JP2013181590A - ベルト式無段変速機 - Google Patents

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倫生 吉田
Daisuke Kobayashi
大介 小林
Kazunori Harima
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Abstract

【課題】可動シーブが傾くことを抑制もしくは防止することのできるベルト式無段変速機を提供する。
【解決手段】回転軸9と一体化されている固定シーブ10とその固定シーブ10に対して接近しまた離隔するように回転軸9に嵌合された可動シーブ11とからなるプーリ6にベルト8が巻き掛けられるとともに、可動シーブ11に固定シーブ10に向けた推力を加えてベルト8を各シーブ10,11の間に挟み付けるベルト式無段変速機1において、可動シーブ11がベルト8を押圧することにより可動シーブ11を傾かせるように作用する反力を受けるローラ16が、可動シーブ11に接触して回転するように配置されている。これにより可動シーブ11の傾きを抑制もしくは防止することができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、少なくとも一対のプーリと、それらのプーリに巻き掛けられたベルトとで構成されたベルト式無段変速機に関するものである。
従来、伝動ベルトを利用して変速比を連続的に変化させることのできるベルト式無段変速機が知られている。このベルト式無段変速機は、回転中心軸線を互いに平行にして配置されたプライマリープーリとセカンダリープーリと、それらプーリに巻き掛けられて動力を伝達するベルトとで構成されている。また、各プーリは、回転軸と一体に形成された固定シーブと、回転軸の軸線方向に移動可能に保持された可動シーブとで構成されており、各シーブの互いに対向する面(以下、プーリ面と記す。)が円錐状に形成され、そのプーリ面にベルトが接触して動力が伝達されるように構成されている。つまり、プーリとベルトとの摩擦力を利用して動力が伝達されるように構成されている。
したがって、ベルト式無段変速機の伝達トルク容量はベルトとプーリとの間の摩擦力によって決まり、その摩擦力はプーリがベルトを挟み付ける挟圧力(推力)に応じて変化するから、大きいトルクを伝達するためには推力を大きくすることになる。プーリには、その推力に応じた反力が作用し、その反力が大きければ、各シーブにたわみ変形が生じて、摩擦力が低下したり変速比が変化したりしてしまう可能性がある。引用文献1には、ベルトの巻き掛け半径が最大となるときのベルトとシーブとの接触位置より外周側に亘って推力を付与するように構成されたベルト式無段変速機が記載されている。
特開2000−170859号公報
ベルト式無段変速機を上記のように構成することによって、可動シーブのたわみ変形を抑制することができる。しかしながら、可動シーブは、回転軸の外周側にその軸線方向に前後動できるように取り付けられているため、すなわち可動シーブの内周部分に形成された中空部に回転軸を挿入して組み付けられているため、可動シーブの内周部と回転軸の外周面とには、僅かな隙間が空いており、ベルトから可動シーブが反力を受けた場合には、可動シーブが傾いて変速比が変化してしまう可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、可動シーブが傾くことを抑制もしくは防止することのできるベルト式無段変速機を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、回転軸と一体化されている固定シーブとその固定シーブに対して接近しまた離隔するように前記回転軸に嵌合された可動シーブとからなるプーリにベルトが巻き掛けられるとともに、前記可動シーブに前記固定シーブに向けた推力を加えて前記ベルトを各シーブの間に挟み付けるベルト式無段変速機において、前記可動シーブが前記ベルトを押圧することにより前記可動シーブを傾かせるように作用する反力を受けるローラが、前記可動シーブに接触して回転するように配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ベルトは、前記プーリの円周方向での一部に巻き掛かっており、前記ローラは、前記可動シーブの外周部で前記ベルトが巻き掛かっていない箇所に接触して配置されていることを特徴とするベルト式無段変速機である。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記ローラは、前記可動シーブの外周部において前記ベルトが巻き掛かる最外周位置よりも更に外周側に接触するように配置されていることを特徴とするベルト式無段変速機である。
