JP2013190816A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機層間絶縁膜を有する液晶表示装置では、コンタクトホールの形成とシール部分の開口を同一プロセスで行うとシール部のゲート配線が露出し、配線材料の腐食によりシール材とゲート配線の接着力が低下した。この問題を回避するためには、2回のフォトリソグラフィ工程が必要となり、製造コストが増大した。
【解決手段】薄膜トランジスタが形成された画素部と画素部周辺に配置されたシール部を備えた第1の基板と、第1の基板に対向する第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間に充填された液晶層とを有し、第1の基板と第2の基板がシール部に設けられたシール材により接着された液晶表示装置の製造方法であって、薄膜トランジスタを構成する半導体層を形成する工程と、シール部に半導体層と同一材料からなる半導体接続層を形成する工程を含み、半導体層を形成する工程と半導体接続層を形成する工程とを同時に行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置の製造方法および液晶表示装置に係り、特に液晶層をシール材により封止する工程を含む製造方法およびシール部の構造に関する。
近年、高解像度のディスプレイとして液晶表示装置が広く用いられている。この液晶表示装置は、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等のスイッチング素子が形成された基板(以下、TFT基板と呼ぶ)とカラーフィルタ、ブラックマトリクスが形成された基板(以下、カラーフィルタ基板と呼ぶ)との間に液晶を狭持している。そしてTFT基板とカラーフィルタ基板の周辺部がシール材により接着され、その中に液晶層が封止されている。
一般的な液晶表示装置では、シール材がTFT基板の周辺部まで延在する無機保護絶縁膜と接着されるが、近年、TFT基板の開口率を向上させるために、無機保護絶縁膜上に有機層間絶縁膜を形成する構造が実用化されている。しかし有機層間絶縁膜とシール材の接着力は無機保護絶縁膜とシール材との接着力に比べて低下する。そこでTFT基板のシール部では有機層間絶縁膜を除去する工程を追加し、無機保護絶縁膜上にシール材を配置することにより接着性の向上を図っている。
有機層間絶縁膜を有する液晶表示装置の例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された液晶表示装置を図11に示す。図11(a)は外周部の断面図、図11(b)は画素部の断面図である。この液晶表示装置のTFT構造は図11(b)に示すように、トップゲート型あるいはプレーナー型と呼ばれる構造である。トップゲート型(プレーナー型)TFT構造の場合は、ガラス基板31上にポリシリコン半導体層32、ゲート絶縁膜33、ゲート配線34がこの順に形成され、その上面に無機材料からなる保護絶縁膜35と有機層間絶縁膜36が形成される。したがって、コンタクトホールを形成するためには、エッチング工程により有機層間絶縁膜36及び保護絶縁膜35の2層のみを除去すればよい。このとき、シール材37が形成されるシール部も同一の層構造を有するので、シール部における有機層間絶縁膜36及び保護絶縁膜35も同様に除去される。しかし、さらにその下に形成されている無機層間絶縁膜38は除去されずに残る。従って、コンタクトホール形成工程により、シール部において無機層間絶縁膜38の下に形成されたゲート配線34が露出されることはない。
次に、逆スタガ型TFT構造を用いた有機層間絶縁膜を有する液晶表示装置の製造方法について図12を用いて説明する。まず、無機材料からなる保護絶縁膜35の上に感光性を有する有機層間絶縁膜36−1を全面に塗布する。その後1回目のフォトリソグラフィ工程により、コンタクトホール及びシール部のパターンに対応した開口部39を有機層間絶縁膜36−1に形成する(図12(a))。次に、この開口部39を埋めるようにレジストを有機層間絶縁膜36−1の上に全面に塗布する。続いて2回目のフォトリソグラフィ工程によりシール部の開口部39を覆うようにレジスト膜40をパターニングする(図12(b))。このレジスト膜40をマスクとして用いて、エッチング工程によりコンタクトホール領域の保護絶縁膜35及びゲート絶縁膜33を除去し(図12(c))、最後にレジストの剥離を行っていた(図12(d))。
特開2003−167258号公報(〔0020〕〜〔0054〕、図1、図3)
