JP2013185445A - ラジエータキャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】 部品点数が少なくなるとともに、構造が単純になるラジエータキャップを提供すること。
【解決手段】 ラジエータ10の注水口15に取り付けられるラジエータキャップ20を、キャップ本体21と、下部リテーナ23と、ゴム製のガスケット25と、加圧ばね24とで構成した。下部リテーナ23は、上部吸引孔23dが形成された加圧プレート23aを備え、加圧シール部15bとキャップ本体21との間に配置される。ガスケット25は、下部吸引孔25bを備えており、上部吸引孔23dを塞いで加圧プレート23aの下面に設置され、上部吸引孔23dを介して所定の圧力を受けることにより撓んで、下部吸引孔25bと上部吸引孔23dを連通させる。加圧ばね24は、加圧プレート23aを介してガスケット25を加圧シール部15bに押圧する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ラジエータやリザーブタンクなどからなる冷却水を収容する容器の上部に設けられた筒状の注水口に取り付けられるラジエータキャップに関する。
従来から、エンジンの冷却に使用されるラジエータや、ラジエータに接続されたリザーブタンクの上部には、筒状の注水口が設けられており、この注水口にラジエータキャップが着脱可能に取り付けられている。(例えば、特許文献1参照)。このラジエータキャップ(圧力調整キャップ)は、オーバーフローパイプによりリザーブタンクに接続されたラジエータの注水口に取り付けられている。そして、このラジエータキャップには、リザーブタンクから冷却水を導入するための吸水口と、ラジエータの冷却水または空気をオーバーフローさせるための出水口とが形成されたキャップ本体が備わっている。また、キャップ本体の開口付近の内部側には、連通穴を備えた環状の内壁が形成され、その内壁の上に、円板状の加圧プレートと、加圧プレートの下面に固着された円板状のゴム部材とからなる加圧弁が配置されている。
加圧弁の中央には、上下に貫通する穴が形成されており、その穴に環状のリテーナが取り付けられている。また、キャップ本体と加圧弁との間には、加圧弁を内壁に押圧するばねが介装され、加圧弁の下には、円板状のゴム部材とそのゴム部材の外周に固着された可撓部材とからなる負圧弁が配置されている。そして、負圧弁には、上下に貫通する複数の連通穴と、ゴム部材の中央からリテーナ内を貫通して上方に延びる軸部とが形成されており、軸部の上端にはフランジが形成されている。このフランジとリテーナとの間には、負圧弁を加圧弁に圧接させるばねが介装されている。また、負圧弁の周縁は、キャップ本体の開口周縁(内壁の下方)に固定されている。
このため、ラジエータ内の圧力が上昇すると、負圧弁の連通穴を介して加圧弁に圧力が加わり、加圧弁が上方に押し上げられる。このとき、ラジエータ内の冷却水は、負圧弁の連通穴から、加圧弁と内壁との隙間およびリテーナと軸部との隙間を通り、出水口を通過してリザーブタンクに流れていく。また、ラジエータ内が負圧になると、負圧弁が下方に引っ張られて加圧弁から離れる。これによって、リザーブタンク内の冷却水は、出水口から内壁の連通穴およびリテーナと軸部との隙間を通り、負圧弁の連通穴を通過してラジエータ内に流れていく。
特開平6−109165号公報
しかしながら、前述した従来のラジエータキャップでは、ラジエータ内を所定の高圧状態に維持するために設けた、加圧弁、負圧弁およびキャップ本体と加圧弁との間に配置されたばねの他、ラジエータ内を所定の負圧状態に維持するために設けた、上端にフランジが形成された軸部、リテーナ、およびフランジとリテーナとの間に配置されたばねなどが必要になる。このため、部品点数が多くなり、構造も複雑になるという問題がある。
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、その目的は、部品点数が少なくなるとともに、構造が単純になるラジエータキャップを提供することである。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
前述した目的を達成するため、本発明に係るラジエータキャップの構成上の特徴は、冷却水を収容する容器(10,91)の上部に設けられ、側部に外部(11)に連通する通路(16)が形成され、内部下部側に細径部(15b)が形成された筒状の注水口(15,95)に取り付けられるラジエータキャップ(20,30,40,50,60,70,80)において、注水口の開口部に着脱可能に取り付けられるキャップ本体(21)と、上下に貫通する上部吸引孔(23d,63d)が形成された加圧プレート(23a,33a,43a,63a,73a,83a)を備え、細径部とキャップ本体との間に上下移動可能に配置されたリテーナ(23,33,43,63,73,83)と、上下に貫通する下部吸引孔(25b)を備え、下部吸引孔の位置を上部吸引孔の位置とずらし上部吸引孔を塞いだ状態で加圧プレートの下面に設置され、上部吸引孔を介して所定の圧力を受けることにより撓んで、下部吸引孔と上部吸引孔とを連通させるゴム製のガスケット(25,55,65,75)と、キャップ本体とリテーナとの間に配置され、加圧プレートを介してガスケットを細径部に押圧することにより容器を閉塞する加圧ばね(24,34,84)とを備えたことにある。
本発明に係るラジエータキャップでは、ガスケットを可撓性を有するゴムで構成し、このガスケットをリテーナの加圧プレートを介して加圧ばねで注水口の細径部に押し付けることにより容器を閉塞するようにしている。このため、ガスケットを上方に押し上げようとする容器内の圧力が加圧ばねの押圧力よりも小さいときには、容器は閉塞状態に維持される。そして、容器内の圧力が加圧ばねの押圧力以上になると、容器内の圧力によってガスケットはリテーナの加圧プレートに押し付けられ、加圧ばねの押圧力に抗してリテーナを上昇させる。これによって、容器内の冷却水、水蒸気または空気からなる流体が細径部の周縁部とガスケットとの間を通過して通路から外部に放出される。
