JP2012067680A - コンプレッサ - Google Patents

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Noriyuki Maruyama
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宏 堀川
Masao Suwa
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Abstract

【課題】インペラの近傍で吸気に予旋回を付与する。
【解決手段】インペラ31を回転させることによって気体を圧縮するコンプレッサ3であって、コンプレッサ3が挿通され、コンプレッサ3と一体に回動可能に支持されるタービン軸1を備える。また、タービン軸1は、インペラ31の吸気側に突出するべく延設された延設部13を有する。更に、延設部131は、タービン軸1の外周面側から軸心側に向けて形成された溝部131を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、インペラを回転させることによって気体を圧縮するコンプレッサに関する。特に、車両に搭載される過給機のコンプレッサに関する。
従来、車両に搭載される過給機のコンプレッサの効率を向上させると共に、サージングの発生を抑制するために、上記コンプレッサに流入する吸気に予旋回を付与する技術が知られている。
例えば、コンプレッサのインペラに流入する吸気に対して、該インペラの上流側に配設された板状の流路制御フラップによって予旋回を付与する技術が開示されている(特許文献1参照)。また、例えば、コンプレッサ入口に接続される接続ホースの内周面に予め予旋回用ベーンを一体成形によつて形成しておく技術が開示されている(特許文献2参照)。
特開2007−211697号公報 実公平07−034176号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の技術では、吸気に予旋回を付与する手段とインペラとが離間しているため、吸気がインペラに到達するまでの間に、予旋回が弱まるという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、インペラの近傍で吸気に予旋回を付与することが可能なコンプレッサを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係るコンプレッサは、以下のように構成されている。
すなわち、本発明に係るコンプレッサは、インペラを回転させることによって気体を圧縮するコンプレッサであって、当該コンプレッサが挿通され、当該コンプレッサと一体に回動可能に構成された駆動軸を備え、前記駆動軸は、前記コンプレッサの吸気側に突出するべく延設された延設部を有し、前記延設部は、前記駆動軸の外周面側から軸心側に向けて形成された凹部を有するものである。
かかる構成を備えるコンプレッサによれば、前記駆動軸の回転に伴って、該駆動軸の吸気上流側の前記延設部に形成された凹部も回転するため、該凹部によって吸気に予旋回を付与することができるので、前記インペラの近傍で吸気に予旋回を付与することができる。
また、前記凹部が、前記駆動軸の吸気上流側の前記延設部に形成されているため、前記コンプレッサの軸心位置(前記駆動軸の軸心位置)近傍の吸気上流側から流入する吸気に予旋回を付与することができる。このように吸気に予旋回を付与することができるため、前記コンプレッサの効率を向上させると共に、サージングの発生を抑制することができる。
更に、前記駆動軸の吸気上流側の前記延設部に凹部を形成することによって予旋回を付与することができるため、簡素な構成で、且つ、製造コストの増加を抑制しつつ、予旋回を付与することができる。
加えて、前記凹部が、前記駆動軸の吸気上流側の前記延設部に形成されているため、従来通りの方法で前記駆動軸と前記コンプレッサとの組み立てを行うことができ、前記駆動軸と前記コンプレッサとを組み立てる際の工数の増加を回避することができる(図4、図5参照)。
また、本発明に係るコンプレッサは、前記凹部が、前記駆動軸の軸心に沿って形成された溝部であることが好ましい。
かかる構成を備えるコンプレッサによれば、前記凹部が前記駆動軸の軸心に沿って形成された溝部であるため、予旋回を効率的に付与することの可能な前記凹部を容易に且つ低コストで形成することができる。
