JP2013190505A - 描画装置および描画方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スループットを向上させつつ、高い描画精度を実現できる技術を提供する。
【解決手段】描画装置1は、主走査軸に沿って間隔をあけて配列された複数のヘッドユニット310を備えるヘッドユニット群30と、ヘッドユニット群30を、基板9に対して主走査軸に沿って相対的に移動させる保持搬送機構20とを備える。各ヘッドユニット310は、基板9に対して主走査軸に沿って相対的に移動されつつ、基板9に形成するべきパターンに応じた描画光を基板9に向けて出射する描画ヘッド311と、基板9の面内の部分領域を撮像する撮像ヘッド312と、撮像ヘッド312が取得した撮像データに基づいて、描画光の照射位置を補正する描画位置補正部とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、感光材料が形成された基板に対して光を照射して、基板にパターンを描画する技術に関する。ここでいう「基板」には、半導体基板、プリント基板、液晶表示装置等に具備されるカラーフィルタ用基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置等に具備されるフラットパネルディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、太陽電池用パネルなどの各種基板等を含む。
基板上に塗布された感光材料に回路などのパターンを描画するにあたって、近年では、例えば、CADデータ等に応じて変調した光ビーム(描画光)によって基板上の感光材料を走査することにより、当該感光材料に直接パターンを露光する描画装置が注目されている。この描画装置は、例えば、光ビームを画素単位でオン/オフ変調するための空間光変調器(例えば、光源から供給される光ビームを反射して基板上に与えるオン状態と、光ビームをオン状態とは異なる方向に向けて反射させるオフ状態とを、露光パターンを表現した制御信号によって画素単位で切り換える反射型の空間変調器)を備える描画ヘッドから、描画ヘッドに対して相対的に移動される基板に対して描画光を照射して、基板にパターンを描画する。
描画装置においては、処理対象となる基板が大型化すると、描画処理に要する時間が増大してしまう。そこで、描画装置の中には、描画ヘッドを複数設けて、基板に対する描画光の照射を、当該複数の描画ヘッドのそれぞれに並行して行わせることによって、スループットの向上を実現しているものがある(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2001−322312号公報 特開2005−243870号公報
ところで、描画装置においては、高いスループットに加え、高い処理精度(すなわち、パターンを形成するべき位置に正確に描画光を照射できる技術)も要求される。
例えば、多重露光を行う場合には、基板に先に形成された下地パターン(既設パターン)の上に高い精度で重ね合わさるように次のパターン(上層パターン)を描画しなければならない。ところが、下地パターンが形成された基板には、その後熱処理工程が施されるところ、この熱処理工程を経ることによって、基板には、歪み、収縮・膨張等の形状変化が生じることがあり、この形状変化によって、当該基板に形成された下地パターンも不規則に変化してしまう可能性が高い。変化した下地パターンの上に、高い精度で重ね合わせて上層パターンを描画することは容易なことではない。また、下地パターンを形成した装置とは異なる装置によって上層パターンを描画する場合、下地パターンの上に、高い精度で重ね合わせて次のパターンを描画するためには、装置の機差や、精度の差までをも考慮しなければならず、装置の調整が困難である。
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、スループットを向上させつつ、高い描画精度を実現できる技術を提供することを目的とする。
第1の態様は、基板に光を照射してパターンを描画する描画装置であって、所定軸に沿って間隔をあけて配列された複数のヘッドユニットを備えるヘッドユニット群と、前記ヘッドユニット群を、前記基板に対して前記所定軸に沿って相対的に移動させる移動機構と、を備え、前記複数のヘッドユニットのそれぞれが、前記基板に対して前記所定軸に沿って相対的に移動されつつ、前記基板に形成するべきパターンに応じた描画光を前記基板に向けて出射する描画ヘッドと、前記基板の面内の部分領域を撮像する撮像ヘッドと、前記撮像ヘッドが取得した撮像データに基づいて、前記描画光の照射位置を補正する描画位置補正部と、を備える。
第2の態様は、第1の態様に係る描画装置であって、前記ヘッドユニット群を複数備え、前記複数のヘッドユニット群が、前記所定軸と直交する軸に沿って配列される。
第3の態様は、第1または第2の態様に係る描画装置であって、前記複数のヘッドユニットのそれぞれにおける前記描画光の照射を、独立して制御する制御部、を備え、前記制御部が、処理対象となる基板の面内に、非描画領域を挟んで互いに分離された複数の描画領域が設定されている場合に、前記複数の描画領域のそれぞれを、前記複数のヘッドユニットのいずれかと対応付けし、前記複数のヘッドユニットのそれぞれに、当該ヘッドユニットと対応付けられた描画領域に対する前記描画光の照射を担当させる。
第4の態様は、第3の態様に係る描画装置であって、前記制御部が、前記ヘッドユニットが備える前記撮像ヘッドが取得した撮像データから、前記非描画領域と前記描画領域との境界位置を検出し、当該検出された境界位置に基づいて、当該ヘッドユニットが備える前記描画ヘッドから前記描画光を出射開始させるタイミングを決定する。
第5の態様は、第3または第4の態様に係る描画装置であって、前記制御部が、前記複数の描画領域のうち、前記所定軸に沿って、前記非描画領域を挟んで隣り合う一対の描画領域のそれぞれを、別々のヘッドユニットと対応付ける。
第6の態様は、基板に光を照射してパターンを描画する描画方法であって、a)所定軸に沿って間隔をあけて配列された複数のヘッドユニットを備えるヘッドユニット群を、前記基板に対して前記所定軸に沿って相対的に移動させる工程と、b)前記a)工程が行われる間に、前記ヘッドユニットが備える描画ヘッドが、前記基板に形成するべきパターンに応じた描画光を前記基板に向けて出射する工程と、c)前記a)工程が行われる間に、前記ヘッドユニットが備える撮像ヘッドが、前記基板の面内の部分領域を撮像する工程と、d)前記b)工程が行われる間に、前記撮像ヘッドが取得した撮像データに基づいて、前記描画光の照射位置を補正する工程と、を備える。
第7の態様は、第6の態様に係る描画方法であって、前記ヘッドユニット群を複数備え、前記複数のヘッドユニット群が、前記所定軸と直交する軸に沿って配列され、前記a)工程において、前記複数のヘッドユニット群が、前記基板に対して前記所定軸に沿って相対的に移動される。
第8の態様は、第6または第7の態様に係る描画方法であって、処理対象となる基板の面内に、非描画領域を挟んで互いに分離された複数の描画領域が設定されている場合に、前記複数の描画領域のそれぞれが、前記複数のヘッドユニットのいずれかと対応付けられ、前記複数のヘッドユニットのそれぞれが、当該ヘッドユニットと対応付けられた描画領域に対する前記描画光の照射を担当する。
第9の態様は、第8の態様に係る描画方法であって、e)前記ヘッドユニットが備える前記撮像ヘッドが取得した撮像データから、前記非描画領域と前記描画領域との境界位置を検出し、当該検出された境界位置に基づいて、当該ヘッドユニットが備える前記描画ヘッドから前記描画光を出射開始させるタイミングを決定する工程、をさらに備える。
第10の態様は、第8または第9の態様に係る描画方法であって、前記複数の描画領域のうち、前記所定軸に沿って、前記非描画領域を挟んで隣り合う一対の描画領域のそれぞれが、別々のヘッドユニットと対応付けられる。
第1、第6の態様によると、所定軸に沿って間隔をあけて配列された複数のヘッドユニットを備え、ヘッドユニットの備える描画ヘッドが、基板に対して当該所定軸に沿って相対的に移動されつつ、基板に描画光を照射する。この構成によると、各ヘッドユニットが、基板の面内領域における各部分領域(所定軸に沿って配列された各部分領域)のそれぞれに対する描画光の照射を並行して実行することができるので、描画処理のスループットが向上する。その一方で、各ヘッドユニットが撮像ヘッドを備え、描画ヘッドから出射される描画光の照射位置が、撮像ヘッドが取得した撮像データに基づいて補正されるので、各部分領域において高い処理精度を実現することができる。したがって、スループットを向上させつつ、高い描画精度を実現することができる。
