JP2002117823A - 密閉型電池の安全装置及びそれを用いた密閉型電池 - Google Patents

密閉型電池の安全装置及びそれを用いた密閉型電池

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shielding plate
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pressure
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宏明 河村
Akira Kaneko
彰 金子
Kunio Nishimura
邦雄 西村
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Toyo Kohan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過充填時や短絡時に起きる急激な内圧上昇に
よる破裂を確実に防止することができ、かつ、歩留まり
の良い密閉型電池の安全装置を提供する。 【解決手段】 外装缶11の一端に取り付けられる正極
蓋16が、最内蓋を形成すると共に正極リード17を介
して電極体12の正極13に接続される受圧板18と、
中間蓋を形成すると共に中央接合部19を介して受圧板
18に電気的に接続される遮蔽板20と、最外蓋を形成
すると共に遮蔽板20に電気的に接続される封口板21
とから構成される。遮蔽板は貫通した溝を有する金属板
と、その溝を塞ぐように金属箔を積層したクラッド材か
らなり、金属板の溝周辺には凸部が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防爆機能を有する
密閉型電池の安全装置及びそれを用いた密閉型電池に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、非水電解液を使用したリチウム電
池やリチウムイオン電池等に非水電解液を用いた二次電
池が携帯電子機器等に広く使用されつつある。このよう
な二次電池は高い起電力を有するという特徴がある反
面、外装缶内に収納された正極及び負極を備える電極体
が化学変化を起こして内圧が高くなり、破裂が生じる場
合がある。例えば、リチウム二次電池のような非水電解
液電池を過充電状態にしたり、誤使用による短絡状態に
なって大電流が流れたりすると、電極体の中の非水電解
液が分解されてガスが発生する場合がある。このような
ガスが外装缶内に次第に充満し、外装缶内の内圧が上昇
すると、最後には電池が破裂する。
【0003】このような電池の破裂を防止するため、従
来においても、各種形態の密閉型電池が開発されてお
り、その一形態として、スコア加工を行った平板状、あ
るいは金属箔と金属板のクラッド材を遮蔽板として取り
付けたものが知られている。これは、外装缶の一端に取
り付けられる正極蓋を、最内蓋を形成すると共に正極リ
ードを介して電極体の正極に接続される金属製受圧板
と、中間蓋を形成すると共に中央溶着部を介して金属製
受圧板に電気的に接続される金属製遮蔽板と、最外蓋を
形成すると共に金属製遮蔽板に電気的に接続される金属
製キャップ端子とから構成されている。上記した構成に
よって、電池内圧が上昇した時に、中央溶着部を破断さ
せることにより金属製受圧板と金属製遮蔽板の電気的接
続を遮断すると共に、金属製遮蔽板のスコア加工部が破
壊されることにより電池内部のガスを外部に排出し、電
池の破裂を未然に防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の密
閉型電池は、未だ、以下の解決すべき課題を有してい
た。すなわち、金属製遮蔽板のスコア加工部は厚みが一
定せず、そのため一定した電池内圧でのスコア加工部の
破断ができない。また、スコア加工部に数ミクロンの深
さの疵が入ると、スコア加工部の厚みが薄くなればなる
ほど、この疵部の深さが破断圧力に大きく影響する。す
なわち、密閉型電池ごとに遮蔽板の破断する電池の内圧
がばらつくことになる。その結果、密閉型電池の安全性
への信頼性を著しく損なうことになる。また、金属箔と
金属板のクラッド材では、低圧力での作動圧に設定する
場合、極薄い金属箔を用いるため、クラッド材製造時に
しわができ易くなり歩留まりが悪い。更に、金属箔が薄
いため、金属箔表面の疵の深さに対して作動圧が変化し
やすく、電解液による孔食に対しても耐性が弱くなると
