JP2013142359A - インペラ取付装置 - Google Patents

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JP2013142359A JP2012003860A JP2012003860A JP2013142359A JP 2013142359 A JP2013142359 A JP 2013142359A JP 2012003860 A JP2012003860 A JP 2012003860A JP 2012003860 A JP2012003860 A JP 2012003860A JP 2013142359 A JP2013142359 A JP 2013142359A
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Abstract


【課題】ナットを締付けるだけのコンパクトな構成で、インペラと回転軸との偏心状態を招くことなく両者の組付けを行うことができるインペラ取付装置を提供する。
【解決手段】インペラ12の反嵌挿側に大径孔32bを設けると共に、ナット33に筒部33cを設けて、大径孔32bに筒部33cを締り嵌めにより嵌合することにより、インペラ12と回転軸5との同心状態を確保し、簡単な構成で、インペラ12を回転軸5に対して偏心させることなく良好に組付けることができる。また、筒部33cは、大径孔32bの軸方向長より短い軸方向長を有し、ナット33の鍔部33dがインペラ12の開放端面32dに当接したときに段付面32cとの間にクリアランス34を形成する。これにより、鍔部33dによってナット33の締付量を確実に規制することができ、ナット33による回転軸5への締付強度も充分に確保することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、回転軸にインペラを固定するためのインペラ取付装置、とりわけ自動車のごとき車両に搭載される過給機における、コンプレッサインペラを駆動軸(回転軸)に着脱自在に取付固定するためのインペラ取付装置に関する。
(従来の技術)
近年、自動車のごとき車両に搭載されるエンジンとして、吸気性能を増強した過給式エンジンが汎用されるようになってきた。この過給式エンジンには、種々な構成の過給機が採用されているが、排気通路に介装されるタービンと、このタービンによって駆動され、吸気通路に介装されるコンプレッサとを同軸上に配置し、排気ガスのエネルギーを動力源として過給を行う所謂ターボチャージャと呼称される過給機が主流である。
このような過給機は、タービンとコンプレッサとを同軸上に配置するために、共通の回転軸を備えており、この回転軸の一端側にタービンインペラを取付けると共に、その他端側にコンプレッサインペラを取付けることを基本構成とするもので、種々な具体的構成のインペラ取付装置が提案され、実用に供されているが、その代表例としては、例えば特許文献1に記載されているようなインペラ取付装置がある。
かかるインペラ取付装置は、共通の回転軸に対して関係部品を一方向から順次組付けていくという組付け手法に則り、回転軸の一端にあらかじめタービンインペラを取付固定しておき、その他端側からスラスト軸受等などの関係部品を回転軸に順次嵌挿・組付け、最後に、回転軸の他端にコンプレッサインペラを取付固定するにあたり、関係部品の分解・再組付けを可能(着脱自在)にするために、回転軸の他端に雄ねじ部を設け、この雄ねじ部に螺着される雌ねじ部を有するナットを用いて、コンプレッサインペラを回転軸の他端に締付固定している。
(従来技術の問題点)
ところが、上記のインペラ取付装置は、ナットで締結するというコンパクトな構成である反面、コンプレッサインペラと回転軸とが、往々にして偏心状態(両者の軸線がずれたり、相対的に傾斜する状態)で組み付けられてしまうという問題があった。
この偏心問題は、車両のますますの高性能化に伴い過給機にも更なる高速化が要求されている折、過給機の故障を誘発する恐れが危惧されることから、今や致命的な欠陥になりつつある。
また一方では、エンジンの周りに搭載される機器数が急増し、これら周辺機器の小型化は勿論のこと、取付スペースの確保が困難になってきており、この種の過給機においても一層のコンパクト化が課題となっている。
なお、上記偏心問題は、(1)コンプレッサインペラと回転軸との間に形成せざるを得ない嵌め合いクリアランス、(2)ねじピッチに起因してナット締付時に生じるナット座面の片当たり、(3)ナット座面とコンプレッサインペラの受け面との間に生じる摩擦力の偏り、等の要因が影響していることを確認している。
