JP6467233B2 - 検査装置、描画装置及び検査方法 - Google Patents

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Description

この発明は、空間光変調器を検査する技術に関する。
基板上に塗布された感光材料に回路などのパターンを形成するにあたって、光源から出射された光に、パターンを表すパターンデータに応じた空間変調を施し、当該空間変調された光で基板上の感光材料を走査する、マスクを使用しない直描型の描画装置(描画装置)が、近年注目されている。
空間光変調器として、リボン回折素子であるGLV(Grating Light Valve)(シリコン・ライト・マシーンズ(サンノゼ、カリフォルニア)の登録商標)が知られている。GLVでは、固定面に対して固定反射面及び可動反射面によって、変調素子が形成されており、当該変調単位が所定の方向に沿って複数配列されている。このGLVを用いた場合、当該GLVからの反射光の均一性は、露光結果に大きく影響する。そのため、GLVを用いた描画装置では、GLVからの反射光量の調整が必須となっている。特に近年の描画装置には、描画の高精細化が求められており、反射光量の調整を高精度化することも求められている。
GLVでは、各変調単位における可動反射面を構成する可動リボンに電圧が印加されることによって、可動反射面が固定反射面に対して凹んだ位置に移動する。この凹みの大きさは、印加される電圧量によって調整することが可能とされており、各変調単位に入射した光を0次光と、0次以外の次数の回折光とに切り換えることで、各変調単位の反射光量が制御可能となっている。GLVを描画装置に取り付けた際には、変調単位ごとに、反射光量(I)と電圧量(V)との関係(以下、「IV特性」とも称する。)が解析される。この解析結果に基づき、各変調単位の反射光量が制御される。
本願発明に関連する先行技術としては、例えば特許文献1に記載のものがある。
特開2014−106513号公報
ところで、一般に、GLVには、高パワーのレーザ光が照射されるため、大きな負荷がかかる。そのため、GLVの使用時間の増大とともに各変調単位が劣化し、同一電圧に対して反射光量が変動することが知られている。このため、定期的に、変調単位のIV特性情報を再取得することが必要となっている。しかしながら、各変調単位は、その特性が互いに異なり、また、レーザ光に晒される時間も互いに異なる。このため、IV特性情報の取得は、変調単位毎に行わなければならない。したがって、変調単位の数が多い場合には、IV特性情報の再取得にかかる手間および時間の負担が大きくなってしまう。
また、GLVの各変調単位について、初期状態からの劣化の度合いを定量的に把握する有効な指標がなかった。このため、どの変調単位が劣化しているのか、また、どの程度劣化しているのかを把握することが困難であった。
そこで、本発明は、空間光変調器における各変調単位のIV特性情報を好適に取得するまたは各変調単位の劣化を適切に検査する技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、第1の態様は、ベース面からの高さが一定の固定反射面を有する固定リボンと、前記ベース面からの高さが可変である可動反射面を有する可動リボンとを備えた光変調素子を1以上含む変調単位が、所定方向に沿って複数配列されてなり、当該複数の変調単位毎に、入射するレーザ光を反射させつつ光量を変調する空間光変調器を検査する検査装置であって、複数の前記変調単位の各々に対して、駆動値に応じた電圧を印加して前記可動リボンを駆動することによって、前記変調単位が出力するレーザ光の光量を制御する変調器駆動部と、複数の前記変調単位の各々で反射した前記レーザ光の光量を検出する光量検出器と、複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、第1の光量に対応するその変調単位固有の第1の駆動値を示す情報を記憶する記憶部と、複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、前記第1の光量の出力に対応するその変調単位固有の第2の駆動値を再び取得し、前記第1の駆動値及び前記第2の駆動値の差分値をシフト量として取得するシフト量取得部とを備える。
また、第2の態様は、第1の態様に係る検査装置であって、前記記憶部は、複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、光量及び駆動値の対応関係を示す情報であって、前記第1の光量の出力に対応する駆動値が、前記第1の駆動値とされている第1のIV特性情報を記憶しており、前記検査装置は、複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、前記第1のIV特性情報が示す各光量に対応する駆動値を、前記シフト量分変更することによって、第2のIV特性情報を取得するIV特性情報取得部、をさらに備える。
また、第3の態様は、第2の態様に係る検査装置であって、前記第1のIV特性情報は、駆動値の軸及び光量の軸からなる二次元座標上において、駆動値及び光量の対応関係を示す第1のIV曲線を示す情報であり、前記IV特性情報取得部は、前記第1のIV曲線を、前記駆動値の軸に沿って、前記シフト量に相当する分移動させて得られる第2のIV曲線を、前記第2のIV特性情報として取得する。
また、第4の態様は、第2または第3の態様に係る検査装置であって、前記記憶部は、複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、前記シフト量取得部がこれまでに取得した前記シフト量をシフト量履歴情報として記憶しており、前記IV特性情報取得部は、前記シフト量履歴情報に記録されている前記シフト量を累積した累積シフト量に基づき、前記第2のIV特性情報の取得の可否を判定する。
また、第5の態様は、第1から第4の態様のいずれか1態様に係る検査装置であって、前記シフト量取得部は、前記第1の駆動値から第3の駆動値までの範囲に含まれる複数の駆動値と、当該複数の駆動値の各々に対応する光量の関係に基づき、前記第1の光量に対応する前記第2の駆動値を取得する。
また、第6の態様は、第1から第5の態様のいずれか1態様に係る検査装置であって、複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に検査を行う検査部、をさらに備え、前記記憶部は、複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、前記シフト量取得部がこれまでに取得した前記シフト量を、シフト量履歴情報として記憶しており、前記検査部は、前記シフト量履歴情報に基づいて前記変調単位を検査する。
また、第7の態様は、第6の態様に係る検査装置であって、前記検査部は、シフト量履歴情報に記録されている前記シフト量を累積した累積シフト量と、前記変調単位の寿命を示す既定の閾値とを比較する検査を行う。
また、第8の態様は、基板にパターンを描画する描画装置であって、ベース面からの高さが一定の固定反射面を有する固定リボンと、前記ベース面からの高さが可変である可動反射面を有する可動リボンとを備えた光変調素子を1以上含む変調単位が、所定方向に沿って複数配列されてなり、当該複数の変調単位毎に、入射するレーザ光を反射させつつ光量を変調する空間光変調器と、複数の前記変調単位の各々に対して、駆動値に応じた電圧を印加して前記可動リボンを駆動することによって、前記変調単位が出力するレーザ光の光量を制御する変調器駆動部と、複数の前記変調単位の各々で反射した前記レーザ光の光量を検出する光量検出器と、複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、第1の光量に対応するその変調単位固有の第1の駆動値を示す情報を記憶する記憶部と、複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、前記第1の光量の出力に対応するその変調単位固有の第2の駆動値を再び取得し、前記第1の駆動値及び前記第2の駆動値の差分値をシフト量として取得するシフト量取得部とを備える。