上述した逆スタガ型TFT構造を用いた有機層間絶縁膜を有する液晶表示装置では、図12(d)に示すように、ゲート絶縁膜33上に設けられたドレイン電極に接続されたドレイン配線41と、ゲート配線34と同層に設けられた共通電極42のコンタクトホールを形成するためには、有機層間絶縁膜36−1、保護絶縁膜35及びゲート絶縁膜33の除去を行わなければならない。このとき、シール部の有機層間絶縁膜36−1の除去も同一の工程で行うとすると、シール部においても有機層間絶縁膜36−1、保護絶縁膜35及びゲート絶縁膜33が除去され、シール部ではゲート配線34が露出した状態となる。そのため、シール材と接触することによりゲート配線34を構成する配線材料が腐食するという問題があった。そして腐食により液晶内に不純物が浸入して表示不良が発生し、またシール材と金属配線の接着性が低下するという問題があった。
この問題を回避するためには、図12を用いて説明したように、コンタクトホールの形成とゲート絶縁膜33を残したシール部分の形成を別個に行わなければならず、2回のフォトリソグラフィ工程が必要となることからプロセス工程が増加し、そのため製造コストが上昇するという問題があった。
本発明の目的は、TFT基板とシール材との接着力が強く、信頼性の高い液晶表示装置を製造工程の増加なしに得ることができる液晶表示装置の製造方法、およびかかる液晶表示装置を提供することにある。
本発明の液晶表示装置の製造方法は、薄膜トランジスタが形成された画素部と画素部周辺に配置されたシール部を備えた第1の基板と、第1の基板に対向する第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間に充填された液晶層とを有し、第1の基板と第2の基板がシール部に設けられたシール材により接着された液晶表示装置の製造方法であって、薄膜トランジスタを構成する半導体層を形成する工程と、シール部に半導体層と同一材料からなる半導体接続層を形成する工程と、有機層間絶縁膜を形成する工程とを含み、半導体層を形成する工程と半導体接続層を形成する工程とを同時に行う。
また本発明の液晶表示装置は、薄膜トランジスタが形成された画素部と画素部周辺に配置されたシール部を備えた第1の基板と、第1の基板に対向する第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間に充填された液晶層とを有し、第1の基板と第2の基板がシール部に設けられたシール材により接着された液晶表示装置であって、第1の基板は少なくとも有機層間絶縁膜を備え、シール部は薄膜トランジスタを構成する半導体層と同一材料からなる半導体接続層を含み、半導体接続層はシール材と接して配置されている。
本発明の液晶表示装置の製造方法によれば、TFT基板のコンタクトホールの形成と、シール部における有機層間絶縁膜の開口部の形成を同一の工程で行うことができるので、製造工程の増加を回避することができる。
また本発明の液晶表示装置は、TFT基板とシール材との接着力が強く、かつ接着部の信頼性が高いという効果を有する。
本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置の断面図。 本発明の第1の実施の形態に係るTFT基板の製造方法を説明するための断面図。 本発明の第1の実施の形態に係るTFT基板の製造方法を説明するための断面図。 本発明の第1の実施の形態に係るTFT基板の製造方法を説明するための断面図。 本発明の第1の実施の形態に係るTFT基板の製造方法を説明するための断面図。 本発明の第1の実施の形態に係るTFT基板の製造方法を説明するための断面図。 本発明の第2の実施の形態に係るTFT基板の製造方法を説明するための断面図。 本発明の第3の実施の形態に係るTFT基板の断面図。 本発明の第4の実施の形態に係るTFT基板の製造方法を説明するための断面図。 本発明の第4の実施の形態に係るTFT基板の製造方法を説明するための断面図。 本発明に関連する液晶表示装置の断面図。 本発明に関連するTFT基板の製造方法を説明するための断面図。
1 液晶表示装置
2 TFT基板
3 カラーフィルタ基板
4 液晶層
5 画素部
6 G/D変換部
7 シール部
8 端子部
9 アモルファス・シリコン(a−Si)膜
10、33 ゲート絶縁膜
11 ソース電極
12、35 保護絶縁膜
13、13−1、13−2、36、36−1 有機層間絶縁膜
14、41 ドレイン配線
15、34 ゲート配線
16、42 共通電極
17 半導体接続層
18、37 シール材
