JP2013190268A - X線光学装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】X線源1と、間隔を空けて並べて配置された少なくとも3枚のX線反射基板11からなり、X線反射基板11に両側を挟まれた複数のX線通路にそれぞれ入射したX線が、各X線通路の両側のX線反射基板11で反射され平行化されて各X線通路から出射されるX線反射構造体3とを備え、X線反射構造体3の一端面をX線の入口、他端面をX線の出口としたときに出口のX線反射基板11のピッチの方が入口のピッチよりも広くなっているX線光学装置であって、X線源1とX線反射構造体3は、X線源1が、入口にX線が入射するときの視射角が臨界角を超える位置にあるときに各X線通路から出射されたX線の強度に基づいて配置されていることを特徴とするX線光学装置。
【選択図】図1
Description
前記X線源が、前記入口にX線が入射するときの視射角が臨界角を超える位置にあるときに前記各X線通路から出射されたX線の強度を検出し、前記検出されたX線の強度に基づいて、前記X線源と前記X線反射構造体の相対位置を調整することを特徴とするX線光学装置の調整方法を提供するものである。
前記X線源と前記X線反射構造体は、前記X線源が、前記入口にX線が入射するときの視射角が臨界角を超える位置にあるときに前記各X線通路から出射されたX線の強度に基づいて配置されていることを特徴とするX線光学装置を提供するものである。
図1に示すように、スリットレンズ3は、X線反射基板11が間隔を空けて並べて配置された構造を有し、少なくとも3枚のX線反射基板11で構成される。隣り合うX線反射基板間の間隔はスペーサ等により形成される。X線反射基板11に両側を挟まれた複数の通路(以下、「X線通路」という。)にそれぞれ入射したX線2は、各X線通路の両側のX線反射基板11で反射され平行化されて各X線通路から出射される。スリットレンズ3の一端面をX線の入口、他端面をX線の出口としたときに出口のX線反射基板11のピッチの方が入口のピッチよりも広くなっている。本発明における「平行化」とは、X線反射基板11の積層方向(y方向)のX線の成分を小さくして、X線の出射方向をy方向と垂直な面(xz平面)に揃えることをいう。
まず、本発明を適用したX線撮影装置において、X線源1からスリットレンズ3のX線通路に入射しX線通路を透過したX線を試料に照射して、その透過像をX線検出器4に投影したときの半影量(分解能)について図1及び図2(a)を用いて説明する。図1は本発明における平行化原理の概念図、図2(a)は図1のスリットレンズ3のX線源1を通るYZ平面である。
Δp=L3×θout (式1)
と表せる。上記式1は各X線通路から出射されるX線について成立する。
0.5<Δp/Δd<2 (式2)
次に、スリットレンズ3の各X線通路から出射されるX線を平行化する原理(平行化原理)について図2を用いて説明する。図2(b)は図2(a)のスリットレンズ3の二点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。以下、X線反射基板11としてガラス薄板を用いた場合で説明するが、X線反射基板11はガラス薄板でなくても良く、金属等でも良い。
Δs<L1×θc (式3)
となる必要がある。即ち、上記式3を満たすように、スリットレンズ3とX線源1の相対位置、ガラス薄板とX線源1の相対位置を決める必要がある。
θgmax=(s+g)/2L1 (式4)
となる。ここで、sはX線源1の光源サイズ(光源の直径)であり、光源の強度分布がガウシアン分布に近似できる場合2σとする。gは隣り合うガラス薄板間の間隔とする。但し、θgmaxは臨界角θcより小さい角度でなければならない。
θout=2×θgmax (式5)
となる。このとき、半影量Δpは、上記式1、式4及び式5より、
Δp=L3×(s+g)/L1 (式6)
となる。また、上記式2及び式6より、
0.5×Δd<L3×(s+g)/L1<2×Δd (式7)
となる。
Δout-a<(s+g)/L1 (式8a)
Δout-b<Δd/L3 (式8b)
θ1=θ0−θa (式9)
となる。従って、n回目の反射後の角度θnは、θ0−n×θa>0の範囲で、
θn=θ0−n×θa (式10)
となる。θn<0.5×θaとなると、X線2がガラス薄板に到達しないので、半発散角は変わらない。また、隣り合うガラス薄板間の出口側の間隔をgout、隣り合うガラス薄板間の入口側の間隔をginとし、ガラス薄板の長さをL2とすると、
θa=(gout−gin)/L2 (式11)
となる。このとき、θa<θoutなので、半影量Δpは、上記式1及び式11より、
(gout−gin)×L3/L2<Δp (式12)
となる。また、上記式2及び式12より、
0.5×Δd<L3×(gout−gin)/L2<2×Δd (式13)
となる。
Δout-a<(gout−gin)/L2 (式14a)
Δout-b<Δd/L3 (式14b)
Δx=s×L3/(L2+L1) (式15)
となり、スリットレンズ3、X線源1、X線検出器4の相対位置で決まる。
本実施形態に用いるスリットレンズ3は、図2に示すように、隣り合うガラス薄板間の間隔gは10μmで一定、全てのガラス薄板の厚さは出口側が20μm、入口側が10μmのものである。X線検出器4にはFPDを用いている。
0.5×L1/L3×Δd−g<s<2×L1/L3×Δd−g (式16)
