JP2014235943A - 二次電池 - Google Patents

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将史 村岡
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宏志 岡本
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功 浅子
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Abstract

【課題】電池セルと電極端子との電気的接続を断った後でも、安全に放電することができる二次電池を提供する。
【解決手段】電池(100)は、第1正極端子(31)と、電池セル(6)と第1正極端子(31)とを電気的に接続するための導通経路を形成する正極集電板(41)と、第1正極端子(31)と同極であり、導通経路を断線させるためのスリット(10)を介することなく電池セル(6)に電気的に接続された第2正極端子(32)とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は非水電解液二次電池などの二次電池に関する。
近年、二次電池としてリチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池が多用されている。この種の二次電池では、電池がもつ電池容量を越えて充電エネルギーが加えられたり(過充電)、誤使用等によって所定より大きな電流が流れたりすることにより、電池内の温度が上昇する。一般的に、有機系の電解液を使用している電池は、電池内の温度上昇に伴い熱暴走を引き起こし、電解液および活物質の分解等によりガスが発生し、電池内圧が上昇する。その結果、電池内圧が過剰になると電池が膨れ、さらには破裂するおそれがある。
ここで、電解液および活物質の分解等により発生する前記ガスは、電解液蒸気も混ざるため、一般的には可燃性ガスである。従って、電池が破裂して前記ガスが電池外に排出される前に、電気的経路を物理的に切断する電流遮断機構を設けることが好ましい。
電流遮断機構を設けた電池として、例えば、下掲の特許文献1および特許文献2に開示されている電池がある。
特許文献1に記載の構成では、アーチ状に湾曲するように加工してなる変形金属板と、当該変形金属板の局部を溶接して電気接続してなる接続金属とを備える電流遮断機構を開示している。上記電流遮断機構は、内圧が設定圧力よりも高くなると溶接点を分離するように変形して電流を遮断する。
また特許文献2には、電池セルとしての発電体と、正極端子としての閉塞蓋体とを備えた防爆型密閉電池が開示されている。具体的には、内圧の上昇に伴ない内圧方向に変形を生じる防爆弁に、リード遮断用ストリッパーを接触して取付け、所定の内圧に達したとき、リード板が防爆弁より剥離あるいは/及びリード板が破断することによって、電池セルと正極端子との間に流れる電流を遮断するようにしている。
特開2010−157451号公報(2010年7月15日公開) 特許公報第2701375号公報(1997年10月3日発行)
「最新リチウムイオン二次電池〜安全性向上および高機能化に向けた材料開発〜」(発行:株式会社情報機構、2008年出版)
しかしながら、上述のような従来の二次電池は、電池の内圧が所定に達したときに電流遮断機構が作動するが、電流遮断機構が作動した後は放電することができない。具体的には、特許文献2の防爆型密閉電池は、リード線が破断した後は、電池セルと正極端子との電気的接続が断たれるため、正極端子を介して放電することができない。
電流遮断機構が作動した電池を廃棄する場合、電池セルに充電されたままの状態の電池は、回収や運搬などの廃棄作業を行う作業者にとって極めて危険である。さらに、これら二次電池は少量の水分が混入するだけでも性能劣化を起こすため、一般に電池缶(もしくは容器)は完全密閉される。このため、分解して放電するのは困難であり、過充電された電池の廃棄作業を行う際には特に危険である。
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、電流遮断機構を作動させることによって電池セルと電極端子との電気的接続を断った後でも、安全に放電することができる二次電池を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る二次電池は、電池セルを収容する電池ケースと、正極または負極である第1の電極と、前記電池セルと前記第1の電極とを電気的に接続するための導通経路を形成する導電部材とを有している二次電池であって、前記導電部材は、前記導通経路を遮断するための遮断部を含んでおり、前記第1の電極と同極であり、前記遮断部を介することなく前記電池セルに電気的に接続された第2の電極をさらに備えていることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、電流遮断機構を作動させることによって電池セルと電極端子との電気的接続を断った後でも、第2の電極を用いて安全に放電することができる。
本発明の実施形態1に係る電池の構造を示す図であり、(a)は平面視における電池の構造を示し、(b)は電池の断面を示す。 本発明の実施形態1に係る電池の各端子について、各々が使用されるのがどのようなケースであるかを説明する図であり、(a)は、通常の使用時に充放電をする際に使用される端子を示し、(b)は、過充電等の異常時に放電をする際に使用される端子を示す。 図1の電池について、電池蓋の上面に平行な面で切断した場合の断面図である。 本発明の実施形態1に係る電池の正極端子等の詳細な構成を示す分解図である。 本発明の実施形態1に係る電池の一部の平面図である。 電池蓋が開裂した状態における本発明の実施形態1に係る電池の主要部の斜視図である。 電流遮断機構を備えない二次電池について、1Cで過充電を行った場合の、過充電時間と電池温度および電池電圧との関係を示すグラフである。 電流遮断機構を備えない二次電池について、2Cで過充電を行った場合の、過充電時間と電池温度との関係を、1Cで過充電を行った場合と対比させて示すグラフである。 図7および図8に示す過充電時間と電池温度との関係を、整理して示す表形式の図である。 本発明の実施形態2に係る電池の正極端子等の詳細な構成を示す分解図である。 本発明の実施形態2に係る電池の平面図である。 本発明の実施形態3に係る電池の断面図である。 本発明の実施形態3に係る電池の第1正極集電板の斜視図である。 本発明の実施形態4に係る電池の構造を示す図であり、(a)は平面視における電池の構造を示し、(b)は電池の断面を示す。 本発明の実施形態4に係る電池の正極端子等の詳細な構成を示す分解図である。 本発明の実施形態4に係る電池の、第1正極集電板および第2正極集電板と、注入口封止板および電池蓋との接続関係を示す分解図である。 本発明の実施形態4に係る電池の要部の構成を示す斜視図である。 注入口封止板の形状を示すための電池の断面図であり、(a)は通常の使用時における電池の断面を示し、(b)は過充電等の異常時における電池の断面および正極集電板に加わる力の方向を示す。 本発明の実施形態4に係る電池の他の例を示す斜視図である。 本発明の実施形態4に係る電池のさらに他の例を示す斜視図である。 本発明の実施形態5に係る電池の主要部分の断面図である。 本発明の実施形態5に係る電池の詳細な構成を示す図であり、(a)は正極端子、電池蓋、パッキン、導電性リング、および正極集電板の詳細な構成を示し、(b)は平面視における導電性リングの構成を示す。 本発明の実施形態5に係る電池の断面図である。 実施形態1、3〜5、および比較例1〜2の各電池について、過充電試験の結果を示す表形式の図である。
