JP4405560B2 - 電池用安全装置 - Google Patents

電池用安全装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4405560B2
JP4405560B2 JP2008034691A JP2008034691A JP4405560B2 JP 4405560 B2 JP4405560 B2 JP 4405560B2 JP 2008034691 A JP2008034691 A JP 2008034691A JP 2008034691 A JP2008034691 A JP 2008034691A JP 4405560 B2 JP4405560 B2 JP 4405560B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery
safety valve
disk
based metal
safety device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008034691A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009193862A (ja
Inventor
義博 中西
孝太 八木
昌男 西山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsulite Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Komatsulite Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsulite Manufacturing Co Ltd filed Critical Komatsulite Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2008034691A priority Critical patent/JP4405560B2/ja
Publication of JP2009193862A publication Critical patent/JP2009193862A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4405560B2 publication Critical patent/JP4405560B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

本発明は電池用安全装置及びそれを用いた二次電池に関する。特に、非水電解液二次電池などの密閉容器が使用される電池に用いられる電流遮断機構とガス放出機構を有する電池用安全装置及び前記電池用安全装置が取り付けられた二次電池に関する。
近年、電子技術の進歩により電子機器の高性能化が進み、それらの電子機器の電源としてリチウムイオン二次電池に代表される高エネルギー密度を有する密閉容器型電池が使用されている。密閉容器型電池では、過充電、短絡などの異常が発生した場合、電池容器内の温度が上昇し、それにより電解液が分解されてガスが発生し、電池容器内の圧力が上昇する。電池容器内の圧力が過度に上昇すると、電池は発火、破壊や電解液の漏出などを起こし、人体に危害を及ぼす、使用中の電子機器を破損させるなどの危険の恐れがある。
従来、これらの危険を回避するため、過充電、短絡などの異常により、電池容器内の圧力が上昇して、特定の圧力に到達すると、電流を遮断する機構と発生ガスを電池系外に放出して、電池容器内の圧力を低下させるガスを放出する機構を有する安全装置が使用されている。この安全装置の二次電池への取付けは、発電要素からの正極リードと接続された安全装置は電池蓋の下面に配置され、電池蓋外周縁と安全装置の外周部とを合わせ、その外側に設けられた絶縁性のガスケットを介して、発電要素が収容されている外装缶の開口端にかしめて行われる。
二次電池の通電時は、発電要素からの電流が正極リードを通じて、安全弁に流れ、安全弁から電池蓋に流れる。従来、電池蓋と安全弁は、前述のように、両者の外周面を合わせ、その外周部を絶縁性のガスケットで包み、電池外装缶の開口端にかしめて、組付けられている。この方法では、電池蓋と安全弁とは物理的に合わせられているだけであり、両者の間の間隔は、電池外装缶にかしめる時の組立条件によって異なり、又、振動や衝撃により変化することがある。電池蓋と安全弁との間隔が変化すると、抵抗が変化し、電流量が不安定、電池寿命が短くなるなどの現象が起こることがあり、課題となっていた。この課題は、電池を並列あるいは直列に接続して使用する場合、より顕著となる傾向にあった。
電池蓋と安全弁との間の間隔を固定する提案がされている。例えば、特許文献1、2には、電池蓋と安全弁を電池外装缶の開口端に組付ける際、図12に示したように、安全弁の外周部を折り曲げて、電池蓋の外周縁を包み込み、安全弁と電池蓋を固定して、絶縁性のガスケットを介して、電池外装缶の開口端に組付ける方法が記載されている。しかしながら、記載の方法は、従来法に比べれば、改善されているが、電池蓋と安全弁とは、物理的に合わされただけであり、上記課題を解決するには十分でない。
特許第2701375号公報 特許第3351392号公報
本発明は、電池に振動や衝撃が加わった場合でも、電流は安定して流れ、かつ、電流遮断機構とガス放出機構を有する電池用安全装置の提供を目的とする。
請求項1の発明は、ニッケルめっきされた鉄系材料で形成される電池蓋とアルミニウム系金属で形成され、電流遮断機構とガス放出機構を有する安全弁との間に、ニッケル系金属とアルミニウム系金属とからなる前記リング材を、前記電池蓋と前記安全弁との間に配置し、前記電池蓋とリング材のニッケル系金属面、及び、前記リング材のアルミニウム系金属面と前記安全弁とをそれぞれ溶接し、前記電池蓋、前記リング材及び前記安全弁を接続させる電池用安全装置である。
請求項2の発明は、請求項1の発明の電池用安全装置において、前記安全弁にインシュレーター、ディスク及びサブディスクが組付けられている電池用安全装置である。
請求項3の発明は、請求項1あるいは請求項2のいずれかの発明の電池用安全装置において、前記リング材を構成するニッケル系金属及びアルミニウム系金属の厚さは、それぞれ0.02〜1mmの範囲にある電池用安全装置である。
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかの1項の発明の電池用安全装置を発電要素の上部に設置し、前記電池用安全装置と電源要素からのリードとを接続させた二次電池である。
請求項1の発明の電池用安全装置は、電池蓋、リング材及び安全弁は溶接により接続されており、物理的に接続されている場合に比べ、電気の流れの変化は小さく、電流遮断機構とガス発生機構を有している。ニッケルめっきされている鉄系材料で形成されている電池蓋とアルミニウム系金属で形成されている安全弁とを直接溶接することは困難である。本発明のように、電池蓋と安全弁との間に、ニッケル系金属とアルミニウム系金属で形成されるリング材を配置することにより、電池蓋と安全弁はリング材を介して、容易に溶接することができる。電池蓋と安全弁との間に配置されるリング材は、導通性の良好な材料であり、安全弁から電池蓋へ流れる電流に対する影響は小さい。
電池蓋、リング材及び安全弁は溶接で接続されているため、振動や衝撃を受けた場合でも、物理的に接続された場合と異なり、電池蓋、リング材、安全弁のそれぞれの間隔が変化する心配はほとんど無い。また、電池蓋と安全弁とが一体であるため、実用時に対応した電流遮断及びガス放出の性能検査が容易となる。本発明の電池用安全装置を用いた二次電池は、使用時に振動や衝撃を受けても、電流量への影響が少ないため、自動車や建設機器など、使用時に振動や衝撃を受ける可能性が高い用途での電池の信頼性に寄与する。
更に、上記の安全弁に、インシュレーター、ディスク及びサブディスクを組付けることにより、電流遮断機構及び発生ガス放出機構の作動がより好適化できる。
請求項2の発明の電池用安全装置は、請求項1の発明と同様の特性を有し、リング材を構成するニッケル系金属及びアルミニウム系金属の厚さを特定範囲とすることにより、電池蓋、リング材及び安全弁の溶接がより容易となり、又、電池蓋、リング材及び安全弁を接続したときの厚さが過度になることを防止できる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明の電池用安全装置が組み込まれた二次電池である。得られる二次電池は振動や衝撃を受けても、電流は安定しており、異常発生時には精度良く、電流遮断と発生ガス放出が行え、危険性防止が可能となる。


