JP2013188759A - 等速自在継手用外側継手部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外側継手部材の生産性向上および歩留向上を図る。
【解決手段】一端が開口したカップ部2を有し、カップ部2の内径面4に軸方向に延びる複数のトラック溝5が設けられた外側継手部材1の製造方法である。外側継手部材1は、棒状素材から、内径面にトラック溝が粗成形されたカップ状部2”を有する中間鍛造品1”を得る前鍛造工程や、中間鍛造品1”にしごき加工を施すことにより、トラック溝5が仕上がり形状に成形された最終鍛造品1’を得るしごき工程などを経て製造される。前鍛造工程では、中間鍛造品1”のカップ状部2”の開口端面13に、しごき加工に伴って最終鍛造品1’のカップ状部2’の開口端面に生じるうねりとは凹部と凸部の配置態様が反対の凹凸形状部14を型成形する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、自動車、航空機、船舶および各種産業機械などの動力伝達系において使用され、駆動側と従動側の二軸間で回転動力を等速で伝達する等速自在継手用の外側継手部材の製造方法に関する。
周知のように、等速自在継手は、角度変位のみを許容する固定式等速自在継手と、角度変位および軸方向変位を許容する摺動式等速自在継手とに大別される。等速自在継手は、固定式であるか摺動式であるかに関わらず、一端が開口したカップ部を有し、カップ部の内径面に軸方向に延びる複数のトラック溝が設けられた外側継手部材と、外側継手部材のカップ部の内周に収容される内側継手部材やトルク伝達部材などの継手内部部品とを主要な構成部材として備える。これら継手構成部材のうち、外側継手部材は、切削や旋削などの機械加工、および鍛造などの塑性加工を駆使して製造されるが、生産効率や歩留の向上を図るため可能な限りにおいて塑性加工を採用する場合が多い。
一例として、下記の特許文献1には、摺動式等速自在継手の一種であるトリポード型等速自在継手の外側継手部材、特に、一端が開口し、内径面に軸方向に延びる複数の直線状トラック溝が設けられたカップ部と、このカップ部の他端から軸方向外方に延びる軸部とを一体に備える外側継手部材を、各種鍛造工程を経て製造する方法が記載されている。具体的には、据え込み、前方押し出しおよび後方押し出しなどを順次施すことにより、棒状素材から、内径面にトラック溝が粗成形されたカップ状部を有する中間鍛造品を得る前鍛造工程と、中間鍛造品のカップ状部にしごき加工を施すことにより、トラック溝が仕上がり形状(完成品形状)に成形された最終鍛造品を得るしごき工程とを含む外側継手部材の製造方法である。
なお、上記のような製造方法(手順)は、摺動式等速自在継手用の外側継手部材のみならず、アンダーカットフリー型に代表される固定式等速自在継手用の外側継手部材を製造する際にも好ましく適用し得る。
特開2002−213476号公報
ところで、上記のような手順を踏んで外側継手部材を得るようにした場合、図9(a)に示すように、最終鍛造品100のカップ状部101の開口端面102は、トラック溝103の形成領域およびトラック溝103間領域がそれぞれ凸状および凹状となるようにして大きく波打つ(うねる)ことが多く、その結果として、必要とされるカップ深さを全周に亘って確保することができない場合がある。この対策として、現状では、比較的大きな棒状素材を使用して中間鍛造品、ひいては最終鍛造品100を得た後、うねりが生じたカップ状部101の開口端面102を所定量旋削することにより、必要とされるカップ深さを全周に亘って確保した外側継手部材の最終鍛造品100を得るようにしている。しかしながら、このようにすると、大幅な端面仕上げが必須となるために生産性を効果的に高め得ないという問題がある他、必要以上に大きな棒状素材を使用する必要があるために歩留の低下を招来する。