図1〜図24に基づいて、本発明の実施の形態について詳細に説明する。また、各電池のサイズについて、詳細は後述するが、単位はそれぞれ「ミリメートル(mm)」である。
なお、各実施形態についての説明に入る前に、各実施形態に共通の構造について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る二次電池は、電池ケース1、電池蓋2、安全弁70、パッキン5、正極集電板41、第1正極端子31、第2正極端子32、負極集電板43、負極端子33、電池セル6、および電解液Lを備えている。
電池蓋2は、電池ケース1の口を塞ぐように設けられている。また、安全弁70は、電池ケース1の内部の圧力(内圧)が所定圧以上に達したときに開裂するよう設計されており、安全弁70が開裂することによって、電池ケース1の内部の気体を外部に放出する。
第1正極端子31、第2正極端子32、および負極端子33は、その一部が電池蓋2の表面に突出するように設けられている。
正極集電板41の一部は、間に絶縁用のパッキン5を挟んで電池蓋2に沿って配置されており、電池蓋2とは絶縁されている。第1正極端子31および第2正極端子32は、互いに同極の端子であり、正極集電板41に電気的に接続されている。
負極集電板43の一部も、正極集電板41と同様に、間に絶縁用のパッキン5を挟んで電池蓋2に沿って配置されており、電池蓋2とは絶縁されている。負極端子33は、負極集電板43に電気的に接続されている。
そして、複数の電池セル6が電池ケース1に収容されており、電池セル6は正極集電板41および負極集電板43に電気的に接続されている。これにより、第1正極端子31、第2正極端子32、および負極端子33は、それぞれ、電池セル6に電気的に接続されている。
以上のように、電池100は、第1正極端子31と電池セル6とを電気的に接続する導通経路を形成する導電部材(図1においては正極集電板41)を有している。
また、前記導電部材は、過充電等の異常時に前記導通経路を遮断するための遮断部を含んでおり、第1正極端子31は遮断部を経由して電池セル6に電気的に接続されている。そのため、導電部材が遮断部において断線することによって、第1正極端子31と電池セル6とは互いに絶縁される。このように、電池100は、過充電等の異常時に電池セル6と第1正極端子31との間に流れる電流を遮断するための電流遮断機構を備えている。
一方、第2正極端子32は遮断部を経由することなく電池セル6に電気的に接続されている。そのため、導電部材が遮断部において断線した後であっても、第2正極端子32と電池セル6とは電気的に接続された状態を維持する。
図2は、電池の各端子について、各々が使用されるのがどのようなケースであるかを説明する図であり、(a)は、通常の使用時に充放電をする際に使用される端子を示し、(b)は、過充電等の異常時に放電をする際に使用される端子を示す。
図2の(a)に示すように、電池100の通常の使用時には、第1正極端子31および負極端子33を用いて電池100の放電および充電をすることができる。
また、図2の(b)に示すように、電流遮断機構が作動し、第1正極端子31と電池セル6とが互いに絶縁された場合には、第2正極端子32および負極端子33を用いて放電することができる。
このように、電池100は、過充電等の異常時に電流遮断機構が作動し、電池セル6と第1正極端子31との電気的接続が断たれた後であっても、第2正極端子32を用いて安全に放電することができるため、回収や運搬などの廃棄作業を安全に行うことができる。
以下に、各実施形態の電池における電流遮断機構の具体的な構成について説明する。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1について、図1〜図9に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る電池の構造を示す図であり、(a)は平面視における電池の構造を示し、(b)は電池の断面を示す。図3は、図1の電池100について、電池蓋2の上面に平行な面で切断した場合の断面図である。図4は、本実施形態に係る電池の正極端子等の詳細な構成を示す分解図である。
図3に示すように、電池セル6は、複数の正極・セパレータ・負極を積層してなる。正極・負極は、電極塗工部と、集電のための電極箔とを含み、正極集電板41および負極集電板43に溶着するため、電極箔の一部が延伸した構造となっており、集電箔は正極集電板41および負極集電板43に電気的に接続されている。
図4に示すように、本実施形態の電池100において、正極集電板41と、パッキン5と、電池蓋2には、第1正極端子31および第2正極端子32を通すための穴が設けられている。
第1正極端子31は、正極集電板41に電気的に接続された端子31aと、端子31aと電池蓋2とを互いに絶縁させるためのガスケット31bと、端子31aを固定するための端子ナット31cとを備えている。同様に、第2正極端子32は、正極集電板41に電気的に接続された端子32aと、端子32aと電池蓋2とを互いに絶縁させるためのガスケット32bと、端子32aを固定するための端子ナット32cとを備えている。
端子31a・32aおよび端子ナット31c・32cには図示しないネジ山が設けられており、端子31aと端子ナット31cとを締結し、端子32aと端子ナット32cとを締結することによって、電池蓋2とパッキン5と正極集電板41とは互いに強固に固定されている。なお、端子31a・32aは、ネジによって固定されていなくともよく、カシメによって固定されていてもよい。
また、ガスケット31b・32bは、第1正極端子31または第2正極端子32と、電池蓋2とを絶縁する機能に加えて、電池蓋2などに設けられた穴を密閉することによって電池ケース1内の気密性を保つ機能を有している。
本実施形態の電池100において、正極集電板41は、電池セル6と第1正極端子31とを電気的に接続するための導通経路を形成する導電部材として機能する。
正極集電板41は、遮断部としてのスリット10(薄板部)が設けられており、スリット10における正極集電板41の肉厚は、他のスリット10以外の部分の肉厚よりも薄くなっている。具体的には、例えば、正極集電板41の厚みを1.0mmとし、スリット10部分における厚みを0.5mmとすることができる。
また、パッキン5にはスリット11が設けられており、電池蓋2には開裂機構としてのスリット12が設けられている。スリット12は、例えば、0.5〜1.0MPaの圧力によって開裂するように設計する。
スリット10は、正極集電板41の電気抵抗値が過度に高くならないように、不要な部分がけずり落とされることによって形成されている。スリット12は、プレス加工またはレーザー刻印によって電池蓋2に形成することができる。
図5は、本実施形態に係る電池の一部の平面図である。
図4および図5に示すように、スリット10、スリット11、およびスリット12は、少なくとも一部が平面視において互いに重なるようにして、平面視において第1正極端子31と第2正極端子32との間に設けられている。これにより、第1正極端子31はスリット10を経由して電池セル6に電気的に接続されており、第2正極端子32はスリット10を経由することなく電池セル6に電気的に接続されている。
図6は、電池蓋が開裂した状態における本実施形態の電池の主要部の斜視図である。
電池100は、電池内の温度上昇に伴い熱暴走を引き起こし、電解液の分解等によりガスが発生し電池ケース1の内圧が上昇した場合、内圧によって、電池蓋2がスリット12において開裂する。これに伴い、正極集電板41がスリット10において断裂し、パッキン5がスリット11において断裂する。
このように、本実施形態の電池100は、過充電状態における電解液の分解反応に伴って発生したガスによる内部圧力の急激な上昇を利用し、正極集電板41を破壊することによって、電池セル6と第1正極端子31との間に流れる電流を遮断し、両者を絶縁する。