第2、第7の態様によると、ヘッドユニット群が、所定軸と直交する軸に沿って複数配列される。この構成によると、各ヘッドユニット群が、基板の面内領域における各部分領域(所定軸と直交する軸に沿って配列された各部分領域)に対する描画処理を並行して実行することができるので、描画処理のスループットがさらに向上する。
第3、第8の態様によると、基板の面内に設定された複数の描画領域のそれぞれに対する描画光の照射を、当該描画領域と対応付けられた1個のヘッドユニットに担当させる。この構成によると、1個の描画領域に対する描画光の照射が複数のヘッドユニットで分担して担当されることがないので、描画領域内にヘッドユニット間のつなぎ目の部分が生じない。ヘッドユニット間のつなぎ目の部分には、隙間、あるいは、不必要な重複露光部分が生じやすいところ、上記の構成によると、各描画領域内にこのような隙間や重複露光部分が生じるおそれがない。したがって、各描画領域に、無駄なく適切にパターンを描画することができる。
第4、第9の態様によると、撮像ヘッドが取得した撮像データから、非描画領域と描画領域との境界位置を検出し、当該検出された境界位置に基づいて、描画ヘッドから描画光を出射開始させるタイミングを決定する。この構成によると、描画ヘッドからの描画光の出射開始のタイミングを簡易かつ適切に決定することができる。
第5、第10の態様によると、複数の描画領域のうち、所定軸に沿って非描画領域を挟んで隣り合う一対の描画領域のそれぞれが、別々のヘッドユニットと対応付けられる。つまり、当該一対の描画領域のそれぞれに対する描画光の照射が、別々のヘッドユニットによって担当される。したがって、1個のヘッドユニットが、隣り合う一対の描画領域に対する描画光の照射を連続して実行するという事態が生じず、ヘッドユニットが、ある描画領域に対して描画光の照射を実行した後、次の描画領域への描画光の照射を開始するまでの間に、十分な休止期間が常に確保される。したがって、ヘッドユニットは、各描画領域に対する描画光の照射を常に適切な状態で開始することができる。
描画装置の平面図である。 制御部のハードウエア構成を示すブロック図である。 ヘッドユニットの構成を示すブロック図である。 光路補正部の構成例を模式的に示す図である。 基板の一例を示す平面図である。 基板の一例を示す平面図である。 描画処理を説明するための図である。 描画処理を伴う往路主走査に係る処理の流れを示す図である。 描画処理を伴う往路主走査におけるヘッドユニットからの描画光の照射開始タイミングを説明するための図である。 描画処理を伴う往路主走査におけるヘッドユニットからの描画光の照射開始タイミングを説明するための図である。 描画処理を伴う往路主走査におけるヘッドユニットからの描画光の照射開始タイミングを説明するための図である。 描画処理を伴う往路主走査におけるヘッドユニットからの描画光の照射開始タイミングを説明するための図である。 描画処理を伴う往路主走査におけるヘッドユニットからの描画光の照射開始タイミングを説明するための図である。 描画処理を伴う往路主走査におけるヘッドユニットからの描画光の照射開始タイミングを説明するための図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<1.装置構成>
実施の形態に係る描画装置1の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、描画装置1の構成を模式的に示す平面図である。なお、以下に参照する各図においては、説明の便宜上、X軸が副走査軸に沿い、Y軸が主走査軸に沿い、Z軸が鉛直軸に沿うXYZ座標系が適宜付されている。
描画装置1は、レジスト等の感光材料の層が形成された基板9の上面に光を照射して、所定のパターンを描画する装置であり、保持搬送機構20と、複数(この実施の形態においては、2個)のヘッドユニット群30,30と、ヘッド移動機構40と、制御部50とを主として備えている。
<保持搬送機構20>
保持搬送機構20は、基板9を水平姿勢に保持しつつ、当該基板9を主走査軸(Y軸)に沿って搬送する。保持搬送機構20は、例えば、1対のガイドレール21,21と、4個のスライダ22,22,22,22と、4つの保持部材23,23,23,23と、複数のエア浮上レール24,24,・・,24とを含む。
各ガイドレール21は、描画装置1の基台11上に、主走査方向(Y方向)に延在して敷設される。ここで、1対のガイドレール21,21は、基板9の幅よりも若干大きめの間隔をあけて、互いに平行に配置されている。一方、スライダ22は、各ガイドレール21に2個ずつ設けられている。各スライダ22には可動子が設けられており、この可動子は、ガイドレール21に沿って配設された固定子と協働してリニアモータを構成する。このリニアモータを動作させることによって、各スライダ22は、ガイドレール21に案内された状態で主走査軸に沿って滑らかに移動する。一方、保持部材23は、各スライダ22に1個ずつ設けられて、スライダ22に対して固定されている。保持部材23の上面には、例えば、図示しない吸引孔が形成されており、この吸引孔に負圧(吸引圧)が形成されることによって、基板9の一部を固定保持することができるようになっている。さらに、一群のエア浮上レール24,24,・・,24のそれぞれは、基台11上であって、一対のガイドレール21,21の間に、主走査方向に延在して敷設される。各エア浮上レール24は、鉛直上方向に沿ってエアを噴出することにより、基板9を浮上させた状態で非接触状態で支持する。
この構成において、基板9は、一群のエア浮上レール24,24,・・,24によって非接触状態で支持されつつ、四隅を保持部材23によって固定保持される。この状態で、リニアモータを動作させると、スライダ22がガイドレール21に案内された状態で主走査軸に沿って移動し、これによって、基板9が主走査軸に沿って滑らかに移動することになる。
<ヘッドユニット群30>
複数(この実施の形態においては、2個)のヘッドユニット群30,30は、主走査軸(Y軸)と直交する副走査軸(X軸)に沿って配列される。具体的には、複数のヘッドユニット群30,30のそれぞれは、保持搬送機構20を跨ぐようにして基台11上に架設されるとともに副走査方向に沿って延在するフレーム12に、可動保持部材43を介して、支持される。
各ヘッドユニット群30は、同じ構成を備える。すなわち、各ヘッドユニット群30は、主走査方向に沿って間隔をあけて配列される複数(この実施の形態においては、2個)のヘッドユニット310,310を備える。具体的には、同一のヘッドユニット群30に属する2個のヘッドユニット310,310のそれぞれは、主走査方向に沿って延在する長尺の可動保持部材43の延在方向に沿う両端部のそれぞれに、吊り下げられた状態で支持される。なお、各ヘッドユニット310間の離間距離は必ずしも一定に固定されている必要はなく、2個のヘッドユニット310,310のうちの少なくとも1個のヘッドユニット310の位置を、可動保持部材43の延在方向(すなわち、主走査方向)に沿って変更可能とする機構を設けて、両者の間隔を調整可能としてもよい。各ヘッドユニット310の具体的な構成については、後に説明する。
<ヘッド移動機構40>
ヘッド移動機構40は、各ヘッドユニット群30を副走査方向(X軸方向)に沿って移動させる機構である。ヘッド移動機構40は、例えば、フレーム12上に、副走査方向に延在して敷設されるガイド部材41と、ガイド部材41に設けられた複数個(ヘッドユニット群30と同数個)のスライダ42と、各スライダ42に固定された可動保持部材43とを含む。各スライダ42には可動子が設けられており、この可動子は、ガイド部材41に沿って配設された固定子と協働してリニアモータを構成する。このリニアモータを動作させることによって、各スライダ42は、ガイド部材41に案内された状態で副走査軸に沿って移動する。一方、各可動保持部材43は、主走査軸に沿って延在する長尺の部材であり、その延在方向に沿う中央付近においてスライダ42に対して固定されている。ここで、各可動保持部材43には、ヘッドユニット群30が保持される。すなわち、可動保持部材43の長尺方向に沿う両端部のそれぞれには、ヘッドユニット群30が備える2個のヘッドユニット310のそれぞれが吊り下げられた状態で支持される。