また、容器内の圧力が外部の圧力よりも低い負圧の場合には、ガスケットは容器の内部側に吸引される。このとき、容器内の負圧による吸引力が、ガスケットを変形させるために必要な力よりも小さいときには、容器は閉塞状態に維持される。そして、容器内の負圧による吸引力が、ガスケットを変形させるために必要な力よりも大きくなると、容器内からの吸引力によってガスケットの少なくとも一部が変形してリテーナの加圧プレートから離れていく。これによって、外部から通路に入った流体が、加圧プレートの上部吸引孔およびガスケットの下部吸引孔を通過して容器内に吸引される。
このように、容器内の圧力に応じて、容器内から流体を外部に放出したり、容器内に外部から流体を吸引したりすることにより、容器内の圧力を一定の範囲に調整することができる。これによって、容器が破損することを防止できる。また、本発明では、ガスケットをリテーナの加圧プレートに押し付けて上部吸引孔と下部吸引孔とを閉塞させたり、ガスケットの少なくとも一部を加圧プレートの下面から離して上部吸引孔と下部吸引孔とを連通させたりするために、ばねやそのばねを取り付けるための部材を用いない。
このため、ラジエータキャップを構成する部品の点数が少なくなるとともに、ラジエータキャップの構造が単純になる。すなわち、本発明は、ばねに代えてゴムからなるガスケットの弾性を利用したものであり、容器内が負圧のときに開弁させる方法に特徴を有するものである。なお、キャップ本体とリテーナとの間に配置される加圧ばねは、キャップ本体とリテーナとに直接接した状態で配置されていてもよいし、他の部材を介して配置されていてもよいものとする。
また、本発明に係るラジエータキャップの他の構成上の特徴は、上部吸引孔を、加圧プレートの中心部を中心とした円に沿って互いに間隔を保って形成された平面視が円弧状の複数の孔で構成したことにある。
この場合の加圧プレートの中心部を中心とした円とは、加圧プレートの中心部と外周部との間に位置する任意の仮想円である。本発明によると、円周方向に延びるように上部吸引孔が形成されているため、容器内が負圧のときに、外部から流れてくる流体が円周方向の一部に偏ることなく均等に分散して上部吸引孔を通過するようになる。これによって、容器内の負圧が一定の値になった時に正確に開弁が開始するようになる。
また、本発明に係るラジエータキャップのさらに他の構成上の特徴は、下部吸引孔を、ガスケットの中心部を中心とした円に沿って互いに間隔を保って形成された平面視が円形の複数の孔で構成したことにある。
この場合のガスケットの中心部を中心とした円も、ガスケットの中心部と外周部との間に位置する任意の仮想円である。本発明によると、ガスケットの下面の面積に対する下部吸引孔の開口の面積は小さいため、容器内の圧力が、下部吸引孔を介して加圧プレートを上昇させようとする力よりもガスケットを加圧プレートに押し付ける力の方が大きくなる。このため、容器内が高圧のときに、ガスケットが加圧プレートに押し付けられて上部吸引孔と下部吸引孔との間が確実に閉塞される。また、容器内が負圧のときには、ガスケットにおける少なくとも下部吸引孔の近傍部分が下方に撓んで、上部吸引孔を通過して流れてくる流体は下部吸引孔を通って容器内に吸引される。
本発明に係るラジエータキャップのさらに他の構成上の特徴は、加圧プレート(23a,33a,43a,63a)の中央部に上部中心穴(23c,43c,83c)を形成するとともに、ガスケット(25,55,65)の中央部に下部中心穴(25a)を形成し、上部中心穴と下部中心穴に挿通して、加圧プレートの上部中心穴の周縁部とガスケットの下部中心穴の周縁部とを上下から挟持することのできる軸状組付部材で加圧プレートとガスケットとを組み付けたことにある。
本発明に係る軸状組付部材とは、加圧プレートの上部中心穴とガスケットの下部中心穴との内部に位置する軸状部分と、加圧プレートの上面における上部中心穴の周縁部に係合する部分と、ガスケットの下面における下部中心穴の周縁部に係合する部分とを備えた部材である。本発明では、容器内からの吸引力によって変形するガスケットの一部は、ガスケットの中央部よりも外周側の部分となる。なお、本発明に係る上部中心穴を前述した上部吸引孔として利用することもできる。
本発明に係るラジエータキャップのさらに他の構成上の特徴は、加圧プレート(73a,83a)の外周部とガスケット(75,85)の外周部とを上下から挟持することのできる組付部材(76)で、加圧プレートとガスケットとを組み付けたことにある。
本発明に係る組付部材は、加圧プレートとガスケットとの外周部分を固定できれば、どのような部材でもよい。例えば、加圧プレートとガスケットとの外周面に位置する部分と、加圧プレートの上面における外周部に係合する部分と、ガスケットの下面における外周部に係合する部分とを備えたリング状の部材を用いることができる。また、加圧プレートとガスケットとの外周縁部に取り付けられる複数のコ字状の部材や、ステープラーのような加圧プレートとガスケットとの外周部分に刺し込むことのできる部材を用いることもできる。本発明では、容器内からの吸引力によって変形するガスケットの一部は、ガスケットの中央側の部分となる。
また、本発明に係るラジエータキャップの他の構成上の特徴は、容器を、ラジエータとラジエータに連通するリザーブタンクとを備えたラジエータ装置のラジエータ(10)またはリザーブタンク(91)で構成したことにある。
本発明に係るラジエータキャップは、例えば、リザーブタンクの上部空間が外部に連通した簡易密閉式ラジエータ装置のラジエータまたはリザーブタンクが外部に対して密閉された完全密閉式ラジエータ装置のリザーブタンクに取り付けられる。そして、簡易密閉式ラジエータ装置のラジエータにラジエータキャップを取り付けたときには、ラジエータ内が所定の高圧になったときに、ラジエータから放出される流体は、細径部とガスケットとの間を通過して通路からリザーブタンクに収容される。また、ラジエータ内が所定の負圧になったときには、リザーブタンク内の流体が通路を通り、さらに加圧プレートの上部吸引孔とガスケットの下部吸引孔とを通過してラジエータ内に吸引される。この場合、リザーブタンクが本発明に係る外部となる。
また、完全密閉式ラジエータ装置のリザーブタンクにラジエータキャップを取り付けたときには、ラジエータとリザーブタンクとの内部が所定の高圧になったときに、リザーブタンク内の水蒸気や空気からなる流体が、細径部とガスケットとの間を通過して通路から外部に放出される。そして、ラジエータとリザーブタンクとの内部が所定の負圧になったときには、外部の空気が、通路を通り、さらに加圧プレートの上部吸引孔とガスケットの下部吸引孔とを通過してリザーブタンク内に吸引される。この場合の本発明に係る外部は大気中となる。本発明によると、ラジエータやリザーブタンクの破損を防止できるとともに、ラジエータを適正な状態で作動させてエンジンのオーバーヒートを防止することができる。
