JP2013183571A - 電力変換装置並びにそれを備えた圧縮機、送風機、空気調和機及び冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンバーターにおけるスイッチング素子5の状態によって、流れる電流の経路が変わることを利用して、リアクター電流i1及びコンデンサー電流i5から、電流検出部で直接検出できないインバーター8に流れる負荷電流i4を演算により検出する。
【選択図】図2
Description
また、第2の目的は、大きな電流が流れる主回路ではない回路に電流定格の小さい電流検出器を配置することによって、低コスト化を図ることである。
また、第3の目的は、電流検出器によって直接検出することができない電流を検出可能とし、その電流が流れる部品について過電流保護を図ることである。
そして、第4の目的は、整流器及びスイッチング素子等が同一のパッケージ内に構成されたモジュールを用いて小型化を図り、そのモジュールを用いた場合においても、モジュール内部の検出した電流を検出することを可能とすることである。
(電力変換装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る電力変換装置の構成図である。
図1で示されるように、三相の交流電圧を供給する交流電源1は、その交流電圧を全波整流する整流器3に接続されている。この整流器3の出力側には、リアクター4とMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等のスイッチング素子5との直列回路が並列に接続されており、そのうちリアクター4が整流器3の正極側に、そして、スイッチング素子5(スイッチング素子5がMOSFETである場合、そのソース側)が整流器3の負極側に接続されている。また、リアクター4とスイッチング素子5との接続部は、ダイオード等の逆流防止素子6を介してインバーター8の正極の入力側に接続され、整流器3の負極の出力側は、インバーター8の負極の入力側に接続されている。この逆流防止素子6は、リアクター4からインバーター8の入力側にのみ電流が流れるように設置されている。また、インバーター8の入力側には、電解コンデンサー等である平滑コンデンサー7が並列に接続されている。そして、インバーター8の出力側には、三相のモーター10が接続されている。
なお、交流電源1は三相交流電源であることに限定されるものではなく、二相交流電源でもよい。この場合、整流器3は、例えば、4つの整流用ダイオードを接続して構成するものとすればよい。
電流検出器9bは、平滑コンデンサー7に流れる電流(図2において後述するコンデンサー電流i5)を検出するものであり、検出した電流値を過電流保護手段14へ送信する。
電流検出器9c、9dは、モーター10に流れるモーター電流を検出するものであり、検出したモーター電流値をインバーター制御手段13へ送信する。
電圧検出手段11は、インバーター8に入力される直流電圧(平滑コンデンサー7の両端電圧)を検出するものであり、検出した電圧値をコンバーター制御手段12へ送信する。
出力端子21a〜21cは、モーター10と、複合モジュール2内のインバーター8の出力側との接続を中継するものである。
汎用端子22bは、複合モジュール2内におけるスイッチング素子5と逆流防止素子6との接続部に接続するための端子である。
この汎用端子22aと汎用端子22bとの間は、電流検出器9aとリアクター4との直列回路によって接続されている。
汎用端子23bは、複合モジュール2内におけるスイッチング素子5とインバーター8との接続部に接続するための端子である。
この汎用端子23aと汎用端子23bとの間は、図1においては短絡されている。具体的には、汎用端子23aと汎用端子23bとの間をジャンパー線等によって短絡するものとすればよい。
汎用端子24bは、複合モジュール2内のインバーター8の負極の入力側に接続するための端子である。
この汎用端子24aと汎用端子24bとの間は、電流検出器9bと平滑コンデンサー7との直列回路によって接続されている。
図2は、本発明の実施の形態1に係る電力変換装置における電流の流れを示す図である。なお、図2においては、本実施の形態に係る電力変換装置内に流れる電流を示すために必要な構成のみを図示しており、電流の流れを分かりやすくするため、当該電力変換装置の各部品の符号を略している。以下、図1及び図2を参照しながら、本実施の形態に係る電力変換装置の基本動作について説明する。
図3は、本発明の実施の形態1に係る電力変換装置において負荷電流の検出方法及びその異常判定動作を示すフローチャートであり、図4は、同電力変換装置においてスイッチング素子5の状態と、リアクター電流i1及びコンデンサー電流i5との関係を示すグラフである。以下、図1〜図4を参照しながら、負荷であるインバーター8に流れる電流である負荷電流i4の検出方法について説明する。