この構成において、リニアモータを動作させると、スライダ42がガイド部材41に案内された状態で副走査軸に沿って移動し、これによって、可動保持部材43に保持されたヘッドユニット群30が副走査軸に沿って移動することになる。
<制御部50>
制御部50は、描画装置1が備える各部と電気的に接続されており、各種の演算処理を実行しつつ描画装置1の各部の動作を制御する。
図2は、制御部50のハードウエア構成を示すブロック図である。制御部50は、例えば、CPU51、ROM52、RAM53、記憶装置54等がバスライン55を介して相互接続された一般的なコンピュータによって構成されている。ROM52は基本プログラム等を格納しており、RAM53はCPU51が所定の処理を行う際の作業領域として供される。記憶装置54は、フラッシュメモリ、あるいは、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成されている。記憶装置54にはプログラムPが格納されており、このプログラムPに記述された手順に従って、主制御部としてのCPU51が演算処理を行うことにより、各種機能が実現されるように構成されている。プログラムPは、通常、予め記憶装置54等のメモリに格納されて使用されるものであるが、CD−ROMあるいはDVD−ROM、外部のフラッシュメモリ等の記録媒体に記録された形態(プログラムプロダクト)で提供され(あるいは、ネットワークを介した外部サーバからのダウンロードなどにより提供され)、追加的または交換的に記憶装置54等のメモリに格納されるものであってもよい。なお、制御部50において実現される一部あるいは全部の機能は、専用の論理回路等でハードウエア的に実現されてもよい。
また、制御部50では、入力部56、表示部57、通信部58もバスライン55に接続されている。入力部56は、各種スイッチ、タッチパネル等により構成されており、オペレータから各種の入力設定指示を受け付ける。表示部57は、液晶表示装置、ランプ等により構成されており、CPU51による制御の下、各種の情報を表示する。通信部58は、LAN等を介したデータ通信機能を有する。
制御部50においては、プログラムPに記述された手順に従って主制御部としてのCPU51が演算処理を行うことにより描画装置1が備える各部に基板9に対する描画処理を実行させる。制御部50は、後に明らかになるように、保持搬送機構20を駆動して基板9を搬送させるとともに、搬送される基板9に対して、各ヘッドユニット310から、パターンデータDに応じた空間変調を施された光(描画光)を照射させる。ただし、「パターンデータD」は、基板9に描画すべき回路パターン等を記述したデータである。具体的には、パターンデータDは、例えば、CAD(computer aided design)を用いて生成されたCADデータをラスタライズしたデータであり、光を照射すべき基板9上の位置情報が画素単位で記録される。制御部50は、基板9に対する一連の処理に先立って、あるいは、当該処理と並行して、パターンデータDを取得して、記憶装置54に格納している。なお、パターンデータDの取得は、例えばネットワーク等を介して接続された外部端末装置から受信することにより行われてもよいし、記録媒体から読み取ることにより行われてもよい。
<2.ヘッドユニット310>
ヘッドユニット310の構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、ヘッドユニット310の構成を示すブロック図である。
なお、上述したとおり、描画装置1は、複数のヘッドユニット310,310,・・,310を備えるが、これら各ヘッドユニット310は、いずれも同じ構成を備えている。すなわち、各ヘッドユニット310は、描画ヘッド311と、これと対応付けられた撮像ヘッド312とを備える。
<描画ヘッド311>
描画ヘッド311は、後述する往路主走査において、基板9に対して主走査軸(Y軸)に沿って相対的に移動しつつ、基板9に形成するべきパターンに応じた描画光を、基板9に向けて出射する。描画ヘッド311は、例えば、レーザ駆動部81と、レーザ発振器82と、照明光学系83と、空間光変調ユニット84と、投影光学系85と、光路補正部86とを主として備える。
レーザ発振器82は、レーザ駆動部81からの駆動を受けて、出力ミラー(図示省略)からレーザ光を出射する。照明光学系83は、レーザ発振器82から出射された光(スポットビーム)を、強度分布が均一な線状の光(光束断面が線状の光であるラインビーム)とする。
レーザ発振器82から出射され、照明光学系83にてラインビームとされた光は、必要に応じてミラー等を介して、定められた角度で空間光変調ユニット84に入射する。空間光変調ユニット84は、当該入射光を空間変調して描画光を形成する。ただし、光を空間変調するとは、光の空間分布(振幅、位相、および偏光等)を変化させることを意味する。
空間光変調ユニット84は、具体的には、電気的な制御によって入射光を空間変調して、パターンの描画に寄与させる必要光と、パターンの描画に寄与させない不要光とを、互いに異なる方向に反射させる空間光変調器841を備える。
空間光変調器841は、その反射面の法線が、入射光の光軸に対して傾斜して配置され、当該入射光を、制御部50の制御に応じて空間変調して描画光を形成し、当該描画光を基板9に向けて出射する。空間光変調器841は、例えば、回折格子型の空間変調器(例えば、GLV(Grating Light Valve:グレーチング・ライト・バルブ)(「GLV」は登録商標)等を利用して構成される。回折格子型の空間変調器は、格子の深さを変更することができる回折格子であり、例えば、半導体装置製造技術を用いて製造される。
空間光変調器841の構成例についてより具体的に説明する。空間光変調器841は、例えば、複数の空間光変調素子を一次元に並べた構成となっている。各空間光変調素子の動作は、電圧のオン/オフで制御される。すなわち、例えば電圧がオフされている状態においては空間光変調素子の表面は平面となっており、この状態で空間光変調素子に光が入射すると、その入射光は回折せずに正反射する。これにより、正反射光(0次回折光)が発生する。一方、例えば電圧がオンされている状態においては、空間光変調素子の表面には平行な溝が周期的に並んで複数本形成される。この状態で空間光変調素子に光が入射すると、正反射光(0次回折光)は打ち消しあって消滅し、他の次数の回折光(±1次回折光、±2次回折光、および、さらに高次の回折光)が発生する。より正確には、0次回折光の強度が最小となり、他の次数の回折光の強度が最大となる。
空間光変調器841は、複数の空間光変調素子のそれぞれに対して独立に電圧を印加可能なドライバ回路ユニットを備えており、各空間光変調素子の電圧が独立して切り換え可能となっている。ドライバ回路ユニットが所期の空間光変調素子に対して電圧を印加することによって、各空間光変調素子にて個々に空間変調された光が形成され、基板9に向けて出射される。空間光変調器841が備える空間光変調素子の個数を「N個」とすると、空間光変調器841からは、副走査軸に沿うN画素分の空間変調された光(描画光)が出射されることになる。
投影光学系85は、空間光変調器841にて空間変調された光のうち、パターンの描画に寄与させるべきでない不要光を遮断するとともにパターンの描画に寄与させるべき必要光を基板9の上面に導いて、当該上面に結像させる。ただし、空間光変調器841にて空間変調された光には、0次回折光と、0次以外の次数の回折光(具体的には、±1次回折光、±2次回折光、および、比較的微量の±3次以上の高次回折光)とが含まれており、0次回折光がパターンの描画に寄与させるべき必要光であり、それ以外の回折光がパターンの描画に寄与させるべきでない不要光である。これら必要光と不要光とは互いに異なる方向に沿って出射される。すなわち、必要光はZ軸に沿って−Z方向に、不要光はZ軸から僅かに傾斜した軸に沿って−Z方向に、それぞれ出射される。投影光学系85は、例えば、遮断板によって、Z軸から僅かに傾斜した軸に沿って進行する不要光を遮断するとともに、Z軸に沿って進行する必要光のみを通過させる。投影光学系85は、例えば、この遮断板の他に、入射光の幅を広げる(あるいは狭める)ズーム部を構成する複数のレンズ、入射光を定められた倍率として基板9上に結像させる対物レンズ、等をさらに含んで構成される。
光路補正部86は、空間光変調ユニット84と投影光学系85との間に設けられ、空間光変調ユニット84で空間変調された光の経路を副走査方向(X方向)に沿ってシフトさせる。光路補正部86が必要に応じて当該光の経路をシフトさせることによって、基板9の上面における光の照射位置を、副走査方向に沿って微調整することが可能となる。