しかしながら、これらの要因を、複雑な締結構造にしたり、座金、ブッシュ等の追加部品を用いることによって解消することは、過給機のコンパクト化に反することになるのみならず、アンバランス要因の増加によるバランス調整工数や部品点数の増加による組付工数の増大などを招きかねない。そこで、上記偏心問題を、工数増大のないコンパクトな構成で解決できるインペラ取付装置が切望されている。
特開2006−9634号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、インペラとナットの構造を工夫することにより、ナットを締付するだけのコンパクトな構成で、インペラと回転軸との偏心状態を招くことなくインペラと回転軸との組付けを良好に行うことができるインペラ取付装置を提供することにある。
[請求項1の手段]
請求項1に記載の発明によれば、インペラを回転軸に嵌挿したのちナットを回転軸の雄ねじ部に螺着することによってインペラを回転軸に固定するインペラ取付装置において、インペラは、回転軸の雄ねじ部が挿通可能な内径を有し、インペラ全体を軸方向に貫通する第1孔部と、この第1孔部の反嵌挿側に設けられ、第1孔部の内径より大なる内径を有する第2孔部と、この第2孔部と第1孔部とを径方向に平行な面で連接する第1座面と、第2孔部の反嵌挿側に設けられ、開放端面を形成する第2座面とを具備している。また、ナットは、一端側に形成された締付操作部と、他端側に形成され、第2孔部に嵌合する筒部と、締付操作部と筒部の間に形成され、第2座面に当接する衝当部とを有し、特に筒部は、第2孔部に締り嵌めにより嵌合する外径を有すると共に、第2孔部の軸方向長より短い軸方向長を有しており、衝当部が第2座面に当接したときに第1座面との間にクリアランスを形成することを特徴としている。
このような構成によれば、インペラの反嵌挿側の第2孔部にナットの筒部を締り嵌めにより嵌合することにより、インペラと回転軸との同心を確保できるため、インペラに第2孔部をなす大径孔を設けるとともに、ナットに筒部を設けるだけの簡単な構成で、インペラを回転軸に対して偏心させることなく良好に組付けることができる。
また、筒部は、第2孔部の軸方向長より短い軸方向長を有し、衝当部が第2座面に当接したときに第1座面との間にクリアランスを形成しているため、衝当部によってナットの締付量を確実に規制することができ、ナットによる回転軸への締付強度も充分に確保することができる。
また、座金、ブッシュ等の追加部品を一切要しないため、アンバランス要因の増加によるバランス調整工数や部品点数の増加による組付工数の増大などを招くこともない。
[請求項2の手段]
請求項2に記載の発明によれば、ナットは、締付操作部が締付工具着脱用の多角形を呈しており、衝当部が締付操作部および筒部より径の大なる外径を呈していることを特徴としている。
このような構成にすることにより、汎用の一般的な締付工具を用いてナットの締付けを行うことができる。また、衝当部と第2座面との間に充分な当接面積を得ることができ、ナットによる締付強度も充分に確保することができる。
[請求項3の手段]
請求項3に記載の発明によれば、ナットの筒部の先端には、縮径するガイド部が形成されていることを特徴としている。
かかる構成により、ナットの筒部は、ガイド部に案内されながら円滑にインペラの第2孔部(大径孔)に嵌入していくため、筒部を第2孔部に対して良好に締り嵌めすることができる。
[請求項4の手段]
請求項4に記載の発明によれば、インペラ取付装置は、過給機におけるコンプレッサインペラの取付装置として好適である。
本発明のインペラ取付装置が適用された過給機の模式的縦断面図である(実施例1)。 本発明のインペラ取付装置の組付け過程の説明に供する模式的要部縦断面図である(実施例1)。 図2のインペラ取付装置に用いるナットを示すもので、(a)は正面図、(b)は一部縦断面図である。 本発明のインペラ取付装置に用いるナットの他の例を示すもので、(a)は正面図、(b)は一部縦断面図である(実施例2)。
本発明を実施するための最良の形態は、一端に雄ねじ部を有する回転軸と、この回転軸に嵌挿されて支持されるインペラと、雄ねじ部に螺着される雌ねじ部を有するナットとを備え、インペラを回転軸に嵌挿したのちナットを雄ねじ部に螺着することによってインペラを回転軸に固定するインペラ取付装置において、インペラは、回転軸の雄ねじ部が挿通可能な内径を有し、インペラ全体を軸方向に貫通する第1孔部と、この第1孔部の反嵌挿側に設けられ、第1孔部の内径より大なる内径を有する第2孔部と、この第2孔部と第1孔部とを径方向に平行な面で連接する第1座面と、第2孔部の反嵌挿側に設けられ、開放端面を形成する第2座面とを具備している。
