JP2013189509A - シリコーンゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】相溶性の低い低粘度ポリマーを添加することなく、シリコーンゴムの表面摩擦係数を低くした付加硬化性シリコーンゴム組成物を提供する。
【解決手段】(A)下記平均組成式(I)で示され、1分子中にCH2=CH−で示される末端不飽和二重結合を有し、ケイ素原子に結合するアルケニル基を少なくとも2個有し、かつ1分子中にシクロヘキセニルアルキル基を含有しないオルガノポリシロキサン、R1 aSiO(4-a)/2・・・(I)(R1は一価炭化水素基、aは1.5〜2.8の正数)(B)1分子中に少なくとも1個のケイ素原子と結合するシクロヘキセニルアルキル基を含有し、平均重合度が1,000以上のオルガノポリシロキサン、(C)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(D)補強性シリカ、(E)付加反応触媒を含有する付加硬化性シリコーンゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化させた際の、表面摩擦係数が低い付加架橋可能なシリコーン材料であるシリコーンゴム組成物に関する。
シリコーンゴムは、耐熱性、耐寒性、電気特性などを活かして、様々な分野の用途にゴム成形品として利用されている。特に、付加反応硬化タイプのシリコーンゴム組成物は、有機過酸化物硬化タイプのように有機過酸化物の分解による副生成物を生じないこと、安全性に優れること、更に外観のよさ(透明性)、肌触りのよさ、加えて耐久性のよさなどから幼児用遊具や食器、歯ブラシ、哺乳瓶用乳首や赤ちゃん用おしゃぶり、水中眼鏡、ゴーグル、シュノーケル等のダイビング用品、自動車部品を成形する材料として広く使用されている。
シリコーンゴムの表面の摩擦係数を低下させる方法としては、相溶性の低いオイルを添加する方法が知られている。例えば、シリコーンゴムがジメチルシリコーンの場合、フェニル基を導入した低粘度のオイルを添加することにより、成形後に相溶性が悪いフェニルオイルがシート内から表面に滲み出し、表面の摩擦係数が低くなる。これらの材料は自動車用のオイルブリード材料等で広く使用されている(国際公開第2006/070947号パンフレット:特許文献1、特開2009−185254号公報:特許文献2)。しかしながら、これらのオイルブリード製材料は、表面にオイル成分が滲み出すことから、このオイルが他の材料に移行したり、汚れの原因になることがある。また、乳首用途等にはフェニルオイルを使用することは衛生上の点から困難であり、オイル成分が滲み出さずに、表面の摩擦係数が小さくなる材料が求められている。フェニルオイルを添加しないですべり性を出す方法としては、特許第4755660号公報(特許文献3)には、アルケニル基を含有しないポリマーを添加する方法などが報告されている。
国際公開第2006/070947号パンフレット 特開2009−185254号公報 特許第4755660号公報
本発明は、上記事情を改善するためになされたもので、相溶性の低い低粘度ポリマーを添加することなく、シリコーンゴムの表面摩擦係数を低くした付加硬化性シリコーンゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、シリコーンゴム組成物のベースポリマーとして通常使用されるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンに、室温で生ゴム状のシクロヘキセニルアルキル基含有の高重合度オルガノポリシロキサンを特定比率で組み合わせることにより、摩擦係数の低いシリコーンゴムを与える材料を見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、下記に示すシリコーンゴム組成物を提供する。
〔1〕 (A)下記平均組成式(I)で示され、1分子中にCH2=CH−で示される末端不飽和二重結合を有し、ケイ素原子に結合するアルケニル基を少なくとも2個有し、かつ1分子中にシクロヘキセニルアルキル基を含有しないオルガノポリシロキサン
100質量部、
1 aSiO(4-a)/2 ・・・(I)
(式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜10の置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示し、aは1.5〜2.8の正数である。)
(B)1分子中に少なくとも1個のケイ素原子と結合するシクロヘキセニルアルキル基を含有し、平均重合度が1,000以上のオルガノポリシロキサン 1〜50質量部、
(C)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(A),(B)成分の合計100質量部に対して0.2〜20質量部、
(D)BET法による比表面積が50m2/g以上である補強性シリカ
(A),(B)成分の合計100質量部に対して10〜100質量部、
(E)付加反応触媒 触媒量