光路補正部86は、1個以上の光学部品を備え、少なくとも1個の光学部品の位置(あるいは、姿勢)を変更することによって、入射光の光路をシフトさせる。ここで、光路補正部86の構成例について、図4を参照しながら説明する。図4は、光路補正部86の構成例を模式的に示す図である。
光路補正部86は、例えば、2個のウェッジプリズム861,861と、一方のウェッジプリズム861を、他方のウェッジプリズム861に対して、入射光の光軸Hの方向(Z軸方向)に沿って直線的に移動させるウェッジプリズム移動機構862とを含む構成とすることができる。
ウェッジプリズム861は、非平行な光学面M1,M2を備えることにより入射光の光路を変更できるプリズムである。2個のウェッジプリズム861,861は、互いに略同一の構造(例えば、頂角、屈折率がいずれも同一となる構造)を有している。2個のウェッジプリズム861,861のそれぞれは、固定ステージ8610、可動ステージ8611にそれぞれ固定され、対向する光学面M1が互いに平行となり、かつ、互いに逆向きとなるように、入射光の光軸Hの方向(Z軸方向)に沿って並んで配置される。各ウェッジプリズム861は、例えば固定バンド8612を用いて各ステージ8610,8611に固定される。
一方のウェッジプリズム861が配置される固定ステージ8610は、ベース部8621上に固定されている。また、他方のウェッジプリズム861が配置される可動ステージ8611は、ベース部8621上に形成された一対のガイドレール8622に沿って移動可能とされている。ガイドレール8622は、ベース部8621上に、Z軸方向に沿って延在して形成されている。一方、ベース部8621には、回転モータ8623によって回転させられるボールネジ8624が配設されている。ボールネジ8624は、ガイドレール8622の延在方向に沿って延在しており、可動ステージ8611のブラケット86111の雌ねじ部に螺合されている。この構成において、ボールネジ8624が回転モータ8623によって回動されることで、可動ステージ8611がガイドレール8622に沿ってZ方向に移動する。すなわち、可動ステージ8611に固定されたウェッジプリズム861がZ方向に移動する(矢印AR86)。つまり、可動ステージ8611、ガイドレール8622、回転モータ8623、および、ボールネジ8624により、一方のウェッジプリズム861(可動ステージ8611に固定されたウェッジプリズム861)を入射光の光軸Hの方向(Z軸方向)に沿って直線的に移動させるウェッジプリズム移動機構862が構成される。
上記の構成を備える光路補正部86においては、2個のウェッジプリズム861の光軸に沿う離間距離を変化させることによって(具体的には、ウェッジプリズム移動機構862が、可動ステージ8611に固定されたウェッジプリズム861を、固定ステージ8610に固定されたウェッジプリズム861に対して光軸方向(Z軸方向)に沿って直線的に移動させることによって)、ウェッジプリズム861に入射する光の経路をX軸方向に沿ってシフトさせることができる。ただし、このシフト量Δxは、各ウェッジプリズム861の離間距離に応じて定まる。制御部50は、ウェッジプリズム移動機構862を制御して、2個のウェッジプリズム861のZ軸方向に沿う離間距離を調整することによって、空間光変調ユニット84から出射される光の経路を所期の量だけX軸方向に沿ってシフトさせて、基板9の上面における描画光の照射位置(描画位置)を補正する。
<撮像ヘッド312>
再び図3を参照する。撮像ヘッド312は、往路主走査においてヘッドユニット310が基板9に対して相対移動する移動方向について、対応する描画ヘッド311よりも先行して、基板9の面内の部分領域を撮像する。後に明らかになるように、この実施の形態においては、往路主走査において、ヘッドユニット310は、基板9に対して、Y軸に沿って−Y方向に相対的に移動されるところ、撮像ヘッド312は、例えば、対応する描画ヘッド311の−Y側(すなわち、当該移動方向について、対応する描画ヘッド311の下流側)に配置され、当該描画ヘッド311の真下の位置(すなわち、描画ヘッド311からの描画光が照射される位置)よりも、所定距離dだけ−Y側の位置(すなわち、当該移動方向について、描画ヘッド311の真下の位置よりも下流側の位置)を撮像する。
撮像ヘッド312は、例えば、光源と、鏡筒と、対物レンズと、リニアイメージセンサ(一次元イメージセンサ)により構成されるCCDイメージセンサを含む構成することができる。ただし、撮像ヘッド312の光源からは、基板9上のレジスト等を感光させない波長の光が出射される。上記の構成の場合、光源から出射される光が、鏡筒を介して基板9の上面に導かれ、その反射光が、対物レンズを介してCCDイメージセンサで受光される。これによって、基板9の上面の撮像データが取得されることになる。撮像ヘッド312は、制御部50と電気的に接続されており、制御部50からの指示に応じて基板9の上面を撮像して撮像データを取得し、取得した撮像データを制御部50に送信する。
<3.ヘッドユニット310の割当て>
ここで、描画装置1にて処理対象とされる基板9について、図5、図6を参照しながら説明する。図5、図6には、基板9の平面図がそれぞれ例示されている。
上述したとおり、処理対象となる基板9の主面上には、感光材料が層状に形成されている。ここでは、この感光材料上に、互いに分離された複数の描画領域91,91,・・,91が設定されているとする。各描画領域91は、例えば、矩形の領域であり、複数の描画領域91,91,・・,91は互いに同形状であるとする。また、各描画領域91には、例えば、同じパターンが形成される。描画領域91の周囲の格子状の領域(すなわち、複数の描画領域91以外の領域)は、パターンの描画が行われない非描画領域92となっている。つまり、基板9には、非描画領域92を挟んで互いに分離された複数の描画領域91,91,・・,91が設定されている。この基板9は、例えば、複数の描画領域91に従って多面取りされる予定の基板であり、1枚の基板9から得られた複数の基板は、後工程を経て最終的には、例えば、液晶表示装置の組立部品であるカラーフィルタ基板となる。
処理対象となる基板9の面内に、複数の描画領域91,91,・・,91が設定されている場合、制御部50は、各描画領域91を、複数のヘッドユニット310のいずれかと対応付ける。そして、後に明らかになるように、複数のヘッドユニット310のそれぞれは、当該ヘッドユニット310と対応付けられた1以上の描画領域91のそれぞれに対する描画光の照射を担当する。
各描画領域91を、いずれかのヘッドユニット310と対応付ける態様について説明する。まず、基板9が保持搬送機構20に保持された状態において、主走査軸(Y軸)に沿って配列されることになる一群の描画領域91,91(すなわち、副走査軸(X軸)について同じ位置に配置されることになる一群の描画領域91,91であり、以下「描画領域群910」ともいう)は、1個のヘッドユニット群30と対応付けられる。例えば、図5、図6の各例において、+X側に配置されている描画領域群910は+X側に配置されているヘッドユニット群30と対応付けられ、−X側に配置されている描画領域群910は−X側に配置されているヘッドユニット群30と対応付けられる。
描画領域群910に属する一群の描画領域91,91のうち、基板9が保持搬送機構20に保持された状態において、+Y側から数えてi番目(i=1,2,・・,n(ただし、「n」は、ヘッドユニット群30が備えるヘッドユニット310の個数))の描画領域91(i)は、当該描画領域群910と対応付けられたヘッドユニット群30のうち、+Y側から数えてi番目のヘッドユニット310(i)と対応付けられる。例えば、図5、図6の各例において、描画領域群910に属する各描画領域91のうち、+Y側から数えて1番目の描画領域91(1)は、当該描画領域群910と対応付けられたヘッドユニット群30のうち、+Y側から数えて1番目のヘッドユニット310(1)と対応付けられる。また、+Y側から数えて2番目の描画領域91(2)は、+Y側から数えて2番目のヘッドユニット310(2)と対応付けられる。
