JP3204178B2 - 電池および電池用保護素子 - Google Patents

電池および電池用保護素子

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JP3204178B2
JP3204178B2 JP27561597A JP27561597A JP3204178B2 JP 3204178 B2 JP3204178 B2 JP 3204178B2 JP 27561597 A JP27561597 A JP 27561597A JP 27561597 A JP27561597 A JP 27561597A JP 3204178 B2 JP3204178 B2 JP 3204178B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は温度または電流値に
よって溶断する保護素子を備えた電池および電池用保護
素子に関し、さらに詳細には電池内に保護素子を内蔵し
た電池、ならびにこれに適した電池用保護素子に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】電池における過電流、異常反応等に基づ
く事故を防止するために、電流ヒューズ、温度ヒューズ
等のヒューズを用いる非復帰式の保護素子が用いられて
いる。電流ヒューズは所定値以上の電流が流れると溶断
して、電池および関連機器を保護するヒューズである。
温度ヒューズは過電流による温度上昇以外にも、異常反
応等に基づく温度上昇によって溶断して、電池等を保護
するようにされている。
【0003】従来の電池用保護素子としては、可溶合金
にフラックスを塗布したものを絶縁ケースに収納封止し
た温度ヒューズ(例えば特開平4−181625号)、
あるいはアルミナ基板の中空部に電極間を低融点金属体
で接続した温度ヒューズ(特開平2−244531号)
などが知られている。これらはいずれも電池内に設ける
ものではなく、特開平4−328279号に示されてい
るように、電池と保護素子を接続してパッケージに収容
した電池装置として使用されるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の電池用保護素子は電池の外に設置して電池
装置として使用するものであるため、電池装置全体が大
形化し、また部品点数、組立工数等の面からコスト高に
なる。そして電池に密着していないと温度ヒューズとし
て使用することができず、例えば電池から剥離している
と異常反応による発熱等を検出して溶断させることがで
きない。また上記従来の電池用保護素子は外部接続用と
して構成されているため、小型化しても電池内に収容す
ることは困難であり、電池内に収容しようとすると、電
池の構造および製造工程を大幅に変更しなければならな
いなどの問題点がある。
【0005】本発明の目的は、保護素子を内蔵し、異常
状態を正確に検知して保護素子を動作させて事故を未然
に防ぐことができるコンパクトな電池を提供することで
ある。
【0006】本発明の他の目的は、構造が簡単で小形化
することが容易であって、電池の構造および製造方法を
大幅に変更することなく電池内に収容することが可能で
あり、しかも電池の温度または電流値を検知して正確に
溶断させることができる電池用保護素子を提供すること
である。
【0007】本発明のさらに他の目的は、構造が簡単で
小形化することが容易であって、電池の構造および製造
方法を大幅に変更することなく電池内に収容することが
可能であり、しかも電池の温度または電流値を検知して
正確に溶断させるとともに、圧力を正確に検知して内部
圧力を解放することができる電池用保護素子を備えた電
池を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は次の電池および
電池用保護素子である。 (1) 電極反応部に収容されて電極反応を行う正極お
よび負極と、正極に接続する正極端子と、負極に接続す
る負極端子と、正極から正極端子に至る回路または負極
から負極端子に至る回路に設けられた保護素子とを備
え、前記保護素子は絶縁層の両面に前記回路に接続する