本発明に係る電池用安全装置Sの一実施形態について、以下、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電池用安全装置の構成断面図である。なお、図1の各部分に付した符号は、図2以降で説明する図面において、対応する部分には同一符号を付して説明する。電池用安全装置Sは、電池蓋1、リング材2、安全弁10、インシュレーター20、ディスク30及びサブディスク40で構成される。電池用安全装置Sは電池蓋1、リング材2及び安全弁10で構成することは可能である。しかし、安全弁10にインシュレーター20、ディスク30及びサブディスク40を組み付けることにより、電池異常発生の際、所定圧力で電流遮断とガス放出を精度良く、作動させることが容易となり、好ましい。
電池蓋1とリング材2の接合部3及びリング材と安全弁10の接合部4は溶接により、導電性の材料同士で接続される。溶接は超音波溶接、レーザー溶接、抵抗溶接などの公知の溶接法で行われる。溶接は接合部の点溶接、部分溶接あるいは全面溶接のいずれの方法であっても良い。なお、点溶接、部分溶接の場合、接合部のいずれかに小さな突起(図示せず)を設けても良い。電池蓋1、リング材2及び安全弁10は溶接により接続された後、安全弁10の外周端部17を折り曲げて、電池蓋1の外周縁を包み込んでも良い。溶接により接続された電池蓋1、リング材2及び安全弁10は外周を絶縁性のガスケット5で覆われ、ガスケット5を介して、発電要素(図示せず)が収容されている電池外装缶6の開口部にかしめて、取付けられる。これにより、電池外装缶は密閉容器となる。
安全弁10は発電要素側に凸面の皿形状であり、皿形状底面の外周部は平面状のフランジ11が形成され、皿形状底面の中央部は発電要素側に凸面12が形成され、該凸面12の中心部に、発電要素側に向かって突出する突起部13が形成される。安全弁10の下部外周部18に、絶縁材料で形成された皿形状のインシュレーター20が嵌合圧着され、インシュレーター20の外周部に、アルミニウム系金属で形成された皿形状のディスク30が嵌合圧着される。インシュレーター20、ディスク30は圧着嵌合された後、回転やガタツキを防止のため、1箇所以上の圧着・移動防止(図示せず)を設けることが好ましい。
インシュレーター20は中心部に安全弁10の突起部13が通る中央孔21が設けられ、周辺部に複数のガス抜き孔22が設けられる。ディスク30は中央部に安全弁10の突起部13が通る貫通孔31が設けられ、周辺部に複数のガス通過孔32が設けられる。アルミニウム系金属で形成されたサブディスク40は、ガス通過孔32を塞ぐことなく、貫通孔31を塞いだ状態でディスク30に取付けられる。サブディスク40の電池蓋側の面は安全弁10の突起部13と接続される。発電要素からのリード50はサブディスク40あるいはディスク30の発電要素側面に接続される。これにより、リード50から電池蓋1まで電気的に導通する。
図2(a)は電池蓋1のリング材2側から見た平面図、(b)は側面断面図である。電池蓋1の平面形状は、電池外装缶5の形状に対応する形状であれば良く、円形、矩形などのいずれの形状であっても良い。本発明では、便宜上、電池蓋1、リング材2、安全弁10、インシュレーター20、ディスク30の上面から見た平面形状は円形で説明する。電池蓋1は、周辺はフランジ部1Cがあり、中央はリング材2から見て、凹面1Bが形成されている皿形状である。凹面1Bには、二次電池の異常により発生したガスを電池外に排出するための排気孔7が設けられている。排気孔7の数は1箇所以上あれば良いが、好ましくは、等間隔に3〜5箇所設けられる。排気孔7の大きさは、電池異常時に放出されるガスの圧力が出来るだけ低くなるように設計される。フランジ部1Cには、溶接用の小さな突起1Aが設けられていることが好ましい。
電池蓋1はニッケルめっきされた鉄系材料のプレス加工や鋳造などの方法で形状が造られ、その後、ニッケルめっきされて、製造される。電池蓋1のニッケルめっきは、予め、銅めっきを行った後、ニッケルめっきを行う、公知の方法で行われる。ニッケルめっきとしては、半光沢や無光沢のニッケルめっきが好ましい。電池蓋1のニッケルめっきの厚さは0.5μm以上、より好ましい厚さは、1.0μm〜100μmである。ニッケルめっきにより、電池蓋1は耐食性や表面硬度などが向上する。なお、鉄系材料とは、冷延鋼板、熱延鋼板や鉄成分が80%以上の合金などを言う。
