JP2013185543A - ターボ機械及び過給機 - Google Patents

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Abstract

【課題】シャフトとインペラとがネジ締結されるターボ機械において、シャフト先端の周囲の応力集中を緩和するための溝部を形成しつつもインペラの軸部の長さを出来る限り短くする。
【解決手段】ネジ孔10とバランス調節室12との間に設けられると共にインペラ4bの回転軸L方向から見てシャフトを囲う環状の溝部11を備え、インペラ4bの回転軸Lを含む平面で切断した溝部11の底部11aの断面形状は、円弧からなる形状である。
【選択図】図2

Description

本発明は、ターボ機械及び過給機に関するものである。
従来の過給機や産業用の圧縮機等では、コンプレッサインペラを軸方向に貫いたシャフトの先端をボルト締めすることによってシャフトとコンプレッサインペラとが締結されている。
ところが、過給機等の要求性能が高まり、コンプレッサインペラがより高い回転数で回転されるようになると、遠心力が大きくなり、コンプレッサインペラの特に最大外径部(最も半径が大きな部位)の中心部にて発生する応力が高まることになる。このとき、コンプレッサインペラの内部に上記シャフトが挿通される貫通孔が形成されていると、最大外径部にてコンプレッサインペラの内部が中空となることから、コンプレッサインペラの内部に対して局所的に高い応力が発生してしまい、コンプレッサインペラの寿命を低下させる原因となる。
このため、特許文献1に示すように、コンプレッサインペラに対して、軸方向に見て、最大外径部に到達しない深さのネジ孔を形成し、シャフトを貫通させずにコンプレッサインペラに対してネジ締結する構成が採用されている。このような構成によって、最大外径部においてコンプレッサインペラの内部が中実となり、コンプレッサインペラの中心部の応力を分散し、局所的に高い応力が発生することを抑制することが可能となる。
特開2009−174358号公報
近年は、過給機等にさらに高い性能が要求されており、コンプレッサインペラをさらに高速にて回転させる必要が生じている。しかしながら、さらに高速にてコンプレッサインペラを回転させると、ネジ締結にて螺合されるシャフトの先端部の周囲にてコンプレッサインペラに対して局所的に高い応力が発生することが分かった。このため、シャフト先端部の周囲における応力を低減させる工夫が必要となる。
そこで、シャフトの先端部の奥側に溝部を形成し、応力集中を緩和する方法が考えられる。しかしながら、上述のように最大外径部においてコンプレッサインペラの内部を中空にすることはできないことから、上述のような溝部を設けるときには、コンプレッサインペラの軸部を長くし、溝部を設ける領域を確保する必要がある。
一般的には、シャフトが螺合されるネジ孔の奥には、錘等を配置することによってコンプレッサインペラのバランスを調節するためのバランス調節室が設けられている。このバランス調節室も当然ながら、最大外径部よりも手前側に配置されている。このようなバランス調節室が設けられている場合には、バランス調節室とネジ孔との間に上述の溝部を設けることになり、最大外径部の手前側にネジ孔と溝部とバランス調節室とを設けることになり、コンプレッサインペラの軸部がさらに長くなってしまう。
コンプレッサインペラの軸部が長くなると、軸受からのオーバーハングが大きく回転が不安定となり、運転中の軸振動が大きくなる。このため、シャフト先端の周囲に溝部を設ける場合であっても、出来る限りコンプレッサインペラの軸部の長さを短くする必要がある。なお、このような課題は、コンプレッサインペラを備える過給機等のみに生じるものではなく、シャフトとインペラとがネジ締結されるターボ機械において同様に生じるものである。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、シャフトとインペラとがネジ締結されるターボ機械において、シャフト先端の奥側に応力集中を緩和するための溝部を形成しつつもインペラの軸部の長さを出来る限り短くすることを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