21、31、51 ガラス基板
22、40 レジスト膜
23 n+a−Si膜
24 ソース配線
25、39 開口部
26 透明導電膜
32 ポリシリコン半導体層
38 無機層間絶縁膜
52 ブラックマトリクス(BM)
53 色画素
54 平坦化膜
55 配向膜
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置の断面図である。図1に示すように、液晶表示装置1はTFT基板2とカラーフィルタ基板3との間に液晶層4が狭持されている。TFT基板2は画素部5と、ドレイン引出配線として用いるゲート配線とドレイン配線を接続するG/D変換部6、シール部7、及び端子部8から構成される。
画素部5にはアモルファス・シリコン(a−Si)膜9からなるチャネル領域と、ゲート絶縁膜10と、ゲート電極、ソース電極11およびドレイン電極からなる薄膜トランジスタ(TFT)が形成されている。そしてTFT基板2の全面に保護絶縁膜12及び有機層間絶縁膜13が形成されている。ここで、ソース電極11、およびドレイン電極に接続されたドレイン配線14のコンタクト領域では保護絶縁膜12と有機層間絶縁膜13が除去されている。一方、ゲート電極に接続されたゲート配線15と同層に位置する共通電極16のコンタクト領域では、保護絶縁膜12と有機層間絶縁膜13に加えゲート絶縁膜10が除去され、異なる深さのコンタクトホールが開口されている。
シール部7には、薄膜トランジスタ(TFT)のチャネル領域と同層上にアモルファス・シリコン(a−Si)膜からなる半導体接続層17が形成されている。そして半導体接続層17上の保護絶縁膜12及び有機層間絶縁膜13が除去され、ゲート絶縁膜10上に形成された半導体接続層17が露出しておりシール材18と接している。
G/D変換部6では、薄膜トランジスタ(TFT)のチャネル領域と同層上に形成されたドレイン配線14がシール部7において露出しないようにするため、ドレイン配線14をゲート配線15に接合している。
端子部8は液晶表示装置1と外部回路を接続するための端子であり、ゲート配線15と接続している。
一方、TFT基板2に対向するカラーフィルタ基板3は、ガラス基板51とその上に形成されたブラックマトリクス(BM)52、色画素53、有機材料からなる平坦化膜54、及び配向膜55からなる。そして本実施の形態による液晶表示装置は、TFT基板2とカラーフィルタ基板3とが、TFT基板2の周辺近傍に位置するシール部7に配置されたシール材18により接着され、TFT基板2とカラーフィルタ基板3との間に液晶層4を封入した構成となっている。
ここで一般にシール材18はエポキシ樹脂等からなり、シール材18との接着強度は半導体材料であるアモルファス・シリコン(a−Si)膜が最も強く、次に透明導電膜が強く、有機層間絶縁膜13は接着強度が最も弱い。本実施の形態ではシール材18と接着する領域にアモルファス・シリコン(a−Si)膜からなる半導体接続層17を用いているので、シール材18とTFT基板2との接着力を強化することができる。さらに半導体材料は金属材料からなる電極層とは異なり、シール材との接触により腐食することがないため、シール材18との接続部分が経時的に劣化することがなく、信頼性の高い液晶表示装置が得られる。
図2から図6に第1の実施の形態によるTFT基板2の製造方法を示す。
まず図2(a)に示すように、ガラス基板21上にゲート配線15となる金属層を成膜する。金属材料としては、Cr、Al、Mo、Ti、Cu等の純金属またはこれらを含む合金を用いることが出来る。また2種類以上のこれらの金属を使用して積層構造としてもよい。成膜方法は金属蒸着法等があるが、より好ましくはスパッタ法により成膜を行う。成膜後はフォトリソグラフィ工程により所望のパターンとなるようレジスト膜22を形成し(図2(a))、金属層のエッチングを行うことによりゲート配線15のパターンを形成する(図2(b))。形成後に不要となったレジスト膜22は剥離する(図2(c))。
続いて図3(a)に示すように、ゲート絶縁膜10をゲート配線15の上に成膜する。ゲート絶縁膜10にはSiO2膜やSiNX膜などの無機材料からなる透明絶縁膜を用いることができる。成膜には例えば、CVD法等を用いることができる。次に、薄膜トランジスタ(TFT)のチャネル領域となるアモルファス・シリコン(a−Si)膜9、ドレインおよびソースコンタクト領域となるn+a−Si膜23をゲート絶縁膜10上に連続して成膜する。成膜は、例えばCVD法等により行う。成膜後にフォトリソグラフィ工程により所望のパターンとなるようレジスト膜22を形成し、エッチングを行うことにより所望のパターンを形成する(図3(a)(b)(c))。このときシール部7にも同時に、薄膜トランジスタ(TFT)のチャネル領域を形成するアモルファス・シリコン(a−Si)膜を用いて半導体接続層17を形成する(図3(c))。