となる。X線源1とスリットレンズ3の入口との対向方向の距離L1=100mm、スリットレンズ3の出口とFPDとの対向方向の距離L3=200mm、FPDの画素サイズΔd=100μmのとき、光源サイズsの許容範囲は15μm<s<90μmとなる。この範囲に入るように、光源サイズsを調整すれば良い。
図8に、検出されるX線の強度を、スリットレンズ3の位置を固定したときの光源中心位置の関数とし、そのX線の強度の一次微分係数を求めた結果を示す。第1の実施形態と同様に、光源中心位置を光源位置28(X線源1の位置)とした。本実施形態では、y1、y2を一次微分係数が最大、最小となるときの光源位置とし、最良推定光源位置y_estをy1、y2の平均位置とする点が第1の実施形態と異なる。図8では−0.25mm<y<0.25mmの領域の微分係数を示しているが、y1、y2を求めるために全領域を計測する必要はない。−0.23mm<y<−0.14mm、0.14mm<y<0.23mmの領域を計測すれば良い。第1の実施形態では検出されるX線強度が最大となる位置が必要であるため、−0.14mm<y<0.14mmの領域も計測する必要があるが、本実施形態では必要な領域を狭めることができるのでアライメントを更に短時間で完了することができる。上記領域だけを計測した場合、計測領域を40%程度に狭めることができるので、アライメントに必要な時間も40%に短縮することができる。
図9に、検出されるX線の強度を、スリットレンズ3の位置を固定したときの光源中心位置の関数とし、そのX線の強度の二次微分係数を求めた結果を示す。第1の実施形態と同様に、光源中心位置を光源位置28(X線源1の位置)とした。図8に示す一次微分係数の位置依存性から分かるように、スリットレンズ3内のX線の反射が臨界角となる前後で一次微分係数が大きく変わるため、二次微分係数にその特徴が顕著に現れる。本実施形態では、y1、y2を二次微分係数がピークとなるときの光源位置とし、最良推定光源位置y_estをy1、y2の平均位置とする点が第1・第2の実施形態と異なる。y1、y2は二次微分係数がピークとなるときの光源位置の前後0.02mm程度を計測することで十分検出可能である。この場合、第1の実施形態に比べ計測領域を1/5以下に狭めることができるので、アライメントに必要な時間も1/5以下に短縮することができる。
Claims (8)
- X線源と、
間隔を空けて並べて配置された少なくとも3枚のX線反射基板からなり、前記X線反射基板に両側を挟まれた複数のX線通路にそれぞれ入射したX線が、各X線通路の両側のX線反射基板で反射され平行化されて前記各X線通路から出射されるX線反射構造体とを備え、
前記X線反射構造体の一端面をX線の入口、他端面をX線の出口としたときに前記出口のX線反射基板のピッチの方が前記入口のピッチよりも広くなっているX線光学装置の調整方法であって、
前記X線源が、前記入口にX線が入射するときの視射角が臨界角を超える位置にあるときに前記各X線通路から出射されたX線の強度を検出し、前記検出されたX線の強度に基づいて、前記X線源と前記X線反射構造体の相対位置を調整することを特徴とするX線光学装置の調整方法。 - 前記X線の強度を、前記X線反射構造体の位置を固定したときの前記X線源の位置の関数とし、前記X線の強度が等しくなるときの前記X線源の位置をy1、y2とすると、y1とy2の平均位置を前記X線源の位置とすることを特徴とする請求項1に記載のX線光学装置の調整方法。
- 前記X線の強度を、前記X線反射構造体の位置を固定したときの前記X線源の位置の関数としてその関数の一次微分係数を求め、前記一次微分係数が最大、最小となるときの前記X線源の位置をy1、y2とすると、y1とy2の平均位置を前記X線源の位置とすることを特徴とする請求項1に記載のX線光学装置の調整方法。
- 前記X線の強度を、前記X線反射構造体の位置を固定したときの前記X線源の位置の関数としてその関数の二次微分係数を求め、前記二次微分係数がピークとなるときの前記X線源の位置をy1、y2とすると、y1とy2の平均位置を前記X線源の位置とすることを特徴とする請求項1に記載のX線光学装置の調整方法。
- 前記X線源内の電子線を偏向することで前記相対位置を変化させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のX線光学装置の調整方法。
- 前記X線源を移動させることで前記相対位置を変化させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のX線光学装置の調整方法。
- 前記X線反射構造体を移動させることで前記相対位置を変化させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のX線光学装置の調整方法。
- X線源と、
間隔を空けて並べて配置された少なくとも3枚のX線反射基板からなり、前記X線反射基板に両側を挟まれた複数のX線通路にそれぞれ入射したX線が、各X線通路の両側のX線反射基板で反射され平行化されて前記各X線通路から出射されるX線反射構造体とを備え、
前記X線反射構造体の一端面をX線の入口、他端面をX線の出口としたときに前記出口のX線反射基板のピッチの方が前記入口のピッチよりも広くなっているX線光学装置であって、
前記X線源と前記X線反射構造体は、前記X線源が、前記入口にX線が入射するときの視射角が臨界角を超える位置にあるときに前記各X線通路から出射されたX線の強度に基づいて配置されていることを特徴とするX線光学装置。
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