一方、描画領域群910に属する一群の描画領域91,91のうち、基板9が保持搬送機構20に保持された状態において、+Y側から数えてi番目(i=n+1,n+2,・・)の描画領域91(i)は、当該描画領域群910と対応付けられたヘッドユニット群30に属するヘッドユニット310のいずれかであって、当該描画領域91(i)の+Y側の描画領域91(i−1)と対応付けられたヘッドユニット310以外のヘッドユニットと対応付けられる。例えば、図6の例において、+Y側から数えて3番目の描画領域91(3)は、当該描画領域91(3)の+Y側の隣の描画領域91(2)と対応付けられているヘッドユニット310(2)以外のヘッドユニット、すなわち、+Y側から数えて1番目のヘッドユニット310(1)と対応付けられる。
この割当て態様によると、対象描画領域群910に属する一群の描画領域91,・・,91のうち、主走査軸に沿って、非描画領域92を挟んで隣り合う一対の描画領域91,92のそれぞれが、別々のヘッドユニット310と対応付けられることになる。したがって、隣り合う描画領域91,91のそれぞれに対する描画光の照射を、1個のヘッドユニット310が連続して実行するというケースが生じない。
<4.基板9に対する処理の流れ>
<4−1.全体の流れ>
描画装置1において実行される基板9に対する描画処理は、保持搬送機構20が、基板9を各ヘッドユニット群30に対して主走査軸に沿って移動させることによって、各ヘッドユニット群30を基板9に対して主走査軸に沿って相対的に移動させつつ、各ヘッドユニット群30が備える各ヘッドユニット310が、基板9の上面に描画光を照射することによって行われる。
基板9に対する描画処理の全体の流れについて、図7を参照しながら具体的に説明する。図7は、当該処理を説明するための図であり、ヘッドユニット群30と基板9との相対的な位置関係が模式的に示されている。以下に説明する一連の動作は、制御部50の制御下で行われる。
処理対象となる基板9が外部から搬入されて保持搬送機構20に保持されると、制御部50は、保持搬送機構20に、基板9を主走査軸(Y軸)に沿って往路方向(ここでは、例えば、+Y方向であるとする)に搬送開始させる。基板9が主走査軸に沿って+Y方向に移動されることによって、複数のヘッドユニット群30,30は、基板9に対して、主走査軸に沿って−Y方向に相対的に移動することになる(矢印AR11)。この往路主走査において、制御部50は、各ヘッドユニット群30に、当該ヘッドユニット群30と対応付けられた描画領域群910に対する描画処理を実行させる。描画処理を伴う往路主走査が一回終了すると、各描画領域91のストライプ領域(主走査軸に沿って延在し、副走査軸に沿う幅が描画幅に相当する領域)に、パターン群が描画されることになる。描画処理を伴う往路主走査の具体的な流れは後に説明する。
基板9の−Y側の端縁が、最も+Y側に配置されたヘッドユニット310よりも+Y側に到達すると(すなわち、全てのヘッドユニット310が基板9上を主走査軸に沿って横断すると)、制御部50は、保持搬送機構20に、基板9の主走査軸に沿う搬送を停止させる。これによって、描画処理を伴う往路主走査が終了する。
描画処理を伴う往路主走査が終了すると、続いて、制御部50は、保持搬送機構20に、基板9を主走査軸(Y軸)に沿って復路方向(ここでは、−Y方向)に搬送させて、基板9を元の位置(往路主走査の開始位置)まで移動させる。基板9が主走査軸に沿って−Y方向に移動されることによって、複数のヘッドユニット群30,30は、基板9に対して、主走査軸に沿って+Y方向に相対的に移動して、基板9を横断することになる(矢印AR12)。
復路主走査が終了すると、制御部50は、ヘッド移動機構40に、各ヘッドユニット群30を副走査軸(X軸)に沿って所定方向(例えば、−X方向)に、描画幅に相当する距離だけ移動させる(矢印AR13)。
続いて、再び、描画処理を伴う往路主走査が行われる(矢印AR14)。当該往路主走査が行われることによって、各描画領域91内における、先の往路主走査で描画された各ストライプ領域の隣のストライプ領域に、パターン群が描画されることになる。
描画処理を伴う往路主走査が終了すると、復路主走査が行われるとともに各ヘッドユニット群30が副走査方向に移動された上で、再び、描画処理を伴う往路主走査が行われる。以後も同様に、描画処理を伴う往路主走査が繰り返して行われ、基板9の面内の各描画領域91の全域にパターンが描画されると、基板9に対する描画処理が終了し、図示しない搬送装置が処理済みの基板9を搬出する。
<4−2.描画処理を伴う往路主走査>
描画処理を伴う往路主走査に係る処理の流れについて、図8を参照しながら説明する。図8は、当該処理の流れを示す図である。描画処理を伴う往路主走査においては、制御部50は、各ヘッドユニット群30が備える複数のヘッドユニット310のそれぞれを独立して制御して、各ヘッドユニット310に、これと対応付けられた描画領域91に対して描画光を照射させる。制御部50が、各ヘッドユニット310を制御する態様は同じであるので、以下においては、1個のヘッドユニット(対象ヘッドユニット)310に着目して、制御部50が当該対象ヘッドユニット310を制御する態様について説明する。
基板9が主走査軸に沿って往路方向に搬送開始されると(ステップS11でYES)、制御部50は、対象ヘッドユニット310が備える撮像ヘッド(対象撮像ヘッド)312に撮像データを取得開始させる(ステップS12)。対象撮像ヘッド312は、往路主走査においてヘッドユニット310が基板9に対して相対移動する移動方向(−Y方向)について、対応する描画ヘッド(対象描画ヘッド)311よりも先行して、基板9の面内の部分領域を撮像する。具体的には、対象撮像ヘッド312は、対象描画ヘッド311の真下の位置よりも所定距離dだけ−Y側の位置を撮像する。対象撮像ヘッド312が、基板9に対して−Y方向に相対的に移動しつつ、副走査軸方向に沿う1ラインの画像を次々と読み取ることによって、対象描画ヘッド311の真下の位置よりも−Y側の領域の二次元の撮像データが得られることになる。
対象撮像ヘッド312による撮像データの取得が開始されると、制御部50は、次々と取得される撮像データを画像解析して、当該撮像データから非描画領域92と描画領域91との境界(具体的には、例えば、描画領域91の+Y側の端縁)を検出する。対象撮像ヘッド312が取得した撮像データから、非描画領域92と描画領域91との境界が検出されると(ステップS13でYES)、制御部50は、当該描画領域91が対象ヘッドユニット310と対応付けられた描画領域91であるか否かを判断する(ステップS14)。
当該描画領域91が、対象ヘッドユニット310と対応付けられた描画領域91である場合、制御部50は、検出された境界位置が対象描画ヘッド311の真下に到達する時刻を算出し、当該時刻に対象描画ヘッド311からの描画光の照射を開始させる(ステップS15)。
制御部50からの指示に応じて、対象描画ヘッド311は、描画光(副走査軸に沿うN画素分の空間変調された光)の照射を開始し、描画光を断続的に照射し続けながら(すなわち、基板9の表面にパルス光を繰り返して投影し続けながら)、主走査軸に沿って基板9に対して相対的に移動する。描画光の照射は、対象描画ヘッド311の真下に当該描画領域91の−Y側の端縁が到達すると、停止される。これによって、当該描画領域91のストライプ領域(主走査軸に沿って延在し、副走査軸に沿ってN画素分の幅(描画幅)をもつ領域)に対するパターン群の描画が完了することになる。ヘッドユニット310が、描画領域91のストライプ領域にパターン群を描画する処理の流れについては、後に、さらに具体的に説明する。
ステップS13〜ステップS15の各処理は、対象ヘッドユニット310の下方に基板9の−Y側の端縁が到達するまで繰り返され、対象ヘッドユニット310の下方に基板9の−Y側の端縁が到達すると(ステップS16でYES)、一連の処理が終了する。
<4−3.ストライプ領域に対する描画処理の流れ>
ヘッドユニット310が、描画領域91のストライプ領域にパターン群を描画する処理の流れを、図3を参照しながら説明する。各ヘッドユニット310における当該処理の流れは同じであるので、以下においては、1個のヘッドユニット(対象ヘッドユニット)310に着目して、当該対象ヘッドユニット310が当該処理を実行する態様について説明する。