次に、ドレイン配線14およびソース配線24となる金属膜を成膜する(図4(a))。金属膜としては、Cr、Al、Mo、Ti、Cu等の純金属またはこれらを含む合金を用いることが出来る。また2種類以上のこれらの金属を使用して積層構造としてもよい。成膜方法は好ましくはゲート配線15の成膜と同様にスパッタ法を用いることができる。成膜後にフォトリソグラフィ工程によりレジスト膜を形成し、エッチングを行うことにより薄膜トランジスタ(TFT)のパターンを形成する(図4(b))。その後、チャネルエッチングによりドレイン領域とソース領域の分離を行うことにより逆スタガ型TFT構造が完成する(図4(c))。チャネルエッチングはドライエッチング法により行うのが好ましい。図4ではレジスト剥離前にチャネルエッチングを実施しているが、レジスト剥離後にチャネルエッチングを実施することとしてもよい。
次に図5に示すように、ドレイン配線14およびソース配線24を形成した後に、その上に保護絶縁膜12を成膜する。保護絶縁膜12としては、無機材料または有機材料からなる透明絶縁膜を用いることが出来る。本実施の形態では、SiNX膜からなる無機絶縁膜をCVD法により成膜した。続いて、有機層間絶縁膜13を成膜する。有機層間絶縁膜13としては、例えばアクリル樹脂等を用いることができる。次にフォトリソグラフィ工程によりソース電極11、ドレイン電極に接続されたドレイン配線14、共通電極16それぞれのコンタクト領域及びシール部7上のレジスト膜22を除去する(図5(a))。このレジスト膜22をマスクとして用いて有機層間絶縁膜13のエッチングを行う(図5(b))。このエッチングには例えば、酸素(O2)ガスによるドライエッチングを用いることができる。有機層間絶縁膜13のエッチングレートを速くするため、より好ましくはCF4ガスを添加してエッチングを行う。次に連続して、ソース電極11及びドレイン配線14上の保護絶縁膜12、共通電極16上の保護絶縁膜12及びゲート絶縁膜10をエッチング除去する(図5(c))。エッチングには例えば、CF4ガスまたはSF6ガスを用いたドライエッチング法により行う。このときシール部7においても保護絶縁膜12はエッチング除去される。しかし保護絶縁膜12の下部にはアモルファス・シリコン(a−Si)膜からなる半導体接続層17が形成されているため、半導体接続層17がエッチングストッパーとして機能することにより、更にその下部にあるゲート絶縁膜10はエッチング除去されることはない(図5(c))。すなわち、本実施の形態に係る液晶表示装置は逆スタガ型TFT構造を採用しているので、トップゲート型(プレーナー型)TFT構造とは異なり、薄膜トランジスタ(TFT)のチャネル領域となるアモルファス・シリコン(a−Si)膜9がゲート配線15の上層に形成される。そのため、チャネル領域と同層に形成された半導体接続層17をエッチングストッパーとして用いることができる。以上の工程により、ソース電極11、ドレイン配線14、共通電極16上のコンタクトホールの形成、及びシール部7における有機層間絶縁膜13の除去を同一の工程で行うことが出来る。
ここで、シール部7に形成された半導体接続層17の面積は、保護絶縁膜12および有機層間絶縁膜13のエッチングにより開口された開口部25の面積よりも大きいことが望ましい。その理由は以下の通りである。すなわち、ドライエッチングにより深さ方向のエッチングが進行するのと同時に横方向へのエッチングも進行する。このため初期のレジスト膜で形成した開口部25の面積とエッチング後の開口部25の面積を比較すると、エッチング後の開口部25の面積の方が大きくなる。そこで、レジスト膜で形成する開口部25の面積よりも半導体接続層17の面積を大きく形成しておくことにより、コンタクトホールのエッチング中にサイドエッチングが進行しても、半導体接続層17の下部に位置するゲート絶縁膜10が露出されることはなく、半導体接続層17でゲート絶縁膜10は保護されることになるからである。
次に図6に示すように、コンタクトホールを形成した後に透明導電膜26を成膜する。透明導電膜26にはインジウムすず酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)等を用いることが出来る。成膜方法はスパッタ法が好ましく用いられる。成膜後にフォトマスクを用いて透明導電膜26のパターニングを行い、同時にシール部7に形成された透明導電膜26を除去する。最後に、例えばポリイミド膜を用いた配向膜を形成することによりTFT基板2が完成する。
