JP2013191366A - 蓄電装置および車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 蓄電装置は、負極端子と、負極電極と、導電板54を備えている。導電板54は、負極端子と負極電極の双方に電気的に接続している。導電板54の材料は銅又は銅合金である。導電板54を平面視したときに、負極端子に電気的に接続されている第1領域と、負極電極に電気的に接続されている第2領域との間に、導電板54の金属粒子よりも小径の銅又は銅合金が堆積している堆積部55が設けられている。堆積部55は、蓄電装置の内圧が上昇したときに、破断起点となる。また、堆積部55は、第1領域を囲っている。
【選択図】図2
Description
実施例で開示する技術は、負極端子と負極電極の双方に、電流遮断構造が電気的に接続されている蓄電装置に適用することができる。この蓄電装置の製造方法は、銅又は銅合金からなる導電板の表層の一部に、導電板の金属粒子(銅又は銅合金からなる粒子)よりも小径の銅又は銅合金を、銅又は銅合金の融点よりも低温で堆積させて破断起点となる堆積部を形成する堆積工程を備えていてもよい。また、負極端子と導電板の第1領域とを電気的に接続し、負極電極と導電板の第2領域とを電気的に接続する接続工程を備えていてもよい。堆積工程では、堆積部を、第1領域と第2領域の少なくとも一方を囲うように形成してもよい。あるいは、堆積部を、第1領域と第2領域を結ぶ線と交差するとともに、両端が導電板の端部に達する線を形成する状態に形成してもよい。
堆積工程では、導電板の表層の一部に、融点よりも低温で導電板の金属粒子よりも小径の銅又は銅合金を吹き付けてもよい。銅合金等を吹き付ける方法の一例として、パウダージェットデポジション法、コールドスプレー法等が挙げられる。これらの方法では、融点よりも低温の銅合金等の粒子(以下、単に、銅粒子と称することがある)を、不活性ガスとともに導電板に高速で吹き付ける。吹き付けられる銅粒子は、圧縮力が加えられた状態で導電板上に堆積する。銅粒子が堆積していない部分では、導電板の金属粒子の形状は変化しない。そのため、堆積した銅粒子には引張応力が残存する。銅粒子が堆積した部分(堆積部)は、蓄電装置内の圧力が上昇したときに破断の起点となり得る。
堆積工程で銅粒子を吹き付ける方法を採用する場合、導電板の表層の一部に溝を形成し、その溝に向けて銅粒子を吹き付けてもよい。これによって、引張応力が残存している堆積部を、導電板の内部に設けることができる。このようにして製造された蓄電装置は、蓄電装置内の圧力が上昇したときに、導電板が破断しやすい。蓄電装置内の圧力が上昇したときに、端子間(正極端子と負極端子)に流れる電流をより確実に遮断することができる。
堆積工程では、導電板の表層の一部分を、圧力を加えながら融点よりも低温で軟化させてもよい。すなわち、導電板を構成していた金属粒子が、軟化した後に硬化することにより微粒化され、堆積部が配置されてもよい。このようにして形成された堆積部の銅粒子は、導電板を構成していた金属粒子よりも小径となる。なお、導電板を軟化させる方法の一例として、摩擦圧接(FW:Friction Welding)、摩擦攪拌接合(FSW:Friction Stir Welding)等が挙げられる。これらの方法で銅を軟化させると、軟化した銅は、圧縮力が加えられた状態で導電板上に堆積する。その結果、堆積した銅粒子に引張応力が残存し、蓄電装置内の圧力が上昇したときに破断の起点となり得る。
蓄電装置は、負極端子と、負極電極と、負極端子と負極電極の双方に電気的に接続されている導電板を備えていてもよい。導電板の材料は、銅又は銅合金であってもよい。また、導電板を平面視したときに、負極端子に電気的に接続されている第1領域と、負極電極に電気的に接続されている第2領域との間に、導電板の金属粒子よりも小径の銅又は銅合金が堆積している堆積部が設けられていてもよい。堆積部は、蓄電装置内の圧力が上昇したときの破断起点になり得る。この堆積部は、第1領域と第2領域の少なくとも一方を囲う形態であってもよい。あるいは、第1領域と第2領域を結ぶ線と交差するとともに、両端が導電板の端部に達する線を形成する形態であってもよい。