第1の発明は、インペラと、該インペラにネジ締結されるシャフトと、上記インペラに対する上記シャフトの挿入方向にて、上記シャフトが螺合されるネジ孔の奥に配置されるバランス調節室とを備えるターボ機械であって、上記ネジ孔と上記バランス調節室との間に設けられると共に上記インペラの回転軸方向から見て上記シャフトを囲う環状の溝部を備え、上記インペラの回転軸を含む平面で切断した上記溝部の底部の断面形状が、複数円弧が繋がれた形状あるいは単数の円弧からなる形状であるという構成を採用する。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記インペラの回転軸を含む平面で切断した上記溝部の底部の断面形状が、上記インペラの最大外径部に近い側に配置される第1円弧と、上記最大外径部から遠い側に配置されると共に上記第1円弧よりも曲率半径の小さな第2円弧とが繋がれた形状であるという構成を採用する。
第3の発明は、コンプレッサインペラと、該コンプレッサインペラに締結されるシャフトと、上記インペラに対する上記シャフトの挿入方向にて、上記シャフトが螺合されるネジ孔の奥に配置されるバランス調節室とを備える過給機であって、上記第1または第2の発明であるターボ機械からなるという構成を採用する。
本発明は、ネジ孔とバランス調節室との間に設けられると共にシャフトの挿入方向から見てシャフトを囲う環状の溝部を備えている。このため、シャフト先端の周囲においてインペラに対して大きな応力が発生することを防止することができる。
また、本発明は、インペラの回転軸を含む平面における溝部の底部の断面形状は、複数円弧が繋がれた形状あるいは単数の円弧からなる形状である。つまり、本発明において、溝部の底部の断面形状は、単数あるいは複数の円弧のみによって形成される形状とされている。このため、同断面形状において直線部を含むような底面形状である場合と比較して、インペラの回転軸方向における溝部の奥行き長さを小さくすることができる。
したがって、本発明によれば、シャフトとインペラとがネジ締結されるターボ機械において、シャフト先端の周囲の応力集中を緩和するための溝部を形成しつつもインペラの軸部の長さを出来る限り短くすることが可能となる。さらに、本発明によれば、底部が屈曲のない滑らかな形状となることから、底部が屈曲された角部を有するときよりも発生する応力を低減させることができる。
本発明の第1実施形態における過給機の概略構成を示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態における過給機が備えるシャフトとコンプレッサインペラとの螺合部分及びその周囲を含む要部拡大図である。 本発明の第1実施形態における過給機に基づいたモデルを用いたシミュレーションについて説明するための図であり、(a)が第2シミュレーションで用いたモデルの概略図であり、(b)が第3シミュレーションで用いたモデルにおける背面形状を示すグラフである。 本発明の第1実施形態における過給機に基づいたモデルを用いた第3シミュレーションの結果を示すグラフであり、(a)が半径R1と半径R2との比(R1/R2)と、最奥面での応力との関係を示すグラフであり、(b)が半径R1と半径R2との比(R1/R2)と、翼付け根での応力との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態における過給機が備えるシャフトとコンプレッサインペラとの螺合部分及びその周囲を含む要部拡大図である。
以下、図面を参照して、本発明に係るターボ機械及び過給機の一実施形態について説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。また、以下の説明においては、本発明に係るターボ機械の構成を採用する過給機について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の過給機1の概略構成を示す縦断面図である。この図に示すように、過給機1は、内燃機関等から排気される排気ガスを受けて回転動力を生成するタービン2と、タービン2によって生成された回転動力を伝達する軸部3と、軸部3から伝達される回転動力によって空気を圧縮するコンプレッサ4とを備えている。