図3の(a)はリング材2の電池蓋側から見た平面図、(b)は側面断面図である。リング材2は、公知のプレス法で製造され、中空の円盤形状である。リング材2はニッケル系金属部8とアルミニウム系金属部9との2層で構成されている。リング材2は、一面がニッケル系金属、他面がアルミニウム系金属で形成され、ニッケル系金属とアルミニウム系金属は界面で融合しているものが好ましい。好ましい材料としては、公知の冷間圧接法などで製造されるクラッド材がある。ニッケル系金属部8とアルミニウム系金属部9の2種類で形成されていれば、オーバーレイクラッド材、インレイクラッド材のいずれであっても良い。リング材2の外径は電池蓋1の外径とほぼ同一であれば良いが、電池蓋1の外径の95〜100%が好ましい。リング材2の内径は、リング材2の外径の55〜90%の範囲が好ましい。
リング材2の厚さは、0.05〜1.5mmの範囲にあることが好ましい。ニッケル系金属部8とアルミニウム系金属部9の厚さは、いずれも0.01〜1.00mmの範囲、より好ましくは、0.05〜0.50mmの範囲である。ニッケル系金属部8とアルミニウム系金属部9の厚さは、同一であっても良く、異なっていても良い。電流の導電性の面から、アルミニウム系金属部9が厚い方が好ましい。ニッケル系金属部8とアルミニウム系金属部9の厚さが上記下限より薄くなると、溶接が困難となることがある。また、上記上限より厚くなると、溶接は容易であるが、電池用安全装置が厚くなったり、重くなったりする。電池蓋1、リング材2及び安全弁10の溶接は、アルミニウム系金属面と安全弁10とを溶接した後、ニッケル系金属面と電池蓋1とを溶接しても良く、電池蓋1とリング材2のニッケル系金属面とを溶接した後、リング材2のアルミニウム系金属面と安全弁10を溶接しても良い。なお、ニッケル系金属とは、純ニッケル、または、ニッケルと銅、鉄、モリブデンから選ばれた1種以上の金属との合金でニッケルが主成分である合金をいう。また、アルミニウム系金属とは、純アルミニウム、または、アルミニウムとマグネシウム、マンガン、シリコーン、銅などの一種以上の金属で、アルミニウムが主成分である合金をいう。
安全弁10は、引張強度が50〜250N/mmの範囲にあり、厚さ0.1〜0.8mmのアルミニウム系金属で形成されることが好ましい。前記のアルミニウム系金属で形成されることにより、電池の異常発生で、電池容器内の圧力が上昇した場合、安全弁10の変形は、圧力の変化と良く対応する。
図4の(a)は安全弁10の電池蓋側から見た平面図、(b)は側面断面図である。安全弁10は、公知のプレス加工法により製造され、電源要素側に凸面の皿形状である。皿形状の外周端部17は、電池蓋1やリング材2を設置する際、ガイドとなる。外周端部17の高さは、通常、電池蓋1の厚さとリング材2の厚さの和より少し高く、設計される。外周端部17は、電池蓋1、リング材2及び安全弁10を溶接により接続した後、折り曲げて、電池蓋1を包み込んでも良い。なお、安全弁10は、図5に示したように、外周端部の無い形状のものも使用可能である。
安全弁10の皿形状底面の外周部は平面状のフランジ11が形成され、フランジ11の内側には発電要素側に凸面12が形成され、該凸面12の中心部に、発電要素側に向かって突出する突起部13が形成される。突起部13の形状は、特に、制約は無いが、加工の容易さから、発電要素側が細くなった略円錐形状や略台形形状が好ましい。突起部13の先端部は平面状であっても、電源要素側に膨らんでいても良い。突起部13の凸面12での大きさ13aは、凹面12の径12aの3〜25%の大きさが好ましく、より好ましくは、5〜20%の大きさである。また、該突起部13の深さ13bは、サブディスク40と接続して、電池用安全装置Sの厚さができるだけ抑えられる深さである。好ましくは、(インシュレーター20の厚さ+ディスク30の厚さ)≦13b<(インシュレーター20の厚さ+ディスク30の厚さ+0.2mm)である。