また、ナットは、一端側に形成された締付操作部と、他端側に形成され、第2孔部に嵌合する筒部と、締付操作部と筒部の間に形成され、第2座面に当接する衝当部とを有しており、特に、筒部は、第2孔部に締り嵌めにより嵌合する外径を有すると共に、第2孔部の軸方向長より短い軸方向長を有しており、衝当部が第2座面に当接したときに第1座面との間にクリアランスを形成している。
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態について説明する。
[実施例1]
図1および図2は、本発明の実施例1を説明するためのもので、まず、図1に基づいて実施例1のインペラ取付装置が適用された過給機を概説したのち、図2に基づいてインペラ取付装置について詳説する。なお、図面中、矢印「F」は、前側もしくは前面方向、矢印「R」は、後側もしくは背面(後面)方向を指している。
図1に示す過給機1は、ターボチャージャと呼称されるもので、コンプレッサ10とこのコンプレッサ10を駆動するタービン20とを同軸上に具備している。そして、この過給機1は、自動車のごとき車両に搭載される過給式のエンジン(図示省略)に装着され、排気通路に介装されるタービン20が、エンジンからの排気ガスのエネルギーを利用して駆動され、吸気通路に介装されるコンプレッサ10によってエンジンに供給される空気を過給するものである。
過給機1は、中央部分にベアリングハウジング2を備えている。このベアリングハウジング2内には、ラジアルベアリング3およびスラストベアリング4が設けられており、複数のベアリング3、4を介して前後方向へ延びた回転軸(タービン軸、駆動軸)5が設けられている。したがって、回転軸5は、複数のベアリング3、4を介して、ベアリングハウジング2に回転可能に支承されている。なお、スラストベアリング4は、関連部品としてカラー4a、ブッシュ4bを伴い、これら全体でスラスト軸受構造を構成している。
ベアリングハウジング2の前側(一方側)には、コンプレッサ10が設けられており、このコンプレッサ10の外郭をなすコンプレッサハウジング11内には、コンプレッサインペラ12が設けられている。
そして、コンプレッサインペラ12は、回転軸5の前側(一端部)に取付固定されるコンプレッサハブ13と、その外周面に配置される複数枚のコンプレッサブレード14とから構成される。また、コンプレッサハブ13の外周面は、コンプレッサインペラ12の前面から背面に向かって径方向外側に延びており、コンプレッサハブ13の外周面に、複数枚のコンプレッサブレード14が周方向に間隔を置いて設けられている。
コンプレッサハウジング11の前側(一方側)、つまりコンプレッサインペラ12の入口側には、空気を取り込む空気吸入口15が形成されており、この空気吸入口15は、エンジンの吸気通路(エアクリーナ側:図示省略)に接続されるものである。また、ベアリングハウジング2とコンプレッサハウジング11の間におけるコンプレッサインペラ12の出口側には、圧縮された空気を昇圧する環状のディフューザ流路16が形成されており、このディフューザ流路16は一端側が空気吸入口15に連通している。更に、コンプレッサハウジング11の内部には、コンプレッサスクロール流路17がコンプレッサインペラ12を囲むように形成されており、このコンプレッサスクロール流路17にディフューザ流路16の他端側が連通している。
そして、コンプレッサハウジング11には、圧縮された空気を吐出する空気吐出口(図示省略)が形成されており、この空気吐出口はコンプレッサスクロール流路17に連通していて、エンジンの吸気マニホールド(図示省略)に接続されるものである。
かくして、コンプレッサ10は、エンジンの吸気通路に介装される
ベアリングハウジング2の後側(他方側)には、タービン20が設けられており、このタービン20の外郭をなすタービンハウジング21内には、タービンインペラ22が設けられている。
そして、タービンインペラ22は、回転軸5の後側(他端部)に取付固定されるタービンハブ23と、その外周面に配置される複数枚のタービンブレード24とから構成される。また、タービンハブ23の外周面は、タービンインペラ22の背面から前面に向かって径方向外側に延びており、タービンハブ23の外周面に、複数枚のタービンブレード24が周方向に間隔を置いて設けられている。