第1および第2の導体層を有する基板と、第1および第
2の導体層を導通させるように基板に形成されたスルー
ホールと、スルーホールの周壁部に設けられた第1およ
び第2の導体層を導通させる接続導体層と、少なくとも
第1の導体層を、接続導体層に接続するランドパターン
および接続導体層に接続しない導体パターンに分割する
導体欠除部と、前記導体欠除部により分割された複数の
導体パターンを接続するように固着された低融点金属層
とを有する電池。 (2) 保護素子が正極から正極端子に至る回路に設け
られた上記(1)記載の電池。 (3) 保護素子の第1の導体層が正極端子側に接続
し、第2の導体層が正極に接続した上記(2)記載の電
池。 (4) 保護素子は、スルーホールを覆うように設けら
れ、かつスルーホールの周囲において基板に固着された
シート状の閉塞部材を有する上記(1)ないし(3)の
いずれかに記載の電池。 (5) 絶縁層の両面に第1および第2の導体層を有す
る基板と、第1および第2の導体層を導通させるように
基板に形成されたスルーホールと、少なくとも第1の導
体層を独立した複数の導体パターンに分割する導体欠除
部と、前記導体欠除部により分割された複数の導体パタ
ーンを接続するように固着された低融点金属層とを有す
る電池用保護素子。 (6) スルーホールを覆うように設けられ、かつスル
ーホールの周囲において基板に固着されたシート状の閉
塞部材を有する上記(5)記載の電池用保護素子。 (7) 第1の導体層が銅からなり、第2の導体層がア
ルミニウムからなる上記(5)または(6)記載の電池
用保護素子。 (8) 低融点金属層がフラックスにより被覆されてい
る上記(5)ないし(7)のいずれかに記載の電池用保
護素子。 (9) 低融点金属の接続部が保護部材で覆われている
上記(5)ないし(8)のいずれかに記載の電池用保護
素子。
【0009】本発明の保護素子は正極から正極端子に至
る回路または負極から負極端子に至る回路に設けられ
る。保護素子を構成する基板は絶縁層の両面に前記回路
に接続する第1および第2の導体層を有する基板であ
り、三層基板が基本であるが、さらに多層の基板でもよ
い。絶縁層としてはエポキシ樹脂、ガラス繊維強化エポ
キシ樹脂等の接着性樹脂により構成するのが好ましく、
その両面に金属箔等を積層して第1および第2の導体層
とし、積層板が構成される。積層板の形状は電池内に収
容できるように電池の横断面形状に合わせて、円形また
は角形などの形状にされる。
【0010】導体層としては、銅、アルミニウム、銀、
金、白金、パラジウム、ニッケル、タングステン、これ
らの合金などを適宜選択できるが、電池の正極端子側の
第1の導体層には銅のような加工性、半田付性等に優れ
た導体が用いられ、また反対側の電極反応部側の第2の
導体層にはアルミニウムのような電解液に対する耐性を
有する導体が用いられる。このうち少なくとも正極端子
側の第1の導体層は、導体欠除部により電気的に接続し
ない独立した複数の導体パターンに分割されている。電
極反応部側の第2の導体層は全面に設けるのが好ましい
が、正極リードを接続できる範囲で形成してもよい。
【0011】スルーホールは第1の導体層の一方の導体
パターンと第2の導体層を接続する位置に貫通孔として
設けられ、スルーホールの周壁部には双方の導体層を接
続する接続導体層を形成する。これにより第1の導体層
は導体欠除部により接続導体層に接続するランドパター
ンおよび接続導体層に接続しない導体パターンに分割さ
れている。基板のスルーホール加工には、NCドリル、
金型パンチ等通常の穿孔方法が採用できる。接続導体層
は銅によって形成するのが好ましく、円筒状の導体層を
はめ込む方法、あるいはメッキ等の方法により形成され
る。スルーホールは貫通孔であるため、安全弁として利
用できるが安全弁としない場合は任意の閉塞部材で閉塞
される。
【0012】正極端子側の導体パターンを接続する低融
点金属層は温度ヒューズまたは電流ヒューズ等として機
能するように、低融点で溶断する導体層であり、融点8
0〜150℃のものが好ましい。ここで使用する低融点
金属は鉛、錫、ビスマス、銀、銅等の単体あるいはこれ
