JP2014192227A - 輝度値分布取得装置、描画装置、輝度値分布取得方法および描画方法 - Google Patents

輝度値分布取得装置、描画装置、輝度値分布取得方法および描画方法 Download PDF

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Abstract

【課題】解像度の低い画像から精度の高い輝度値分布を取得する。
【解決手段】パターンのエッジに交差するように参照直線が設定される。撮像対象上には、輝度が一定である平坦部と、平坦部から離れるに従って輝度が変化する傾斜部とが現れる。画像の解像度は低く、1つの画素に対応する撮像対象上の範囲は、平坦部と傾斜部との間の境界部が当該範囲の中央を通る場合に境界部の両側に平坦部と傾斜部とを含む大きさである。参照直線上には画素ピッチにて複数の参照位置が等間隔に位置する。複数の参照位置における輝度値から、平坦部の端に位置する参照位置およびこの参照位置から傾斜部側に隣接する参照位置が特定される。これらの参照位置の座標X0〜X3および輝度値V0〜V3から、定関数および1次関数を組み合わせたモデル関数812の未知数が求められる。これにより、参照直線上の輝度値分布を示すモデル関数812が得られる。
【選択図】図11.B

Description

本発明は、画像上に設定された参照直線上の輝度値の分布を取得する技術に関する。輝度値分布は、好ましくは、基板に放射線を照射してパターンを描画する技術に利用される。
従来より、回路基板を製造する際に、半導体基板やガラス基板等の基板上に塗布された感光材料に回路等のパターンを描画する技術や、基板上に形成されたパターンを検査する技術が利用される。このとき、基板に対する描画ヘッドや検査ヘッド等の位置を正確に合わせるために、基板上には予め定められたパターンが設けられる。そして、撮像部にてパターンを撮像し、得られた画像の輝度勾配を参照してパターンのエッジ位置が求められる。通常、パターンのエッジ部分は多数の画素に亘って存在するため、これらの画素の輝度値を利用してエッジ位置が正確に求められる。
例えば、特許文献1では、予め実測またはシミュレーションによりモデル・強度プロファイルを準備しておき、モデル・強度プロファイルにおけるエッジポジションが定義される。そして、カメラ画像から測定・強度プロファイルが取得され、モデル・強度プロファイルを測定・強度プロファイル上にて移動しつつ相関値を求めることにより、エッジポジションが1画素よりも小さい精度にて取得される。
一方、特許文献2では、一次元パターンを、二次微分した後に三次スプライン補間した上で、ゼロクロス点を求めることにより、エッジの位置が検出される。これにより、サンプリング間隔よりも高精度に対象の位置が認識される。
特開2002−116007号公報 特開平5−314161号公報
ところで、特許文献1のように、パターンに対して解像度が高い画像が取得される場合、すなわち、1画素がパターン上において小さい場合、エッジに対応する部位の幅は広く、この部位が多数の画素に跨がる。そのため、エッジ位置は、様々な演算手法により正確に求めることができる。しかし、パターンが非常に精緻な場合、高い解像度にて画像を取得するには、高価な撮像部を設ける必要がある。また、撮像部も大掛かりなものとなる。そのため、装置全体が高価になるとともに設計の自由度が低下する。
また、パターンのエッジ部の幅が小さい粗い画像では、各画素の値にサンプリングに起因する大きな誤差が含まれる。すなわち、1つの画素に含まれるエッジ部の大きさの相違により、画素値が大きく変化する。特許文献2の手法では、このような誤差を含んだ値がそのまま利用されるため、高い精度にてエッジ位置を検出することはできない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、粗い画像、すなわち、パターンに対して解像度が低い画像から、精度の高い輝度値の分布を取得することを目的としている。さらには、得られた輝度値の分布からパターンの位置を求めることも目的としている。
請求項1に記載の発明は、画像上に設定された参照直線上の輝度値の分布を取得する輝度値分布取得装置であって、前記画像が、輝度が一定である平坦部と、前記平坦部から離れるに従って輝度が変化する傾斜部とが現れる撮像対象を撮像することにより取得されたものであり、前記画像の1つの画素に対応する前記撮像対象上の範囲が、前記平坦部と前記傾斜部との間の境界部が前記範囲の中央を通る場合に前記境界部の両側に前記平坦部の一部と前記傾斜部の一部とを含む大きさであり、前記参照直線上に複数の参照位置が等間隔に位置し、前記複数の参照位置の配列間隔が、前記画像における行方向もしくは列方向の画素ピッチに等しい、または、前記複数の参照位置の行方向もしくは列方向に関する配列間隔が前記画素ピッチに等しく、前記輝度値分布取得装置が、前記画像のデータを記憶する画像記憶部と、未知数を含む輝度値分布モデル関数を記憶する関数記憶部と、演算部とを備え、前記演算部が、前記複数の参照位置における輝度値を、各参照位置と重なる画素の輝度値、または、当該画素およびその周囲の画素の輝度値に基づいて取得する輝度値取得部と、前記複数の参照位置のうち、前記平坦部に対応する複数の平坦部参照位置を特定する平坦部取得部と、前記平坦部の輝度および前記境界部の位置を示す定数と、前記傾斜部の傾斜を示す係数とを前記未知数として含む前記輝度値分布モデル関数の前記未知数の値を、前記複数の平坦部参照位置のうち最も端に位置する端部参照位置の輝度値、および、当該端部参照位置の傾斜部側に隣接する2以上の参照位置の輝度値を用いて求める関数取得部とを含む。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の輝度値分布取得装置であって、前記関数記憶部が、平坦部に対応する部位の存在範囲が異なる複数の輝度値分布モデル関数を記憶し、前記演算部が、前記端部参照位置および前記2以上の参照位置の配置に基づいて前記複数の輝度値分布モデル関数の1つを選択する関数選択部をさらに含む。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の輝度値分布取得装置であって、前記輝度値分布モデル関数が、平坦部を示す定数関数と、傾斜部を示す1次関数とを組み合わせたものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の輝度値分布取得装置であって、前記端部参照位置の傾斜部側に隣接する前記2以上の参照位置の数が、2または3である。
請求項5に記載の発明は、基板に放射線を照射してパターンを描画する描画装置であって、基板を保持する保持部と、前記保持部に保持された基板に向けて放射線を照射する照射部と、前記基板上における放射線の照射位置を変更する照射位置変更部と、前記基板上のパターンを撮像して前記パターンを示す画像のデータを取得する撮像部と、前記画像を参照して前記パターンの位置を求める位置取得部と、前記パターンの位置に基づいて前記照射位置を補正する照射位置補正部とを備え、前記位置取得部が、請求項1ないし4のいずれかに記載の輝度値分布取得装置を含み、前記パターンを示す前記画像を用いて、前記輝度値分布モデル関数の前記未知数の値を求める。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の描画装置であって、前記輝度値分布取得装置の前記演算部が、前記画像上に前記参照直線を設定する参照直線設定部と、前記未知数の値が決定された前記輝度値分布モデル関数と、予め定められた閾値とに基づいて、前記参照直線上における前記パターンのエッジの位置を求めるエッジ位置取得部とをさらに含む。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の描画装置であって、前記参照直線設定部が、前記パターンのエッジに交差する複数の参照直線を設定し、前記位置取得部が、前記複数の参照直線上にて求められた前記パターンの前記エッジの位置を用いて、前記エッジに垂直な方向における前記エッジの位置を求める。