本発明の第1実施形態に係るラジエータキャップが取り付けられたラジエータとリザーブタンクとからなる簡易密閉式ラジエータ装置をエンジンに接続した状態を示した概略図である。 ラジエータキャップが注水口に取り付けられた状態を示した断面図である。 下部リテーナの加圧プレートを示した下面図である。 ガスケットを示した平面図である。 上部吸引孔の位置を示したガスケットの下面図である。 高圧時に開弁した状態を示した断面図である。 負圧時に開弁した状態を示した断面図である。 第1変形例に係るラジエータキャップが注水口に取り付けられた状態を示した断面図である。 図8に示したラジエータキャップが負圧時に開弁した状態を示した断面図である。 第2変形例に係るラジエータキャップが注水口に取り付けられた状態を示した断面図である。 図10に示したラジエータキャップが負圧時に開弁した状態を示した断面図である。 第3変形例に係るラジエータキャップが注水口に取り付けられた状態を示した断面図である。 第4変形例に係るラジエータキャップが注水口に取り付けられた状態を示した断面図である。 第2実施形態に係るラジエータキャップが注水口に取り付けられた状態を示した断面図である。 図14に示したラジエータキャップが負圧時に開弁した状態を示した断面図である。 第2実施形態の変形例に係るラジエータキャップが注水口に取り付けられた状態を示した断面図である。 本発明の第3実施形態に係るラジエータキャップが取り付けられたリザーブタンクとラジエータとからなる完全密閉式ラジエータ装置をエンジンに接続した状態を示した概略図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係るラジエータキャップ20が取り付けられたラジエータ10とリザーブタンク11とからなる簡易密閉式ラジエータ装置を、エンジン12に接続した状態を示している。ラジエータ10の下部とエンジン12の内部に設けられた冷却水路(図示せず)との間は、冷却水配管13aで接続されており、冷却水配管13aの中間部にウォーターポンプ14が設けられている。すなわち、冷却水配管13aは、ラジエータ10からウォーターポンプ14に延び、さらにウォーターポンプ14からエンジン12内の冷却水路の入口に向かって延びている。
また、エンジン12の冷却水路の出口とラジエータ10の上部との間は、エンジン12を冷却した冷却水をエンジン12の冷却水路からラジエータ10に送る冷却水配管13bで接続されている。このため、ウォーターポンプ14が作動すると、ラジエータ10内の冷却水が冷却水配管13aを通ってエンジン12の冷却水路に送られエンジン12を冷却する。そして、エンジン12を冷却することによって熱を吸収した冷却水は、冷却水配管13bを通ってラジエータ10に戻され、ラジエータ10内を通過する。その間に、冷却水は、ラジエータ10に設けられた前後に貫通する複数の隙間を通過する風によって冷却される。その際の冷却は、ラジエータ10に設けられたフィンによってより効果的に行われる。
また、ラジエータ10の上端部には注水口15が形成されており、リザーブタンク11は、本発明に係る通路としてのオーバーフローパイプ16によってラジエータ10の注水口15に接続されている。エンジン12から戻される加熱された冷却水によってラジエータ10内の温度が上昇し、そのためラジエータ10内の冷却水や水蒸気が膨張して圧力が上昇すると、ラジエータ10内の膨張した冷却水や水蒸気がリザーブタンク11に放出される。これによって、ラジエータ10内の圧力が異常に高くなることが防止される。また、ラジエータ10内の温度が低下し、そのためラジエータ10内の冷却水や水蒸気が収縮して負圧になると、リザーブタンク11内の冷却水や水蒸気がラジエータ10内に吸引される。これによって、ラジエータ10内の圧力が異常に低くなることが防止される。
ラジエータ10の注水口15は、図2に示したように、略円筒状に形成されており、その内周面の上部に、ねじ15aが形成されている。また、注水口15の内部側下部には、注水口15の内周面と間隔を保って円筒状の加圧シール部15bが形成されている。この加圧シール部15bの内周面は、下部側から上部側にいくほど直径が大きくなるテーパ面で構成されている。また、加圧シール部15bは、ねじ15aよりも下方に位置しており、加圧シール部15bの下端部は注水口15の下部に連結されている。このため、ラジエータ10の内部は、加圧シール部15bの内部、注水口15の上部空間および注水口15の内周面と加圧シール部15bの外周面との間を介してオーバーフローパイプ16に連通している。この加圧シール部15bで本発明に係る細径部が構成される。なお、ラジエータ10およびリザーブタンク11は、それぞれ樹脂材料で構成されている。
この注水口15に取り付けられるラジエータキャップ20は、キャップ本体21と、上部リテーナ22と、下部リテーナ23と、加圧ばね24と、ガスケット25と、バルブシーム26とで構成されている。キャップ本体21は、樹脂を一体成形した部材で構成されており、円板状の天井部21aと、天井部21aの周縁部から下方に延びる環状の周壁部21bと、周壁部21bの内周面と間隔を保って天井部21aの下面から下方に延びる環状の係合部21cとからなっている。係合部21cの上下方向の長さは、周壁部21bの上下方向の長さよりも短くなっており、このため、周壁部21bの下端部は、係合部21cの下端部よりも下方に突出している。
係合部21cの外周面には、注水口15のねじ15aに螺合できるねじ21dが形成されており、このねじ21dとねじ15aとの螺合により、注水口15にラジエータキャップ20を着脱可能に取り付けることができる。注水口15にラジエータキャップ20を取り付けたときには、注水口15の上部は、周壁部21bと係合部21cとの間に位置する。また、係合部21cの内周面下部には、内部側に突出する複数の係合段部21eが係合部21cの内周に沿って一定間隔で形成されている。この係合段部21eは下部側から上部側にいくほど肉厚になっており、このため係合段部21eの内面はテーパ面で構成されている。また、図示していないが、キャップ本体21の天井部21aの上面には、レーザー印字によって、商品名や警告内容などが表示されている。
