JP2013181100A - コークス製造用原料の作製方法および該作製方法により作製されたコークス製造用原料 - Google Patents

コークス製造用原料の作製方法および該作製方法により作製されたコークス製造用原料 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡便な手法によって、原料炭に過剰量の低品位炭が配合された配合炭の最適な配合条件を効率的に推定するとともに、高流動性の石炭または粘結材等の配合量を設定し、優れた粘結性あるいは流動性を安定して確保することができるコークス製造用原料を作製すること。
【解決手段】 原料炭に該低品位炭が配合される1次配合炭の特性と所望のコークス製造用原料の特性との差異を補填するために配合される高流動度炭または高流動度材料を、予め前記低品位炭に近接させて配合して前駆配合炭を作製し、該前駆配合炭を前記原料炭に配合して2次配合炭を作製するとともに、原料炭,低品位炭,高流動度炭または高流動度材料,および前駆配合炭の配合比率を、それぞれの特性の指標である最高流動度を基に設定することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、コークス製造用原料の作製方法および該作製方法により作製されたコークス製造用原料に関し、特に原料炭に低品位炭が配合された配合炭を主成分とするコークス製造用原料の作製方法および該作製方法により作製されたコークス製造用原料に関する。
冶金用コークスの原料として用いられる石炭(以下原料炭)は、加熱時に軟化溶融し、その後再固化して強固なコークスとなるもので、瀝青炭に分類され、一般に粘結炭と称している。しかし、コークス製造用原料として使用することのできる瀝青炭については、その資源量に限りがあり、かつコスト高という問題がある。そこで低品位な弱粘結炭または非微粘結炭やさらに低品位な石炭の増配が求められている。低品位炭をコークス製造用原料として用いる場合、性質の異なる多くの石炭が存在しているため、粘結性と石炭化度とが適当な範囲にある石炭を使用することが必要である。そこで、性質の異なる複数の種類の石炭を組み合わせて配合する配合炭の設計の試みが行なわれてきた。
こうした石炭の粘結性は、流動性、膨張性および粘着性などの性質によって定まるが、特に流動性がコークス強度に大きく影響する。このために、配合炭の最高流動度(以下「MF(Maximum Fluidity)」ということがある)を把握することは、高強度のコークスを製造するための重要な因子である。従来、配合炭のMFは、配合される単味の石炭の各々のMFの加重平均値によって推定していた。しかしながら、配合される単味の石炭の各々の流動開始温度(ST)、最高流動温度(MFT)および固化温度(FT)は異なる。従って、各石炭単味のMFの加重平均値と配合炭のMFとは一致しない。従来行なわれていた配合炭の最高流動度の常用対数値(以下「logMF」ということがある)の推定値は、その実測値よりも低い。このような傾向は,MFの高い石炭を多く使用するほど顕著になり、コークス強度の推定精度を低下させる大きた原因になっていた(例えば特許文献1〔従来の技術〕および〔発明が解決しようとする課題〕参照)。
また、性質の異なる複数の種類の石炭を組み合わせて配合する配合炭の作製方法については、粘結材を、その特性を十分に活かすことができる性状を有する非微粘結炭と組み合わせて使用することで、非微粘結炭の配合割合をこれまでと同等またはそれ以上に高めた配合炭を使用しても、近年求められている強度を満足するコークスを製造できる方法が検討されている(例えば特許文献2参照)。具体的には、コークス炉原料の調製に際して、揮発分が25%以下で最高流動度が1ddpm以上10ddpm以下の低揮発性非微粘結炭を前記配合炭にさらに配合する工程および粘結材を添加する工程を備え、前記低揮発性非微粘結炭の前記粘結材に対する質量比(非微粘結炭/粘結材)が1以上3以下、および/または前記低揮発性非微粘結炭の配合炭に対する質量比率が2〜9%であることを特徴とするコークス製造方法が提案されている(例えば特許文献2〔請求項1〜3〕参照)。
