクリル酸エチル共重合体、エチレン系アイオノマー、エチレン酢酸ビニル系多元共重合体、エチレンアクリル酸メチル系多元共重合体、エチレンアクリル酸エチル系多元共重合体、エチレンメタクリル酸メチル系多元共重合体、エチレンメタクリル酸エチル系多元共重合体などが挙げられるが、ラミネート工程におけるセルの損傷低減や、透明性、生産性向上の観点から、酢酸ビニルを15〜40重量%使用したエチレン酢酸ビニル共重合体が好ましく、25〜35重量%がより好ましい。
また、本発明において、熱可塑性樹脂(A)は、成形性、機械的強度などを考慮すると、メルトフローレート(以下、MFRともいう)が0.1〜60g/10minであることが好ましく、0.5〜45g/10minがより好ましい。なおMFRとはJIS K7210に準拠して測定した数値である。
上記カーボンブラック(B)は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜30重量部配合することが好ましく、0.1〜15重量部配合することがより好ましい。また、カーボンブラックを高濃度に配合した太陽電池封止材用マスターバッチを製造することもできる。具体的にはカーボンブラック(B)を熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、5〜60重量部配合することが好ましく、20〜50重量部がより好ましい。マスターバッチを用いて太陽電池用黒色封止材を製造することは、カーボンブラックがより分散しやすくなり、取り扱いの面から好ましい。
本発明の太陽電池封止材用樹脂組成物は、必要に応じて紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、難燃剤、分散剤等の添加剤を配合することも可能である。また、これらの添加剤は、太陽電池黒色封止材を製造するときに配合しても良い。
紫外線吸収剤は、耐候性を付与するために用いられ、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系などが挙げられる。添加量は特に限定されないが、カーボンブラックと熱可塑性樹脂との合計100重量部に対して、0.01〜3重量部用いるのが好ましい。具体例としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−5−メトキシベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノール、フェニルサリチレート、およびp−オクチルフェニルサリチレートなどが挙げられる。
光安定剤は、紫外線吸収剤と併用し、耐候性を付与するために用いられ、ヒンダードアミン光安定剤が挙げられる。光安定剤の添加量は特に限定されないが、カーボンブラックと熱可塑性樹脂との合計100重量部に対して、0.01〜3重量部用いるのが好ましい。具体例としては、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパレート、および2−(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)などが挙げられる。
酸化防止剤は、高温下での安定性を付与するために用いられ、モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系、燐酸系などが挙げられる。添加量は特に限定されないが、カーボンブラックと熱可塑性樹脂との合計100重量部に対して、0.05〜3重量部用いるのが好ましい。具体例としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス〔{1,1−ジメチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ〕5,5−ウンデカン、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−{メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキスフェニル)プロピオネート}メタン、ビス{(3,3’−ビス−4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グルコールエステル、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネート、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリスジフェニルホスファイト、ジイソデシノレペンタエリスリトールジホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナスレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−tert−メチルフェニル)ホスファイト、および2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどが挙げられる。
本発明の太陽電池封止材用樹脂組成物の製造は、熱可塑性樹脂(A)と、カーボンブラック(B)とを、高速せん断型混合機または回転混合機を用いて混合し、その後、溶融混練工程を行い、ペレット状に押出し成形することが好ましい。高速せん断型混合機および回転混合機は、例えばヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラーミキサー等が挙げられる。また、溶融混練は、例えば二本ロール、三本ロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサー等の装置が挙げられる。また、押出し成形は、例えば単軸混練押出し機、二軸混練押出し機等が挙げられる。
本発明の太陽電池黒色封止材は、上記太陽電池封止材用樹脂組成物と、熱可塑性樹脂(A)とを含む。