最終鍛造品100のカップ状部101の開口端面102に生じるうねりは、しごき加工に伴う中間鍛造品のカップ状部の肉厚減少率が中間鍛造品のカップ状部の周方向各部間で異なること、すなわち図9(b)に示すように、しごき加工に供される中間鍛造品100’のカップ状部101’の肉厚が周方向の各部で異なること、を主たる要因として生じるものと考えられる。そのため、外側継手部材のカップ部の周方向各部間での肉厚差が小さくなるような製品設計を行えば、上記の問題を緩和、もしくは解消し得るとも考えられる。しかしながら、外側継手部材のカップ部の周方向各部における肉厚は、等速自在継手の機能・性能等を考慮して決定付けられるものであることから、安易に変更することはできない。
このような実情に鑑み、本発明の目的は、等速自在継手の機能・性能に影響を及ぼすことなく、等速自在継手の一構成部材である外側継手部材の生産性および歩留の向上を図り、もって等速自在継手の低コスト化に寄与することにある。
上記の目的を達成するために創案された本発明は、一端が開口したカップ部を有し、カップ部の内径面に軸方向に延びる複数のトラック溝が設けられた等速自在継手用外側継手部材の製造方法であって、棒状素材から、内径面のトラック溝が粗成形されたカップ状部を有する中間鍛造品を得る前鍛造工程と、中間鍛造品にしごき加工を施すことにより、内径面に仕上がり形状のトラック溝が成形されたカップ状部を有する最終鍛造品を得るしごき工程とを含み、前鍛造工程では、中間鍛造品のカップ状部の開口端面に、しごき加工に伴って最終鍛造品のカップ状部の開口端面に生じるうねりとは凹部と凸部の配置態様が反対の凹凸形状部を型成形することを特徴とする。
このようにすれば、しごき加工に伴って最終鍛造品の開口端面に生じるうねりの程度を、特段の加工コスト増を招くことなく軽減する(うねりを構成する凹部と凸部の高低差を小さくする)ことができる。これにより、最終鍛造品の端面仕上げ量(旋削量)を少なくして生産性を向上することができる他、端面仕上げ量を減少し得る分だけ体積の小さい棒状素材を使用することが可能となり、歩留向上を図ることができる。特に、うねりの程度が大幅に軽減されれば、最終鍛造品に対する端面仕上げを省略することが可能となる。また、本発明の構成を採用すれば、製品設計上、カップ部の周方向各部の肉厚を変更する必要はなく、従って、等速自在継手の機能・性能等に影響が及ぶことはない。以上のことから、本発明によれば、等速自在継手の機能・性能に影響を及ぼすような設計変更を行うことなく、その一構成部材である外側継手部材の生産性および歩留の向上を図り、もって等速自在継手の低コスト化に寄与することができる。
外側継手部材のカップ部は、薄肉部と厚肉部とを周方向で交互に配して構成されるのが一般的であり、またトラック溝(の溝底面)は、薄肉部の内径面で構成されるのが一般的である。さらに、しごき加工に伴う肉厚減少率(軸方向の伸長変形量)は、相対的に厚肉の部分よりも相対的に薄肉の部分で大きくなる。そのため、前鍛造工程では、トラック溝が粗成形された周方向領域と、凹凸形状部の凹部が型成形された周方向領域とが一致したカップ状部を有する中間鍛造品を得るようにするのが望ましい。これにより、最終鍛造品の開口端面のうねり量を効果的に低減することができる。
前鍛造工程は複数の鍛造ステップを含んで構成されるのが一般的である。そして、その最終鍛造ステップ(例えば後方押し出し)で粗成形されたトラック溝を有するカップ状部を成形するのと同時に、上記の凹凸形状部を型成形することができる。このとき、凹凸形状部は、トラック溝の粗成形用パンチに設けた成形型部で型成形しても良いし、トラック溝の粗成形用パンチとは別の成形金型に設けた成形型部で型成形するようにしても良い。