特開平02−20592号公報 特開2009−249596号公報
しかしながら、上記のような場合、次のような問題が生じる。
(i)特許文献1の方法は、粘結炭を主体とした原料炭に流動性のない低品位炭を配合した場合、配合する低品位炭のlogMFは検出できないため、配合炭のMFあるいはlogMFは原料炭のMFあるいはlogMFと差異がないこととなり、原料炭に低品位炭を配合した配合炭のMFあるいはlogMFの推定方法として適用することができず、所望のMFあるいはlogMFを有する配合炭の作製が困難であった。
(ii)一方、従前のような各石炭単味のMFあるいはlogMFの加重平均での推定値では、実際の配合炭のMFあるいはlogMFの推定値と大きなズレが生じることがあり、推定方法として適用することができず、所望のMFあるいはlogMFを有する配合炭の作製が困難であった。
(iii)特に、同じ原料炭を用いて、同じ比率で低品位炭との配合を行なった場合であっても、低品位炭の銘柄によって、その各石炭単味のMFあるいはlogMFの加重平均での推定値とのズレが大きくなることがあった。
(iv)特許文献2の方法によって、粘結材を原料炭に低品位炭および流動性の高い粘結材等を配合させる場合にあっては、配合される低品位炭に対して所定の特性を有する炭種に限定され、原料炭/低品位炭および低品位炭/粘結材の配合比率が制限され、低品位炭の増量要請に十分応えることができなかった。また、原料炭の炭種が異なれば流動度が相違することから、これに応じた低品位炭の配合比率も制限され、適用範囲の拡大が困難であった。さらに、原料炭に低品位炭が配合された配合炭の流動性は、個別に実測する以外になく、上記(i)〜(iii)の課題を解消するものではなかった。
(v)また、粘結材の配合によって期待される技術的効果の1つは、原料炭に低品位炭が配合されることによる流動度の低下を補填する機能である。しかしながら、原料炭と低品位炭が均一に配合された配合炭に対して粘結材を配合した場合、こうした補填機能にバラツキが生じることがあった。特に、低品位炭の増量が要求される場合には、こうしたバラツキは無視することができなかった。
本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて、原料炭に過剰量の低品位炭が配合された配合炭を主成分とし、高流動性の石炭または材料を配合させて所望の流動性を有するコークス製造用原料を作製する場合に、簡便な手法によって、効率的に最適な該配合炭の配合条件を推定するとともに、高流動性の石炭または粘結材等の配合量を設定し、優れた粘結性あるいは流動性を安定して確保することができるコークス製造用原料を作製することができるコークス製造用原料の作製方法および該作製方法により作製されたコークス製造用原料を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、以下に示すコークス製造用原料の作製方法および該作製方法により作製されたコークス製造用原料によって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明に係るコークス製造用原料の作製方法は、原料炭に低品位炭を配合してコークス製造用原料を作製する場合に、
該原料炭に該低品位炭が配合される1次配合炭の特性と所望のコークス製造用原料の特性との差異を補填するために配合される高流動度炭または高流動度材料を、予め前記低品位炭に近接させて配合して前駆配合炭を作製し、該前駆配合炭を前記原料炭に配合して2次配合炭を作製するとともに、
原料炭,低品位炭,高流動度炭または高流動度材料,および前駆配合炭の配合比率を、それぞれの特性の指標である最高流動度を基に設定することを特徴とする。