また、本発明に係るコンプレッサは、前記凹部が、前記駆動軸の軸心と略平行に直線状に形成された複数本の溝部であることが好ましい。
かかる構成を備えるコンプレッサによれば、前記凹部が、前記駆動軸の軸心と略平行に直線状に形成された溝部であるため、予旋回を効率的に付与することの可能な前記凹部を容易に且つ低コストで形成することができる。また、前記凹部が、直線状に形成された複数本の溝部であるため、前記複数本の溝部を前記延設部の重心位置が前記駆動軸の軸心位置と一致するべく形成することが可能となる。ここで、前記複数本の溝部を前記延設部の重心位置が前記駆動軸の軸心位置と一致するべく形成することによって、前記複数本の溝部を前記延設部に形成することに伴って、前記コンプレッサ及び前記駆動軸の回転動作に対して悪影響を与えることを回避することが可能となる。
また、本発明に係るコンプレッサは、前記凹部が、前記駆動軸の軸心と略平行に直線状に形成された2本の溝部であって、前記2本の溝部の横断面形状が、前記駆動軸の軸心に対して互いに点対称となるべく形成されていることが好ましい。
かかる構成を備えるコンプレッサによれば、前記凹部が、前記駆動軸の軸心と略平行に直線状に形成された2本の溝部であって、前記2本の溝部の横断面形状が、前記駆動軸の軸心に対して互いに点対称となるべく形成されているため、前記延設部の重心位置が前記駆動軸の軸心位置と一致することになる。よって、前記延設部の重心位置が前記駆動軸の軸心位置と一致するため、前記複数本の溝部を前記延設部に形成することに伴って、前記コンプレッサ及び前記駆動軸の回転動作に対して悪影響を与えることを回避することができる。
また、本発明に係るコンプレッサは、前記凹部が、前記延設部の重心位置が前記駆動軸の軸心位置と一致するべく形成されていることが好ましい。
かかる構成を備えるコンプレッサによれば、前記凹部が、前記延設部の重心位置が前記駆動軸の軸心位置と一致するべく形成されているため、前記凹部を前記延設部に形成することに伴って、前記コンプレッサ及び前記駆動軸の回転動作に対して悪影響を与えることを回避することができる。
また、本発明に係るコンプレッサは、当該コンプレッサが、車両に搭載される過給機に配設されていることが好ましい。
かかる構成を備えるコンプレッサによれば、車両に搭載される過給機に配設されたコンプレッサにおいて、前記駆動軸の回転に伴って、該駆動軸の吸気上流側の前記延設部に形成された凹部も回転するため、該凹部によって吸気に予旋回を付与することができるので、前記インペラの近傍で吸気に予旋回を付与することができる。
本発明に係るコンプレッサによれば、前記駆動軸の回転に伴って、該駆動軸の吸気上流側の前記延設部に形成された凹部も回転するため、該凹部によって吸気に予旋回を付与することができるので、前記インペラの近傍で吸気に予旋回を付与することができる。
本発明に係るコンプレッサが配設されるターボチャージャの一例を示す断面図である。 図1に示すコンプレッサのタービン軸の延設部に形成された溝部の一例を示す図である。(a)は、図1に示す延設部のA−A断面図であり、(b)は、延設部の斜視図である。 本発明に係るコンプレッサにおいて、サージングの発生が抑制されることを示すグラフの一例である。 本発明に係るコンプレッサが配設されたターボロータの組み立て手順を示す概念図である。(a)は、分解図である。(b)は、組み立て図である。 従来のターボロータの組み立て手順を示す概念図である。(a)は、分解図である。(b)は、組み立て図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
−ターボチャージャ100の構成−
図1は、本発明に係るコンプレッサが配設されるターボチャージャ100の一例を示す断面図である。まず、図1を参照して、ターボチャージャ100の構成を説明する。ターボチャージャ100は、車両に搭載され、排気ガスのエネルギによってエンジンに供給する吸気圧を高める過給動作を行うものであって、タービン軸1、タービン2、コンプレッサ3、ベアリングハウジング4、タービンハウジング5、及び、コンプレッサハウジング6を備えている。なお、ターボチャージャ100は、「過給機」に相当する。また、タービン軸1は「駆動軸」に相当する。本発明においては、タービン軸1は、コンプレッサ3の一部を構成するものとする。