上部リテーナ22は、樹脂材料で構成されており、ばね支持部22aと、ばね支持部22aの下部に設けられた円筒部22bとを備えている。ばね支持部22aは、キャップ本体21の係合部21cの内部に入ることができる大きさの環状体で構成されており、その下面に下方が開口した環状支持溝22cが、ばね支持部22aの環状に沿って形成されている。また、ばね支持部22aの外周部には、円周方向に一定間隔を保って下端が開放された凹部(図示せず)が形成されており、この凹部を形成することによって、ばね支持部22aの外周部には可撓性が備わっている。さらに、ばね支持部22aの外周部は、下部側から上部側にいくほど薄肉になっており、これによってばね支持部22aの外周面はテーパ状に形成されている。このため、ばね支持部22aの外周部の下端部は、係合部21cの内周面下部に形成された係合段部21eに係合できる。
上部リテーナ22は、ばね支持部22aを係合部21cの内部に押し込んで、ばね支持部22aの外周下端部を係合段部21eに係合させることにより、キャップ本体21に組み付けられている。さらに、ばね支持部22aの上面における環状支持溝22cに対応する部分には、環状支持溝22cに沿った環状突部22dが形成されており、この環状突部22dがキャップ本体21の天井部21aに当接している。また、円筒部22bの外周面の下端には、外側に突出する複数の係合段部22eが円周方向に間隔を保って形成されている。この係合段部22eは、下部側から上部側にいくほど肉厚になっており、これによって、係合段部22eの外面はテーパ状に形成されている。
下部リテーナ23は、樹脂材料で構成されており、加圧プレート23aと、加圧プレート23aの上部に設けられた摺動連結部23bとを備えている。加圧プレート23aは、図3(下面)に示したように、中央に上下に貫通する本発明に係る上部中心穴としての中心穴23cが形成され、その中心穴23cと外周縁部との略中央に、上下に貫通し平面視が円弧状になった4つの上部吸引孔23dが円周方向に一定間隔を保って形成されている。また、加圧プレート23aの下面における中心穴23cから少し外周側の部分には、上下方向の長さ(深さ)が短い凹部27が円周に沿って形成されている。この凹部27を形成する空間の外周部分は上部吸引孔23dに連通している。
そして、凹部27の外周に下方に突出する断面形状が逆三角形の環状突部27aが円周に沿って形成され、環状突部27aの外周に断面形状が三角形の環状凹部27bが円周に沿って形成されている。環状突部27aの下端部は、加圧プレート23aの下面よりも僅かに下方に突出し、環状凹部27bの上端は、凹部27の上面と略同じ高さになっている。摺動連結部23bは、横断面形状が円弧状の4つの板状部分を円周方向に間隔を保って配置することにより略円筒状に形成されており、上部リテーナ22の円筒部22bを覆うようにして配置されている。また、摺動連結部23bの内面上端の一部には、内側に突出する係合段部23eが形成されている。この係合段部23eは、下部側から上部側にいくほど薄肉になっており、これによって、係合段部23eの内面はテーパ状に形成されている。
下部リテーナ23は、円筒部22bを摺動連結部23bの内部に押し込ませて、係合段部23eを係合段部22eの上方に位置させることにより、摺動連結部23bが円筒部22bから外れることを防止した状態で上部リテーナ22に組み付けられている。このため、下部リテーナ23は、摺動連結部23bの上端部が、ばね支持部22aに当接するか、または、円筒部22bの下端部が加圧プレート23aに当接する上昇位置と、係合段部23eが係合段部22eに係合する下降位置との間で、上部リテーナ22に対して昇降できる。
そして、互いに組み付けられた円筒部22bと摺動連結部23bとの外周に金属製のコイルばねからなる加圧ばね24が取り付けられている。加圧ばね24の上端は、上部リテーナ22の環状支持溝22c内に係合し、加圧ばね24の下端は、加圧プレート23aの上面に当接している。この加圧ばね24によって、下部リテーナ23は、キャップ本体21および上部リテーナ22に対して下方に付勢されている。また、前述した下部リテーナ23の上昇位置は、加圧ばね24が最少長さまで収縮した位置で規制されるようにしてもよい。
ガスケット25は、ゴムからなる円板体で構成されており、加圧プレート23aの下面に設置されている。このガスケット25は、図4に示したように、中央に上下に貫通する本発明の下部中心穴としての中心穴25aが形成され、外周側に上下に貫通する6つの円形の下部吸引孔25bが円周方向に間隔を保って形成されている。このガスケット25は、図5に示したように、下部吸引孔25bの位置を上部吸引孔23dの位置と径方向にずらした状態で、加圧プレート23aの下面に設置され、加圧ばね24の付勢力によって、注水口15の加圧シール部15bの上端部に押し付けられている。
この場合、ガスケット25の外周部25cが加圧シール部15bの上端部に当接してラジエータ10を閉塞する。また、ガスケット25は、加圧プレート23aの下面に接面することにより、上部吸引孔23dと凹部27とを塞いでおり、この場合、本発明に係る上部吸引孔は、上部吸引孔23dと凹部27とで構成される。なお、ガスケット25の中心穴25aの直径は、加圧プレート23aの中心穴23cの直径よりも僅かに大きく設定されている。
バルブシーム26は、ガスケット25を加圧プレート23aの下面に固定するための部材であり、樹脂の成形体で構成されている。このバルブシーム26は、円形板状の支持部26aと、支持部26aの上面中央から上方に延びる一対の突起からなる割ピン部26bとを備えており、割ピン部26bの両外面の上部にはそれぞれテーパ状の係合部26cが形成されている。割ピン部26bは、加圧プレート23aの中心穴23cと、ガスケット25の中心穴25aとを挿通し、支持部26aは、ガスケット25の下面に位置してガスケット25を支持する。また、係合部26cは、加圧プレート23aの中心穴23cから上方に突出して加圧プレート23aの上面に係合している。このため、ガスケット25の中央部は、加圧プレート23aの中央部に固定されている。