請求項8に記載の発明は、画像上に設定された参照直線上の輝度値の分布を取得する輝度値分布取得方法であって、前記画像が、輝度が一定である平坦部と、前記平坦部から離れるに従って輝度が変化する傾斜部とが現れる撮像対象を撮像することにより取得されたものであり、前記画像の1つの画素に対応する前記撮像対象上の範囲が、前記平坦部と前記傾斜部との間の境界部が前記範囲の中央を通る場合に前記境界部の両側に前記平坦部の一部と前記傾斜部の一部とを含む大きさであり、前記参照直線上に複数の参照位置が等間隔に位置し、前記複数の参照位置の配列間隔が、前記画像における行方向もしくは列方向の画素ピッチに等しい、または、前記複数の参照位置の行方向もしくは列方向に関する配列間隔が前記画素ピッチに等しく、前記輝度値分布取得方法が、前記複数の参照位置における輝度値を、各参照位置と重なる画素の輝度値、または、当該画素およびその周囲の画素の輝度値に基づいて取得する工程と、前記複数の参照位置のうち、前記平坦部に対応する複数の平坦部参照位置を特定する工程と、前記平坦部の輝度および前記境界部の位置を示す定数と、前記傾斜部の傾斜を示す係数とを未知数として含む輝度値分布モデル関数の前記未知数の値を、前記複数の平坦部参照位置のうち最も端に位置する端部参照位置の輝度値、および、当該端部参照位置の傾斜部側に隣接する2以上の参照位置の輝度値を用いて求める工程とを備える。
請求項9に記載の発明は、基板に放射線を照射してパターンを描画する描画方法であって、a)基板上のパターンを撮像して前記パターンを示す画像のデータを取得する工程と、b)前記画像を用いて、請求項8に記載の輝度値分布取得方法により、前記輝度値分布モデル関数の前記未知数の値を求める工程と、c)前記未知数の値が決定された輝度値分布モデル関数を用いて、前記パターンの位置を求める工程と、d)基板に向けて放射線を照射する工程と、e)前記d)工程に並行して、前記パターンの位置に基づいて照射位置を補正しつつ前記基板上における放射線の照射位置を変更する工程とを備える。
本発明によれば、解像度の低い画像から精度の高い輝度値の分布を取得することができる。
描画装置の平面図である。 ヘッドユニットの構成を示すブロック図である。 制御部の機能構成の一部を示す図である。 制御部に含まれるコンピュータの構成を示す図である。 位置取得部の機能構成を示す図である。 描画装置の動作の流れを示す図である。 パターン画像データが示す画像の一例を示す図である。 パターンおよび参照直線を示す図である。 参照位置における輝度値の例を示す図である。 参照位置における輝度値の例を示す図である。 参照位置における輝度値の例を示す図である。 参照位置における輝度値の例を示す図である。 輝度値を線形補間する場合のエッジ位置を示す図である。 輝度値を線形補間する場合のエッジ位置を示す図である。 輝度値を線形補間する場合のエッジ位置を示す図である。 モデル関数を用いる場合のエッジ位置を示す図である。 モデル関数を用いる場合のエッジ位置を示す図である。 モデル関数を用いる場合のエッジ位置を示す図である。 モデル関数を用いる場合のエッジ位置を示す図である。 モデル関数を用いる場合のエッジ位置間のピッチと、設計上のピッチとの差を示す図である。 モデル関数を用いない場合のエッジ位置間のピッチと、設計上のピッチとの差を示す図である。
図1は、描画装置1の構成を模式的に示す平面図である。なお、以下に参照する各図においては、説明の便宜上、X軸が副走査軸に沿い、Y軸が主走査軸に沿い、Z軸が鉛直軸に沿うXYZ座標系が適宜付されている。
描画装置1は、レジスト等の感光材料の層が形成された基板9の上面に光を照射して、所定のパターンを描画する装置であり、保持搬送機構20と、複数(本実施の形態においては、2個)のヘッドユニット群30と、ヘッド移動機構40と、制御部50とを主として備える。
保持搬送機構20は、基板9を水平姿勢に保持しつつ、当該基板9を主走査軸(Y軸)に沿って搬送する。保持搬送機構20は、例えば、1対のガイドレール21と、4個のスライダ22と、4つの保持部23と、複数のエア浮上レール24とを含む。
各ガイドレール21は、描画装置1の基台11上に、主走査方向(Y方向)に延在して敷設される。ここで、1対のガイドレール21は、基板9の幅よりも若干大きめの間隔をあけて、互いに平行に配置される。一方、スライダ22は、各ガイドレール21に2個ずつ設けられる。各スライダ22には可動子が設けられており、可動子は、ガイドレール21に沿って配設された固定子と協働してリニアモータを構成する。リニアモータを動作させることによって、各スライダ22は、ガイドレール21に案内された状態で主走査軸に沿って滑らかに移動する。ガイドレール21、スライダ22およびリニアモータは、後述の照射部311による基板9上における光の照射位置を変更する照射位置変更部20a(図3参照)として機能する。
一方、保持部23は、各スライダ22に1個ずつ設けられ、スライダ22に対して固定される。保持部23の上面には、例えば、図示しない吸引孔が形成されており、吸引孔に負圧(吸引圧)が与えられことにより、基板9の一部が固定保持される。さらに、一群のエア浮上レール24のそれぞれは、基台11上であって、一対のガイドレール21の間に、主走査方向に延在して敷設される。各エア浮上レール24は、鉛直上方向にエアを噴出することにより、基板9を浮上させた状態で支持する。
基板9は、一群のエア浮上レール24によって非接触状態で支持されつつ、四隅を保持部23によって固定保持される。この状態で、リニアモータを動作させると、スライダ22がガイドレール21に案内されつつ主走査軸に沿って移動し、基板9が主走査軸に沿って滑らかに移動する。
複数(本実施の形態においては、2個)のヘッドユニット群30は、主走査軸(Y軸)と直交する副走査軸(X軸)に沿って配列される。具体的には、複数のヘッドユニット群30のそれぞれは、保持搬送機構20を跨ぐようにして基台11上に架設されるとともに副走査方向に沿って延在するフレーム12に、可動保持部材43を介して支持される。
各ヘッドユニット群30は、同じ構成を備える。すなわち、各ヘッドユニット群30は、主走査方向に沿って間隔をあけて配列される複数(本実施の形態においては、2個)のヘッドユニット310を備える。具体的には、同一のヘッドユニット群30に属する2個のヘッドユニット310のそれぞれは、主走査方向に沿って延在する長尺の可動保持部材43の延在方向に沿う両端部のそれぞれに、吊り下げられた状態で支持される。
なお、各ヘッドユニット310間の離間距離は必ずしも一定に固定されている必要はなく、2個のヘッドユニット310のうちの少なくとも1個のヘッドユニット310の位置を、可動保持部材43の延在方向(すなわち、主走査方向)に沿って変更可能とする機構を設けて、両者の間隔を調整可能としてもよい。各ヘッドユニット310の具体的な構成については、後に説明する。
ヘッド移動機構40は、各ヘッドユニット群30を副走査方向(X軸方向)に沿って移動させる機構である。ヘッド移動機構40は、例えば、フレーム12上に、副走査方向に延在して敷設されるガイド部材41と、ガイド部材41に設けられた複数個(ヘッドユニット群30と同数個)のスライダ42と、各スライダ42に固定された可動保持部材43とを含む。各スライダ42には可動子が設けられており、可動子は、ガイド部材41に沿って配設された固定子と協働してリニアモータを構成する。リニアモータを動作させることによって、各スライダ42は、ガイド部材41に案内された状態で副走査軸に沿って移動する。
一方、各可動保持部材43は、主走査軸に沿って延在する長尺の部材であり、その延在方向に沿う中央付近においてスライダ42に対して固定されている。ここで、各可動保持部材43には、ヘッドユニット群30が保持される。すなわち、可動保持部材43の長尺方向に沿う両端部のそれぞれには、ヘッドユニット群30が備える2個のヘッドユニット310のそれぞれが吊り下げられた状態で支持される。
リニアモータを動作させると、スライダ42がガイド部材41に案内された状態で副走査軸に沿って移動し、これによって、可動保持部材43に保持されたヘッドユニット群30が副走査軸に沿って移動する。
制御部50は、描画装置1が備える各部と電気的に接続されており、各種の演算処理を実行しつつ描画装置1の各部の動作を制御する。