凸面12の平面部には、突起部13の周囲を囲む溝部15が形成されている。更に、溝部15から凸面12の外周部に向かって複数の線状溝部16が形成されている。溝部15及び線状溝部16は、電池の異常発生により発生するガスの圧力により、電流が遮断された後、更に、電池容器内の圧力が上昇し、所定の圧力に到達した際、開裂して、電池容器内のガスを放出させる部分である。溝部15の形状は、突起部13の周囲を囲む形状であれば、特に、制約はない。溝部15の加工性を考慮すると、円形であることが好ましい。また、溝部15の内径は、特に、制約は無いが、開裂した際、ガス放出の圧力と関係するため、ガス放出時の圧力をできるだけ低くできるよう、大きくしたほうが好ましい。例えば、溝部15の径15aは、突起部13の径13aより大きく、凸面12の径12aの10〜35%が好ましく、より好ましくは、15〜30%である。
溝部15は、図6に示したように、不連続部14が設けられることが好ましい。電池の異常発生により、電池内の圧力が上昇し、電流遮断の設定圧力で、電流が遮断され、更に、圧力が上昇し、設定圧力で、溝部15、線状溝部16は開裂する。開裂箇所は不連続部14が設けられているため、安全弁10から分離することは無い。開裂箇所が安全弁10から分離した場合、開裂箇所が安全弁10とディスク30あるいはサブディスク40あるいはリード50と短絡する可能性がある。短絡により、電池用安全装置Sは、再び、電流が流れ、二次電池が異常状態に戻る危険性がある。
不連続部14の大きさ14aは、溝部15の開裂時の圧力で切り離されない長さであれば良く、例えば、溝部15の円周の長さの1/50〜1/2、より好ましくは、1/20〜1/3の大きさであれば良い。溝部15、線状溝部16の深さは、開裂時の圧力と対応しており、使用される電池の開裂設計圧力によって決定される。溝部15、線状溝部16の深さは同一であることが好ましいが、必ずしも、同一である必要はない。また、溝部15と線状溝部16の線幅は、0.02〜0.4mmの範囲で形成されることが好ましい。
線状溝部16は、図4の(a)では、突起部13の中心を通る放射方向の直線で示したが、これに限定されない。例えば、線状溝部16が突起部13の中心を通らない直線であっても良く、放射方向の曲線であっても良い。線状溝部16の本数には特に制約は無いが、通常、2〜10本の範囲にあることが好ましい。線状溝部16の長さは、線状溝部16が溝部15と同様、異常発生の際、所定の圧力で開裂して、ガスを放出する箇所であるため、長い方が好ましい。
インシュレーター20は絶縁性材料で形成される。加工性の良好な樹脂材料の成形品あるいはシート状絶縁材料の打ち抜き成形品で形成されることが好ましい。樹脂材料としては、吸湿性が低く、耐熱性に優れた樹脂が好ましく使用される。好適な樹脂材料の具体例としては、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、フェノール樹脂などがあげられる。インシュレーター20は安全弁10とディスク30との間に配置され、安全弁10とディスク30とを絶縁する。なお、インシュレーター20の皿底面にインシュレーター20の内径の55〜95%の大きさの孔を設け、その孔により安全弁10の突起部13と発生ガスを通過させる、前記の中央孔21とガス通過孔22の機能を持たせても良い。
図7の(a)はインシュレーター20の電池蓋1の側から見た平面図、(b)は側面断面図である。インシュレーター20は、電源要素側に凸面の皿形状で、中央部に安全弁10の突起部13を通すことができる中央孔21を設け、周辺部には複数のガス通過孔22が設けられる。中央孔21は、電池用安全装置Sを組み立てた際、安全弁10の突起部13と接触することが無い大きさであれば良く、形状に特別の制約は無いが、形状としては、円形が好ましい。ガス通過孔22は、電池に異常が起った場合、発生するガスを容易に通過させることの出来る形状であり、下記ディスク30の周辺部に設けられるガス抜き孔32を出来るだけ閉塞させることのない形状であれば良い。好ましくは、インシュレーター20の中心に対して、対称的に複数個設けられる。インシュレーター20は、安全弁10の外周部を嵌め込み、圧着保持される。インシュレーター20には、安全弁10を嵌合した後、回転やガタツキ防止のため、移動防止23が設けられることが好ましい。