原料炭に過剰量の低品位炭が配合された配合炭(1次配合炭)を主成分とし、高流動性の石炭または材料を配合させて所望の特性を有するコークス製造用原料を作製する場合において、コークス製造用原料には、適正な流動性あるいは流動度を指標とする粘結性が求められることから、原料炭,低品位炭,これらが配合された1次配合炭,これらに配合される高流動度炭または高流動度材料(以下「高流動度材」ということがある),および高流動度材が低品位炭に配合された前駆配合炭の最高流動度(MF)が非常に重要となる。本発明は、こうした原料炭等の配合比率を、MFを指標として設定することを特徴の1つとする。また、検証過程において、高流動度材が有する原料炭への低品位炭の配合に伴う流動度の低下を補填する機能は、低品位炭に近接させて高流動度材を配合する(以下「近接配合」ということがある)ことによって、コークス強度も一層高い2次配合炭を作製することができるという技術的効果を得るとの知見を得た。本発明は、こうした補填機能を効果的に活用すべく、原料炭に低品位炭が均一に配合された1次配合炭に対して高流動度炭を均一に配合して2次配合炭を作製する(「単純配合」という)のではなく、低品位炭に対して予め高流動度材を近接配合して前駆配合炭を作製するとともに、該前駆配合炭を原料炭に配合して2次配合炭を作製することによって、過剰量の低品位炭の配合によって生じた所望のMFとの差異を、精度よく補填することが可能となり、優れた粘結性あるいは流動性を安定して確保することができるコークス製造用原料の作製方法を提供することが可能となった。
ここで、「低品位炭」とは、無煙炭など石炭化度が進み軟化溶融しない石炭や炭化物および、石炭化の進んでいない亜瀝青炭や褐炭あるいは泥炭等をいい、特に石炭化度の進んでいない石炭は、水分,酸素分,揮発分が多く、炭素成分の少ない比較的粗な組織構造となったもので、流動性や粘結性がほとんどなく、それ自体ではコークス化しない。また、「高流動度炭または高流動度材料」とは、原料炭よりも高い流動性を有する石炭や石炭と配合可能な材料をいう(以下「高流動度材」ということがある)。具体的には、高い流動度を有する粘結炭や、溶剤で石炭から抽出した可溶成分に改質処理を施した石炭抽出物(無機物が取り除かれ有機物を主成分とし、一般に「無灰炭」と呼ばれることがある)や、石炭系ピッチあるいは石油系ピッチなどの粘結材を挙げることができる。なお、実際の流動度の指標は、一般に、MFではなく、その常用対数logMFとして対比される。「近接配合」とは、特定の材料(高流動度材)を、複数の配合材料(原料炭と低品位炭)の一方または特定の配合材料(低品位炭)に対して近接させて配合し、他の配合材料(原料炭)との近接を回避することをいい、具体的な処理方法は、後述する。
本発明は、上記コークス製造用原料の作製方法であって、前記前駆配合炭の作製において、圧着や成型,造粒,接着または混練のいずれかの処理、あるいはこれらの処理のいくつかの組合せによって、前記低品位炭に前記高流動度炭または高流動度材料を近接させて配合することを特徴とする。
上記のように、高流動度材の補填機能は、単純に高流動度材を低品位炭に配合する単純配合ではなく低品位炭に対する近接配合が効果的であることが判った。配合された高流動度材が同じように高い流動性を有する原料炭に近接することによって、高流動度材の配合効果を低減することを防止することができる。具体的には、流動性の小さな低品位炭の表面に高流動度材を定着させる処理を施すことが必要であり、近接配合の処理として、圧着処理や成型処理,造粒処理,接着処理または混練処理が挙げられる。こうした処理によって、過剰量の低品位炭の配合によって生じた所望のMFとの差異を、精度よく補填することが可能となる。各処理の詳細は後述する。
本発明は、上記コークス製造用原料の作製方法であって、予め前記原料炭の1または2以上の炭種を基準炭として選択し、該基準炭の適正流動度の範囲と、該基準炭の温度に対する流動度特性曲線と、該流動度特性曲線に基づく前記基準炭の最高流動度を求め、さらに、配合される1または2以上の低品位炭について、該低品位炭の配合比率に対する前記基準炭の最高流動度の変化に基づく該低品位炭に係る流動度低下勾配を求め、
実際に使用される前記原料炭の最高流動度と、実際に配合される前記低品位炭に係る流動度低下勾配に基づき、該原料炭に配合される該低品位炭の配合比率から、該原料炭に該低品位炭が配合される1次配合炭の最高流動度を推定するとともに、