これにより、電池100の充放電反応が進まなくなるため、更なる電解液の分解および温度上昇が抑制され、発火の危険性が低減される。
また、電池蓋2が開裂することによって、電池ケース1内部の気体を外部に開放することができ、内圧の上昇に伴う電池ケースの危険な破裂を防止することができる。
<第2正極端子>
本実施形態の電池100は、スリット10を経由することなく電池セル6に電気的に接続された第2正極端子32を有しているため、電流遮断機構が作動し、電池セル6と第1正極端子31とが絶縁された後であっても、第2正極端子32および負極端子33を用いて電池セル6を安全に放電することができ、回収や運搬などの廃棄作業を安全に行うことができる。
従って、第2正極端子32を設けることは、製造から事故後の回収までトータルで考えれば、電池製造コストを安価にすることにも繋がる。
また、正極集電板41は相対的に強度が低いスリット10を有しているため、この部位の電気抵抗が相対的に高い。これは、本発明の電流遮断機構に限らず、破断個所を有する従来の電流遮断機構も同様である。電気抵抗が大きいということは、電流を流した際に電圧損失が生じることを意味しており、すなわち電池セル6の電圧を正確に測定することは、上記のように電圧のずれが生じるため、困難であるということを示唆している。つまり、一般的に出荷前に電池の充電を行うが、その際、例えば第1正極端子31と負極端子33との間に電圧計および電流計をつないで充電した場合には、電流遮断機構の電気抵抗を拾ってしまう。その結果、電池セル6の正味の電圧を電圧計が示さず、所望電圧の充電ができないおそれがある。なお、大型電池ほど、定格レート(1C)では大きな電流を流すため、電圧のずれが大きくなる。
これに対し、本発明の電池100は、例えば出荷前の充電において、第1正極端子31と負極端子33との間に電流計をつなぎ、第2正極端子32と負極端子33との間に電圧計をつないで充電した場合、電流遮断機構の電気抵抗を拾うことなく、電池セル6の正味の電圧を電圧計は示す。第2正極端子32はスリット10を経由することなく電池セル6に電気的に接続されている。従って、所望電圧まで充電することが可能であり、このことから第2正極端子32は電圧測定用の端子として好適である。
さらに、出荷前に第1正極端子と負極端子33との間でインピーダンス測定を行う場合には、電池100のオールオーバーのインピーダンスしか測定できない。しかし、第2正極端子32を設けることにより、第2正極端子32と負極端子33との間のインピーダンス、第2正極端子と第1正極端子との間の電気抵抗をそれぞれ測定することができる。つまり、電池セル6のインピーダンスと、電流遮断機構の電気抵抗とを区別することができる。このため、電池100は、第2正極端子32を備えることによって、出荷前の電気的な問題を抽出しやすい。
<その他の例>
なお、上記の説明では、電池蓋2およびパッキン5にスリット11・12を設けた例について説明したが、スリット11・12は必須ではない。
電池蓋2を開裂させず、安全弁70を開裂させることによって電池ケース1内部の気体を外部に開放してもよい。この場合、内圧の上昇に伴って安全弁70が開裂する前に、正極集電板41がスリット10において断線するように、正極集電板41のスリット10部分における厚さを設計することが好ましい。本発明の第2正極端子32および負極端子33を用いた放電は、上記電流遮断機構が作動し、かつ安全弁70等が開裂していない場合に行われることがより好ましい。安全弁70が開裂する状態では、過充電等の異常状態である電池セル6の電気エネルギーが熱等に変換され放出された後(不活性化した後)であるから、本発明の放電による効果が低減されるためである。ただし、安全弁70の開裂が不十分であり電池セル6の不活性化に時間を要する場合には、本発明の第2端子32および負極端子33を用いて、素早く不活性化することができる。
また、上記の説明では、正極端子としての第1正極端子31および第2正極端子32と、負極端子33とを備える電池を例に挙げて説明したが、これに限られない。本実施形態の電極は、スリット10を経由して電池セル6に接続された第1負極端子と、スリット10を経由することなく電池セル6に接続された第2負極端子および正極端子を備えた構成であってもよい。
<サイズおよび材料>
次に、電池100のサイズおよび材料の一例を挙げる。
電池ケース1は、一面が開口された略直方体形状を有し、開口部の長辺に該当する辺の長さは250mm、開口部の短辺に該当する辺の長さは46mm、電池蓋2に垂直な辺の長さは170mmであり、厚さ3mmのAl1050製金属板を材料としている。
電池蓋2には、厚さ3mmのAl1050製の金属板を用いている。
電池蓋2の中心に備えられている安全弁70は、直径20mmの薄厚部である。安全弁70の開裂圧は1.0MPaに設計している。
端子31aおよび端子32aには、直径10mm×30mm(電池蓋2の上面からの高さ)の円柱状のアルミ材(Al1050製)を用いている。
端子33aには、直径10mm×30mm(電池蓋2の上面からの高さ)の円柱状の銅材を用いている。
パッキン5には、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PFA樹脂をこの順で積層したものを用いている。PFA樹脂が厚さ2mm、PPS樹脂が厚み2mmであり、夫々同じ形状を有している。PFA樹脂は、耐薬品性・耐熱性に優れ、また柔らかいので押し圧によって自由に変形し気密性を向上させることができる。PPS樹脂は、機械的強度・耐薬品性・耐熱性に優れている。なお、気密性を向上させる必要がない場合は、上記積層構造に限らず、PPS樹脂の単層でも構わない。
正極集電板41としては、厚み1mmのアルミ部材(Al1050製)を用いている。正極集電板41の側面からみた時の鉛直方向の長さ、つまり、正極集電板41の電池蓋2に垂直な面の長さは155mmである。
負極集電板43としては、厚み1mmの銅部材を用いている。
上記のように、電池セル6は、複数の正極板・セパレータ・負極板を積層してなる。正極板のサイズは235mm×150mmで、厚みは230μmであって、この正極板を100枚用いた。負極板のサイズは237mm×155mmで、厚みは180μmであって、この負極板を101枚用いた。セパレータとして、サイズ240mm×155mmで、厚み25μmのポリエチレンフィルムを200枚使用した。電池セル6のサイズは、250mm×147.5mm×46mmであり、電池ケース1に挿入されている。
電池100の電解液Lは、エチレンカーボネート(EC、Ethylene Carbonate)とジエチルカーボネート(DEC、Diethyl Carbonate)とを、体積比3:7で混合した溶媒に、1モル濃度のヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を溶解させたものである。エチレンカーボネートの沸点は248℃、ジエチルカーボネートの沸点は126℃である。ただし、電解液Lはこれに限られるものではなく、二次電池に一般的に用いられ得る電解液を電解液Lとして用いることができる。
<過充電による電池温度の上昇について>
図7〜図9は、リチウムイオン二次電池について、過充電と電池温度の上昇との関係を整理して示す図である(例えば、非特許文献1)。
図7は、電流遮断機構を備えない二次電池について、1Cで過充電を行った場合の、過充電時間と電池温度および電池電圧との関係を示すグラフである。
図8は、電流遮断機構を備えない、図7に示すものと同じ二次電池について、2Cで過充電を行った場合の、過充電時間と電池温度との関係を、1Cで過充電を行った場合と対比させて示すグラフである。なお、1Cとは、公称容量値の電気容量を有する電池を定電流充電して、ちょうど1時間で充電完了となる電流値のことである。つまり、図8で、温度(2C)と示されている点線は、温度(1C)と示されている点線の2倍の電流値で充電された二次電池の電池温度と、過充電時間との関係を示している。