本発明の太陽電池黒色封止材の製造は、上記太陽電池封止材用樹脂組成物を例えば、T−ダイ押出機(T-die extruder)またはカレンダー成形機などに投入し、シート状に成形することが好ましい。成形するときに紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤を配合して成形することも好ましい。太陽電池黒色封止材の厚みは、0.1〜1mm程度が好ましい。
また、本発明の太陽電池黒色封止材は、上記陽電池封止材用マスターバッチおよび熱可塑性樹脂(A)を例えば、T−ダイ押出機(T-die extruder)またはカレンダー成形機などに投入し、シート状に成形することが好ましい。成形するときに紫外線吸収剤、光安定剤および酸化防止剤を配合して成形することも好ましい。マスターバッチを用いて太陽電池黒色封止材を製造することで、カーボンブラック(A)を封止材中により高度に分散させることができる。そして、太陽電池黒色封止材の厚みは、0.1〜1mm程度が好ましい。
太陽電池モジュールの断面の一例を図1により説明する。図1中の符号11は透明基板、12Aが太陽電池封止材、12Bが太陽電池黒色封止材、13が発電素子、14が太陽電池用裏面保護シートである。発電素子13は、太陽電池封止材12A及び太陽電池黒色封止材12Bに挟持されている。そして、この積層体は、透明基板11及び太陽電池用裏面保護シート14に挟持されている。太陽電池モジュールは、太陽電池素子の上下に太陽電池封止材を固定することにより作製することができる。一般的には、真空ラミネーターを用いて加熱圧着により製造される。このような太陽電池モジュールとしては、例えば、図1の例のように、透明基板/太陽電池封止材/太陽電池素子/太陽電池黒色封止材/太陽電池用裏面保護シートのように太陽電池素子の両側から太陽電池封止材で挟むスーパーストレート構造のものや、透明基板/太陽電池素子/太陽電池黒色封止材/太陽電池裏面保護シートのように、基板の表面に形成させた太陽電池素子を太陽電池封止材と太陽電池用裏面保護シートで積層されたものが挙げられる。透明基板には、熱強化白板ガラスや透明フィルムなどが利用され、封止材には耐湿性に優れたエチレン酢酸ビニル共重合体などが用いられる。また、防湿・絶縁性が要求される太陽電池用裏面保護シートにはアルミニウムをフッ化ビニルフィルムで挟んだ構造のシートやアルミニウムを耐加水分解性ポリエチレンテレフタレートフィルムで挟んだものなどが用いられている。
以下に、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。部は重量部、%は重量%を意味する。
実施例および比較例に用いる原料は表1の通りである。
(A)熱可塑性樹脂
(A−1)エチレン酢酸ビニル共重合体(ウルトラセン751 東ソー社製 酢酸ビニル含有量:28%、MFR:5.7)
(A−2)エチレン酢酸ビニル共重合体(エバフレックスV523 三井・デュポンポリケミカル社製 酢酸ビニル含有量:33%、MFR:14)
(B)カーボンブラック
(B−1)カーボンブラック(ENSACO 250G TIMCAL社製 硫黄含有量84ppm)
(B−2)カーボンブラック(ENSACO 260G TIMCAL社製 硫黄含有量90ppm)
(B−3)カーボンブラック(ENSACO 350G TIMCAL社製 硫黄含有量101ppm)
(B−4)カーボンブラック(デンカブラック 電気化学工業社製 硫黄含有量98ppm)
(B−5)カーボンブラック(ENSACO 150G TIMCAL社製 硫黄含有量3800ppm)
(B−6)カーボンブラック(ENSACO 210G TIMCAL社製 硫黄含有量3600ppm)
(B−7)カーボンブラック(HCF SB900 旭カーボン社製 硫黄含有量2500ppm)
(B−8)カーボンブラック(RCR SB270 旭カーボン社製 硫黄含有量3000ppm)
Figure 2013191783
(実施例1)
熱可塑性樹脂(A−1)90重量部とカーボンブラック(B−1)10重量部をタンブラーミキサー(カワタ社製)に投入し温度20℃、時間3分の条件で撹拌した後、二軸押出し機(日本プラコン社製)によりカーボンブラックマスターバッチを得た。また、熱可塑性樹脂(A−1)に架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤を配合した架橋剤マスターバッチ、安定化剤マスターバッチと、さらに表1の配合量となるように熱可塑性樹脂(A−1)とを用いて、これらを共にT−ダイ押出機で90℃にて押出し成形し、図1における太陽電池黒色封止材12B、図2における太陽電池黒色封止材22(厚さ0.5mm)を作製した。また熱可塑性樹脂(A−1)に架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤を配合した架橋剤マスターバッチと紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤を配合した安定化剤マスターバッチとを用いて、これらを共にT−ダイ押出機で90℃にて押出し成形し、図1における太陽電池表面封止材12A(厚さ0.5mm)を作製した。なお、太陽電池封止材中の架橋剤、架橋助剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤の種類と添加量は、エチレン共重合体と、カーボンブラックの合計100重量部に対して下記の通りに用いている。
紫外線吸収剤:2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン0.1重量部
光安定剤:N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物0.2重量部
酸化防止剤:フェニルジイソデシルホスファイト0.1重量部
Figure 2013191783
(実施例2〜24)