図2は、ヘッドユニット310の構成を示すブロック図である。上述したとおり、描画装置1は、複数のヘッドユニット310を備えるが、各ヘッドユニット310は、いずれも同じ構成を備える。すなわち、各ヘッドユニット310は、描画ヘッドである照射部311と、これと対応付けられた撮像ヘッドである撮像部312とを備える。
照射部311は、後述する往路主走査において、基板9に対して主走査軸(Y軸)に沿って相対的に移動しつつ、保持部23に保持された基板9に向けて、描画光を照射する。照射部311は、例えば、レーザ駆動部81と、レーザ発振器82と、照明光学系83と、空間光変調ユニット84と、投影光学系85と、光路補正部86とを主として備える。
レーザ発振器82は、レーザ駆動部81からの駆動を受けて、出力ミラー(図示省略)からレーザ光を出射する。照明光学系83は、レーザ発振器82から出射された光(スポットビーム)を、強度分布が均一な線状の光(光束断面が線状の光であるラインビーム)とする。
レーザ発振器82から出射され、照明光学系83にてラインビームとされた光は、必要に応じてミラー等を介して、定められた角度で空間光変調ユニット84に入射する。空間光変調ユニット84は、当該入射光を空間変調して描画光を形成する。ただし、光を空間変調するとは、光の空間分布(振幅、位相、および偏光等)を変化させることを意味する。
空間光変調ユニット84は、具体的には、電気的な制御によって入射光を空間変調して、パターンの描画に寄与させる必要光と、パターンの描画に寄与させない不要光とを、互いに異なる方向に反射させる空間光変調器84aを備える。
空間光変調器84aは、その反射面の法線が、入射光の光軸に対して傾斜して配置され、当該入射光を、制御部50の制御に応じて空間変調して描画光を形成し、当該描画光を基板9に向けて出射する。空間光変調器84aは、例えば、回折格子型の空間変調器(例えば、GLV(Grating Light Valve:グレーチング・ライト・バルブ)(「GLV」は登録商標)等を利用して構成される。回折格子型の空間変調器は、格子の深さを変更することができる回折格子であり、例えば、半導体装置製造技術を用いて製造される。
空間光変調器84aの構成例についてより具体的に説明する。空間光変調器84aは、例えば、複数の光変調素子を一次元に並べた構成となっている。各光変調素子の動作は、電圧のオン/オフで制御される。すなわち、例えば電圧がオフされている状態においては光変調素子の表面は平面となっており、この状態で光変調素子に光が入射すると、その入射光は回折せずに正反射する。これにより、正反射光(0次光)が発生する。一方、例えば電圧がオンされている状態においては、光変調素子の表面には平行な複数の溝が周期的に並ぶ。この状態で光変調素子に光が入射すると、正反射光(0次光)は打ち消しあって消滅し、他の次数の回折光(±1次回折光、および、さらに高次の回折光)が発生する。より正確には、0次光の強度が最小となり、他の次数の回折光の強度が最大となる。
空間光変調器84aは、複数の光変調素子のそれぞれに対して独立に電圧を印加可能なドライバ回路ユニットを備えており、各光変調素子の電圧が独立して切り換え可能となっている。ドライバ回路ユニットが選択された光変調素子に対して電圧を印加することにより、各光変調素子にて変調された光が形成され、基板9に向けて出射される。空間光変調器84aが備える光変調素子の個数を「N個」とすると、空間光変調器84aからは、副走査軸に沿うN画素分の空間変調された光(描画光)が出射される。
投影光学系85は、空間光変調器84aにて空間変調された光のうち、パターンの描画に寄与させるべきでない不要光を遮断するとともにパターンの描画に寄与させるべき必要光を基板9の上面に導いて、当該上面に結像させる。ただし、空間光変調器84aにて空間変調された光には、描画に必要な0次光と、描画に不要な他の次数の回折光とが含まれる。必要光はZ軸に沿って(−Z)方向に、不要光はZ軸から僅かに傾斜した軸に沿って(−Z)方向に、それぞれ出射される。
投影光学系85は、例えば、遮断板によって、Z軸から僅かに傾斜した軸に沿って進行する不要光を遮断するとともに、Z軸に沿って進行する必要光のみを通過させる。投影光学系85は、例えば、この遮断板の他に、入射光の幅を広げる(あるいは狭める)ズーム部を構成する複数のレンズ、入射光を定められた倍率として基板9上に結像させる対物レンズ等をさらに含む。
光路補正部86は、空間光変調ユニット84と投影光学系85との間に設けられ、空間光変調ユニット84で空間変調された光の経路を副走査方向(X方向)に沿ってシフトさせる。光路補正部86が必要に応じて当該光の経路をシフトすることによって、基板9の上面における光の照射位置を、副走査方向に沿って微調整することが可能となる。
光路補正部86は、1個以上の光学部品を備え、少なくとも1個の光学部品の位置(あるいは、姿勢)を変更することによって、入射光の光路をシフトさせる。光路補正部86は、例えば、2個のウェッジプリズムと、一方のウェッジプリズムを、他方のウェッジプリズムに対して、入射光の光軸の方向(Z軸方向)に沿って直線的に移動させるウェッジプリズム移動機構とを含む。
撮像部312は、往路主走査においてヘッドユニット310が基板9に対して相対移動する移動方向について、対応する照射部311よりも先行して、基板9の面内の部分領域を撮像する。本実施の形態においては、往路主走査において、ヘッドユニット310は、基板9に対して、Y軸に沿って(−Y)方向に相対的に移動されるところ、撮像部312は、例えば、対応する照射部311の(−Y)側に配置され、当該照射部311の真下の位置(すなわち、照射部311からの描画光が照射される位置)よりも、所定距離だけ(−Y)側の位置を撮像する。
撮像部312は、例えば、光源と、鏡筒と、対物レンズと、リニアイメージセンサ(一次元イメージセンサ)により構成されるCCDイメージセンサを含む。撮像部312の光源からは、基板9上のレジスト等を感光させない波長の光が出射される。光源から出射される光は、鏡筒を介して基板9の上面に導かれ、その反射光が、対物レンズを介してCCDイメージセンサで受光される。これによって、基板9の上面の撮像データが取得される。撮像部312は、制御部50と電気的に接続されており、制御部50からの指示に応じて基板9の上面を撮像して撮像データを取得し、取得した撮像データを制御部50に送信する。
描画装置1において実行される基板9に対する描画処理は、保持搬送機構20が、基板9を各ヘッドユニット群30に対して主走査軸に沿って移動させることによって、各ヘッドユニット群30を基板9に対して主走査軸に沿って相対的に移動させつつ、各ヘッドユニット群30が備える各ヘッドユニット310が、基板9の上面に、描画データに従って描画光を照射することによって行われる。以下に説明する一連の動作は、制御部50の制御下で行われる。
描画データは、基板9に描画すべき回路パターン等を記述したデータである。具体的には、描画データは、例えば、CAD(computer aided design)を用いて生成されたCADデータをラスタライズしたデータであり、光を照射すべき基板9上の位置情報が画素単位で記録される。制御部50は、基板9に対する一連の処理に先立って、あるいは、当該処理と並行して、描画データを取得して、固定ディスク等の記憶装置に格納している。描画データの取得は、例えばネットワーク等を介して接続された外部端末装置から受信することにより行われてもよいし、記録媒体から読み取ることにより行われてもよい。
処理対象となる基板9が外部から搬入されて保持搬送機構20に保持されると、制御部50は、保持搬送機構20に、基板9を主走査軸(Y軸)に沿って往路方向(ここでは、例えば、(+Y)方向であるとする)に搬送を開始させる。基板9が主走査軸に沿って(+Y)方向に移動されることによって、複数のヘッドユニット群30は、基板9に対して、主走査軸に沿って(−Y)方向に相対的に移動することになる。往路主走査において、制御部50は、各ヘッドユニット群30に、当該ヘッドユニット群30と対応付けられた描画領域91(図1参照)に対する描画処理を実行させる。描画処理を伴う往路主走査が一回終了すると、各描画領域91のストライプ領域(主走査軸に沿って延在し、副走査軸に沿う幅が描画幅に相当する領域)に、パターン群が描画されることになる。