タービン2は、タービンハウジング2aと、タービンインペラ2bとを備えている。タービンハウジング2aは、タービンインペラ2bを収容すると共に、タービンインペラ2bの収容空間に接続される複数の排気ガス流路(スクロール流路2c及び排気流路2d)を備える容器である。タービンインペラ2bは、スクロール流路2cから排気流路2dに流れる排気ガスを受けて回転駆動されるラジアルインペラである。
軸部3は、軸部ハウジング3aと、ベアリング3bと、シャフト3cとを備えている。軸部ハウジング3aは、ベアリング3b及びシャフト3cを収容する容器であり、タービンハウジング2aに固定されている。ベアリング3bは、軸部ハウジング3aの内部に収容されており、シャフト3cを回転可能に支持する。シャフト3cは、一端部がタービンインペラ2bと接続され、他端部がコンプレッサ4の後述のコンプレッサインペラ4bと接続されている。なお、以下の説明においては、コンプレッサインペラ4b側をシャフト3cの先端側と称する。
シャフト3cの先端部3dには、ネジ溝が形成されている。この先端部3dがコンプレッサインペラ4bと螺合されることによって、シャフト3cとコンプレッサインペラ4bとが締結される。なお、シャフト3cとコンプレッサインペラ4bとの螺合部分及びその周囲の構造は、後に詳細に説明する。
コンプレッサ4は、コンプレッサハウジング4aと、コンプレッサインペラ4bとを備えている。コンプレッサハウジング4aは、コンプレッサインペラ4bを収容すると共に、コンプレッサインペラ4bの収容空間に接続される複数の空気流路(吸気流路4cとスクロール流路4d)を備える容器である。コンプレッサインペラ4bは、シャフト3cを介して伝達される回転動力によって回転駆動され、吸気流路4cから供給される空気を圧縮してスクロール流路4dに吐出するラジアルインペラである。このコンプレッサインペラ4bは、シャフト3cが連結される軸部4baと、軸部4baと一体化されたベース部4bbと、ベース部4bbに支持される複数の翼4bcとを備えている。
このような過給機1では、タービンインペラ2b、シャフト3c及びコンプレッサインペラ4bが、一体となって、図1に示す回転軸Lを中心として回転される。そして、タービン2において回転動力が生成され、この回転動力が軸部3を介してコンプレッサ4に伝達され、コンプレッサ4において圧縮空気が生成される。
続いて、図2を参照して、シャフト3cとコンプレッサインペラ4bとの螺合部分及びその周囲について、より詳細に説明する。図2(a)は、シャフト3cとコンプレッサインペラ4bとの螺合部分及びその周囲を含む拡大図であり、図2(b)は、(a)の領域αのさらなる拡大図である。
図2(a)及び図2(b)に示すように、本実施形態の過給機1において、コンプレッサインペラ4bの軸部4baには、ネジ孔10と、溝部11と、バランス調節室12とが一体とされた穴が設けられている。これらのネジ孔10と、溝部11と、バランス調節室12は、この順番にて、コンプレッサインペラ4bの端面4b1側から順に配列されている。
ネジ孔10は、軸部4baの端面4b1に開口されており、シャフト3cの先端部3dに形成されたネジ溝(雄ネジ)に嵌め合わされるネジ溝(雌ネジ)が内壁面に設けられている。このネジ孔10の深さは、シャフト3cとコンプレッサインペラ4bとが締結されたときに、シャフト3cの先端が配置される位置と一致されている。
溝部11は、ネジ孔10とバランス調節室12との間に設けられている。また、溝部11は、回転軸L方向から見て、回転軸Lを中心とし、シャフト3cを半径方向外側から囲う環状とされている。この溝部11は、回転軸Lを中心とする周方向において同じ深さで設けられており、回転軸Lを含む平面による断面形状が周方向で同一とされている。
このような溝部11の底部11a(回転軸Lを中心とする半径方向外側の部位)の形状は、回転軸Lを含む平面(図1及び図2の紙面となる面)にて溝部11を切断したときに、曲率半径がRa(例えば1mm)の半円弧Yからなる形状とされている(図2(b)参照)。つまり、底部11aの断面形状は、1つの(単数)の円弧Yからなる形状とされている。このような溝部11は、例えば回転軸Lを中心として旋盤によってコンプレッサインペラ4bを削ることによって容易に形成することができる。また、上記円弧Yの曲率半径Raは、底部11aの湾曲の程度が、溝部11の底部11aにおいて局所的に大きな応力が発生しない程度となるように設定される。