らの合金が好ましい。低融点金属層はスルーホールのラ
ンドパターンと正極端子側パターン間を跨ぐように、低
融点金属層を、半田付けあるいは溶接等により固着して
接続される。
【0013】低融点金属層は表面の保護と溶断を安定化
させるために金属表面をフラックスで被覆するのが好ま
しい。フラックスとしては、ロジン、活性ロジン等のロ
ジン誘導体を含む樹脂系フラックス;ステアリン酸、オ
レイン酸等の有機酸系フラックス;塩酸アニリン等の有
機ハロゲン化合物系フラックス;塩酸、塩化亜鉛等の無
機酸系フラックスなどが用いられ、特に樹脂系および有
機酸系フラックスが好ましい。
【0014】低融点金属層を固着したヒューズ部は、酸
化防止および溶断空間確保のためにキャップ等の保護部
材で封止するのが好ましい。保護部材としては、ポリア
ミド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹
脂、マイカ、磁器、ガラス、セメント結合品などの絶縁
材があげられるが、ポリアミド樹脂が好ましい。保護部
材の形状は特に制限はなく、溶断空間を確保した状態で
封止、閉塞できるものであればよい。
【0015】スルーホールを安全弁として利用する場合
は、スルーホールをシート状の閉塞部材で覆い、その周
囲でガスの通過を遮断するように固着する。スルーホー
ルは電池内部の圧力を検出し、安全弁が動作後はガスを
逃がして内圧を開放できる構造であればその形状は限定
されないが、閉塞部材に均一に圧力がかかるように円形
とするのが好ましい。スルーホールの大きさは閉塞部材
の材質、厚さ、設定圧力等により異なるが、例えば円形
の場合、直径を0.5〜10mm、好ましくは1〜4m
m程度とする。
【0016】閉塞部材は均一な厚さに成形できるシート
状部材であり、板、箔、フィルム、シートなどと称され
るものを含む。その材質は均一な破断強度にできるもの
であれば限定されないが、経時的な強度変化の小さい金
属製のものが好ましい。具体的には半田付が容易な銅板
が好ましい。閉塞部材の厚さは材質、寸法、設定圧力等
により異なるが、例えば銅板を用いる場合は5〜100
μm、好ましくは10〜50μm、アルミニウム板を用
いる場合は5〜200μm、好ましくは15〜80μm
程度のものを用いる。
【0017】閉塞部材の形状は任意であるが、スルーホ
ールに合わせて円形とするのが好ましい。閉塞部材はス
ルーホールより大きい外形を有し、スルーホールの周辺
部において基板に固着される。固着材としては半田付、
接着剤、溶接など、任意に選択できるが、基板および閉
塞部材として金属を用いる場合は半田付が好ましい。固
着はスルーホールの周囲を完全に閉塞し、ガス液の通過
を遮断するように行い、固着強度を閉塞部材の破断強度
より大きくする。また固着は固着部に囲まれる部分が好
ましくは円形で、一定面積となるように行う。
【0018】上記の保護素子はそれ単独で、あるいはP
TC素子その他の素子と一体化して電池内に収容し、電
池が形成される。この場合電極反応部側の導体層を正極
リードに接続し、正極端子側の導体層のうち、ランドパ
ターンから分割された正極端子側パターンを正極端子に
接続して電池を形成する。
【0019】使用状態では電極反応部における電極反応
により電池内の電流は正極リード、基板の電極反応部側
導体層、スルーホールの接続導体層、正極側のランドパ
ターン、低融点金属層、正極端子側パターン、正極端子
の系路で流れる。上記の保護素子を電流ヒューズとして
使用する場合は、短絡等により一定電流値以上の過電流
が流れると、低融点金属層はそのジュール熱により溶断
するように低融点金属の融点が設定される。保護素子を
温度ヒューズとして使用する場合は、ジュール熱による
発熱により溶断するほか、異常反応等による発熱によっ
ても溶断するように低融点金属の融点が設定される。
【0020】低融点金属層をフラックスで被覆した場合
は、低融点金属層の溶断とともに、溶断部分をフラック
スが被覆し、溶断後の低融点金属が接触して導通するの
を防止する。低融点金属層をキャップ等の保護部材で覆
った場合は、溶断は保護部材の内部で起こり、溶断部分
