JP2013188883A - 成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】成形品10Aの基材表面111は、所定間隔で塗膜部21が印刷されている。各塗膜部21間の離間寸法D1を、各塗膜表面211における各塗膜部21の配列方向に沿った幅寸法W1よりも小さく設定したので、基材表面111に直接指が触れず、指紋が基材表面111への指紋写りを防止できる。塗膜部21が印刷により形成されているため、樹脂成型した場合に比較して基材表面111および塗膜部21のバリエーションに制約が少ない。
【選択図】図1
Description
このような電子機器は、使用者の指紋が筐体の表面に残る、いわゆる指紋写りが目立ち、外観性が損なわれるという不都合がある。
特許文献1の樹脂成型品によれば、光沢面より突出する非光沢面により使用者の指の腹が光沢面に達しないため、光沢面に指紋写りが生じず、光沢面の光沢感すなわち良好な外観性が維持される。また、特許文献1の樹脂成型品によれば、使用者の指の腹が光沢面に達しても押圧力が緩和されるため、光沢面に対する指紋写りが軽微となるという効果も得られる。
一般に、表面を光沢面とする樹脂成形品に用いられる金型は、光沢面を形成する部位に対して事前に磨き加工が施されるが、特許文献1に開示された樹脂成形品を形成するための金型では、光沢面を形成する部位および非光沢面を形成する部位が混在し、かつ、極めて微細で近接しているため、光沢面を形成する部位にのみ磨き加工を施すことが現実には不可能に近い。
また、このような金型に磨き加工を施さないと、樹脂成形品の表面に光沢面が得られず、凹凸は形成できるものの、樹脂成型品の表面が光沢感の低い一様なマットな印象を与える。
従って、特許文献1に開示された樹脂成形品は、光沢面および非光沢面の最小面積や最小離間寸法等に限界があり、光沢面および非光沢面のバリエーションに制約がある。
従って、特許文献1に開示された樹脂成形品は、光沢面および非光沢面の最小面積や最小離間寸法等に限界があり、光沢面および非光沢面のバリエーションに制約がある。
以下、本発明に係る第1実施形態の成形品について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態の成形品として、例えば、携帯端末の筐体10Aを採用することができる。
筐体10Aは、射出成型により扁平な略台形の断面を有するとともに平面略長方形状を呈する樹脂成型品であり、使用される金型の所定領域には事前に磨き加工が施されている。
従って、筐体10Aの基材11としての基材表面111は、光沢面となっている。
基材表面111は、筐体10Aを形成する材料である樹脂色および平滑度(後述する)を有する。
なお、基材表面111は、反射効果の高い色(ミラー、メタリック等)を含む所望色に印刷あるいは塗装や蒸着等により着色してもよく、あるいは基材11が透明であってもよく、これらの選択は任意である。
なお、本発明において、各塗膜表面211の色および平滑度が互いに異なる形態も含まれる。
すなわち、ここで指す「色」とは、観者にとって同じに見える、あるいは異なって見えることを指標とする。
そして、第1実施形態の筐体10Aでは、
塗膜表面211の幅寸法W1は印刷可能な任意寸法とし、
各塗膜部21間の離間寸法D1は0.1mm〜0.8mmとし、
各塗膜部21の高さ寸法(印刷厚み寸法)T1は5μm〜40μmとし、
塗膜表面211の平滑度は、基材表面111の平滑度よりも低く設定する。
なお、基材表面111の平滑度は、金型に対して事前に行う磨き加工により任意に設定できる。そして、基材表面111は、平滑度が均一である必要はなく、金型に対する磨き加工を適宜調整することにより、平滑度が徐々に、あるいは段階的に変化するグラデーション状の光沢面とすることもできる。
従って、塗膜部21の幅寸法とは、例えば塗膜部21が平面円形状であるとともに、多数の塗膜部21がマトリクス状等の規則的配列、あるいはランダムに配列されている場合、塗膜部21と隣の他の塗膜部21との配列方向に沿った塗膜部21の直径寸法、あるいは直径方向と平行な寸法を含む。
各塗膜部21の高さ寸法T1と、各塗膜部21間の離間寸法D1と間には一定の法則性があり、これらは1:1に対応し、一方が規定されれば、それに伴い他方を規定してもよい。この場合、T1が低い場合にはD1は狭く、T1が高い場合にはD1は広くしてもよい。これらのT1、D1の設定可能範囲内において、指の腹が基材表面111に接することを防ぐことが可能となる。
各塗膜部21の高さ寸法T1の上限値は、微細印刷パターンの外観の仕上がりとして、最も美しく加工できる範囲として設定している。
これらのような理由により、各塗膜部21の高さ寸法T1の上限値は40μmと規定され、各塗膜部21間の離間寸法D1の上限値は0.8mmと規定される。