基板9の(−Y)側の端縁が、最も(+Y)側に配置されたヘッドユニット310よりも(+Y)側に到達すると(すなわち、全てのヘッドユニット310が基板9上を主走査軸に沿って横断すると)、制御部50は、保持搬送機構20に、基板9の主走査軸に沿う搬送を停止させる。これによって、描画処理を伴う往路主走査が終了する。
続いて、制御部50は、保持搬送機構20に、基板9を主走査軸(Y軸)に沿って復路方向(ここでは、(−Y)方向)に搬送させて、基板9を元の位置(往路主走査の開始位置)まで移動させる。基板9が主走査軸に沿って(−Y)方向に移動されることによって、複数のヘッドユニット群30は、基板9に対して、主走査軸に沿って(+Y)方向に相対的に移動して、基板9を横断することになる。
復路主走査が終了すると、制御部50は、ヘッド移動機構40に、各ヘッドユニット群30を副走査軸(X軸)に沿って所定方向(例えば、(−X)方向)に、描画幅に相当する距離だけ移動させる。
続いて、再び、描画処理を伴う往路主走査が行われる。当該往路主走査が行われることによって、各描画領域91内における、先の往路主走査で描画された各ストライプ領域の隣のストライプ領域に、パターン群が描画される。
描画処理を伴う往路主走査が終了すると、復路主走査が行われるとともに各ヘッドユニット群30が副走査方向に移動された上で、再び、描画処理を伴う往路主走査が行われる。以後も同様に、描画処理を伴う往路主走査が繰り返して行われ、基板9の面内の各描画領域91の全域にパターンが描画されると、基板9に対する描画処理が終了し、図示しない搬送装置が処理済みの基板9を搬出する。
次に、ヘッドユニット310が、描画領域91のストライプ領域にパターン群を描画する処理の流れを、図2を参照しながら説明する。各ヘッドユニット310における当該処理の流れは同じであるので、以下においては、1個のヘッドユニット(対象ヘッドユニット)310に着目して、当該対象ヘッドユニット310が当該処理を実行する態様について説明する。
基板9が主走査軸に沿って往路方向に移動開始されるのに伴って、制御部50は、対象ヘッドユニット310の撮像部(対象撮像部)312に撮像データの取得を開始させる。対象撮像部312は、往路主走査においてヘッドユニット310が基板9に対して相対移動する移動方向(−Y方向)について、対応する照射部(対象照射部)311よりも先行して、基板9の面内の部分領域を撮像する。
具体的には、対象撮像部312は、対象照射部311の真下の位置(すなわち、照射部311からの描画光が照射される位置)よりも所定距離dだけ(−Y)側の位置を撮像する。つまり、対象撮像部312が各時刻に取得する撮像データは、対象照射部311が当該時刻から一定時間後(具体的には、基板9が対象照射部311に対して距離dだけ移動された後)に描画される予定の領域の撮像データである。対象撮像部312が、基板9に対して(−Y)方向に相対的に移動しつつ、副走査軸方向に沿う1ラインの画像を次々と読み取ることによって、描画予定領域の二次元の撮像データが得られることになる。
描画予定領域を撮像した撮像データには、描画予定領域に先に形成されている下地パターンが現れている。そこで、制御部50は、当該撮像データを画像解析して、描画予定領域に形成されている下地パターンの位置を検出し、当該検出された位置を目標位置として記憶する。さらに、制御部50は、対象照射部311による描画光の照射予定位置が、目標位置からどれだけずれているかを算出し、算出された値をずれ量として取得する。ここでは、例えば、描画光の照射予定位置と下地パターンとの間の副走査軸に沿うずれ幅が算出される。
一方で、対象照射部311から描画光を照射開始すべきタイミングが到達すると、制御部50は、対象照射部311に描画光の照射を開始させる。
具体的には、制御部50は、レーザ駆動部81を駆動してレーザ発振器82から光を出射させる。出射された光は照明光学系83にてラインビームとされ、空間光変調器84aに入射する。空間光変調器84aにおいては、複数の光変調素子が、副走査軸(X軸)に沿って並んで配置されており、入射光はその線状の光束断面を光変調素子の配列方向に沿わせるようにして、一列に配列された複数の光変調素子に入射する。
さらに、制御部50は、描画データのうち、対象となるストライプ領域に描画すべきデータを記述した部分を読み出して、空間光変調器84aに、当該読み出された描画データに応じた変調が施された光(描画光)を形成させる。具体的には、制御部50は、描画データに基づいて空間光変調器84aのドライバ回路ユニットに指示を与え、ドライバ回路ユニットが指示された光変調素子に対して電圧を印加する。これによって、各光変調素子にて個々に変調された光(すなわち、副走査軸に沿うN画素分の空間変調された光)が形成され、基板9に向けて出射される。
描画光が光路補正部86に入射すると、制御部50は、光路補正部86を制御して、描画光の経路を、先に取得されたずれ量分だけ副走査軸に沿ってシフトさせて、描画光の照射位置を補正する。ただし、ある時刻tに撮像された描画予定領域に対する描画光の照射は、当該時刻tから「d/v(ただし、「v」は、ヘッドユニット310に対する基板9の、主走査軸に沿う相対移動速度であり、本実施の形態では、保持搬送機構20が基板9を主走査軸に沿って往路方向に移動させる際の移動速度である)」が経過した時刻に実行される。したがって、制御部50は、ある時刻tに撮像された撮像データに基づいて算出されたずれ量を、当該時刻tから時間Δt=d/vが経過した時刻(t+Δt)に空間光変調ユニット84から出射される描画光の光路の補正に反映させる。
光路が補正された描画光は、投影光学系85に入射し、ここで定められた倍率とされて基板9の表面に結像される。照射予定位置からずれ量分だけ光路をシフトされた描画光は、目標位置(すなわち、下地パターンの形成位置)に結像される。つまり、下地パターンの形成位置に高精度に重ね合わされた状態で描画光が照射され、下地パターンと高精度に重ね合わされた上層パターンが描画される。このように、描画装置1においては、制御部50と光路補正部86とが協働することによって、描画位置の補正が実現される。
このようにして、対象照射部311が、主走査軸に沿って基板9に対して相対的に移動させて基板9上における描画光の照射位置を変更しつつ、副走査軸に沿うN画素分の空間変調された光を断続的に照射し続けることによって、描画領域91のストライプ領域に、パターン群が描画される。また、描画装置1では、各ヘッドユニット310が撮像部312を備え、照射部311から出射される描画光の照射位置が、撮像部312が取得した撮像データに基づいて補正されるため、スループットを向上させつつ、高い描画精度を実現することができる。
図3は、制御部50の機能構成の一部を示す図である。制御部50は、撮像部312、照射部311および照射位置変更部20a(保持部23を移動するリニアモータ等)を制御する構成(図示省略)に加えて、位置取得部51および照射位置補正部52を含む。位置取得部51は、既述のように、撮像データが示す画像を参照して、当該画像に含まれる下地のパターンの位置を求める。求められる位置は、装置上の絶対位置でもよく、照射部311に対する相対位置であってもよい。照射位置補正部52は、パターンの位置に基づいて描画光の照射位置を補正する。
パターンは、下地の回路パターンには限定されず、例えば、基板9上に設けられたマークであってもよい。位置取得部51は、パターンに含まれる少なくとも1つの、好ましくは異なる方に延びる複数のエッジの位置を検出し、エッジ位置に基づいてパターンの位置を求める。エッジの位置は、後述するように、画像上に設定された参照直線上の輝度値の分布を取得することにより実現される。このように、位置取得部51は、輝度値分布取得装置60としての機能を含む。