いう問題点がある。
【0005】本発明は、このような課題を解決しようと
するものであり、電池内圧が一定以上に上昇すると確実
に遮蔽板の弁膜が破断して、電池の爆発を防ぐことがで
き、密閉型電池の安全を十分に確保でき、且つクラッド
材製造時の歩留まりを向上させることができる、密閉型
電池の安全装置及び該安全装置を具備する密閉型電池を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る密閉型電池の安全装置は、外装缶の一端
に取り付けられる正極蓋を、最内蓋を形成すると共に正
極リードを介して電極体の正極に接続される受圧板と、
中間蓋を形成すると共に中央接合部を介して前記受圧板
に電気的に接続される遮蔽板と、最外蓋を形成すると共
に前記遮蔽板に電気的に接続される封口板とから構成
し、前記受圧板にガス流通孔を設け、前記外装缶の内部
空間を前記受圧板と前記遮蔽板との間に形成される接合
部動作空間と連通し、前記中央接合部を、前記受圧板の
中央部から前記遮蔽板に向けて突出すると共に第1の平
坦接合面を有する円筒状の突起と、前記遮蔽板の中央部
に設けられ前記円筒状の突起の第1の平坦接合面が接合
する第2の平坦接合面から形成し、前記遮蔽板を構成し
ている金属板の第2の平坦接合面の周りに貫通孔を設
け、該貫通孔周辺の受圧板側面端部が凸状端部に形成さ
れ、前記金属板に前記貫通孔を塞ぐように金属箔を接合
してなり、該金属箔が前記貫通孔の凸状端部に対応する
部分では凹状になった凹部を有する弁膜を形成し、前記
外装缶内の圧力が設定電流遮断圧力を超えると、前記受
圧板の第1の平坦接合面の接合部が破断して、前記受圧
板と前記遮蔽板との電気的接続が遮断され、前記電流遮
断外装缶内の圧力が設定膜破断圧力を超えると前記弁膜
の凹部が破断されるようにしたことを特徴とするもので
ある。
【0007】従って、常時は、密閉空間内において、受
圧板と遮蔽板の電気的導通は、受圧板の突起に設けた第
1の平坦接合面をスポット溶接などにより、遮蔽板の第
2の平坦接合面に接合させることによって確実に確保さ
れている。一方、電池内の内圧が急激に上昇して設定電
流遮断圧力を超えると分解ガスの圧力によって遮蔽板、
特に、遮蔽板の第2の平坦接合面では、受圧板の第1の
平坦接合面部周辺の薄膜箇所が破断することにより、受
圧板と遮蔽板の電気的導通を遮断して分解ガスのそれ以
上の発生を防止すると共に分解ガスが外部に流出するの
を防止する。受圧板の接合部の厚みは20〜400μm
程度でよい。この厚みを変えることにより、設定電流遮
断圧力を適宜決めることができる。前記遮蔽板の第2の
平坦接合面と受圧板の第1平坦接合面の接合方法は、特
に限定されないが、例えば、レーザー溶接、超音波溶接
などで一点だけ溶接すればよい。
【0008】そして、第2の平坦接合面を囲むC字状溝
の内側に設けた強度低減用溝の両端とC字状溝の両端よ
り所定距離後退した部分との間に、狭幅の折曲予定部を
形成することによって、電池内の内圧が急激に上昇して
設定電流遮断圧力を超えると、折曲形成部に沿って遮蔽
板が容易に折れ曲がり、第1の平坦接合面の接合部周辺
の材料が破断することにより、第2の平坦接合面が浮き
上がって、迅速に離れることになり望ましい。従って、
設定電流遮断圧力によって確実かつ速やかに受圧板と遮
蔽板との電気的導通を速やかに遮断することができる。
この際、遮蔽板が塑性変形するので、第2の平坦接合面
が第1の平坦接合面に再度当接するのを確実に防止する
ことができる。
【0009】次に、上記した電気的遮断にもかかわら
ず、万一、外装缶内の化学反応が進んで分解ガスが発生
し、内部圧力がさらに上昇し設定膜破断圧力を超える場
合には、遮蔽板に設けた弁膜の薄膜部分(遮蔽板の溝加
工の端部に接合した金属箔の部分)が破断することによ
って、分解ガスは受圧板に設けたガス流通孔、接合部動
作空間、弁膜、及びガス抜き穴を通して外部に放出さ
れ、密閉型電池が爆発するのを防止することができる。
【0010】前記遮蔽板は、金属箔と金属板の両者をク
ラッドしたクラッド金属板から構成するのが望ましく、
その場合弁膜は、内側環状溝と外側環状溝を被覆する金
属箔の部分によって形成されることになる。金属板の溝
部周辺の厚みは凸状にする。好ましくは、金属板の厚み
は0.2〜0.5mm程度、金属箔の厚みは、例えば2
0〜100μm程度とする。遮蔽板の構成である金属板
の溝加工の端部は周囲の厚みにより3〜50μm凸部を