予め前記原料炭よりも高い流動性を有する高流動度炭または高流動度材料の最高流動度を求め、
前記1次配合炭の最高流動度と所望のコークス製造用原料の最高流動度との差異を補填するように、前記高流動度炭または高流動度材料の配合率zを、下式1に基づき設定することを特徴とする。
z=f(Y2,Y1,Yo,T,α) …式1
ここで、Y2:所望の2次配合炭の最高流動度
Y1:1次配合炭の最高流動度
Yo:低品位炭の最高流動度
T :高流動度炭または高流動度材料の最高流動度
α :低品位炭の流動度低下勾配
原料炭に過剰量の低品位炭を配合してコークス製造用原料を作製する場合において、主成分となる原料炭と低品位炭から構成される1次配合炭のMFが重要となる。このとき、従前のように配合処理ごとに1次配合炭の流動度を測定する方法では、効率的に所望のMFを有する配合炭を確保することが難しい。本発明は、原料炭に低品位炭が配合された1次配合炭のMFを推定する方法を検証した結果、以下のような特性があるとの知見から、1次配合炭のMFの推定を行うことができることを見出した。
(a)低品位炭の配合に伴う流動度低下勾配は、原料炭(基準炭)の炭種や特性に依存しない。
(b)低品位炭が配合された流動度低下勾配は、低品位炭の銘柄固有で、配合の都度求める必要はない。
具体的には、使用される1または2以上の低品位炭を、基準炭(予めMFを求めておく)と配合し、予め各低品位炭に係る流動度低下勾配を求めておく。実際に使用される原料炭のMFと配合される低品位炭の配合比率と流動度低下勾配から、簡便な手法によって、効率的に1次配合炭のMFを推定することが可能となった。このとき、2次配合炭,1次配合炭,低品位炭,高流動度材のMFあるいは低品位炭の流動度低下勾配を指標とする関数を基に、高流動度材の配合率zを上式1のように設定することによって、過剰量の低品位炭の配合によって生じた所望のコークス製造用原料のMFとの差異を、精度よく補填することが可能となり、適正範囲の流動度を有し、粘結性あるいは流動性に優れたコークス製造用原料を作製することが可能となった。なお、配合率zの設定につき、上式1における具体的な関数は後述する。
本発明は、上記コークス製造用原料の作製方法であって、配合される前記低品位炭の酸素含有率に対する前記流動度低下勾配の変動を求め、使用する低品位炭に係る前記流動度低下勾配を、該低品位炭の酸素含有率によって補正することを特徴とする。
上記検証の結果において、1次配合炭のMFは、配合される低品位炭の銘柄に依存することの知見とともに、配合された低品位炭の酸素合有量が多いほど流動性が低くなる傾向を示すとの知見を得た。こうした傾向は、低品位炭の流動度低下勾配に影響を与えることから、配合される低品位炭の酸素含有率(一般に販売される石炭の特性表に明示される)を基に補正することによって、より正確に1次配合炭のMFを推定することが可能となった。
本発明は、上記コークス製造用原料の作製方法であって、配合される前記低品位炭の揮発分に対する前記流動度低下勾配の変動を求め、使用する低品位炭に係る前記流動度低下勾配を、該低品位炭の揮発分によって補正することを特徴とする。
上記検証の結果においては、1次配合炭のMFは、配合された低品位炭の酸素合有量以外に、低品位炭の揮発分が多いほど流動性が低くなる傾向を示すとの知見を得た。こうした傾向は、酸素合有量同様、低品位炭の流動度低下勾配に影響を与えることから、配合される低品位炭の揮発分(同様に石炭の特性表に明示される)を基に補正することによって、より正確に1次配合炭のMFを推定することが可能となった。
また、本発明は、上記コークス製造用原料の作製方法により作製され、原料炭に低品位炭が配合されたコークス製造用原料であって、前記低品位炭の配合比率0.1〜20%,前記2次配合炭の最高流動度の常用対数値2〜3を有することを特徴とする。
上記作製方法によって作製された2次配合炭は、優れた粘結性あるいは流動性を有している。こうした特性は、コークス製造用原料としての適性を確保するに十分であり、こうして作製された2次配合炭をコークス製造用原料として用いることが有用である。