また、請求項4の発明は、請求項1または3のいずれかの発明において、前記ローラに接触して回転するとともに、前記固定シーブの外周部で前記ベルトが巻き掛かっていない箇所に接触して回転する他のローラを更に備えていることを特徴とするベルト式無段変速機である。
さらに、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記ローラは、支持部材に取り付けられており、その支持部材は、前記プーリおよび前記ベルトに接触しないようにハウジングに固定されていることを特徴とするベルト式無段変速機である。
この発明によれば、可動シーブがベルトを押圧することにより可動シーブを傾かせるように作用する反力を受けるローラが、可動シーブに接触して回転するように配置されている。可動シーブに固定シーブに向けた推力を加えてベルトを各シーブの間に挟み付ける場合、ベルトから可動シーブにモーメントが作用し、その可動シーブのモーメントに抗する方向の荷重がローラによって可動シーブに作用する。したがって、プーリに巻き掛けられたベルトから受ける荷重によって発生する可動シーブの傾きを抑制することができる。
また、この発明によれば、ベルトの巻き掛け半径が最大となるときに、可動シーブがベルトを押圧することにより可動シーブを傾かせるように作用する反力をローラが受けるため、ベルト巻き掛け溝に巻き掛かっているベルトは、ベルト巻き掛け半径方向の内周側に滑ることが抑制もしくは防止されている。その結果、変速比の変化を抑制もしくは防止することができ、ベルトの滑り損失を低減させることができる。
この発明に係るベルト式無段変速機の具体例を示す模式図である。 この発明に係るベルト式無段変速機を車両に搭載したときの動力伝達経路を説明するための概略図である。 この発明に係るベルト式無段変速機の他の具体例を示す模式図である。
つぎに、この発明に係るベルト式無段変速機の具体例について説明する。まず、構成について説明する。図2は、この発明に係るベルト式無段変速機を車両に搭載した場合の動力伝達経路を示しており、ベルト式無段変速機1には、エンジンや電動機などの動力源2から動力が伝達され、伝達されたトルクを変化させてカウンタギヤユニット3およびデファレンシャルギヤ4を介して車輪5に出力するように構成されている。このベルト式無段変速機1の構成は従来知られたものと同様であって、動力源2から動力が伝達されて回転するプライマリプーリ6と、そのプライマリプーリ6の回転中心軸線に互いに平行に配置されてプライマリプーリ6から動力が伝達されることによって回転するセカンダリプーリ7と、それらのプーリ6,7に巻き掛けられて動力を伝達するベルト8とで構成されている。なお、プライマリプーリとセカンダリプーリとの構成は略同一であるので、以下の説明では、便宜上、プライマリプーリを例に挙げて説明する。
プライマリプーリ6は、入力軸9と一体に形成された固定シーブ10と、可動シーブ11とによって構成されている。入力軸9の両端部は、ハウジング13に嵌合させられている軸受12によって回転自在にそれぞれ保持されている。
一方、可動シーブ11は、その固定シーブ10と対向して配置されかつ入力軸9の軸線方向に沿って移動することができ、かつ、入力軸9と共に回転するように構成されている。具体的には、可動シーブ11には、中空状の円筒部11aが一体に形成され、その円筒部11aの内周面と入力軸9の外周面との間の図示しないスプラインやキーなどによって可動シーブ11と入力軸9とが連結されている。このように構成することによって、可動シーブ11は、入力軸9のトルクがスプラインやキーによって伝達されて回転することができる。また、可動シーブ11は、スプラインやキーなどに沿って入力軸9の軸線方向に相対的に移動することができる。
また、可動シーブ11を軸線方向に移動させるための機構が、固定シーブ10と対向する面とは反対側に設けられている。図1に示す例では、油圧アクチュエータ14が可動シーブ11の背面に設けられている。この油圧アクチュエータ14は、入力軸9の外周面に一体に連結されたシリンダ14aと可動シーブ11とによって区画された部分である油圧室14bを備えている。この油圧室14bには、図示しないオイルポンプから入力軸9の軸心部分に形成された油路15および油路15から入力軸9の外周側に連通した油路15aを介して圧油が供給されるように構成されている。そのため、油圧アクチュエータ14に供給される油量もしくは油圧に応じて可動シーブ11が軸線方向の荷重を受けて移動する。