上述したように、本実施の形態の製造方法によれば、半導体接続層17がエッチングストッパーとして機能するため、新たな工程を追加することなく、ソース電極11、ドレイン配線14、及び共通電極16にコンタクトホールを形成する工程と同一の工程によりシール部7における有機層間絶縁膜13を除去することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態は第1の実施の形態で用いた有機層間絶縁膜13に感光性を持たせたことを特徴とするものである。図7は、本発明の第2の実施の形態に係るTFT基板2の製造方法を説明するための断面図である。保護絶縁膜12を成膜するまでは第1の実施の形態と同じ工程により製造する。次にコンタクトホールを開口する工程において、感光性を有する有機層間絶縁膜13−1を成膜する。成膜方法としてはスピンコーターやロールコーターによる塗布方法等を用いることができる。次にフォトリソグラフィ工程により有機層間絶縁膜13−1を露光し現像を行う。この工程によりレジスト塗布工程を用いることなく、コンタクトホール形成領域及びシール部7のシール材18形成領域の有機層間絶縁膜13−1を除去することが出来る(図7(a))。
次に有機層間絶縁膜13−1をマスクとして、保護絶縁膜12、ゲート絶縁膜10をエッチング除去する(図7(b))。このときも第1の実施の形態と同様に、シール部7のシール材18形成領域の保護絶縁膜12はエッチング除去されるが、その下層に配置されたアモルファス・シリコン(a−Si)膜からなる半導体接続層17がエッチングストッパーとして作用するため、更にその下層に配置されたゲート絶縁膜10はエッチング除去されることがない。したがって、ゲート絶縁膜10が除去されたコンタクトホール形成領域、及び半導体接続層17とゲート絶縁膜10で覆われたシール部7からなる構造を、第1の実施の形態に比べてレジスト工程を1回省略した工程により作成することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。第3の実施の形態は第1の実施の形態で用いた保護絶縁膜12と有機層間絶縁膜13とを1層からなる有機層間絶縁膜13−2に代替したことを特徴とするものである。図8は、本発明の第3の実施の形態に係るTFT基板2の断面図である。ドレイン配線14及びソース配線24となる金属膜を成膜する工程までは第1の実施の形態と同じ工程により製造する。次に有機層間絶縁膜13−2を塗布法により成膜する。そして、コンタクトホールを開口するために、ソース電極11、共通電極16及びシール部7のシール材18形成領域の有機層間絶縁膜13−2を除去する。この工程はレジスト膜を用いた通常のフォトリソグラフィ工程とエッチング工程により行うことができるが、感光性を有する有機保護絶縁膜13−2を用いた場合はフォトリソグラフィ工程だけで形成することができる。次にゲート絶縁膜10をドライエッチング法等を用いて除去することにより、1回のフォトリソグラフィ工程及びエッチング工程で、ソース電極11、共通電極16のコンタクトホールの開口及びシール部7のシール材18形成領域の有機層間絶縁膜13−2の除去を行うことができる。以上の工程により、無機材料を用いた保護絶縁膜12を形成する工程を削減することができるので、さらに低コストで液晶表示装置を製造することができる。
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。第4の実施の形態はシール部7だけではなく端子部8における有機層間絶縁膜13をも除去することを特徴とするものである。図9、10は、本発明の第4の実施の形態に係るTFT基板2の製造方法を説明するための断面図である。