また、第9の態様は、ベース面からの高さが一定の固定反射面を有する固定リボンと、前記ベース面からの高さが可変である可動反射面を有する可動リボンとを備えた光変調素子を1以上含む変調単位が、所定方向に沿って複数配列されてなり、当該複数の変調単位の各々が、変調器駆動部から駆動値に応じた電圧が印加されることによって、入射するレーザ光を反射させつつ光量を変調する空間光変調器を検査する検査方法であって、(a)複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、前記変調単位で反射した前記レーザ光の第1の光量に対応するその変調単位固有の第1の駆動値を取得する工程と、(b)複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、前記第1の光量に対応するその変調単位固有の第2の駆動値を再び取得する工程と、(c)前記第1の駆動値及び第2の駆動値の差分値をシフト量として取得する工程とを含む。
第1の態様によると、空間光変調器における各変調単位の劣化を、同一の光量(第1の光量)に対応する駆動値のシフト量に基づいて検査できる。このため、変調単位の劣化度合いを、変調単位毎に把握することができる。
また、第2の態様によると、第1のIV特性情報が示す各光量に対応する各駆動値を、シフト量分変更して、新たな第2のIV特性情報が簡易的に取得される。このため、光量および駆動値の対応関係を解析し直す場合に比べて、手間および時間を軽減できる。
また、第3の態様によると、劣化後の各変調単位のIV特性を示すIV曲線を、簡易的に取得できる。
また、第4の態様によると、累積シフト量を取得することによって、対応する変調単位のある時点からの劣化の度合いを定量的に把握できる。したがって、累積シフト量の大きさに応じて、簡易的に第2のIV特性情報を取得するかべきか、もしくは、光量及び駆動値の対応関係の再解析によってIV特性情報を取得するべきかを、適切に判定することができる。
また、第5の態様によると、第1の駆動値と第三駆動値との間に含まれる複数の駆動値毎に、光量が測定される。これによって、第1の駆動値からシフトした第2の駆動値を特定することが可能となる。
また、第6の態様によると、変調単位毎にこれまでに取得されたシフト量が記録されたシフト量履歴情報に基づき、変調単位毎に劣化の度合いを把握することができる。
また、第7の態様によると、累積シフト量に基づいて、変調単位毎に使用寿命に達したか否かを定量的に把握することができる。
実施形態に係る描画装置の構成を模式的に示す側面図である。 実施形態に係る描画装置の構成を模式的に示す平面図である。 実施形態に係る露光ヘッドを模式的に示す図である。 可動リボンおよび固定リボンに対して垂直な面における複数の光変調素子の概略断面を示す概略断面図である。 実施形態に係る露光走査を説明するための概略平面図である。 実施形態に係る制御部の構成を示すブロック図である。 実施形態に係る描画装置において実行される、空間光変調器のIV特性情報を取得する処理の流れを示す図である。 空間光変調器における特定の変調単位のIV特性を示す図である。 空間光変調器における各変調単位を検査する流れを示す図である。 空間光変調器における特定の変調単位について、劣化によるIV特性の変化を説明するための図である。 特定の光量値に対応する第2の駆動値の取得方法を説明するための図である。 IV特性情報の再取得処理の詳細な流れを示す図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
<1.描画装置1の全体構成>
図1は、実施形態に係る描画装置1の構成を模式的に示す側面図である。図2は、実施形態に係る描画装置1の構成を模式的に示す平面図である。なお、図1および図2においては、説明の便宜上、カバーパネル12の一部が図示省略されている。
描画装置1は、レジストなどの感光材料の層が形成された基板Wの上面に、CADデータなどに応じて空間変調した光(描画光)を照射して、パターン(例えば、回路パターン)を露光(描画)する装置である。描画装置1で処理対象とされる基板Wは、例えば、半導体基板、プリント基板、液晶表示装置などに具備されるカラーフィルタ用基板、液晶表示装置やプラズマ表示装置などに具備されるフラットパネルディスプレイ用ガラス基板、磁気ディスク用基板、光ディスク用基板、太陽電池用パネル、などである。以下の説明では、基板Wが、円形の半導体基板であるものとする。
描画装置1は、本体フレーム11で構成される骨格の天井面、床面、および、周囲面にカバーパネル12が取り付けられた構成を備えている。本体フレーム11とカバーパネル12とが、描画装置1の筐体を形成する。描画装置1の筐体の内部空間(すなわち、カバーパネル12で囲われる空間)は、受け渡し領域13と処理領域14とに区分されている。処理領域14には、基台15が配置されている。また、基台15上には、門型の支持フレーム16が設けられている。
描画装置1は、搬送装置2、プリアライメント部3、ステージ4、ステージ駆動機構5、ステージ位置計測部6、マーク撮像ユニット7、露光ユニット8、および、制御部9を備える。これら各構成要素は、描画装置1の筐体内部(すなわち、受け渡し領域13、および、処理領域14)、あるいは、筐体外部(すなわち、本体フレーム11の外側の空間)に配置される。
<搬送装置2>
搬送装置2は、基板Wを搬送する。搬送装置2は、受け渡し領域13に配置され、処理領域14に対する基板Wの搬出入を行う。搬送装置2は、具体的には、例えば、基板Wを支持するための2本のハンド21,21と、ハンド21,21を独立に移動(進退移動および昇降移動)させるハンド駆動機構22とを備える。
描画装置1の筐体外部であって、受け渡し領域13に隣接する位置には、カセットCを載置するためのカセット載置部17が配置されている。搬送装置2は、カセット載置部17に載置されたカセットCに収容された未処理の基板Wを取り出して処理領域14に搬入するとともに、処理領域14から処理済みの基板Wを搬出してカセットCに収容する。なお、カセット載置部17に対するカセットCの受け渡しは、外部搬送装置(図示省略)によって行われる。
<プリアライメント部3>
プリアライメント部3は、基板Wが後述するステージ4に載置されるのに先だって、当該基板Wの回転位置を粗く補正する処理(プリアライメント処理)を行う。プリアライメント部3は、例えば、回転可能に構成された載置台と、載置台に載置された基板Wの外周縁の一部に形成された切り欠き部(例えば、ノッチ、オリエンテーションフラットなど)の位置を検出するセンサと、載置台を回転させる回転機構とを含んで構成することができる。この場合、プリアライメント部3におけるプリアライメント処理は、まず、載置台に載置された基板Wの切り欠き部の位置をセンサで検出し、続いて、回転機構が、当該切り欠き部の位置が定められた位置となるように載置台を回転させることによって行われる。
<ステージ4>