作る。クラッド材に加工した後の金属板の凸部に相当す
る金属箔の厚みは、設定する破断圧力によって設定すれ
ばよい。
【0011】この遮蔽板の構成はアルミニウム/アルミ
ニウム、ニッケル/ステンレス、アルミニウム/ステン
レス、銅/銅の組み合わせで接合したクラッド材が好適
に適用できる。異なる金属の組み合わせの場合、どちら
が箔あるいは板であっても良い。クラッド材は冷間圧延
後の熱処理する方法、熱間圧延法、爆着法等の通常の方
法で作製できる。なお、冷間圧延後の熱処理する方法で
は、熱処理は凸部が焼き戻しをされる程度の熱処理条件
でよい。例えば、アルミニウムを使った場合、260℃
で4時間行う。また、このようなクラッド金属板は、例
えば、本出願人が先に特開平1−224184号公報で
開示したように、金属板と金属箔の接着界面で真空中の
アルゴンガス雰囲気中で、表面清浄化後、低圧下率での
冷間圧延で圧着する方法は、接着界面に合金などができ
ないため、安定した破断圧力を有するものが得られる。
この方法でも、圧延後、凸部が焼き戻しをされる程度の
熱処理を行う。例えば、アルミニウムを使った場合、2
60℃で4時間行う。
【0012】また、遮蔽板と封口板との間に環状板から
なるPTCサーミスタ素子が介設させることによって、
PTCサーミスタ素子によって、密閉型電池の安全装置
の温度が上昇すると共に電流を流れにくくして、この面
からも過電流による爆発を防止することができて望まし
い。上記目的を達成するためのもう一つの本発明に係る
密閉型電池は、上記した密閉型電池の安全装置を具備す
ることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図に示す一実施の実施
の形態を参照して、本発明を具体的に説明する。まず、
本発明の一実施の形態に係る密閉型電池の安全装置の構
成について、図1〜図4を参照して説明する。図1〜図
4に示すように、負極端子を兼ねる外装缶11内には電
極体12が収納されている。電極体12は、正極13、
セパレータ14及び負極15の積層物を渦巻状に巻回し
た構成になっている。そして、外装缶11の上端開口部
には、防爆機能と端子を兼ねる密閉型電池の安全装置が
設けられており、安全装置は、実質的に、以下の構成を
有する正極蓋16を、絶縁ガスケット16aを介して外
装缶11の上端開口部にカシメ固定することによって構
成されている。
【0014】図1〜図4に示すように、正極蓋16は、
実質的に、最内蓋を形成すると共に正極リード17を介
して電極体12の正極13に接続される受圧板18と、
中間蓋を形成すると共に中央接合部19を介して受圧板
18と電気的に接続される遮蔽板20と、最外蓋を形成
すると共に遮蔽板20に電気的に接続される封口板21
を具備する。また、正極蓋16は、受圧板18と遮蔽板
20との間に環状に絶縁板22を介設すると共に、遮蔽
板20と封口板21との間に環状板からなるPTCサー
ミスタ素子23を介設している。
【0015】次に、上記した構成を有する正極蓋16の
各部の構成について説明する。図1〜図4に示すよう
に、受圧板18には複数のガス流通孔24が形成されて
おり、このガス流通孔24を通して外装缶の内部空間2
5と、受圧板18と遮蔽板20との間に形成される接合
部動作空間26が連通されている。図1〜図4に示すよ
うに、受圧板18と遮蔽板20を電気的に接続する中央
接合部19は、受圧板18の中央部から遮蔽板20に向
けて突出すると共に第1の平坦接合面27を有する突起
28と、遮蔽板20の中央部に設けられ突起28の第1
の平坦接合面27が当接した第2の平坦接合面29で溶
接される。
【0016】図1〜図4に示すように、遮蔽板20の第
2の平坦接合面29の周りには、連結タブ部30を除い
て、C字状溝31が180°以上の円弧角θで同心円的
に形成されている。また、C字状溝31の内側には、C
字状溝31と対向する方向に屈曲する弧状溝からなる強
度低減用溝32が形成されている。強度低減用溝32の
両端部はC字状溝31の両端部に重合状態に配置されて
いる。そして、強度低減用溝32の両端32aとC字状
溝31の両端より所定距離後退した部分31aとの間に
は、狭幅の折曲予定部33が形成されている。なお、図
2において、33aは折曲予定線を示す。
【0017】また、本実施の形態では、図1〜図4に示
すように、遮蔽板20の受圧板側面には金属箔34が接
合されており、この金属箔34でC字状溝31と強度低