過電流保護手段14は、電流検出器9aによって検出されたリアクター電流i1、及び、電流検出器9bによって検出されたコンデンサー電流i5を受信する。そして、過電流保護手段14は、図4で示されるように、コンデンサー電流i5が負の値を示す場合、スイッチング素子5がON状態であり、コンデンサー電流i5が正の値を示す場合、スイッチング素子5がOFF状態であると判定する。そして、ステップS2へ進む。
また、過電流保護手段14は、上記のように、スイッチング素子5のON/OFF状態をコンデンサー電流i5又はリアクター電流i1の挙動によって判定しているが、これに限定されるものではない。すなわち、過電流保護手段14は、電圧検出手段11からスイッチング素子5のON/OFF動作に同期した駆動パルス信号を受信するものとし、この駆動パルス信号によって、スイッチング素子5のON/OFF状態を判定するものとしてもよい。
過電流保護手段14が、コンバーターの動作状態として、スイッチング素子5がON状態であると判定した場合、ステップS3へ進み、スイッチング素子5がOFF状態であると判定した場合、ステップS4へ進む。
過電流保護手段14は、スイッチング素子5がON状態であるとして、受信したコンデンサー電流i5から上記の式(3)によって、負荷電流i4を演算して検出する。そして、ステップS5へ進む。
過電流保護手段14は、スイッチング素子5がOFF状態であるとして、受信したリアクター電流i1及びコンデンサー電流i5から上記の式(4)によって、負荷電流i4を演算して検出する。そして、ステップS5へ進む。
過電流保護手段14は、検出した負荷電流i4が所定の過電流閾値を超えているか否かを判定する。その判定の結果、負荷電流i4が過電流閾値を超えている場合、ステップS6へ進み、超えていない場合、処理を終了する。
過電流保護手段14は、インバーター8に過電流が流れていると判定し、異常時処理を実行する。具体的には、過電流保護手段14は、インバーター8への直流電圧の供給を停止させるため、コンバーター制御手段12へ停止信号を出力し、その動作を停止させる。さらに、過電流保護手段14は、過電流に基づくインバーター8の動作を停止させるため、インバーター制御手段13へ停止信号を出力し、その動作を停止させる。そして、処理を終了する。これによって、インバーター8を保護することができる。
以上の構成及び動作のように、コンバーターのスイッチング素子5のON/OFF動作に同期して、電流の演算方法を切り替えることにより、2つの電流検出器9a、9bによって検出できるリアクター電流i1及びコンデンサー電流i5によって、電流検出器によって直接検出できない負荷電流i4を加えた3箇所の電流の検出が可能となる。実際には、電流i2、i3について、前述のように、スイッチング素子5がON状態の場合には、i3=0、及び、i2=i1であり、スイッチング素子5がOFF状態の場合には、i2=0、及び、i3=i1(式(1)及び式(3)から導出)であるので、電流i1〜i5のすべてを検出することが可能となっている。これによって、複合モジュール2内の内部配線を短く結線でき、低ノイズ化を図ることができる。さらに、実装面積の縮小、複合モジュール2の小型化、及び、低コスト化を図ることができる。
また、過電流保護手段14は、本発明の「演算手段」に相当し、その過電流保護手段14によって演算により検出される負荷電流i4は、本発明の「演算対象電流」に相当する。
本実施の形態に係る電力変換装置について、実施の形態1に係る電力変換装置と相違する点を中心に説明する。
図5は、本発明の実施の形態2に係る電力変換装置の構成図である。なお、図5においては、電圧検出手段11、コンバーター制御手段12、インバーター制御手段13及び過電流保護手段14の図示を略して構成を記載している。
次に、図5を参照しながら、コンデンサー電流i5について説明する。
実施の形態1とは異なり、図5で電力変換装置においては、リアクター電流i1及び負荷電流i4については、それぞれ電流検出器9a及び電流検出器9bによって直接検出が可能であるが、コンデンサー電流i5については電流検出器によって直接検出できない。以下、コンバーターにおけるスイッチング素子5の状態によって、流れる電流の経路が変わることを利用して、電流検出部で直接検出できないコンデンサー電流i5を演算により検出(導出)する手順を説明する。
図6は、本発明の実施の形態2に係る電力変換装置の別形態の構成図である。なお、図6においては、電圧検出手段11、コンバーター制御手段12、インバーター制御手段13及び過電流保護手段14の図示を略して構成を記載している。
次に、図6を参照しながら、リアクター電流i1について説明する。