プライマリプーリ6を構成する固定シーブ10と可動シーブ11とは、互いに対向した面10p,11p(以下、プーリ面と記す。)が円錐状(テーパ状)に形成されており、それら対向したプーリ面同士10p,11pの間に形成されたベルト巻き掛け溝にベルト8が巻き掛けられている。この固定シーブ10と可動シーブ11とは、ベルト8を挟み付ける挟圧力に基づく摩擦力に応じてベルト8に動力を伝達するように構成されている。また、可動シーブ11は、円筒部11aで入力軸9に嵌合しており、入力軸9の軸線方向に沿って移動することができるように構成されているので、入力軸9との間には隙間を空けている。そのため、ベルト8を挟み付ける挟圧力の反力が可動シーブ11に作用すると、可動シーブ11が回転もしくは傾いてしまう。
可動シーブ11の傾きを抑制する構成について、図1を参照しつつ、具体的に説明する。まず、可動シーブ11に作用するモーメントについて説明する。可動シーブ11には、ベルト8と接触している箇所(以下、作用点Aと記す。)に作用する挟圧力の反力と、可動シーブ11の重心Gから作用点Aまでの距離とを積算して求まるモーメントが作用する。より具体的には、重心Gと作用点Aとを結ぶ線に直交する方向、すなわち図に示す矢印Cの方向に可動シーブ11が受ける力と重心Gから作用点Aまでの距離とを積算したモーメントが可動シーブ11に作用する。したがって、ベルト8が可動シーブ11の外周側で接触しているときのモーメントが大きくなる。
このモーメントによって可動シーブ11が傾くことを規制するために、可動シーブ11がベルト8を押圧することにより可動シーブ11を傾かせるように作用する反力を受けるローラ16が、可動シーブ11に接触して回転するように配置されている。ベルト8は、プーリ6の円周方向での一部に巻き掛かっている。一方で、ローラ16は、可動シーブ11の外周部でベルト8が巻き掛かっていない箇所に接触して配置されている。また、可動シーブ11が固定シーブ側に最も移動している状態で、可動シーブ11のプーリ面11pと接触するようにローラ16は配置されている。言い換えると、ベルト8の巻き掛け半径が最大となるとき、可動シーブ11のプーリ面11pにおいてその半径方向の最外周側に接触するようにローラ16は配置されている。したがって、可動シーブ11のプーリ面11pにおいてその半径方向の最外周側にローラ16が接触するときにベルト8の巻き掛け半径が最大となる。また、ローラ16は、可動シーブ11の外周部11pにおいてベルト8が巻き掛かる最外周位置よりも更に外周側に接触するように配置されている。
このローラ16は、支持ピン17に回転自在に嵌合されており、支持ピン17に取り付けられたスナップリング18によって抜け止めされている。ベルト8の巻き掛け半径が最大となるときに、ローラ16は、可動シーブ11のプーリ面11pにおいてその半径方向の最外周側に接触することにより回転し、可動シーブ11が回転軸の回転中心軸線に対して傾くことを規制する。また、支持ピン17はステー(支持部材)19に取り付けられている。そのステー19は、例えば金属製の板状体であって、一方の端部がボルト20によってリヤケース13に固定されており、各プーリ6,7およびベルト8に接触しないように、対となるプライマリプーリ6とセカンダリプーリ7との間に軸線方向に差し込まれている。また、回転するセカンダリプーリ7の固定シーブ7aの最外周部と接触しないように、ステー19には、その厚さ方向に孔19aが設けられている。
つぎに、上述したベルト式無段変速機1を車両に搭載したときの作用について説明する。このベルト式無段変速機1は、プライマリプーリ6の各シーブ同士10,11の間隔を変化させてベルト8の巻き掛け半径を変化させることによって、変速比が変化させられる。また、その変速比に応じたベルト8の巻き掛け半径での挟圧力をセカンダリプーリ7によって付与している。具体的には、プライマリプーリ6の油圧アクチュエータ14に供給する油量を制御することによって、可動シーブ11の位置を制御して変速比を変化させ、セカンダリプーリ7の油圧アクチュエータ7bの油圧を制御することによって可動シーブ11の軸線方向の推力を変化させて挟圧力を変化させている。