を含有する付加硬化性シリコーンゴム組成物。
〔2〕 25℃での粘度が50〜5,000Pa・sの範囲であり、液状射出成形用である〔1〕に記載の付加硬化性シリコーンゴム組成物。
本発明のシリコーンゴム組成物によれば、付加架橋により、オイル等が滲み出すことなく、表面摩擦係数が低いシリコーンゴムが得られる。
本発明によれば、上記(A)〜(E)成分の特定量の組み合わせにより、すべり性に優れたシリコーンゴムを提供できる。即ち、1分子中にCH2=CH−で示される末端不飽和二重結合を有するケイ素原子に結合するアルケニル基を有し、かつ1分子中にシクロヘキセニルアルキル基を含有しないオルガノポリシロキサン(A)と、シクロヘキセニルエチル基等のシクロヘキセニルアルキル基(好ましくは、シクロヘキセニルアルキルジオルガノシロキシ基の形態で分子鎖末端に)を含有する、通常、生ゴム状のオルガノポリシロキサン(B)とを特定の配合比率で組み合わせて使用することによって、滲み出してシリコーン表面上に油膜を形成する低粘度のシリコーン油を使用することなく、すべり性を有するシリコーンエラストマーが得られる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
まず、(A)成分の1分子中にCH2=CH−で示される末端不飽和二重結合を有するケイ素原子に結合するアルケニル基を少なくとも平均2個有し、かつ分子中にシクロヘキセニルアルキル基を含有しないオルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(I)で示されるものを用いることができる。
1 aSiO(4-a)/2 ・・・(I)
(式中、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数である。)
ここで、上記R1で示されるケイ素原子に結合した非置換又は置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基等の、CH2=CH−で示される末端不飽和二重結合を有するアルケニル基(以下、単にアルケニル基と記載する場合がある)や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられるが、全R1の90%以上がメチル基であることが好ましい。
また、R1のうち少なくとも2個はCH2=CH−で示される末端不飽和二重結合を有するアルケニル基(炭素数2〜8のものが好ましく、更に好ましくは炭素数2〜6であり、特に好ましくはビニル基である。)であることが必要である。
なお、該アルケニル基の含有量は、オルガノポリシロキサン中1.0×10-6mol/g〜5.0×10-4mol/g、特に1.0×10-5mol/g〜2.0×10-4mol/gとすることが好ましい。該アルケニル基の量が1.0×10-6mol/gより少ないとゴム硬度が低すぎてゲル状になってしまう場合があり、また5.0×10-4mol/gより多いと架橋密度が高くなりすぎて、硬度が高く脆いゴムになってしまう場合がある。このアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子(即ち、分子鎖末端に位置するトリオルガノシロキシ基中のケイ素原子)に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子(即ち、分子鎖非末端に位置するジオルガノシロキサン単位中のケイ素原子に結合する側鎖置換基として)に結合していても、両者に結合していてもよい。
なお、(A)成分は、アルケニル基として後述する(B)成分が分子中に必須に含有するケイ素原子と結合するシクロヘキセニルアルキル基を含まないものである点において、(B)成分とは本質的に差別化されるものである。
このオルガノポリシロキサンの構造は基本的には、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基((R13SiO1/2、R1は上記と同じ、以下同様)で封鎖され、主鎖がジオルガノシロキサン単位((R12SiO2/2)の繰り返しからなる直鎖状構造を有するが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。分子量については、平均重合度(重量平均重合度、以下同様)が通常1,500以下(例えば、100〜1,500)、好ましくは150〜1,000、より好ましくは150〜600程度で、室温(25℃±10℃)で自己流動性のある液状であることが望ましい。平均重合度が100未満では、十分なゴム感が得られない場合があり、1,500より高いと粘度が高くなり、成形が困難になってしまう場合がある。
なお、分子量(重合度)については、通常、トルエンを展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ分析によるポリスチレン換算の重量平均分子量(重量平均重合度)として求めることができる(以下、同様)。