また、凹凸形状部の型成形と、内径面に粗成形されたトラック溝を有するカップ状部の成形とは別の鍛造ステップで実行するようにしても良い。具体的には、凹凸形状部を型成形した後の鍛造ステップで、内径面に粗成形されたトラック溝を有するカップ状部を得ることができる。
本発明は、カップ部の他端から軸方向外方に延びる軸部を一体に有する外側継手部材を製造する際にも好ましく適用することができる。
本発明は、各トラック溝が直線状部分のみで構成された外側継手部材、例えばトリポード型等速自在継手(TJ)やダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)などに代表される摺動式等速自在継手用の外側継手部材を製造する際に適用することができる。また、本発明は、各トラック溝が、相対的にカップ部の一端側(開口端部側)に位置する直線状部分と、相対的にカップ部の他端側(反開口端部側)に位置する円弧状部分とで構成された外側継手部材、例えば固定式等速自在継手の一種であるアンダーカットフリー型等速自在継手(UJ)用の外側継手部材を製造する際に適用することもできる。
以上に示すように、本発明によれば、等速自在継手の機能・性能に影響を及ぼすことなく、等速自在継手の一構成部材である外側継手部材の生産性および歩留の向上を図ることができる。これにより、等速自在継手の低コスト化に寄与することができる。
(a)図は本発明の一実施形態に係る製造方法を用いて製造した外側継手部材を備える等速自在継手の概略断面図である。 (a)〜(c)図は前鍛造工程の各鍛造プロセスで得られる途中製品の概略側面図であり、(d)図は前鍛造工程の最終鍛造プロセスで得られる中間鍛造品の概略側面図である。 (a)図は中間鍛造品の概略正面図、(b)図は(a)図中に示すX−X線矢視概略断面図を含む中間鍛造品の側面図である。 前鍛造工程のうち、最終鍛造加工プロセスを模式的に示す断面図である。 部分断面を含む最終鍛造品の側面図である。 他の実施形態に係る最終鍛造加工プロセスを模式的に示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る製造方法を模式的に示す図であり、(a)図は前鍛造工程のうち第3の鍛造プロセスを模式的に示す断面図、(b)図は前鍛造工程のうち最終鍛造プロセスを模式的に示す断面図である。 (a)図および(b)図共に、他の実施形態に係る中間鍛造品の部分側面図である。 (a)図は、従来方法で製造された外側継手部材の最終鍛造品の部分断面を含む側面図であり、(b)図は、(a)図に示す最終鍛造品に成形される中間鍛造品の正面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下では、便宜上、まず本発明の一実施形態に係る製造方法を用いて製造された外側継手部材を備える等速自在継手について図1を参照しながら説明し、続いて、本発明に係る外側継手部材の製造方法の一実施形態を図2〜図5に基づいて説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係る製造方法を用いて製造された外側継手部材を備える等速自在継手Aを示す。同図に示す等速自在継手Aは、角度変位のみを許容する固定式等速自在継手の一種である6個ボールタイプのアンダーカットフリー型等速自在継手(UJ)であって、カップ部2および軸部3を一体に有する外側継手部材1と、カップ部2の内周に収容された内側継手部材20と、カップ部2と内側継手部材20との間に配置された6個のボール30と、カップ部2の内径面4と内側継手部材20の外径面21との間に配置され、ボール30を円周方向所定間隔で保持する保持器31とを備える。なお、ボール30の配置個数は、8個、10個あるいは12個とすることもできる。
内側継手部材20の内周には、例えばスプライン嵌合によってシャフト32が連結されており、このシャフト32および外側継手部材1のカップ部2に、蛇腹状をなしたブーツ33の一端および他端がそれぞれ固定されている。かかる態様でブーツ33を固定したことにより、継手内部に封入されたグリース(潤滑剤)の外部漏洩、さらには継手内部への異物浸入が可及的に防止される。