ステージ4は、筐体内部に基板Wを保持する保持部である。ステージ4は、処理領域14に配置された基台15上に配置される。ステージ4は、具体的には、例えば、平板状の外形を有し、その上面に基板Wを水平姿勢に載置して保持する。ステージ4の上面には、複数の吸引孔(図示省略)が形成されており、この吸引孔に負圧(吸引圧)を形成することによって、ステージ4上に載置された基板Wをステージ4の上面に固定保持する。
<ステージ駆動機構5>
ステージ駆動機構5は、ステージ4を基台15に対して移動させる。ステージ駆動機構5は、処理領域14に配置された基台15上に配置される。
ステージ駆動機構5は、具体的には、ステージ4を回転方向(Z軸周りの回転方向(θ軸方向))に回転させる回転機構51と、回転機構51を介してステージ4を支持する支持プレート52と、支持プレート52を副走査方向(X軸方向)に移動させる副走査機構53とを備える。ステージ駆動機構5は、さらに、副走査機構53を介して支持プレート52を支持するベースプレート54と、ベースプレート54を主走査方向(Y軸方向)に移動させる主走査機構55とを備える。
回転機構51は、ステージ4の上面(基板Wの載置面)の中心を通り、当該載置面に垂直な回転軸Aを中心としてステージ4を回転させる。回転機構51は、例えば、上端が載置面の裏面側に固着され、鉛直軸に沿って延在する回転軸部511と、回転軸部511の下端に設けられ、回転軸部511を回転させる回転駆動部(例えば、回転モータ)512とを含む構成とすることができる。この構成においては、回転駆動部512が回転軸部511を回転させることにより、ステージ4が水平面内で回転軸Aを中心として回転することになる。
副走査機構53は、支持プレート52の下面に取り付けられた移動子とベースプレート54の上面に敷設された固定子とにより構成されたリニアモータ531とを有している。また、ベースプレート54には、副走査方向に延びる一対のガイド部材532が敷設されており、各ガイド部材532と支持プレート52との間には、ガイド部材532に摺動しながら当該ガイド部材532に沿って移動可能なボールベアリングが設置されている。つまり、支持プレート52は、当該ボールベアリングを介して一対のガイド部材532上に支持される。この構成においてリニアモータ531を動作させると、支持プレート52はガイド部材532に案内された状態で副走査方向に沿って滑らかに移動する。
主走査機構55は、ベースプレート54の下面に取り付けられた移動子と基台15上に敷設された固定子とにより構成されたリニアモータ551を有している。また、基台15には、主走査方向に延びる一対のガイド部材552が敷設されており、各ガイド部材552とベースプレート54との間には例えばエアベアリングが設置されている。エアベアリングにはユーティリティ設備から常時エアが供給されており、ベースプレート54は、エアベアリングによってガイド部材552上に非接触で浮上支持される。この構成においてリニアモータ551を動作させると、ベースプレート54はガイド部材552に案内された状態で主走査方向に沿って摩擦なしで滑らかに移動する。
<ステージ位置計測部6>
ステージ位置計測部6は、ステージ4の位置を計測する。ステージ位置計測部6は、具体的には、例えば、ステージ4外からステージ4に向けてレーザ光を出射するとともにその反射光を受光する。ステージ位置計測部6は、当該反射光と出射光との干渉からステージ4の位置(具体的には、主走査方向に沿うY位置、および、回転方向に沿うθ位置)を計測する、干渉式のレーザ測長器を構成する。
<マーク撮像ユニット7>
マーク撮像ユニット7は、ステージ4に保持された基板Wの上面を撮像する光学機器である。マーク撮像ユニット7は、支持フレーム16に支持される。マーク撮像ユニット7は、具体的には、例えば、鏡筒と、フォーカシングレンズと、CCDイメージセンサと、駆動部とを備える。鏡筒は、描画装置1の筐体外部に配置された照明ユニット(すなわち、撮像用の照明光(ただし、照明光としては、基板W上のレジストなどを感光させない波長の光が選択されている)を供給する照明ユニット)700と、ファイバケーブルなどを介して接続されている。CCDイメージセンサは、エリアイメージセンサ(二次元イメージセンサ)などにより構成される。また、駆動部は、モータなどにより構成され、フォーカシングレンズを駆動してその高さ位置を変更する。駆動部が、フォーカシングレンズの高さ位置を調整することによって、オートフォーカスが行われる。
このような構成を備えるマーク撮像ユニット7においては、照明ユニット700から出射される光が鏡筒に導入され、フォーカシングレンズを介して、ステージ4上の基板Wの上面に導かれる。そして、その反射光が、CCDイメージセンサで受光される。これによって、基板Wの上面の撮像データが取得される。この撮像データは、制御部9に送られて、基板Wのアライメント(位置合わせ)に供される。
<露光ユニット8>
露光ユニット8は、描画光を形成する光学装置である。描画装置1は、露光ユニット8を2個備える。もっとも、露光ユニット8の搭載個数は、必ずしも2個である必要はなく、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。
露光ユニット8は、露光ヘッド80と、光源部81とを備える。露光ヘッド80は、変調ユニット82と、投影光学系83とを備える。光源部81、変調ユニット82および投影光学系83は、支持フレーム16に支持される。具体的には、例えば、光源部81は、支持フレーム16の天板上に載置される収容ボックスに収容される。また、変調ユニット82および投影光学系83は、支持フレーム16の+Y側に固定された収容ボックスに収容される。
露光ユニット8が備える光源部81、変調ユニット82および投影光学系83について、図1、図2に加え、図3を参照しながら説明する。図3は、実施形態に係る露光ヘッド80を模式的に示す図である。
a.光源部81
光源部81は、露光ヘッド80に向けて光を出射する。光源部81は、具体的には、例えば、レーザ駆動部811と、レーザ駆動部811からの駆動を受けて出力ミラー(図示省略)からレーザ光を出射するレーザ発振器812とを備える。また、光源部81は、レーザ発振器812から出射された光(スポットビーム)を、強度分布が均一な線状の光(すなわち、光束断面が帯状の光であるラインビーム)とする照明光学系813を備える。
光源部81は、さらに、照明光学系813から出射されたラインビームを、空間光変調器32の変調面320に収束させる描画用フォーカスレンズ814(第1のレンズ)を備える。描画用フォーカスレンズ814は、例えば、シリンドリカルレンズにより構成され、そのシリンドリカル面(円筒面)を、入射光の上流側に向けるようにして配置される。また、描画用フォーカスレンズ814は、その中心線に、照明光学系813から出射されたラインビームが入射するような高さ位置に配置されている(以下、このような高さ位置を、描画用フォーカスレンズ814の「基準位置」ともいう)。ただし、描画用フォーカスレンズ814には、その高さ位置(Z方向に沿う位置)を変更する機構が設けられており、描画用フォーカスレンズ814は、基準位置よりも高い(あるいは、低い)位置に配置される場合がある。
このような構成を備える光源部81においては、レーザ駆動部811の駆動を受けてレーザ発振器812からレーザ光が出射され、当該レーザ光が、照明光学系813においてラインビームとされる。照明光学系813から出射されたラインビームは、描画用フォーカスレンズ814に入射し、そのシリンドリカル面から出射して、変調ユニット82の変調面320に収束する。つまり、変調面320は、ラインビームの集光面となっている。