図9は、図7および図8に示す過充電時間と電池温度との関係を、整理して示す表形式の図である。1Cでの充電において、A段階(リチウムイオンに移動・リチウム析出)から、B・C段階(過充電正極による電解液Lの酸化分解の後の段階)を経て、D・E段階(熱暴走の一歩手前の段階)に至るまでの時間は、比較的長い。これに対し、2Cでの充電においては、I段階(リチウムイオンに移動・リチウム析出)から、IV段階(熱暴走の一歩手前の段階)に至るまでの時間は、1Cの場合に比べて極めて短い。
ここで、定格レート(1C)で充電する場合、電池容量が大きくなれば電流も大きくなる。発熱量は電流の2乗に比例するので(Q=RIと表記できる。Qは発熱量、Rは電池の内部抵抗)、電解液の温度は急激に上昇する。つまり、例えば電池容量が10Ah以上、1000Ah未満の大容量二次電池を充電する場合、大きな電流が二次電池に流れるため、過充電等によって電池温度は急速に上昇する。従って、大容量二次電池にあっては、電流遮断機構の確実な動作が、小容量二次電池に比べてさらに強く求められる。
また、図9に示すように、図7と図8とに過充電時の電池温度の上昇を示す電池にあっては、過充電正極による電解液Lの酸化分解が加速するのは60℃からであり、この60℃という温度は電解液の沸点よりも低い温度である。従って、上記電池については、電池温度が60℃を超過し異常な過熱状態になった場合には、電池内圧の上昇の有無に関わらず、つまり電解液の沸騰の有無に関わらず、確実に動作する電流遮断機構が望ましい。つまり、電解液の沸点等の特性に影響されることなく、一定の電池温度において確実に動作する電流遮断機構が望ましい。
特に、例えば電池容量が10Ah以上、1000Ah未満の大容量二次電池にあっては、過充電等によって電池温度が上昇していき、電池温度が電解液の沸点よりも低い所定の温度(図9の例では60℃)を超えると、急速に電池温度が跳ね上がる傾向がある。従って、大容量二次電池の備える電流遮断機構は、電解液の特性に影響されず、一定の電池温度において確実に動作する電流遮断機構が望ましく、該電流遮断機構を小型化できればさらに望ましい。
なお、例えば、ソーラー発電システム(家庭定置用含む)、キャンピングカーおよび船舶のサブバッテリー、電動セニアカー、電動バイク、電動リール、子供用電動自動車、電動フォークリフト、音響機器、移動無線等に用いられる大容量二次電池として、電池容量が10Ah以上、1000Ah未満の二次電池を直並列化し所定のシステム電池容量とすることが多い。また、UPS(無停電電源装置)、防災・防犯システム、非常用照明設備、非常通報システム機器、消防設備等におけるスタンバイ電池として用いられている大容量二次電池も、電池容量は10Ah以上、1000Ah未満の二次電池を直並列化し所定のシステム電池容量とすることが多い。さらに、自動車およびバス等EV(Electric Vehicle)に用いられる大容量二次電池も同様である。
さらに、ひとつの電池(単電池)あたりの電池容量が10Ah未満である場合、モジュール作製時の単電池並列数が多くなり、作業性が低下しセル締結コストが掛かるため好ましくない。単電池容量が1000Ah以上である場合、NaS電池およびレドックスフロー電池などのシステムがコスト等で有利となってくるため、好ましくない。
また、本発明の一態様に係る電流遮断機構は、上記の用例で用いられる大容量二次電池において、好適に用いることができる。電池容量が10Ah未満の二次電池は、電池容量が10Ah以上の二次電池に比べて発熱量が小さいので、過充電しても熱暴走に発展しにくい。従って、電池容量が10Ah未満の二次電池は、セパレータ等の材料の工夫によって熱暴走を抑止することのできる余地が、電池容量が10Ah以上の二次電池に比べて大きい。
また逆に、電池容量が1000Ah以上の場合、発熱量が極めて大きいので、電極等の材料劣化が激しくなる。従って、電池容量が1000Ah以上の二次電池にあっては、電池温度の上昇を抑えるための冷却機構が必須となり大型化するため、熱暴走の抑止のための電流遮断機構について、小型化および低コスト化等の要求が低い。
本発明の一態様に係る二次電池は、上記の用例に好適に用いられ、つまり、本発明の一態様に係る二次電池は、電池容量が10Ah以上、1000Ah未満であることが望ましい。すなわち、上記実施形態1に係る二次電池だけでなく、以下で説明する他の実施形態に係る二次電池においても、電池容量は10Ah以上、1000Ah未満であることが望ましい。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図10〜図11に基づいて詳細に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図10は、本実施形態に係る電池の正極端子等の詳細な構成を示す分解図である。
図11は、本実施形態に係る電池の平面図である。
図10および図11に示すように、本実施形態の電池101は、実施形態1の電池100の正極集電板41に代えて、第1正極集電板42と第2正極集電板44とを備えている。第1正極集電板42は、複数の電池セル6および端子32aに電気的に接続されている。これにより、電池セル6と第2正極端子32は電気的に接続されている。
また、第2正極集電板44は、端子31aに電気的に接続されており、また、集電板接続部13を介して第1正極集電板42に電気的に接続されている。これにより、電池セル6と第1正極端子31は電気的に接続されている。
すなわち、電池101において、第1正極集電板42と集電板接続部13と第2正極集電板44とは、電池セル6と、第1正極端子31とを電気的に接続するための導電部材として機能する。
図11に示すように、集電板接続部13は、溶接部14を介して第1正極集電板42および第2正極集電板44に溶接されている。導電部材において、溶接部14は比較的強度が低いため、電池ケース1の内圧が上昇すると、溶接部14に負荷が掛かり、溶接部14が断裂する。これにより、集電板接続部13と第1正極集電板42とが断線し、または集電板接続部13と第2正極集電板44とが断線する。
これにより、電池セル6と第1正極端子31とは絶縁され、充放電反応が進まなくなるため、更なる電解液の分解および温度上昇が抑制され、発火の危険性が低減される。
以上のように、本実施形態の電池101において、溶接部14は、電池セル6と第1正極端子31とを電気的に接続する導通経路を遮断するための断線部として機能する。
本実施形態の電池101は、電池セル6と第1正極端子31とを接続する導通経路は、一体物ではなく、第1正極集電板42と集電板接続部13と第2正極集電板44とによって構成されている。電池101の導電部材は溶接部14を有しているため、電池100の導電部材にくらべて強度が低い。そのため、電池ケース1の内圧の上昇に伴って、溶接部14において集電板接続部13と、第1正極集電板42または第2正極集電板44とが断裂され、電池セル6と第1正極端子31とが絶縁される。
電池101は、実施形態1の電池100と同様に、電流遮断機構が作動することにより電池セル6と第1正極端子31とが絶縁された後であっても、第2正極端子32および負極端子33を用いて電池セル6を安全に放電することができ、回収や運搬などの廃棄作業を安全に行うことができる。
なお、集電板接続部13としては、第1正極集電板42および第2正極集電板44に溶接し易い材料を用いることが好ましい。例えば、第1正極集電板42および第2正極集電板44としてアルミ部材を用いる場合、集電板接続部13としてアルミを用いることが好ましい。
また、変形例として、第1負極端子、第2負極端子および正極端子を備えた構成において、銅部材からなる第1負極集電板と第2負極集電板とを、集電板接続部13を介して接続する場合には、集電板接続部13として、銅またはニッケルを用いることが好ましい。