タービン軸1は、タービン2とコンプレッサ3とを一体として回動可能に連結するものであって、高温での強度の低下が少ないクロムモリブデン鋼(SCM)等により形成されている。すなわち、タービン軸1、タービン2及びコンプレッサ3が同一の軸心C上に配設され、一体的に組み付けられてターボロータが構成されている。
タービン2は、エンジンからの排気ガスを外部に排出する排気通路に配設され、タービンハウジング5に形成された渦室51から排出される排気ガスのエネルギによって回転駆動されるものであって、外周面に複数のブレード21を備えている。また、タービン2は、高温(例えば600〜800℃)の排気ガスに晒されるため、耐熱性を有するインコネル(スペシャルメタル社(Special Metals Corporation)の登録商標)等の合金鋼により形成されている。タービン2は、タービン軸1を介してコンプレッサ3と連結されており、コンプレッサ3と一体回転可能に構成されている。
コンプレッサ3は、外気をエンジンに供給する吸気通路に配設され、エンジンに供給する吸気圧を高めるものであって、外周面に複数のインペラ31を備え、コンプレッサハウジング6に形成された渦室61に吸気を送出する。また、コンプレッサ3は、ターボラグを抑制するために軽量なアルミニウム合金、合成樹脂等により形成されている。
ターボチャージャ100では、上述のようにタービン2、タービン軸1及びコンプレッサ3が一体回転可能に構成されているため、排気ガスのエネルギによってタービン2が回転駆動されると、タービン2の回転力がタービン軸1を介してコンプレッサ3に伝達される。これによって、コンプレッサ3が回転駆動されて、ターボチャージャ100による過給動作が行われる。
ベアリングハウジング4は、タービン軸1を回動自在に支持する2つの軸受41、42を収納するハウジングである。なお、ベアリングハウジング4には、軸受41、42に、潤滑、冷却を行うためのオイルを供給、回収する構造、及び、タービンハウジング5、コンプレッサハウジング6へのオイルの流出を防止する構造等が備えられている。
タービンハウジング5は、タービン2を収納するハウジングである。タービンハウジング5には、エンジンから排出された排気ガスをタービン2に供給する環状の渦室51が形成されている。
コンプレッサハウジング6は、コンプレッサ3を収納するハウジングである。コンプレッサハウジング6には、コンプレッサ3から送出された吸気をエンジンに供給する環状の渦室61が形成されている。また、コンプレッサハウジング6は、エアクリーナを介して供給された吸気を、コンプレッサ3に供給する円筒状のインレット部62が形成されている。
−タービン軸1の構成−
次に、図1を参照して、タービン軸1の構造を説明する。図1に示すように、タービン軸1は、軸中央部11、コンプレッサ支持部12、延設部13、及び、タービン接続部14が一体に形成されている。
軸中央部11は、ベアリングハウジング4に配設された2つの軸受41、42によって支持されて、タービン軸1、タービン2及びコンプレッサ3が一体に組み付けられたターボロータを回動自在に支持するものである。
コンプレッサ支持部12は、軸中央部11のコンプレッサ3側(図1では左側)に形成され、コンプレッサ3が挿通されてナット32によって固定されてコンプレッサ3を支持するものである。なお、コンプレッサ支持部12は、軸中央部11と比較して小径に形成されており、コンプレッサ支持部12と軸中央部11との境界位置(コンプレッサ支持部12の右端位置)に段差部111が形成されている。ナット32によってコンプレッサ3が締め込まれると、コンプレッサ3の軸方向の一方側端部(ここでは、右側端部)が段差部111に当接した状態でタービン軸1に固定される(図4参照)。
延設部13は、コンプレッサ3の吸気側(図1では左側)に突出するべくタービン軸1が延設されたものであって、コンプレッサ支持部12のインレット部62側(図1では左側)に、コンプレッサ支持部12と同一の径で形成されている。また、延設部13は、溝部131(図2参照)が形成され、インレット部62からコンプレッサ3に供給される吸気に予旋回を付与するものである。