タービンハウジング21には、排気ガスを取り入れるガス取入口(図示省略)が形成されており、このガス取入口は、エンジンの排気マニホールド(図示省略)に接続されるものである。また、タービンハウジング21の内部には、タービンスクロール流路25がタービンインペラ22を囲むように形成されており、このタービンスクロール流路25は、一端側がガス取入口に連通している。更に、タービンハウジング21の後側、つまりタービンインペラ22の出口側には、排気ガスを排出するガス排出口26が形成されており、このガス排出口26は、タービンスクロール流路25の他端側に連通していて、排気管(図示省略)に接続されるものである。
かくして、タービン20は、エンジンの排気通路に介装される。
次に、上記のように、コンプレッサ10とタービン20とが共通の回転軸5上に配置されている場合において、特に、コンプレッサインペラ12を回転軸5に取付固定するためのインペラ取付装置30は、以下のように構成されている。
なお、以下の説明では、コンプレッサ10の構成要素であるコンプレッサインペラ12、コンプレッサハブ13、コンプレッサブレード14を、それぞれ「インペラ12」、「ハブ13」、「ブレード14」と略称する。
図1および図2に示すように、インペラ取付装置30は、主として、回転軸5に設けられた雄ねじ部31と、インペラ12に設けられた取付孔部32と、雄ねじ部31に螺合して取付けられるナット33とから構成されるものであって、各構成要素の子細について順次説明する。
回転軸5は、前側(一端側)に小径軸51、後側(他端側)に大径軸52をそれぞれ有する段付軸となっており、段付部53が小径軸51に嵌挿・組付けする部品の位置決め機能を担っている。そして、大径軸52には、タービン20のタービンインペラ22が適宜の固定手段にて取付固定されるのに対し、小径軸51には、先端側にインペラ12を着脱自在に取付固定するための雄ねじ部31が形成されている。
インペラ12は、回転軸5(小径軸51)に対して、背面側(ブレード14の反対側)から矢印Aのごとく嵌挿されるものである。そのため、インペラ12には、ハブ13の中心部に貫通孔32aおよび大径孔32bが設けられている。貫通孔32aは、第1孔部を形成するもので、小径軸51の雄ねじ部31に嵌挿可能な内径を有し、かつ、インペラ12全体を軸方向に貫通している。大径孔32bは、第2孔部を形成するもので、貫通孔32aの反嵌挿側(ブレード14側)に設けられ、貫通孔32aの内径より大なる内径を有している。
また、貫通孔32aと大径孔32bを隔する段付面32cが、貫通孔32aと大径孔32bとを径方向に平行な面で連接する第1座面を形成している。また、大径孔32bの反嵌挿側に設けられた開放端面32dが、第2座面を形成している。
これらの構成要素32a〜32dが前述の取付孔部32を構成している。
ナット33は、図3に拡大して詳細に示すように、中心部の孔が小径軸51の雄ねじ部31に螺着される雌ねじ部33aとなっており、一端側に形成された締付操作部33bと、他端側に形成された筒部33cと、締付操作部33bと筒部33cの間に形成された大径の鍔部33dとを有している。
そして、締付操作部33bは、スパナ等の締付工具を着脱するための多角形(図示例では六角形)の頭部(ヘッド)をなしている。また、筒部33cは、インペラ12の大径孔32bに締まり嵌めにて嵌合する外径、つまり、大径孔32bの内径と同等もしくは若干大きい外径を有している。更に、筒部33cは、大径孔32bの軸方向長より短い軸方向長を有しており、鍔部33dの端面Dがインペラ12の開放端面32dに当接したときに、筒部33cの先端面Eと段付面32cとの間に、クリアランス34を形成することができる。
また、筒部33cの先端は徐々に縮径されるテーパ状のガイド部33eとなっている。このガイド部33eは、筒部33cの大径孔32bへの嵌入を案内するもので、単なる面取りとして形成しても良い。
なお、鍔部33dは、端面Dがインペラ12の開放端面32dと当接することによりナット33の最大締付量を規制する衝当部をなしているが、締付操作部33bおよび筒部33cの外径より大きい外径を有しているため、鍔部33dの端面Dとインペラ12の開放端面32dとが大きな面積で当接することができる。
上記構成において、インペラ取付装置30の組付工程を説明する。
図2は、インペラ12の締付固定前(図示左側)と締付固定後(図示右側)のそれぞれの状態を示しており、組付工程は白抜き矢印のごとく、左から右へ移行する。
まず、回転軸5にスラストベアリング4等の関係部品を嵌挿・組付けした後、小径軸51にインペラ12をその背面側から矢印Aのごとく嵌挿し、次いでインペラ12の前側に突き出た雄ねじ部31の先端にナット33を矢印B方向から螺着する。この螺着により、インペラ12を含む小径軸51上の部品を、段付部53側へ押圧し締付固定していく。
