JP2013191764A - 半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐電圧不良及び高抵抗不良が生じにくい半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、半導体基板401上に下部電極402を形成する工程と、下部電極402上にSiON膜403を形成する工程と、SiON膜403の表面上に、このSiON膜403よりも誘電率が高いSiN膜404を形成する工程と、SiN膜404上に導電膜を形成する工程と、導電膜及びSiN膜404をパターニングして上部電極405を形成するとともに、SiON膜403を露出させる工程と、上部電極405及び露出したSiON膜403を覆うように、SiON膜407を形成する工程と、エッチングにより、SiON膜407及びSiON膜403の一部を除去して、開口部412を形成し、開口部にプラグ413を形成する工程とを有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、半導体装置の製造方法及び半導体装置に関するものである。
半導体集積回路におけるキャパシタ素子として、MIM(Metal−Insulator−Metal)キャパシタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図1(a)〜(g)は、キャパシタ絶縁膜としてシリコン酸窒化膜(SiON膜)の単層膜を用いたMIMキャパシタの形成プロセスを概略的に示す断面図である。MIMキャパシタの形成に際しては、図1(a)に示されるように、半導体基板101上に、下部電極102であるTi/TiN/Al/TiN膜(下から順にTi膜102a、TiN膜102b、Al膜102c、及びTiN膜102dを重ねた積層膜)を、スパッタ法を用いて形成する。次に、図1(b)に示されるように、下部電極102上に、絶縁膜(MIMキャパシタにおいては、キャパシタ絶縁膜)103であるSiON膜を、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成する。絶縁膜103の膜厚は、MIMキャパシタの容量に応じて設定する。次に、図1(c)に示されるように、絶縁膜103上に、上部電極104であるTiN膜を、スパッタ法を用いて形成する。次に、図1(d)に示されるように、リソグラフィー及びドライエッチングを用いて、上部電極104のパターニングを行う。このパターニングにおいては、上部電極104の内の、MIMキャパシタを形成したい箇所(MIMキャパシタ形成領域)105以外の部分を除去するが、SiON膜である絶縁膜103を残留させるので、下部電極102の一部を構成するTiN膜102bはエッチングされない。次に、図1(e)に示されるように、下部電極102を加工する際のリソグラフィー工程における反射防止膜を構成するSiON膜106を成膜する。SiON膜106は、絶縁膜103として成膜したSiON膜と同一の膜種とする。この結果、SiON膜106とSiON膜103からなる積層構造が、リソグラフィー工程における反射防止膜となる。次に、図1(f)に示されるように、下部電極102を、リソグラフィー及びドライエッチングを用いてパターニングする。次に、図1(g)に示されるように、層間絶縁膜110、シリコン酸化膜111、ビア(via)112、ビア112内を埋めるプラグ113、及びプラグ113に電気的に接続された上層配線114を形成する。
図1(a)〜(g)に示されるように、MIMキャパシタの絶縁膜103として、SiON膜を用いた場合には、SiONの比誘電率が比較的小さいので、容量を大きくするために、絶縁膜103の膜厚を薄くする必要がある。しかし、絶縁膜103の膜厚を薄くすると、耐電圧不良の問題が生じ易くなる。
図2(a)〜(g)は、キャパシタ絶縁膜としてシリコン窒化膜(SiN膜)の単層を用いたMIMキャパシタの形成プロセスを概略的に示す断面図であり、図3(a)及び(b)は、従来の問題点を示す図である。MIMキャパシタの形成に際しては、図2(a)に示されるように、半導体基板201上に、下部電極202であるTi/TiN/Al/TiN膜(下から順にTi膜202a、TiN膜202b、Al膜202c、及びTiN膜202dを重ねた積層膜)を、スパッタ法を用いて形成する。次に、図2(b)に示されるように、下部電極202上に、絶縁膜(MIMキャパシタにおいては、キャパシタ絶縁膜)203であるSiN膜を、CVD法を用いて形成する。絶縁膜203の膜厚は、MIMキャパシタの容量に応じて設定する。次に、図2(c)に示されるように、絶縁膜203上に、上部電極204であるTiN膜を、スパッタ法を用いて形成する。