また、光源部81は、アッテネータ815を備えている。アッテネータ815は、描画用フォーカスレンズ814から変調ユニット82までの光路上に設けられている(図1および図3参照)。ただし、アッテネータ815を設ける位置は、これに限定されるものではなく、レーザ発振器812から基板Wに到るまでの光路上の適宜の位置に設けることができる。アッテネータ815は、制御部9から送信される制御信号に基づいて、光源部81から出射される光の絞りを行う。これによって、アッテネータ815は、光源部81から変調ユニット82に向けて出射される光量を多段階に変更する。
b.変調ユニット82
変調ユニット82は、ここに入射した光に、パターンデータに応じた空間変調を施す。ただし、「光を空間変調させる」とは、光の空間分布(振幅、位相、および偏光など)を変化させることを意味する。また、「パターンデータ」とは、光を照射すべき基板W上の位置情報が画素単位で記録されたデータである。パターンデータは、例えばネットワークなどを介して接続された外部端末装置から受信することによって、あるいは、記録媒体から読み取ることによって取得されて、後述する制御部9の記憶装置94に格納される。
変調ユニット82は、空間光変調器32を備える。空間光変調器32は、例えば電気的な制御によって光を空間変調させて、パターンの描画に寄与させる必要光と、パターンの描画に寄与させない不要光とを、互いに異なる方向に反射させる装置である。空間光変調器32は、反射型及び回折格子型の空間光変調器であるGLV(Grating Light Valve)を含んで構成される。
図4は、可動リボン321aおよび固定リボン321bに対して垂直な面における複数の光変調素子321の概略断面を示す概略断面図である。各光変調素子321は、1つの可動リボン321aおよび1つの固定リボン321bを備えている。
可動リボン321aの上面および固定リボン321bの上面は、それぞれ背後のベース面322cに平行な可動反射面322aおよび固定反射面322bを備えている。可動反射面322a及び固定反射面322bは、それぞれ、光変調素子321の配列方向(ここでは、X軸方向に平行な方向)に垂直に延びる帯状とされている。空間光変調器32では、可動反射面322a及び固定反射面322bが、素子配列方向に交互に配列されている。
可動リボン321aは、ベース面322cに対して昇降移動可能であり、可動反射面322aのベース面322cからの高さは可変である。固定リボン321bはベース面322cに対して固定され、固定反射面322bのベース面322cからの高さも固定される。可動リボン321aおよび固定リボン321bの表面は、入射光L1を反射するようにコーティングされている。
空間光変調器32では、所定数個の光変調素子321が1個の変調単位を形成しており、この変調単位が、X軸方向に沿って一次元に複数個並んだ構成となっている。空間光変調器32は、複数の光変調素子321のそれぞれに対して独立に電圧を印加可能なドライバ回路ユニット33(変調器駆動部)に接続されている。ドライバ回路ユニット33は、副臼の光変調素子321の可動リボン321aのそれぞれに対して個別的に、駆動値に対応した電圧を印可することが可能とされている。光変調素子321に電圧が印加されることによって、可動リボン321aが固定リボン321bに対して凹むように撓む。このように、固定リボン321bを凹ませることによって、各変調単位に入射した光(入射光L1)が、0次光と0次以外の次数の回折光(非0次回折光)とに切り替えられる。
固定リボン321bに対する可動リボン321aの凹み量は、可動リボン321aに印可される電圧の大きさによって決定される。つまり、ドライバ回路ユニット33が印可する電圧の大きさを制御することによって、可動リボン321aの可動反射面322aと、固定リボンの固定反射面322bとの高さの差が、複数段階で調節される。したがって、電圧の大きさに応じて、各変調単位の変調面320で反射した光(反射光L2)の光量(以下、この光量を「反射光量」とも称する。)を複数の階調で、個別に切り換えられる。
変調ユニット82においては、制御部9の制御下で、空間光変調器32の各変調単位の状態がパターンデータに応じて切り換えられつつ、照明光学系813から出射された光(ラインビーム)が、ミラー822を介して、空間光変調器32の変調面320に、定められた角度で、入射する。ただし、ラインビームは、その線状の光束断面の長幅方向を、空間光変調器32の複数の変調単位の配列方向(X軸方向)に沿わせるようにして、一列に配列された複数の変調単位に入射する。したがって、空間光変調器32から出射される光は、副走査方向に沿って複数画素分の空間変調された光(ただし、1個の変調単位にて空間変調された光が、1画素分の光となる。)を含む、断面が帯状の描画光となっている。このように、空間光変調器32は、光源部81から出射された光を、変調面320で受光して、当該受光した光にパターンデータに応じた空間変調を施す。
c.投影光学系83
投影光学系83は、空間光変調器32から出射される描画光のうち、不要光を遮断するとともに必要光を基板Wの表面に導いて、必要光を基板Wの表面に結像させる。すなわち、空間光変調器32から出射される描画光には、必要光と不要光とが含まれるところ、必要光はZ軸に沿って−Z方向に進行し、不要光はZ軸から±X方向に僅かに傾斜した軸に沿って−Z方向に進行する。投影光学系83は、例えば、必要光のみを通過させるように真ん中に貫通孔が形成された遮断板831を備え、この遮断板831で不要光を遮断する。投影光学系83には、この遮断板831の他に、ゴースト光を遮断する遮断板832、必要光の幅を広げる(あるいは狭める)ズーム部を構成する複数のレンズ833,834、必要光を定められた倍率として基板W上に結像させるフォーカシングレンズ835、フォーカシングレンズ835を駆動してその高さ位置を変更することによってオートフォーカスを行う駆動部(例えば、モータ)(図示省略)などがさらに含まれる。
また描画装置1は、複数の変調単位によって反射されたレーザ光の光量を検出する光量検出器35を備えている。より具体的には、投影光学系83を通過した光の一部は、ハーフミラー34などによって光量検出器35へ導かれる。光量検出器35は、ラインセンサなどで構成されており、各変調単位について、光量を検出するように構成されている。なお、図示のように、ハーフミラー34を省略し、投影光学系83の直下に光量検出器35を配置し、投影光学系83を通過した光が光量検出器35で直接検出されるようにしてもよい。
図5は、実施形態に係る露光走査を説明するための概略平面図である。露光走査においては、ステージ駆動機構5が、ステージ4を、主走査軸(Y軸)に沿って往路方向(ここでは、例えば、+Y方向であるとする。)に移動させることによって、基板Wを各露光ヘッド80に対して主走査軸に沿って相対的に移動させる(往路主走査)。これを基板Wからみると、各露光ヘッド80は、矢印AR11に示すように、基板Wを主走査軸に沿って−Y方向に横断することになる。また、往路主走査の開始とともに、各露光ヘッド80から描画光の照射が行われる。すなわち、パターンデータ(詳細には、パターンデータのうち、当該往路主走査で描画対象となるストライプ領域に描画するべきデータを記述した部分)が読み出され、該パターンデータに応じて変調ユニット82が制御される。そして、各露光ヘッド80から、該パターンデータに応じて空間変調が施された描画光が、基板Wに向けて照射される。
各露光ヘッド80が、基板Wに向けて断続的に描画光を出射しながら、主走査軸に沿って基板Wを一回横断すると、1本のストライプ領域(主走査軸に沿って延在し、副走査軸に沿う幅が描画光の幅に相当する領域)に、パターン群が描画されることになる。ここでは、2個の露光ヘッド80,80が同時に基板Wを横断するので、一回の往路主走査により2つのストライプ領域のそれぞれにパターン群が描画されることになる。