上述したとおり、基板9が主走査軸に沿って往路方向に移動開始されるのに伴って、制御部50は、対象ヘッドユニット310の撮像ヘッド(対象撮像ヘッド)312に撮像データの取得を開始させている。上述したとおり、対象撮像ヘッド312は、往路主走査においてヘッドユニット310が基板9に対して相対移動する移動方向(−Y方向)について、対応する描画ヘッド(対象描画ヘッド)311よりも先行して、基板9の面内の部分領域を撮像する。具体的には、対象撮像ヘッド312は、対象描画ヘッド311の真下の位置(すなわち、描画ヘッド311からの描画光が照射される位置)よりも所定距離dだけ−Y側の位置を撮像する。つまり、対象撮像ヘッド312が各時刻に取得する撮像データは、対象描画ヘッド311が当該時刻から一定時間後(具体的には、基板9が対象描画ヘッド311に対して距離dだけ移動された後)に描画される予定の領域の撮像データということになる。対象撮像ヘッド312が、基板9に対して−Y方向に相対的に移動しつつ、副走査軸方向に沿う1ラインの画像を次々と読み取ることによって、描画予定領域の二次元の撮像データが得られることになる。
描画予定領域を撮像した撮像データには、描画予定領域に先に形成されている下地パターンが現れている。そこで、制御部50は、当該撮像データを画像解析して、描画予定領域に形成されている下地パターンの位置を検出し、当該検出された位置を目標位置として記憶する。さらに、制御部50は、対象描画ヘッド311による描画光の照射予定位置が、目標位置からどれだけずれているかを算出し、算出された値をずれ量として取得する。ここでは、例えば、描画光の照射予定位置と下地パターンとの間の副走査軸に沿うずれ幅が算出される。
一方で、対象描画ヘッド311から描画光を照射開始すべきタイミングが到達すると、制御部50は、対象描画ヘッド311に描画光の照射を開始させる。
具体的には、制御部50は、レーザ駆動部81を駆動してレーザ発振器82から光を出射させる。出射された光は照明光学系83にてラインビームとされ、空間光変調器841に入射する。空間光変調器841においては、複数の空間光変調素子が、副走査軸(X軸)に沿って並んで配置されており、入射光はその線状の光束断面を空間光変調素子の配列方向に沿わせるようにして、一列に配列された複数の空間光変調素子に入射する。
さらに、制御部50は、パターンデータD(図2)のうち、対象となるストライプ領域に描画すべきデータを記述した部分を読み出して、空間光変調器841に、当該読み出されたパターンデータDに応じた変調が施された光(描画光)を形成させる。具体的には、制御部50は、パターンデータDに基づいて空間光変調器841のドライバ回路ユニットに指示を与え、ドライバ回路ユニットが指示された空間光変調素子に対して電圧を印加する。これによって、各空間光変調素子にて個々に空間変調された光(すなわち、副走査軸に沿うN画素分の空間変調された光)が形成され、基板9に向けて出射されることになる。
描画光が光路補正部86に入射すると、制御部50は、光路補正部86を制御して、描画光の経路を、先に取得されたずれ量分だけ副走査軸に沿ってシフトさせて、描画光の照射位置を補正する。ただし、ある時刻tに撮像された描画予定領域に対する描画光の照射は、当該時刻tから「d/v(ただし、「v」は、ヘッドユニット310に対する基板9の、主走査軸に沿う相対移動速度であり、この実施の形態では、保持搬送機構20が基板9を主走査軸に沿って往路方向に移動させる際の移動速度である)」が経過した時刻に実行される。したがって、制御部50は、ある時刻tに撮像された撮像データに基づいて算出されたずれ量を、当該時刻tから時間Δt=d/vが経過した時刻(t+Δt)に空間光変調ユニット84から出射される描画光の光路の補正に反映させる。
光路を補正された描画光は、投影光学系85に入射し、ここで定められた倍率とされて基板9の表面に結像される。照射予定位置からずれ量分だけ光路をシフトされた描画光は、目標位置(すなわち、下地パターンの形成位置)に結像されることになる。つまり、下地パターンの形成位置に高精度に重ね合わされた状態で描画光が照射され、下地パターンと高精度に重ね合わされた上層パターンが描画されることになる。このように、描画装置1においては、制御部50と光路補正部86とが協働することによって、描画位置補正部(すなわち、撮像ヘッド312が取得した撮像データに基づいて、描画光の照射位置を補正する描画位置補正部)が実現される。
このようにして、対象描画ヘッド311が、主走査軸に沿って基板9に対して相対的に移動しつつ、副走査軸に沿うN画素分の空間変調された光を断続的に照射し続けることによって、描画領域91のストライプ領域に、パターン群が描画されることになる。
<5.描画光の照射開始タイミング>
上述したとおり、制御部50は、描画処理を伴う往路主走査において、ヘッドユニット310の下方に、当該ヘッドユニット310が描画を担当する描画領域91の+Y側の端部が到達したと判断すると、当該ヘッドユニット310からの(具体的には、当該ヘッドユニット310の描画ヘッド311からの)描画光の照射を開始させる。ここで、各ヘッドユニット群30が備える複数のヘッドユニット310のそれぞれから、必ずしも同時に描画光の照射が開始されるとは限らない。
ヘッドユニット群30が備える各ヘッドユニット310からの描画光の照射開始タイミングについて、図9〜図14を参照しながら説明する。図9〜図11の各図には、処理対象となる基板9に2個の描画領域91(1),91(2)からなる描画領域群910が設けられている場合が例示されている。一方、図12〜図14の各図には、処理対象となる基板9に3個の描画領域91(1),91(2),91(3)からなる描画領域群910が設けられている場合が例示されている。なお、図9〜図14の各図においては、処理対象となる基板9とヘッドユニット310とが模式的に示されており、他の構成については図示を省略している。また、図中、描画光を照射中の描画ヘッド311は黒塗りで示し、休止状態の描画ヘッド311は白ぬきで示している。
図9、図12の各図に例示されるように、ヘッドユニット群30が備えるヘッドユニット310(1),310(2)間の離間距離cが、基板9の面内に設定された各描画領域91の主走査軸に沿う寸法mと等しい場合(c=m)、+Y側のヘッドユニット310(1)が、これが担当する描画領域91(1)の+Y側の端部に到達した時点で、−Y側のヘッドユニット310(2)も、これが担当する描画領域91(2)の+Y側の端部に到達する。したがって、この場合、+Y側のヘッドユニット310(1)が、描画領域91(1)のストライプ領域に対して描画処理を開始するタイミングと、−Y側のヘッドユニット310(2)が描画領域91(2)のストライプ領域に対して描画処理を開始するタイミングとは等しくなる。
また、当然の事ながら、+Y側のヘッドユニット310(1)が、描画領域91(1)のストライプ領域に対する描画処理を完了するタイミングと、−Y側のヘッドユニット310(2)が描画領域91(2)のストライプ領域に対する描画処理を完了するタイミングとは等しくなる。
また、図10、図13の各図に示されるように、ヘッドユニット群30が備えるヘッドユニット310(1),310(2)間の離間距離cが、基板9の面内に設定された各描画領域91の主走査軸に沿う寸法mよりも小さい場合(c<m)、+Y側のヘッドユニット310(1)が、これが担当する描画領域91(1)の+Y側の端部に到達した時点では、−Y側のヘッドユニット310(2)は、これが担当する描画領域91(2))の+Y側の端部にまだ到達しておらず、当該時点からさらに、基板9が主走査軸に沿って往路方向に移動された後に、−Y側のヘッドユニット310(2)が描画領域91(2)の+Y側の端部に到達する。したがって、この場合、+Y側のヘッドユニット310(1)が描画領域91(1)のストライプ領域に対して描画処理を開始するタイミングから遅れて、−Y側のヘッドユニット310(2)が描画領域91(2)のストライプ領域に対して描画処理を開始することになる。
また、当然の事ながら、+Y側のヘッドユニット310(1)が、描画領域91(1)のストライプ領域に対する描画処理を完了するタイミングから遅れて、−Y側のヘッドユニット310(2)が描画領域91(2)のストライプ領域に対する描画処理を完了することになる。
また、図11、図14の各図に示されるように、ヘッドユニット群30が備えるヘッドユニット310(1),310(2)間の離間距離cが、基板9の面内に設定された各描画領域91の主走査軸に沿う寸法mよりも大きい場合(c>m)、−Y側のヘッドユニット310(2)が、これが担当する描画領域91(2)の+Y側の端部に到達した時点では、+Y側のヘッドユニット310(1)は、これが担当する描画領域91(1)の+Y側の端部にまだ到達しておらず、当該時点からさらに、基板9が主走査軸に沿って往路方向に移動された後に、+Y側のヘッドユニット310(1)が描画領域91(1)の+Y側の端部に到達する。したがって、この場合、−Y側のヘッドユニット310(2)が描画領域91(2)のストライプ領域に対して描画処理を開始するタイミングから遅れて、+Y側のヘッドユニット310(1)が描画領域91(1)のストライプ領域に対して描画処理を開始することになる。