この際、ナット33は、まず筒部33cがガイド部33eに案内されながらインペラ12の大径孔32bに円滑に嵌入していき、筒部33cが大径孔32bに締まり嵌めにより嵌合する。したがって、この締まり嵌め嵌合により、インペラ12を、回転軸5(小径軸51)に対し、確実に同心状態で組付けることができる。
なお、この場合、インペラ12およびナット33は周知のごとき金属材料、例えば、インペラ12はアルミニウム系金属、ナット33は鉄系金属で、それぞれ作製されているため、インペラ12を少し温めるなどして大径孔32bの内径を拡大するか、ナット33を冷却して筒部33cの外径を小さくすることにより、インペラ12の大径孔32bとナット33の筒部33cとを容易に締まり嵌めすることができる。インペラ12を温めるにしても、大径孔32bを取り囲む円筒部分12A(図2参照)だけで良いことは勿論である。
そして、ナット33を、回転軸5(小径軸51)の雄ねじ部31に対し、鍔部33dの端面Dがインペラ12の開放端面32dに当接するまで(ナット33の最大締付量に到達するまで)締め付ける。このように、ナット33が最大締付量に到達しても、ナット33の筒部33cの先端面Eとインペラ12の段付面32cとの間にはクリアランス34が形成される。よって、鍔部33dの端面Dを強固に開放端面32dに押圧させることができ、鍔部33の端面Dと開放端面32dとの当接面積が大きいことと相まって、インペラ12をしっかりと回転軸5に締付固定することができる。
以上により、インペラ12を、回転軸5に対し、確実に同心状態で取付固定することができる。
なお、上記のごとく同心状態での組付けがなされても、各部品の公差などにより多少の回転アンバランスが生じることは避けがたく、必要により周知のバランス調整工程(回転軸5やインペラ12にバランス調整孔を穿設する作業)を実施することは勿論である。
[実施例2]
実施例2のインペラ取付装置30は、図4(a)、(b)に示すナット40を使用する点を除き、実施例1と基本的に同じである。したがって、ナット40以外の構成要素については、実施例1と同じ符号を用いて説明する。
本実施例のインペラ取付装置30で用いるナット40は、実施例1のナット33が多角形頭部の締付操作部33bを有する雄型であるのに対し、多角形孔部の締付操作部41を有する雌型で構成されている点に特徴がある。
図4において、ナット40は、一端側に形成された締付操作部41と、他端側に形成された小径の筒部42と、締付操作部41と筒部42の間に形成された大径の筒部43とを有しており、中心部の孔が小径軸51の雄ねじ部31に螺着される雌ねじ部44になっている。この雌ねじ部44は、小径の筒部42の内周面と、大径の筒部43の内周面とに跨って設けられている。
そして、締付操作部41は、多角レンチ等の締付工具を着脱するための多角形(図示例では六角形)の孔部として形成されている。なお、この孔部の内径より、大径の筒部43の外径の方が大きくなっており、したがって、大径の筒部43は、実質的に締付操作部41および小径の筒部42より大なる外径を呈している。
また、小径の筒部42は、インペラ12の大径孔32bに締まり嵌めにて嵌合する外径、つまり、大径孔32bの内径と同等もしくは若干大きい外径を有している。更に、筒部42は、大径孔32bの軸方向長より短い軸方向長を有しており、大径の筒部43の端面Dがインペラ12の開放端面32dに当接したときに、小径の筒部42の先端面Eと段付面32cとの間に、クリアランス34を形成することができる。
また、小径の筒部42の先端は徐々に縮径されるテーパ状のガイド部45となっている。このガイド部45は、インペラ12の大径孔32bへの筒部42の嵌入を案内するもので、単なる面取りとして形成しても良い。
なお、大径の筒部43は、端面Dがインペラ12の開放端面32dと当接することによりナット40の最大締付量を規制するための衝当部をなしているが、締付操作部41および小径の筒部42の径より大きい外径を有しているため、大径の筒部43の端面Dとインペラ12の開放端面32dとが大きな面積で当接することができる。
上記のように構成されたナット40は、締付操作部41、小径の筒部42、大径の筒部43および雌ねじ部44が、実施例1におけるナット33の締付操作部33b、筒部33c、鍔部33dおよび雌ねじ部33aにそれぞれ相当し、実施例1と同様に、インペラ12を回転軸5に同心状態で締付固定することができる。
したがって、本実施例においても、実施例1と同様な効果を得ることができる。
[変形例]