次に、図2(d)に示されるように、リソグラフィー及びドライエッチングを用いて、上部電極204のパターニングを行う。このパターニングにおいては、上部電極204の内の、MIMキャパシタ形成領域205以外の部分を除去する。このドライエッチングでは、SiN膜である絶縁膜203も除去される。このドライエッチングは、MIMキャパシタ形成領域205以外のSiN膜は全て除去し、下部電極202を露出させる。これは、ビアを開口する際に、SiN膜がエッチング阻害層となって、ビア導通不良となることを防ぐためである。次に、図2(e)に示されるように、下部電極202を加工する際のリソグラフィー工程における反射防止膜を構成するSiON膜206を成膜する。次に、図2(f)に示されるように、下部電極202を、リソグラフィー及びドライエッチングを用いてパターニングする。次に、図2(g)に示されるように、層間絶縁膜210、シリコン酸化膜211、ビア212、ビア212内を埋めるプラグ213、及びプラグ213に電気的に接続された上層配線214を形成する。
キャパシタ絶縁膜203としてSiN膜を用いた場合には、MIMキャパシタ形成領域205以外のSiN膜の除去(図2(c)及び(d))に際して、下部電極202の一部を構成するTiN膜202bが除去されて、図3(a)に示されるように、下部電極202の一部を構成するAl膜202cの表面301が露出したり、MIMキャパシタ形成領域205の直ぐ横の下部電極202に窪み(抉れ)302が形成されたりすることがある。この窪み302は、MIMキャパシタの耐電圧不良の原因となる。
また、層間絶縁膜210形成後のビア開口時に、下部電極202の一部を構成するTiN膜202d(図2(d))が消失していると、図3(b)に示されるような、ビア212aがAl膜202cに達する(突き抜け303が発生する)ことがある。この突き抜けにより、ビア内のプラグ213と下部電極202のAl膜202cとが直接接触すると、高抵抗反応層が形成されて、接触抵抗が増加するので、MIMキャパシタの高抵抗不良の原因となる。
特開2004−266010号公報
上記したように、キャパシタ絶縁膜をSiON膜の単層としたMIMキャパシタでは、耐電圧不良が生じやすいという問題があり、キャパシタ絶縁膜をSiN膜の単層としたMIMキャパシタでは、耐圧不良及び高抵抗不良が生じやすいという問題がある。
そこで、本発明の目的は、耐電圧不良及び開口内の導電部の高抵抗不良が生じにくい半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することである。
本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板上に、窒素を主成分のひとつとして含有する下部電極を形成する工程と、前記下部電極上に、SiONを堆積させてSiON膜を形成する工程と、前記SiON膜の表面上に、前記SiON膜よりも誘電率が高い第1の絶縁膜を形成する工程と、前記第1の絶縁膜上に、窒素を主成分のひとつとして含有する導電膜を形成する工程と、第1のエッチングにより、前記導電膜及び前記第1の絶縁膜をパターニングして、該パターニング後の前記導電膜から上部電極を形成するとともに、前記SiON膜を露出させる工程と、前記上部電極及び露出した前記SiON膜を覆うように、酸素を主成分のひとつとして含有する物質を堆積させて第2の絶縁膜を形成する工程と、酸素を主成分のひとつとして含有する物質の除去を行うことができる第2のエッチングにより、前記第2の絶縁膜及び前記SiON膜の一部を除去して、前記下部電極を露出させる第1の開口部を形成する工程と、前記第1の開口部に、前記下部電極と電気的に接続される導電部を形成する工程とを有する。
本発明の他の態様に係る半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板上に形成され、窒素を主成分のひとつとして含有する下部電極と、前記下部電極上に形成されたSiON膜と、前記SiON膜の表面上の一部に備えられ、前記SiON膜よりも誘電率が高い第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に形成され、窒素を主成分のひとつとして含有する導電膜から成る上部電極と、前記上部電極及び前記SiON膜を覆い、酸素を主成分のひとつとして含有する第2の絶縁膜と、前記第2の絶縁膜及び前記SiON膜の一部に形成され、前記下部電極を露出させる第1の開口部と、前記第1の開口部に形成され、前記下部電極と電気的に接続される導電部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、半導体装置に耐電圧不良及び高抵抗不良が生じにくいという効果を得ることができる。