バランス調節室12は、シャフト3cをコンプレッサインペラ4bに挿入するときの挿入方向において、ネジ孔10の奥に配置されており、略円柱形状とされた空間である。このバランス調節室12は、コンプレッサインペラ4bの初期アンバランスを除去する際に使用するものである。すなわちこのバランス調整室12に油圧をかけてコンプレッサインペラ4bを浮上させ、エアでコンプレッサインペラ4bを回転させてアンバランス量を計測し、不要なアンバランスを除去する。その結果、アンバランスの少ないコンプレッサインペラ4bを製作することができる。
以上のような構成を有する本実施形態の過給機1では、本来であれば、局所的に高い応力が発生するシャフト3cの先端の奥側に溝部11が設けられている。この溝部11によって、応力集中が緩和され、シャフト3cの先端の周囲においてコンプレッサインペラ4bに対して局所的に大きな応力が発生することを防止することができる。
また、本実施形態の過給機1では、溝部11の底部11aの断面形状が、1つの半円弧Yのみからなる形状とされている。このため、同断面形状において直線部を含むような底面形状である場合と比較して、コンプレッサインペラ4bの回転軸L方向における溝部11の奥行き長さL1(図2(b)参照)を小さくすることができる。
したがって、本実施形態の過給機1によれば、シャフト3cとコンプレッサインペラ4bとがネジ締結される構造において、シャフト3c先端の周囲の応力集中を緩和するための溝部11を形成しつつもコンプレッサインペラ4bの軸部4baの長さを出来る限り短くすることが可能となる。
さらに、本実施形態の過給機1によれば、底部11aが屈曲のない滑らかな形状となることから、底部が屈曲された角部を有するときよりも発生する応力を低減させることができる。
(第1シミュレーション)
溝部11を設けたモデルと、溝部11を設けていないモデルとを用いて同一条件にてシミュレーションを行った。この結果、溝部11を設けていないモデルにて行ったシミュレーションでは、シャフト3cの先端の周囲において発生した最大応力は310MPaであった。一方、溝部11を設けたモデルにて行ったシミュレーションでは、溝部11の底部11aにおいて発生した最大応力は163Paであった。
また、溝部11を設けていないモデルにて行ったシミュレーションにおいては、ネジ孔10のある2つの測定ポイントで局所的に発生した応力が、245MPa、195MPaであった。一方、溝部11を設けたモデルにて行ったシミュレーションでは、同じ測定ポイントで局所的に発生した応力は、206MPa、165MPaとなった。
このようなシミュレーションの結果、溝部11を設けていないモデルを用いて行ったシミュレーションにおける最大応力は、310MPaであった。一方、溝部11を設けたモデルを用いて行ったシミュレーションにおける最大応力は、206MPaであった。よって、溝部11を設けることによって、発生する最大応力を低減できることが確認された。
(第2シミュレーション)
図3(a)に示すように、実線で示すコンプレッサインペラ4bの軸部4baが短いモデル(第1実施例)と、仮想線で示す軸部4baが長いモデル(第2実施例)とを用いて同一条件にてシミュレーションを行った。なお、軸部4baの端面4b1から最大外径部4b2までの距離をA、軸部4baの端面4b1からバランス調節室12の端(ネジ孔10、溝部11及びバランス調節室12からなる穴の最も奥側に位置する面で、以下、最奥面と称する)までの距離をBとし、各モデルにおけるこれらの値を表1に示すように設定した。つまり、軸部4baが長いモデル(第2実施例)では、ネジ孔10と、溝部11と、バランス調節室12が、軸部4baが短いモデル(第1実施例)よりも、最大外径部4b2から遠い位置に配置されている。
Figure 2013185543