これらのような理由により、各塗膜部21の高さ寸法T1の下限値は5μmと規定され、各塗膜部21間の離間寸法D1の下限値は0.1mmと規定される。
そして、塗膜部21の塗膜表面211の平滑度は、基材表面111の平滑度よりも小さく設定されており、基材表面111の方が光沢を有する。
すなわち、基材表面111が光沢面となり、塗膜表面211が非光沢面となっている。
ここで、平滑度とは、凹凸の無い、表面の滑らかさの程度を表し、例えば一定の面積当たりの凹凸が占める平面積、凹凸の高低寸法の度合い等の大小等を例示できる。
また、塗膜部21は、基材11の長手方向に沿って印刷する以外にも、基材11の幅方向(短手方向)に沿って印刷してもよく、方向性は任意である。
そして、各塗膜部21間の離間寸法D1を、各塗膜表面211における各塗膜部21の幅寸法W1よりも小さく設定した。これにより、筐体10Aを使用者が指で触れた際に、基材表面111に直接指の腹が触れ難くなるため、指紋写りが基材表面111に生じ難い。
このため、第1実施形態の筐体10Aによれば、光沢面である基材表面111および非光沢面である塗膜表面211を凹凸に形成することにより指紋写りが目立つことなく良好な光沢感が得られる。
次に、本発明に係る第2実施形態の筐体について説明する。
なお、前述した第1実施形態に係る筐体10Aと共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
すなわち、例えば、図5(B)に示すように、塗膜表面221は図中右上がりの斜線であり、塗膜表面221に隣接する塗膜表面222は、図中右下がりの斜線である。
なお、塗膜表面221の平滑度と、塗膜表面222の平滑度は、それぞれ任意であるが、基材表面111の平滑度よりは小さい。
なお、第1実施形態の筐体10Aと同様に、D2<W2である。
そして、第2実施形態の筐体10Bでは、
塗膜表面221、222の幅寸法W2は印刷可能な任意寸法とし、
各塗膜部22間の離間寸法D2は0.1mm〜0.8mmとし、
各塗膜部22の高さ寸法(印刷厚み寸法)T2は5μm〜40μmとし、
塗膜表面221、222の平滑度は、基材表面111の平滑度よりも低く設定する。
そして、第2実施形態の筐体10Bによれば、互いに隣り合う各塗膜表面221、222の形態が異なるようにしたので、形態を同じにした場合とは違った見え方にすることができる。
次に、本発明に係る第3実施形態の筐体について説明する。
なお、前述した第1実施形態に係る筐体10Aと共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
すなわち、図7(A)および(B)に示すように、塗膜表面231を有するある塗膜部23は、異なる形態の塗膜表面232、233、234、235によって取り囲まれている。なお、以下の説明において、塗膜表面を総称する場合には、「塗膜表面231等」で表示することとする。
また、略円形の各塗膜部23の間には、隙間237が設けられており、基材表面111が露出している。さらに、各塗膜部23の筋間からも基材表面111が露出している。
例えば、上に隣接する塗膜部23の塗膜表面235は、図中左右に向かう筋が形成されていて、下に隣接する塗膜部23の塗膜表面234は、図中右上に向かう筋が形成されており、中心の塗膜部23の塗膜表面231とは異なる形態となっている。
なお、左に隣接する塗膜部23の塗膜表面232および右に隣接する塗膜部23の塗膜表面233は、同じ図中右下に向かう筋が形成されているが、中心の塗膜部23の塗膜表面231とは筋方向が異なる形態となっており、このような場合も適用範囲に含まれる。
このため、各塗膜部23において、異なる奥行きや光沢感を得ることができる。
また、以上の説明においては、平面略同一形状、同一面積の各塗膜部23が基材11の長手方向および幅方向に沿って配列されていたが、本発明はこれに限定せず、各塗膜部23個々の平面略形状や配列方向は任意である。
また、第3実施形態の筐体10Cによれば、各塗膜部23が平面略円形に見えるように複数の筋が形成されているとともに、これらの塗膜部23が密集配置され、互いに隣り合う各塗膜部23の筋方向が異なるため、見る角度により、奥行きや光沢等の見え方を変えることができる。
次に、本発明に係る第4実施形態の筐体について説明する。
なお、前述した第1実施形態に係る筐体10Aと共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
なお、各塗膜部24の間には隙間が設けられており、基材表面111が露出している。
次に、本発明に係る第5実施形態の筐体について説明する。
なお、前述した第1実施形態に係る筐体10Aと共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