(a)〜(g)は、キャパシタ絶縁膜としてSiON膜の単層を用いた従来のMIMキャパシタの形成プロセスを概略的に示す断面図である。 (a)〜(g)は、キャパシタ絶縁膜としてSiN膜の単層を用いた従来のMIMキャパシタの形成プロセスを概略的に示す断面図である。 (a)及び(b)は、図2のプロセスの問題点を示す断面図である。 (a)〜(h)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法における主要なプロセスを概略的に示す断面図(その1)である。 (a)〜(c)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法における主要なプロセスを概略的に示す断面図(その2)である。 (a)〜(h)は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法における主要なプロセスを概略的に示す断面図(その1)である。 (a)〜(c)は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法における主要なプロセスを概略的に示す断面図(その2)である。
《1》第1の実施形態
図4(a)〜(h)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法における主要なプロセスを概略的に示す断面図(その1)であり、図5(a)〜(c)は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法における主要なプロセスを概略的に示す断面図(その2)である。
MIMキャパシタの形成に際しては、図4(a)に示されるように、半導体素子及び/又は多層配線層などが形成された半導体基板としてのシリコン基板401上に、窒素を主成分のひとつとして含有する下部電極402を形成する。下部電極402は、AlとTi化合物の積層膜、例えば、Ti/TiN/Al/TiN膜であり、例えば、スパッタ法を用いて形成される。Ti/TiN/Al/TiN膜は、チタン(Ti)膜402a、窒化チタン(TiN)膜402b、アルミニウム(Al)膜402c、及び窒化チタン(TiN)膜402dを、下から順に重ねた積層膜である。
次に、図4(b)に示されるように、下部電極402上に、絶縁膜であるSiON膜403を形成し、次に、図4(c)に示されるように、SiON膜403の表面上に、SiON膜403よりも誘電率が高い絶縁膜404を形成する。絶縁膜404は、窒素を主成分のひとつとして含有する絶縁膜、例えば、SiN膜である。SiON膜403は、例えば、CVD法により堆積する。絶縁膜404は、例えば、CVD法により堆積する。絶縁膜404を、SiNで形成したときには、キャパシタ絶縁膜は、SiON/SiN膜からなる積層膜となる。SiON膜403の膜厚及び絶縁膜404の膜厚は、MIMキャパシタの容量、要求される耐電圧性能、希望する製造歩留り等に応じて決定する。
表1に、SiONの比誘電率が5.4であり、SiNの比誘電率が8であり、MIMキャパシタの容量を1[fF/μm]とする場合の、SiON膜403の膜厚[nm]、絶縁膜としてのSiN膜404の膜厚[nm]、並びに、SiON膜403とSiN膜404との積層膜から成るキャパシタ絶縁膜のトータル膜厚[nm](すなわち、SiON膜403の膜厚とSiN膜404の膜厚との合計)の例を、実施例1〜4として示す。表1には、SiON膜(単層)のキャパシタ絶縁膜でMIMキャパシタの容量1[fF/μm]を実現するための膜厚[nm](比較例1)とSiN膜(単層)のキャパシタ絶縁膜でMIMキャパシタの容量1[fF/μm]を実現するための膜厚[nm](比較例2)をも示す。
Figure 2013191764
また、表2に、SiONの比誘電率が5.4であり、SiNの比誘電率が8であり、MIMキャパシタの容量を1.5[fF/μm]とする場合の、SiON膜403の膜厚[nm]、絶縁膜としてのSiN膜404の膜厚[nm]、並びに、SiON膜403とSiN膜404との積層膜から成るキャパシタ絶縁膜のトータル膜厚[nm](すなわち、SiON膜403の膜厚とSiN膜404の膜厚との合計)の例を、実施例5〜8として示す。表2には、SiON膜(単層)のキャパシタ絶縁膜でMIMキャパシタの容量1.5[fF/μm]を実現するための膜厚[nm](比較例3)とSiN膜(単層)のキャパシタ絶縁膜でMIMキャパシタの容量1.5[fF/μm]を実現するための膜厚[nm](比較例4)をも示す。
Figure 2013191764