このバルブシーム26で本発明に係る軸状組付部材が構成される。なお、キャップ本体21、上部リテーナ22、下部リテーナ23およびバルブシーム26を構成する樹脂材料としては、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂などを用いることがでる。また、ガスケット25を構成するゴムとしては、シリコンゴム、水素アクリロニトル・ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴムなどのゴムやエラストマ樹脂などを用いることができる。
この構成において、エンジン12の作動により、エンジン12の温度が上昇して、サーモスタット(図示せず)が作動すると、ウォーターポンプ14が作動する。これによって、ラジエータ10内の冷却水は、冷却水配管13aを通ってエンジン12の冷却水路に送られエンジン12を冷却する。そして、エンジン12を冷却した冷却水は、冷却水配管13bを通ってラジエータ10に戻る。このエンジン12から戻る加熱された冷却水によってラジエータ10内の温度が、常温から90℃程度の範囲で上昇し、冷却水は膨張する。これによって、ラジエータ10内の圧力は上昇していく。
このとき、ガスケット25はラジエータ10内の圧力によって加圧プレート23aに押し付けられ、ガスケット25の上面における環状突部27aに対向する部分が、環状突部27aに圧接する。これによって、ラジエータ10は密閉状態に維持される。そして、ラジエータ10内の圧力がさらに上昇して、例えば、108kPaに達すると、ラジエータ10内の圧力が加圧ばね24の付勢力に抗してガスケット25を下部リテーナ23およびバルブシーム26とともに上昇させる。
これによって、図6に示したように、加圧シール部15bとガスケット25との間に隙間が生じて、ラジエータ10内の膨張した冷却水や水蒸気が、矢印aで示したように、加圧シール部15bの内部空間と、加圧シール部15bとガスケット25との隙間とを通過していく。そして、その冷却水や水蒸気は、オーバーフローパイプ16を通過してリザーブタンク11内に放出される。これにより、ラジエータ10内の圧力が異常に高くなってラジエータ10が破損することが防止される。
また、エンジン12の停止などにより、ラジエータ10内の温度が低下し、そのためラジエータ10内の圧力が負圧になると、その負圧によってガスケット25は下部リテーナ23とともにラジエータ10の内部側に吸引される。このとき、ガスケット25の外周部25cが、加圧シール部15bにより強固に圧接して、ラジエータ10は密閉状態に維持される。
そして、ラジエータ10内の圧力がさらに低下して、例えば、5kPaに達すると、ラジエータ10内の負圧がガスケット25の弾性力に抗してガスケット25における環状突部27aに対向する部分およびその近傍部分を下方に向かって撓ませる。これによって、図7に示したように、加圧プレート23aの上部吸引孔23dとガスケット25の下部吸引孔25bとが凹部27を介して連通し、リザーブタンク11からオーバーフローパイプ16を通過して送られる冷却水や水蒸気が、矢印bで示したように、ラジエータ10内に吸引される。この場合、冷却水や水蒸気は、オーバーフローパイプ16から注水口15の上部空間を通過して上部吸引孔23dに進む。これによって、ラジエータ10内の圧力が異常に低くなってラジエータ10が破損することが防止される。
以上のように、本実施形態に係るラジエータキャップ20では、ガスケット25をゴムで構成し、このガスケット25を下部リテーナ23の加圧プレート23aを介して加圧ばね24で加圧シール部15bに押し付けることによりラジエータ10を閉塞するようにしている。このため、ラジエータ10内の圧力が加圧ばね24の押圧力よりも小さいときには、ラジエータ10は閉塞状態に維持される。この場合、ラジエータ10内は適度な高圧になって、冷却水が沸騰することを防止され、気泡を含まない冷却水がエンジン12に送られることで、エンジン12の冷却が適正に行われる。これによって、エンジン12の作動は適正状態に維持される。
そして、ラジエータ10内の圧力が所定の値以上になると、ラジエータ10内の圧力によってガスケット25は下部リテーナ23とともに、加圧ばね24の押圧力に抗して上昇し、ラジエータ10内の冷却水や水蒸気がリザーブタンク11内に放出される。また、ラジエータ10内が負圧で、その負圧が、ガスケット25を変形させるために必要な力よりも小さいときには、ラジエータ10は閉塞状態に維持される。そして、ラジエータ10内の負圧が、ガスケット25を変形させるために必要な負圧よりもさらに小さくなると、ラジエータ10内からの吸引力によってガスケット25の一部が変形して上部吸引孔23dと下部吸引孔25bとが連通し、リザーブタンク11内の冷却水や水蒸気がラジエータ10内に吸引される。
このように、ラジエータ10内の圧力に応じて、ラジエータ10内から冷却水や水蒸気をリザーブタンク11に放出したり、リザーブタンク11から冷却水や水蒸気を吸引したりすることにより、ラジエータ10内の圧力を一定の範囲に調整することができ、これによって、ラジエータ10が破損することを防止できる。また、本実施形態に係るラジエータキャップ20では、上部吸引孔23dと下部吸引孔25bとの間を連通させたり閉塞させたりするために、ばねやそのばねを取り付けるための部材を用いないため、ラジエータキャップ20を構成する部品の点数が少なくなるとともに、ラジエータキャップ20の構造が単純になる。なお、ガスケット25の弾性は、ガスケット25を構成するゴム材料の硬度や厚みを適宜設定することによって調整する。
また、上部吸引孔23dを、円周方向に間隔を保って形成された平面視が円弧状の複数の孔で構成し、下部吸引孔25bを、円周方向に間隔を保って形成された平面視が円形の複数の孔で構成している。そして、上部吸引孔23dと下部吸引孔25bとの位置をずらしてガスケット25を加圧プレート23aに組み付けている。このため、ラジエータ10内が負圧のときに、リザーブタンク11から流れてくる冷却水や水蒸気が円周方向の一部に偏ることなく均等に分散して上部吸引孔23dを通過するようになる。これによって、ラジエータ10内の負圧が一定になった時に正確に開弁が開始するようになる。