本実施形態では、図1に示すように、延設部13の長さが、コンプレッサ3の高さ(図1の左右方向の大きさ)と同程度である場合について説明するが、延設部13の長さは、図1に示すものよりも長い形態でもよいし、図1に示すものよりも短い形態でもよい。延設部13の長さを長くする程、溝部131の長さを長くすることができるので、予旋回の効果を向上することができる。一方、延設部13の長さを短くする程、延設部13を配設することによるターボロータの重心位置の変化が小さくなるため、ターボロータの回転のバランスが崩れることを回避することができる。
また、本実施形態では、延設部13の径がコンプレッサ支持部12と同一の径である場合について説明するが、延設部13の径がコンプレッサ支持部12の径と相違する形態でもよい。延設部13の径が太い程、溝部131の深さを深く形成することができるため、予旋回の効果を向上することができる。
しかしながら、延設部13の径をコンプレッサ支持部12の径より大きくする場合には、延設部13を、コンプレッサ3の回転中心に形成された孔に貫通させることができなくなるため、従来と同様の方法でタービン軸1とコンプレッサ3との組み立てを行うことができなくなる(図4、図5参照)。
溝部131は、ここでは、タービン軸1の軸心と平行に直線状に形成された2本の溝部である。なお、溝部131は、「凹部」の一例に相当する。また、タービン軸1が回転すると、タービン軸1の吸気上流側の延設部13に形成された溝部131も回転するため、溝部131近傍を通過する吸気に予旋回を付与することができる。よって、インペラ31の近傍で吸気に予旋回を付与することができる。
図1に示す矢印V1は、インレット部62からインペラ31に供給される吸気の流れる向きを示している。矢印V1に示すように、インペラ31に供給される吸気は、吸気上流側におけるタービン軸1の軸心Cの近傍(インレット部62の軸心Cの近傍)からインペラ31に沿って、吸気下流側におけるインペラ31外周側(タービン軸1の軸心Cから離間する向き)に流れる。
従って、上述のように、タービン軸1の吸気上流側の延設部13に形成された溝部131によって、溝部131近傍を通過する吸気に予旋回を付与することができるため、吸気上流側におけるインペラ31の軸心C(タービン軸1の軸心C)近傍から流入する吸気に予旋回を付与することができる。すなわち、タービン軸1の吸気上流側の延設部13に形成された溝部131によって、矢印V1の始点位置近傍から流入する吸気に予旋回を付与することができるのである。
このように吸気に効果的に予旋回を付与することができるため、コンプレッサ3の効率を向上させると共に、図3を用いて後述するようにサージングの発生を抑制することができる。
更に、タービン軸1の吸気上流側の延設部13に溝部131を形成することによって予旋回を付与することができるため、簡素な構成で、且つ、製造コストの増加を抑制しつつ、コンプレッサ3に供給される吸気に予旋回を付与することができる。
タービン接続部14は、軸中央部11のタービン2側(図1では右側)に形成され、タービン2の基体部側端部(図1では左側端部)の端面に溶接等によって固定されるものである。なお、タービン接続部14は、軸中央部11と比較して大径に形成されている。
−溝部131の構造−
図2は、図1に示すコンプレッサ3のタービン軸1の延設部13に形成された溝部131の一例を示す図である。(a)は、図1に示す延設部13のA−A断面図であり、(b)は、延設部13の斜視図である。以下、図2を参照して、溝部131の構造について説明する。溝部131は、タービン軸1(延設部13)の軸心Cと平行に直線状に形成された2本の溝部である。
このように溝部131が、タービン軸1の軸心Cと平行に直線状に形成された溝部であるため、予旋回を効率的に付与することの可能な溝部131を、容易に且つ低コストで形成することができる。
本実施形態では、延設部13に、タービン軸1(延設部13)の軸心Cと平行に直線状に形成された2本の溝部131が形成されている場合について説明するが、延設部13に、タービン軸1(延設部13)の軸心Cと平行に直線状に形成された3本以上の溝部が形成されている形態でもよい。延設部13に、断面形状が同一の直線状の溝部を形成する場合には、溝部の本数が多い程、予旋回を効率的に付与することができる。