また、図示はしないが、実施形態1と同様に電池蓋2に安全弁を設けることが好ましい。安全弁が開口するよりも前に導通経路が遮断されることにより、内圧の上昇による電池ケースの破裂を防止することができる。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図12〜図13に基づいて詳細に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図12は、本実施形態に係る電池の断面図である。図13は、本実施形態に係る電池の第1正極集電板の斜視図である。
図12に示すように、本実施形態の電池102は、実施形態1の電池100の正極集電板41に代えて、第1正極集電板45(導電板)と、感圧ダイヤフラム60(感圧部)と、第2正極集電板46とを備えている。感圧ダイヤフラム60は、略ドーム形状を有する導電性の部材である。
第2正極端子32は、第1正極集電板45を介して電池セル6に電気的に接続されている。第1正極端子31は、第1正極集電板45と、感圧ダイヤフラム60と、第2正極集電板46とを介して電池セル6に電気的に接続されている。
すなわち、電池102において、第1正極集電板45と感圧ダイヤフラム60と第2正極集電板46とは、電池セル6と、第1正極端子31とを電気的に接続するための導通経路を形成する導電部材として機能する。
図12に示すように、感圧ダイヤフラム60は第2正極集電板46に接続されており、また、感圧ダイヤフラム60の頂点部分は、溶接部15を介して第1正極集電板45に溶接されている。
図12および13に示すように、第1正極集電板45には穴7が設けられており、第1正極集電板45と感圧ダイヤフラム60との間の空間Bの内圧と、電池ケース1において電池セル6が設けられている空間Cの内圧とは、互いに等しい。一方、感圧ダイヤフラム60と電池蓋2との間の空間Aは、空間Bおよび空間Cとは独立して設けられている。すなわち、感圧ダイヤフラム60は、電池セルが配置された空間Cおよび空間Bと、空間Aとを区画している。
そのため、電解液の分解等によりガスが発生し空間Cおよび空間Bの内圧が上昇した場合、空間Bの内圧と空間Aの内圧との差に応じた力が感圧ダイヤフラム60に加わり、感圧ダイヤフラム60が反転する。その結果、溶接部15を介した感圧ダイヤフラム60と第1正極集電板45との接続が断裂し離間することによって、電池セル6と第1正極端子31とが絶縁される。
すなわち、本実施形態の電池102において、溶接部15は、電池セル6と第1正極端子31との導通経路を断線するための断線部として機能する。
電池102は、実施形態1の電池100と同様に、電流遮断機構が作動することにより電池セル6と第1正極端子31とが絶縁された後であっても、第2正極端子32および負極端子33を用いて電池セル6を安全に放電することができ、回収や運搬などの廃棄作業を安全に行うことができる。
電流遮断機構として感圧ダイヤフラムを備えた従来の二次電池では、正極端子を1つしか備えていないため、感圧ダイヤフラムと電池蓋との間の空間を密閉するために、リベット等を用いて正極集電板と電池蓋との間に面圧を加える必要があった。
これに対して、本実施形態の電池102は2つの正極端子を備えており、第1正極端子31は、第2正極集電板46とパッキン5Cと電池蓋2とを貫通するように設けられており、端子と端子ナットとを締結することにより、第2正極集電板46と電池蓋2との間に設けられたパッキン5Cに面圧を加えている。
また、第2正極端子32は、第1正極集電板45とパッキン5Bとパッキン5Aと電池蓋2とを貫通するように設けられており、端子と端子ナットとを締結することにより、第1正極集電板45と電池蓋2との間に設けられたパッキン5Aおよびパッキン5Bに面圧を加えている。
そして、感圧ダイヤフラム60は、平面視において第1正極端子31と第2正極端子32との間に設けられているため、感圧ダイヤフラム60を挟む両サイドにおいて、パッキン5A〜5Cに均一な圧力を加えることができる。これにより、空間Aの密閉性を向上させることができ、空間Bおよび空間Cの内圧の上昇に応じて確実に感圧ダイヤフラム60を反転させることができる。
このように、電池104は、感圧ダイヤフラム60を、平面視において第1正極端子31と第2正極端子32との間に設けることによって、2つの正極端子を、空間Aの密閉性を向上させるための部材として用いることができ、部品点数の削減やコストの低減を図ることができる。
また、図示はしないが、実施形態1と同様に電池蓋2に安全弁を設けることが好ましい。安全弁が開口するよりも前に導通経路が遮断されることにより、内圧の上昇による電池ケースの破裂を防止することができる。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、図14〜図20に基づいて詳細に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図14は、本実施形態に係る電池の構造を示す図であり、(a)は平面視における電池の構造を示し、(b)は電池の断面を示す。
図15は、本実施形態に係る電池の正極端子等の詳細な構成を示す分解図である。
図16は、本実施形態の電池の、第1正極集電板および第2正極集電板と、注入口封止板および電池蓋との接続関係を示す分解図である。
図17は、本実施形態の電池の要部の構成を示す斜視図である。
図18は、注入口封止板の形状を示すための電池の断面図であり、(a)は通常の使用時における電池の断面を示し、(b)は過充電等の異常時における電池の断面および正極集電板に加わる力の方向を示す。
図14に示すように、本実施形態の電池103は、第1正極集電板47と、第2正極集電板48とを備えている。
電池103の電池蓋2は、電池ケース1の内部に電解液等の液体を注入するための注液口を備えており、電池蓋2の上に平板状の注液口封止板61を設けることによって注液口を封止し、電池103の内部を密閉している。注液口封止板61として、150mm×30mmで、厚さ1mmのアルミ(A1050)板を用いた。
図14〜17に示すように、第1正極集電板47および第2正極集電板48の一部は、注液口を通って電池蓋2の上方に引き出されている。
第2正極端子32は、第1正極集電板47を介して電池セル6に電気的に接続されており、第1正極端子31は、第2正極集電板48に電気的に接続されている。
さらに、電池蓋2の上方において、第1正極集電板47と第2正極集電板48とは、溶接部16を介して互いに溶接されている。これにより、第1正極端子31は、第1正極集電板47および第2正極集電板48を介して電池セル6に電気的に接続されている。
すなわち、電池103において、第1正極集電板47と第2正極集電板48とは、電池セル6と、第1正極端子31とを電気的に接続するための導通経路を形成する導電部材として機能する。
また、図示はしないが、実施形態1と同様に電池蓋2に安全弁を設けることが好ましい。安全弁が開口するよりも前に導通経路が遮断されることにより、内圧の上昇による電池ケースの破裂を防止することができる。
<正極集電板の固定>
図16に示すように、電池蓋2の上面(注液口封止板61に対向する面)には、凸部20を有するパッキン5Fと、凸部21を有するパッキン5Gとが設けられている。パッキン5Fは電池蓋2の上面に固定されており、パッキン5Gは電池蓋2の上面に固定されていない。
第1正極集電板47は、パッキン5Fの上面に設けられており、第1正極集電板47の上面には、凸部20に対応する位置に凹部22を有するパッキン5Hが設けられている。このように、第1正極集電板47をパッキン5Fとパッキン5Hとで挟むことによって、第1正極集電板47は、電池蓋2に対して固定されている。