ディスク30は引張強度が安全弁10より大きい導電性の材料で形成される。ディスク30の好ましい材料は、厚さ0.1〜1.0mmのアルミニウム系金属である。ディスク30に使用する材料の引張強度を安全弁10の材料より高くすることにより、電池の異常発生により、電池容器内の圧力が上昇した際、安全弁10の変形がディスク30の変形より大きくなるため、安全弁10の突起部13とサブディスク40との接続部への負荷が大きくなり、接続部の剥離が所定圧力で確実に行うことが容易となる。なお、安全弁10とディスク30とが同一の導電性材料で形成される場合、ディスク30の厚さは安全弁10より厚く設計される。
図8の(a)はディスク30の電池蓋1の側から見た平面図、(b)は側面断面図である。ディスク30の形状は、発電要素側に凸面の皿形状で、公知のプレス加工法により製造される。ディスク30の中央部に安全弁10の突起部13を通すことができる貫通孔31が設けられ、周辺部には複数のガス抜き孔32が設けられる。貫通孔31は、電池用安全装置Sを組立てた際、安全弁10の突起部13と接触することが無い大きさであれば良く、形状に特別の制約は無い。通常、貫通孔31の形状は円形が好ましい。ガス抜き孔32は電池の異常時に発生するガスを容易に通過させることができる形状であれば良い。好ましくは、ディスク30の中心に対して、対称的に複数設けられる。また、ガス抜き孔32の大きさは、ディスク30の平面性が保持できれば、出来るだけ広い方が好ましい。ディスク30は、インシュレーター20の外周部を嵌め込み、圧着保持される。ディスク30には、インシュレーター20を嵌合した後、回転やガタツキ防止のため、圧着・移動防止34が設けられることが好ましい。
サブディスク40は導電性の材料で形成される。サブディスク40は、厚さ0.03〜0.5mmのアルミニウム系金属で形成されることが好ましい。サブディスク40は、図9に示したように、ディスク30の発電要素側の面に当接され、ディスク30の貫通孔31を塞いで、公知の溶接方法により、ディスク30に接合される。サブディスク40は、貫通孔31の全域に亘って対向し、貫通孔31を完全に塞ぎ、且つ、ガス抜き孔32を閉塞させない形状、大きさである。
サブディスク40の電池蓋側の面の略中心部は、ディスク30の貫通孔31を通った安全弁10の突起部13の先端と超音波溶接など公知の接合方法により接続される。サブディスク0と突起部13の接続強度及びディスク30とサブディスク40の接続強度は、振動や落下などの衝撃により剥離しなければ、特に制約は無い。両者の接続強度が同等であっても良く、前者の接続強度が大きくても良い。
発電要素からのリード50は、ディスク30あるいはサブディスク40のいずれかと公知の溶接法により接続される。
ディスク30は、図8に示した中央部に貫通孔31を有する形状のものが好ましく使用されるが、図10に示したような、貫通孔31の位置に薄肉部33が形成され、貫通孔の無い形状のものも使用可能である。この形状では、薄肉部33の大きさは、前記貫通孔31とほほ同様の大きさであれば良く、薄肉部33の深さ33aは、ディスク30の厚さの3/4以下、好ましくは、1/5〜2/3の範囲であれば良い。この形状のディスク30を使用する場合、薄肉部33の電池蓋側面は安全弁10の突起部13の先端と溶接などの方法により接続され、発電要素側面はリード50と溶接などの方法により接続される。なお、この形状のディスク30を使用する場合、サブディスク40は不要である。
本発明の電池用安全装置Sは、電池蓋1、リング材2、安全弁10の3者を溶接固定してから、安全弁10にインシュレーター20、ディスク30、サブディスク40を組付けても良く、安全弁10にインシュレーター20、ディスク30、サブディスク40を組付けた後、電池蓋1、リング材2、安全弁3を溶接固定しても良い。
本発明の電池用安全装置Sは嵌合と溶接という公知の方法で組み立てられ、特殊な設備を必要としないため、作業性は良好で、生産性にも優れている。本発明の電池用安全装置Sの電池への組込み方法の一例を挙げると、サブディスク40の発電要素側の面にリード50を接続した後、本発明の電池用安全装置Sの外周部をガスケット5で挟み込み、電池外装缶6の上部開口端にかしめることにより行われる。