が他の部分の導体層を接続させるのを防ぐことができ
る。
【0021】スルーホールに安全弁部を形成した場合
は、上記のような低融点金属層の溶断のほかに、電池の
内圧上昇により閉塞部材が破壊して圧力を解放する。す
なわち使用状態において、過電流や異常状態の発生によ
り電池の内圧が上昇すると、一定圧力に達した時点で閉
塞部材が破れ、これにより内部のガスが漏出して内圧が
解放され、電池の破裂による事故は防止される。
【0022】閉塞部材は従来のプレス加工による凹部と
は異なり、シート状に形成されているため、その厚さを
一定の値にすることが容易であり、このため破断強度を
一定に制御することができる。従ってスルーホールの大
きさを一定にして、閉塞部材の内圧を受ける面積を一定
とすることにより、弁の動作圧力を一定値に制御するこ
とができ、これにより安全性、信頼性が高くなる。また
閉塞部材の厚さを変えたりスルーホールの大きさを変え
ることにより、動作圧力を任意に設定することができ
る。
【0023】上記の安全弁は、保護素子を構成する基板
のスルーホールを利用して形成されるので、部品を共用
して安全弁を形成することができ、これにより素子全体
を小型化した状態で多機能化することができ、小形の電
池にも容易に収容することが可能になる。
【0024】本発明の保護素子は一次電池、二次電池を
問わず、すべての電池に使用することができるが、特に
充電、放電を繰返す二次電池用として適している。一次
電池としては、非水系の電池ならびに水溶液系の電池に
使用できる。非水系の電池としては、例えばフッ化黒鉛
リチウム電池、塩化チオニルリチウム電池、クロム酸銀
リチウム電池、五酸化バナジウム電池、酸化銅リチウム
電池、硫化鉄リチウム電池、酸化ビスマスリチウム電池
等に使用できる。また水溶液系の電池としてはアルカリ
電池、マンガン電池、ルクランシェ電池、酸化銀電池、
水銀電池、空気亜鉛電池等に使用できる。
【0025】二次電池としては非水系電池ならびに水溶
液系電池に使用できる。非水系電池としては、二酸化マ
ンガン・リチウム電池、五酸化バナジウム電池、酸化モ
リブデンリチウム電池、硫化チタンリチウム電池、硫化
モリブデンリチウム電池、セレン化ニオブリチウム電
池、カーボンリチウム電池、ポリマーリチウム電池等に
使用できる。また水溶液系電池としては、ニッケル・カ
ドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、
鉛蓄電池等に使用できる。
【0026】本発明の保護素子は各種電池の種類、形
状、大きさ等によって、要求される溶断温度、溶断電流
値、動作圧力などが異なるが、一般的には溶断温度は6
0〜200℃、好ましくは80〜150℃、溶断電流値
は1〜20A、好ましくは2〜8Aで60秒以内に溶断
し、また動作圧力はゲージ圧で0.5〜4MPa、好ま
しくは1.5〜3MPaの圧力で動作するように設定さ
れる。
【0027】本発明の保護素子は構造が簡単で小形化が
可能であるため、電池内に収容して使用するのに適して
いるが、電池に収容しないで使用することもでき、例え
ば電池ケース、電池パッケージ等において、1個または
複数個の電池と接続して電池装置としての使用も可能で
ある。この場合でも電池装置を小形化することが可能で
ある。
【0028】
【発明の効果】本発明の電池用保護素子は、正極または
負極から端子に至る回路に接続する多層板の第1および
第2の導体層をスルーホールの接続導体層で接続し、少
なくとも第1の導体層をランドパターンおよび他の導体
パターンに分割し、これらのパターンに低融点金属層を
接続したので、構造が簡単で小形化することが容易であ
って、電池の構造および製造方法を大幅に変更すること
なく電池内に収容することが可能であり、しかも電池の
温度または電流値を検知して正確に溶断させることがで
きる。
【0029】本発明では多層板に形成したスルーホール
を利用して安全弁を構成することにより、装置を大形化
することなく、保護素子を多機能化し、圧力を正確に検
知して内部圧力を解放することが可能になる。
【0030】本発明の電池は、上記の保護素子を内蔵す
ることにより温度、電流値および場合によってはさらに