また、注液口封止板61の下面(電池蓋2に対向する対向面)には、凹部23を有するパッキン5Jが固定されている。第2正極集電板48は、パッキン5Gの上面に設けられており、第2正極集電板48の上面には、パッキン5Jが設けられている。このように、第2正極集電板48をパッキン5Gとパッキン5Jとで挟むことによって、第2正極集電板48は、注液口封止板61に対して固定されている。
実施形態3の電池102は、導通経路として、厚みの薄い感圧ダイヤフラム60を含んでいる。これに対して、本実施形態の電池103は、電池セル6と第1正極端子31とを電気的に接続するための導通経路は、感圧ダイヤフラム60よりも厚い第1正極集電板47と第2正極集電板48とによって構成されている。電池103の感圧部(注液口封止板61)は、電池102の感圧部(感圧ダイヤフラム60)よりも電池缶の内圧を受ける面積が広いので、例え同じ内圧上昇であったとしても、上記溶接部の断裂のため大きな応力が働く(応力は、内圧と面積の積で決まる)。このため、感圧ダイヤフラム60よりもより厚い導電経路にすることができたり、強固な溶接を施したりしても破断させることができる。より厚い導電経路や、より強固な溶接では一般的に電気抵抗が小さくなる(より強固な溶接を得るためには、例えば溶接深度を深くする)。このように、電池103は、実施形態3の電池102に比べて、電池セル6と第1正極端子31との間の電気抵抗を小さくすることができる。
<注液口封止板>
ここで、既に説明したとおり、電池ケース1および電池蓋2の厚さは3mmであり、注液口封止板61の厚さは1mmである。そのため、電解液の分解等によりガスが発生し電池ケース1の内圧が上昇した場合、図18の(b)に示すように、電池103の外壁において最も薄い面である注液口封止板61は変形し、注液口封止板61の平面に略垂直な方向に(電池103の外側へ向けて)張り出す。
このとき、注液口封止板61に対して固定されている第2正極集電板48は、注液口封止板61が張り出す方向に引っ張られる。一方で、第1正極集電板47は電池蓋2に対して固定されている。そのため、第1正極集電板47と第2正極集電板48とを溶接する溶接部16に負荷が掛かり、溶接部16は断裂する。その結果、電池セル6と第1正極端子31とは絶縁される。すなわち、本実施形態の電池103において、溶接部16は、電池セル6と第1正極端子31との導通経路を遮断するための断線部として機能する。
電池103は、実施形態1の電池100と同様に、電流遮断機構が作動することにより電池セル6と第1正極端子31とが絶縁された後であっても、第2正極端子32および負極端子33を用いて電池セル6を安全に放電することができ、回収や運搬などの廃棄作業を安全に行うことができる。
なお、上記の注液口封止板61は内圧に応じて変形し、上記溶接部16を断裂させるためのものであって、必ずしも注液口を封止する板である必要はない。例えば、注液口は電池蓋2の異なる場所に別途設けられても構わない。
<作成手順>
本実施形態の電池103の製造方法は、以下の手順を含んでいる。
第一に、第1正極集電板47に電池セル6を超音波溶接する。次に、第1正極集電板47をパッキン5Fとパッキン5Hとで挟むことによって、第1正極集電板47を電池蓋2に対して固定する。その後、電池蓋2を電池ケース1にレーザー溶接し、電解液を電池ケース1内に注入する。
電解液注入後、電池蓋2に設けられた注入口を塞ぐようにして、電池蓋2に注液口封止板61をレーザー溶接する。このとき、第2正極集電板48をパッキン5Gとパッキン5Jとで挟むことによって、第2正極集電板48を注液口封止板61に対して固定する。
<その他の例>
図19は、本実施形態の電池の他の例を示す斜視図である。図20は、本実施形態の電池のさらに他の例を示す斜視図である。
図16に示す例では、パッキンに設けられた凸部および凹部により、第1正極集電板47および第2正極集電板48を固定したが、第1正極集電板47および第2正極集電板48を固定するための構成はこれに限られない。
例えば、図19に示すように、Γ形状の爪21を設け、第1正極集電板47を爪21に引っ掛けることによって、第1正極集電板47を電池蓋2に対して固定してもよい。
また、図14に示す例では、第1正極集電板47および第2正極集電板48を、第1正極端子31とは反対側に向けて電池蓋2の上方に引き出されているが、第1正極集電板47の形状はこれに限られない。
例えば、図20に示すように、第1正極集電板47および第2正極集電板48を第1正極端子31側に折り返してもよい。
〔実施形態5〕
本発明の他の実施形態について、図21〜図22に基づいて詳細に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図21は、本実施形態に係る電池の主要部分の断面図である。図22は、本実施形態に係る電池の詳細な構成を示す図であり、(a)は正極端子、電池蓋、パッキン、導電性リング、および正極集電板の詳細な構成を示し、(b)は平面視における導電性リングの構成を示す。なお、図21では、電池セル、電池ケースなどの構成を省略して図示している。
図21に示すように、本実施形態の電池104は、第1正極集電板49と、第2正極集電板50とを備えている。
電池104の電池蓋2は注液口を備えており、電池蓋2の上に注液口封止板62を設けることによって注液口を封止し、電池104の内部を密閉している。
電池104は、第1正極集電板49と第2正極集電板50とを電気的に接続するための導電性リング51を備えている。図22の(b)に示すように、導電性リング51は、溶接部17を介して第1正極集電板49および第2正極集電板50に溶接されている。
また、導電性リング51の上面52は、注液口封止板62に溶接されている。導電性リング51と電池蓋2とが導通しないよう、導電性リング51に適宜絶縁体を設けることが好ましい。
第2正極端子32は、第1正極集電板49を介して電池セルに電気的に接続されており、第1正極端子31は、第2正極集電板50に電気的に接続されている。
また、第1正極端子31は、第1正極集電板49、導電性リング51、および第2正極集電板50を介して電池セルに電気的に接続されている。
すなわち、電池104において、第1正極集電板49と導電性リング51と第2正極集電板50とは、電池セル6と、第1正極端子31とを電気的に接続するための導通経路を形成する導電部材として機能する。
実施形態3の電池102は、導通経路として、薄い感圧ダイヤフラム60を含んでいる。これに対して、本実施形態の電池104は、電池セル6と第1正極端子31とを電気的に接続するための導通経路は、感圧ダイヤフラム60よりも厚い第1正極集電板49と導電性リング51と第2正極集電板50とによって構成されている。電池104の感圧部(注液口封止板62)は、電池102の感圧部(感圧ダイヤフラム60)よりも電池缶の内圧を受ける面積が広いので、例え同じ内圧上昇であったとしても、上記溶接部の断裂のため大きな応力が働く(応力は、内圧と面積の積で決まる)。このため、感圧ダイヤフラム60よりもより厚い導電経路にすることができたり、強固な溶接を施したりしても破断させることができる。より厚い導電経路や、より強固な溶接では一般的に電気抵抗が小さくなる(より強固な溶接を得るためには、例えば溶接深度を深くする)。このように、電池104は、実施形態3の電池102に比べて、電池セル6と第1正極端子31との間の電気抵抗を小さくすることができる。
また、図示はしないが、実施形態1と同様に電池蓋2に安全弁を設けることが好ましい。安全弁が開口するよりも前に導通経路が遮断されることにより、内圧の上昇による電池ケースの破裂を防止することができる。
<注液口封止板>
電解液の分解等によりガスが発生し電池ケース1の内圧が上昇した場合、図18の(b)に示す注液口封止板61と同様に、注液口封止板62は電池104の外側へ向けて張り出す。