車両が定常走行している場合における最適燃費回転数は比較的低回転であり、したがって、燃費優先モードで運転している場合には、変速比は最小側の変速比に制御される。そのため、プライマリプーリ6におけるベルト8の巻き掛け半径は最大となる。すなわちベルト8が可動シーブ11の最外周に位置するので、可動シーブ11に作用するモーメントが大きくなる。一方、ローラ16は、変速比が最小となるときに可動シーブ11におけるプーリ面11pの半径方向の外周側に接触しているので、変速比が最小であるときにベルト8から可動シーブ11にモーメントが作用すると、その可動シーブ11のモーメントに抗する方向の荷重がローラ16によって可動シーブ11に作用する。つまり、重心Gから作用点Aまでの距離より重心Gからローラ16と可動シーブ11のプーリ面とが接触する点Bまでの距離を長くすることができ、その結果、可動シーブ11がベルト8から受ける荷重に基づくモーメントに対向する方向、すなわち、図に示す矢印Dの方向のモーメントを大きくすることができる。したがって、この発明に係るベルト式無段変速機によれば、各プーリ6,7の間で動力伝達が行われる際に、それぞれのプーリおよびプーリ軸がプーリに巻き掛けられたベルト8から受ける荷重によって発生する可動シーブの傾きを抑制することができる。
また、ベルト8の巻き掛け半径が最大となるときに、可動シーブ11がベルト8を押圧することにより可動シーブ11を傾かせるように作用する反力をローラ16が受けるため、ベルト巻き掛け溝に巻き掛かっているベルト8は、ベルト巻き掛け半径方向の内周側に滑ることが抑制されている。その結果、変速比の変化を抑制もしくは防止することができ、ベルトの滑り損失を低減させることができる。
つぎに、この発明に係るベルト式無段変速機の他の具体例について説明する。まず、構成について説明する。このベルト式無段変速機21に係る構成は、図3に示すように前述の具体例における構成とほぼ同様のものであるため、その説明は省略し、ローラに係る構成についてのみ説明する。
この発明に係るベルト式無段変速機は、ローラ22に接触して回転するとともに、固定シーブ10の外周部でベルト8が巻き掛かっていない箇所に接触して回転する他のローラ23を更に備えている。このローラ22は、支持ピン24に回転自在に嵌合されており、支持ピン24に取り付けられたスナップリング25によって抜け止めされている。また、他のローラ23は、ローラ22と同様に、他の支持ピン26に回転自在に嵌合されており、他の支持ピン26に取り付けられた他のスナップリング27によって抜け止めされている。そして、ローラ22と他のローラ23とは互いに接触している。また、他のローラ23は、固定シーブ10のプーリ面10pにおいてその半径方向の外周側に接触することにより回転するとともに、接触しているローラ22を回転させる。これに加え、ベルト8の巻き掛け半径が最大となるときに、ローラ22は、可動シーブ11のプーリ面11pにおいてその半径方向の最外周側に接触することにより、ベルト8から荷重を受けてベルト8が接触しているベルト巻き掛け溝の可動シーブ11と固定シーブ10とでベルト8を挟み付ける幅が広がる方向へ可動シーブ11が可動シーブ11の重心Gを中心に回転することを規制する。また、これらローラ22,23はステー(支持部材)28に支持されている。ステー28は、例えば金属製の板状体であって、一方の端部がボルト29によってリヤケース13に固定されており、各プーリ6,7およびベルト8に接触しないように、対となるプライマリプーリ6とセカンダリプーリ7との間に軸線方向に差し込まれている。また、回転するセカンダリプーリ7の固定シーブ7aの最外周部と接触しないように、ステー28には、その厚さ方向に孔28aが設けられている。
つぎに、上述したベルト式無段変速機21を車両に搭載したときの作用について説明する。このベルト式無段変速機21は、プライマリプーリ6の各シーブ同士10,11の間隔を変化させてベルト8の巻き掛け半径を変化させることによって、変速比が変化させられる。また、その変速比に応じたベルト8の巻き掛け半径での挟圧力をセカンダリプーリ7によって付与している。具体的には、プライマリプーリ6の油圧アクチュエータ14に供給する油量を制御することによって、可動シーブ11の位置を制御して変速比を変化させ、セカンダリプーリ7の油圧アクチュエータ7bの油圧を制御することによって可動シーブ11の軸線方向の推力を変化させて挟圧力を変化させている。