圧力等の異常状態を検知して動作し、事故を未然に防ぐ
ことができる電池が得られる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は実施形態の電池用保護素子
を他の素子とともに示す分解断面図、図2は電池用保護
素子の平面図、図3は電池の分解斜視図である。
【0032】図1および2において、1は保護素子であ
って、絶縁層2の上側に銅箔からなる第1の導体層3、
および下側にアルミニウム板からなる第2の導体層4が
積層された基板5の偏心位置に円形のスルーホール6が
形成されており、第1の導体層3が導体欠除部7により
複数に分割されたランドパターン3aと正極端子側パタ
ーン3b間に、導体欠除部7を跨ぐように低融点金属層
8が半田からなる固着部材9によって固着されて接続
し、キャップ状の保護部材10で覆われてヒューズ部1
1が形成されている。低融点金属層8はフラックス8a
により被覆されている。
【0033】スルーホール6の周辺部には円筒状の接続
導体層12がはめ込まれて固着され、第1および第2の
導体層3、4を導通させている。そしてこのスルーホー
ル6の上部を覆うように、銅箔からなる円形のシート状
の閉塞部材13が配置され、その周辺部が第1の導体層
3のランドパターン3aに、半田からなる固着部材14
により固着され、安全弁部15を形成している。
【0034】16は正極端子であって、フランジ部17
がPTC素子18を介して、保護素子1の第1の導体層
3の正極端子側パターン3bに圧着されて接続するよう
にされている。19は正極リードで、保護素子1の第2
の導体層4に接続するようにされている。
【0035】図3は円筒形リチウムイオン2次電池に適
用した例を示し、20は電池であって、シート状の正極
21と負極22がセパレータ23、24を介してスパイ
ラルに巻かれた状態で缶状の負極端子25内の電極反応
室30に、インシュレータ26、27を介して収容され
ており、その上部に正極端子16、PTC素子18およ
び保護素子1の積層体が収容され、かしめ部28により
固着されている。29は負極リードで、ケーシングを兼
ねる負極端子25と負極22を接続している。
【0036】上記の保護素子1はPTC素子18と一体
化して電池20の負極端子25内に収容し、電池20が
形成される。この場合第2の導体層4を正極リード19
に接続し、第1の導体層3の正極端子側パターン3bに
PTC素子18を介して正極端子16のフランジ部17
をかしめ部28により圧着接続する。
【0037】使用状態では正極21および負極22にお
ける電極反応により、電池20内の電流は正極21から
正極リード19、第2の導体層4、スルーホール6の接
続導体層12、正極側ランドパターン3a、低融点金属
層8、正極端子側パターン3b、正極端子16の系路で
流れる。上記の保護素子1を電流ヒューズとして使用す
る場合は、短絡等により一定電流値以上の過電流が流れ
ると、低融点金属層8はそのジュール熱により溶断す
る。保護素子1を温度ヒューズとして使用する場合は、
ジュール熱による発熱により溶断するほか、異常反応等
による発熱によっても溶断するように低融点金属の融点
が設定される。
【0038】低融点金属層8は、フラックス8aで被覆
されているので、低融点金属層8の溶断とともに、溶断
部分をフラックス8aが被覆し、溶断後の低融点金属が
導体層に接触して導通するのを防止する。また低融点金
属層8はキャップ等の保護部材10で封止しているの
で、溶断は保護部材10の内部で起こり、溶断部分が他
の部分の導体層を接続させるのを防ぐことができる。
【0039】スルーホール6に安全弁部15を形成して
いるため、上記のような低融点金属層8の溶断のほか
に、電池20の内圧上昇により閉塞部材13が破壊して
圧力を解放する。すなわち使用状態において、過電流や
異常状態の発生により電池20の内圧が上昇すると、一
定圧力に達した時点で閉塞部材13が破れ、これにより
内部のガスが漏出して内圧が解放され、電池20の破裂
による事故は防止される。
【0040】閉塞部材13は従来のプレス加工による凹
部とは異なり、シート状に形成されているため、その厚