また、表3に、SiONの比誘電率が5.4であり、SiNの比誘電率が8であり、MIMキャパシタの容量を2[fF/μm]とする場合の、SiON膜403の膜厚[nm]、絶縁膜としてのSiN膜404の膜厚[nm]、並びに、SiON膜403とSiN膜404との積層膜から成るキャパシタ絶縁膜のトータル膜厚[nm](すなわち、SiON膜403の膜厚とSiN膜404の膜厚との合計)の例を、実施例9〜11として示す。表3には、SiON膜(単層)のキャパシタ絶縁膜でMIMキャパシタの容量2[fF/μm]を実現するための膜厚[nm](比較例5)とSiN膜(単層)のキャパシタ絶縁膜でMIMキャパシタの容量2[fF/μm]を実現するための膜厚[nm](比較例6)をも示す。
Figure 2013191764
SiN膜404の膜厚を、SiON膜403の膜厚よりも厚く形成する場合(例えば、実施例1,2,5,6,9)には、SiN膜の膜厚を19[nm]以上とすることができるので、SiN膜404の形成プロセスにおける膜厚制御が容易になる。ただし、SiON膜403の膜厚が薄くなるので、図4(e)のエッチングにおいて、MIMキャパシタ形成領域406以外のSiON膜403を残留させるプロセスの制御が難しくなり、製造歩留りの低下するおそれがある。
逆に、SiN膜404の膜厚を、SiON膜403の膜厚よりも薄く形成する場合(例えば、実施例3,4,7,8,10,11)には、SiN膜の膜厚が薄くなる(例えば、実施例11では、4[nm])となるので、SiN膜404の形成プロセスにおける膜厚制御が困難になる。ただし、SiON膜403の膜厚が厚くなるので、図4(e)のエッチングにおいて、MIMキャパシタ形成領域406以外のSiON膜403を残留させるプロセスの制御が容易になり、製造歩留りの向上を図ることができる。
次に、図4(d)に示されるように、SiN膜404上に、窒素を主成分のひとつとして含有する導電膜である上部電極405を形成する。上部電極405は、例えば、TiN膜であり、例えば、スパッタ法を用いて形成する。
次に、図4(e)に示されるように、リソグラフィー及びドライエッチング(第1のエッチングであり、絶縁膜404がSiNの場合には、窒素を主成分のひとつとして含有する膜の除去を行うことができるエッチング液を用いる処理)によって、上部電極405のパターニングを行う。このパターニングにおいては、上部電極405の内の、MIMキャパシタを形成したい箇所(MIMキャパシタ形成領域406)以外の部分を除去するとともに、SiN膜404のMIMキャパシタ形成領域406以外の部分を除去して、SiN膜404を、パターニング後の上部電極405に応じたパターンにする。このとき、SiN膜404の下のSiON膜403は、残留させる。このため、下部電極402の一部を構成するTi膜402a及びTiN膜402bはエッチングされない。
次に、図4(f)に示されるように、下部電極402を加工する際のリソグラフィー工程において反射防止膜の一部を構成するSiON膜407を成膜する。SiON膜407は、絶縁膜403として成膜したSiON膜と同一の膜種とする。この結果、SiON膜407とSiON膜403の積層構造が、下部電極402を加工する際のリソグラフィー工程における反射防止膜となる。
次に、図4(g)に示されるように、下部電極402を、リソグラフィー及びドライエッチングを用いてパターニングする。
次に、図4(h)に示されるように、層間絶縁膜としてのシリコン酸化膜410及び411を形成する。
次に、図5(a)に示されるように、例えば、リソグラフィー及びドライエッチングを用いて、シリコン酸化膜410及び411に、ビア412を形成する。図示の例では、ビア412は、上部電極405に達する開口、及び、下部電極402のTiN膜402bに達する開口を含み、ビア412は、下部電極402のAl膜402cに達しないようにする。
次に、図5(b)に示されるように、ビア412内に、導電部としてのプラグ413を埋め込む。プラグ413は、例えば、タングステン(W)で形成される。
次に、図5(c)に示されるように、プラグ413に電気的に接続される上層配線414を形成する。上層配線414の構造は、下部電極402の構造と同じ構造とすることができる。図5(c)の構造は、第1の実施形態に係る半導体装置の構造でもある。
第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置によれば、表1〜3に示されるように、キャパシタ絶縁膜のトータル膜厚(すなわち、MIMキャパシタ形成領域406における、SiON膜403の膜厚とSiN膜404の膜厚の合計)は、キャパシタ絶縁膜をSiON膜の単層とした場合(比較例1,3,5)よりも厚く設定できるため、MIMキャパシタを高容量とするために、キャパシタ絶縁膜のトータル膜厚を薄くした場合であっても、耐電圧不良の問題は発生し難い。