また、ラジエータ10内の圧力がリザーブタンク11内の圧力よりも大きいときに、下部吸引孔25bを介して加圧プレート23aを上昇させようとする力よりもガスケット25を加圧プレート23aに押し付ける力の方が大きくなるため、ガスケット25と加圧プレート23aとの間を確実に閉塞できる。また、ラジエータ10内が負圧のときには、ガスケット25における下部吸引孔25bの近傍部分が下方に撓んで、上部吸引孔23dを通過して流れてくる冷却水や水蒸気は下部吸引孔25bを通ってラジエータ10内に吸引される。
(第1変形例)
図8および図9は、前述したラジエータキャップ20の第1変形例に係るラジエータキャップ30を示している。このラジエータキャップ30は、前述したラジエータキャップ20の上部リテーナ22と下部リテーナ23と加圧ばね24とに変形を加えたものであり、このラジエータキャップ30では、上部リテーナ32は、天井部32aと、係合筒状部32bと、円筒部32cとで構成されている。天井部32aは略円板状に形成されており、その下面の中心と外周部との略中央に下方に延びる係合筒状部32bが形成され、係合筒状部32bの内部に、係合筒状部32bよりも直径および上下方向の長さが短くなった円筒部32cが形成されている。
そして、この上部リテーナ32では、天井部32a、係合筒状部32bおよび円筒部32cで囲まれる部分に環状支持溝32dが形成されている。すなわち、この環状支持溝32dを形成する部分でばね支持部が構成される。また、係合筒状部32bの下端には、外側に突出したのちに屈曲して上方に延びる複数の係合片32eが円周方向に間隔を保って形成されており、この係合片32eの外周面における上下方向の中央部に係合段部32fが形成されている。この係合段部32fは、下部側から上部側にいくほど肉厚になっており、これによって、係合段部32fの外面はテーパ状に形成されている。また、天井部32aの上面には、直径の異なる2つの環状突部32g,32hが中心部を一致させて形成されている。
下部リテーナ33は、加圧プレート33aと、加圧プレート33aの上部にそれぞれ設けられた摺動連結部33bと、ばね支持部33cとを備えている。摺動連結部33bは、横断面形状が円弧状の4つの板状部分を円周方向に間隔を保って配置することにより略円筒状に形成されており、内面上端の一部には、内側に突出する係合段部33dが形成されている。ばね支持部33cは、円筒部32cと同じ直径の円筒体で構成されている。そして、加圧ばね34は、上端部を円筒部32cの外周部に係合させ、下端部をばね支持部33cの外周部に係合させている。
すなわち、前述した第1実施形態では、加圧ばね24が、円筒部22bや摺動連結部23bの外周側に設けられているのに対し、この変形例では、加圧ばね34が、係合筒状部32bや摺動連結部33bの内周側に設けられており、加圧ばね34の直径は加圧ばね24の直径よりも小さくなっている。なお、この変形例では、天井部32aに穴が設けられているがこの穴は、上部リテーナ32を上下に配置された金型で成形する際に、係合片32eおよび係合段部32fを形成するために設けたものである。
この変形例のそれ以外の部分の構成については、前述した第1実施形態と同じである。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。このラジエータキャップ30によると、上部リテーナ32の成形を、横方向に移動する金型を用いることなく上下方向に移動する金型だけの使用で行えるようになるため、1回の成形で成形できる上部リテーナ32の数を増やすことができ、成形における歩留まりが向上する。このラジエータキャップ30のそれ以外の作用効果は、前述したラジエータキャップ20と同様である。なお、図8は、ラジエータキャップ30が閉弁した状態を示し、図9は、ラジエータキャップ30が負圧時に開弁した状態を示している。
(第2変形例)
図10および図11は、第2変形例に係るラジエータキャップ40を示している。このラジエータキャップ40は、前述した第1変形例のラジエータキャップ30の下部リテーナ33に変形を加えたものであり、このラジエータキャップ40の下部リテーナ43には、下部リテーナ33に備わっている上部吸引孔23dに相当する上部吸引孔は備わっていない。そして、このラジエータキャップ40では、下部リテーナ43の加圧プレート43aに形成された中心穴43cが上部吸引孔として機能する。
この変形例のそれ以外の部分の構成については、前述した第1変形例のラジエータキャップ30と同じである。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。なお、図10は、ラジエータキャップ40が閉弁した状態を示し、図11は、ラジエータキャップ40が負圧時に開弁した状態を示している。図11に示した負圧時の開弁の際には、冷却水や水蒸気は、中心穴43cから下部吸引孔25bを通過してラジエータ10内に吸引される。また、この変形例では、上部吸引孔23dに相当する上部吸引孔が設けられていないため、下部リテーナ43を成形する際に、加圧プレート43aにヒケやウェルドによるうねりが生じることが防止される。これによって、ガスケット25と下部リテーナ43との間のシール性が向上する。このラジエータキャップ40のそれ以外の作用効果は、前述したラジエータキャップ20,30と同様である。
(第3変形例)
図12は、第3変形例に係るラジエータキャップ50を示している。このラジエータキャップ50は、前述した第1変形例のラジエータキャップ30のガスケット25に変形を加えたものであり、このラジエータキャップ50のガスケット55の下面における内周側と外周側とを除いた部分には、凹部55aが円周に沿って形成されている。この変形例のそれ以外の部分の構成については、前述した第1変形例のラジエータキャップ30と同じである。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
このラジエータキャップ50によると、凹部55aを設けることによってガスケット55が撓みやすくなるため、負圧時の開弁が安定したものになる。また、加圧シール部15bに押し付けられることによってガスケット55の外周部にひずみが生じても、そのひずみが凹部55aに伝わりにくくなる。これによって、負圧時の開弁が安定したものになる。このラジエータキャップ50のそれ以外の作用効果は、前述したラジエータキャップ20,30と同様である。
(第4変形例)