図2(a)に示すように、2本の溝部131は、それぞれ、第1切込面131a及び第2切込面131bを備えている。第1切込面131aは、延設部13の径方向に切り込まれた面である。第2切込面131bは、第1切込面131aに対して垂直な向きに切り込まれた面であって、断面視において第1切込面131aより長く形成されている。また、第1切込面131aと第1切込面131aとは、滑らかに(ここでは、円弧状に)接続されている。
コンプレッサ3のインペラ31が矢印V2の向き(時計回り)に回転する場合には、矢印V2の向きに延設部13も回転する。一方、インペラ31に供給される吸気は、図2(a)において、紙面の垂直方向の手前側から裏面側に向けて流れる。よって、溝部131を通過する吸気は第2切込面131bによって矢印V2の向きに付勢されるので、インペラ31の回転方向と同一の矢印V2の向きに予旋回が付与されることになる。
本実施形態では、第1切込面131aと第2切込面131bとが直交するべく溝部131が形成されている場合について説明するが、第1切込面131aと第2切込面131bとのなす角が直角以外の角度である形態でもよい。第1切込面131aと第2切込面131bとのなす角が大きい程、溝部131に吸気が入り込み易い。逆に、第1切込面131aと第2切込面131bとのなす角が小さい程、延設部13の強度を維持しつつ深い溝部を形成することが可能になる。従って、所望する予旋回の程度等に応じて、適宜、第1切込面131aと第2切込面131bとのなす角を選定すればよい。
本実施形態では、断面視において、第2切込面131bが、第1切込面131aより長く形成されている場合について説明するが、第2切込面131bが第1切込面131aと同じ長さで形成されている形態でもよいし、第2切込面131bが第1切込面131aより短く形成されている形態でもよい。この場合も、所望する予旋回の程度等に応じて、適宜、第2切込面131b及び第1切込面131aの長さを選定すればよい。
また、図2(a)に示すように、2本の溝部131は、延設部13の重心位置がタービン軸1の軸心Cの位置と一致するべく形成されている。すなわち、ここでは、2本の溝部131は、それらの横断面形状が、タービン軸1の軸心Cに対して互いに点対称となるべく形成されている。
このように、延設部13の重心位置がタービン軸1の軸心Cの位置と一致するため、2本の溝部131を延設部13に形成することに伴って、ターボロータ(タービン軸1、タービン2、及び、コンプレッサ3)の回転動作に対して悪影響を与えることを回避することができる。逆に、延設部13の重心位置がタービン軸1の軸心Cの位置と一致していない場合には、延設部13の回転に伴って、延設部13に遠心力が作用し、ターボロータの回転のバランスが崩れることになるのである。
また、本実施形態では、延設部13に、タービン軸1(延設部13)の軸心Cと平行に直線状に形成された2本の溝部131が形成されている場合について説明するが、延設部13に、タービン軸1(延設部13)の軸心Cに沿って形成された螺旋状の溝部が形成されている形態でもよい。
この場合には、延設部13の先端に形成された溝部の周方向位置と、延設部13のコンプレッサ支持部12側の端部における周方向位置とを一致させることによって、延設部13の重心位置をタービン軸1の軸心Cの位置と一致させることができる。すなわち、延設部13に形成される溝部に対応する螺旋の周回回数を自然数とするべく溝部を形成すればよい。また、この場合には、螺旋の周回回数、溝部の深さ、溝部の形状を適宜選定することによって、所望する予旋回に近付けることが可能である。
−サージング抑制効果−
図3は、本発明に係るコンプレッサ3においてサージングの発生が抑制されることを示すグラフの一例である。以下、図3を参照して、延設部13に形成された溝部131によって吸気に予旋回が付与されることによるコンプレッサ3におけるサージングの抑制効果を説明する。図3に示すグラフの横軸は、コンプレッサ3に吸入される空気流量であり、縦軸は、コンプレッサ3の出口における空気圧力の、コンプレッサ3の入口の空気圧力に対する圧力比である。
グラフG1は、本発明に係るコンプレッサ3におけるサージングの発生領域A1の境界線を示すグラフである。グラフG2は、予旋回が付与されない場合のコンプレッサにおけるサージングの発生領域の境界線を示すグラフである。すなわち、本発明に係るコンプレッサ3では、コンプレッサ3に供給される吸気に予旋回が付与されるため、サージング発生領域が狭くなる。なお、コンプレッサ3に供給される吸気に予旋回を付与することによって、サージング発生領域が低流量側に縮小するメカニズムについては公知(例えば、特開2005−23792号公報等を参照)であるので、ここでは、その説明を省略する。