外側継手部材1のカップ部2の内径面4および内側継手部材20の外径面21には、軸方向に延びたトラック溝5,22が60°ピッチで設けられており、外側継手部材1と内側継手部材20の対をなすトラック溝5,22で形成されるボールトラックのそれぞれにボール30が配置されている。外側継手部材1のトラック溝5は、カップ部2の開口端部側に位置する直線状部分と、カップ部2の反開口端部側に位置する円弧状部分とで構成され、内側継手部材20のトラック溝22は、カップ部2の開口端部側に位置する円弧状部分と、カップ部2の反開口端部側に位置する直線状部分とで構成される。外側継手部材1のトラック溝5の円弧状部分の曲率中心および内側継手部材20のトラック溝22の曲線状部分の曲率中心は、継手中心Oに対して互いに軸方向反対側に等距離オフセットした点にある。軸直交断面図は省略するが、カップ部2は、相対的に厚肉の厚肉部6と、相対的に薄肉の薄肉部7とを周方向で交互に6つずつ配して構成され、薄肉部7の内径面でトラック溝5(の溝底面)が構成されている。
以下、本発明に係る外側継手部材の製造方法についての一実施形態であって、以上で述べた外側継手部材1を製造するための方法について説明する。大まかに述べると、外側継手部材1は、図2(d)および図3(a)(b)に示す中間鍛造品1”を得るための前鍛造工程と、図5に示す最終鍛造品1’を得るためのしごき工程と、最終鍛造品1’の各部を完成品形状に仕上げる仕上げ工程と、完成品形状に仕上げられた最終鍛造品1’に熱処理を施す熱処理工程とを順に経て完成する。
前鍛造工程では、複数の鍛造ステップ(本実施形態では4つのステップ)を経ることにより、図示しない棒状素材から図2(d)および図3(a)(b)に示すカップ状部2”を備えた中間鍛造品1”を得る。具体的には、まず、第1の鍛造ステップで図示しない棒状素材に据え込み加工を施すことにより、図2(a)に示すように、一端外周縁部が丸められた第1の途中製品M1を得る。次いで、第2の鍛造ステップで第1の途中製品M1に前方押し出し加工を施すことにより、図2(b)に示すように、一端側に相対的に大径の大径部を有すると共に、他端側(外周縁部が丸められた側)に相対的に小径の軸状部3’(最終的に軸部3に仕上げられる部位)を有する第2の途中製品M2を得る。次いで、第3の鍛造ステップで第2の途中製品M2の大径部に据え込み加工を施し、大径部を軸方向に圧縮変形させると共に径方向に膨張変形させることにより、図2(c)に示すように、据え込み部10および軸状部3’を有する第3の途中製品M3を得る。そして、最終鍛造ステップとしての第4の鍛造ステップで、第3の途中製品M3の据え込み部10に対して後方押し出し加工を施すことにより、図2(d)および図3(a)(b)に示すように、カップ状部2”を有する中間鍛造品1”を得る。
中間鍛造品1”のカップ状部2”は、図3(a)に示すように、厚肉部11と薄肉部12とを周方向で交互に配して構成され、各薄肉部12の内径面に粗成形されたトラック溝5”を有する。カップ状部2”は、図1に示す外側継手部材1のカップ部2よりも厚肉でかつ軸方向に短寸である。従って、カップ状部2”の内径面に粗成形されたトラック溝5”は、外側継手部材1のカップ部2の内径面4に設けられるトラック溝5よりも軸方向に短寸である。
カップ状部2”の開口端面13は、凹部15と凸部16を周方向に交互に配することで構成された凹凸形状部14を有する。この凹凸形状部14は、後述するしごき工程でカップ状部2”にしごき加工を施すことにより、カップ状部2”よりも軸方向寸法が長寸のカップ状部2’を有する最終鍛造品1’(図5参照)を得たときに、最終鍛造品1’のカップ状部2’の開口端面(開口端部)に生じるうねりの程度を軽減するため、すなわち、略平坦な開口端面を有するカップ状部2’を得るために設けられている。従って、凹凸形状部14を構成する凹部15と凸部16の配置態様は、最終鍛造品1’のカップ状部2’の開口端面に生じるうねりの凹凸態様とは反対とされている。