以上実施例1、2について詳述したが、インペラ取付装置30を構成する各構成要素(回転軸5に設けられた雄ねじ部31、インペラ12に設けられた取付孔部32、雄ねじ部31に螺合して取付けられるナット33、40)の具体的形状や大きさ、インペラ取付装置30の適用例は、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々変更することができるものであり、その一部について説明する。
(1)ナット33、40の締付操作部33b、41は、所望する締付強度に対応して選定される締付工具を着脱するための形状・構造で充分であり、六角形以上の多角形であっても良い。
(2)タービンインペラ22を回転軸5に着脱自在に取付固定する場合には、タービンインペラ22の取付装置としても適用することができる。
(3)タービン20によってコンプレッサ10が駆動される過給機1を例示したが、コンプレッサ10がモータによって駆動される過給機にも勿論適用することができる。この場合、回転軸5はモータによって直接もしくは間接的に駆動される軸になる。
1…過給機、5…回転軸、10…コンプレッサ、12…コンプレッサインペラ(インペラ)、20…タービン、22…タービンインペラ(インペラ)、30…インペラ取付装置、31…雄ねじ部、32…取付孔部、32a…貫通孔(第1孔部)、32b…大径孔(第2孔部)、32c…段付面(第1座面)、32d…開放端面(第2座面)、33…ナット、33a…雌ねじ部、33b…締付操作部(多角形頭部)、33c…筒部、33d…鍔部(衝当部)、33e…ガイド部、34…クリアランス、40…ナット、41…締付操作部(多角形孔部)、42…小径の筒部、43…大径の筒部(衝当部)、44…雌ねじ部、45…ガイド部。

Claims (4)

  1. 一端に雄ねじ部(31)を有する回転軸(5)と、
    この回転軸(5)に嵌挿されて支持されるインペラ(12)と、
    前記雄ねじ部(31)に螺着される雌ねじ部(33a、44)を有するナット(33、40)とを備え、
    前記インペラ(12)を前記回転軸(5)に嵌挿したのち前記ナット(33、40)を前記雄ねじ部(31)に螺着することによって前記インペラ(12)を前記回転軸(5)に固定するインペラ取付装置(30)において、
    前記インペラ(12)は、前記雄ねじ部(31)が挿通可能な内径を有し、前記インペラ(12)全体を軸方向に貫通する第1孔部(32a)と、この第1孔部(32a)の反嵌挿側に設けられ、前記第1孔部(32a)の内径より大なる内径を有する第2孔部(32b)と、この第2孔部(32b)と前記第1孔部(32a)とを径方向に平行な面で連接する第1座面(32c)と、前記第2孔部(32b)の反嵌挿側に設けられ、開放端面を形成する第2座面(32d)とを具備し、
    前記ナット(33、40)は、一端側に形成された締付操作部(33b、41)と、他端側に形成され、前記第2孔部(32b)に嵌合する筒部(33c、42)と、前記締付操作部(33b、41)と前記筒部(33c、42)の間に形成され、前記第2座面(32d)に当接する衝当部(33d、43)とを有し、
    前記筒部(33c、42)は、前記第2孔部(32b)に締り嵌めにより嵌合する外径を有すると共に、前記第2孔部(32b)の軸方向長より短い軸方向長を有しており、前記衝当部(33d、43)が前記第2座面(32d)に当接したときに前記第1座面(32c)との間にクリアランス(34)を形成することを特徴とするインペラ取付装置。
  2. 請求項1に記載のインペラ取付装置(30)において、
    前記ナット(33、40)は、前記締付操作部(33b、41)が締付工具着脱用の多角形を呈しており、前記衝当部(33d、43)が前記締付操作部(33b、41)および前記筒部(33c、42)より径の大なる外径を呈していることを特徴とするインペラ取付装置。
  3. 請求項1または2に記載のインペラ取付装置(30)において、
    前記筒部(33c、42)の先端には、縮径するガイド部(33e、45)が形成されていることを特徴とするインペラ取付装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のインペラ取付装置(30)において、
    このインペラ取付装置(30)は、過給機(1)に用いられるものであって、前記インペラ(12)はコンプレッサインペラ(12)であり、前記回転軸(5)は前記コンプレッサインペラ(12)を駆動する軸(5)であることを特徴とするインペラ取付装置。
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