次に、電池に組み込まれた本発明の電池用安全装置Sの作動について説明する。図11は安全弁10のみを取り出し、その作動状況を示した図である。なお、説明は、安全弁10の突起部13の周囲を囲む溝部15は不連続部14を有する形状の安全弁10で説明した。
図11の(a)は電池が正常時の安全弁10の状態である。この状態では、電流は発電要素からのリード50を通じて、サブディスク40から安全弁10、リング材2、電池蓋1へと流れる。電池に、過充電、短絡などの異常が発生した場合、電池容器内の温度が上昇し、温度上昇により、ガスが発生して、電池容器内の圧力が上昇する。発生したガスはディスク30のガス抜き孔32及びインシュレーター20ガス通過孔22を通過して、安全弁10の凸部12の発電要素側面に圧力をかける。これにより、図11の(b)に示したように、安全弁10の凸部12は電池の蓋側に押し上げられ、安全弁10の突起部13の先端とサブディスク40との接続部に引き離しの力がかかる。電池容器内の圧力が更に上昇し、安全弁10の凸部12にかかる圧力が、安全弁10の突起部13の先端とサブディスク40との接続部切り離しの設計圧力値に到達すると、安全弁10の突起部13の先端とサブディスク40との接続部は切り離され、電流が遮断される。なお、接続部の切り離しでは、接続点のみで切り離されることもあり、接続点のサブディスク40の一部が引きちぎられることもある。
電流が遮断されても暫くはガス発生が継続するため、電池容器内の圧力は更に上昇し、圧力が溝部15、線状溝部16の開裂設計圧力値に到達すると、図11の(c)のように、安全弁10の溝部15および線状溝部16が開裂する。この開裂により、電池容器内のガスは電池蓋1に形成されている排気孔7から電池系外へ放出される。これにより、電池の異常状態は解消される。安全弁10の突起部13の周囲を囲む溝部15は不連続箇所14があるため、開裂箇所は電池の蓋側の方向に向いた形状で、安全弁10から切り離されることはない。そのため、電池の異常状態が解消された後、本発明の安全装置は、電流遮断の状態が継続され、電池は安全な状態で維持される。
以上より、本発明の電池用安全装置は、通常時に振動や衝撃を受けても、電流が安定して流れ、電池に異常が発生した場合、電池容器内の圧力が上昇し、所定圧力に到達すると電流が遮断し、引き続いて、安全弁10の溝部15及び線状溝部16が開裂して、ガスを放出することにより、電池の異常状態は解消される。本発明の安全装置Sは異常状態解消後、電流遮断状態は確実に保持され、電池は、再度、異常状態に戻ることは無い。
本発明の電池用安全装置は圧力解放機構を有する多くの種類の電池に適用できる。本発明の安全装置が組込まれた電池は、各種電子機器に使用可能であり、それら電子機器の安全性を高めることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る電池用安全装置の構成断面図 電池蓋の平面図と側面断面図 クラッド材の平面図と側面断面図 安全弁の平面図と側面断面図 溝部に不連続箇所を有する安全弁の平面図 外周端部が平面状の安全弁の側面断面図 インシュレーターの平面図と側面断面図 ディスクの平面図と側面断面図 突起部とサブディスクの接続部断面図 貫通孔が無いディスクの側面断面図 本発明の安全弁の作動図 従来例の電池用安全装置断面図
符号の説明
S 電池用安全装置
1 電池蓋
1A 接合部の突起
1B 電池蓋の凹面
1C 電池蓋のフランジ
2 リング材
3 電池蓋とリング材の溶接部
4 リング材と安全弁の溶接部
5 ガスケット
6 電池外装缶
7 電池蓋の排気孔
8 リング材のニッケル系金属部
9 リング材のアルミニウム系金属部
10 安全弁
11 安全弁のフランジ部
12 安全弁の凹面
12a 凹面の内径
13 突起部
13a 突起部の径
13b 突起部の深さ
14 溝部の不連続部
14a 不連続部の大きさ
15 溝部
16 線状溝部
17 外周端部
18 下部外周部
20 インシュレーター
21 インシュレーターの中央孔
22 インシュレーターのガス通過孔
23 インシュレーターの圧着・移動防止
30 ディスク
31 ディスクの貫通孔
32 ディスクのガス抜き孔
33 薄肉部
33a 薄肉部の厚さ
34 ディスクの圧着・移動防止
40 サブディスク
50 リード