実施の形態1とは異なり、図6で電力変換装置においては、負荷電流i4及びコンデンサー電流i5については、それぞれ電流検出器9a及び電流検出器9bによって直接検出が可能であるが、リアクター電流i1については電流検出器によって直接検出できない。以下、コンバーターにおけるスイッチング素子5の状態によって、流れる電流の経路が変わることを利用して、電流検出部で直接検出できないリアクター電流i1を演算により検出(導出)する手順を説明する。
以上の構成及び動作のように、コンバーターのスイッチング素子5のON/OFF動作に同期して、電流の演算方法を切り替えることにより、2つの電流検出器によって検出できる電流によって、電流検出器によって直接検出できない電流の検出が可能となる。その具体的な例として、本実施の形態においては、図5及び図6を示したものであり、図5においては、直接検出できない電流としてコンデンサー電流i5を演算によって検出が可能であり、そして、図6においては、直接検出できない電流としてリアクター電流i1を演算によって検出が可能である。これによって、複合モジュール2内の内部配線を短く結線でき、低ノイズ化を図ることができ、さらに、実装面積の縮小、複合モジュール2の小型化、及び、低コスト化を図ることができるのは実施の形態1と同様である。
本実施の形態においては、実施の形態1又は実施の形態2に係る電力変換装置を、圧縮機、空気調和機、送風機又は冷蔵庫に適用した例について説明する。
図7は、本発明の実施の形態3に係る空気調和機の構成図である。以下、図7を参照しながら、実施の形態1又は実施の形態2に係る電力変換装置を圧縮機及び空気調和機に適用した場合について説明する。
暖房動作をするに際し、四方弁52は、予め、圧縮機51から吐出された冷媒が室外熱交換器53へ向かうように、かつ、室内熱交換器55から流出した冷媒が圧縮機51へ向かうように流路を切り替えているものとする。
電力変換装置101によって圧縮機51のモーター10aが回転駆動することによって、モーター10aに連結した圧縮機51の圧縮要素51aが冷媒を圧縮し、圧縮機51は高温高圧冷媒を吐出する。圧縮機51から吐出した高温高圧冷媒は、四方弁52を経由して、室外熱交換器53へ流入し、室外熱交換器53において外部の空気と熱交換を実施して放熱する。室外熱交換器53から流出した冷媒は、膨張装置54によって膨張及び減圧され、低温低圧の気液二相冷媒となり、室内熱交換器55へ流入し、空調対象空間の空気と熱交換を実施して蒸発し、低温低圧のガス冷媒となって、室内熱交換器55から流出する。室内熱交換器55から流出したガス冷媒は、四方弁52を経由して、圧縮機51に吸入され、再び圧縮される。以上の動作が繰り返される。
図8は、本発明の実施の形態3に係る冷凍サイクル装置の構成図である。以下、図8を参照しながら、実施の形態1又は実施の形態2に係る電力変換装置を送風機に適用した場合について説明する。
圧縮機71によって圧縮された高温高圧の冷媒は、凝縮器73に流入し、凝縮器用送風機76によって送風される空気と熱交換を実施して放熱する。凝縮器73から流出した冷媒は、膨張装置74によって膨張及び減圧され、低温低圧の気液二相冷媒となり、蒸発器75へ流入する。蒸発器75へ流入した気液二相冷媒は、蒸発器用送風機77によって送風される空気と熱交換を実施して蒸発し、低温低圧のガス冷媒となって、蒸発器75から流出する。蒸発器75から流出したガス冷媒は、圧縮機71に吸入され、再び圧縮される。以上の動作が繰り返される。
図9は、本発明の実施の形態3に係る冷蔵庫の構造図である。以下、図9を参照しながら、実施の形態1又は実施の形態2に係る電力変換装置を冷蔵庫に適用した場合について説明する。
圧縮機81及び冷却器82等によって構成される冷凍サイクルによって生成された冷気は、ファン83の回転によって、冷蔵庫内の風路を循環し、前述の各貯蔵室に送られ、その内部に貯蔵されている食品等の品質を維持する。
以上の構成及び動作のように、実施の形態1又は実施の形態2に係る電力変換装置を圧縮機又は送風機、そして、それらの少なくとも一方を備える空気調和機又は冷蔵庫等に適用することによって、実施の形態1及び実施の形態2における効果を有する、圧縮機、送風機、空気調和機及び冷蔵庫等を得ることができる。
Claims (14)
- 交流電源から供給される交流電圧を直流電圧に整流する整流器と、リアクター、逆流防止素子、スイッチング素子及び平滑コンデンサーから構成され、前記整流器の出力電圧を変化させ、その変化させた電圧が前記平滑コンデンサーによって平滑されるチョッパー回路とを備えたコンバーターと、
該コンバーターから出力された直流電圧を高周波電圧に変換し、該高周波電圧を駆動対象に印加して回転駆動させるインバーターと、
回路電流を検出する複数の電流検出器と、
該電流検出器によって検出された電流から、該電流検出器が設置されていない箇所であって該電流検出器によって直接電流を検出できない箇所の電流である演算対象電流を前記スイッチング素子の動作状態によって演算を切り替えて検出する演算手段と、
を備えた