一般に、筒状のワークにしごき加工を施した場合、しごき加工に伴うワークの軸方向の伸長変形量(肉厚減少率)は、厚肉部分よりも薄肉部分で大きくなる。そのため、上記の凹凸形状部14が設けられることなく開口端面が平坦に形成された中間鍛造品のカップ状部にしごき加工を施した場合、最終鍛造品のカップ状部の開口端面は、図9(a)に示すように薄肉部および厚肉部の形成領域でそれぞれ凸状および凹状となる。従って、凹凸形状部14を構成する凹部15は、カップ状部2”を構成する薄肉部12の形成領域(カップ状部2”の内径面のうち粗成形されたトラック溝5”を有する領域)に設けられる一方で、凸部16は、カップ状部2”を構成する厚肉部11の形成領域(カップ状部2”の内径面のうち粗成形されたトラック溝5”,5”間領域)に設けられる。上記した凹凸形状部14の機能から、凹部15の深さ寸法(凹部15の底部と凸部16の頂部との高低差)は、しごき加工に伴うカップ状部2”の厚肉部11と薄肉部12の伸長変形量の差と概ね等しく設定され、加工条件等を考慮して0.1mm〜10mmの範囲内で任意に設定される。なお、本実施形態において、凹部15は、カップ状部2”の開口端面13に部分円筒面状の凹曲面を設けることで構成されている。
上記した凹凸形状部14は、内径面に粗成形されたトラック溝5”を有するカップ状部2”(中間鍛造品1”)を成形するのと同時に型成形される。ここでは、図4に示す第3の途中製品M3に後方押し出し加工を施すための鍛造金型のうち、粗成形されたトラック溝5”を有するカップ状部2”を得るためのパンチ52に、凹凸形状部14に対応した成形型部N(図中クロスハッチングで示す。後述する実施形態においても同様である。)を設けている。従って、第3の途中製品M3をダイス51に投入した後、ダイス51に対してパンチ52を相対的に接近移動させて第3の途中製品M3に後方押し出し加工を施すと、内径面に粗成形されたトラック溝5”を有するカップ状部2”が得られるのと同時に、カップ状部2”の開口端面13に凹凸形状部14が型成形される。
以上のようにして得られた中間鍛造品1”はしごき工程に移送される。そして、中間鍛造品1”のカップ状部2”にしごき加工を施してカップ状部2”を軸方向に伸長変形させることにより、内径面に仕上がり形状のトラック溝5’が成形されたカップ状部2’を有する最終鍛造品1’を得る。しごき加工に供される中間鍛造品1”のカップ状部2”の開口端面13には上記の凹凸形状部14が設けられていることから、しごき加工が完了すると、図5に示すように、開口端面のうねりが少ない(開口端面が略平坦の)カップ状部2’を備えた最終鍛造品1’が得られる。
そして、最終鍛造品1’は、仕上げ工程に移送される。仕上げ工程では、鍛造加工では成形するのが難しい部位(例えば、カップ部2の外径面に設けるべきブーツ33の一端部を固定するための環状溝や、軸部3の自由端外径に設けるべきスプライン等)を形成する加工、さらに必要に応じてカップ状部2’の開口端面を所定量旋削する加工などを施すことにより、最終鍛造品1’の全体を完成品形状に仕上げる。そして、全体が完成品形状に仕上げられた最終鍛造品1’に焼入れ等の熱処理を施すことにより、図1に示す外側継手部材1が完成する。
以上で示したように、本発明に係る外側継手部材1の製造方法では、前鍛造工程において、中間鍛造品1”のカップ状部2”の開口端面13に、しごき加工に伴って最終鍛造品1’のカップ状部2’の開口端面に生じるうねりとは凹部と凸部の配置態様が反対の凹凸形状部14を型成形するようにした。より具体的に述べると、前鍛造工程では、しごき加工に伴う肉厚減少率(軸方向の伸長変形量)を考慮し、粗成形されたトラック溝5”が存する周方向領域と一致させるようにして、凹凸形状部14の凹部15を型成形した。