また、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置によれば、上部電極405のパターニング時に、SiON膜403が残留し、下部電極402の一部を構成するTiN膜402dがエッチングされないので、キャパシタ絶縁膜をSiN膜の単層とした場合(比較例2,4,6)のように、ビア412の開口時において、ビア412の先端が、下部電極402の一部を構成するAl膜402c内にまで達する状況(すなわち、ビアの突き抜け)によるビア高抵抗不良(図3(b))や、MIMキャパシタの直ぐ横の下部電極402に発生する凹部(抉れ)による耐電圧不良(図3(a)及び(b))の問題は発生し難い。
《2》第2の実施形態
図6(a)〜(h)は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法における主要なプロセスを概略的に示す断面図(その1)であり、図7(a)〜(c)は、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法における主要なプロセスを概略的に示す断面図(その2)である。図6(a)〜(h)において、図4(a)〜(h)における構造と同一又は対応する構造には、同じ符号を付す。また、図7(a)〜(c)において、図5(a)〜(c)における構造と同一又は対応する構造には、同じ符号を付す。
第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法は、キャパシタ絶縁膜を構成するSiON膜503及びその上に備えられるSiN膜504を形成するプロセスが、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法と相違する。
MIMキャパシタの形成に際しては、図6(a)に示されるように、シリコン基板401上に下部電極402を形成する。次に、図6(b)に示されるように、下部電極402上に、絶縁膜であるSiON膜503を形成する。SiON膜503は、例えば、CVD法により形成する。引き続き、SiON膜503の表面を真空チャンバー内のNHプラズマ処理により窒化することにより、SiON膜503の表面にSiN膜504を形成する。このときの表面窒化処理は、CVDチャンバー内で、SiON膜503の成膜処理と連続で処理ができる。例えば、CVDチャンバー内のガス流量を、モノシラン(SiH)200[sccm](SCCM:standard cubic centimeter per minute、標準状態(0℃,1atm))、亜酸化窒素(NO)350[sccm]とし、RFプラズマ装置のRF電力を300[W]とし、CVDチャンバー内圧力を3[Torr]として、SiON膜503を成膜し、引き続き、同一CVDチャンバー内の連続シーケンスで、CVDチャンバー内のガス流量をアンモニア(NH)1000[sccm]とし、RFプラズマ装置のRF電力を300[W]としてSiON膜503の表面を窒化する。このような処置により、キャパシタ絶縁膜として、SiON膜503上にSiN膜504を備えたSiON/SiN膜(積層膜)を形成する。窒化処理後のSiON膜503の膜厚とSiN膜504の膜厚は、第1の実施形態と同様に、MIMキャパシタの容量、要求される耐電圧性能、希望する製造歩留り等に応じて決定する。
SiN膜504の膜厚を、SiON膜503の膜厚よりも厚く形成する場合(例えば、実施例1,2,5,6,9)には、SiN膜504の膜厚を19[nm]以上とすることができる。ただし、この場合には、SiON膜503の膜厚が薄くなるので、図6(e)のエッチングにおいて、MIM形成領域506以外のSiON膜503を残留させるプロセスの制御が難しくなり、製造歩留りが低下するおそれがある。
逆に、SiN膜504の膜厚を、SiON膜503の膜厚よりも薄く形成する場合(例えば、実施例3,4,7,8,10,11)には、SiN膜の膜厚が薄くなるが、窒化処理によってSiN膜504を形成するので、SiN膜504の形成プロセスにおける膜厚制御は容易である。また、この場合には、SiON膜503の膜厚が厚くなるので、図6(e)のエッチングにおいて、MIMキャパシタ形成領域406以外のSiON膜503を残留させるプロセスの制御が容易になり、製造歩留りの向上を図ることができる。
次に、図6(d)に示されるように、SiN膜504上に、窒素を主成分のひとつとして含有する導電膜である上部電極405を形成する。上部電極405は、例えば、TiN膜であり、例えば、スパッタ法を用いて形成する。