描画光の照射を伴う往路主走査が終了すると、ステージ駆動機構5は、ステージ4を副走査軸(X軸)に沿って所定方向(例えば、−X方向)に、描画光の幅に相当する距離だけ移動させる。これによって、基板Wが各露光ヘッド80に対して副査軸に沿って相対的に移動する(副走査)。これを基板Wからみると、矢印AR12で示すように、各露光ヘッド80が副走査軸に沿って+X方向に、ストライプ領域の幅分だけ移動することになる。
副走査が終了すると、描画光の照射を伴う復路主走査が実行される。すなわち、ステージ駆動機構5は、ステージ4を主走査軸(Y軸)に沿って復路方向(ここでは、−Y方向)に移動させる。これによって、基板Wが各露光ヘッド80に対して主走査軸に沿って相対的に移動する(復路主走査)。これを基板Wからみると、矢印AR13で示すように、各露光ヘッド80が、基板W上を、主走査軸に沿って+Y方向に移動して横断することになる。その一方で、復路主走査が開始されると、各露光ヘッド80から描画光の照射が開始される。この復路主走査によって、先の往路主走査で描画されたストライプ領域の隣のストライプ領域に、パターン群が描画される。
描画光の照射を伴う復路主走査が終了すると、副走査が行われた上で、再び、描画光の照射を伴う往路主走査が行われる。当該往路主走査によって、先の復路主走査で描画されたストライプ領域の隣のストライプ領域に、パターン群が描画される。以後も同様に、副走査を挟みつつ、描画光の照射を伴う主走査が繰り返して行われ、描画対象領域の全域にパターンが描画されると、1つのパターンデータについての描画処理が終了する。
<制御部9>
図6は、実施形態に係る制御部9の構成を示すブロック図である。制御部9は、描画装置1が備える各部と電気的に接続されており、各種の演算処理を実行しつつ描画装置1の各部の動作を制御する。
制御部9は、例えば、図6に示されるように、CPU91、ROM92、RAM93、記憶装置94などがバスライン95を介して相互接続された一般的なコンピュータとして構成される。ROM92は、基本プログラムなどを格納している。RAM93は、CPU91が所定の処理を行う際の作業領域として供される。記憶装置94は、フラッシュメモリ、あるいは、ハードディスク装置などの不揮発性の記憶装置によって構成されている。記憶装置94にはプログラムPG11がインストールされている。該プログラムPG1に記述された手順に従って、主制御部としてのCPU91が演算処理を行うことによって、各種機能(例えば、シフト量取得部911、IV特性情報取得部913、検査部915)が実現される。
プログラムPG1は、通常、予め記憶装置94などのメモリに格納されて使用されるものであるが、CD−ROMあるいはDVD−ROM、外部のフラッシュメモリなどの記録媒体に記録された形態(プログラムプロダクト)で提供され(あるいは、ネットワークを介した外部サーバからのダウンロードなどにより提供され)、追加的または交換的に記憶装置94などのメモリに格納されてもよい。なお、制御部9において実現される一部あるいは全部の機能は、専用の論理回路などでハードウェア的に実現されてもよい。
また、制御部9では、入力部96、表示部97、通信部98もバスライン95に接続されている。入力部96は、例えば、キーボードおよびマウスによって構成される入力デバイスであり、オペレータからの各種の操作(コマンドや各種データの入力といった操作)を受け付ける。なお、入力部96は、各種スイッチ、タッチパネルなどにより構成されてもよい。表示部97は、液晶表示装置、ランプなどにより構成される表示装置であり、CPU91による制御の下、各種の情報を表示する。通信部98は、ネットワークを介して外部装置との間でコマンドやデータなどの送受信を行うデータ通信機能を有する。
<2.描画装置の動作>
図7は、実施形態に係る描画装置1において実行される、空間光変調器32のIV特性情報を取得する処理の流れを示す図である。以下に説明する一連の動作は、主に、IV特性情報取得部913がプログラムPG1に従って動作することによって実施される。このIV特性情報の取得は、例えば、空間光変調器32が描画装置1に装着された際などに実行される。
IV特性情報を取得する処理が開始されると、まず、IV特性情報を取得する変調単位の指定が行われる(ステップS10)。このステップS10では、例えば、表示部97にIV特性情報を取得する1つの変調単位または2以上の変調単位を指定するための指定用画面が表示される。そして、オペレータがその画面を参照しつつ、入力部96を介して変調単位を指定する入力が行われる。全ての変調単位についてIV特性情報を取得する場合には、全ての変調単位が指定される。近傍の変調単位同士のIV特性差異が大きくないことが経験的に見込まれる場合などにおいては、いくつかの変調単位を間引きして指定してもよい。また、これら指定動作を自動で行えるようにIV特性情報取得部913が構成されていてもよい。
続いて、ステップS10にて指定された変調単位のうちの1つについて、IV特性、すなわち、光量及び駆動値の対応関係が解析される(ステップS11)。そして、取得されたIV特性情報が記憶装置94に保存される(ステップS12)。IV特性を解析するステップS11について、図8を参照しつつ説明する。
図8は、空間光変調器32における特定の変調単位のIV特性を示す図である。図8中、横軸は駆動値を示しており、縦軸は光量を示している。駆動値は、ドライバ回路ユニット33を制御するためのパラメータであって、ドライバ回路ユニット33が空間光変調器32の各変調単位に含まれる光変調素子321の可動リボン321aに印可される電圧に対応する。
変調単位のIV特性の解析は、具体的には、互いに相違する複数の駆動値と、それらの駆動値に対応する光量を取得することによって行われる。図8に示すように、複数の駆動値毎の光量を、二次元座標上にプロットし、それらの点を結ぶことによって、IV曲線IVC1が取得される。このIV曲線IVC1は、光量と電圧の対応関係(IV特性)を示すIV特性情報IVD1の一例である。
図8に示されるように、IV曲線IVC1は、一般的に、光量が最小(LEmin)となる点P1と、光量が最大(LEmax)となる点P2とを有する。以下においては、これらの点P1,P2を、ロールオーバーポイントとも称する。また、点P1,P2における駆動値を、それぞれ「Voff」、「Von」とする。
IV特性を解析する際の複数の駆動値は、任意に選択してもよい。例えば、点P1,P2の駆動値であるDVon及びDVoffを利用する場合、DVon及びDVoff間を一定間隔dで分割する複数の駆動値を特定する。そして、これら複数の駆動値のそれぞれにおいて、変調単位から出射される反射光L2の光量を測定すればよい。
点P1,P2間から外れる駆動値(図8に示す例では、DVonよりも大きい駆動値、または、DVoffよりも小さい駆動値)が、IV特性を解析するための駆動値に設定されてもよい。ただし、このような駆動値で可動リボン321aを駆動した場合、該可動リボン321aが、不可逆的に変形することなどによって、制御不能となるおそれがある(スナップダウン)。これを避けるため、VonからVoffまでの範囲の両側にさらに一定の制限値VL1を加えた範囲内から、測定用電圧が選択されることが望ましい。すなわち、図8の例では、Voff−VL1からVon+VL1までの範囲内において、複数の駆動値が選択されることが望ましい。
図7に示すステップS12では、このIV曲線IVC1を示すIV特性情報IVD1が、記憶装置94に保存されることとなる。なお、IV特性情報IVD1は、例えば、IV曲線IVC1を示す近似式を記録したデータとされてもよいし、もしくは、複数の駆動値と、各駆動値に対応する光量とが、1対1で対応づけられて記録されたデータとされてもよい。