図4は、制御部50に含まれるコンピュータ50aの構成を示す図である。コンピュータ50aは、各種演算処理を行うCPU501、基本プログラムを記憶するROM502および各種情報を記憶するRAM503をバスラインに接続した一般的なコンピュータシステムの構成となっている。バスラインにはさらに、情報記憶を行う固定ディスク504、画像等の各種情報の表示を行うディスプレイ505、操作者からの入力を受け付けるキーボード506aおよびマウス506bである入力部506、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体800から情報の読み取りを行う読取装置507、並びに、照射部311、撮像部312、照射位置変更部20aや他の装置との間で信号を送受信する通信部508が、適宜、インターフェイス(I/F)を介する等して接続される。
コンピュータ50aには、事前に読取装置507を介して記録媒体800からプログラム801が読み出されて固定ディスク504に記憶される。CPU501はRAM503や固定ディスク504を利用しつつプログラム801に従って演算処理を実行する。これにより、位置取得部51や照射位置補正部52等の機能が実現される。制御部50において実現される一部あるいは全部の機能は、専用の論理回路等でハードウエア的に実現されてもよい。
図5は、位置取得部51の機能構成を示す図である。これらの機能もコンピュータ50aがプログラム801を実行することにより実現される。位置取得部51は、演算部61と、画像記憶部62と、関数記憶部63とを含む。演算部61は、主にコンピュータ50aの演算処理により実現される。画像記憶部62および関数記憶部63は、RAM503、固定ディスク504等の各種記憶装置により実現される。
演算部61は、その機能として、参照直線設定部611と、輝度値取得部612と、平坦部取得部613と、関数選択部614と、関数取得部615と、エッジ位置取得部510とを含む。参照直線設定部611、輝度値取得部612、平坦部取得部613、関数選択部614、関数取得部615、画像記憶部62および関数記憶部63は、輝度値分布取得装置60として機能する。
画像記憶部62には、撮像部312にて取得された撮像データ(以下、「パターン画像データ811」という。)が記憶される。関数記憶部63には、未知数を含む複数の輝度値分布モデル関数(以下、単に「モデル関数812」という。)が記憶される。
図6は、描画装置1の動作の流れを示す図である。図6に示す工程のうち、ステップS12〜S16は、輝度値分布取得装置60の動作に対応し、ステップS12〜S16により、後述するように、画像上に設定された参照直線上の輝度値の分布が取得される。ステップS17はエッジ位置取得部510の動作に対応する。
図7は、パターン画像データ811が示す画像の一例を示す図である。図7に示すように、画像は粗く、パターンに対して画素数が少ない低解像度である。すなわち、パターンに対して1つの画素のサイズが大きく、パターンのエッジは不鮮明である。このような低解像度の画像を利用することにより、撮像部312の低コスト化が実現される。
撮像部312が基板9上のパターンを撮像することにより、パターン画像データ811が取得されると(ステップS11)、参照直線設定部611により画像上に参照直線が設定される(ステップS12)。図8は、参照直線821の例を示す図である。画像が示すパターン820として、縦に連なる十字を例示しているが、実際には様々なパターンが利用される。図8に示す例では、パターン820のうち、横方向に延びる部位822を縦方向に横断するように複数の参照直線821が設定される。本実施の形態では、説明を簡素化するために、エッジ位置取得部510により、参照直線821上における部位822の上側のエッジ823の縦方向の位置が求められるものとする。もちろん、参照直線821上における部位822の下側のエッジの縦方向の位置が求められてもよく、部位822の上下のエッジの中間位置が、部位822の縦方向の位置として求められてもよい。
撮像部312による基板9上の撮像位置は予め定められているため、画像中にパターン820が存在するおよその位置は既知である。したがって、参照直線設定部611は、予め定められた位置に参照直線821を設定することにより、参照直線821とエッジ823とをおよそ垂直に交差させることができる。この場合、参照直線821の設定は、参照直線821の位置を定める数値を記憶部から読み出して準備する処理に相当する。画像中のパターン820の位置は不明であってもよく、この場合は、画像を簡単に解析することにより、画像中のパターン820の概略位置が求められ、参照直線821が設定される。
次に、輝度値取得部612は、参照直線821上の複数の参照位置における輝度値を取得する(ステップS13)。複数の参照位置は参照直線821上に等間隔に位置する。ここでは、縦方向に並ぶ画素の中心を参照直線821が通り、参照位置が画素の中心と一致し、参照位置に重なる画素の値が輝度値として取得されるものとする。したがって、参照直線821上における参照位置の配列間隔は、画素のピッチに等しい。
参照直線821が横方向に延びるように設定される場合も、参照位置は画素の中央に設定される。すなわち、各参照位置と重なる画素の輝度値が当該参照位置の輝度値として取得される。参照直線821が画素配列に対して傾斜する場合は、好ましくは、参照位置は、参照直線821上に画素ピッチにて設定された位置とされる。これにより、参照直線821が縦や横に延びる場合と同様の精度にて演算を行うことができる。ただし、この場合は、参照位置に重なる画素およびその周囲に位置する画素の輝度値を、参照位置から画素の中心までの距離に応じて重み付け平均した値が、参照位置における輝度値として取得される。
縦方向、すなわち、画素配列における列方向の画素ピッチと、横方向、すなわち、行方向の画素ピッチとが異なり、かつ、参照直線が行方向および列方向に対して傾斜する場合は、参照位置の配列間隔は、行方向または列方向のいずれの画素ピッチに設定されてもよい。
参照直線821が行方向および列方向に対して傾斜する場合は、参照位置を行方向に延びる直線に投影した位置が行方向の画素ピッチとなるように参照位置が設定されてもよい。または、参照位置を列方向に延びる直線に投影した位置が列行方向の画素ピッチとなるように参照位置が設定されてもよい。すなわち、参照位置の行方向または列方向に関する配列間隔が画素ピッチに等しくなるように参照位置が設定されてもよい。これにより、演算を簡素化することができる。
次に、平坦部取得部613が、粗い間隔で取得された輝度値に基づいて、複数の参照位置のうち、基板9上において輝度が一定である平坦部に対応する参照位置、すなわち、対応する位置が平坦部内に位置する参照位置を、平坦部参照位置として特定する(ステップS14)。隣接する参照位置間で輝度値の相違が少ない参照位置の集合を特定することにより、容易に、平坦部参照位置を取得することができる。
図9.Aは、参照位置における輝度値の例を示す図である。横軸は参照直線821上の位置を示し、縦軸は輝度値を示す。横軸上の範囲831〜834は、それぞれ1つの画素の存在範囲を示し、これらの範囲の中央の位置841〜844は参照位置である。この例では、各画素の値は、参照位置における輝度値として取得される。取得される輝度値は、画素が存在する範囲における実際の輝度の平均値である。実線851は、参照直線821に対応する基板9上の直線上の実際の輝度を想定して描いている。図9.Aでは、4画素に亘って輝度が漸次変化する。
なお、以下の説明では、基板9上の実際の輝度を測定して得られる値、または、得られた値から演算処理して得られる値を「輝度値」と呼び、実際の輝度と区別するが、「輝度」という表現と「輝度値」という表現は、必ずしも厳密に区別される必要はない。
図9.Bは、直線852にて実際の輝度を示すように、4画素のうち、両端の画素全体が平坦部861に含まれる。平坦部861の間の部位では、平坦部861から離れるに従って輝度が漸次変化する。以下、この部位を「傾斜部862」と呼ぶ。正確には、平坦部861および傾斜部862は基板9上の部位として定義されるが、以下では、画像上の対応する部位も必要に応じて同様に表現する。両側の参照位置841,844は、平坦部参照位置である。平坦部参照位置841,844では、取得される輝度値は、実際の輝度と一致する。中央の2画素のそれぞれには、平坦部861の一部と傾斜部862の一部とが含まれる。したがって、取得される輝度値は、直線852よりも下の領域の面積を画素の幅で割った値となり、輝度値を示すドットは直線852からずれる。その結果、取得される輝度値は、画素の中央における実際の輝度とは異なる。