Claims (3)

  1. ニッケルめっきされた鉄系材料で形成される電池蓋とアルミニウム系金属で形成され、電流遮断機構とガス放出機構を有する安全弁との間に、ニッケル系金属とアルミニウム系金属との2層から構成されて該アルミニウム系金属部は前記ニッケル系金属部より厚いリング材を、前記電池蓋と前記安全弁との間に配置し、前記電池蓋と前記リング材のニッケル系金属面、及び、前記リング材のアルミニウム系金属面と前記安全弁とをそれぞれ溶接し、前記電池蓋、前記リング材及び前記安全弁を接続させ、前記安全弁にインシュレーターが圧着され、該インシュレーターにディスクが圧着され、及び該ディスクにサブディスクが取り付けられていることを特徴とする電池用安全装置。
  2. 請求項1に記載の電池用安全装置において、前記リング材を構成するニッケル系金属及びアルミニウム系金属の厚さが、それぞれ0.01〜1.00mmの範囲にあることを特徴とする電池用安全装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電池用安全装置を発電要素の上部に設置し、前記電池用安全装置と発電要素からのリードと接続させたことを特徴とする二次電池。
JP2008034691A 2008-02-15 2008-02-15 電池用安全装置 Expired - Fee Related JP4405560B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008034691A JP4405560B2 (ja) 2008-02-15 2008-02-15 電池用安全装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008034691A JP4405560B2 (ja) 2008-02-15 2008-02-15 電池用安全装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009193862A JP2009193862A (ja) 2009-08-27
JP4405560B2 true JP4405560B2 (ja) 2010-01-27