このようにすれば、しごき加工に伴って最終鍛造品1’のカップ状部2’の開口端面に生じるうねりの程度を特段の加工コスト増を招くことなく軽減する(うねりを構成する凹部と凸部の高低差を小さくする)ことができる。これにより、最終鍛造品1’の端面仕上げ量(旋削量)を少なくして生産性を向上することができる他、端面仕上げ量を減少し得る分だけ体積の小さい棒状素材を使用することが可能となり、歩留向上を図ることができる。特に、カップ状部2’の開口端面に生じたうねりが無視し得る程度に小さいのであれば、最終鍛造品1’に対する端面仕上げを省略することが可能となる。また、本発明の構成を採用すれば、製品設計上、カップ部2の周方向各部の肉厚を変更する必要はなく、従って、図1に示す等速自在継手Aの機能・性能等に影響が及ぶことはない。以上のことから、本発明によれば、等速自在継手Aの機能・性能に影響を及ぼすような設計変更を行うことなく、その一構成部材である外側継手部材1の生産性および歩留の向上を図り、もって等速自在継手Aの低コスト化に寄与することができる。
以上、本発明の一実施形態に係る外側継手部材1の製造方法について説明を行ったが、本発明は、上記の実施形態に限定適用されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、以上の実施形態では、図4を参照して説明したように、中間鍛造品1”のカップ状部2”の内径面を成形するためのパンチ52(前鍛造工程に含まれる複数の鍛造ステップのうち最終鍛造ステップで使用するパンチ52)に、凹凸形状部14を型成形するための成形型部Nを設け、粗成形されたトラック溝5”を有するカップ状部2”を成形するのと同時に、凹凸形状部14をカップ状部2”の開口端面13に型成形するようにしたが、凹凸形状部14を型成形するための成形型部Nは、図6に示すように、パンチ52とは別に設けた金型53に設けるようにしても構わない。
また、凹凸形状部14は、必ずしもカップ状部2”を成形するのと同時に型成形する必要はなく、両者は別の鍛造ステップで成形するようにしても構わない。例えば、図7(a)に示すように、据え込み部10を有する第3の途中製品M3を得るための第3鍛造ステップで使用する鍛造金型のうち、パンチ62の端面に凹凸形状部14を型成形するための成形型部Nを設けておき、このパンチ62およびダイス61を使用して据え込み部10を成形するのと同時に、据え込み部10の端面(の外径側領域)に凹凸形状部14が型成形された第3の途中製品M3を得る。次いで、図7(b)に示すように、凹凸形状部14を型成形するための成形型部Nを有さないパンチ52およびダイス51を使用して第3の途中製品M3に後方押し出し加工を施し、内径面に粗成形されたトラック溝5”を有するカップ状部2”(中間鍛造品1”)を得る。
また、凹凸形状部14を構成する凹部15の形態も上記したものに限定されるわけではない。すなわち、上記した実施形態では、カップ状部2”の開口端面13に設けた部分円筒面状の凹曲面で凹部15を構成したが、例えば図8(a)に示すように、2つのテーパ面を組み合わせて凹部15を構成しても良いし、図8(b)に示すように、円弧面と平坦面とを組み合わせて凹部15を構成しても良い。
また、以上では、前鍛造工程を4つの鍛造ステップで構成した場合(中間鍛造品1”を4つの鍛造ステップを経て得る場合)に本発明を適用したが、中間鍛造品1”を3以下又は5以上の鍛造ステップを得て得る場合にも本発明は好ましく適用し得る。
また、以上では、固定式等速自在継手の一種である6個ボールタイプのアンダーカットフリー型等速自在継手(UJ)用の外側継手部材を製造する際に本発明を適用する場合について説明を行ったが、6個ボールタイプ以外にも、8個ボールタイプ、10個ボールタイプおよび12個ボールタイプのUJ用外側継手部材を製造する場合においても、本発明は好ましく適用し得る。