次に、(B)成分のオルガノポリシロキサンは、1分子中に少なくとも1個のケイ素原子と結合するシクロヘキセニルアルキル基を含有し、通常、平均重合度が1,000以上、好ましくは平均重合度が2,000以上で、室温(25℃±10℃)で生ゴム状(即ち、自己流動性がない非液状)のオルガノポリシロキサンであって、好ましくは、下記平均組成式(II)で示されるものを用いることができる。
2 bSiO(4-b)/2 ・・・(II)
(式中、R2は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、bは1.8〜2.5、好ましくは1.9〜2.1、より好ましくは1.98〜2.01の範囲の正数である。)
ここで、上記R2で示されるケイ素原子に結合した非置換又は置換の一価炭化水素基としては、上記R1と同様であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基、シクロヘキセニルエチル基等のアルケニル基(このアルケニル基としてはCH2=CH−で示される末端不飽和二重結合を有するケイ素原子に結合するアルケニル基を含む)や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられるが、全R2基のうちの少なくとも1個、好ましくは1〜10個、より好ましくは2〜5個が、シクロヘキセニルエチル基、シクロヘキセニルプロピル基等のシクロヘキセニルアルキル基であることが必要である。なお、この場合、シクロヘキセニル基は2,3−シクロヘキセニル基又は3,4−シクロヘキセニル基のいずれであってもよく、これらの両方であってもよい。また、シクロヘキセニル基で置換されたアルキル基としては、エチル基、プロピル基等の炭素数2〜4、特に炭素数2又は3のアルキル基が好適に使用できる。
なお、該シクロヘキセニルアルキル基の含有量は、(B)成分のオルガノポリシロキサン中1.0×10-7mol/g〜5.0×10-4mol/g、特に1.0×10-6mol/g〜2.0×10-4mol/gとすることが好ましい。該シクロヘキセニルアルキル基の量が少なすぎると表面摩擦係数が低いゴム硬化物が得られない場合があり、多すぎるとゴム物性に劣る場合がある。
このシクロヘキセニルアルキル基は、分子鎖末端のケイ素原子(即ち、分子鎖末端に位置するトリオルガノシロキシ基中のケイ素原子)に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子(即ち、分子鎖非末端に位置するジオルガノシロキサン単位中のケイ素原子に結合する側鎖置換基として)に結合していても、両者に結合していてもよい。
なお、(B)成分中には該シクロヘキセニルアルキル基以外のアルケニル基(例えば、前記(A)成分中に含有されるCH2=CH−で示される末端不飽和二重結合を有するアルケニル基等)を含んでも、含んでいなくてもよいが、低表面摩擦性の点からは、好適には(B)成分中には該シクロヘキセニルアルキル基以外のアルケニル基を含まないものであることが望ましい。
このオルガノポリシロキサンの構造は、基本的には、前記(A)成分と同様に、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基((R23SiO1/2)で封鎖され、主鎖がジオルガノシロキサン単位((R22SiO2/2)の繰り返しからなる直鎖状構造を有するものであるが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。なお、シクロヘキセニルアルキル基は分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよいが、好ましくは少なくとも1個の分子鎖末端のケイ素原子に結合したシクロヘキセニルアルキル基を含有するものであることが望ましい。従って、より具体的には、分子鎖末端のトリオルガノシロキシ基((R23SiO1/2)のうち、少なくとも1個、好ましくは2個とも(即ち、分子鎖両末端のトリオルガノシロキシ基)がシクロヘキセニルエチルジメチルシロキシ基等のシクロヘキセニルアルキルジオルガノシロキシ基であって、主鎖がジオルガノシロキサン単位((R22SiO2/2)の繰り返しからなる直鎖状構造を有するものであり、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。分子量については、平均重合度が2,000以上(通常2,000〜50,000程度)で生ゴム状のもの、好ましくは3,000以上(3,000〜20,000程度)のものである。平均重合度が2,000未満では、十分なゴム感が得られないばかりか、表面にべたつきを生じてしまう場合がある。
この(B)成分のシクロヘキセニルアルキル基含有(生ゴム状)オルガノポリシロキサンの配合量は、(A)成分100質量部に対し1〜50質量部、好ましくは(A)成分100質量部に対し2〜20質量部の範囲である。(A)成分100質量部に対し1質量部未満では、目的とする表面摩擦係数の低下が得られず、(A)成分100質量部に対し50質量部を超えると、組成物の粘度が高く、成形が困難になってしまう。