グラフG3は、コンプレッサ3の回転数が一定である場合における、圧力比と空気流量との関係の一例を示すグラフである。矢印V3は、車両に搭載されたターボチャージャ100に配設されたコンプレッサ3の挙動の一例を示す矢印である。コンプレッサ3が矢印V3に示すような挙動をする際に、吸気に予旋回が付与されていない場合には、グラフG2と縦軸との間の(グラフG2の上方側の)サージング領域に入るためサージングが発生することになる。一方、延設部13に形成された溝部131によって吸気に予旋回が付与される場合には、サージングの発生領域A1に入らないため、サージングの発生が回避されることになる。
このようにして、溝部131がタービン軸1の吸気上流側の延設部13に形成されているため、コンプレッサ3の軸心C位置(タービン軸1の軸心C位置)近傍の吸気上流側から流入する吸気に予旋回を付与することができるので、コンプレッサ3におけるサージングの発生を抑制することができる。
−ターボロータの組み立て手順−
図4は、本発明に係るコンプレッサ3が配設されたターボロータの組み立て手順を示す概念図である。(a)は、分解図であって、(b)は、組み立て図である。図5は、従来のターボロータの組み立て手順を示す概念図である。(a)は、分解図であって、(b)は、組み立て図である。なお、図4、図5では、便宜上、タービン軸1、1A、タービン2、及び、コンプレッサ3の形状を簡略化して表記している。
まず、図5を参照して、従来のターボロータの組み立て手順を説明する。なお、従来のターボロータは、タービン軸1Aを備え、タービン軸1Aは、軸中央部11A、コンプレッサ支持部12A、及び、タービン接続部14Aが一体に形成されている。また、コンプレッサ支持部12Aと軸中央部11Aとの境界位置(コンプレッサ支持部12Aの右端位置)に段差部111Aが形成されている。すなわち、タービン軸1Aは、本発明に係るコンプレッサ3のタービン軸1と比較して、延設部13を有していない点で相違している。ここでは、便宜上、予めタービン接続部14Aにタービン2が溶接されている場合について説明する。
まず、コンプレッサ3の回転中心位置に形成された孔に、タービン軸1のコンプレッサ支持部12Aが挿通される。次に、ナット32が、コンプレッサ支持部12Aの軸中央部11Aと離間する側の端部(図5では、左側端部)外周面に形成された図略のネジ山と螺合されて、締め込まれる。そして、ナット32が締め込まれるにつれて、コンプレッサ3が、軸中央部11A側(図5では、右側)に押し込まれ、コンプレッサ3の軸方向の一方側端部(ここでは、右側端部)が段差部111Aに当接した状態でタービン軸1Aに固定される。
次に、図4を参照して、本発明に係るコンプレッサ3が配設されたターボロータの組み立て手順を説明する。ここでは、便宜上、予めタービン接続部14にタービン2が溶接されている場合について説明する。まず、コンプレッサ3の回転中心位置に形成された孔に、タービン軸1の延設部13が貫通されて、更にタービン軸1のコンプレッサ支持部12が挿通される。次に、ナット32が、コンプレッサ支持部12の軸中央部11と離間する側の端部(図4では、左側端部)外周面に形成された図略のネジ山と螺合されて、締め込まれる。そして、ナット32が締め込まれるにつれて、コンプレッサ3が、軸中央部11側(図4では、右側)に押し込まれ、コンプレッサ3の軸方向の一方側端部(ここでは、右側端部)が段差部111に当接した状態でタービン軸1に固定される。
このようにして、溝部131が、タービン軸1の吸気上流側の延設部13に形成されているため、従来通りの方法でタービン軸1とコンプレッサ3との組み立てを行うことができ、タービン軸1とコンプレッサ3とを組み立てる際の工数の増加を回避することができる。
−他の実施形態−
本実施形態では、コンプレッサ3が、車両に搭載されるターボチャージャ100に配設される場合について説明したが、コンプレッサ3がその他の装置に配設される形態でもよい。