また、本発明は、上述したような固定式等速自在継手用の外側継手部材を製造する場合のみならず、摺動式等速自在継手用の外側継手部材を製造する際に適用することも可能である。摺動式等速自在継手とは、角度変位および軸方向変位の双方を許容するものであり、トリポード型等速自在継手(TJ)やダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)が代表例として挙げられる。これら摺動式等速自在継手用の外側継手部材では、一般に、トラック溝が直線状部分のみで構成される。
1 外側継手部材
1’ 最終鍛造品
1” 中間鍛造品
2 カップ部
2’ カップ状部
2” カップ状部
3 軸部
3’ 軸状部
5 トラック溝
5’ トラック溝(粗成形されたトラック溝)
11 厚肉部
12 薄肉部
13 開口端面
14 凹凸形状部
15 凹部
16 凸部
52 パンチ(粗成形用パンチ)
62 パンチ
A 等速自在継手
M1 第1の途中製品
M2 第2の途中製品
M3 第3の途中製品
N 成形型部

Claims (9)

  1. 一端が開口したカップ部を有し、該カップ部の内径面に軸方向に延びる複数のトラック溝が設けられた等速自在継手用外側継手部材の製造方法であって、
    棒状素材から、内径面にトラック溝が粗成形されたカップ状部を有する中間鍛造品を得る前鍛造工程と、前記中間鍛造品にしごき加工を施すことにより、内径面にトラック溝が仕上がり形状に成形されたカップ状部を有する最終鍛造品を得るしごき工程とを含み、
    前記前鍛造工程では、前記中間鍛造品のカップ状部の開口端面に、しごき加工に伴って前記最終鍛造品のカップ状部の開口端面に生じるうねりとは凹部と凸部の配置態様が反対の凹凸形状部を型成形することを特徴とする等速自在継手用外側継手部材の製造方法。
  2. 前記前鍛造工程では、トラック溝が粗成形された周方向領域と、前記凹凸形状部の凹部が型成形された周方向領域とが一致したカップ状部を有する中間鍛造品を得るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手用外側継手部材の製造方法。
  3. 前記前鍛造工程は複数の鍛造ステップを含み、その最終鍛造ステップで、内径面に粗成形されたトラック溝を有するカップ状部を成形するのと同時に、前記凹凸形状部を型成形する請求項1又は2に記載の等速自在継手用外側継手部材の製造方法。
  4. トラック溝の粗成形用パンチに設けた成形型部で前記凹凸形状部を型成形する請求項3に記載の等速自在継手用外側継手部材の製造方法。
  5. トラック溝の粗成形用パンチとは別の成形金型に設けた成形型部で前記凹凸形状部を型成形する請求項3に記載の等速自在継手用外側継手部材の製造方法。
  6. 前記前鍛造工程は複数の鍛造ステップを含み、前記凹凸形状部の型成形と、内径面に粗成形されたトラック溝を有するカップ状部の成形とを別の鍛造ステップで実行する請求項1又は2に記載の等速自在継手用外側継手部材の製造方法。
  7. 前記凹凸形状部を型成形した後の鍛造ステップで、内径面に粗成形されたトラック溝を有するカップ状部を得る請求項6に記載の等速自在継手用外側継手部材の製造方法。
  8. トラック溝が、直線状部分のみで構成されるものに適用する請求項1〜7の何れか一項に記載の等速自在継手用外側継手部材の製造方法。
  9. トラック溝が、相対的に一端側に位置する直線状部分と、相対的に他端側に位置する円弧状部分とで構成されるものに適用する請求項1〜7の何れか一項に記載の等速自在継手用外側継手部材の製造方法。
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