このとき、注液口封止板62に対して固定されている導電性リング51は、注液口封止板62が張り出す方向に引っ張られる。これにより、導電性リング51と、第1正極集電板49および第2正極集電板50とを溶接する溶接部17に負荷が掛かり、溶接部17は断裂する。その結果、電池セル6と第1正極端子31とは絶縁される。すなわち、本実施形態の電池104において、溶接部17は、電池セル6と第1正極端子31との導通経路を遮断するための断線部として機能する。
電池104は、実施形態1の電池100と同様に、電流遮断機構が作動することにより電池セル6と第1正極端子31とが絶縁された後であっても、第2正極端子32および負極端子33を用いて電池セル6を安全に放電することができ、回収や運搬などの廃棄作業を安全に行うことができる。
なお、上記の注液口封止板62は内圧に応じて変形し、上記溶接部17を断裂させるためのものであって、必ずしも注液口を封止する板である必要はない。例えば、注液口は電池蓋2の異なる場所に別途設けられても構わない。
〔実施形態6〕
本発明の他の実施形態について、図23に基づいて詳細に説明する。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図23は、本実施形態に係る電池の断面図である。
図23に示すように、本実施形態の電池105は、第1正極集電板53と、第2正極集電板54とを備えている。
第2正極端子32は、第1正極集電板53を介して電池セルに電気的に接続されており、第1正極端子31は、第2正極集電板50に電気的に接続されている。
また、第1正極集電板53と、第2正極集電板54とは、溶接部18を介して互いに溶接されている。これにより、第1正極端子31は、第1正極集電板53および第2正極集電板54を介して電池セルに電気的に接続されている。
すなわち、電池105において、第1正極集電板53と第2正極集電板54とは、電池セル6と、第1正極端子31とを電気的に接続するための導通経路を形成する導電部材として機能する。
また、図示はしないが、実施形態1と同様に電池蓋2に安全弁を設けることが好ましい。安全弁が開口するよりも前に導通経路が遮断されることにより、内圧の上昇による電池ケースの破裂を防止することができる。
<バイメタル>
第1正極集電板53の上面には、バイメタル65が設けられている。バイメタル65は、低膨張バイメタル64と高膨張バイメタル63とがこの順で積層された構造を有している。低膨張バイメタル64および高膨張バイメタル63は、第1正極集電板53とパッキン5Mとによって挟まれている。低膨張バイメタル64および高膨張バイメタル63は、熱膨張率が互いに異なるバイメタルであり、例えば、低膨張バイメタル64としてインバーなどの熱膨張率が極めて小さい合金を用いることができ、高膨張バイメタル63としてニッケルとクロムと鉄の合金、ニッケルとマンガンと鉄の合金、またはマンガンと銅とニッケルの合金などを用いることができる。
電池105の温度が上昇すると、高膨張バイメタル63および低膨張バイメタル64は、互いに異なる膨張率で膨張する。このとき、高膨張バイメタル63および低膨張バイメタル64の膨張率の差に応じて、バイメタル65は反り返る。これにより、溶接部18に負荷が掛かり溶接部18は断裂する。その結果、電池セル6と第1正極端子31とは絶縁される。すなわち、本実施形態の電池104において、溶接部18は、電池セル6と第1正極端子31との導通経路を遮断するための断線部として機能する。
電池105は、実施形態1の電池100と同様に、電流遮断機構が作動することにより電池セル6と第1正極端子31とが絶縁された後であっても、第2正極端子32および負極端子33を用いて電池セル6を安全に放電することができ、回収や運搬などの廃棄作業を安全に行うことができる。
〔過充電試験〕
以下に、各実施形態の電池100〜105の過充電試験結果を説明する。
過充電試験方法は以下の通りである。
第一に、公称容量120Ahの電池を、40Aの定電流で電池電圧3.6Vになるまで充電し、その後定電圧3.6Vで電流が4Aになるまで充電し、満充電状態とした。次に、120Aの定電流で90分間充電を行い、その時の電池電圧、電流、電池缶の温度を測定した。電源として、菊水電子工業製直流安定化電源PWR1600Lを4並列したものを使用した。電流測定には、三和電気計器製クランプメータDCM400ADを使用した。電圧、温度測定には、グラフテック製データロガーmidi LOGGER GL820を使用した。なお、試験は室温下で行った。
図24は、実施形態1、3〜5、および比較例1〜2の各電池について、過充電試験の結果を示す表形式の図である。
実施形態1の電池100は、120Aの定電流で充電開始後、13分50秒で電池電圧4.9V、電池缶温度99℃で電流遮断が起こり、電流0Aとなった。その後、77分30秒間、電池の破裂・発火は起こらなかった。また、電流遮断が作動した後、第2正極端子32と負極端子33との間の電圧を測定したところ、電池電圧4.6Vで過充電されたままの状態であった。第2正極端子32と負極端子33との間に抵抗を介した回路を挟むことで完全放電し安全状態とすることができた。
実施形態3の電池100は、120Aの定電流で充電開始後、13分40秒で電池電圧4.8V、電池缶温度105℃で電流遮断が起こり、電流0Aとなった。その後、77分30秒間、電池の破裂・発火は起こらなかった。また、電流遮断が作動した後、第2正極端子32と負極端子33との間の電圧を測定したところ、電池電圧4.6Vで過充電されたままの状態であった。第2正極端子32と負極端子33との間に抵抗を介した回路を挟むことで完全放電し安全状態とすることができた。
実施形態4の電池100は、120Aの定電流で充電開始後、13分40秒で電池電圧4.9V、電池缶温度102℃で電流遮断が起こり、電流0Aとなった。その後、77分間30秒間、電池の破裂・発火は起こらなかった。また、電流遮断が作動した後、第2正極端子32と負極端子33との間の電圧を測定したところ、電池電圧4.6Vで過充電されたままの状態であった。第2正極端子32と負極端子33との間に抵抗を介した回路を挟むことで完全放電し安全状態とすることができた。
実施形態5の電池100は、120Aの定電流で充電開始後、13分40秒で電池電圧4.8V、電池缶温度97℃で電流遮断が起こり、電流0Aとなった。その後、77分30秒間、電池の破裂・発火は起こらなかった。また、電流遮断が作動した後、第2正極端子32と負極端子33との間の電圧を測定したところ、電池電圧4.6Vで過充電されたままの状態であった。第2正極端子32と負極端子33との間に抵抗を介した回路を挟むことで完全放電し安全状態とすることができた。
比較例1として、特許文献1に記載される構造を有する二次電池を用いた。比較例1の電池は、120Aの定電流で充電開始後、13分40秒で電池電圧4.9V、電池缶温度105℃で電流遮断が起こり、電流0Aとなった。その後、77分30秒間、電池の破裂・発火は起こらなかった。電流遮断が作動した後の電池セル電圧がわからず、放電もできない状態であったことから非常に危険な状態であった。
比較例2として、安全弁のみを備え、電流遮断機構を備えない二次電池を用いた。比較例2の電池は、120Aの定電流で充電開始後、23分で電池電圧5.9V、電池缶温度150℃で安全弁が開裂し、白煙が噴出した。電流は120Aのままであった。35分後、電池電圧は0V、最高電池缶温度300℃、電流は120Aのままであった。その後、55分間、電池の破裂・発火は起こらなかったが、電池缶温度は300℃であった。