導電板を平面視したときに、堆積部が、第1領域と第2領域の少なくとも一方を囲っていてもよい。堆積部が破断したときに、第1領域と第2領域が分断されやすい。蓄電装置内の圧力が上昇したときに、負極端子に接続されている第1リードと負極電極に接続されている第2リードとが非導通になりやすい。
導電板を平面視したときに、堆積部が、第1領域と第2領域の少なくとも一方を、連続した線の形状を有して囲っていてもよい。すなわち、導電板の金属粒子よりも小径の銅又は銅合金が堆積している堆積部が、線状に連続して、第1領域と第2領域の少なくとも一方を囲っていてもよい。堆積部が破断したときに、第1領域、及び/又は、第2領域が導電板から確実に分断される。そのため、第1リードと第2リードがより非導通になりやすい。
堆積部が、導電板の表面から突出していてもよい。すなわち、堆積部が設けられた部分の導電板の厚みが、堆積部が形成されていない部分の導電板の厚みより厚くてもよい。堆積部が設けられた部分の電流経路が、堆積部以外の導電板の電流経路より狭くなることを確実に防止することができる。
一端が導電板の第1領域に接続されているとともに他端が負極端子に接続される第1リードと、一端が導電板の第2領域に接続されているとともに他端が負極電極に接続される第2リードを備えていてもよい。この場合、第1リードが導電板の表面に接触しており、第2リードが導電板の裏面に接触していてもよい。すなわち、第1リードが、第2リードが接触している面とは反対側の面で導電板に接触していてもよい。この形態によると、第1リードは負極端子に接続され、第2リードは電池構造体の負極電極に接続される。また、電流遮断構造(導電板)は、負極端子と電池構造体の間に配置される。導電板に対して第1リードと第2リードが異なる面で接触することにより、第1リードと第2リードが分断されたときに、第1リードと第2リードが接触することを抑制することができる。
第1リードが中央に突出部が形成された反転板有していてもよい。この場合、反転板の突出部の先端部が、導電板の第1領域に固定されていてもよい。「反転板」とは、反転板の表裏面の差圧により、突出部が突出する向きが変化するものであり、一例としてダイアフラムが挙げられる。この形態によると、突出部の周囲の導電板が破断することにより、突出部が導電板から離れる方向に移動する。その結果、第1リードと第2リードが接触することを抑制することができる。
蓄電装置の一例として、二次電池、キャパシタ等が挙げられる。二次電池の一例として、セパレータを介して対向する電極対(正極電極及び負極電極)を有するセルが複数積層された積層タイプの二次電池、セパレータを介して対向する電極対を有するシート状のセルが渦巻状に加工された捲回型の二次電池、1枚の電極集電体の片面に正極活物質が塗布されており他方の面に負極活物質が塗布されているバイポーラ電池等が挙げられる。
図1を参照し、第1実施形態の蓄電装置100の構造を説明する。蓄電装置100は、ケース4と、電極構造体2と、負極端子30と、正極端子10と、電流遮断構造50を備えている。ケース4は、金属製であり、略直方体形状である。ケース4の内部には、電極構造体2と電流遮断構造50が収容されている。電流遮断構造50は、負極端子30と、電極構造体2の負極電極の間に接続されている。
電極構造体2は、正極電極と、負極電極と、正極電極と負極電極の間に介在しているセパレータを備えている。正極電極、負極電極及びセパレータの図示は省略する。正極電極は、正極集電体と、正極集電体上に形成されている正極活物質層を有する。正極電極には、正極集電タブ26が固定されている。正極集電タブ26は、正極活物質層が塗布されていない正極集電体に相当する。負極電極は、負極集電体と、負極集電体上に形成されている負極活物質層を有する。負極電極には、負極集電タブ46が固定されている。負極集電タブ46は、負極活物質層が塗布されていない負極集電体に相当する。なお、活物質層に含まれる材料(活物質、バインダ、導電助剤等)には特に制限がなく、公知の蓄電装置等の電極に用いられる材料を用いることができる。