Family

ID=41075695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008034691A Expired - Fee Related JP4405560B2 (ja) 2008-02-15 2008-02-15 電池用安全装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4405560B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20100065670A (ko) * 2008-12-08 2010-06-17 삼성에스디아이 주식회사 이차 전지
CN101794872B (zh) * 2010-04-28 2012-05-30 谢振华 铝壳电池底部极或盖板的转换焊接导电金属片的加工方法
CN106256030B (zh) * 2014-05-30 2020-12-29 松下知识产权经营株式会社 圆筒形锂离子二次电池
JP6690733B2 (ja) 2016-12-16 2020-04-28 株式会社村田製作所 二次電池、電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器
WO2018230148A1 (ja) 2017-06-15 2018-12-20 株式会社村田製作所 二次電池、電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009193862A (ja) 2009-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6699563B2 (ja) 蓄電素子
KR100770091B1 (ko) 원통형 리튬 이차전지
JP2009266782A (ja) 電池蓋と一体化されている安全装置
EP2838138A1 (en) Current interrupter and electrical storage device using same
JP5389368B2 (ja) 密閉型電池
US20210013474A1 (en) Secondary battery
CN109690811B (zh) 二次电池
JP4405560B2 (ja) 電池用安全装置
US20230048822A1 (en) Power storage device
JP2009266714A (ja) 安全装置
JPH11273651A (ja) 二次電池の安全装置
KR20240034736A (ko) 이차 전지
JPH11307080A (ja) 電池の電路遮断部品
CN106920903B (zh) 二次电池
JP6821309B2 (ja) 二次電池および二次電池集合体
KR100778977B1 (ko) 원통형 리튬 이차전지
JP2009252409A (ja) 電池蓋と一体化された安全装置
JP2008262744A (ja) 密閉型電池
JP2022141967A (ja) 二次電池および二次電池集合体
CN111656570B (zh) 二次电池
JP2009230896A (ja) 電池用安全装置
JP6672852B2 (ja) 電池
KR101243529B1 (ko) 리튬 이차전지
JP4361123B2 (ja) 電池用安全装置
JP3983050B2 (ja) 密閉型電池の安全装置及びそれを用いた密閉型電池

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080227

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080227

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20080227

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20080321

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090811

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090909

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091013

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091104

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131113

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees