JP2013191654A - 描画装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スループットの低下を抑制しつつ、下地パターンの上に、高い精度で重ね合わせて次のパターンを描画できる技術を提供する。
【解決手段】描画装置1は、ステージ10に対して主走査軸に沿って相対的に移動しつつ、ステージ10に保持された基板に対して描画光を照射して、基板Wにパターンを描画する光学ユニット40と、基板Wの面内における、主走査軸に沿って、描画光の照射位置を間に挟んだ一対の領域のうちのいずれかを、択一的に撮像する先行撮像部50とを備える。対物レンズ450は、基板Wの表面に描画光を結像させるとともに、基板Wの表面に撮像用の光を集光する。制御部90は、先行撮像部50が取得した撮像データに基づいて基板Wに先に形成された下地パターンの形成位置を検出し、当該検出位置に基づいて、光路補正部46に描画光の照射位置を補正させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、基板に光を照射して、パターン(回路パターン)を形成する技術に関する。なお、ここでいう「基板」には、半導体基板、プリント基板、液晶表示装置等に具備されるカラーフィルタ用基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置等に具備されるフラットパネルディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、太陽電池用パネルなどの各種基板等を含む。
基板上に塗布された感光材料に回路などのパターンを形成するにあたって、CADデータ等に応じて変調した光ビーム(描画光)によって基板上の感光材料を走査することにより、当該感光材料に直接パターンを露光する露光装置(描画装置)が近年注目されている。描画装置は、例えば、光ビームを画素単位でオン/オフ変調するための空間光変調器(例えば、光源から供給される光ビームを反射して基板上に与えるオン状態と、光ビームをオン状態とは異なる方向に向けて反射させるオフ状態とを、露光パターンを表現した制御信号によって画素単位で切り換える反射型の空間変調器)を備える光学ヘッドから、光学ヘッドに対して相対的に移動される基板に対して描画光を照射して、基板にパターンを形成する。
露光装置においては、パターンを形成するべき位置に正確に光を照射できる技術が要求される。そこで、例えば特許文献1では、レクチルを撮像してサーチ用マークの位置を検出し、当該検出位置に応じてレクチルと基板との相対位置関係を調整することが提案されている。また、例えば特許文献2では、基板上の露光位置を撮像して、アライメントマークの位置を検出し、その位置ずれ量に応じて露光パターンの生成位置をシフトさせることが提案されている。また、例えば特許文献3では、基板上の露光位置の搬送方向手前側を撮像して、基板上に形成されたブラックマトリクスのピクセル位置を検出し、その上に露光パターンを形成することが記載されている。
特開2006−60026号公報 特開2009−58698号公報 特開2006−330622号公報
描画装置において、例えば、多重露光を行う場合には、基板に先に形成された下地パターン(既設パターン)の上に高い精度で重ね合わさるように次のパターン(上層パターン)を描画しなければならない。ところが、下地パターンが形成された基板には、その後熱処理工程が施されるところ、この熱処理工程を経ることによって、基板には、歪み、収縮・膨張等の形状変化が生じることがあり、この形状変化によって、当該基板に形成された下地パターンも変化してしまう可能性が高い。変化した下地パターンの上に、高い精度で重ね合わせて上層パターンを描画することは容易なことではない。また、下地パターンを形成した装置とは異なる装置によって上層パターンを形成する場合、下地パターンの上に、高い精度で重ね合わせて次のパターンを描画するためには、装置の機差や、精度の差までをも考慮しなければならず、装置の調整が困難である。
例えば特許文献3のように、基板上の露光位置の搬送方向手前側を撮像する機構を設けておけば、描画光の照射に先立って、実際の下地パターンの形成位置の理想位置からのずれを把握することができる。したがって、当該ずれ量に応じて描画光の照射位置を調整すれば、下地パターンに高精度に重ね合わされたパターンを形成することができる。しかしながら、特許文献3の構成は、基板が当該搬送方向と逆方向に移送されている間は、描画光の照射を行わないことが前提となっている。したがって、この構成を適用すると、往復露光は行うことができない。つまり、高い重ね合わせ精度と引き替えに、スループットが低下してしまうことになる。
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、スループットの低下を抑制しつつ、下地パターンの上に、高い精度で重ね合わせて次のパターンを描画できる技術を提供することを目的とする。
第1の態様は、描画装置であって、基板を水平姿勢で保持するステージと、前記ステージに対して所定軸に沿って相対的に移動しつつ、前記ステージに保持された基板に対して描画光を照射して、前記基板にパターンを描画する光照射部と、前記基板の面内における、前記所定軸に沿って、前記描画光の照射位置を間に挟んだ一対の領域のうちのいずれかを、択一的に撮像する撮像部と、前記撮像部が取得した撮像データに基づいて前記基板に先に形成された下地パターンの形成位置を検出し、当該検出位置に基づいて、前記描画光の照射位置を補正する描画位置補正部と、前記基板の表面に前記描画光を結像させるとともに、前記基板の表面に撮像用の光を集光する、対物レンズと、を備える。
第2の態様は、第1の態様に係る描画装置であって、前記撮像部が、前記撮像用の光を出射する光源と、撮像素子と、前記基板の表面で反射された前記撮像用の光の光路を選択する選択部と、を備える。
第3の態様は、第2の態様に係る描画装置であって、前記選択部が、前記撮像素子の位置を第1素子位置と第2素子位置との間で切り換えることにより、前記光路を選択し、前記第1素子位置が、前記基板の面内における第1対象位置と共役関係であり、前記第2素子位置が、前記基板の面内における第2対象位置と共役関係であり、前記第1対象位置と前記第2対象位置とが、前記所定軸に沿って、前記描画光の照射位置を間に挟んだ一対の位置である。
第4の態様は、第1の態様に係る描画装置であって、前記撮像部が、前記撮像用の光を出射する光源と、所定位置に配置された撮像素子と、前記基板の表面で反射された前記撮像用の光の光路を切り換える切り換え部と、を備える。
第5の態様は、第4の態様に係る描画装置であって、前記切り換え部が、前記基板の表面で反射された前記撮像用の光の光路上に配置され、状態に応じて光の経路を変更させる光学素子と、前記光学素子の状態を、第1状態と第2状態との間で切り換える切り換え機構と、を備え、前記光学素子が前記第1状態とされている状態において、前記基板の面内における第1対象位置と前記所定位置とが共役関係となり、前記光学素子が前記第2状態とされている状態において、前記基板の面内における第2対象位置と前記所定位置とが共役関係となり、前記第1対象位置と前記第2対象位置とが、前記所定軸に沿って、前記描画光の照射位置を間に挟んだ一対の位置である。
第6の態様は、第1の態様に係る描画装置であって、前記撮像部が、前記撮像用の光を出射する光源と、第1素子位置に配置された第1撮像素子と、第2素子位置に配置された第2撮像素子と、前記基板の表面で反射された前記撮像用の光の光路を選択する選択部と、を備え、前記選択部が、前記撮像データを取得させる対象撮像素子を前記第1撮像素子と前記第2撮像素子との間で切り換えることにより、前記光路を選択し、前記第1素子位置が、前記基板の面内における第1対象位置と共役関係であり、前記第2素子位置が、前記基板の面内における第2対象位置と共役関係であり、前記第1対象位置と前記第2対象位置とが、前記所定軸に沿って、前記描画光の照射位置を間に挟んだ一対の位置である。
第7の態様は、第1から第6のいずれかの態様に係る描画装置であって、前記描画位置補正部が、前記描画光の経路をシフトさせることによって前記描画光の照射位置を補正する。
第1〜第7の態様によると、光照射部が基板に対して所定軸に沿う往路方向に相対移動する際、および、所定軸に沿う復路方向に相対移動する際のそれぞれにおいて、描画光の照射予定領域を撮像して、当該取得された撮像データに基づいて照射位置の補正を行うことができる。したがって、スループットの低下を抑制しつつ、下地パターンの上に、高い精度で重ね合わせて次のパターンを描画できる。さらに、光照射部と撮像部との間で対物レンズが共用されるので、装置の部品点数を少なく抑えることができる。
特に、第3の態様によると、撮像素子の位置を切り換えることによって撮像光の光路を選択して、基板の面内における、描画光の照射位置を間に挟んだ一対の領域のうちのいずれかの領域を択一的に撮像することができる。この構成によると、1個の撮像素子で、当該一対の領域のうちのいずれかの領域を択一的に撮像することができるので、撮像部を小型化することができる。
特に、第5の態様によると、光学素子の状態を切り換えることによって撮像光の光路を切り換えて、基板の面内における、描画光の照射位置を間に挟んだ一対の領域のうちのいずれかの領域を択一的に撮像することができる。この構成によると、1個の撮像素子で、当該一対の領域のうちのいずれかの領域を択一的に撮像することができるので、撮像部を小型化することができる。
特に、第6の態様によると、撮像データを取得させる対象撮像素子が第1撮像素子と第2撮像素子との間で切り換えられることによって撮像光の光路を選択して、基板の面内における、描画光の照射位置を間に挟んだ一対の領域のうちのいずれかの領域を択一的に撮像することができる。この構成によると、撮像部が備える各光学部品を固定できるので、安定して撮像データを取得することができる。
描画装置の側面図である。 描画装置の平面図である。 制御部のハードウエア構成を示すブロック図である。 ヘッドユニットの構成を模式的に示す図である。 撮像領域の位置と、撮像素子の位置との関係を説明するための図である。 対物レンズの視野内の状態を模式的に示す図である。 第1対象位置の撮像データが取得されている状態を模式的に示す図である。 第2対象位置の撮像データが取得されている状態を模式的に示す図である。 描画装置において実行される処理の全体の流れを示す図である。 描画処理を説明するための図である。 1ストライプ分の領域単位に行われる描画処理を説明するための図である。 第2の実施の形態に係る先行撮像部を含むヘッドユニットの構成を模式的に示す図である。 第3の実施の形態に係る先行撮像部を含むヘッドユニットの構成を模式的に示す図である。 変形例に係る先行撮像部におけるプリズムの姿勢と光路との関係を説明するための図である。 変形例に係る先行撮像部におけるプリズムの姿勢と光路との関係を説明するための図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<I.第1の実施の形態>
<1.装置構成>
第1の実施の形態に係る描画装置1の構成について、図1、図2を参照しながら説明する。図1は、描画装置1の構成を模式的に示す側面図である。図2は、描画装置1の構成を模式的に示す平面図である。
描画装置1は、レジスト等の感光材料の層が形成された基板Wの上面に光を照射して、パターン(回路パターン)を露光する露光装置である。なお、基板Wは、半導体基板、プリント基板、カラーフィルタ用基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置に具備されるフラットパネルディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、太陽電池用パネルなどの各種基板のいずれであってもよい。図においては、円形の半導体基板が例示されている。
描画装置1は、本体フレーム101で構成される骨格の天井面および周囲面にカバーパネル(図示省略)が取り付けられることによって形成される本体内部と、本体フレーム101の外側である本体外部とに、各種の構成要素を配置した構成となっている。
描画装置1の本体内部は、処理領域102と受け渡し領域103とに区分されている。処理領域102には、主として、基板Wを保持するステージ10、ステージ10を移動させるステージ駆動機構20、ステージ10の位置を計測するステージ位置計測部30、基板Wの上面に光を照射する2個の光学ユニット40、基板Wの面内における描画予定領域を撮像する2個の先行撮像部50、および、基板Wの面内に形成されているアライメントマークを撮像するアライメント撮像部60が配置される。一方、受け渡し領域103には、処理領域102に対する基板Wの搬出入を行う搬送装置70とプリアライメント部80とが配置される。
描画装置1の本体外部であって、受け渡し領域103に隣接する位置には、カセットCを載置するためのカセット載置部104が配置される。受け渡し領域103に配置された搬送装置70は、カセット載置部104に載置されたカセットCに収容された未処理の基板Wを取り出して処理領域102に搬入するとともに、処理領域102から処理済みの基板Wを搬出してカセットCに収容する。カセット載置部104に対するカセットCの受け渡しは外部搬送装置(図示省略)によって行われる。
また、描画装置1は、描画装置1が備える各部と電気的に接続されて、これら各部の動作を制御する制御部90を備える。
以下において、描画装置1が備える各部の構成について説明する。
<ステージ10>
ステージ10は、平板状の外形を有し、その上面に基板Wを水平姿勢に載置して保持する保持部である。ステージ10の上面には、複数の吸引孔(図示省略)が形成されており、この吸引孔に負圧(吸引圧)を形成することによって、ステージ10上に載置された基板Wをステージ10の上面に固定保持することができるようになっている。
<ステージ駆動機構20>
ステージ駆動機構20は、ステージ10を基台105に対して移動させる機構であり、ステージ10を主走査軸(Y軸)、副走査軸(X軸)、および回転軸(Z軸周りの回転軸(θ軸))のそれぞれに沿って移動させる。ステージ駆動機構20は、具体的には、ステージ10を回転させる回転機構21と、回転機構21を介してステージ10を支持する支持プレート22と、支持プレート22を副走査軸に沿って移動させる副走査機構23とを備える。ステージ駆動機構20は、さらに、副走査機構23を介して支持プレート22を支持するベースプレート24と、ベースプレート24を主走査軸に沿って移動させる主走査機構25とを備える。
回転機構21は、ステージ10の上面(基板Wの載置面)の中心を通り、当該載置面に垂直な回転軸Aを中心としてステージ10を回転させる。回転機構21は、例えば、上端が載置面の裏面側に固着され、鉛直軸に沿って延在する回転軸部211と、回転軸部211の下端に設けられ、回転軸部211を回転させる駆動部(例えば、回転モータ)212とを含む構成とすることができる。この構成においては、駆動部212が回転軸部211を回転させることにより、ステージ10が水平面内で回転軸Aを中心として回転することになる。
副走査機構23は、支持プレート22の下面に取り付けられた移動子とベースプレート24の上面に敷設された固定子とにより構成されたリニアモータ231とを有している。また、ベースプレート24には、副走査軸に沿って延びる一対のガイド部材232が敷設されており、各ガイド部材232と支持プレート22との間には、ガイド部材232に摺動しながら当該ガイド部材232に沿って移動可能なボールベアリングが設置されている。つまり、支持プレート22は、当該ボールベアリングを介して一対のガイド部材232上に支持される。この構成においてリニアモータ231を動作させると、支持プレート22はガイド部材232に案内された状態で副走査軸に沿って滑らかに移動する。
主走査機構25は、ベースプレート24の下面に取り付けられた移動子と描画装置1の基台105上に敷設された固定子とにより構成されたリニアモータ251を有している。また、基台105には、主走査軸に沿って延びる一対のガイド部材252が敷設されており、各ガイド部材252とベースプレート24との間には例えばエアベアリングが設置されている。エアベアリングにはユーティリティ設備から常時エアが供給されており、ベースプレート24は、エアベアリングによってガイド部材252上に非接触で浮上支持される。この構成においてリニアモータ251を動作させると、ベースプレート24はガイド部材252に案内された状態で主走査軸に沿って摩擦なしで滑らかに移動する。
<ステージ位置計測部30>
ステージ位置計測部30は、ステージ10の位置を計測する機構であり、ステージ10外からステージ10に向けてレーザ光を出射するとともにその反射光を受光し、当該反射光と出射光との干渉からステージ10の位置(具体的には、主走査軸に沿う位置(Y位置)、および、回転軸に沿う位置(θ位置))を計測する、干渉式のレーザ測長器により構成される。
ステージ位置計測部30は、例えば、ステージ10の−Y側の側面に取り付けられるとともに、−Y側の面に主走査軸に垂直な反射面を備えるプレーンミラー31と、ステージの−Y側において基台105に対して固定される各部(具体的には、レーザ光源32、スプリッタ33、第1リニア干渉計34、第1レシーバ35、第2リニア干渉計36および第2レシーバ37)とを備える構成とすることができる。
このステージ位置計測部30においては、レーザ光源32から出射されたレーザ光は、スプリッタ33により2分割され、一方のレーザ光の一部が第1リニア干渉計34を介してプレーンミラー31上の第1の部位に入射し、プレーンミラー31からの反射光が、第1リニア干渉計34において元のレーザ光の一部(これが参照光として利用される)と干渉して第1レシーバ35により受光される。第1レシーバ35における、反射光と参照光との干渉後の強度変化に基づいて、第1リニア干渉計34とプレーンミラー31との主走査軸に沿う離間距離が特定される。この第1レシーバ35からの出力に基づいて、専門の演算回路(図示省略)にてステージ10の主走査方向における位置(Y位置)が求められる。
一方、レーザ光源32から出射されてスプリッタ33により分割された他方のレーザ光の一部は、取付台38の内部を+X側から−X側へと通過し、第2リニア干渉計36を介してプレーンミラー31に入射する。ここで、第2リニア干渉計36からのレーザ光は、プレーンミラー31上の第1の部位から副走査軸に沿って一定距離だけ離間したプレーンミラー31上の第2の部位に入射することになる。プレーンミラー31からの反射光は、第2リニア干渉計36において元のレーザ光の一部と干渉して第2レシーバ37により受光される。第2レシーバ37における、反射光と参照光との干渉後の強度変化に基づいて、第2リニア干渉計36とプレーンミラー31との主走査軸に沿う離間距離が特定される。第2レシーバ37からの出力と上述した第1レシーバ35からの出力に基づいて、専門の演算回路(図示省略)にてステージ10の回転角度が求められる。
<光学ユニット40>
<i.全体構成>
光学ユニット40は、ステージ10上に保持された基板Wの上面に光を照射して基板Wにパターンを描画するための機構である。上述したとおり、描画装置1は2個の光学ユニット40,40を備える。一方の光学ユニット40は基板Wの+X側半分の露光を担当し、他方の光学ユニット40は基板Wの−X側半分の露光を担当する。これら2個の光学ユニット40,40は、ステージ10およびステージ駆動機構20を跨ぐようにして基台105上に架設されたフレーム107に、間隔をあけて固設される。なお、2個の光学ユニット40,40の間隔は必ずしも一定に固定されている必要はなく、光学ユニット40,40の一方あるいは両方の位置を変更可能とする機構を設けて、両者の間隔を調整可能としてもよい。
2個の光学ユニット40,40はいずれも同じ構成を備える。すなわち、各光学ユニット40は、レーザ駆動部41と、レーザ発振器42と、照明光学系43と、空間光変調ユニット44と、投影光学系45と、光路補正部46とを主として備える。レーザ駆動部41、レーザ発振器42、および、照明光学系43は、例えば、天板を形成するボックスの内部に配置される。また、空間光変調ユニット44、投影光学系45、および、光路補正部46(これら各部44,45,46は、描画ヘッド部を構成する)は、例えば、フレーム107の+Y側に取り付けられた付設ボックスの内部に収容される。当該付設ボックスには、描画ヘッド部の他に、先行撮像部50が収容される。つまり、空間光変調ユニット44、投影光学系45、および、光路補正部46は、先行撮像部50とユニット化され、先行撮像部50とともに1個のヘッドユニット100を構成する。
レーザ発振器42は、レーザ駆動部41からの駆動を受けて、出射口(図示省略)からレーザ光を出射する。照明光学系43は、レーザ発振器42から出射された光(スポットビーム)を、強度分布が均一な線状の光(光束断面が線状の光であるラインビーム)に変換する。レーザ発振器42から出射され、照明光学系43にてラインビームとされた光は、描画ヘッド部に入射し、ここでパターンデータD(図3参照)に応じた空間変調を施された上で、基板Wに照射される。
<ii.描画ヘッド部>
描画ヘッド部の構成について、具体的に説明する。なお、以下の説明においては、図1、図2に加え、図4を参照する。図4は、ヘッドユニット100の構成を模式的に示す図である。
<a.空間光変調ユニット44>
描画ヘッド部に入射した光は、ミラー47を介して、定められた角度で空間光変調ユニット44に入射する。空間光変調ユニット44は、当該入射光を空間変調して、パターンの描画に寄与させる必要光と、パターンの描画に寄与させない不要光とを、互いに異なる方向に反射させる。ただし、光を空間変調させるとは、光の空間分布(振幅、位相、および偏光等)を変化させることを意味する。
空間光変調ユニット44は、具体的には、電気的な制御によって入射光を空間変調させる空間光変調器441を備える。空間光変調器441は、その反射面の法線が、ミラー47を介して入射する入射光の光軸に対して傾斜して配置され、当該入射光を制御部90の制御に応じて空間変調させる。空間光変調器441は、例えば、回折格子型の空間変調器(例えば、GLV(Grating Light Valve:グレーチング・ライト・バルブ)(「GLV」は登録商標)等を利用して構成される。回折格子型の空間変調器は、格子の深さを変更することができる回折格子であり、例えば、半導体装置製造技術を用いて製造される。
空間光変調器441の構成例についてより具体的に説明する。空間光変調器441は、例えば、複数の空間光変調素子を一次元に並べた構成となっている。各空間光変調素子の動作は、電圧のオン/オフで制御される。すなわち、例えば電圧がオフされている状態においては空間光変調素子の表面は平面となっており、この状態で空間光変調素子に光が入射すると、その入射光は回折せずに正反射する。これにより、正反射光(0次回折光)が発生する。一方、例えば電圧がオンされている状態においては、空間光変調素子の表面には平行な溝が周期的に並んで複数本形成される。この状態で空間光変調素子に光が入射すると、正反射光(0次回折光)は打ち消しあって消滅し、他の次数の回折光(±1次回折光、±2次回折光、および、さらに高次の回折光)が発生する。より正確には、0次回折光の強度が最小となり、他の次数の回折光の強度が最大となる。
空間光変調器441は、複数の空間光変調素子のそれぞれに対して独立に電圧を印加可能なドライバ回路ユニットを備えており、各空間光変調素子の電圧が独立して切り換え可能となっている。ドライバ回路ユニットが所期の空間光変調素子に対して電圧を印加することによって、各空間光変調素子にて個々に空間変調された光が形成され、基板Wに向けて出射される。空間光変調器441が備える空間光変調素子の個数を「N個」とすると、空間光変調器441からは、副走査軸に沿うN画素分の空間変調された光が出射されることになる。
<b.投影光学系45>
上述したとおり、空間光変調器441にて空間変調された光には、0次回折光と、0次以外の次数の回折光(具体的には、±1次回折光、±2次回折光、および、比較的微量の±3次以上の高次回折光)とが含まれており、0次回折光がパターンの描画に寄与させるべき必要光であり、それ以外の回折光がパターンの描画に寄与させるべきでない不要光である。これら必要光と不要光とは互いに異なる方向に沿って出射される。すなわち、必要光はZ軸に沿って−Z方向に、不要光はZ軸から±X方向に僅かに傾斜した軸に沿って−Z方向に、それぞれ出射される。投影光学系45は、空間光変調器441にて空間変調された光のうち、パターンの描画に寄与させるべきでない不要光(0次回折光以外の光)を遮断するとともに、パターンの描画に寄与させるべき必要光(0次回折光)のみを基板Wの表面に導いて、当該表面に結像させる。
投影光学系45は、例えば、2枚の遮断板451,452と、複数の光学部品453〜457,450とを含んで構成される。ただし、以下に説明する投影光学系45の構成は、一例であり、例えば、1以上の光学部品がさらに追加されてもよいし、1以上の光学部品が省略されてもよい。
各遮断板451,452は、Z方向に延在する支持軸(図示省略)に、支持される。また、各光学部品453〜458は、支持軸に片持ち状態で支持された収容部材(具体的には、例えば、内部に収容された光学部品を通過する光の進行を妨げないように、上面および下面に例えば窓が形成されている、レンズブラケット)内において所定姿勢で収容された状態で支持される。
各遮断板451,452は、入射した光の一部を通過させつつ残りを遮断する部材であり、光を透過させない部材により形成された板状部材により構成され、その主面内に、一部の光のみを通過させる貫通孔(例えば、円形の貫通孔)が形成される。各遮断板451,452は、その貫通孔の中心付近を必要光が通過するように配置される。2枚の遮断板451,452のうち、+Z側に配置された遮断板(第1遮断板)451は、不要光に含まれる高次回折光(±2次以上の回折光であり、主として、±3次以上の回折光)を遮断する。すなわち、第1遮断板451は、入射光に含まれる光のうち、低次回折光を貫通孔を介して通過させるとともに、高次回折光を遮断する。一方、第1遮断板451の−Z側に配置された遮断板(第2遮断板)452は、第1遮断板451を通過した低次回折光のうち、0次回折光(必要光)を貫通孔を介して通過させるとともに、それ以外の光(すなわち、第1遮断板451で遮断されなかった不要光(主として、±1次回折光、および、±2次回折光))を遮断する。
投影光学系45が備える各光学部品453〜457,450のうち、例えば、光学部品453〜457は、収差を補正しつつ、入射光を平行光として、最も基板W側(−Z側)に配置されたレンズ450に入射させる。特に、光学部品453〜457のうち、第1遮断板451と第2遮断板452との間に配置された一対のレンズ(図示の例で、例えば、レンズ454とレンズ455)は、例えば、駆動機構(図示省略)によってZ軸に沿ってそれぞれ移動可能に構成され、露光面でのビームサイズ(図6における、描画パターンサイズおよび間隔に相当)を広げる(あるいは狭める)ズーム部としての機能を担う。
一方、投影光学系45が備える各光学部品453〜457,450のうち、最も基板W側(−Z側)に配置されたレンズ450は、入射した平行光を定められたビームサイズにして基板Wの表面に結像させる対物レンズとしての機能を担う(例えば、図7参照)。このレンズ450を、以下「対物レンズ450」ともいう。対物レンズ450は、駆動機構4501によってZ軸に沿って移動可能に構成され、基板Wの表面内の各位置の高さ(より具体的には、基板Wの面内における描画対象位置の高さ)(Z位置)に応じて、そのZ位置を調整される。これによって、ピント合わせ(すなわち、オートフォーカス)が行われる。
<c.光路補正部46>
光路補正部46は、空間光変調ユニット44と投影光学系45との間に設けられ、空間光変調ユニット44から出射された光の経路をシフトさせる。光路補正部46が必要に応じて光の経路をシフトさせることによって、基板Wに対する光の照射位置を微調整することが可能となる。
光路補正部46は、具体的には、1個以上の光学部品を備え、少なくとも1個の光学部品の姿勢(あるいは、位置)を変更することによって、入射光の光路をシフトさせる。より具体的には、光路補正部46は、例えば、Y軸に沿う第1回転軸A1およびX軸に沿う第2回転軸A2のそれぞれに対して回転可能に支持されたガラス板461と、ガラス板461を第1回転軸A1に対して回転させるとともに、第2回転軸A2に対して回転させる、姿勢変更機構462とを含む構成することができる。この構成においては、ガラス板461を第1回転軸A1を中心に回転させてその姿勢を変化させることによって、ガラス板461に入射する光の経路をX軸方向に沿ってシフトさせることができる。また、ガラス板461を第2回転軸A2を中心に回転させてその姿勢を変化させることによって、ガラス板461に入射する光の経路をY軸方向に沿ってシフトさせることができる。ただし、各軸に沿う光路のシフト量は、ガラス板の回転角度を制御することによって任意の値に調整することができる。
姿勢変更機構462は、制御部90と電気的に接続されており、制御部90は、姿勢変更機構462を制御してガラス板461を回転させることによって、空間光変調ユニット44から出射される光の経路を、X軸方向(あるいは、Y軸方向)に沿ってシフトさせて、描画位置(露光位置)を補正する。
<iii.光学ユニット40の動作>
光学ユニット40に描画動作を実行させる場合、制御部90は、レーザ駆動部41を駆動してレーザ発振器42から光を出射させる。出射された光は照明光学系43にてラインビームとされ、ミラー47を介して空間光変調器441に入射する。空間光変調器441においては、複数の空間光変調素子が、副走査軸(X軸)に沿って並んで配置されており、入射光はその線状の光束断面を空間光変調素子の配列方向に沿わせるようにして、一列に配列された複数の空間光変調素子に入射する。
一方で、制御部90は、パターンデータD(図3参照)に基づいて空間光変調器441のドライバ回路ユニットに指示を与え、ドライバ回路ユニットが指示された空間光変調素子に対して電圧を印加する。これによって、各空間光変調素子にて個々に空間変調された光(すなわち、副走査軸に沿うN画素分の空間変調された光)が形成され、基板Wに向けて出射されることになる。パターンデータDに応じた空間変調を施された光を、以下「描画光」ともいう。
空間光変調器441から出射された描画光は、必要に応じて光路補正部46にてその光路を補正された上で、投影光学系45に入射する。
投影光学系45に入射した描画光は、第1遮断板451および第2遮断板452のそれぞれにおいて必要光以外を遮断され、また、各光学部品453〜457において収差を補正されるとともに平行光とされて、対物レンズ450に入射する。なお、描画光は、必要に応じて、レンズ454およびレンズ455でその幅を広げられる(あるいは狭められる)。
対物レンズ450に入射した描画光(すなわち、必要光)は、対物レンズ450において、基板Wの表面に結像される。すなわち、副走査軸(X軸)に沿うN個の画素単位mi(i=1,2,・・,N)を含む空間変調された光が、基板Wの表面に結像される(図6参照。ただし、図6は、対物レンズ450の視野内の状態を模式的に示す図である。)。
後に明らかになるように、光学ユニット40は、副走査軸に沿うN画素分の空間変調された光を断続的に照射し続けながら(すなわち、基板Wの表面にパルス光を繰り返して投影し続けながら)、主走査軸(Y軸)に沿って基板Wに対して相対的に移動(往復移動)する。したがって、光学ユニット40が主走査軸に沿って基板Wを1回横断すると、基板Wの面内に、副走査軸に沿ってN画素分の幅をもつ一本のパターン群が描画されることになる。この、N画素分の幅をもつ1本のパターン描画領域を、以下の説明では「1ストライプ分の領域」ともいう。
<先行撮像部50>
先行撮像部50は、ステージ10に保持された基板Wの面内における、描画予定領域(未露光領域)を撮像する。ただし、上述したとおり、描画装置1は2個の先行撮像部50,50を備えているところ、各先行撮像部50は、いずれかの光学ユニット40と対応付けられて、対応する光学ユニット40が描画光を照射する予定の描画予定領域を撮像する。各先行撮像部50は、制御部90と電気的に接続されており、制御部90からの指示に応じて描画予定領域を撮像し、取得された撮像データを制御部90に送信する。先行撮像部50の具体的な構成については、後に説明する。
<アライメント撮像部60>
アライメント撮像部60は、基板Wの面内に形成されたアライメントマークを撮像する。アライメント撮像部60は、照明ユニット61から延びるファイバと接続される。また、アライメント撮像部60は、例えば、鏡筒、対物レンズ、および、CCD等のエリアイメージセンサ(二次元イメージセンサ)を含んで構成される。この構成において、照明ユニット61から出射される光はファイバによって鏡筒に導かれ、鏡筒を介して基板Wの上面に導かれる。そして、その反射光が、対物レンズを介してエリアイメージセンサで受光される。これによって、基板Wの上面の撮像データが取得されることになる。ただし、撮像に用いられる照明光は、基板W上のレジスト等を感光させない波長の光が採用される。アライメント撮像部60は、制御部90と電気的に接続されており、制御部90からの指示に応じて基板Wの面内の所定の位置を撮像し、取得された撮像データを制御部90に送信する。なお、アライメント撮像部60はオートフォーカスユニットをさらに備えていてもよい。
<搬送装置70>
搬送装置70は、基板Wを支持するための2本のハンド71,71と、ハンド71,71を独立に移動させるハンド駆動機構72とを備える。各ハンド71は、ハンド駆動機構72によって駆動されることにより進退移動および昇降移動されて、ステージ10に対する基板Wの受け渡しを行う。
<プリアライメント部80>
プリアライメント部80は、基板Wの回転位置を粗く補正する装置である。プリアライメント部80は、例えば、回転可能に構成された載置台と、載置台に載置された基板Wの外周縁の一部に形成された切り欠き部(例えば、ノッチ、オリエンテーションフラット等)の位置を検出するセンサと、載置台を回転させる回転機構とから構成することができる。この場合、プリアライメント部80におけるプリアライメント処理は、まず、載置台に載置された基板Wの切り欠き部の位置をセンサで検出し、続いて、回転機構が、当該切り欠き部の位置が定められた位置となるように載置台を回転させることによって行われる。
<制御部90>
制御部90は、描画装置1が備える各部と電気的に接続されており、各種の演算処理を実行しつつ描画装置1の各部の動作を制御する。
図3は、制御部90のハードウエア構成を示すブロック図である。制御部90は、例えば、CPU91、ROM92、RAM93、記憶装置94等がバスライン95を介して相互接続された一般的なコンピュータによって構成されている。ROM92は基本プログラム等を格納しており、RAM93はCPU91が所定の処理を行う際の作業領域として供される。記憶装置94は、フラッシュメモリ、あるいは、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成されている。記憶装置94にはプログラムPが格納されており、このプログラムPに記述された手順に従って、主制御部としてのCPU91が演算処理を行うことにより、各種機能が実現されるように構成されている。プログラムPは、通常、予め記憶装置94等のメモリに格納されて使用されるものであるが、CD−ROMあるいはDVD−ROM、外部のフラッシュメモリ等の記録媒体に記録された形態(プログラムプロダクト)で提供され(あるいは、ネットワークを介した外部サーバからのダウンロードなどにより提供され)、追加的または交換的に記憶装置94等のメモリに格納されるものであってもよい。なお、制御部90において実現される一部あるいは全部の機能は、専用の論理回路等でハードウエア的に実現されてもよい。
また、制御部90では、入力部96、表示部97、通信部98もバスライン95に接続されている。入力部96は、各種スイッチ、タッチパネル等により構成されており、オペレータから各種の入力設定指示を受け付ける。表示部97は、液晶表示装置、ランプ等により構成されており、CPU91による制御の下、各種の情報を表示する。通信部98は、LAN等を介したデータ通信機能を有する。
制御部90においては、プログラムPに記述された手順に従って主制御部としてのCPU91が演算処理を行うことにより描画装置1が備える各部に基板Wに対する描画処理を実行させる。制御部90は、後に明らかになるように、ステージ駆動機構20を駆動してステージ10を移動させるとともに、移動されるステージ10に載置された基板Wに対して、光学ユニット40から、パターンデータDに応じた空間変調を施された光(描画光)を照射させる。ただし、「パターンデータD」は、基板Wに描画すべきパターンを記述したデータである。具体的には、パターンデータDは、例えば、CAD(computer aided design)を用いて生成されたCADデータをラスタライズしたデータであり、光を照射すべき基板W上の位置情報が画素単位で記録される。制御部90は、基板Wに対する一連の処理に先立って、あるいは、当該処理と並行して、パターンデータDを取得して、記憶装置94に格納している。なお、パターンデータDの取得は、例えばネットワーク等を介して接続された外部端末装置から受信することにより行われてもよいし、記録媒体から読み取ることにより行われてもよい。
<2.先行撮像部50>
先行撮像部50の構成について、図4を参照しながら具体的に説明する。図4には、ヘッドユニット100(すなわち、光学ユニット40の描画ヘッド部と、当該光学ユニット40と対応づけられた先行撮像部50とがユニット化された構成要素である、ヘッドユニット100)の構成が、模式的に示されている。
上述したとおり、先行撮像部50は、基板Wの面内における、対応する光学ユニット40が描画光を照射する予定の領域(描画予定領域)を撮像する。ここで、光学ユニット40は、主走査軸(Y軸)に沿って基板Wに対して相対的に移動(往復移動)しながら、副走査軸に沿うN画素分の描画光を断続的に照射し続ける。光学ユニット40が、主走査軸(Y軸)に沿って基板Wに対して−Y方向に相対的に移動する場合(すなわち、基板Wを載置したステージ10が、光学ユニット40に対して主走査軸に沿って+Y方向に相対的に移動される場合)(矢印AR100)、基板Wの面内における、光学ユニット40が描画光を照射する位置(以下「描画対象位置」ともいう)P0の−Y側の領域が、描画予定領域となる。一方、光学ユニット40が、主走査軸(Y軸)に沿って基板Wに対して+Y方向に相対的に移動する場合(すなわち、基板Wを載置したステージ10が、光学ユニット40に対して、主走査軸(Y軸)に沿って−Y方向に相対的に移動される場合)(矢印AR200)、描画対象位置P0の+Y側の領域が、描画予定領域となる。
先行撮像部50は、基板Wの面内における、主走査軸(Y軸)に沿って、描画対象位置P0を間に挟んだ一対の領域(両側の領域)のうちのいずれかの領域を、択一的に撮像する。先行撮像部50は、具体的には、例えば、光源51と、ビームスプリッタ52と、絞り53と、対物レンズ450と、折り返しミラー54と、結像レンズ55と、撮像素子56と、素子位置切り換え機構57とを含んで構成される。ただし、対物レンズ450は、投影光学系45(当該先行撮像部50が対応付けられた光学ユニット40の投影光学系45)との間で共用される。
先行撮像部50の光学系について、具体的に説明する。光源51は、撮像用の光(以下、「撮像光」ともいう)を、Y軸に沿って出射する。ただし、撮像光は、基板W上のレジスト等を感光させない波長の光とされる。光源51から出射された撮像光は、ビームスプリッタ52において進行方向を変更されて、基板Wに向けて進行する。ここで、ビームスプリッタ52は、空間光変調ユニット44から出射されて基板Wに入射する描画光の光軸(以下、「描画光軸」ともいう)L0上に配置され、光源51から出射される撮像光の進行方向を、その光軸(以下、「撮像光軸」ともいう)L1が、描画光軸L0と一致するような方向に変更する。
ビームスプリッタ52は、例えば、誘電体多層膜コーティングにより、反射率及び透過率に波長依存性をもたせて、描画光の波長に対しては低反射率(高透過率)、撮像光の波長に対しては高反射率となるようにしておくことが好ましい。この構成によると、描画光、撮像光の両方に対して光量効率を良くすることができる。
ビームスプリッタ52にて進行方向を変更された撮像光の光軸L1上には(すなわち、描画光軸L0上には)、絞り53および対物レンズ450が配置されている。したがって、ビームスプリッタ52で進行方向を変更された撮像光は、絞り53を通して(ここで不要光をカットされて)、対物レンズ450によって基板の表面に集光される。
基板Wの表面で反射した撮像光は、再び対物レンズ450に入射し、対物レンズ450にて平行光に変換された上で、再びビームスプリッタ52に入射する。そして、ビームスプリッタ52において進行方向を変更されて、折り返しミラー54に向けて進行する。折り返しミラー54に入射した撮像光は、撮像素子56に向けて反射される。
折り返しミラー54で進行方向を変更された撮像光は、結像レンズ55を介して、撮像素子56に入射する。ここで、結像レンズ55は、平行光に変換されている撮像光を、撮像素子56の撮像面に結像させる。撮像素子56は、例えば、一列に配列された複数の受光素子を備えるCCDリニアイメージセンサであり、受光素子の配列方向をX軸に沿わせて配置される。撮像素子56が、その撮像面に入射した光を光電変換することによって、基板Wの面内の像が撮像されることになる。撮像素子56は、制御部90と電気的に接続されており、制御部90からの指示に応じて基板Wの面内を撮像し、取得された撮像データを制御部90に送信する。
先行撮像部50は、さらに、撮像素子56をY軸に沿って移動させて、撮像素子56の位置を第1素子位置R1と第2素子位置R2との間で切り換えることによって、基板Wの表面で反射された撮像光の光路を選択する素子位置切り換え機構57を備える。素子位置切り換え機構57は、例えば、直動機構によって構成することができる。例えば、素子位置切り換え機構57は、撮像素子56を支持する支持部571と、Y軸に沿って延在するガイドレール572とを備える。ここで、支持部571は、ガイドレール572に沿って移動可能とされている。また、素子位置切り換え機構57は、ガイドレール572に沿って延在して配設されるボールネジ574と、これを回転させる回転モータ573とを備える。ここで、ボールネジ574には、支持部571のブラケット5711の雌ねじ部に螺合されている。この構成において、ボールネジ574が回転モータ573によって回動されることで、支持部571に支持された撮像素子56が、ガイドレール572に沿って(すなわち、Y方向に沿って)移動する。これによって、撮像素子56を、任意のY位置に移動させることができる。
ここで、第1素子位置R1および第2素子位置R2について、図4に加え、図5〜図8を参照しながら説明する。図5は、撮像素子の位置と撮像対象位置との関係を説明するための図である。図6は、対物レンズ450の視野内の状態を模式的に示す図である。図7は、第1対象位置P1の撮像データが取得されている状態を模式的に示す図である。図8は、第2対象位置P2の撮像データが取得されている状態を模式的に示す図である。
上述したとおり、撮像光は、その光軸(撮像光軸)L1が、描画光軸L0と一致した状態で、基板Wに入射される。そして、基板Wの表面で反射された撮像光は、対物レンズ450にて平行光に変換され、(図5では図示省略しているが、ビームスプリッタ52および折り返しミラー54で光路を変更された上で)、結像レンズ55で結像されて、撮像素子56に入射する。いま、先行撮像部50の光学系に対して、描画対象位置P0と共役関係となる撮像素子56の位置(より具体的には、先行撮像部50の光学系に対して、描画対象位置P0と共役関係の位置が撮像素子56の撮像面に一致するような、撮像素子56の位置)を、基準素子位置R0とする。ただし、二つの位置が共役関係にある、とは、一方の位置から発した光が他方の位置にて結像する関係をいう。したがって、仮に、撮像素子56が基準素子位置R0に配置されたとすると、当該撮像素子56の撮像面には、描画対象位置P0での反射光が結像される(すなわち、描画対象位置P0の撮像データが取得される)ことになる。
いま、基板Wの面内において、描画対象位置P0よりも−Y側に所定距離dだけずれた位置を第1対象位置P1とし、描画対象位置P0よりも+Y側に所定距離dだけずれた位置を第2対象位置P2とする。つまり、第1対象位置P1と第2対象位置P2とは、主走査軸(Y軸)に沿って、描画対象位置P0を間に挟んだ一対の位置となる。
ここで、第1素子位置R1は、先行撮像部50の光学系に対して、第1対象位置P1と共役関係の位置である。より具体的には、先行撮像部50の光学系に対して、第1対象位置P1と共役関係の位置が撮像素子56の撮像面に一致するような、撮像素子56の位置が第1素子位置R1である。また、第2素子位置R2は、先行撮像部50の光学系に対して、第2対象位置P2と共役関係の位置である。より具体的には、先行撮像部50の光学系に対して、第2対象位置P2と共役関係の位置が撮像素子56の撮像面に一致するような、撮像素子56の位置が第2素子位置R2である。
したがって、撮像素子56が第1素子位置R1に配置されている状態においては、撮像素子56の撮像面に第1対象位置P1での反射光が結像される光路が選択される(すなわち、第1対象位置P1の撮像データが取得される)。また、撮像素子56が第2素子位置R2に配置されている状態においては、撮像素子56の撮像面に第2対象位置P2での反射光が結像される光路が選択される(すなわち、第2対象位置P2の撮像データが取得される)。なお、図5では、先行撮像部50の光学系のうちビームスプリッタ52、絞り53、および、折り返しミラー54が図示省略されているが、実際は、撮像素子56が第1素子位置R1に配置されている場合は、図7に模式的に示される光路が選択されて、第1対象位置P1での反射光が第1素子位置R1に配置されている撮像素子56にて結像されることになる。また、撮像素子56が第2素子位置R2に配置されている場合は、図8に模式的に示される光路が選択されて、第2対象位置P2での反射光が第2素子位置R2に配置されている撮像素子56にて結像されることになる。
このように、先行撮像部50では、素子位置切り換え機構57が、撮像素子56の位置を第1素子位置R1と第2素子位置R2との間で切り換えることによって、基板Wの表面で反射された撮像光の光路が選択されて、基板Wの面内における、主走査軸(Y軸)に沿って描画対象位置P0を挟んだ一対の領域のうちのいずれかの領域が、択一的に撮像される。つまり、先行撮像部50においては、素子位置切り換え機構57が、基板Wの表面で反射された撮像光の光路を選択する選択部として機能する。
ここで、基準素子位置R0と第1素子位置R1との離間距離ΔY1、および、基準素子位置R0と第2素子位置R2との離間距離ΔY2の具体的な値は、下記の(式1)から算出される値となる。
ΔY1=ΔY2=M×d ・・・(式1)
ただし、(式1)中、「M」は、先行撮像部50の光学系の光学倍率を表している。また、「d」は、描画対象位置P0と第1対象位置P1との離間距離d(すなわち、描画対象位置P0と第2対象位置P2との離間距離d)を表している。
<3.描画装置1の動作>
<3−1.全体の流れ>
描画装置1において実行される基板Wに対する一連の処理の全体の流れについて、図9を参照しながら説明する。図9は、当該処理の流れを示す図である。以下に説明する一連の動作は、制御部90の制御下で行われる。
まず、搬送装置70が、カセット載置部104に載置されたカセットCから未処理基板Wを取り出して描画装置1に搬入する(ステップS1)。
続いて、搬送装置70は搬入した基板Wをプリアライメント部80に搬入し、プリアライメント部80にて当該基板Wに対するプリアライメント処理が行われる(ステップS2)。プリアライメント処理は、上述したとおり、例えば、載置台に載置された基板Wの切り欠き部の位置をセンサで検出し、当該切り欠き部の位置が定められた位置となるように載置台を回転させることによって行われる。これによって、載置台に載置された基板Wが定められた回転位置におおまかに位置合わせされた状態におかれることになる。
続いて、搬送装置70が、プリアライメント処理済みの基板Wをプリアライメント部80から搬出してこれをステージ10に載置する(ステップS3)。ステージ10は、その上面に基板Wが載置されると、これを吸着保持する。
基板Wがステージ10に吸着保持された状態となると、続いて、当該基板Wが適正な位置にくるように精密に位置合わせする処理(ファインアライメント)が行われる(ステップS4)。具体的には、まず、ステージ駆動機構20が、ステージ10を受け渡し位置からアライメント撮像部60の下方位置まで移動させる。ステージ10がアライメント撮像部60の下方に配置されると、続いて、アライメント撮像部60が、基板W上のアライメントマークを撮像して、当該撮像データを取得する。続いて、制御部90が、アライメント撮像部60により取得された撮像データを画像解析してアライメントマークの位置を検出し、その検出位置に基づいて基板Wの適正位置からのずれ量を算出する。ずれ量が算出されると、ステージ駆動機構20が当該算出されたずれ量だけステージ10を移動させて、基板Wが適正位置にくるように位置合わせする。
基板Wが位置合わせされると、続いて、パターンの描画処理が行われる(ステップS5)。描画処理について、図10を参照しながら具体的に説明する。図10は、描画処理を説明するための図である。
描画処理は、制御部90の制御下でステージ駆動機構20がステージ10に載置された基板Wを光学ユニット40,40に対して相対的に移動させつつ、光学ユニット40,40のそれぞれから基板Wの上面に空間変調された光を照射させることによって行われる。
具体的には、ステージ駆動機構20は、まず、アライメント撮像部60の下方位置に配置されているステージ10を主走査軸(Y軸)に沿って往路方向(ここでは、例えば、+Y方向であるとする)に移動させることによって、基板Wを光学ユニット40,40に対して主走査軸に沿って相対的に移動させる(往路主走査)。これを基板Wからみると、各光学ユニット40は基板W上を主走査軸に沿って−Y方向に横断することになる(矢印AR11)。往路主走査が行われる間、各光学ユニット40は、パターンデータDに応じた空間変調が形成された光(具体的には、副走査軸に沿うN画素分の空間変調された光)を、基板Wに向けて断続的に照射し続ける(すなわち、基板Wの表面にパルス光が繰り返して投影され続ける)。つまり、各光学ユニット40は、副走査軸に沿うN画素分の空間変調された光を断続的に照射し続けながら基板W上を主走査軸に沿って往路方向に横断する。したがって、光学ユニット40が主走査軸に沿って基板Wを1回横断すると、1本のストライプ領域(主走査軸に沿って延在し、副走査軸に沿う幅が描画幅に相当する領域)Kに、パターン群が描画されることになる。ここでは、2個の光学ユニット40が同時に基板Wを横断するので、一回の往路主走査により2本のストライプ領域K,Kのそれぞれにパターン群が描画されることになる。
往路主走査が終了すると、ステージ駆動機構20は、ステージ10を副走査軸(X軸)に沿って所定方向(例えば、−X方向)に、描画幅に相当する距離だけ移動させることによって、基板Wを光学ユニット40,40に対して副査軸に沿って相対的に移動させる(副走査)。これを基板Wからみると、各光学ユニット40は副走査軸に沿って+X方向に、ストライプ領域の幅分だけ移動することになる(矢印AR12)。
副走査が終了すると、ステージ駆動機構20は、ステージ10を主走査軸(Y軸)に沿って復路方向(ここでは、−Y方向)に移動させることによって、基板Wを光学ユニット40,40に対して主走査軸に沿って相対的に移動させる(復路主走査)。これを基板Wからみると、各光学ユニット40は、基板W上における、先の主走査で描画されたストライプ領域の隣を、主走査軸に沿って+Y方向に移動して横断することになる(矢印AR13)。ここでも、各光学ユニット40は、パターンデータに応じた空間変調が形成された光を、基板Wに向けて断続的に照射し続けながら、基板W上を主走査軸に沿って+Y方向に横断する。これによって、先の往路主走査で描画されたストライプ領域Kの隣のストライプ領域Kに、パターン群が描画されることになる。
復路主走査が終了すると、副走査が行われた上で、再び往路主走査が行われる。以後も同様に、副走査を挟みつつ、往路主走査と復路主走査とが繰り返して行われ、描画対象領域の全域にパターンが描画されると、描画処理が終了する。
再び図9を参照する。描画処理が終了すると、搬送装置70が処理済みの基板Wを搬出する(ステップS6)。これによって、当該基板Wに対する一連の処理が終了する。
<3−2.各ストライプの描画>
上述したとおり、描画処理(図9のステップS5)においては、各光学ユニット40によって、基板Wに対する描画が、ストライプ分の領域単位で行われる。ここで、ストライプ分の領域単位に対する描画処理の流れについて、図11を参照しながらより詳細に説明する。図11は、当該処理を説明するための図である。なお、上述したとおり、描画装置1は2個の光学ユニット40を備えており、描画処理においては、以下に説明する一連の処理が2個の光学ユニット40のそれぞれにおいて並行して行われる。
主走査(往路主走査、あるいは、復路主走査)が開始されると、制御部90は、先行撮像部50に、対応する光学ユニット40の描画予定領域を撮像させる(ステップS21)。具体的には、制御部90は、先行撮像部50に、対応する光学ユニット40が当該時刻から一定時間後(具体的には、基板Wが光学ユニット40に対して距離dだけ移動された後)に描画される予定の基板Wの面内領域(描画予定領域)の撮像データを、取得させる。
ステップS21の処理は、具体的には、次のように行われる。すなわち、制御部90は、まず、当該主走査(以下「対象主走査」ともいう)が、往路主走査、復路主走査のいずれであるかを判断する。
対象主走査が往路主走査であると判断された場合、制御部90は、光源51から光を出射させるとともに、素子位置切り換え機構57を制御して、撮像素子56を第1素子位置R1に配置する(図7参照)。往路主走査の場合、ステージ10は、Y軸に沿って+Y方向に移動されるところ(矢印AR100)、撮像素子56が、第1素子位置R1に配置されている状態においては、描画対象位置P0よりも距離dだけ−Y側の第1対象位置P1の撮像データが取得されることになる。つまり、各時刻に取得される撮像データは、光学ユニット40が当該時刻から一定時間後(具体的には、基板Wが光学ユニット40に対して距離dだけ移動された後)に描画される予定の領域の撮像データということになる。
一方、対象主走査が復路走査であると判断された場合、制御部90は、光源51から光を出射させるとともに、素子位置切り換え機構57を制御して、撮像素子56を、第2素子位置R2に配置する(図8参照)。復路主走査の場合、ステージ10は、Y軸に沿って−Y方向に移動されるところ(矢印AR200)、撮像素子56が、第2素子位置R2に配置されている状態においては、描画対象位置P0よりも距離dだけ+Y側の第2対象位置P2の撮像データが取得されることになる。つまり、各時刻に取得される撮像データは、光学ユニット40が当該時刻から一定時間後(具体的には、基板Wが光学ユニット40に対して距離dだけ移動された後)に描画される予定の領域の撮像データということになる。
ステージ10がY軸に沿って移動されるのと並行して、撮像素子56が描画予定領域内の副走査軸方向に沿う1ラインの画像を次々と読み取ることによって、描画予定領域を撮像した二次元の撮像データが得られることになる。ここで得られる撮像データには、描画予定領域に先に形成されている下地パターンが現れている。制御部90は、先行撮像部50にて次々と取得される撮像データを画像解析して、描画予定領域に形成されている下地パターンの位置を検出し、当該検出された位置を目標位置として記憶する。さらに、制御部90は、光学ユニット40による描画光の照射予定位置が、目標位置からどれだけずれているかを算出し、算出された値をずれ量として取得する(ステップS22)。ここでは、例えば、描画光の照射予定位置と下地パターンとの間の、副走査軸に沿うずれ幅と、主走査方向に沿うずれ幅とが、それぞれ算出される。
一方で、主走査が開始されると、制御部90は、記憶部に格納されたパターンデータDのうち、当該主走査で描画対象となるストライプ領域に描画すべきデータを記述した部分を読み出して、空間光変調ユニット44に、当該読み出されたパターンデータDに応じた変調光(描画光)を形成させる(ステップS11)。
ステップS11で形成された描画光が光路補正部46に入射すると、制御部90は、姿勢変更機構462を制御して、ガラス板461に入射した描画光の経路を、ステップS22で取得されたずれ量分だけ副走査軸および主走査軸のそれぞれに沿ってシフトさせて、描画光の照射位置を補正する(ステップS12)。照射予定位置からずれ量分だけ光路をシフトされた光は、目標位置(すなわち、下地パターンの形成位置)に結像されることになる。つまり、下地パターンの形成位置に高精度に重ね合わされた状態で描画光が照射され、下地パターンと高精度に重ね合わされた上層パターンが描画されることになる。このように、描画装置1においては、制御部90と光路補正部46とが協働することによって、描画位置補正部(すなわち、先行撮像部50が取得した撮像データに基づいて基板Wに先に形成された下地パターンの形成位置を検出し、当該検出位置に基づいて、描画光の照射位置を補正する描画位置補正部)が実現される。
ただし、ある時刻tに撮像された描画予定領域に対する描画光の照射は、当該時刻tから「d/v(ただし、「v」は、光学ユニット40に対する基板Wの、主走査軸に沿う相対移動速度であり、この実施の形態では、ステージ10の主走査軸に沿う移動速度である)」が経過した時刻に実行される。したがって、制御部90は、ある時刻tに撮像された撮像データに基づいて算出されたズレ量を、当該時刻tから時間Δt=d/vが経過した時刻(t+Δt)に空間光変調ユニット44から出射される描画光の光路の補正に反映させる。
ステップS11〜ステップS12の処理、および、ステップS21〜ステップS22の処理は、対象主走査が完了するまで、並行して実行されることになる。対象主走査が完了すると(ステップS13およびステップS23でYES)、1ストライプ分の領域単位への描画が完了する。
<4.効果>
上記の実施の形態によると、光学ユニット40が基板Wに対して主走査軸に沿う往路方向に相対移動される際(往路主走査)、および、主走査軸に沿う復路方向に相対移動される際(復路主走査)のそれぞれにおいて、描画光の照射予定領域を撮像して、当該取得された撮像データに基づいて照射位置の補正を行うことができる。したがって、スループットの低下を抑制しつつ、下地パターンの上に、高い精度で重ね合わせて次のパターンを描画できる。
さらに、光学ユニット40と先行撮像部50との間で対物レンズ450が共用されるので、描画装置1の部品点数を少なく抑えることができ、光学系の大型化が抑制される。また、光学ユニット40と先行撮像部50との間で対物レンズ450を共用する構成によると、オートフォーカスを実現するための機構(すなわち、対物レンズ450をZ軸に沿って移動させる駆動機構および基板Wの面内の高さ位置を検出する位置検出機構)も、光学ユニット40と先行撮像部50との間で共用することができる。この点においても、描画装置1の部品点数を少なく抑えることができ、光学系の大型化が抑制される。
また、例えば、光学ユニットの対物レンズと先行撮像部の対物レンズとを別々のレンズで構成した場合、描画対象位置P0と第1対象位置P1との離間距離d(すなわち、描画対象位置P0と第2対象位置P2との離間距離d)の最低値が、各対物レンズのレンズ寸法から規定されてしまう。すなわち、当該離間距離dをある一定値より小さくすることはできない。しかしながら、光学ユニット40と先行撮像部50との間で対物レンズ450を共用する構成によると、離間距離dは、いくらでも小さくできる(図6参照)。離間距離dが小さくなるほど、搬送機構の揺らぎなどの影響が排除され正確なずれ量を特定することができ、ひいては、下地パターンに対する上層パターンの重ね合わせ精度を高めることができる。
また、上記の実施の形態においては、光学ユニット40は、副走査軸に沿うN画素分の空間変調された描画光を基板Wに向けて照射するのに対し、対物レンズ450の視野領域は円形である。このため、図6に示されるように、対物レンズ450の+Y側と−Y側とには、描画に用いられない領域が存在するところ、先行撮像部50は、対物レンズ450の当該描画に用いられない領域を利用して、基板Wの面内を撮像する。したがって、光学ユニット40と先行撮像部50との50との間で、対物レンズ450を共用するにあたって、視野の大きい対物レンズを特別に準備する必要もない。
特に、上記の実施の形態によると、先行撮像部50が、撮像素子56の位置を切り換えることによって、基板Wの面内における、描画光の照射位置を間に挟んだ一対の領域のうちのいずれかの領域を択一的に撮像することができる。この構成によると、1個の撮像素子で、当該一対の領域のうちのいずれかの領域を択一的に撮像することができるので、先行撮像部50を小型化することができる。
<II.第2の実施の形態>
第2の実施の形態に係る描画装置について説明する。第2の実施の形態に係る描画装置は、先行撮像部の構成が第1の実施の形態と相違する。以下の説明においては、第1の実施の形態に係る描画装置1と相違する点について説明し、第1の実施の形態と同じ構成についてはその説明を省略するとともに、同じ符号で示す。
<1.先行撮像部50aの構成>
第2の実施の形態に係る描画装置が備える先行撮像部50aについて、図12を参照しながら説明する。図12は、先行撮像部50aを含むヘッドユニット100aの構成を模式的に示す図である。
先行撮像部50aは、先行撮像部50と同様、1個の光学ユニット40と対応付けられ、基板Wの面内における、対応する光学ユニット40が描画光を照射する予定の領域(描画予定領域)を撮像する。
ここで、先行撮像部50aは、先行撮像部50と同様、基板Wの面内における、主走査軸(Y軸)に沿って、描画対象位置P0(対応する光学ユニット40が描画光を照射する基板W上の位置)を間に挟んだ一対の領域のうちのいずれかの領域を、択一的に撮像する。先行撮像部50aは、具体的には、例えば、光源51と、ビームスプリッタ52と、絞り53と、対物レンズ450と、光学素子である折り返しミラー54aと、結像レンズ55と、撮像素子56aと、ミラー姿勢切り換え機構58を含んで構成される。光源51、ビームスプリッタ52、絞り53、対物レンズ450、折り返しミラー54a、結像レンズ55、および、撮像素子56aの各構成および配置は、第1の実施の形態とほぼ同様である。ただし、先行撮像部50aにおいては、撮像素子56aが所定の位置(以下「固定素子位置R10」ともいう)に固定して配置されている。また、折り返しミラー54aが、回動可能に支持されている。
上述した先行撮像部50の折り返しミラー54と同様、折り返しミラー54aは、基板Wの表面で反射され、ビームスプリッタ52において進行方向を変更された撮像光を撮像素子56aに向けて反射させる。ミラー姿勢切り換え機構58は、この折り返しミラー54aの姿勢を変更する。具体的には、ミラー姿勢切り換え機構58は、折り返しミラー54aをX軸方向に沿う回転軸を中心に回転させて、折り返しミラー54aの姿勢を、第1姿勢Q1と第2姿勢Q2との間で切り換える。ミラー姿勢切り換え機構58は、例えば、折り返しミラー54aを収容する収容部材581と、収容部材581に固定され、X軸に沿って延在する回転軸部582と、回転軸部582を回転させる駆動部(例えば、回転モータ)583とを含む構成とすることができる。この構成においては、駆動部583が回転軸部582を回転させることにより、折り返しミラー54aがX軸方向に沿う回転軸を中心として回転することになる。
先行撮像部50aの光学系は、上述した先行撮像部50の光学系とほぼ同様である。ただし、折り返しミラー54aの姿勢が第1姿勢Q1とされている状態において、先行撮像部50aの光学系に対して、固定素子位置R10と第1対象位置P1とが共役関係となる。より具体的には、当該光学系に対して、固定素子位置R10に配置されている撮像素子56aの撮像面上の位置が、第1対象位置P1と共役関係となる。また、折り返しミラー54aの姿勢が第2姿勢Q2とされている状態において、先行撮像部50aの光学系に対して、固定素子位置R10と第2対象位置P2とが共役関係となる。より具体的には、当該光学系に対して、固定素子位置R10に配置されている撮像素子56aの撮像面上の位置が、第2対象位置P2と共役関係となる。ただし、上述したとおり、第1対象位置P1と第2対象位置P2とは、主走査軸(Y軸)に沿って、描画対象位置P0を間に挟んだ一対の位置である。
したがって、折り返しミラー54aが第1姿勢Q1とされている状態においては、撮像素子56aの撮像面に第1対象位置P1での反射光が結像される光路が形成される(すなわち、第1対象位置P1の撮像データが取得される)。また、折り返しミラー54aが第1姿勢Q1から第2姿勢Q2に切り換えられると、光路が切り換えられる。すなわち、折り返しミラー54aが第2姿勢Q2とされている状態においては、撮像素子56aの撮像面に第2対象位置P2での反射光が結像される光路が形成される(すなわち、第2対象位置P2の撮像データが取得される)。
このように、先行撮像部50aでは、光学素子である折り返しミラー54aの姿勢が第1姿勢Q1と第2姿勢Q2との間で切り換えられることによって、基板Wの表面で反射された撮像光の光路が切り換えられて、基板Wの面内における、主走査軸(Y軸)に沿って描画対象位置P0を挟んだ一対の領域のうちのいずれかの領域が、択一的に撮像される。つまり、先行撮像部50aにおいては、折り返しミラー54aとミラー姿勢切り換え機構58とが、基板Wの表面で反射された撮像光の光路を切り換える切り換え部として機能する。
<2.処理の流れ>
この変形例において、制御部90が、先行撮像部50aに、対応する光学ユニット40の描画予定領域を撮像させる処理(図11のステップS21)は、次のように行われる。
すなわち、制御部90は、まず、対象主走査が、往路主走査、復路主走査のいずれであるかを判断する。
対象主走査が往路主走査であると判断された場合、制御部90は、光源51から光を出射させるとともに、ミラー姿勢切り換え機構58を制御して、折り返しミラー54aを、第1姿勢Q1とする。往路主走査の場合、ステージ10は、Y軸に沿って+Y方向に移動されるところ(矢印AR100)、折り返しミラー54が第1姿勢Q1とされている状態においては、描画対象位置P0よりも距離dだけ−Y側の第1対象位置P1の撮像データが取得されることになる。つまり、各時刻に取得される撮像データは、光学ユニット40が当該時刻から一定時間後(具体的には、基板Wが光学ユニット40に対して距離dだけ移動された後)に描画される予定の領域の撮像データということになる。
一方、対象主走査が復路走査であると判断された場合、制御部90は、光源51から光を出射させるとともに、ミラー姿勢切り換え機構58を制御して、折り返しミラー54aを、第2姿勢Q2とする。復路主走査の場合、ステージ10は、Y軸に沿って−Y方向に移動されるところ(矢印AR200)、折り返しミラー54aが第2姿勢Q2とされている状態においては、描画対象位置P0よりも距離dだけ+Y側の第2対象位置P2の撮像データが取得されることになる。つまり、各時刻に取得される撮像データは、光学ユニット40が当該時刻から一定時間後(具体的には、基板Wが光学ユニット40に対して距離dだけ移動された後)に描画される予定の領域の撮像データということになる。
<3.効果>
上記の実施の形態によると、折り返しミラー54の姿勢を切り換えることによって、基板Wの面内における、描画光の照射位置を間に挟んだ一対の領域のうちのいずれかの領域を択一的に撮像することができる。この構成によると、1個の撮像素子56aで、当該一対の領域のうちのいずれかの領域を択一的に撮像することができるので、先行撮像部50aを小型化することができる。
<III.第3の実施の形態>
第3の実施の形態に係る描画装置について説明する。第3の実施の形態に係る描画装置は、先行撮像部の構成が第1の実施の形態と相違する。以下の説明においては、第1の実施の形態に係る描画装置1と相違する点について説明し、第1の実施の形態と同じ構成についてはその説明を省略するとともに、同じ符号で示す。
<1.先行撮像部50bの構成>
第3の実施の形態に係る描画装置が備える先行撮像部50bについて、図13を参照しながら説明する。図13は、先行撮像部50bを含むヘッドユニット100bの構成を模式的に示す図である。
先行撮像部50bは、先行撮像部50と同様、1個の光学ユニット40と対応付けられ、基板Wの面内における、対応する光学ユニット40が描画光を照射する予定の領域(描画予定領域)を撮像する。
ここで、先行撮像部50bは、先行撮像部50と同様、基板Wの面内における、主走査軸(Y軸)に沿って、描画対象位置P0(対応する光学ユニット40が描画光を照射する基板W上の位置)を間に挟んだ一対の領域のうちのいずれかの領域を、択一的に撮像する。先行撮像部50bは、具体的には、例えば、光源51と、ビームスプリッタ52と、絞り53と、対物レンズ450と、折り返しミラー54と、2個の結像レンズ(第1結像レンズ551、および、第2結像レンズ552)と、2個の撮像素子(第1撮像素子561、および、第2撮像素子562)と、後方ビームスプリッタ59とを含んで構成される。光源51、ビームスプリッタ52、絞り53、対物レンズ450、および、折り返しミラー54の各構成および配置は、第1の実施の形態と同様である。
先行撮像部50bの光学系について、具体的に説明する。光源51は、撮像光をY軸に沿って出射する。光源51から出射された撮像光は、ビームスプリッタ52において進行方向を変更されて基板Wに向けて進行する。ビームスプリッタ52で進行方向を変更された撮像光は、絞り53で絞られた上で、対物レンズ450で集光されて基板Wの表面に照射される。
基板Wの表面で反射した撮像光は、再び対物レンズ450に入射し、対物レンズ450にて平行光に変換された上で、再びビームスプリッタ52に入射する。そして、ビームスプリッタ52において進行方向を変更されて、折り返しミラー54に向けて進行する。折り返しミラー54で進行方向を変更された撮像光は、後方ビームスプリッタ59に向けて進行する。
後方ビームスプリッタ59に入射した光の一部は、後方ビームスプリッタ59において進行方向を変更されて、第1結像レンズ551を介して、第1撮像素子561に入射する。ここで、第1結像レンズ551は、平行光に変換されている撮像光を、第1撮像素子561の撮像面に結像させる。第1撮像素子561は、例えば、一列に配列された複数の受光素子を備えるCCDリニアイメージセンサであり、受光素子の配列方向をX軸に沿わせて配置される。第1撮像素子561が、その撮像面に入射した光を光電変換することによって、基板Wの面内の像が撮像されることになる。第1撮像素子561は、制御部90と電気的に接続されており、制御部90からの指示に応じて基板Wの面内を撮像し、取得された撮像データを制御部90に送信する。
一方、折り返しミラー54で進行方向を変更された撮像光の残りは、後方ビームスプリッタ59を透過して直進し、第2結像レンズ552を介して、第2撮像素子562に入射する。ここで、第2結像レンズ552は、平行光に変換されている撮像光を、第2撮像素子562の撮像面に結像させる。第2撮像素子562は、第1撮像素子561と同様、例えば、一列に配列された複数の受光素子を備えるCCDリニアイメージセンサであり、受光素子の配列方向をX軸に沿わせて配置される。第2撮像素子562が、その撮像面に入射した光を光電変換することによって、基板Wの面内の像が撮像されることになる。21撮像素子562は、制御部90と電気的に接続されており、制御部90からの指示に応じて基板Wの面内を撮像し、取得された撮像データを制御部90に送信する。
ここで、第1撮像素子561は、先行撮像部50bの光学系に対して、第1対象位置P1と共役関係の位置に配置される。より具体的には、第1撮像素子561は、その撮像面が、先行撮像部50bの光学系に対して、第1対象位置P1と共役関係の位置と一致するように配置される。また、第2撮像素子562は、先行撮像部50bの光学系に対して、第2対象位置P2と共役関係の位置に配置される。より具体的には、第2撮像素子562は、その撮像面が、先行撮像部50bの光学系に対して、第2対象位置P2と共役関係の位置と一致するように配置される。ただし、上述したとおり、第1対象位置P1と第2対象位置P2とは、主走査軸(Y軸)に沿って、描画対象位置P0を間に挟んだ一対の位置である。
したがって、第1撮像素子561の撮像面には、第1対象位置P1での反射光が結像される(すなわち、第1撮像素子561では第1対象位置P1の撮像データが取得される)。また、第2撮像素子562の撮像面には、第2対象位置P2での反射光が結像される(すなわち、第2撮像素子562では第2対象位置P2の撮像データが取得される)。
後に明らかになるように、制御部90は、先行撮像部50bにおいて、撮像データを取得させる撮像素子を、第1撮像素子561と第2撮像素子562との間で切り換える。これによって、先行撮像部50bにおいて、基板Wの面内における、主走査軸(Y軸)に沿って描画対象位置P0を挟んだ一対の領域のうちのいずれかの領域が、択一的に撮像されることになる。
<2.処理の流れ>
この変形例において、制御部90が、先行撮像部50bに、対応する光学ユニット40の描画予定領域を撮像させる処理(図11のステップS21)は、次のように行われる。
すなわち、制御部90は、まず、対象主走査が、往路主走査、復路主走査のいずれであるかを判断する。
対象主走査が往路主走査であると判断された場合、制御部90は、光源51から光を出射させるとともに、第1撮像素子561に撮像データを取得させる。往路主走査の場合、ステージ10は、Y軸に沿って+Y方向に移動されるところ(矢印AR100)、第1撮像素子561においては、描画対象位置P0よりも距離dだけ−Y側の第1対象位置P1の撮像データが取得されることになる。つまり、第1撮像素子561にて各時刻に取得される撮像データは、光学ユニット40が当該時刻から一定時間後(具体的には、基板Wが光学ユニット40に対して距離dだけ移動された後)に描画される予定の領域の撮像データということになる。
一方、対象主走査が復路走査であると判断された場合、制御部90は、光源51から光を出射させるとともに、第2撮像素子562に撮像データを取得させる。復路主走査の場合、ステージ10は、Y軸に沿って−Y方向に移動されるところ(矢印AR200)、第2撮像素子562においては、描画対象位置P0よりも距離dだけ+Y側の第2対象位置P2の撮像データが取得されることになる。つまり、第2撮像素子562にて各時刻に取得される撮像データは、光学ユニット40が当該時刻から一定時間後(具体的には、基板Wが光学ユニット40に対して距離dだけ移動された後)に描画される予定の領域の撮像データということになる。
このように、先行撮像部50bでは、制御部90が、撮像データを取得させる撮像素子を、第1撮像素子561と第2撮像素子562との間で切り換えることによって、基板Wの表面で反射された撮像光の光路が選択されて、基板Wの面内における、主走査軸(Y軸)に沿って描画対象位置P0を挟んだ一対の領域のうちのいずれかの領域が、択一的に撮像される。つまり、先行撮像部50においては、制御部90が、基板Wの表面で反射された撮像光の光路を選択する選択部として機能する。
<3.効果>
上記の実施の形態によると、2個の撮像素子561,562を設け、撮像データを取得させる撮像素子を切り換えることによって、基板Wの面内における、描画光の照射位置を間に挟んだ一対の領域のうちのいずれかの領域を択一的に撮像することができる。この構成によると、先行撮像部50bが備える各光学部品を固定できるので、安定して撮像データを取得することができる。
<IV.変形例>
第2の実施の形態においては、自身の状態に応じて光の経路を変更させる光学素子(具体的には、折り返しミラー54a)と、当該光学素子の状態を切り換える切り換え機構(具体的には、ミラー姿勢切り換え機構58)を備え、切り替え機構が光学素子の状態を切り換えることによって(具体的には、ミラー姿勢切り換え機構58が折り返しミラー54aの姿勢を第1姿勢Q1と第2姿勢Q2との間で切り換えることによって)、基板Wの表面で反射された撮像光の光路を切り換えており、これによって、基板Wの面内における、主走査軸(Y軸)に沿って描画対象位置P0を挟んだ一対の領域のうちのいずれかの領域を、択一的に撮像していた。ここで、ミラー以外の各種の光学素子を用いて光路を切り換える態様を採用してもよい。
例えば、プリズムは、その姿勢を変更されることによって、プリズムを通過する光を異なる方向に進行させることができる。そこで、光学素子としてプリズムを用いて、光路を切り換える態様を実現してもよい。この場合、図14、図15に模式的に示されるように、第2の実施の形態に係る先行撮像部50aの光学系において、基板Wの表面で反射された撮像光の光路上であって、例えば、対物レンズ450と結像レンズ55との間の位置にプリズム59を配置し、当該撮像光がプリズム59を通過した上で撮像素子56aに入射するように構成する。さらに、プリズム59の姿勢を切り換える切り換え機構591を設け、当該切り換え機構591が、制御部90の制御下で、プリズム59の姿勢を第1姿勢と第2姿勢との間で切り換える構成とする。ただし、ここで「第1姿勢」は、プリズム59の姿勢が当該第1姿勢とされている状態において、先行撮像部の光学系に対して、固定素子位置R10と第1対象位置P1とが共役関係となるような姿勢である(図14参照)。また、「第2姿勢」は、プリズム59の姿勢が当該第2姿勢とされている状態において、先行撮像部の光学系に対して、固定素子位置R10と第2対象位置P2とが共役関係となるような姿勢である(図15参照)。なお、図14、図15は、先行撮像部の光学系における光の経路を説明するための概念図であり、主たる要素以外の図示を省略しているが、この変形例においても、先行撮像部の光学系は、ビームスプリッタ、固定配置された折り返しミラーをさらに含んで構成すればよい。
また例えば、AOD(Acousto Optical Deflector:音響光学回折素子)は、例えば入力される制御信号に応じて、反射光の角度変調を行うことができる。そこで、光学素子としてAODを用いて、光路を切り換える態様を実現してもよい。
また、上記の実施の形態において、一対の光学ユニット40および先行撮像部50が、二組設けられる構成であったが、光学ユニット40と先行撮像部50とは必ずしも二個ずつ設けられる必要はない。例えば、一対の光学ユニット40および先行撮像部50が、一組設けられる構成であってもよいし、三組以上設けられる構成であってもよい。
また、上記の実施の形態において、描画光の光路をシフトさせる機構(光路補正部46)の構成は、必ずしも上述したものに限らない。例えば、光路補正部は、2個のウェッジプリズム(非平行な光学面を備えることにより入射光の光路を変更できるプリズム)と、一方のウェッジプリズムを、他方のウェッジプリズムに対して、入射光の光軸の方向(Z軸方向)に沿って直線的に移動させるウェッジプリズム移動機構とから実現してもよい。この構成においては、ウェッジプリズム移動機構を駆動制御して、2個のウェッジプリズム間の離間距離(光軸に沿う離間距離)を調整することによって、ウェッジプリズムに入射する光の経路を、例えば、X軸方向に沿って必要量だけシフトさせることができる。すなわち、副走査軸(X軸)に沿う描画位置を補正することができる。
なお、光路補正部として上記の態様を採用する場合、主走査軸(Y軸)に沿う描画位置の補正は、例えば、基板Wに対する描画光の照射タイミングを調整することによって行うことができる。具体的には、制御部90は、先行撮像部50,50a,50bが取得した撮像データに基づいて特定されたずれ量(Y方向のずれ量)に応じてパターンデータDの読み出しタイミングを遅らせる(あるいは、早める)ことによって、Y方向についての各時刻の描画位置を補正することができる。あるいは、主走査軸(Y軸)に沿う描画位置の補正は、例えば、空間光変調器441の制御タイミングを調整することによって行ってもよい。あるいは、上記の2個のウェッジプリズムとウェッジプリズム移動機構とから構成される光路補正部をもう一つ設け、当該第2の光路補正部を、第1の光路補正部から水平面内で90°回転させた姿勢で、第1の光路補正部の−Z側(あるいは、+Z側)配置してもよい。この場合、第2の光路補正部において、2個のウェッジプリズム間の離間距離を調整することによって、ウェッジプリズムに入射する光の経路を、Y軸方向に沿って必要量だけシフトさせることができる。
また、上記の各実施の形態において、先行撮像部50,50a,50bが取得した撮像データから特定されたずれ量に応じて描画位置を補正する態様は、必ずしも描画光の経路をシフトさせるものに限らない。例えば、パターンデータDを修正することによって描画位置を補正してもよい。また例えば、光学ユニット40の位置を微小に移動させる駆動機構を設け、これを制御して光学ユニット40の位置を移動させることによって描画位置を補正してもよい。また、光学ユニット40が1個の場合であれば、ステージ駆動機構20によってステージ10をX軸方向に微小に移動させることによって、描画位置を補正してもよい。
また、上記の各実施形態では、空間光変調器441として変調単位である固定リボンと可動リボンとが一次元に配設された回折格子型の空間光変調器であるGLVが用いられていたが、このような形態には限られない。例えば、GLVに限らず、ミラーのような変調単位が、一次元に配列されている空間光変調器が利用される形態であってもよい。また、例えば、DMD(Digital Micromirror Device:デジタルマイクロミラーデバイス:テキサスインスツルメンツ社製)のような変調単位であるマイクロミラーが二次元的に配列された空間光変調器が利用されてもよい。
また、上記の実施の形態においては、変調した描画光によって基板上の感光材料を走査することにより、当該感光材料に直接パターンを露光する描画装置に本願発明が適用された場合について説明したが、本願発明は、光源とフォトマスクを用いて当該感光材料を面状に露光する露光装置に適用することもできる。この場合、制御部90は、例えばフォトマスクを移動させることによって、露光位置を補正することができる。
また、上記の各実施形態では、基板Wを載置したステージ10がステージ駆動機構20によって移動されることで、光学ユニット40,40に対して基板Wを相対的に移動させる形態であったが、光学ユニット40,40に対して基板Wを相対的に移動させる態様はこれに限らない。例えば、光学ユニット40,40を主走査軸および副走査軸に沿って移動させることにより、光学ユニット40,40に対して基板Wを相対的に移動させる態様としてもよい。
また、上記の各実施形態では、基板Wは円形状のものであるとしたが、基板Wは必ずしも円形状である必要はなく、例えば矩形状であってもよい。
1 描画装置
10 ステージ
20 ステージ駆動機構
40 光学ユニット
50,50a,50b 先行撮像部
51 光源
52 ビームスプリッタ
53 絞り
450 対物レンズ
54,54a 折り返しミラー
55 結像レンズ
56,56a 撮像素子
57 素子位置切り換え機構
58 ミラー姿勢切り換え機構
551 第1結像レンズ
552 第2結像レンズ
561 第1撮像素子
562 第2撮像素子
90 制御部
W 基板

Claims (7)

  1. 基板を水平姿勢で保持するステージと、
    前記ステージに対して所定軸に沿って相対的に移動しつつ、前記ステージに保持された基板に対して描画光を照射して、前記基板にパターンを描画する光照射部と、
    前記基板の面内における、前記所定軸に沿って、前記描画光の照射位置を間に挟んだ一対の領域のうちのいずれかを、択一的に撮像する撮像部と、
    前記撮像部が取得した撮像データに基づいて前記基板に先に形成された下地パターンの形成位置を検出し、当該検出位置に基づいて、前記描画光の照射位置を補正する描画位置補正部と、
    前記基板の表面に前記描画光を結像させるとともに、前記基板の表面に撮像用の光を集光する、対物レンズと、
    を備える、描画装置。
  2. 請求項1に記載の描画装置であって、
    前記撮像部が、
    前記撮像用の光を出射する光源と、
    撮像素子と、
    前記基板の表面で反射された前記撮像用の光の光路を選択する選択部と、
    を備える、描画装置。
  3. 請求項2に記載の描画装置であって、
    前記選択部が、
    前記撮像素子の位置を第1素子位置と第2素子位置との間で切り換えることにより、前記光路を選択し、
    前記第1素子位置が、前記基板の面内における第1対象位置と共役関係であり、
    前記第2素子位置が、前記基板の面内における第2対象位置と共役関係であり、
    前記第1対象位置と前記第2対象位置とが、前記所定軸に沿って、前記描画光の照射位置を間に挟んだ一対の位置である、描画装置。
  4. 請求項1に記載の描画装置であって、
    前記撮像部が、
    前記撮像用の光を出射する光源と、
    所定位置に配置された撮像素子と、
    前記基板の表面で反射された前記撮像用の光の光路を切り換える切り換え部と、
    を備える、描画装置。
  5. 請求項4に記載の描画装置であって、
    前記切り換え部が、
    前記基板の表面で反射された前記撮像用の光の光路上に配置され、状態に応じて光の経路を変更させる光学素子と、
    前記光学素子の状態を、第1状態と第2状態との間で切り換える切り換え機構と、
    を備え、
    前記光学素子が前記第1状態とされている状態において、前記基板の面内における第1対象位置と前記所定位置とが共役関係となり、
    前記光学素子が前記第2状態とされている状態において、前記基板の面内における第2対象位置と前記所定位置とが共役関係となり、
    前記第1対象位置と前記第2対象位置とが、前記所定軸に沿って、前記描画光の照射位置を間に挟んだ一対の位置である、描画装置。
  6. 請求項1に記載の描画装置であって、
    前記撮像部が、
    前記撮像用の光を出射する光源と、
    第1素子位置に配置された第1撮像素子と、
    第2素子位置に配置された第2撮像素子と、
    前記基板の表面で反射された前記撮像用の光の光路を選択する選択部と、
    を備え、
    前記選択部が、
    前記撮像データを取得させる対象撮像素子を前記第1撮像素子と前記第2撮像素子との間で切り換えることにより、前記光路を選択し、
    前記第1素子位置が、前記基板の面内における第1対象位置と共役関係であり、
    前記第2素子位置が、前記基板の面内における第2対象位置と共役関係であり、
    前記第1対象位置と前記第2対象位置とが、前記所定軸に沿って、前記描画光の照射位置を間に挟んだ一対の位置である、描画装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の描画装置であって、
    前記描画位置補正部が、
    前記描画光の経路をシフトさせることによって前記描画光の照射位置を補正する、描画装置。
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