図13は、第4変形例に係るラジエータキャップ60を示している。このラジエータキャップ60は、前述した第3変形例のラジエータキャップ50の下部リテーナ33とガスケット55とに変形を加えたものである。このラジエータキャップ60の下部リテーナ63では、上部吸引孔63dが、加圧プレート63aにおける摺動連結部63bとばね支持部63cとの中間部分に位置するように形成されている。また、加圧プレート63aの下面における内周側と外周側とを除いた部分には、凸部63cが円周に沿って形成されている。そして、ガスケット65の下面と上面とには、それぞれ、上下方向の長さ(深さ)が短い凹部65a,65bが円周に沿って形成されている。
なお、凹部65bの内部には、凸部63cが入り、凹部65bの上面と凸部63cの下面とは接面している。この変形例のそれ以外の部分の構成については、前述した第3変形例のラジエータキャップ50と同じである。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。このラジエータキャップ60によると、ガスケット65が撓みやすくなる。また、ガスケット65が上下対称に形成されているため、どちらに向けてもよくなり、組付けが容易になる。このラジエータキャップ60のそれ以外の作用効果は、前述したラジエータキャップ50と同様である。
(第2実施形態)
図14および図15は、本発明の第2実施形態に係るラジエータキャップ70を示している。このラジエータキャップ70では、ガスケット75に中心穴が設けられていない。また、軸状組付部材としてのバルブシームも備わっていない。そして、下部リテーナ73の加圧プレート73aの外周部と、ガスケット75の外周部とがリング状組付部材76によって組み付けられている。このリング状組付部材76は、加圧プレート73aとガスケット75の合計の厚みよりも少し長い上下方向の長さを備えたリング本体76aと、リング本体76aの下端から内部側に向かって突出するフランジ部76bとを備えている。そして、リング本体76aの上部には、周方向に間隔を保って複数の係合爪76cが形成されている。
係合爪76cは、リング本体76aの一部を、例えば、幅の広いU字状に切り欠いて下部側をリング本体76aの内部側に折り曲げることにより形成することができ、テーパ状に形成されている。このため、加圧プレート73aの下面に、ガスケット75を合わせ、リング状組付部材76を、加圧プレート73aとガスケット75の外周側に下方から押し上げて組み付けることにより、加圧プレート73aにガスケット75を組み付けることができる。この場合、フランジ部76bがガスケット75の下面に係合し、係合爪76cの下端部が加圧プレート73aの上面に係合する。このラジエータキャップ70のそれ以外の部分の構成は、図10および図11に示したラジエータキャップ40と同じである。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
なお、図14は、ラジエータキャップ70が閉弁した状態を示し、図15は、ラジエータキャップ70が負圧時に開弁した状態を示している。図15に示した負圧時の開弁の際には、冷却水や水蒸気は、中心穴43cから下部吸引孔25bを通過してラジエータ10内に吸引される。このとき、ガスケット75は、中央部分が下方に突出するように撓む。このため、加圧プレート73aの下面に形成されている環状突部を大きくすることができ、これによると、加圧時の加圧プレート73aとガスケット75との間のシール性が向上する。このラジエータキャップ40のそれ以外の作用効果は、前述したラジエータキャップ40と同様である。
(第5変形例)
図16は、前述した第1実施形態の変形例に係るラジエータキャップ80を示している。このラジエータキャップ80は、前述したラジエータキャップ70の上部リテーナ32と下部リテーナ33と加圧ばね34とに変形を加えたものであり、このラジエータキャップ80では、上部リテーナ82は、天井部82aと、係合筒状部82bと、ばね支持部82cとで構成されている。天井部82aの下面の中心側に下方に延びる係合筒状部82bが形成され、係合筒状部82bの外部に、複数のばね支持部82cが円周に沿って形成されている。
この上部リテーナ82では、天井部82aの下面と、ばね支持部82cの外周面とでばね支持部が構成される。また、係合筒状部82bには、外側面に係合段部82fが設けられた複数の係合片82eが備わっている。下部リテーナ83は、加圧プレート83aと、加圧プレート83aの大径に形成された中心穴83cの周縁部から上方に向かって設けられた摺動連結部83bとを備えている。摺動連結部83bは、横断面形状が円弧状の4つの板状部分を円周方向に間隔を保って配置することにより略円筒状に形成されており、内面上端の一部には、内側に突出する係合段部83dが形成されている。そして、加圧ばね84が、上端部をばね支持部82cの外周部に係合させ、下端部を加圧プレート83aの上面に位置させて取り付けられている。
すなわち、このラジエータキャップ80では、加圧ばね84が、摺動連結部83bの外周側に設けられている。また、ガスケット85は、加圧プレート83aの中心穴83cに位置する部分の上面および下面に膨出部85a,85bが形成された円板状に形成されている。膨出部85aの上面は中央側が外周側のよりも上方に突出する曲面に形成され、膨出部85bの下面は中央側が外周側のよりも下方に突出する曲面に形成されている。また、加圧開弁時に、ガスケット85が、下部リテーナ83とともに上昇すると、上部に位置する膨出部85aが係合筒状部82bの下端部に当接する。この変形例のそれ以外の部分の構成については、前述した第2実施形態と同じである。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
このラジエータキャップ80によると、加圧開弁時に、ガスケット85が上昇して、膨出部85aが係合筒状部82bの下端部に当接すると、ガスケット85は加圧プレート83aから離れるようになる。これによって、冷却水や水蒸気は、ガスケット85と加圧シール部15bとの間だけでなく、下部吸引孔25bからも出ていくようになる。また、加圧開弁時に、ガスケット85が加圧プレート83aから離れることによって、ガスケット85が加圧プレート83aに固着することが防止され、負圧開弁時の動作が安定したものになる。さらに、ガスケット85が上下対称に形成されているため、どちらに向けてもよくなり、組付けが容易になる。このラジエータキャップ80のそれ以外の作用効果は、前述したラジエータキャップ70の作用効果と同様である。