冶金用コークスの製造工程を示す説明図 原料炭の温度に対する流動度特性曲線を例示する概略図 本発明に係るコークス製造用原料の作製プロセスを例示する概略図 本発明に係るコークス製造用原料の作製プロセスの概要を例示する説明図 低品位炭の配合比率に対応した配合炭の流動度の変動を例示する概略図 原料炭の炭種,流動度に対応した配合炭の流動度低下勾配の変動を例示する概略図 低品位炭の酸素含有率に対応した配合炭の流動度低下勾配の変動を例示する概略図 低品位炭の酸素含有率に対応した配合炭の流動度低下勾配の変動を例示する概略図 低品位炭の揮発分に対応した配合炭の流動度低下勾配の変動を例示する概略図
本発明に係るコークス製造用原料の作製方法(以下「本作製方法」という)は、原料炭に低品位炭を配合してコークス製造用原料を作製する場合に、
該原料炭に該低品位炭が配合される1次配合炭の特性と所望のコークス製造用原料の特性との差異を補填するために配合される高流動度炭または高流動度材料(高流動度材)を、予め前記低品位炭に近接させて配合して前駆配合炭を作製し、該前駆配合炭を前記原料炭に配合して2次配合炭を作製するとともに、
原料炭,低品位炭,高流動度材,および前駆配合炭の配合比率を、それぞれの特性の指標である最高流動度を基に設定することを特徴とする。
つまり、本作製方法は、作製プロセスにおける原料炭,低品位炭および高流動度材の配合条件を、各素材,1次配合炭,2次配合炭および前駆配合炭のMFを指標として、個々の特性を実測することなく設定するとともに、予め低品位炭に高流動度材を近接配合させて前駆配合炭を作製することによって、粘結性あるいは流動性に優れたコークス製造用原料(2次配合炭)を作製することを特徴とする。原料炭,低品位炭,高流動度材を単純配合ではなく、予め低品位炭に高流動度材を近接配合させた後に2次配合炭を作製することによって、コークス強度も一層高い2次配合炭を作製することができる。これは、後述する種々の検証からの知見に加え、次の観点からも妥当性を有するものである。
(i)既述のように、高品位の原料炭に高品位の石炭を配合した場合の配合炭のMFは、両者の加重平均に近くコークス強度も高いが、高品位の原料炭と低品位炭を配合した場合の配合炭のMFは、両者の加重平均よりも低下しコークス強度も低下する。
(ii)本作製方法における低品位炭に高流動度材を近接配合して得られた前駆配合炭は、見かけ上、高品位の石炭を形成している。
(iii)従って、高品位の原料炭に低品位炭を配合した場合の配合炭(1次配合炭)のMFは過度に低下し、コークス強度も低下する一方、高品位の原料炭に(見かけ上高品位の)前駆配合炭を配合した場合の配合炭(2次配合炭)のMFは過度の低下を生じず、高いコークス強度を期待することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<コークスの製造工程>
冶金用コークスの製造工程を、図1により簡単に説明する。岸壁に接岸した石炭運搬船1から石炭が陸上げされ、貯炭場2において、石炭の性状(銘柄)ごとに貯蔵される。貯炭場2に貯蔵されている石炭(原料炭および低品位炭を含む)は、銘柄ごとに必要な分量がリクレーマーで払い出され、ベルトコンベアにより配合槽3へと送り出される。配合槽3は複数槽を有しており、1つの配合槽に1つの銘柄の石炭が貯蔵される。石炭は、その性状によりコストの高低があり、品質のよいコークスを安価なコストで製造するために、複数の配合槽から性状の異なる石炭を最適な配合比率で切り出すとともに、処理槽8において投入された低品位炭に対して適量の高流動度材7を近接配合し、さらに原料炭と配合することによって、コークス製造用原料(2次配合炭)としての配合が完了する。このとき、近接配合された前駆配合炭は、粉砕処理しないことが好ましい。前駆配合炭が細分化,分散され、流動度の低下を補填する機能等近接配合の効果が低下する可能性がある。コークス製造には、種々の種類(銘柄)の石炭を海外から輸入し、銘柄ごとに貯炭場2に貯蔵する。これは、各炭鉱で採掘される石炭は、炭鉱ごとに性状が異なり、性状が異なれば製造されるコークスの性状も異なるため、複数の石炭および適量の高流動度材を配合することで、最も安価なコストでユーザーから要求されるコークス性状(品質)を満足することが必要となるためである。