それぞれ表2に示す配合とした以外は実施例1と同様に、図1における太陽電池黒色封止材12B、図2における太陽電池黒色封止材22を作製した。
Figure 2013191783
(比較例1〜24)
それぞれ表3に示す配合とした以外は実施例1と同様に、図1における太陽電池黒色封止材12B、図2における太陽電池黒色封止材22を作製した。
実施例1〜24及び比較例1〜24で得られた試験片を以下の基準で評価し、評価結果を表4に示す。
[剥離強度]
図2に示すように、透明基板(厚さ3mm)21と実施例および比較例で得られた太陽電池封止材22、剥離シート23、太陽電池用裏面保護シート24とを挟んで積層体にした後、真空ラミネーターによる真空下で、150℃、3分間放置した後、加圧下で17分間加熱し、封止材を架橋させ、耐久試験用サンプル2を作成した。耐久試験前、試験後の太陽電池黒色封止材との密着性を、剥離試験による剥離強度として測定した。
耐久試験は、恒温恒湿試験機にて、85℃85%RHの環境下、1000時間、2000時間、および3000時間静置した。
太陽電池黒色封止材と太陽電池用裏面保護シートとの剥離強度は、耐久試験用サンプルフィルムから幅25mm、長さは80mmの試料を切り取って試験片とした。試験は、JIS K 6854-2に準拠し、引張試験機を使用して行った。条件は、引張速度:50mm/min、剥離角度:180℃である。
[太陽電池の変換効率保持率]
実施例および比較例で得られた太陽電池封止材12A、太陽電池黒色封止材12Bを用いて発電素子13を挟み込み、図1に示すように透明基板(厚さ3mm)11と太陽電池用裏面保護シート14とで挟んで積層体にした後、真空ラミネーターによる真空下で、150℃、3分間、加圧下で17分間加熱し、封止材を架橋させ、サンプル1を作製した。試験はサンプル1を恒温恒湿試験機にて、85℃85%RHの環境下、1000時間、2000時間、3000時間、静置の条件で行った。変換効率は、入光エネルギーと最適動作点での出力と、発電素子の面積から算出した。評価は太陽電池黒色封止材に用いたカーボンブラックの硫黄含有量が3822ppmのカーボンブラックで作製した比較例1の初期変換効率を100とした。そして、初期変換効率に対するサンプルの試験後の変換効率を変換効率保持率とした。
[直列抵抗]
直列抵抗(Rs)は、図3に示した電流−電圧特性曲線を例にとると、数式(1)に基づき電圧切片での傾きを26(ΔIoc)/25(ΔVoc)の逆数で符号を反
転させたものから算出した。太陽電池セル配線が腐食されると直列抵抗が増加する。直列抵抗が増加すると変換効率が低下する。そこで直列抵抗を測定することで、太陽電池セル配線の腐食による変換効率の低下を評価することができる。
数式(1) Rs=−ΔVoc/ΔIoc
Figure 2013191783
表4の結果より、実施例1〜24は、全ての評価項目において比較例を上回る優れた耐久性が得られた。特に特定のカーボンブラックを用いることで、一般的なカーボンブラックを用いた場合よりも、経時での変換効率を保持することができた。
11 透明基板
12A 太陽電池封止材
12B 太陽電池黒色封止材
13 発電素子
14 太陽電池用裏面保護シート
21 太陽電池封止材
22 太陽電池用裏面保護シート

Claims (10)

  1. 熱可塑性樹脂(A)と、硫黄含有量が300ppm以下のカーボンブラック(B)とを含むことを特徴とする太陽電池封止材用樹脂組成物。
  2. カーボンブラック(B)が含有するアルカリ金属とアルカリ土類金属の合計が、20ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池封止材用樹脂組成物。
  3. カーボンブラック(B)の比表面積が、150m2/g以下であることを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池封止材用樹脂組成物。
  4. カーボンブラック(B)のDBP吸油量が、120ml/100g〜400ml/100gであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の太陽電池封止材用樹脂組成物。
  5. 熱可塑性樹脂(A)が、エチレン系共重合体樹脂であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の太陽電池封止材用樹脂組成物。
  6. エチレン系共重合体樹脂が、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸メチル共重合体、エチレンアクリル酸エチル共重合体、エチレンメタクリル酸メチル共重合体、エチレンメタクリル酸エチル共重合体、及びエチレン系アイオノマーからなる群より選択される1種以上の共重合体であることを特徴とする請求項5記載の太陽電池封止材用樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載の太陽電池封止材用樹脂組成物から成形してなる太陽電池黒色封止材。
  8. 熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、硫黄含有量が300ppm以下のカーボンブラック(B)を5〜60量部含むことを特徴とする太陽電池黒色封止材用マスターバッチ。
  9. 熱可塑性樹脂(A)と、請求項8記載の太陽電池封止材用マスターバッチとを用いて成形してなる太陽電池黒色封止材。
  10. 少なくとも、請求項7または9記載の太陽電池黒色封止材を備えた太陽電池モジュール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2016039336A1 (ja) * 2014-09-09 2017-06-22 デンカ株式会社 電池用カーボンブラック、混合粉末、電池用塗工液、電池用電極および電池

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