このようなシミュレーションの結果、軸部4baが短いモデル(第1実施例)では、最奥面における最大応力が222MPaであったのに対し、軸部4baが長いモデル(第2実施例)では、最奥面における最大応力が188MPaであった。この結果から、コンプレッサインペラ4bの過大な軸振動が生じないのであれば、軸部4baをできるだけ長くし、ネジ孔10と、溝部11と、バランス調節室12とを可能な限り、最大外径部4b2から遠ざけることが好ましい。表1から類推するに、「1−(B/A)」が0.25以上とすることによって、最奥面における応力を十分に低減できると期待できる。
(第3シミュレーション)
図3(b)に示すように、コンプレッサインペラ4bの軸部4baに至る背面形状を変化させたモデルを用いて同一条件にシミュレーションを行った。具体的には、背面が最も張り出したモデル(第3実施例)と、当該モデルよりも僅かに背面の張り出し量が少ないモデル(第4実施例)と、さらに背面の張り出し量が少ないモデル(第5実施例)とを用いてシミュレーションを行った。なお、最奥面の位置におけるコンプレッサインペラ4bの半径をR1、最大外径における半径をR2とし、各モデルにおけるこれらの値を表2に示すように設定した。なお、図3(b)において示すR1は、一例として、背面が最も張り出したモデル(第3実施例)を示すグラフに対応して設けたものである。
Figure 2013185543
このシミュレーションの結果、背面が最も張り出したモデル(第3実施例)における最奥面での応力が242MPa、僅かに背面の張り出し量が少ないモデル(第4実施例)における最奥面での応力が229MPa、さらに背面の張り出し量が少ないモデル(第5実施例)における最奥面での応力が216MPaであった。また、背面が最も張り出したモデル(第3実施例)におけるコンプレッサインペラ4bの翼付け根での応力が101MPa、僅かに背面の張り出し量が少ないモデル(第4実施例)におけるコンプレッサインペラ4bの翼付け根における応力が103MPa、さらに背面の張り出し量が少ないモデル(第5実施例)におけるコンプレッサインペラ4bの翼付け根における応力が106MPaであった。
図4(a)は、本シミュレーションから得た、上記半径R1と上記半径R2との比(R1/R2)と、最奥面での応力との関係を示すグラフである。また、図4(b)は、本シミュレーションから得た、半径R1と半径R2との比(R1/R2)と、翼付け根での応力との関係を示すグラフである。これらのグラフから、半径R1と半径R2との比(R1/R2)を小さくするに連れて、最奥面での応力が減少し、翼付け根での応力が増大する傾向が分かる。半径R1と半径R2との比(R1/R2)が小さくなるということは、図3(b)から分かるように、半径R1が小さくなるということであり、すなわち、背面の張り出し量が少なくなる(コンプレッサインペラ4bのベース部4bbが薄くなる)ことを意味する。したがって、背面の張り出し量を小さくするに連れて、最奥面での応力が減少し、翼付け根での応力が増大する。
このようなシミュレーションの結果から、コンプレッサインペラ4bの背面の張り出し量を少なくすることによって、最奥面での応力を減少させることができる。ただし、コンプレッサインペラ4bの背面の張り出し量をあまり大きく減少させて、コンプレッサインペラ4bのベース部4bbが薄くなると、翼付け根の応力が増加する。このため、翼付け根での応力がコンプレッサインペラ4bの寿命等から求められる許容値を超えない範囲で、出来る限りコンプレッサインペラ4bの背面の張り出し量を少なくすることが好ましい。例えば、半径R1と半径R2との比(R1/R2)で考えると、0.285〜0.32とすることが好ましい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
図5は、本第2実施形態における過給機の要部拡大図であり、上記第1実施形態の説明で用いた図2(b)で示す箇所と同じ箇所の拡大図である。この図に示すように、本実施形態の過給機においては、溝部11の底部11bの断面形状は、コンプレッサインペラ4bの最大外径部に近い側(図5における右側)に配置される第1円弧Y1と、最大外径部から遠い側(図5における左側)に配置される第2円弧Y2とが繋がれた形状とされている。
第1円弧Y1の曲率半径Rbは、第2円弧Y2の曲率半径Rcよりも大きい。つまり、本実施形態の溝部11の底部11bの断面形状は、最大外径部に近い側に配置される第1円弧Y1と、最大外径部から遠い側に配置されると共に第1円弧Y1よりも曲率半径の小さな第2円弧Y2とが繋がれた形状(曲率半径の異なる2つの円弧が接続された形状)とされている。なお、第1円弧Y1の曲率半径Rbは、上記第1実施形態の溝部11の底部11aの断面形状を構成する半円弧Yの曲率半径Raと同じとされている。