(C)成分は、1分子中にケイ素原子と結合する水素原子(SiH基)を少なくとも2個、好ましくは3個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、分子中のSiH基が前記(A)成分中の(あるいは(A)成分及び(B)成分中の)ケイ素原子に結合したCH2=CH−で示される末端不飽和二重結合を有するアルケニル基とヒドロシリル付加反応により架橋し、組成物を硬化させるための硬化剤(架橋剤)として作用するものである。なお、このSiH基は(B)成分中のシクロヘキセニルエチル基等のシクロヘキセニルアルキル基とは、通常、ヒドロシリル付加反応が進行しないものである。
この(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均組成式(III)
3 cdSiO(4-c-d)/2 ・・・(III)
(式中、R3は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基である。また、cは0.7〜2.1、dは0.001〜1.0で、かつc+dは0.8〜3.0を満足する正数である。)
で示され、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上、より好ましくは3〜100個、更に好ましくは3〜50個のケイ素原子結合水素原子(SiH基)を有するものが好適に用いられる。
ここで、R3の一価炭化水素基としては、R1で例示したものと同様のものを挙げることができるが、アルケニル基等の脂肪族不飽和基を有しないものが好ましい。また、cは好ましくは0.8〜2.0、dは好ましくは0.01〜1.0、c+dは好ましくは1.0〜2.5であり、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。この場合、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は2〜300個、特に4〜150個程度の室温(25℃)で液状のものが好適に用いられる。なお、ケイ素原子に結合する水素原子は分子鎖末端、分子鎖途中(分子鎖非末端)のいずれに位置していてもよく、両方に位置するものであってもよい。
上記(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位と(CH33SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C653SiO1/2単位とからなる共重合体などや、これらの化合物においてメチル基の一部又は全部がエチル基等の他のアルキル基やフェニル基等で置換されたものなどが挙げられる。
この(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A),(B)成分の合計100質量部に対して0.2〜20質量部、好ましくは0.3〜10質量部であり、(C)成分の配合量が少なすぎると架橋が不十分になり、べたついたゴムになってしまい、(C)成分の配合量が多すぎると成形物に発泡が見られたり、金型からの離型が困難になったりしてしまう。また、(C)成分の配合量は、上記と同様の理由で、(A)成分中(あるいは(A)成分及び(B)成分中)のケイ素原子に結合したアルケニル基(CH2=CH−で示される末端不飽和二重結合を有するアルケニル基)の合計に対する(C)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子と結合する水素原子(SiH基)のモル比(SiH基/アルケニル基)が、0.8〜10.0、特に1.0〜5.0となる比率で配合することもできる。
(D)成分の補強性シリカは、機械的強度の優れたシリコーンゴム組成物を得るために添加されるものであり、この目的のためには比表面積(BET吸着法)が50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは100〜450m2/g、より好ましくは100〜350m2/gである。比表面積が50m2/g未満だと十分な強度が得られないばかりか、成形物の透明性も低下してしまい、450m2/gより大きいと配合が困難となる場合がある。
このような補強性シリカとしては、例えば煙霧質シリカ(ヒュームドシリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)等が挙げられる。これらのシリカは、そのまま用いても構わないが、表面疎水化処理剤で予め処理したものを使用したり、あるいは(A)成分との混練時に表面処理剤を添加して処理することにより使用することが好ましい。これら表面処理剤は、アルキルアルコキシシラン、アルキルクロロシラン、アルキルシラザン、シランカップリング剤、チタネート系処理剤、脂肪酸エステルなど公知のいかなるものを一種で用いてもよく、また2種以上を同時に又は異なるタイミングで用いても構わない。
(D)成分の補強性シリカの配合量は、(A),(B)成分の合計100質量部に対して10〜100質量部、好ましくは10〜50質量部である。(B)成分の配合量が少なすぎる場合には補強効果が得られず、多すぎる場合には加工性が悪くなり、また機械的強度が低下してしまい、動的疲労耐久性も悪化してしまう。