ことを特徴とする電力変換装置。 - 前記電流検出器は、前記リアクターに流れるリアクター電流を検出できる位置、及び、前記平滑コンデンサーに流れるコンデンサー電流を検出できる位置にそれぞれ設置され、
前記演算手段は、前記電流検出器によって検出された前記リアクター電流及び前記コンデンサー電流から、前記インバーターに流れる負荷電流を前記演算対象電流として前記スイッチング素子の動作状態によって演算を切り替えて検出する
ことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。 - 前記演算手段は、前記スイッチング素子の動作状態を、前記電流検出器によって検出された前記リアクター電流若しくは前記コンデンサー電流、又は、前記スイッチング素子の駆動用の信号に基づいて判定する
ことを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。 - 前記電流検出器は、前記リアクターに流れるリアクター電流を検出できる位置、及び、前記インバーターに流れる負荷電流を検出できる位置にそれぞれ設置され、
前記演算手段は、前記電流検出器によって検出された前記リアクター電流及び前記負荷電流から、前記平滑コンデンサーに流れるコンデンサー電流を前記演算対象電流として前記スイッチング素子の動作状態によって演算を切り替えて検出する
ことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。 - 前記電流検出器は、前記インバーターに流れる負荷電流を検出できる位置、及び、前記平滑コンデンサーに流れるコンデンサー電流を検出できる位置にそれぞれ設置され、
前記演算手段は、前記電流検出器によって検出された前記負荷電流及び前記コンデンサー電流から、前記リアクターに流れるリアクター電流を前記演算対象電流として前記スイッチング素子の動作状態によって演算を切り替えて検出する
ことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。 - 前記演算手段は、前記スイッチング素子の動作状態を、前記スイッチング素子の駆動用の信号に基づいて判定する
ことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の電力変換装置。 - 前記演算手段は、検出した前記演算対象電流を、該演算対象電流が流れる部品における過電流保護に利用する
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の電力変換装置。 - 前記スイッチング素子は、ワイドバンドギャップ半導体によって形成された
ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の電力変換装置。 - 前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化ケイ素、窒化ガリウム又はダイヤモンドのうち少なくともいずれかによって形成された
ことを特徴とする請求項8記載の電力変換装置。 - 前記整流器、前記逆流防止素子、前記スイッチング素子及び前記インバーターは、同一パッケージ内に構成されたモジュールとして形成され、
前記電流検出器、前記リアクター及び前記平滑コンデンサーは、前記モジュール外に配置され、該モジュールが有する接続端子を介して、該モジュールの内部回路に接続された
ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の電力変換装置。 - 請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の電力変換装置と、
該電力変換装置によって駆動されるモーターと、
該モーターの回転動力によって冷媒を圧縮する圧縮要素と、
を備えた
ことを特徴とする圧縮機。 - 請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の電力変換装置と、
該電力変換装置によって駆動されるモーターと、
該モーターのモーター軸に接続されたファン部と、
を備えた
ことを特徴とする送風機。 - 圧縮機、利用側熱交換器、膨張装置及び熱源側熱交換器が冷媒配管によって接続されて形成された冷凍サイクル回路と、
前記利用側熱交換器又は前記熱源側熱交換器に備えられた送風機と、
を備え、
前記圧縮機は、請求項11記載の圧縮機であり、あるいは、前記送風機は、請求項12記載の送風機である
ことを特徴とする空気調和機。 - 複数の貯蔵室と、
冷媒を圧縮する圧縮機、及び、冷風を生成する冷却器を備えた冷凍サイクル回路と、
前記冷却器によって生成された冷風を前記各貯蔵室に送り込む送風機と、
を備え、
前記圧縮機は、請求項11記載の圧縮機であり、あるいは、前記送風機は、請求項12記載の送風機である
ことを特徴とする冷蔵庫。
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