減用溝32を被覆することによってそれぞれ弁膜35、
36を形成している。金属板の溝周辺の金属板の厚みは
周囲より3〜50μm厚くする。金属箔と接合させる際
に、この凸部は金属箔を薄くし、金属箔に凹部を形成さ
せ、電池の内圧が設定圧力を超えた時にこの部分の金属
箔が破断する。すなわち、これらの弁膜35、36の凹
部厚みは、設定破断圧力(例えば、20kg/cm2
以上になると破断するように設定されている。具体的に
は、アルミニウムからなる厚肉(例えば、50μm)の
金属基板からなる遮蔽板20に金属箔34をクラッドし
てクラッド金属板を形成する場合、金属箔34として
は、例えば30μmの銅箔を用い、凹部の厚みを10μ
mとすることができる。この場合、金属箔に数ミクロン
の深さを持つ疵が入っていても、箔の破断圧力はほとん
ど影響を受けない。
【0018】中央接合部19及び遮蔽板20を上記した
構成とすることによって、外装缶11内の圧力が増大し
設定電流遮断圧力を超えると、図3に示すように、弁膜
35、36が塑性変形すると共に、強度的に最も弱い部
分である折曲予定部33に沿って遮蔽板20が上方凸の
状態で折れ曲がることになる。その結果、第2の平坦接
合面29は溶接部周辺の薄膜箇所で破断することによ
り、受圧板18の突起28に設けた第1の平坦接合面2
7から離れることになる。このように、分解ガスの圧力
が設定電流遮断圧力になると、C字状溝31と強度低減
用溝32を設けたことによって、遮蔽板20は速やかに
受圧板18から離れるので、遮蔽板20の中央部がわず
かに上昇しても遮蔽板20は受圧板18から完全に離れ
ることになり、確実にかつ迅速に受圧板18と遮蔽板2
0の電気的導通を遮断することができる。更に、電池内
の圧力が上昇しても、遮蔽板の凹状の金属箔が破断して
電池の爆発を防ぐ。
【0019】次に、上記した構成を有する密閉型電池の
安全装置の作動について、図1〜図4を参照して説明す
る。上記した密閉型電池において、例えば、過充電状態
により大電流が流れると、この大電流により外装缶11
内に腐食性の高い分解ガスが発生し、外装缶11内の圧
力が増大し、そのまま放置すると、密閉型電池が爆発す
ることになる。しかし、本実施の形態では、外装缶11
内の分解ガスの圧力が設定電流遮断圧力を超えると、図
1に示すように分解ガスが接合部動作空間26に流入
し、遮蔽板20の第2の平坦接合面29は破断して、受
圧板18の突起28上に形成した第1の平坦接合面27
から速やかに離し、受圧板18と遮蔽板20との電気的
導通が速やかに遮断する。更に、万一、上記した電気的
導通の遮断にもかかわらず分解ガスがそれ以上発生して
も、金属箔の凹部が破断して、爆発するのを確実に防止
することができる。
【0020】このように、本実施の形態に係る密閉型電
池の安全装置を用いることによって、電流遮断及び分解
ガスの電池外部への放出を確実に行うことができ、密閉
型電池の破裂を未然に防止することができる。また、図
1〜図4に示すように、本実施の形態では、遮蔽板20
と封口板21との間に環状板からなるPTCサーミスタ
素子23を介設されているので、分解ガスの発生によっ
て密閉型電池の安全装置の温度が上昇すると電流を流れ
にくくして、この面からも過電流による爆発を防止する
ことができる。
【0021】さらに、図5と図6に、遮蔽板20の加工
部の断面図を示す。金属板40の貫通部周辺の凸部42
は、貫通孔(C字状溝31及び強度低減用溝32)に加
工する際に、図5に示すようにその部分を肉厚に突出形
成して凸状にしても良いし、図6のように、反対側から
張り出して加工により凸状にしても良い。
【0022】金属板40の貫通孔周辺の凸部42と金属
箔34の接合部は、クラッド材に加工するときに、図示
のように凸部42の存在により金属箔34が薄く変形し
ている。そのため、電池の異常により、電池の内部圧力
が金属箔34の薄肉部41の破断強度以上に上昇する
と、薄肉部41が破断してガスが解放される。作動圧の
設定は金属箔34の薄肉部41の厚さで決定できる。こ
のため、貫通孔周辺に凸部を有さない金属板への適用し
た場合と異なり、金属箔の厚みを厚くできる。その結
果、圧延によるクラッド作製時にしわができにくい。更
に、電解液等の腐食あるいは外的な損傷に対して耐性を
有する。即ち、金属箔に電解液による孔食が発生して
も、重大な事故となる電解液の漏液となるまでには至ら
ない密閉型電池を得ることができる。