(第3実施形態)
図17は、本発明の第3実施形態を示しており、この実施形態では、前述したラジエータキャップ20が用いられる。このラジエータキャップ20は、完全密閉式ラジエータ装置に備わったリザーブタンク91に取り付けられている。この完全密閉式ラジエータ装置は、ラジエータ90の上部を、オーバーフローパイプ96でリザーブタンク91の上部に接続して構成されている。また、ラジエータ90は、前述した第1実施形態と同様に、冷却水配管13a,13bおよびウォーターポンプ14を介してエンジン12に接続されている。リザーブタンク91内の下部には冷却水が収容され、リザーブタンク91内の上部は空間になっている。そして、リザーブタンク91の下部からは、2本の連結パイプ97,98が外部に延びており、連結パイプ97の先端は、ウォーターポンプ14に連結され、連結パイプ98の先端は、冷却水配管13bに連結されている。
また、リザーブタンク91の上端には、側部に通気孔(図示せず)が形成された注水口95が設けられており、この注水口95にラジエータキャップ20が取り付けられる。なお、この実施形態では、注水口95の側部に設けられた通気孔で本発明に係る通路が構成され、大気中で本発明に係る外部が構成される。この実施形態では、ラジエータ90とリザーブタンク91との圧力が所定値を超えたときに、リザーブタンク91内の水蒸気がラジエータキャップ20から大気中に放出され、ラジエータ90とリザーブタンク91との圧力が所定の負圧になったときに、大気中の空気がラジエータキャップ20からリザーブタンク91の内部に吸引される。
このときのラジエータキャップ20作動は、前述した第1実施形態と同一になる。すなわち、前述した第1実施形態では、主として冷却水がラジエータ10とリザーブタンク11との間を行き来するが、本実施例では、水蒸気がラジエータ90とリザーブタンク91との間を行き来する点が異なっている。この実施形態によっても前述した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、本実施形態において、ラジエータキャップ20に代えて、前述したラジエータキャップ30,40,50,60,70,80のいずれかを用いてもよい。
また、本発明に係るラジエータキャップは、前述した実施形態に限定するものでなく、適宜変更して実施することができる。例えば、前述した実施形態では、ラジエータキャップ20に含まれるキャップ本体21、上部リテーナ22、下部リテーナ23およびバルブシーム26などの各部材を樹脂材料としているが、これは、ラジエータ10,90の注水口15,95を構成する材料に対応させたためであり、注水口15,95を金属で構成した場合には、キャップ本体21等も金属で構成してもよい。
また、上部吸引孔23d、63dおよび下部吸引孔25bの形状も前述した各実施形態に限定するものでなく、半円形、三角形、四角形、楕円形、三日月形など適宜変更することができる。さらに、環状突部27aの断面形状も逆三角形に限らず、半円形、逆台形および波形などの種々の形状にすることができる。また、本発明に係るラジエータキャップのそれ以外の部分の構成についても、本発明の技術的範囲内で適宜変更することができる。
10,90…ラジエータ、11、91…リザーブタンク、15,95…注水口、15b…加圧シール部、16、96…オーバーフローパイプ、20,30,40,50,60,70,80…ラジエータキャップ、21…キャップ本体、23、33、43、63、73、83…下部リテーナ、23a、33a、43a、63a、73a、83a…加圧プレート、23c、25a、43c、83c…中心穴、23d、63d…上部吸引孔、25、55、65、75…ガスケット、25b…下部吸引孔、26…バルブシーム、76…リング状組付部材。

Claims (6)

  1. 冷却水を収容する容器の上部に設けられ、側部に外部に連通する通路が形成され、内部下部側に細径部が形成された筒状の注水口に取り付けられるラジエータキャップにおいて、
    前記注水口の開口部に着脱可能に取り付けられるキャップ本体と、
    上下に貫通する上部吸引孔が形成された加圧プレートを備え、前記細径部と前記キャップ本体との間に上下移動可能に配置されたリテーナと、
    上下に貫通する下部吸引孔を備え、前記下部吸引孔の位置を前記上部吸引孔の位置とずらし前記上部吸引孔を塞いだ状態で前記加圧プレートの下面に設置され、前記上部吸引孔を介して所定の圧力を受けることにより撓んで、前記下部吸引孔と前記上部吸引孔とを連通させるゴム製のガスケットと、
    前記キャップ本体と前記リテーナとの間に配置され、前記加圧プレートを介して前記ガスケットを前記細径部に押圧することにより前記容器を閉塞する加圧ばねとを備えたことを特徴とするラジエータキャップ。
  2. 前記上部吸引孔を、前記加圧プレートの中心部を中心とした円に沿って互いに間隔を保って形成された平面視が円弧状の複数の孔で構成した請求項1に記載のラジエータキャップ。
  3. 前記下部吸引孔を、前記ガスケットの中心部を中心とした円に沿って互いに間隔を保って形成された平面視が円形の複数の孔で構成した請求項1または2に記載のラジエータキャップ。
  4. 前記加圧プレートの中央部に上部中心穴を形成するとともに、前記ガスケットの中央部に下部中心穴を形成し、前記上部中心穴と前記下部中心穴に挿通して、前記加圧プレートの前記上部中心穴の周縁部と前記ガスケットの前記下部中心穴の周縁部とを上下から挟持することのできる軸状組付部材で前記加圧プレートと前記ガスケットとを組み付けた請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載のラジエータキャップ。
  5. 前記加圧プレートの外周部と前記ガスケットの外周部とを上下から挟持することのできる組付部材で、前記加圧プレートと前記ガスケットとを組み付けた請求項1ないし3のうちのいずれか一つに記載のラジエータキャップ。
  6. 前記容器を、ラジエータと前記ラジエータに連通するリザーブタンクとを備えたラジエータ装置の前記ラジエータまたは前記リザーブタンクで構成した請求項1ないし5のうちのいずれかに記載のラジエータキャップ。
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