本実施形態では、延設部13に直線状の溝部131が形成される場合について説明したが、延設部13に凹部が形成される形態であればよい。凹部の形状としては、例えば、半球状であってもよいし、角錐状等であってもよい。延設部13に凹部が形成されていると、上流側から凹部に流入した吸気に対して、該凹部が空気抵抗となるため、予旋回を与えることができる。
また、凹部は、2個以上形成されていることが好ましい。同一形状の凹部が形成される場合には、凹部の個数が多い程、吸気に効率的に予旋回を付与することができる。更に、凹部は、延設部13の重心位置がタービン軸1の軸心C位置と一致するべく形成されていることが好ましい。この場合には、凹部を延設部13に形成することに伴って、ターボロータ(タービン軸1、タービン2、及び、コンプレッサ3)の回転動作に対して悪影響を与えることを回避することができる。
本実施形態では、コンプレッサ3を通常の一般的形状のナット32で固定する場合について説明したが、コンプレッサ3をその他の形状のナットで固定する形態でもよい。例えば、ナットが、吸気上流側(図1では左側)にテーパ部が形成されている形態でもよい。この場合には、延設部13に直線状の溝部131で吸気に付与された予旋回を、テーパ部を介してスムーズにインペラ31に供給することができるため、予旋回の効果が増大する可能性がある。また、ナットにおいて、延設部13に形成された溝部131に対向する位置に、溝部131と断面視で同一形状の溝部が形成されている形態でもよい。この場合には、延設部13に直線状の溝部131で吸気に付与された予旋回を、ナットに形成された溝部を介してスムーズにインペラ31に供給することができるため、予旋回の効果が増大する可能性がある。
本実施形態では、延設部13に直線状の溝部131によって吸気に予旋回を付与する場合について説明したが、延設部13に直線状の溝部131と、その他の予旋回付与手段とを組み合わせて、吸気に予旋回を付与する形態でもよい。例えば、図1に示すインレット部62に、吸気にインペラ31と同一方向の予旋回を付与する空気流旋回機構を備える形態でもよい(例えば、特開2005−23792号公報の図2参照)。
本発明は、インペラを回転させることによって気体を圧縮するコンプレッサに利用可能であり、更に詳しくは、車両に搭載される過給機に配設されるコンプレッサに利用することができる。
100 ターボチャージャ(過給機)
1 タービン軸(駆動軸)
11 軸中央部
111 段差部
12 コンプレッサ支持部
13 延設部
131 溝部(凹部)
14 タービン接続部
2 タービン
3 コンプレッサ
31 インペラ
32 ナット
4 ベアリングハウジング
41、42 軸受
6 コンプレッサハウジング
62 インレット部

Claims (6)

  1. インペラを回転させることによって気体を圧縮するコンプレッサであって、
    当該コンプレッサが挿通され、当該コンプレッサと一体に回動可能に構成された駆動軸を備え、
    前記駆動軸は、前記コンプレッサの吸気側に突出するべく延設された延設部を有し、
    前記延設部は、前記駆動軸の外周面側から軸心側に向けて形成された凹部を有することを特徴とするコンプレッサ。
  2. 請求項1に記載のコンプレッサにおいて、
    前記凹部は、前記駆動軸の軸心に沿って形成された溝部であることを特徴とするコンプレッサ。
  3. 請求項2に記載のコンプレッサにおいて、
    前記凹部は、前記駆動軸の軸心と略平行に直線状に形成された複数本の溝部であることを特徴とするコンプレッサ。
  4. 請求項3に記載のコンプレッサにおいて、
    前記凹部は、前記駆動軸の軸心と略平行に直線状に形成された2本の溝部であって、
    前記2本の溝部の横断面形状は、前記駆動軸の軸心に対して互いに点対称となるべく形成されていることを特徴とするコンプレッサ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のコンプレッサにおいて、
    前記凹部は、前記延設部の重心位置が前記駆動軸の軸心位置と一致するべく形成されていることを特徴とするコンプレッサ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のコンプレッサにおいて、
    当該コンプレッサは、車両に搭載される過給機に配設されていることを特徴とするコンプレッサ。
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