図1及び図2に示すように、電流遮断構造50は、第1負極リード44と、導電板54と、第2負極リード45と、絶縁性を有する支持部材52を備えている。第1負極リード44、導電板54及び第2負極リード45の材料は、銅である。第1負極リード44は、ダイアフラム56を備えている。ダイアフラム56は、反転板の一例である。なお、ダイアフラム56の材料も銅である。電流遮断構造50は、負極端子30と負極集電タブ(負極電極)46の間に接続されている。支持部材52が、ダイアフラム56と導電板54を支持している。ダイアフラム56の導電板54側(以下、ダイアフラム56の下側と称す)の端部は、支持部材52によって、導電板54から絶縁されている。第1負極リード44、導電板54、第2負極リード45及びダイアフラム56に用いられている銅は無酸素銅であり、導電率は100〜103%IACSである。なお、無酸素銅に代えて、タフピッチ銅(96〜101%IACS)、リン脱酸銅(83〜88%IACS)、銀入り銅(98%IACS)、錫入り銅(65%IACS)、クロム入り銅(80%IACS)及びジルコニウム銅(85%IACS)等を用いることもできる。
図8及び図9に示すように、蓄電装置200では、電流遮断構造250の形態が、蓄電装置100と相違する。電流遮断構造250は、第1負極リード244と、導電板254と、第2負極リード245と、絶縁性を有する支持部材252を備えている。第1負極リード244は、導電板254の表面に接触している。第1負極リード244は、ダイアフラムを有していない(図2及び図9を参照)。第2負極リード245は、導電板254の裏面に接触している。第1負極リード244が導電板254に接触する第1領域244aと、第2負極リード245が導電板254に接触する第2領域245aの間には隙間が設けられている。なお、第1負極リード244、導電板254及び第2負極リード245の材料は、銅である。
正極集電体として、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、ステンレス鋼又はそれらの複合材料を用いることができる。特に、アルミニウム又はアルミニウムを含む複合材料であることが好ましい。
正極活物質は、リチウムイオンが侵入及び脱離可能な材料であればよく、Li2MnO3、Li(NiCoMn)0.33O2、Li(NiMn)0.5O2、LiMn2O4、LiMnO2、LiNiO2、LiCoO2、LiNi0.8Co0.15Al0.05O2、Li2MnO2、LiMn2O4等を使用することができる。また、正極活物質としてリチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、あるいは、硫黄などを用いることもできる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。正極活物質は、必要に応じて導電材,結着剤等とともに正極集電体に塗布される。
負極集電体として、銅(Cu)又は銅を含む複合材料(銅合金)を使用することが好ましい。銅は高い導電性を有しており、負極集電体の電気抵抗を低減することができる。
負極活物質として、リチウムイオンが侵入及び脱離可能な材料を用いる。リチウム(Li)、ナトリウム(Na)等のアルカリ金属、アルカリ金属を含む遷移金属酸化物、天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、高配向性グラファイト、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料、シリコン単体又はシリコン含有合金又はシリコン含有酸化物を使用することができる。なお、負極活物質は、電池容量を向上させるため、リチウム(Li)を含まない材料であることが特に好ましい。負極活物質は、必要に応じて導電材,結着剤等とともに負極集電体に塗布される。
セパレータは、絶縁性を有する多孔質を用いる。セパレータとして、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、あるいは、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布または不織布を使用することができる。