また、当然の事ながら、−Y側のヘッドユニット310(2)が、描画領域91(2)のストライプ領域に対する描画処理を完了するタイミングから遅れて、+Y側のヘッドユニット310(1)が描画領域91(1)のストライプ領域に対する描画処理を完了することになる。
ここで、図12〜図14に示されるように、ヘッドユニット群30が備えるヘッドユニット310の個数よりも、当該ヘッドユニット群30が担当する描画領域群910に含まれる描画領域91の個数が多い場合、+Y側のヘッドユニット310(1)が、描画領域91(1)と描画領域91(3)とに対する描画を担当する。したがって、+Y側のヘッドユニット310(1)は、描画領域91(1)の−Y側の端部に到達して当該描画領域91(1)のストライプ領域に対する描画光の照射を終了した後、一定の休止期間を経てから(すなわち、基板9が主走査軸に沿って往路方向に移動されて、当該ヘッドユニット310(1)が、これが担当する描画領域91(3)の+Y側の端部に到達してから)、当該描画領域91(3)のストライプ領域に対する描画光の照射を開始する。つまり、ヘッドユニット310(1)が、描画領域91(1)のストライプ領域に対する描画光の照射を完了してから、次の描画領域91(3)のストライプ領域に対する描画光の照射を開始するまでの間、当該ヘッドユニット310(1)は、描画光を照射しない休止状態とされる。この休止期間の間に、ヘッドユニット310(1)において、次の描画領域91に対する描画光の照射に備えるための準備処理(具体的には、例えば、光路補正部86において、各光学部品(例えば、ウェッジプリズム861)を所定の基準位置に戻す処理)が行われる。
仮に、−Y側のヘッドユニット310(2)が、描画領域91(2)と描画領域91(3)とに対する描画を担当することになっていた場合、ヘッドユニット310(2)が描画領域91(2)のストライプ領域に対する描画光の照射を終了してから、引き続いて、描画領域91(3)のストライプ領域に対する描画光の照射を開始しなければならない。ここで、描画領域91(2)と描画領域91(3)とは非連続の領域であるため、一方の描画領域91(2)の−Y側の端部における下地パターンのずれ量と、他方の描画領域91(3)の+Y側の端部における下地パターンのずれ量とが、基準X位置(例えば、光路補正なしの描画光が照射される位置)について逆向きである可能性もある。描画光の光路を例えば基準X位置より+X側にシフトさせている位置にあるウェッジプリズム861を、描画光の光路を例えば基準X位置より−X側にシフトさせるような位置まで移動させる場合、ウェッジプリズム861の移動量が大きくなってしまう。一方で、描画領域91同士の間隔(すなわち、非描画領域92の幅)は必要最小限の狭い幅に設定されることが多いため、非描画領域92を横切る時間はごく短い。したがって、ウェッジプリズム861の移動が間に合わない(すなわち、光路のシフトが間に合わない)可能性も高い。
一方、上記の実施の形態のように、+Y側のヘッドユニット310(1)が、描画領域91(3)に対する描画を担当する場合、ヘッドユニット310(1)が描画領域91(1)のストライプ領域に対する描画光の照射を終了してから、描画領域91(3)のストライプ領域に対する描画光の照射を開始するまでの間、当該ヘッドユニット310(1)は休止状態とされる。そして、この休止期間の間に、光路補正部86において、ウェッジプリズム861が、描画光の光路を基準X位置に進行させるような基準位置に戻される。したがって、描画領域91(3)の+Y側の端部において下地パターンが、基準X位置についてどちら側にずれていても、ウェッジプリズム861の移動量が大きくなる可能性は低くなる。したがって、ウェッジプリズム861の移動が間に合わない可能性は低くなる。すなわち、描画光の光路を適切に補正することができる。
<6.効果>
上記の実施の形態によると、主走査軸に沿って間隔をあけて配列された複数のヘッドユニット310を備え、各ヘッドユニット310が備える描画ヘッド311が、基板9に対して主走査軸に沿って相対的に移動しつつ、基板9に描画光を照射する。この構成によると、各ヘッドユニット310が、基板9の面内領域における各部分領域(主走査軸に沿って配列された各部分領域)のそれぞれに対する描画光の照射を並行して実行することができるので、描画処理のスループットが向上する。その一方で、各ヘッドユニット310が撮像ヘッド312を備え、描画ヘッド311から出射される描画光の照射位置が、撮像ヘッド312が取得した撮像データに基づいて補正されるので、各部分領域において高い処理精度を実現することができる。したがって、スループットを向上させつつ、高い描画精度を実現することができる。
また、上記の実施の形態によると、ヘッドユニット群30が、主走査軸と直交する軸に沿って複数配列される。この構成によると、各ヘッドユニット群30が、基板9の面内領域における各部分領域(副走査軸に沿って配列された各部分領域)に対する描画処理を並行して実行することができるので、描画処理のスループットがさらに向上する。
また、上記の実施の形態によると、基板9の面内に設定された複数の描画領域91,91,・・,91のそれぞれに対する描画光の照射を、当該描画領域91と対応付けられた1個のヘッドユニット310に担当させる。この構成によると、1個の描画領域91に対する描画光の照射が複数のヘッドユニット310で分担して担当されることがないので、描画領域91内にヘッドユニット間のつなぎ目の部分が生じない。ヘッドユニット間のつなぎ目の部分には、隙間、あるいは、不必要な重複露光部分が生じやすいところ、上記の構成によると、各描画領域91内にこのような隙間や重複露光部分が生じるおそれがない。したがって、各描画領域91に、無駄なく適切にパターンを描画することができる。
また、上記の実施の形態によると、撮像ヘッド312が取得した撮像データから、非描画領域92と描画領域91との境界位置を検出し、当該検出された境界位置に基づいて、描画ヘッド311から描画光を出射開始させるタイミングを決定する。この構成によると、描画ヘッド311からの描画光の出射開始のタイミングを簡易かつ適切に決定することができる。
また、上記の実施の形態によると、複数の描画領域91,91,・・,91のうち、主走査軸に沿って非描画領域92を挟んで隣り合う一対の描画領域91,91のそれぞれが、別々のヘッドユニット310と対応付けられる。つまり、当該一対の描画領域91,91のそれぞれに対する描画光の照射が、別々のヘッドユニット310によって担当される。したがって、1個のヘッドユニット310が、隣り合う一対の描画領域91,91に対する描画光の照射を連続して実行するという事態が生じず、ヘッドユニット310が、ある描画領域91に対して描画光の照射を実行した後、次の描画領域91への描画光の照射を開始するまでの間に、十分な休止期間が常に確保される。この構成によると、当該休止期間の間に、例えば、ヘッドユニット310において次の描画領域91に対する描画光の照射に備えるための準備を行っておくことによって、ヘッドユニット310に、各描画領域91に対する描画光の照射を常に適切な状態で開始させることができる。
<7.変形例>
上記の実施の形態においては、処理対象となる基板9が、複数の描画領域91に従って多面取りされる予定の基板であるとしたが、処理対象となる基板9は、必ずしも多面取りの基板である必要はない。例えば、処理対象となる基板9は、主面上に格子状のスクライブラインが形成され、当該スクライブラインよって囲まれたチップ単位の描画領域が設定された半導体基板であってもよい。この場合、スクライブラインを境界線として基板の主面全体を分割し、1以上のチップ単位から構成される各部分領域を、複数のヘッドユニット310,310,・・,310のいずれかと対応付け、各部分領域に対する描画光の照射を、当該部分領域と対応付けられたヘッドユニット310に担当させることが好ましい。この態様においても、各チップ単位の領域内に、ヘッドユニット310間のつなぎ目の部分が発生することがないので、各チップ単位に、無駄なく適切にパターンを描画することができる。