図9.Cは、直線853にて実際の輝度を示すように、左側の画素全体が平坦部861に含まれる。平坦部861よりも右側の部位は、平坦部861から離れるに従って輝度が大きくなる傾斜部862である。左側の参照位置841は、平坦部参照位置である。参照位置841にて取得される輝度値は、実際の輝度と一致する。参照位置842に重なる画素には、平坦部861の一部と傾斜部862の一部とが含まれる。したがって、輝度値を示すドットは直線853からずれ、取得される輝度値は、参照位置842の実際の輝度とは異なる。図9.Cでは、傾斜部862にて輝度が直線状に変化する例のため、参照位置843,844では、取得される輝度値は、実際の輝度と一致する。
図9.Dは、直線854にて実際の輝度を示すように、右側の画素全体が平坦部861に含まれる。平坦部861よりも左側の部位は、平坦部861から離れるに従って輝度が小さくなる傾斜部862である。右側の参照位置844は、平坦部参照位置である。参照位置844にて取得される輝度値は、実際の輝度と一致する。参照位置843に重なる画素には、平坦部861の一部と傾斜部862の一部とが含まれる。したがって、輝度値を示すドットは直線854からずれ、取得される輝度値は、実際の輝度とは異なる。図9.Dでは、傾斜部862にて輝度が直線状に変化する例のため、参照位置841,842では、取得される輝度値は、実際の輝度と一致する。
パターン画像データ811が示す画像は、平坦部861と傾斜部862とが現れる基板9を撮像することにより取得されたものである。また、図9.Bないし図9.Dの直線852〜854に示す実際の輝度の変化に対して低い解像度にて画像が取得される。したがって、平坦部861と傾斜部862との間の部位は、画素の大きさに対して小さい。平坦部861と傾斜部862との間の部位は、例えば、位置の変化に対する輝度の2次微分の絶対値が一定値以上となる部位として定義することができる。以下、平坦部861と傾斜部862との間の部位を「境界部863」と呼ぶ。
1つの画素に対応する基板9上の範囲(以下、「画素範囲」という。)の大きさに対して、境界部863の幅は十分に小さいため、この画素範囲の中央を境界部863が通る場合に、境界部863の両側において平坦部861の一部と傾斜部862の一部とが1つの画素範囲に含まれる。境界部863の幅が小さいため、通常、パターンエッジは急峻な傾斜部862として現れる。境界部863の幅は、好ましくは1/100〜1/10画素ピッチであり、さらに好ましくは、1/50〜1/10画素ピッチである。
図10.Aないし図10.Cは、参照位置における輝度値を単純に線形補間した場合に、解像度の低さがパターンのエッジ位置の検出に与える影響を説明するための図である。これらの図では2画素分の範囲を示す。
図10.Aに示すように、実際の輝度が直線状の傾斜部862のみの場合、参照位置846,847における輝度値は、実際の輝度を示す直線856に一致する。したがって、2つの輝度値を線形補間する直線871は、直線856に一致し、予め定められた閾値881により、正確なエッジ位置882を求めることができる。
一方、図10.Bおよび図10.Cに示すように、左側の画素に平坦部861の一部および傾斜部862の一部が含まれる場合、すなわち、境界部863が含まれる場合、参照位置846,847における輝度値を線形補間する直線872,873は、実際の輝度を示す線857,858から大きく離れる。その結果、閾値881により求められるエッジ位置882は、求められるべきエッジ位置から大きくずれる。このような誤差は、通常、傾斜部862における輝度勾配が大きいほど大きくなる。
描画装置1では、このような問題を解消するために、未知数を含む複数のモデル関数812が予め準備され、ステップS14にて求められた平坦部参照位置を参照してモデル関数812を選択し、さらに未知数を求めることにより、実際の輝度値分布に近い輝度値分布を示すモデル関数812を取得するようにしている(ステップS15〜S16)。これにより、エッジ位置取得部510による精度の高いエッジ位置の検出を実現している(ステップS17)。
モデル関数812としては、例えば、図9.Aないし図9.Dに示す線851〜854に対応するものが準備される。すなわち、直線状の傾斜部862に対応する部位のみ、または、直線状の平坦部861および直線状の傾斜部862に対応する部位を含むモデル関数812が準備される。関数記憶部63には、平坦部861に対応する部位の存在範囲が異なる複数のモデル関数812が少なくとも記憶される。
関数選択部614は、まず、平坦部参照位置のうち、最も傾斜部862に近いもの、すなわち、最も端に位置するものを特定する。以下、この平坦部参照位置を「端部参照位置」と呼ぶ。例えば、図9.Bの場合は参照位置841,844、図9.Cの場合は参照位置841、図9.Dの場合は参照位置844が、端部参照位置として特定される。さらに、関数選択部614は、端部参照位置の傾斜部862側に隣接する2以上の参照位置を隣接参照位置として特定する。例えば、図9.B〜図9.Dの場合では、2つの参照位置842,843が隣接参照位置として特定される。
実際には、後述するように、パターンのエッジ位置を求めるための輝度値の閾値が準備されており、この閾値に近い輝度値が得られる参照位置の周囲にて、平坦部861の探索が行われ、平坦部参照位置および隣接参照位置が特定される。
関数選択部614は、端部参照位置および隣接参照位置の配置に基づいて、複数のモデル関数812から実際の輝度分布に近い1つのモデル関数812を選択する(ステップS15)。複数のモデル関数812のうちのいずれかは、平坦部861の輝度および境界部863の位置を示す定数と、傾斜部862の傾斜を示す係数とを未知数として少なくとも含む。ただし、平坦部861の輝度、境界部863の位置および傾斜部862の傾斜を実質的に示すのであれば、未知数はこれらのパラメータを直接的に表すものである必要はない。
選択すべきモデル関数812は、パターンと参照直線との位置関係から予めおよそ決定しておくことができるため、このような場合は、関数選択部614は、撮像部312による撮像位置や画像内の参照直線の位置からモデル関数812を選択してもよい。さらに、同様のエッジのみと交差するように各参照直線を設定する場合は、モデル関数812は1つでよいため、関数選択部614は省かれてよい。
モデル関数812が選択されると、関数取得部615は、端部参照位置にて取得された輝度値および隣接参照位置にて取得された輝度値を用いて、モデル関数812の未知数の値を求める(ステップS16)。
図11.Aないし図11.Dは、モデル関数812の未知数の値を求める処理を説明するための図である。図11.Aないし図11.Dに示すモデル関数812は、図9.Aないし図9.Dの場合に対応し、適宜、これらの図の符号を参照する。モデル関数812では、輝度が一定の平坦部861は、輝度値が一定の定数関数にて表現され、傾斜部862は参照直線821上の位置を示す座標値に関する1次関数にて表現される。図11.B〜図11.Dでは、モデル関数812は定数関数と1次関数とを組み合わせたものである。
0,X1,X2,X3は、それぞれ参照位置841,842,843,844の座標値である。V0,V1,V2,V3は、それぞれ参照位置841,842,843,844にて取得される輝度値である。図11.Aの場合、参照位置842,843の座標値および輝度値のみを用いてモデル関数812の未知数である傾きおよび切片を容易に求めることができる(ステップS16)。関数取得部615にて未知数の値が決定されると、エッジ位置取得部510がこの関数に閾値Vthを代入することによりエッジ位置Xeを求める(ステップS17)。
ただし、実際には、未知数の値の算出とエッジ位置の算出とが1つの式にまとめられてもよく、例えば、画素ピッチを1として、
Xe=(Vth−V1)/(V2−V1)+X1
により直接エッジ位置Xeを求めることができる。この場合、ステップS16とステップS17とは1つの工程にて行われる。