基材表面111は、筐体10Eを形成する材料である樹脂または全面に施された印刷の色および平滑度を有するが、反射効果の高い色(ミラー、メタリック等)でもよい。また、基材11は、透明であってもよい。
このような筐体10Eを正面から見ると、図11(B)に示すように、第1塗膜部251および第2塗膜部252の2色(例えば、白と黒)の混合色(グレー)に見える。
これは、第2塗膜部252を通った光が反射して基材表面111の部分も第2塗膜部252の色が見えるためである。
また、同様の原理から、図12(B)に示すように、左斜め(第1塗膜部251側)から見ると、手前側である第1塗膜部251の色が見える。
このように、見る角度によって、見える色が変化する偏光効果が得られる。
第1塗膜部251、第2塗膜部252の幅寸法WA1、WA2は印刷可能な任意寸法とし、
第1塗膜部251、第2塗膜部252間の離間寸法D5は0.1mm〜0.8mmとし、
第1塗膜部251、第2塗膜部252の高さ寸法(印刷厚み寸法)T5は5μm〜40μmとし、
第1塗膜部251、第2塗膜部252の平滑度は、基材表面111の平滑度よりも低く設定する。
このため、見る角度により種々の見え方に変化するので、外観を向上させることができる。
次に、本発明に係る第6実施形態の筐体について説明する。
なお、前述した第1実施形態に係る筐体10Aおよび第5実施形態に係る筐体10Eと共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
また、基材表面111、第1塗膜部261、第2塗膜部262が互いに異なる色である。
ここで、第1塗膜部261の幅をWA1、第2塗膜部262の幅をWA2、隣接する塗膜部26間の離間寸法をD6、塗膜部の高さをT6とする。
第1塗膜部261、第2塗膜部262の幅寸法WA1、WA2は印刷可能な任意寸法とし、
第1塗膜部261、第2塗膜部262間の離間寸法D6は0.8mm以下とし、
第1塗膜部261、第2塗膜部262の高さ寸法(印刷厚み寸法)T6は5μm〜40μmとし、
第1塗膜部261、第2塗膜部262の平滑度は、基材表面111の平滑度よりも低く設定する。
次に、本発明に係る第7実施形態の筐体について説明する。
なお、前述した第1実施形態に係る筐体10Aおよび第5実施形態に係る筐体10Eと共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
塗膜部27は、まず、第1塗膜部271を印刷した後に、第2塗膜部272を印刷して、第1塗膜部271の一部に第2塗膜部272が重なっている。
次に、本発明に係る第8実施形態の筐体について説明する。
なお、前述した第1実施形態に係る筐体10Aおよび第5実施形態に係る筐体10Eと共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
塗膜部28は、第1塗膜部281の一部と第2塗膜部282の一部とが、重複するように印刷されている。
11 基材
111 基材表面
21、22、23、24、25、26、27、28 塗膜部
211、221、231、232、233、234、235、236 塗膜表面
251、261、271、281 第1塗膜部
252、262、272、282 第2塗膜部
D1、D2、D5、D6 離間寸法
W1、W2、WA1、WA2 幅寸法
Claims (8)
- 基材と、
前記基材の基材表面に所定間隔で印刷され、前記基材表面と略同一方向を向く塗膜表面を備える複数の塗膜部と、を備え、
前記各塗膜部間の離間寸法が前記各塗膜表面における前記各塗膜部の配列方向に沿った幅寸法よりも小さく、かつ、前記基材表面の平滑度よりも前記塗膜表面の平滑度が小さい成形品。 - 請求項1に記載の成形品において、
互いに隣り合う前記各塗膜表面の形態が異なる成形品。 - 請求項1に記載の成形品において、
前記各塗膜部が、平面略円形であるとともに密集配置され、互いに隣り合う前記各塗膜表面の形態が異なる成形品。 - 請求項1に記載の成形品において、
前記各塗膜部が、前記基材表面に沿って連続する成形品。 - 基材と、
前記基材の基材表面に所定間隔で形成される塗膜部と、を備え、
前記塗膜部が、互いに隣接する第1塗膜部および第2塗膜部を有する成形品。 - 請求項5に記載の成形品において、
前記基材表面、前記第1塗膜部、前記第2塗膜部が互いに異なる色である成形品。 - 請求項1ないし請求項6のうちのいずれか1項に記載の成形品において、
前記塗膜部の高さ寸法が5μm〜40μmである成形品。 - 請求項1ないし請求項7のうちのいずれか1項に記載の成形品において、
前記各塗膜部間の離間寸法が0.1mm〜0.8mmである成形品。
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