電解液は、非水系の溶媒に支持塩(電解質)を溶解させた非水電解液であることが好ましい。非水系の溶媒として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状エステルを含んでいる溶媒、酢酸エチル、プロピロン酸メチルなどの溶媒、又はこれらの混合液を使用することができる。また、支持塩(電解質)として、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6等を使用することができる。
30:負極端子
44:第1負極リード
45:第2負極リード
46:負極集電タブ(負極電極)
54:導電板
55:堆積部
100:蓄電装置
Claims (12)
- 負極端子と負極電極の双方に、導電板を有する電流遮断構造が電気的に接続されている蓄電装置の製造方法であり、
銅又は銅合金からなる前記導電板の表層の一部に、前記導電板の金属粒子よりも小径の銅又は銅合金を、前記銅又は銅合金の融点よりも低温で堆積させて破断起点となる堆積部を形成する堆積工程と、
前記負極端子と前記導電板の第1領域とを電気的に接続し、前記負極電極と前記導電板の第2領域とを電気的に接続する接続工程と、を備えており、
前記堆積工程では、前記堆積部を、前記第1領域と前記第2領域の少なくとも一方を囲うか、又は前記第1領域と前記第2領域を結ぶ線と交差するとともに両端が前記導電板の端部に達する線を形成する状態に形成する、蓄電装置の製造方法。 - 前記堆積工程では、前記導電板の表層の前記一部に、融点よりも低温で前記小径の銅又は銅合金を吹き付ける請求項1に記載の蓄電装置の製造方法。
- 前記堆積工程では、前記導電板の表層の前記一部に溝を形成し、その溝に向けて前記小径の銅又は銅合金を吹き付ける請求項2に記載の蓄電装置の製造方法。
- 前記堆積工程では、前記導電板の表層の一部分を、圧力を加えながら融点よりも低温で軟化させて微粒化することで、前記導電板の表層の前記一部に前記小径の銅又は銅合金を配置する請求項1に記載の蓄電装置の製造方法。
- 負極端子と、
負極電極と、
前記負極端子と前記負極電極の双方に電気的に接続されている導電板と、を備えており、
前記導電板の材料は、銅又は銅合金であり、
前記導電板を平面視したときに、前記負極端子に電気的に接続されている第1領域と、前記負極電極に電気的に接続されている第2領域との間に、前記導電板の金属粒子よりも小径の銅又は銅合金が堆積している、破断起点となる堆積部が設けられており、
前記堆積部は、前記第1領域と前記第2領域の少なくとも一方を囲うか、又は前記第1領域と前記第2領域を結ぶ線と交差するとともに両端が前記導電板の端部に達する線を形成する状態に配置されている蓄電装置。 - 前記導電板を平面視したときに、前記堆積部が、前記第1領域と前記第2領域の少なくとも一方を囲っている請求項5に記載の蓄電装置。
- 前記導電板を平面視したときに、前記堆積部が、前記第1領域と前記第2領域の少なくとも一方を、連続した線の形状を有して囲っている請求項6に記載の蓄電装置。
- 前記堆積部が、前記導電板の表面から突出している請求項5〜7のいずれか一項に記載の蓄電装置。
- 一端が前記導電板の前記第1領域に接続され、他端が前記負極端子に接続される第1リードと、
一端が前記導電板の前記第2領域に接続され、他端が前記負極電極に接続される第2リードと、を備え、
前記第1リードが前記導電板の表面に接触しており、
前記第2リードが前記導電板の裏面に接触している請求項5〜8のいずれか一項に記載の蓄電装置。 - 前記第1リードが中央に突出部が形成された反転板を有しており、
前記反転板の前記突出部の先端部が、前記導電板の前記第1領域に固定されている請求項5〜9のいずれか一項に記載の蓄電装置。 - 請求項5〜10のいずれか一項に記載の蓄電装置の構造を備えた二次電池。
- 請求項5〜10のいずれか一項に記載の蓄電装置を搭載した車両。
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