以上のように、実施形態1、3〜5の電池は、電流遮断が作動した後であっても、完全放電し安全状態とすることができた。これに対し、比較例1の電池は、電流遮断が作動した後は放電することができず非常に危険であった。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る二次電池は、電池セル(6)を収容する電池ケース(1)と、正極または負極である第1の電極(31)と、前記電池セルと前記第1の電極とを電気的に接続するための導通経路を形成する導電部材(41)とを有している二次電池(100)であって、前記導電部材は、前記導通経路を遮断するための遮断部(10)を含んでおり、前記第1の電極と同極であり、前記遮断部を介することなく前記電池セルに電気的に接続された第2の電極(32)をさらに備えていることを特徴とする。
上記の構成によれば、導電部材が遮断部において断線することによって電池セルと第1の電極との電気的接続が断たれた場合であっても、電池セルに電気的に接続された第2の電極を介して安全に放電することができる。そのため、電池セルと第1の電極との電気的接続が断たれた状態の電池を安全に回収することができる。
本発明の態様2に係る二次電池は、上記態様1において、前記電池ケースの内圧の上昇に伴って開口することにより前記電池ケースの内部の気体を外部に放出するための安全弁(70)を備えており、前記内圧の上昇に伴って前記安全弁が開口するよりも前に、前記導通経路が遮断される構成であってもよい。
上記の構成によれば、電池ケースの内圧に応じて安全弁が開口するため、内圧の上昇による電池ケースの破裂を防止することができる。また、電池ケースの内圧の上昇に伴い、安全弁が開口する前に電池セルと第1の電極との電気的接続を断つことができるため、安全弁が開口したときに気体の放出とともに外部に向けて発火する危険性を低減することができる。
本発明の態様3に係る二次電池は、上記態様1または2において、前記導電部材(47、48、51)に対向して設けられた平板状の感圧部(注液口封止板61・62)を備えており、前記感圧部は、前記導電部材に対向する対向面において前記導電部材に接続されており、前記感圧部は、前記電池ケースの内圧の上昇に応じて、前記対向面に略垂直な方向の圧力を受けて変形し、前記圧力が前記感圧部を介して前記導電部材に加わることにより、前記導電部材が断線し、前記導通経路が遮断される構成であってもよい。
上記の構成によれば、電池ケースの内圧の上昇に応じて、感圧部を介して前記導電部材を断線させることによって電池セルと第1の電極との電気的接続を断つことができる。
感圧部は、電池ケースの内圧の上昇に応じて変形するために、導電部材に比べて薄い部材によって構成される必要がある。そのため、一般的に感圧部は導電部材に比べて電気抵抗が高く、感圧部によって導通経路を形成した場合、電池セルと第1の電極との間の電気抵抗が高くなるため好ましくない。これに対して、上記の構成によれば、感圧部を導通経路の一部としていないため、内圧の上昇に伴う感圧部の変形を利用して導電部材を断線させる構成において、電池セルと第1の電極の間の電気抵抗の増大を抑制することができる。
本発明の態様4に係る二次電池は、上記態様1または2において、前記導電部材は、前記電池ケースの内圧の上昇に応じて形状が反転する略ドーム形状の感圧部(感圧ダイヤフラム60)と、前記感圧部の頂点を介して前記感圧部に接続された導電板(第1正極集電板45)とを含んでおり、前記感圧部は、前記電池セルが配置された第1の空間(空間B・C)と、前記電池セルが配置されていない第2の空間(空間A)とを区画しており、前記第1の空間の内圧が上昇することによる、前記第1の空間の内圧と前記第2の空間の内圧との差に応じて、前記感圧部の形状が反転し、前記感圧部と前記導電板とが離間することにより前記導通経路が遮断される構成であってもよい。
上記の構成によれば、導通経路を形成する略ドーム形状を有する感圧部および導電板を用いて、電池ケースの内圧に応じて導電部材を断線することができる。そのため、導電部材を断線させることのみを目的とした部材を必要とせず、簡易な構成により電池セルと第1の電極との電気的接続を断つことができる。
本発明の態様5に係る二次電池は、上記態様1または2において、前記遮断部は、前記導電部材における他の部分よりも薄い薄板部(スリット10)であり、電池ケースの内圧の上昇に応じて、前記導電部材が前記薄板部において断裂することにより、前記導通経路が遮断される構成であってもよい。
上記の構成によれば、導電部材に薄板部を設けるという簡易な方法によって、低コストで遮断部を構成することができる。また、導電部材が薄板部において断裂する構成であるため、遮断部において断線した後、再び電池セルと第1の電極とが導通し、内圧が上昇することによって電池が破裂する可能性を低減することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、電池全般に広く利用できるものであり、特に、二次電池に好適に利用することができる。
1 電池ケース
2 電池蓋
6 電池セル
10 スリット(薄板部)
14〜18 溶接部(遮断部)
31 第1正極端子(第1の電極)
32 第2正極端子(第2の電極)
41 正極集電板(導電部材)
42、45、47、49、53 第1正極集電板(導電部材)
44、46、48、50、54 第2正極集電板(導電部材)
51 導電性リング(導電部材)
60 感圧ダイヤフラム(感圧部)
61、62 注液口封止板(感圧部)
70 安全弁
100〜105 電池
A 空間(第2の空間)
B、C 空間(第1の空間)

Claims (5)

  1. 電池セルを収容する電池ケースと、
    正極または負極である第1の電極と、
    前記電池セルと前記第1の電極とを電気的に接続するための導通経路を形成する導電部材とを有している二次電池であって、
    前記導電部材は、前記導通経路を遮断するための遮断部を含んでおり、
    前記第1の電極と同極であり、前記遮断部を介することなく前記電池セルに電気的に接続された第2の電極をさらに備えていることを特徴とする二次電池。
  2. 前記電池ケースの内圧の上昇に伴って開口することにより前記電池ケースの内部の気体を外部に放出するための安全弁を備えており、
    前記内圧の上昇に伴って前記安全弁が開口するよりも前に、前記導通経路が遮断されることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記導電部材に対向して設けられた平板状の感圧部を備えており、
    前記感圧部は、前記導電部材に対向する対向面において前記導電部材に接続されており、
    前記感圧部は、前記電池ケースの内圧の上昇に応じて、前記対向面に略垂直な方向の圧力を受けて変形し、
    前記圧力が前記感圧部を介して前記導電部材に加わることにより、前記導電部材が断線し、前記導通経路が遮断されることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
  4. 前記導電部材は、前記電池ケースの内圧の上昇に応じて形状が反転する略ドーム形状の感圧部と、前記感圧部の頂点を介して前記感圧部に接続された導電板とを含んでおり、前記感圧部は、前記電池セルが配置された第1の空間と、前記電池セルが配置されていない第2の空間とを区画しており、
    前記第1の空間の内圧が上昇することによる、前記第1の空間の内圧と前記第2の空間の内圧との差に応じて、前記感圧部の形状が反転し、前記感圧部と前記導電板とが離間することにより前記導通経路が遮断されることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
  5. 前記遮断部は、前記導電部材における他の部分よりも薄い薄板部であり、
    前記電池ケースの内圧の上昇に応じて、前記導電部材が前記薄板部において断裂することにより、前記導通経路が遮断されることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
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