図11.Bの場合、境界部863の位置は平坦部861を示す定数関数と傾斜部862を示す1次関数との交点である。図11.Cおよび図11.Dにおいても同様である。モデル関数812は、左の定数関数の輝度値、右の定数関数の輝度値、左または右の境界部863の位置、および、1次関数の傾きを未知数として含む。左右の定数関数の輝度値は、端部参照位置841の輝度値と、端部参照位置844の輝度値にそれぞれ等しいため、実質的に未知数は、1つの境界部863の位置と1次関数の傾きである。
中央の2画素の間の中央位置から左の境界部863までの距離D1、中央位置から右の境界部863までの距離D2、1次関数の傾きCoは、
1=2*K3/K1*(1+Tmp1)*Tmp1
2=2*K3/K1*(1+Tmp1
Co=K1*K1/(2*K3*(1+Tmp1)*(1+Tmp1))
により求められる。ただし、
1=V3−V0
3=V3−V2
Tmp1=sqrt(K2/K3
2=V1−V0
である。sqrtは平方根を意味する。
関数取得部615にて未知数の値が求められると(ステップS16)、エッジ位置取得部510により、エッジ位置Xeが、
Xe=(Vth−V0)/Co+(1−D1)−0.5+X1
により求められる(ステップS17)。画素ピッチは1としている。なお、この式ではD2は利用されない。図11.Bの例においてもステップS16,S17は1つの工程にて行われてもよい。図11.Cおよび図11.Dにおいても同様である。図11.Bの場合、利用される端部参照位置の数は2であり、隣接参照位置の数も2である。
図11.Cの場合、モデル関数812は、左の定数関数の輝度値、境界部863の位置、および、1次関数の傾きを未知数として含む。左の定数関数の輝度値は、端部参照位置841の輝度値に等しいため、実質的に未知数は、1つの境界部863の位置と1次関数の傾きである。
中央の2画素の間の中央位置から境界部863までの距離D1、1次関数の傾きCoは、
1=sqrt(Tmp2*Tmp2+Tmp2)+Tmp2
Co=2*K2/(D1*D1
により求められる。ただし、
Tmp2=K2/K5
5=V2−V0
である。図11.Cの場合、輝度値V3は利用されない。利用される隣接参照位置は2個である。
関数取得部615にて未知数の値が求められると(ステップS16)、エッジ位置取得部510により、エッジ位置Xeが、
Xe=(Vth−V0)/Co+(1−D1)−0.5+X1
により求められる(ステップS17)。
図11.Dの場合、モデル関数812は、右の定数関数の輝度値、境界部863の位置、および、1次関数の傾きを未知数として含む。右の定数関数の輝度値は、端部参照位置844の輝度値に等しいため、実質的に未知数は、1つの境界部863の位置と1次関数の傾きである。
中央の2画素の間の中央位置から境界部863までの距離D2、1次関数の傾きCoは、
2=sqrt(Tmp3*Tmp3+Tmp3)+Tmp3
Co=2*K3/(D2*D2))
により求められる。ただし、
Tmp3=K3/K4
4=V3−V1
である。図11.Dの場合、輝度値V0は利用されない。利用される隣接参照位置は2個である。
関数取得部615にて未知数の値が求められることにより(ステップS16)、エッジ位置取得部510により、エッジ位置Xeが、
Xe=(Vth−V1)/Co+X1
により求められる(ステップS17)。なお、図11.Cと図11.Dとの対称性を利用して、これらのモデル関数812は1つにまとめられてもよい。
パターンに対する1つの画素の大きさが大きいため、好ましくは、エッジ位置の算出は、エッジ上の複数の位置にて行われ、平均される。例えば、図8に示すように、1つのエッジ823に交差する複数の参照直線821が設定され、縦方向、すなわち、エッジに垂直な方向におけるエッジの位置が複数回求められる。複数の値は平均化され、縦方向における最終的なエッジ位置として取得される。複数のエッジ位置に基づくのであれば、加重平均や最頻値等の他の値が最終的なエッジ位置として取得されてもよい。複数のエッジ位置を利用することにより、最終的なエッジ値を安定して得ることができる。
エッジ位置が求められると、すなわち、パターンの位置が求められると、既述のように、図3の照射位置補正部52により、パターンの位置に基づいて描画光の照射位置が補正されつつ描画が行われる(ステップS18)。なお、方向が異なる複数のエッジの位置が求められることにより、パターンの2次元の位置が求められてもよい。
図12.Aは、図8に示すパターンが縦方向に繰り返し連続している場合に、横方向に延びる部位822の上側のエッジ位置を求め、取得されたエッジ位置間のピッチ824と、設計上のピッチとの差を示す図である。部位822は縦方向に2000個繰り返し配置され、横軸は、部位822の間隔番号に対応する。誤差はおよそ0.11画素ピッチ未満である。図12.Bは、図10.Aないし図10.Cに示すように、単純な線形補間を利用してエッジ位置を求めた場合のエッジ位置間のピッチ824と、設計上のピッチとの差を示す図である。誤差はおよそ0.14画素ピッチまで広がる。
描画装置1では、モデル関数812を利用することにより、輝度値分布取得装置60は、解像度の低い画像から精度の高い輝度値分布を得ることができる。その結果、位置取得部51がエッジ位置を求める精度を向上することができる。本実施の形態にて説明したエッジ位置の取得は、サンプリングに起因する誤差が大きくなる場合、すなわち、1画素ピッチ以下にて描画光の照射位置を決定する場合に適している。演算が単純であるため、撮像と描画とを平行して行ってリアルタイムにて補正する場合に特に適している。また、描画装置1では、複数のモデル関数812を準備しておき、関数選択部614を設けることにより、様々なタイプの輝度値分布を取得することができる。
描画装置1および輝度値分布取得装置60は、上記実施の形態にて説明したものには限定されず、様々な変形が可能である。
モデル関数812は、平坦部を表現する部位が存在するのであれば、定数関数と1次関数との組み合わせ以外であってもよい。例えば、2次関数や3次関数が組み合わされてもよい。ただし、低解像度の画像を扱うため、境界部の幅は狭く、定数関数と1次関数との組み合わせにて単純化されたモデル関数812を用いて演算処理が行われることが好ましい。モデル関数812の未知数としては、他の種類のものが含まれてもよい。
モデル関数812が定数関数と1次関数とにより表現される場合は、隣接参照位置の数は、上記実施の形態にように、2であることが好ましい。これにより、演算が簡素化される。もちろん、隣接参照位置の数は2以上であってもよいが、演算量を削減するために2または3であることが好ましい。
描画装置1は、描画と平行してリアルタイムにて描画位置の補正を行うものでなくてもよい。予め描画すべきパターンの全体に対して補正処理を行ってもよい。
撮像部312は、2次元に撮像素子が配列されたエリアカメラでもよい。描画装置1により基板9に照射される放射線は、光には限定されない。例えば、描画装置1は、電子ビーム等の他の放射線によりパターンを描画する装置であってもよい。
光路補正部86には、他の構成が採用されてもよい。例えば、光路補正部86は、ガラス板と、ガラス板をY軸方向(すなわち、光軸方向(Z軸方向)および副走査方向(X軸方向)と直交する方向)に沿う回転軸に対して回転可能に支持する姿勢変更機構とを備えてもよい。この構成においては、ガラス板の姿勢を変化させて、光の入射角を変化させることによって、光の経路をシフトする。
描画装置1が備えるヘッドユニット群30の数は1つでもよし、3以上でもよい。各ヘッドユニット群30が備えるヘッドユニット310の数も任意に変更されてよい。空間光変調器84aは、GLVには限定されず、例えば、DMD(Digital Micromirror Device:デジタル・マイクロミラー・デバイス)等を利用してもよい。
描画装置1では、各ヘッドユニット310を主走査軸に沿って移動させることによって、各ヘッドユニット310が基板9に対して主走査軸に沿って相対的に移動してもよい。また、基板9を副走査軸に沿って移動させることによって、各ヘッドユニット群30が基板9に対して副走査軸に沿って相対的に移動してもよい。
また、ヘッドユニット310が復路方向に相対的に移動する間も、描画処理が行われてもよい。この場合、照射部311の移動方向の前側と後側に、往路および復路用の撮像部312がそれぞれ配置される。