車両が定常走行している場合における最適燃費回転数は比較的低回転であり、したがって、燃費優先モードで運転している場合には、変速比は最小側の変速比に制御される。そのため、プライマリプーリ6におけるベルト8の巻き掛け半径は最大となる。すなわちベルト8が可動シーブ11の最外周に位置するので、可動シーブ11に作用するモーメントが大きくなる。一方、ローラ22は、変速比が最小となるときに可動シーブ11におけるプーリ面11pの半径方向の外周側に接触しているので、変速比が最小であるときにベルト8から可動シーブ11にモーメントが作用すると、その可動シーブ11のモーメントに抗する方向の荷重がローラ22によって可動シーブ11に作用する。つまり、重心Gから作用点Aまでの距離より重心Gからローラ22と可動シーブ11のプーリ面とが接触する点Eまでの距離を長くすることができ、その結果、可動シーブ11がベルト8から受ける荷重に基づくモーメントに対向する方向、すなわち、図に示す矢印Fの方向のモーメントを大きくすることができる。したがって、この発明に係るベルト式無段変速機によれば、各プーリ6,7の間で動力伝達が行われる際に、それぞれのプーリおよびプーリ軸がプーリに巻き掛けられたベルト8から受ける荷重によって発生する可動シーブの傾きを抑制することができる。
また、ベルト8の巻き掛け半径が最大となるときに、可動シーブ11がベルト8を押圧することにより可動シーブ11を傾かせるように作用する反力をローラ22が受ける。またこれとともに、ベルト8が巻き掛かっていないベルト巻き掛け溝における可動シーブ11のプーリ面11pと固定シーブ10のプーリ面10pとの軸線方向の距離は、それらプーリ面10p,11pの半径方向の外周側に接触しているローラ22と他のローラ23とによって、それらローラ22,19bの幅よりも小さくならないように規制されている。したがって、ベルト8の巻き掛け半径が最大となるときに、ベルト8を挟み付けている可動シーブ11と固定シーブ10との幅が広がることは抑制もしくは防止されているため、ベルト巻き掛け溝に巻き掛かっているベルト8は、ベルト巻き掛け半径方向の内周側に滑ることが抑制されている。その結果、変速比の変化を抑制もしくは防止することができ、ベルトの滑り損失を低減させることができる
なお、この発明に係るローラを設ける対象はプライマリプーリに限らず、セカンダリプーリに設けてもよい。すなわち、上述したように構成された車両は、走行開始時に大きなトルクを出力する必要があることに伴って変速比を最大にするため、その場合には、セカンダリプーリの可動シーブに大きなモーメントが作用する。そのため、セカンダリプーリの可動シーブが傾くことによる挟圧力の低下を抑制するために、セカンダリプーリのベルト巻き掛け溝にローラを配置して可動シーブの回動を抑制するように構成してもよい。また、乾式または湿式のベルト式無段変速機でもよい。
1…ベルト式無段変速機、 6…プライマリプーリ、 8…ベルト、 9…回転軸、 10…(プライマリプーリの)固定シーブ、11…(プライマリプーリの)可動シーブ、 16…ローラ、 19…支持部材、G…可動シーブの重心。

Claims (5)

  1. 回転軸と一体化されている固定シーブとその固定シーブに対して接近しまた離隔するように前記回転軸に嵌合された可動シーブとからなるプーリにベルトが巻き掛けられるとともに、前記可動シーブに前記固定シーブに向けた推力を加えて前記ベルトを各シーブの間に挟み付けるベルト式無段変速機において、
    前記可動シーブが前記ベルトを押圧することにより前記可動シーブを傾かせるように作用する反力を受けるローラが、前記可動シーブに接触して回転するように配置されていることを特徴とするベルト式無段変速機。
  2. 前記ベルトは、前記プーリの円周方向での一部に巻き掛かっており、
    前記ローラは、前記可動シーブの外周部で前記ベルトが巻き掛かっていない箇所に接触して配置されていることを特徴とする請求項1に記載のベルト式無段変速機。
  3. 前記ローラは、前記可動シーブの外周部において前記ベルトが巻き掛かる最外周位置よりも更に外周側に接触するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載のベルト式無段変速機。
  4. 前記ローラに接触して回転するとともに、前記固定シーブの外周部で前記ベルトが巻き掛かっていない箇所に接触して回転する他のローラを更に備えていることを特徴とする請求項1または3のいずれかに記載のベルト式無段変速機。
  5. 前記ローラは、支持部材に取り付けられており、
    その支持部材は、前記プーリおよび前記ベルトに接触しないようにハウジングに固定されている
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のベルト式無段変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017166538A (ja) * 2016-03-15 2017-09-21 株式会社Subaru 動力伝達装置

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