さを一定の値にすることが容易であり、このため破断強
度を一定に制御することができる。従ってスルーホール
6の大きさを一定にして、閉塞部材13の内圧を受ける
面積を一定にすることにより、弁の動作圧力を一定値に
制御することができ、これにより安全性、信頼性が高く
なる。また閉塞部材13の厚さを変えたりスルーホール
6の大きさを変えることにより、動作圧力を任意に設定
することができる。
【0041】上記の安全弁部15は、保護素子1を構成
する基板5のスルーホール6を利用して形成されるの
で、部品を共用して安全弁部15を形成することがで
き、これにより素子全体を小形化、多機能化することが
でき、小形の電池にも容易に収容することが可能にな
る。
【0042】保護素子1は一次電池、二次電池を問わ
ず、リチウム電池以外の電池に使用することができる
が、特に充電、放電を繰返す二次電池用として適してい
る。また電池の形状も円筒形、角形、ボタン状など、任
意の形状の電池に使用することができる。
【0043】上記の保護素子1は構造が簡単で小形化が
可能であるため、電池20内に収容して使用するのに適
しているが、電池に収容しないで使用することもでき、
例えば電池ケース、電池パッケージ等において、1個ま
たは複数個の電池と接続して電池装置としての使用も可
能である。この場合でも電池装置を小形化することが可
能である。
【0044】上記の電池用保護素子は、基板5の導体層
3に形成した導体パターン3a、3bに低融点金属層8
を接続したので、構造が簡単で小形化することが容易で
あって、電池の構造および製造方法を大幅に変更するこ
となく電池内に収容することが可能であり、かつ電池の
温度または電流値を検知して正確に溶断させることがで
きる。また基板5として多層基板を用いることにより、
例えば第1の導体層3としてパターン加工や半田接着性
に優れた銅を使用し、第2の導体層4として電解液に対
する耐性を有するアルミニウムを用いるなど、異なる特
性の導体を組合せて使用することができる。
【0045】さらに基板5に形成したスルーホール6を
利用して安全弁部15を構成しているので、装置を大形
化することなく、保護素子1を多機能化し、圧力を正確
に検知して解放することが可能になる。このため上記の
電池20は、保護素子1を内蔵することにより、温度、
電流値および場合によってはさらに圧力等の異常状態を
検知して動作し、事故を未然に防ぐことができる電池が
得られる。
【0046】
【実施例】以下本発明の実施例について、説明する。基
板5として絶縁層2(厚さ0.08mm)を挟んで銅箔
からなる第1の導体層3(厚さ0.035mm)とアル
ミニウムからなる第2の導体層4(厚さ1.0mm)と
の三層基板を用い、正極端子16と同形状の円盤形に外
形を加工した。次に第1の導体層3の銅箔面にエッチン
グによりパターンを形成した。この際電池の正極端子1
6の凸部にヒューズ部11の凸部が入るようにパターニ
ングを行うことにより、電池20内部におけるスペース
損失が防止された。
【0047】続いて基板5にスルーホール加工を施すた
めに、NCドリルで直径2mmの貫通孔を穿孔したあ
と、銅製円筒パイプをスルーホール6に挿入して接続導
体層12を形成した。次に18μm厚の銅箔を閉塞部材
13として直径3mmの円盤状に加工してスルーホール
6の周辺部に半田付けにより固着して、スルーホール6
の正極端子側を閉塞することにより、電解液の蒸発を防
ぐとともに安全弁部15を形成した。
【0048】次に基板5上のランドパターン3aと正極
端子側パターン3b間に、組成Bi54/In30/S
n16、融点80℃の低融点金属層8(2mm×4mm
×0.2mm)を半田付けし、合金表面をフラックス8
aで被覆した。さらにポリアミド樹脂製の保護部材10
を低融点金属層8全体を覆うように取付け、ヒューズ部
11を形成した。正極21からの正極リード19を第2
の導体層4と接続し、第1の導体層3側にPTC素子1
8を介して正極端子16を一体化して電池20を形成し
た。
【0049】上記の電池では内部温度が80±2℃で低
融点金属層8が溶断して電流を遮断し、ゲージ圧で1.