(E)成分の付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコ−ルとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金族金属触媒が挙げられる。なお、この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができ、通常、白金族金属の質量換算で、(A),(B)成分の合計質量に対し、0.5〜1,000ppm、特に1〜500ppm程度である。
その他の成分として、必要に応じて、沈降シリカ、石英粉、珪藻土、炭酸カルシウムのような充填剤や、カーボンブラック、導電性亜鉛華、金属粉等の導電剤、窒素含有化合物やアセチレン化合物、リン化合物、ニトリル化合物、カルボキシレート、錫化合物、水銀化合物、硫黄化合物等のヒドロシリル化反応制御剤、酸化鉄、酸化セリウムのような耐熱剤、ジメチルシリコーンオイル等の内部離型剤、接着性付与剤、チクソ性付与剤等を配合することは任意とされる。
本発明の付加硬化シリコーンゴム組成物は、上記成分を混合することにより製造することができるが、室温(25℃±10℃)で液状のもの、特に25℃での粘度が50〜5,000Pa・s、特に100〜3,000Pa・sであるものが好ましい。
粘度は、通常、回転粘度計(例えば、BL型、BH型、BS型、コーンプレート型等)により測定することができる。
このシリコーンゴム組成物の成形、硬化方法としては、常法を採用し得るが、成形法として液状射出成形法が好適に採用される。また、硬化条件としては、120〜230℃で3秒〜10分間、好ましくは150〜210℃で5秒〜3分間程度の加熱処理条件(1次硬化)を採用し得る。なお、必要に応じて、該硬化物を更に150〜220℃、特には180〜210℃で1〜4時間、特に1〜2時間程度ポストキュア(2次硬化)してもよい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例中の部は質量部を示す。
[実施例1]
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が750である液状ジメチルポリシロキサン(1)70部、比表面積が300m2/gであるヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、アエロジル300)25部、ヘキサメチルジシラザン5部、水1.0部を室温で30分間混合後、150℃に昇温し、3時間撹拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベース95部に、上記液状ジメチルポリシロキサン(1)10部、分子鎖両末端にそれぞれ1個ずつ(即ち、分子中に2個)シクロヘキセニルエチルジメチルシロキシ基を導入した平均重合度が6,000であるジメチルポリシロキサン生ゴム(2)2.5部を入れ、30分間撹拌を続けた後、架橋剤として分子鎖両末端及び分子鎖途中(分子鎖非末端)にSiH基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(3)(重合度40、SiH基含有量0.00725mol/g)を1.5部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分間撹拌を続けて、シリコーンゴム組成物の粘度[25℃でのBS型粘度計、ローター7番、10rpmでの測定結果]が200Pa・sを得た。
このシリコーンゴム組成物100部に白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部を混合し、120℃,10分間でプレスキュアした1次硬化物(ノンポストキュア硬化物)について、更に、この1次硬化物をオーブン内で150℃で1時間のポストキュアを行った硬化物(2次硬化物)について、それぞれJIS K6249に基づき、動摩擦係数を測定した結果を表1に示した。
[実施例2]
添加する生ゴム(2)の量を1.0部に変更した以外は実施例1と同様な方法により動摩擦係数を測定した結果を表1に示した。
[実施例3]
添加する生ゴム(2)の量を5.0部に変更した以外は実施例1と同様な方法により動摩擦係数を測定した結果を表1に示した。
[実施例4]
添加する生ゴムを分子鎖両末端にそれぞれ1個、並びに分子鎖途中(分子鎖非末端)に平均2個のシクロヘキセニルエチル基を有する平均重合度が8,000であるジメチルポリシロキサン生ゴム(3)2.5部に変更した以外は実施例1と同様な方法により動摩擦係数を測定した結果を表1に示した。
[実施例5]
添加する生ゴム(3)の量を5.0部に変更した以外は実施例4と同様な方法により動摩擦係数を測定した結果を表1に示した。
[実施例6]
添加する生ゴム(3)の量を10.0部に変更した以外は実施例4と同様な方法により動摩擦係数を測定した結果を表1に示した。
[比較例1]