また、上記の実施の形態においては、光路補正部86は、2個のウェッジプリズム851とウェッジプリズム移動機構852とを備える構成としたが、光路補正部86は、必ずしもこのような構成でなくともよい。例えば、ガラス板と、ガラス板をY軸方向(すなわち、光軸方向(Z軸方向)および副走査方向(X軸方向)と直交する方向)に沿う回転軸に対して回転可能に支持する姿勢変更機構とから構成してもよい。この構成においては、ガラス板の姿勢を変化させて、ガラス板に入射する際の入射角を変化させることによって、ガラス板に入射する光の経路をX軸方向に沿ってシフトさせることができる。ただし、このシフト量は、ガラス板の回転角度に応じて定まる。
また、上記の実施の形態においては、描画装置1は2個のヘッドユニット群30を備える構成としたが、描画装置は、1個のヘッドユニット群30を備える構成としてもよいし、3個以上のヘッドユニット群30を備える構成としてもよい。
また、上記の実施の形態においては、各ヘッドユニット群30は2個のヘッドユニット310を備える構成としたが、各ヘッドユニット群は、3個以上のヘッドユニット310を備えてもよい。
また、上記の実施の形態においては、空間光変調器841として、回折格子型の空間変調器を利用していたが、空間光変調器841の構成はこれに限らない。例えば、DMD(Digital Micromirror Device:デジタル・マイクロミラー・デバイス)等を利用してもよい。
また、上記の実施形態では、基板9が保持搬送機構20によって主走査軸に沿って移動されることで、各ヘッドユニット310が基板9に対して主走査軸に沿って相対的に移動される形態であったが、各ヘッドユニット310を主走査軸に沿って移動させることによって、各ヘッドユニット310が基板9に対して主走査軸に沿って相対的に移動される構成であってもよい。
また、上記の実施形態では、各ヘッドユニット群30がヘッド移動機構40によって副走査軸に沿って移動されることで、各ヘッドユニット群30が基板9に対して副走査軸に沿って相対的に移動される形態であったが、基板9を副走査軸に沿って移動させることによって、各ヘッドユニット群30が基板9に対して副走査軸に沿って相対的に移動される構成であってもよい。
また、上記の実施の形態では、往路主走査が終了した後に、保持搬送機構20に基板9を復路方向に搬送させることによって、ヘッドユニット310を元の位置(往路主走査の開始位置)まで相対的に移動させているが、ヘッドユニット310が当該復路方向に相対的に移動されている間も、描画処理を行う構成としてもよい。この場合、ヘッドユニット310において、描画ヘッド311の移動方向の前側と後側に撮像ヘッド312をそれぞれ配置する。すなわち、2個の撮像ヘッド312,312を、描画ヘッド311を挟むようにして配置する。そして、描画処理を伴う往路主走査が終了し、ヘッド移動機構40にヘッドユニット群30を副走査軸に沿って描画幅に相当する距離だけ移動させた後に、ヘッドユニット310に描画処理を伴う復路主走査を実行させる。ただし、ヘッドユニット310に描画処理を伴う復路主走査を開始させる際には、基板9とヘッドユニット310との相対位置関係を、第2の撮像ヘッド(復路主走査の移動方向において描画ヘッド311に先行する側に配置された撮像ヘッド)312と基板9との位置関係が、往路主走査を開始させる際の第1の撮像ヘッド(往路主走査の移動方向において描画ヘッド311に先行する側に配置された撮像ヘッド)312と基板9との位置関係と同等になるように調整する。具体的には、例えば、ヘッドユニット310を、上記の実施の形態における往路主走査の終了位置からさらに往路主走査の移動方向に基板9に対して所定量だけ相対的に移動させることによって、第2の撮像ヘッド312と基板9との位置関係を、所期の位置関係とすることができる。その上で、往路主走査と同じ態様で描画処理を行いながら復路主走査を行えばよい。
1 描画装置
20 保持搬送機構
30 ヘッドユニット群
310 ヘッドユニット
311 描画ヘッド
312 撮像ヘッド
40 ヘッド移動機構
50 制御部
9 基板
91 描画領域

Claims (10)

  1. 基板に光を照射してパターンを描画する描画装置であって、
    所定軸に沿って間隔をあけて配列された複数のヘッドユニットを備えるヘッドユニット群と、
    前記ヘッドユニット群を、前記基板に対して前記所定軸に沿って相対的に移動させる移動機構と、
    を備え、
    前記複数のヘッドユニットのそれぞれが、
    前記基板に対して前記所定軸に沿って相対的に移動されつつ、前記基板に形成するべきパターンに応じた描画光を前記基板に向けて出射する描画ヘッドと、
    前記基板の面内の部分領域を撮像する撮像ヘッドと、
    前記撮像ヘッドが取得した撮像データに基づいて、前記描画光の照射位置を補正する描画位置補正部と、
    を備える、描画装置。
  2. 請求項1に記載の描画装置であって、
    前記ヘッドユニット群を複数備え、
    前記複数のヘッドユニット群が、前記所定軸と直交する軸に沿って配列される、描画装置。
  3. 請求項1または2に記載の描画装置であって、
    前記複数のヘッドユニットのそれぞれにおける前記描画光の照射を、独立して制御する制御部、
    を備え、
    前記制御部が、
    処理対象となる基板の面内に、非描画領域を挟んで互いに分離された複数の描画領域が設定されている場合に、前記複数の描画領域のそれぞれを、前記複数のヘッドユニットのいずれかと対応付けし、前記複数のヘッドユニットのそれぞれに、当該ヘッドユニットと対応付けられた描画領域に対する前記描画光の照射を担当させる、描画装置。
  4. 請求項3に記載の描画装置であって、
    前記制御部が、
    前記ヘッドユニットが備える前記撮像ヘッドが取得した撮像データから、前記非描画領域と前記描画領域との境界位置を検出し、当該検出された境界位置に基づいて、当該ヘッドユニットが備える前記描画ヘッドから前記描画光を出射開始させるタイミングを決定する、描画装置。
  5. 請求項3または4に記載の描画装置であって、
    前記制御部が、
    前記複数の描画領域のうち、前記所定軸に沿って、前記非描画領域を挟んで隣り合う一対の描画領域のそれぞれを、別々のヘッドユニットと対応付ける、描画装置。
  6. 基板に光を照射してパターンを描画する描画方法であって、
    a)所定軸に沿って間隔をあけて配列された複数のヘッドユニットを備えるヘッドユニット群を、前記基板に対して前記所定軸に沿って相対的に移動させる工程と、
    b)前記a)工程が行われる間に、前記ヘッドユニットが備える描画ヘッドが、前記基板に形成するべきパターンに応じた描画光を前記基板に向けて出射する工程と、
    c)前記a)工程が行われる間に、前記ヘッドユニットが備える撮像ヘッドが、前記基板の面内の部分領域を撮像する工程と、
    d)前記b)工程が行われる間に、前記撮像ヘッドが取得した撮像データに基づいて、前記描画光の照射位置を補正する工程と、
    を備える、描画方法。
  7. 請求項6に記載の描画方法であって、
    前記ヘッドユニット群を複数備え、
    前記複数のヘッドユニット群が、前記所定軸と直交する軸に沿って配列され、
    前記a)工程において、前記複数のヘッドユニット群が、前記基板に対して前記所定軸に沿って相対的に移動される、描画方法。
  8. 請求項6または7に記載の描画方法であって、
    処理対象となる基板の面内に、非描画領域を挟んで互いに分離された複数の描画領域が設定されている場合に、前記複数の描画領域のそれぞれが、前記複数のヘッドユニットのいずれかと対応付けられ、前記複数のヘッドユニットのそれぞれが、当該ヘッドユニットと対応付けられた描画領域に対する前記描画光の照射を担当する、描画方法。
  9. 請求項8に記載の描画方法であって、
    e)前記ヘッドユニットが備える前記撮像ヘッドが取得した撮像データから、前記非描画領域と前記描画領域との境界位置を検出し、当該検出された境界位置に基づいて、当該ヘッドユニットが備える前記描画ヘッドから前記描画光を出射開始させるタイミングを決定する工程、
    をさらに備える描画方法。
  10. 請求項8または9に記載の描画方法であって、
    前記複数の描画領域のうち、前記所定軸に沿って、前記非描画領域を挟んで隣り合う一対の描画領域のそれぞれが、別々のヘッドユニットと対応付けられる、描画方法。
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