5±0.1MPaで閉塞部材13が破断し内部圧力を解
放した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の電池用保護素子を他の素子とともに
示す分解断面図である。
【図2】図1の電池用保護素子の平面図である。
【図3】実施形態の電池を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 保護素子 2 絶縁層 3 第1の導体層 3a ランドパターン 3b 正極端子側パターン 4 第2の導体層 5 基板 6 スルーホール 7 導体欠除部 8 低融点金属層 8a フラックス 9、14 固着部材 10 保護部材 11 ヒューズ部 12 接続導体層 13 閉塞部材 15 安全弁部 16 正極端子 17 フランジ部 18 PTC素子 19 正極リード 20 電池 21 正極 22 負極 23、24 セパレータ 25 負極端子 26、27 インシュレータ 28 かしめ部 29 負極リード 30 電極反応室
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−31460(JP,A) 特開 平2−244531(JP,A) 特開 平10−134789(JP,A) 特開 平9−139235(JP,A) 特開 平8−321297(JP,A) 特開 平7−282842(JP,A) 特開 平4−328279(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 2/34 H01M 2/12 H01M 4/04 H01M 6/02 H01M 10/02 H01M 10/40

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極反応部に収容されて電極反応を行う
    正極および負極と、 正極に接続する正極端子と、 負極に接続する負極端子と、 正極から正極端子に至る回路または負極から負極端子に
    至る回路に設けられた保護素子とを備え、 前記保護素子は絶縁層の両面に前記回路に接続する第1
    および第2の導体層を有する基板と、 第1および第2の導体層を導通させるように基板に形成
    されたスルーホールと、スルーホールの周壁部に設けられた第1および第2の導
    体層を導通させる接続導体層と、 少なくとも第1の導体層を、接続導体層に接続するラン
    ドパターンおよび接続導体層に接続しない導体パターン
    に分割する導体欠除部と、 前記導体欠除部により分割された複数の導体パターンを
    接続するように固着された低融点金属層とを有する電
    池。
  2. 【請求項2】 保護素子が正極から正極端子に至る回路
    に設けられた請求項1記載の電池。
  3. 【請求項3】 保護素子の第1の導体層が正極端子側に
    接続し、第2の導体層が正極に接続した請求項2記載の
    電池。
  4. 【請求項4】 保護素子は、スルーホールを覆うように
    設けられ、かつスルーホールの周囲において基板に固着
    されたシート状の閉塞部材を有する請求項1ないし3の
    いずれかに記載の電池。
  5. 【請求項5】 絶縁層の両面に第1および第2の導体層
    を有する基板と、 第1および第2の導体層を導通させるように基板に形成
    されたスルーホールと、 少なくとも第1の導体層を独立した複数の導体パターン
    に分割する導体欠除部と、 前記導体欠除部により分割された複数の導体パターンを
    接続するように固着された低融点金属層とを有する電池
    用保護素子。
  6. 【請求項6】 スルーホールを覆うように設けられ、か
    つスルーホールの周囲において基板に固着されたシート
    状の閉塞部材を有する請求項5記載の電池用保護素子。
  7. 【請求項7】 第1の導体層が銅からなり、第2の導体
    層がアルミニウムからなる請求項5または6記載の電池
    用保護素子。
  8. 【請求項8】 低融点金属層がフラックスにより被覆さ
    れている請求項5ないし7のいずれかに記載の電池用保
    護素子。
  9. 【請求項9】 低融点金属の接続部が保護部材で覆われ
    ている請求項5ないし8のいずれかに記載の電池用保護
    素子。
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