基板9は、半導体基板には限定されず、例えば、プリント基板、液晶表示装置等に具備されるカラーフィルタ用基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置等に具備されるフラットパネルディスプレイ用ガラス基板、光ディスク用基板、太陽電池用パネルなどの各種基板等でもよい。
輝度値分布取得装置60としての機能およびエッジ位置を取得する機能は、様々な装置において基板やその他の撮像対象に対して、画素ピッチに対応する距離よりも小さい距離で、いわゆるサブピクセルの精度で位置決めを行う際に利用される。例えば、検査装置において、低解像度のカメラを用いて検査ヘッドを基板上の所望の位置に合わせることが実現される。さらには、画像拡大時の画素値補間に、輝度値分布の上記取得方法を利用することも可能である。粗いサンプリングに起因する誤差が大きくなる場合であれば、様々な分野に応用することができる。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1 描画装置
9 基板(撮像対象)
20a 照射位置変更部
23 保持部
51 位置取得部
52 照射位置補正部
60 輝度値分布取得装置
61 演算部
62 画像記憶部
63 関数記憶部
311 照射部
312 撮像部
510 エッジ位置取得部
611 参照直線設定部
612 輝度値取得部
613 平坦部取得部
614 関数選択部
615 関数取得部
811 パターン画像データ
812 モデル関数
821 参照直線
841〜844 参照位置
861 平坦部
862 傾斜部
863 境界部

Claims (9)

  1. 画像上に設定された参照直線上の輝度値の分布を取得する輝度値分布取得装置であって、
    前記画像が、輝度が一定である平坦部と、前記平坦部から離れるに従って輝度が変化する傾斜部とが現れる撮像対象を撮像することにより取得されたものであり、
    前記画像の1つの画素に対応する前記撮像対象上の範囲が、前記平坦部と前記傾斜部との間の境界部が前記範囲の中央を通る場合に前記境界部の両側に前記平坦部の一部と前記傾斜部の一部とを含む大きさであり、
    前記参照直線上に複数の参照位置が等間隔に位置し、前記複数の参照位置の配列間隔が、前記画像における行方向もしくは列方向の画素ピッチに等しい、または、前記複数の参照位置の行方向もしくは列方向に関する配列間隔が前記画素ピッチに等しく、
    前記輝度値分布取得装置が、
    前記画像のデータを記憶する画像記憶部と、
    未知数を含む輝度値分布モデル関数を記憶する関数記憶部と、
    演算部と、
    を備え、
    前記演算部が、
    前記複数の参照位置における輝度値を、各参照位置と重なる画素の輝度値、または、当該画素およびその周囲の画素の輝度値に基づいて取得する輝度値取得部と、
    前記複数の参照位置のうち、前記平坦部に対応する複数の平坦部参照位置を特定する平坦部取得部と、
    前記平坦部の輝度および前記境界部の位置を示す定数と、前記傾斜部の傾斜を示す係数とを前記未知数として含む前記輝度値分布モデル関数の前記未知数の値を、前記複数の平坦部参照位置のうち最も端に位置する端部参照位置の輝度値、および、当該端部参照位置の傾斜部側に隣接する2以上の参照位置の輝度値を用いて求める関数取得部と、
    を含むことを特徴とする輝度値分布取得装置。
  2. 請求項1に記載の輝度値分布取得装置であって、
    前記関数記憶部が、平坦部に対応する部位の存在範囲が異なる複数の輝度値分布モデル関数を記憶し、
    前記演算部が、前記端部参照位置および前記2以上の参照位置の配置に基づいて前記複数の輝度値分布モデル関数の1つを選択する関数選択部をさらに含むことを特徴とする輝度値分布取得装置。
  3. 請求項1または2に記載の輝度値分布取得装置であって、
    前記輝度値分布モデル関数が、平坦部を示す定数関数と、傾斜部を示す1次関数とを組み合わせたものであることを特徴とする輝度値分布取得装置。
  4. 請求項3に記載の輝度値分布取得装置であって、
    前記端部参照位置の傾斜部側に隣接する前記2以上の参照位置の数が、2または3であることを特徴とする輝度値分布取得装置。
  5. 基板に放射線を照射してパターンを描画する描画装置であって、
    基板を保持する保持部と、
    前記保持部に保持された基板に向けて放射線を照射する照射部と、
    前記基板上における放射線の照射位置を変更する照射位置変更部と、
    前記基板上のパターンを撮像して前記パターンを示す画像のデータを取得する撮像部と、
    前記画像を参照して前記パターンの位置を求める位置取得部と、
    前記パターンの位置に基づいて前記照射位置を補正する照射位置補正部と、
    を備え、
    前記位置取得部が、請求項1ないし4のいずれかに記載の輝度値分布取得装置を含み、前記パターンを示す前記画像を用いて、前記輝度値分布モデル関数の前記未知数の値を求めることを特徴とする描画装置。
  6. 請求項5に記載の描画装置であって、
    前記輝度値分布取得装置の前記演算部が、
    前記画像上に前記参照直線を設定する参照直線設定部と、
    前記未知数の値が決定された前記輝度値分布モデル関数と、予め定められた閾値とに基づいて、前記参照直線上における前記パターンのエッジの位置を求めるエッジ位置取得部と、
    をさらに含むことを特徴とする描画装置。
  7. 請求項6に記載の描画装置であって、
    前記参照直線設定部が、前記パターンのエッジに交差する複数の参照直線を設定し、
    前記位置取得部が、前記複数の参照直線上にて求められた前記パターンの前記エッジの位置を用いて、前記エッジに垂直な方向における前記エッジの位置を求めることを特徴とする描画装置。
  8. 画像上に設定された参照直線上の輝度値の分布を取得する輝度値分布取得方法であって、
    前記画像が、輝度が一定である平坦部と、前記平坦部から離れるに従って輝度が変化する傾斜部とが現れる撮像対象を撮像することにより取得されたものであり、
    前記画像の1つの画素に対応する前記撮像対象上の範囲が、前記平坦部と前記傾斜部との間の境界部が前記範囲の中央を通る場合に前記境界部の両側に前記平坦部の一部と前記傾斜部の一部とを含む大きさであり、
    前記参照直線上に複数の参照位置が等間隔に位置し、前記複数の参照位置の配列間隔が、前記画像における行方向もしくは列方向の画素ピッチに等しい、または、前記複数の参照位置の行方向もしくは列方向に関する配列間隔が前記画素ピッチに等しく、
    前記輝度値分布取得方法が、
    前記複数の参照位置における輝度値を、各参照位置と重なる画素の輝度値、または、当該画素およびその周囲の画素の輝度値に基づいて取得する工程と、
    前記複数の参照位置のうち、前記平坦部に対応する複数の平坦部参照位置を特定する工程と、
    前記平坦部の輝度および前記境界部の位置を示す定数と、前記傾斜部の傾斜を示す係数とを未知数として含む輝度値分布モデル関数の前記未知数の値を、前記複数の平坦部参照位置のうち最も端に位置する端部参照位置の輝度値、および、当該端部参照位置の傾斜部側に隣接する2以上の参照位置の輝度値を用いて求める工程と、
    を備えることを特徴とする輝度値分布取得方法。
  9. 基板に放射線を照射してパターンを描画する描画方法であって、
    a)基板上のパターンを撮像して前記パターンを示す画像のデータを取得する工程と、
    b)前記画像を用いて、請求項8に記載の輝度値分布取得方法により、前記輝度値分布モデル関数の前記未知数の値を求める工程と、
    c)前記未知数の値が決定された輝度値分布モデル関数を用いて、前記パターンの位置を求める工程と、
    d)基板に向けて放射線を照射する工程と、
    e)前記d)工程に並行して、前記パターンの位置に基づいて照射位置を補正しつつ前記基板上における放射線の照射位置を変更する工程と、
    を備えることを特徴とする描画方法。
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