次に、図6(e)に示されるように、上部電極405のパターニングを行う。このパターニングにおいては、上部電極405の内の、MIMキャパシタ形成領域406以外の部分を除去するとともに、SiN膜504のMIMキャパシタ形成領域406以外の部分を除去して、SiN膜504を、パターニング後の上部電極405に応じたパターンにする。このとき、SiN膜504の下のSiON膜503は、MIMキャパシタ形成領域406以外においても残留させる。このため、下部電極402の一部を構成するTiN膜402dはエッチングされない。
次に、図6(f)に示されるように、SiON膜407を成膜し、図6(g)に示されるように、下部電極402を、パターニングし、図6(h)に示されるように、層間絶縁膜410、シリコン酸化膜411を形成する。
次に、図7(a)に示されるように、例えば、リソグラフィー及びドライエッチングを用いて、層間絶縁膜410及びシリコン酸化膜411に、ビア412を形成し、図7(b)に示されるように、ビア412内に、導電部としてのプラグ413を埋め込み、図7(c)に示されるように、プラグ413に電気的に接続される上層配線414を形成する。図7(c)の構造は、第2の実施形態に係る半導体装置の構造である。
第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置によれば、キャパシタ絶縁膜のトータル膜厚(すなわち、MIMキャパシタ形成領域406における、SiON膜503の膜厚とSiN膜504の膜厚の合計)は、キャパシタ絶縁膜をSiON膜の単層とした場合よりも厚く設定できるため、MIMキャパシタを高容量とするために、キャパシタ絶縁膜のトータル膜厚を薄くした場合であっても、耐電圧不良の問題は発生し難い。
また、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置によれば、上部電極405のパターニング時に、SiON膜503が残留し、下部電極402の一部を構成するTiN膜402dがエッチングされないので、キャパシタ絶縁膜をSiN膜の単層とした場合のように、ビア高抵抗不良(図3(b))や、耐電圧不良(図3(a)及び(b))の問題は発生し難い。
さらに、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置によれば、キャパシタ絶縁膜におけるSiN膜504を、第1の実施形態におけるSiN膜404より、安定して薄膜(5[nm]以下程度)に形成できる。これは、第1の実施形態に係る製造方法によってSiON膜上に、SiNを堆積させてSiN膜を形成するCVDプロセスでは、処理時間が非常に短い(1[sec]以下)ために、膜厚制御が困難であるが、第2の実施形態に係る製造方法のように、表面窒化処理によりSiN膜を形成すれば、SiN膜の膜厚制御が容易且つ正確になるからである。キャパシタ絶縁膜の一部を構成するSiN膜504を薄膜に形成することにより、上部電極405加工時のSiN膜504除去において加工が容易となる。これにより下部電極402のTiN膜の消失リスクが少なくなり、歩留まりが向上する。
《3》変形例
第1の実施形態では、絶縁膜404がSiN膜である場合を説明したが、SiN膜に代えて、他の高誘電材料の膜、例えば、酸化タンタル(TaO)膜を用いてもよい。
401 シリコン基板(半導体基板)、 402 下部電極、 402a Ti膜、 402b TiN膜、 402c Al膜、 402d TiN膜、 403,503 SiON膜、 404,504 SiN膜(第1の絶縁膜)、 405 上部電極、 406 MIMキャパシタ形成領域、 407 SiON膜(第2の絶縁膜)、 410,411 層間絶縁膜(シリコン酸化膜)、 412 ビア、 413 プラグ、 414 上層配線。

Claims (16)

  1. 半導体基板上に、窒素を主成分のひとつとして含有する下部電極を形成する工程と、
    前記下部電極上に、SiONを堆積させてSiON膜を形成する工程と、
    前記SiON膜の表面上に、前記SiON膜よりも誘電率が高い第1の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1の絶縁膜上に、窒素を主成分のひとつとして含有する導電膜を形成する工程と、
    第1のエッチングにより、前記導電膜及び前記第1の絶縁膜をパターニングして、該パターニング後の前記導電膜から上部電極を形成するとともに、前記SiON膜を露出させる工程と、
    前記上部電極及び露出した前記SiON膜を覆うように、酸素を主成分のひとつとして含有する物質を堆積させて第2の絶縁膜を形成する工程と、