添加する生ゴム(2)に代えて、分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が8,000であるジメチルポリシロキサン生ゴム(4)[ビニル基含有量2.5×10-6mol/g](2)5.0部を添加した以外は実施例1と同様な方法により試験用シートを作製し、動摩擦係数を測定した結果を表2に示した。
[比較例2]
添加する生ゴム(2)に代えて、分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された回転粘度計による25℃の粘度が60,000mPa・s(25℃)である液状ジメチルポリシロキサン(5)5.0部を添加した以外は実施例1と同様な方法により試験用シートを作製し、動摩擦係数を測定した結果を表2に示した。
[比較例3]
添加する生ゴム(2)に代えて、分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された回転粘度計による25℃の粘度が1,000mPa・s(25℃)である液状ジメチルポリシロキサン(6)5.0部を添加した以外は実施例1と同様な方法により動摩擦係数を測定した結果を表2に示した。
[比較例4]
生ゴム(2)を添加しない以外は実施例1と同様な方法により動摩擦係数を測定した結果を表2に示した。
Figure 2013189509
Figure 2013189509
[実施例7]
主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位としてジメチルシロキサン単位99.850モル%とメチルビニルシロキサン単位0.125モル%、分子鎖末端基としてジメチルビニルシロキシ基0.025モル%を含有する平均重合度が約6,000である直鎖状オルガノポリシロキサン(生ゴム(7))100部、BET比表面積200m2/gのヒュームドシリカ(商品名アエロジル200、日本アエロジル(株)製)35部、分散剤として両末端シラノール基を有し平均重合度3.5であるジメチルポリシロキサン6部、ヘキサメチルジシラザン0.1部をニーダーにて混練りした。配合は室温下(21℃)で行い、加熱処理を行わず配合した。
上記コンパウンド100部に対し、1分子中に平均1個のケイ素原子と結合するシクロヘキセニルエチル基を分子鎖途中に(即ち、主鎖を構成する分子鎖非末端に位置するジオルガノシロキサン単位中のケイ素原子に結合する置換基として)含有し分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された平均重合度が6,000であるジメチルポリシロキサン生ゴム(8)2.5部を添加し、均一に混合した後、120℃,70kgf/cm2の条件で10分間プレスキュア(1次硬化)を行い、試験用シートを作製した。更にその後、150℃で1時間のポストキュア(2次硬化)を行った試験用シートを作製して、ポストキュア後の動摩擦係数を測定した結果を表3に示した。
[比較例5]
添加する生ゴム(8)に代えて、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された平均重合度が6,000であるジメチルポリシロキサン生ゴム(9)2.5部を添加した以外は実施例7と同様な方法により試験用シートを作製し、動摩擦係数を測定した結果を表3に示した。
[比較例6]
添加する生ゴム(8)に代えて、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された平均重合度が6,000であるジメチルポリシロキサン生ゴム(9)5.0部を添加した以外は実施例7と同様な方法により試験用シートを作製し、動摩擦係数を測定した結果を表3に示した。
Figure 2013189509
このオルガノポリシロキサンの構造は、基本的には、前記(A)成分と同様に、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基((R23SiO1/2)で封鎖され、主鎖がジオルガノシロキサン単位((R22SiO2/2)の繰り返しからなる直鎖状構造を有するものであるが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。なお、シクロヘキセニルアルキル基は分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよいが、好ましくは少なくとも1個の分子鎖末端のケイ素原子に結合したシクロヘキセニルアルキル基を含有するものであることが望ましい。従って、より具体的には、分子鎖末端のトリオルガノシロキシ基((R23SiO1/2)のうち、少なくとも1個、好ましくは2個とも(即ち、分子鎖両末端のトリオルガノシロキシ基)がシクロヘキセニルエチルジメチルシロキシ基等のシクロヘキセニルアルキルジオルガノシロキシ基であって、主鎖がジオルガノシロキサン単位((R22SiO2/2)の繰り返しからなる直鎖状構造を有するものであり、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。分子量については、平均重合度が1,000以上、特に2,000以上(2,000〜50,000程度)で生ゴム状のもの、好ましくは3,000以上(3,000〜20,000程度)のものである。平均重合度が1,000未満では、十分なゴム感が得られないばかりか、表面にべたつきを生じてしまう場合がある。