【0023】以上本発明の一実施形態について説明した
が、本発明は前記実施形態に限定されるものでなく、そ
の技術的思想の範囲内で種々の設計変更が可能である。
例えば、前記遮蔽板の金属板に形成されるC字状溝と強
度低減用溝は前記実施形態のものに限らず、強度低減用
溝をC字状溝と対向する方向に屈曲する弧状溝から形成
し、強度低減用溝の両端部はC字状溝の両端部に重合状
態に配置してもよい。また、強度低減用溝をC字状溝の
両端より所定距離後退した部分同士を結ぶ直線状に配置
される直線状溝から形成することもでき、さらにC字状
溝の内部と外部を弧状に配列された複数の連結タブ部に
よって連結することもできる。
【0024】
【実施例】実施例1 本発明の密閉型電池の安全装置を、リチウムイオン電池
等の非水系の二次電池に適用した例を示す。遮蔽板20
を、金属板40がアルミニウム板で、厚みが0.1m
m、C字状溝31の径が3mm、凸部42の厚みが0.
13mmであり、金属箔34がアルミニウム箔であり、
厚みが0.05mmである、金属板とアルミニウム板か
らなるクラッド材で構成した。
【0025】実施例2 遮蔽板20を、金属板がアルミニウム板で、厚みが0.
1mm、溝の径が3mm、凸部の厚みが0.12mmで
あり、金属箔がアルミニウム箔であり、厚みが0.05
mmである、金属板とアルミニウム板からなるクラッド
材で構成した。
【0026】比較例1 遮蔽板を、厚みが0.1mm、溝の径が3mmであり、
スコア加工部の厚みが0.05mmであるアルミニウム
板で構成した。
【0027】比較例2 遮蔽板を、金属板がアルミニウム板で、厚みが0.1m
m、溝の径が3mmであり、金属箔がアルミニウム箔で
あり、厚みが0.03mmである、金属板とアルミニウ
ム箔からなるクラッド材で構成した。金属板の溝周辺に
凸部は形成してない。
【0028】以上のように作製した実施例および比較例
を下記の試験方法で特性を評価し、評価結果を表1に示
す。 (作動圧の評価方法)遮蔽板の金属板を完全にシール
し、金属箔側から窒素ガスで加圧して金属箔が破断した
ときの加圧力を読みとった。サンプル10個の平均と最
大誤差を評価した。 (開口率)安全弁の破壊した面積を画像処理して、金属
板の溝面積100として、金属箔破壊面積割合を百分率
で測定した。サンプル10個の平均を評価した。 (安全弁の形状)金属板と金属箔のクラッド加工をし
て、遮蔽板としてプレス成形した時の金属箔に発生した
しわ面積を百分率で測定した。
【0029】
【表1】
【0030】表1から明らかなように、本発明の実施例
1、2とも低い作動圧で弁膜の開口率(溝面積に対する
金属箔破壊面積割合)が95%に達し、安全弁が確実に
作動しているのに対し、比較例1の場合は高い作動圧で
も56%の開口率しか達成してなく、且つ比較例2の場
合は、実施例2と略同じ作動圧で作動させた場合、開口
率が69%までしか達成されてない。また、遮蔽板のし
わの発生率では、本発明の実施例は何れもしわの発生は
見られなかったが、比較例2の場合はその1割にしわの
発生がみられた。以上の結果からして、本発明が密閉型
電池の安全装置及びそれを用いた密閉型電池として、格
別な効果を奏するものであることが確認された。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明の密閉型電池の安
全装置によれば、遮蔽板は加圧による金属箔の破断面積
が大きいため、電池内圧が上昇したとき低い作動圧で弁
膜を破断させることができ、加圧したガスを速く外気に
逃がすことができ安全である。また、従来より厚い金属
箔を使用することができるため、クラッド材製造時、皺
が発生せず、歩留まりが良い。また、金属箔に疵が付い
ても、作動圧力にはほとんど影響せず、また、電解液に
よる孔食に対しても耐性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】通常使用状態における本発明の一実施の形態に
係る密閉型電池の安全装置の構成説明図である。
【図2】図1のI−I線による矢視図である。
【図3】受圧板と遮蔽板との電気的接続が遮断された状
態の本発明の一実施の形態に係る密閉型電池の安全装置
の構成説明図である。
【図4】弁膜が破断した状態における本発明の一実施の
形態に係る密閉型電池の安全装置の構成説明図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る密閉型電池の安全