    酸素を主成分のひとつとして含有する物質の除去を行うことができる第2のエッチングにより、前記第2の絶縁膜及び前記SiON膜の一部を除去して、前記下部電極を露出させる第1の開口部を形成する工程と、
    前記第1の開口部に、前記下部電極と電気的に接続される導電部を形成する工程と
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1の絶縁膜を形成する工程は、前記SiON膜の表面上に、窒素を主成分のひとつとして含有する絶縁膜を形成する工程を含み、
    前記第1のエッチングは、窒素を主成分のひとつとして含有する物質の除去を行うことができるエッチング液による処理を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記SiON膜を形成する工程は、第1のCVDプロセスによりSiONを堆積させる工程を含み、
    前記窒素を主成分のひとつとして含有する絶縁膜を形成する工程は、第2のCVDプロセスによりSiNを堆積させる工程を含み、
    前記第2の絶縁膜を形成する工程は、第3のCVDプロセスによりSiONを堆積させる工程を含む
    ことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第1の絶縁膜を形成する工程は、前記SiON膜の表面に窒化処理を施すことによってSiN膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記SiON膜を形成する工程は、第1のCVDプロセスによりSiONを堆積させる工程を含み、
    前記SiN膜を形成する工程は、NHプラズマ処理により前記SiON膜の表面を窒化する工程を含み、
    前記第2の絶縁膜を形成する工程は、第2のCVDプロセスによりSiONを堆積させる工程を含む
    ことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記第1の絶縁膜を形成する工程において、前記第1の絶縁膜の膜厚を、前記SiON膜の膜厚よりも厚く形成することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記第1の絶縁膜を形成する工程において、前記第1の絶縁膜の膜厚を、前記SiON膜の膜厚よりも薄く形成することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記下部電極は、TiN膜を含むことを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記上部電極は、TiN膜を含むことを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成され、窒素を主成分のひとつとして含有する下部電極と、
    前記下部電極上に形成されたSiON膜と、
    前記SiON膜の表面上の一部に備えられ、前記SiON膜よりも誘電率が高い第1の絶縁膜と、
    前記第1の絶縁膜上に形成され、窒素を主成分のひとつとして含有する導電膜から成る上部電極と、
    前記上部電極及び前記SiON膜を覆い、酸素を主成分のひとつとして含有する第2の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜及び前記SiON膜の一部に形成され、前記下部電極を露出させる第1の開口部と、
    前記第1の開口部に形成され、前記下部電極と電気的に接続される導電部と
    を有することを特徴とする半導体装置。
  11. 前記第1の絶縁膜は、前記SiON膜の表面上に形成されたSiN膜であることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
  12. 前記第1の絶縁膜は、前記SiON膜の表面を窒化することによって形成されたSiN膜であることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
  13. 前記第1の絶縁膜の膜厚は、前記SiON膜の膜厚よりも厚いことを特徴とする請求項10から12までのいずれか1項に記載の半導体装置。
  14. 前記第1の絶縁膜の膜厚は、前記SiON膜の膜厚よりも薄いことを特徴とする請求項10から12までのいずれか1項に記載の半導体装置。
  15. 前記下部電極は、TiN膜を含むことを特徴とする請求項10から14までのいずれか1項に記載の半導体装置。
  16. 前記上部電極は、TiN膜を含むことを特徴とする請求項10から15までのいずれか1項に記載の半導体装置。
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