(D)成分の補強性シリカの配合量は、(A),(B)成分の合計100質量部に対して10〜100質量部、好ましくは10〜50質量部である。()成分の配合量が少なすぎる場合には補強効果が得られず、多すぎる場合には加工性が悪くなり、また機械的強度が低下してしまい、動的疲労耐久性も悪化してしまう。
その他の成分として、必要に応じて、石英粉、珪藻土、炭酸カルシウムのような充填剤や、カーボンブラック、導電性亜鉛華、金属粉等の導電剤、窒素含有化合物やアセチレン化合物、リン化合物、ニトリル化合物、カルボキシレート、錫化合物、水銀化合物、硫黄化合物等のヒドロシリル化反応制御剤、酸化鉄、酸化セリウムのような耐熱剤、ジメチルシリコーンオイル等の内部離型剤、接着性付与剤、チクソ性付与剤等を配合することは任意とされる。
[実施例1]
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が750である液状ジメチルポリシロキサン(1)70部、比表面積が300m2/gであるヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、アエロジル300)25部、ヘキサメチルジシラザン5部、水1.0部を室温で30分間混合後、150℃に昇温し、3時間撹拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。このシリコーンゴムベース95部に、上記液状ジメチルポリシロキサン(1)10部、分子鎖両末端にそれぞれ1個ずつ(即ち、分子中に2個)シクロヘキセニルエチルジメチルシロキシ基を導入した平均重合度が6,000であるジメチルポリシロキサン生ゴム(2)2.5部を入れ、30分間撹拌を続けた後、架橋剤として分子鎖両末端及び分子鎖途中(分子鎖非末端)にSiH基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度40、SiH基含有量0.00725mol/g)を1.5部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分間撹拌を続けて、シリコーンゴム組成物の粘度[25℃でのBS型粘度計、ローター7番、10rpmでの測定結果]が200Pa・sを得た。
このシリコーンゴム組成物100部に白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部を混合し、120℃,10分間でプレスキュアした1次硬化物(ノンポストキュア硬化物)について、更に、この1次硬化物をオーブン内で150℃で1時間のポストキュアを行った硬化物(2次硬化物)について、それぞれJIS K6249に基づき、動摩擦係数を測定した結果を表1に示した。
[比較例1]
添加する生ゴム(2)に代えて、分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が8,000であるジメチルポリシロキサン生ゴム(4)[ビニル基含有量2.5×10-6mol/g]5.0部を添加した以外は実施例1と同様な方法により試験用シートを作製し、動摩擦係数を測定した結果を表2に示した。

Claims (2)

  1. (A)下記平均組成式(I)で示され、1分子中にCH2=CH−で示される末端不飽和二重結合を有し、ケイ素原子に結合するアルケニル基を少なくとも2個有し、かつ1分子中にシクロヘキセニルアルキル基を含有しないオルガノポリシロキサン
    100質量部、
    1 aSiO(4-a)/2 ・・・(I)
    (式中、R1は同一又は異種の炭素数1〜10の置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示し、aは1.5〜2.8の正数である。)
    (B)1分子中に少なくとも1個のケイ素原子と結合するシクロヘキセニルアルキル基を含有し、平均重合度が1,000以上のオルガノポリシロキサン 1〜50質量部、
    (C)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    (A),(B)成分の合計100質量部に対して0.2〜20質量部、
    (D)BET法による比表面積が50m2/g以上である補強性シリカ
    (A),(B)成分の合計100質量部に対して10〜100質量部、
    (E)付加反応触媒 触媒量
    を含有する付加硬化性シリコーンゴム組成物。
  2. 25℃での粘度が50〜5,000Pa・sの範囲であり、液状射出成形用である請求項1に記載の付加硬化性シリコーンゴム組成物。
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