装置の遮蔽板の断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る密閉型電池の安全
装置の遮蔽板の断面図である。
【符号の説明】
11 外装缶 12 電極体 13 正極 14 セパレータ 15 負極 16 正極蓋 16a 絶縁ガスケット 17 正極リード 18 受圧板 19 中央接合部 20 遮蔽板 21 封口板 22 絶縁板 23 PTCサー
ミスタ素子 24 ガス流通孔 25 内部空間 26 接合部動作空間 27 第1の平坦
接合面 28 円筒状の突起 29 第2の平坦
接合面 30 連結タブ部 31 C字状溝 31a 部分 32 強度低減用
溝 32a 端 33 折曲予定部 33a 折曲予定線 34 金属箔 35、36 弁膜 37 ガス抜き穴 40 金属板 41 薄肉部 42 金属板の貫通孔周辺の凸部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 邦雄 山口県下松市東豊井1302番地 東洋鋼鈑株 式会社下松工場内 Fターム(参考) 5H012 AA01 BB02 BB11 DD05 DD06 EE04 FF01 JJ02 JJ08 5H022 AA09 CC11 KK01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外装缶の一端に取り付けられる正極蓋
    を、最内蓋を形成すると共に正極リードを介して電極体
    の正極に接続される受圧板と、中間蓋を形成すると共に
    中央接合部を介して前記受圧板に電気的に接続される遮
    蔽板と、最外蓋を形成すると共に前記遮蔽板に電気的に
    接続される封口板とから構成し、 前記受圧板にガス流通孔を設け、前記外装缶の内部空間
    を前記受圧板と前記遮蔽板との間に形成される接合部動
    作空間と連通し、 前記中央接合部を、前記受圧板の中央部から前記遮蔽板
    に向けて突出すると共に第1の平坦接合面を有する円筒
    状の突起と、前記遮蔽板の中央部に設けられ前記円筒状
    の突起の第1の平坦接合面が接合する第2の平坦接合面
    から形成し、 前記遮蔽板を構成している金属板の第2の平坦接合面の
    周りに貫通孔を設け、 該貫通孔周辺の受圧板側面端部が凸状端部に形成され、
    前記金属板に前記貫通孔を塞ぐように金属箔を接合して
    なり、 該金属箔が前記貫通孔の凸状端部に対応する部分では凹
    状になった凹部を有する弁膜を形成し、 前記外装缶内の圧力が設定電流遮断圧力を超えると、前
    記受圧板の第1の平坦接合面の接合部が破断して、前記
    受圧板と前記遮蔽板との電気的接続が遮断され、前記電
    流遮断外装缶内の圧力が設定膜破断圧力を超えると前記
    弁膜の凹部が破断されるようにしたことを特徴とする密
    閉型電池の安全装置。
  2. 【請求項2】 前記遮蔽板の金属板に形成された前記貫
    通孔が、第2の平坦接合面を囲むように配置されたC字
    状溝と、該C状溝の内側に該C字状溝の両端部とその両
    端部が対向するように配置された強度低減用溝からなる
    請求項1に記載の密閉型電池の安全装置。
  3. 【請求項3】 前記遮蔽板と前記封口板との間に環状板
    からなるPTCサーミスタ素子が介設されている請求項
    1又は2に記載の密閉型電池の安全装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の密閉型
    電池の安全装置を具備する密閉型電池。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010245027A (ja) * 2009-02-25 2010-10-28 Samsung Sdi Co Ltd 二次電池
JP2013191352A (ja) * 2012-03-13 2013-09-26 Toyota Industries Corp 蓄電装置および車両
JP2013191366A (ja) * 2012-03-13 2013-09-26 Toyota Industries Corp 蓄電装置および車両
JP2014235943A (ja) * 2013-06-04 2014-12-15 シャープ株式会社 二次電池

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