図9(a)に示すように、薄膜トランジスタ(TFT)のチャネル領域となるアモルファス・シリコン(a−Si)膜9、ドレインおよびソースコンタクト領域となるn+a−Si膜23を形成するまでの工程は第1の実施の形態と同じ工程で製造する。このとき本実施の形態では、シール部7のみならず端子部8にもアモルファス・シリコン(a−Si)膜からなる半導体接続層17を形成する。ここで、シール部7より表示エリア(画素)側に延びた半導体接続層17はエッチング除去したあと最終的に残る有機層間絶縁膜13および保護絶縁膜12と一部が重なる位置に配置することが望ましい。後述するように有機層間絶縁膜13のエッチング工程におけるサイドエッチングによる影響を防止するためである。次に、フォトリソグラフィ工程により所望のパターンとなるようレジスト膜22を形成し、エッチング工程を行うことにより薄膜トランジスタ(TFT)のパターンを形成する。続いて、有機層間絶縁膜13を塗布するまでの工程を第1の実施の形態と同様の工程により行う。続いてコンタクトホールを形成するために、フォトリソグラフィ工程を用いて有機層間絶縁膜13上にレジストパターンを形成する(図9(a))。形成したレジスト膜22をマスクとして有機層間絶縁膜13をパターンにそって除去する(図9(b))。次に保護絶縁膜12及びゲート絶縁膜10を除去し、コンタクトホールを形成する(図9(c))。このとき、端子部8及びシール部7に配置したアモルファス・シリコン(a−Si)膜からなる半導体接続層17は除去されず、ゲート絶縁膜10に対するエッチングストッパーとして機能する。そのためコンタクトホールの形成とシール部7及び端子部8における保護絶縁膜12と有機層間絶縁膜13の除去を同一の工程で行うことが出来る。また上述したようにシール部7より表示エリア(画素)側に延びた半導体接続層17の一部が有機層間絶縁膜13および保護絶縁膜12と重なる位置に配置している。そのため、サイドエッチングにより保護絶縁膜12および有機層間絶縁膜13の側面が後退しても、この重なる位置の下層に配置されたゲート絶縁膜10は除去されることはない。
続いて同じレジストマスクを用いて端子部8及びシール部7における半導体接続層17を除去する(図10(a))。これはアモルファス・シリコン(a−Si)膜を半導体接続層17に用いた場合は、アモルファス・シリコン(a−Si)膜は導電性を有することから、端子部8では端子同士が導通してしまう。そこで、かかる不良を回避するために端子部8における半導体接続層17を除去することとしたものである。最後に第1の実施の形態と同じ工程により透明導電膜26を形成し、第4の実施の形態に係るTFT基板2が完成する(図10(b))。
このような工程を採用することにより、シール部7の有機層間絶縁膜13だけなく端子部8の有機層間絶縁膜13もフォトリソグラフィ工程を追加することなく除去することができ、端子部8のリペア性を向上することができる。すなわち、一般に、液晶表示装置の端子と外部回路基板との接続にはACF(異方性導電膜:Anisotropic Conductive Film)接続が用いられているが、端子部に有機絶縁膜が残留した構成では段差が大きいことや、有機絶縁膜が存在することからリペア性が低下していた。しかし本実施の形態によれば、端子部8の有機絶縁膜も除去されるため、リペア性が向上する。また、本実施の形態に係るTFT基板2のシール部7においては、有機層間絶縁膜13、無機材料からなる保護絶縁膜12及び半導体接続層17が除去されるが、シール材18は無機材料からなるゲート絶縁膜10と接着するので、強い接着強度を得ることができる。
本実施の形態においても第2の実施の形態と同様に、有機層間絶縁膜13に感光性を持たせてフォトリソグラフィ工程により有機層間絶縁膜13−1のパターニングを行うこととしてもよい。また第3の実施の形態と同様に、保護絶縁膜12と有機層間絶縁膜13に替えてを1層の有機層間絶縁膜13−2を用いることとしてもよい。
本発明は上記実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることはいうまでもない。

Claims (1)

  1. 薄膜トランジスタが形成された画素部と前記画素部周辺に配置されたシール部を備えた第1の基板と、前記第1の基板に対向する第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に充填された液晶層とを有し、前記第1の基板と前記第2の基板が前記シール部に設けられたシール材により接着された液晶表示装置であって、前記第1の基板は少なくとも有機層間絶縁膜、或いは少なくとも保護絶縁膜及び有機層間絶縁膜と、前記シール部の外側に配置された端子部を備え、前記シール部は前記薄膜トランジスタのゲート電極に接続されたゲート配線と、前記ゲート配線上に形成されたゲート絶縁膜とからなり、前記シール部の前記シール材は、前記第1基板上において前記ゲート絶縁膜のみと接して配置され、前記端子部には、前記有機層間絶縁膜、或いは前記保護絶縁膜及び前記有機層間絶縁膜が無いことを特徴とする液晶表示装置。
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