このような溝部11の底部11bは、比較的大きな応力が発生する最大外径部に近い側の領域が緩やかに湾曲している。このため、上記第1実施形態と同様に、シャフト3cの先端の周囲においてコンプレッサインペラ4bに対して局所的に大きな応力が発生することを防止することができる。また、溝部11の底部11bは、発生する応力が比較的小さな最大外径部から遠い側の領域が急激に湾曲している。このため、最大外径部から遠い側の領域の回転軸L方向における奥行き長さを短くし、結果として、溝部11の回転軸L方向における奥行き長さL2を短くすることができる。
したがって、本実施形態の過給機は、シャフト3c先端の周囲にの応力集中を緩和するための溝部11を形成しつつもコンプレッサインペラ4bの軸部4baの長さをさらに短くすることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、本発明のターボ機械を過給機に適用した構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、他のターボ機械(圧縮機、タービン、ポンプ等)に用いることも可能である。
また、上記実施形態においては、インペラが、ラジアルインペラである構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、斜流インペラや軸流インペラを用いることも可能である。
また、上記実施形態においては、溝部の底部の断面形状が単数あるいは2つの円弧からなる形状である構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、溝部の底部の断面形状を3つ以上の円弧が繋がった形状とすることも可能である。なお、複数の円弧を接続するときには、溝部の底部において局所的に応力が高まることを防止するために、各円弧の接続部を滑らかにすることが好ましい。
1……過給機(ターボ機械)2……タービン、2a……タービンハウジング、2b……タービンインペラ、2c……スクロール流路、2d……排気流路、3……軸部、3a……軸部ハウジング、3b……ベアリング、3c……シャフト、3d……先端部、4……コンプレッサ、4a……コンプレッサハウジング、4b……コンプレッサインペラ(インペラ)、4b1……端面、4b2……最大外径部、4ba……軸部、4bb……ベース部、4bc……翼、4c……吸気流路、4d……スクロール流路、10……ネジ孔、11……溝部、11a……底部、11b……底部、12……バランス調節室、L……回転軸、Ra……曲率半径、Rb……曲率半径、Rc……曲率半径、Y……円弧、Y1……第1円弧、Y2……第2円弧

Claims (3)

  1. インペラと、該インペラにネジ締結されるシャフトと、前記インペラに対する前記シャフトの挿入方向にて、前記シャフトが螺合されるネジ孔の奥に配置されるバランス調節室とを備えるターボ機械であって、
    前記ネジ孔と前記バランス調節室との間に設けられると共に前記インペラの回転軸方向から見て前記シャフトを囲う環状の溝部を備え、
    前記インペラの回転軸を含む平面で切断した前記溝部の底部の断面形状は、複数円弧が繋がれた形状あるいは単数の円弧からなる形状であることを特徴とするターボ機械。
  2. 前記インペラの回転軸を含む平面で切断した前記溝部の底部の断面形状は、前記インペラの最大外径部に近い側に配置される第1円弧と、前記最大外径部から遠い側に配置されると共に前記第1円弧よりも曲率半径の小さな第2円弧とが繋がれた形状であることを特徴とする請求項1記載のターボ機械。
  3. コンプレッサインペラと、該コンプレッサインペラに締結されるシャフトと、前記インペラに対する前記シャフトの挿入方向にて、前記シャフトが螺合されるネジ孔の奥に配置されるバランス調節室とを備える過給機であって、
    請求項1または2記載のターボ機械からなることを特徴とする過給機。
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