このように得られたIV特性情報IVD1は、例えば、描画装置1が基板Wにパターンを描画する際において、ターゲットとなる光量を得るために必要な駆動値を決定する際に参照される。
続いて、他の変調単位のIV特性情報が不要かどうか判定される(ステップS13)。取得が不要である場合(ステップS13においてYES)、すなわち、ステップS10において、IV特性情報を取得する対象とされた変調単位の全てについてIV特性情報を得られた場合、取得処理が完了する。一方、IV特性情報が未取得の変調単位が存在する場合(ステップS13においてNO)、その未取得である変調単位について、ステップS11,S12が実行される。このようにして、変調単位毎にIV特性情報が取得される。
以上のように、各変調単位について、それぞれのIV特性情報を取得することによって、光量と駆動値の対応関係を変調単位毎に管理できる。すなわち、ドライバ回路ユニット33が、各変調単位を、各々のIV特性情報に基づいて制御することによって、レーザ光を目標の光量値に変調して出射できる。これによって、多階調でのパターン描画を適切に行うことができる。
<空間光変調器32の検査処理>
図9は、空間光変調器32における各変調単位を検査する流れを示す図である。なお、以下においては、本検査処理が行われるよりも前の時点を「基準時点」と称し、本検査処理が行われる時点を「検査時点」と称する場合がある。
空間光変調器32にレーザ光が照射されると、その変調面320が酸化することなどによって劣化することが知られている。具体的には、変調面320の劣化によって、その変調単位のIV特性が変化することが分かっている。そこで、ここでは、特定の光量値Tl1に対応する、基準時点の駆動値と、検査時点の駆動値の変化量(シフト量)が取得される(ステップS21〜ステップS23)。すなわち、本実施形態では、変調単位の劣化の度合いが、その駆動値の変化量で定量化される。そして、その駆動値の変化量に基づき、IV特性情報を再取得処理(ステップ24)、または、寿命の検査処理(ステップ25)が行われる。以下に、各工程について詳細に説明する。
まず、検査処理を行う変調単位の指定が行われる(ステップS20)。このステップS20では、例えば、表示部97に検査する1つの変調単位または2以上の変調単位を指定するための指定用画面が表示される。このステップS20は、図7に示すステップS10と略同様の工程である。ここで指定された1または複数の変調単位が、検査処理の対象物となる。全ての変調単位についてIV特性情報を取得する場合には、全ての変調単位が指定される。近傍の変調単位同士のIV特性差異が大きくないことが経験的に見込まれる場合などにおいては、いくつかの変調単位を間引きして指定してもよい。また、これら指定動作を自動で行えるようにIV特性情報取得部913が構成されていてもよい。
次に、基準時点における、特定の光量値TL1(第1の光量)に対応する駆動値(第1の駆動値)の取得が行われる(ステップS21)。続いて、検査時点における、特定の光量値TL1に対応する駆動値(第2の駆動値)の再取得が行われる(ステップS22)。そして、特定の光量値TL1に対応する基準時点の駆動値および検査時点の駆動値の差分値が、シフト量として取得される(ステップS23)。これらのステップS21〜ステップS23の処理は、主に、シフト量取得部911が、プログラムPG1にしたがって動作することによって実行される。
次に、IV特性情報の再取得処理が実行される(ステップS24)。ステップS24においては、基準時点において取得したIV特性情報(第1のIV特性情報)と、ステップS13で取得したシフト量とに基づいて、検査時点におけるIV特性情報(第2のIV特性情報)が取得される。ステップS24の処理は、主に、IV特性情報取得部913が、プログラムPG1にしたがって動作することによって実行される。
ここで、図9に示すステップS21〜ステップS24の処理について具体的に説明する。図10は、空間光変調器32における特定の変調単位について、劣化によるIV特性の変化を説明するための図である。図10中、横軸は駆動値を示しており、縦軸は光量を示している。
なお、以下の説明では、図8に示すIV曲線IVC1を取得した時点を、基準時点とし、その基準時点からある程度の使用時間が経過した後に、劣化状況の検査処理が行われているものとする。図10に示すIV曲線IVC1は、図8に示すIV曲線IVC1と同一のものである。
まず、ステップS21では、シフト量取得部911が、基準時点における、特定の光量に対応する駆動値を取得する。図10に示すように、基準時点のIV曲線IVC1によると、特定の光量値TL1に対応する駆動値はDV1である。このため、シフト量取得部911は、当該駆動値DV1を第1の駆動値として取得する。なお、IV曲線IVC1は、IV特性情報IVD1として記憶装置94に保存されている。つまり、IV特性情報IVD1は、第1の駆動値(DV1)を示す情報の一例である。
続いて、ステップS22では、シフト量取得部911が、検査時点における特定の光量値TL1に対応する第2の駆動値を取得する。この第2の駆動値の取得方法について、図11を参照しつつ説明する。
図11は、特定の光量値TL1に対応する第2の駆動値の取得方法を説明するための図である。図11において、横軸は駆動値を示しており、縦軸は光量を示している。
図11に示す例では、光変調素子321の表面の劣化によって、各変調単位のIV特性が、駆動値に関する軸の負方向にシフトしている。シフト量取得部911は、第1の駆動値DV1と、当該第1の駆動値DV1よりも小さい駆動値DV3(第3の駆動値)との間の範囲DVR1において、複数の駆動値を選択する。そして、シフト量取得部911は、それらの駆動値をドライバ回路ユニット33に与え、検査対象の変調単位を駆動させる。これによって、複数の駆動値の各々の光量値が測定される。なお、劣化によって駆動値のシフトする方向が正方向である場合、上記駆動値DV3は、DV1よりも大きい値とすればよい。
図11に示すグラフは、第1の駆動値であるDV1から第3の駆動値であるDV3までを10等分する複数の駆動値の各々について、対応する光量値を取得し、それを二次元座標上にプロットしたものである。シフト量取得部911は、測定によって取得された複数の光量値に基づき、特定の光量値TL1に一致する光量に対応する駆動値を第2の駆動値として取得するよう構成されている。なお、光量値の測定結果の中に、特定の光量値TL1に一致する光量値がない場合、特定の光量値TL1に最も近い光量値に対応する駆動値が第2の駆動値とされてもよい。また、この測定によって取得された駆動値と光量値との対応関係に基づいて、関係式を求め、当該関係式から特定の光量値TL1に対応する駆動値が求められてもよい。なお、当該関係式は、例えば、駆動値を変数とする1またはそれ以上の次数の多項式とすればよい。図11に示すように、第1の駆動値DV1と第3の駆動値DV3の差が充分に小さい場合、光量値及び駆動値の関係式を、駆動値を変数とする1次式としてもよい。
ステップS23では、シフト量取得部911は、ステップS21,S22で得られた第1の駆動値(=DV1)及び第2の駆動値(=DV2)を減算処理することによって、差分値であるDVS1(=DV1−DV2)をシフト量として取得する。シフト量取得部911は、記憶装置94(またRAM93)に、取得されたシフト量を保存する。
なお、シフト量は、対応する変調単位の劣化の度合いを具体的に示すデータである。このため、シフト量を蓄積することによって、例えば、対応する変調単位の使用開始時点からの劣化の度合いを適切に管理できる。そこで、記憶装置94は、各変調単位について、本検査処理で得られたシフト量とともに、以前の検査処理で取得されたシフト量を、シフト量履歴情報SRD1として記憶する(図6参照)。
図12は、IV特性情報の再取得処理の詳細な流れを示す図である。まず、IV特性情報取得部913は、ステップS23でシフト量を取得した変調単位について、IV特性情報を再取得するかどうかを判定する(ステップS31)。ステップS31では、シフト量を取得した変調単位については、必ずIV特性情報を再取得するように設定されていてもよいし、あるいは、シフト量が既定の閾値を越えた場合に、IV特性情報を再取得するように設定されていてもよい。また、IV特性情報の取得は行わないように、予め設定することも考えられる。
IV特性情報の再取得を行う場合(ステップS31においてYES)、ステップS32が実行される。IV特性情報の再取得を行わない場合(ステップS31においてNO)、ステップS24のIV特性情報の再取得処理が終了する。
ステップS32では、IV特性情報取得部913が、IV特性情報を簡易に取得することが可能かどうかを判定する(ステップS32)。具体的には、IV特性情報取得部913が、シフト量履歴情報SRD1に記録されているシフト量を累積し、累積シフト量を求める。なお、累積するシフト量は、ステップS11で説明したように、光量値と駆動値の対応関係を解析した直近の時点(例えば、IV曲線IVC1を求めた時点)以降に記録されたものとされる。
そして、IV特性情報取得部913が、当該累積シフト量と既定の閾値とを比較することによって、IV特性情報の取得の要否を判定する。当該閾値は、記憶装置94等に予め保存されており、それが適宜読み出されてもよいし、あるいは、オペレータが適宜設定できるようにしてもよい。
例えば、図10に示すように、検査対象とされている変調単位において、現検査時点では、IV曲線IVC1を求めた直近の基準時点から、シフト量DVS1が発生している。このため、IV曲線IVC1を取得した時点からの累積シフト量は、DVS1となる。仮に次回の検査で、さらにシフト量DVS2が発生したとすると、累積シフト量は、DVS1にDVS2を加算した値(DVS1+DVS2)となる。したがって、次回の検査では、ステップS33では、当該累積シフト量が、既定の閾値を超えるかどうかが判定されることとなる。
累積シフト量が既定の閾値を超えていない場合(ステップS32においてYES)、簡易手法によって、IV特性情報が取得される(ステップS33)。この簡易手法は、具体的には以下の通りである。すなわち、図10に示すように、基準時点のIV曲線IVC1(換言すると、累積シフト量がゼロの時点のIV特性情報)が、累積シフト量(ここでは、DVS1)に相当する分、駆動値に関する軸方向であって、特定の光量値LT1に対応する駆動値がシフトした方向(ここでは負方向)に平行移動される。これによって、IV特性情報取得部913は、二点鎖線で示されるIV曲線IVC2を取得する。このIV曲線IVC2は、第2のIV特性情報に相当する。
IV曲線IVC2は、厳密には検査時点におけるIV特性情報そのものではない。しかしながら、劣化によって起こる駆動値のシフトは、特定の光量値TL1以外の各光量でも同程度で発生し得る。このため、IV曲線IVC1をシフト量DVS1分移動させたIV曲線IVC2によって、検査時点における特定の変調単位のIV特性を近似することができる。
一方、累積シフト量が既定の閾値を越えている場合(ステップS32においてNO)、簡易手法ではなく、光量及び駆動値の対応関係が再解析されることによって、IV特性情報が再取得される(ステップS34)。このステップS34は、図7に示すステップS11と略同様の手順で実行可能であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
累積シフト量がある程度大きい場合、それはすなわち、劣化の度合いが大きいものと推定され、上記のように、IV曲線を一様にシフトさせたものは、実際のIV曲線とは大きく異なるおそれがある。そこで、累積シフト量の大きさが既定の閾値を越える場合には、光量及び駆動値の対応関係が再解析されることによって、正確なIV特性情報が取得されることとなる。
以上のように、簡易手法の場合、光量及び駆動値の対応関係を再解析する場合よりも極めて容易に取得できる。このため、IV特性情報の再取得を効率的に行うことができる。特に、全ての変調単位についてIV特性情報を再取得しようとする場合には、駆動値のシフト量を利用することで、大幅な時間短縮を図ることができる。これによって、例えば、描画装置1が組み込まれた製造ラインを停止させる時間を効果的に低減できる。
ステップS33またはステップS34において、再取得されたIV特性情報は、記憶装置94に保存される(ステップS35)。以降においては、ステップS35で新たに保存されたIV特性情報に基づいて、該当する変調単位の光量制御が実施される。以上でIV特性情報の再取得処理が完了する。
図9に戻って、IV特性情報の再取得処理(ステップS24)が完了すると、続いて、検査部915が、変調単位の寿命について検査する(ステップS25)。具体的には、シフト量履歴情報SRD1に記録されているシフト量に基づき、使用寿命に達したか否かが判定される。
具体的には、例えば、空間光変調器32の使用を開始した時点から累積した、特定の光量値TL1に対応する駆動値の累積シフト量が、変調単位の使用寿命として予め設定された閾値を越えた場合には、使用寿命に達したと判定される。なお、空間光変調器32に対して、メンテナンスを実行する閾値が予め設定しておき、累積シフト量が当該閾値を越えているか否かを、検査部915が判定するようにしてもよい。検査部915による判定結果(検査結果)は、スピーカー、ディスプレイまたはランプなどの出力装置によって適宜オペレータに通知される。これにより、オペレータは、どの変調単位が劣化しているかを把握することができる。その結果、オペレータが当該変調単位を使用せずに、描画処理が実行されるように、描画装置1を設定することによって、描画装置1における描画不良の発生を適切に抑制することができる。
続いて、他の変調単位について検査が不要かどうか判定される(ステップS26)。検査が不要である場合(ステップS26においてYES)、すなわち、ステップ20において検査対象とされた変調単位の全てについて検査が完了した場合、検査処理が完了する。一方、未検査の変調単位が存在する場合(ステップS26においてNO)、未検査の変調単位について、ステップS21〜ステップS25が実行される。このようにして、変調単位毎に、順次検査が行われる。
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、描画装置1は、必ずしも、図7に示すIV特性情報の取得処理、及び、図10に示す検出処理の双方を実行可能に構成されている必要はなく、少なくともどちらか一方の処理のみが実行可能に構成されていてもよい。
また、図7、図10に示す各処理は、空間光変調器32が描画装置1に組み込まれた状態で行われている。しかしながら、図7、図10に示す各処理を実行可能に構成された検査装置において、描画装置1から取り外された空間光変調器32の検査がなされてもよい。当該検査装置は、描画装置1の構成要素うち、図7、図10の処理の際に用いられる要素(例えば、光源部81、ドライバ回路ユニット33、光量検出器35、シフト量取得部911、IV特性情報取得部913、検査部915)を最低限備えておればよい。
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。また、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
1 描画装置
32 空間光変調器
33 ドライバ回路ユニット
320 変調面
321 光変調素子
321a 可動リボン
321b 固定リボン
322a 可動反射面
322b 固定反射面
322c ベース面
34 ハーフミラー
35 光量検出器
80 露光ヘッド
8 露光ユニット
81 光源部
82 変調ユニット
9 制御部
94 記憶装置
911 シフト量取得部
913 IV特性情報取得部
DV1 第1の駆動値
DV2 第2の駆動値
DV3 第3の駆動値
DVS1 シフト量
IVC1 IV曲線(第1のIV曲線)
IVC2 IV曲線(第2のIV曲線)
IVD1 IV特性情報
SRD1 シフト量履歴情報
TL1 特定の光量値
W 基板

Claims (9)

  1. ベース面からの高さが一定の固定反射面を有する固定リボンと、前記ベース面からの高さが可変である可動反射面を有する可動リボンとを備えた光変調素子を1以上含む変調単位が、所定方向に沿って複数配列されてなり、当該複数の変調単位毎に、入射するレーザ光を反射させつつ光量を変調する空間光変調器を検査する検査装置であって、
    複数の前記変調単位の各々に対して、駆動値に応じた電圧を印加して前記可動リボンを駆動することによって、前記変調単位が出力するレーザ光の光量を制御する変調器駆動部と、
    複数の前記変調単位の各々で反射した前記レーザ光の光量を検出する光量検出器と、
    複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、第1の光量に対応するその変調単位固有の第1の駆動値を示す情報を記憶する記憶部と、
    複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、前記第1の光量の出力に対応するその変調単位固有の第2の駆動値を再び取得し、前記第1の駆動値及び前記第2の駆動値の差分値をシフト量として取得するシフト量取得部と、
    を備える、検査装置。
  2. 請求項1に記載の検査装置であって、
    前記記憶部は、
    複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、光量及び駆動値の対応関係を示す情報であって、前記第1の光量の出力に対応する駆動値が、前記第1の駆動値とされている第1のIV特性情報を記憶しており、
    前記検査装置は、
    複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、前記第1のIV特性情報が示す各光量に対応する駆動値を、前記シフト量分変更することによって、第2のIV特性情報を取得するIV特性情報取得部、
    をさらに備える、検査装置。
  3. 請求項2に記載の検査装置であって、
    前記第1のIV特性情報は、駆動値の軸及び光量の軸からなる二次元座標上において、駆動値及び光量の対応関係を示す第1のIV曲線を示す情報であり、
    前記IV特性情報取得部は、前記第1のIV曲線を、前記駆動値の軸に沿って、前記シフト量に相当する分移動させて得られる第2のIV曲線を、前記第2のIV特性情報として取得する、検査装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の検査装置であって、
    前記記憶部は、複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、前記シフト量取得部がこれまでに取得した前記シフト量をシフト量履歴情報として記憶しており、
    前記IV特性情報取得部は、前記シフト量履歴情報に記録されている前記シフト量を累積した累積シフト量に基づき、前記第2のIV特性情報の取得の可否を判定する、検査装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の検査装置であって、
    前記シフト量取得部は、
    前記第1の駆動値から第3の駆動値までの範囲に含まれる複数の駆動値と、当該複数の駆動値の各々に対応する光量の関係に基づき、前記第1の光量に対応する前記第2の駆動値を取得する、検査装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の検査装置であって、
    複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に検査を行う検査部、
    をさらに備え、
    前記記憶部は、複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、前記シフト量取得部がこれまでに取得した前記シフト量を、シフト量履歴情報として記憶しており、
    前記検査部は、前記シフト量履歴情報に基づいて前記変調単位を検査する、検査装置。
  7. 請求項6に記載の検査装置であって、
    前記検査部は、シフト量履歴情報に記録されている前記シフト量を累積した累積シフト量と、前記変調単位の寿命を示す既定の閾値とを比較する検査を行う、検査装置。
  8. 基板にパターンを描画する描画装置であって、
    ベース面からの高さが一定の固定反射面を有する固定リボンと、前記ベース面からの高さが可変である可動反射面を有する可動リボンとを備えた光変調素子を1以上含む変調単位が、所定方向に沿って複数配列されてなり、当該複数の変調単位毎に、入射するレーザ光を反射させつつ光量を変調する空間光変調器と、
    複数の前記変調単位の各々に対して、駆動値に応じた電圧を印加して前記可動リボンを駆動することによって、前記変調単位が出力するレーザ光の光量を制御する変調器駆動部と、
    複数の前記変調単位の各々で反射した前記レーザ光の光量を検出する光量検出器と、
    複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、第1の光量に対応するその変調単位固有の第1の駆動値を示す情報を記憶する記憶部と、
    複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、前記第1の光量の出力に対応するその変調単位固有の第2の駆動値を再び取得し、前記第1の駆動値及び前記第2の駆動値の差分値をシフト量として取得するシフト量取得部と、
    を備える、描画装置。
  9. ベース面からの高さが一定の固定反射面を有する固定リボンと、前記ベース面からの高さが可変である可動反射面を有する可動リボンとを備えた光変調素子を1以上含む変調単位が、所定方向に沿って複数配列されてなり、当該複数の変調単位の各々が、変調器駆動部から駆動値に応じた電圧が印加されることによって、入射するレーザ光を反射させつつ光量を変調する空間光変調器を検査する検査方法であって、
    (a)複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、前記変調単位で反射した前記レーザ光の第1の光量に対応するその変調単位固有の第1の駆動値を取得する工程と、
    (b)複数の前記変調単位のうち1つの前記変調単位について、または2以上の前記変調単位毎に、前記第1の光量に対応するその変調単位固有の第2の駆動値を再び取得する工程と、
    (c)前記第1の駆動値及び第2の駆動値の差分値をシフト量として取得する工程と、
    を含む、検査方法。
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