粉砕設備4には、公知の粉砕機が設けられており、配合された石炭(2次配合炭)の粉砕処理を行う。粉砕設備4において粉砕された石炭は、ベルトコンベア等によりコークス炉6へと移送される。移送された石炭は、コールビン(石炭塔)6aに一旦貯蔵された後、装入車6bによりコークス炉6に装入され、乾留(蒸し焼き)される。乾留された石炭はコークスとなり、押出機6cによりコークス炉外に押し出される。得られた製品コークスは、最終的に高炉へと送り込まれる。
〔石炭の特性〕
通常石炭の品質は、物理的性質として粘結性あるいは流動性等によって、化学的性質として4つの工業分析値(水分,灰分,揮発分,固定炭素)等によって評価される。本作製方法においては、こうした特性のうち、特に流動性によってコークス製造用原料としての適正を評価した。また、石炭の強度(コークス強度)を、ドラム強度(DI15)および熱間強度(RSI)によって評価した。
(i)流動度の測定方法
石炭および高流動度材の流動度は、JIS−M8801で規格化されたギーセラープラストメータ測定法によって測定される。具体的には、図2(A)に例示するように、温度を指標として、評価対象となる石炭の軟化溶融状態下での流動度の変動を追跡して、流動度特性曲線(ギースラー流動度曲線)が求められ、その最大値である最高流動度(MF)をもって当該石炭の流動性が評価される。なお、実際の評価においては、一般に、MF値ではなく、その常用対数logMFとして対比される。ギーセラープラストメータ測定法は、測定対象である石炭あるいは高流動度材が、攪拌棒を備えたるつぼに装填され、金属浴(はんだ浴)中で、例えば昇温速度3.0±0.1℃/分で昇温される。概念的には温度上昇に伴い石炭あるいは高流動度材の軟化が始まり、これに伴って攪拌棒が回転し始める(流動性の現出)。そして、石炭あるいは高流動度材が固有の温度で最高回転数を示した後(MFに相当)、石炭あるいは高流動度材の再固化が始まり、次第に回転数は低下して所定の温度で攪拌棒の回転が完全に停止する。こうした流動度特性曲線は、石炭あるいは高流動度材の種類で異なる。
(ii)配合炭の特性
図2(B)は、原料炭に低品位炭を配合したときの、原料炭,低品位炭,配合炭(1次配合炭)のそれぞれの流動度曲線を示す。原料炭の最高流動度MFoが、低品位炭(MF=0とする)の配合により作製された1次配合炭の最高流動度MFmに変化(低下)した状態を示す。このとき、このMFmを常用対数に換算して得られたlogMFm値と、単純に原料炭のlogMFoと低品位炭のlogMF(=0)を加重平均して推定するlogMFm値と対比した場合、両者に大きなズレが生じる場合があることが判った。と同時に、後述するようないくつかの知見から、1次配合炭のMFmを精度よく推定することが可能であることが判った。本作製方法は、こうした知見に基づく推定を利用することを特徴の1つとする。ここで、「logMF」は、最高流動度(MF)の常用対数値を示し、実際の評価において使用される。
(iii)コークス強度の測定
原料炭あるいは作製された石炭を、小型試験炉(幅430mm、横380mm、350mm)に730kg/mで充填し、炉温1070℃で乾留し、中心温度が1030℃到達後に窒素雰囲気で冷却処理し、得られたコークスについて、以下の測定方法によりドラム強度(DI15)および熱間強度(RSI)を測定してコークス強度を評価した。
(iii−1)ドラム強度測定方法
上記処理により得られたコークスについて、JIS−K2151で規格化された落下強度試験法に準拠したシャッター試験を2回施した試料から25mm篩上のコークス塊を採取し、これらを用いてJIS−K2151に準拠したドラム強度指数(DI15)を測定した。
(iii−2)熱間強度測定方法
上記処理により得られたコークスを平均粒径19〜21mmに整粒し、この試料より19mm篩上から21mm篩以下のコークス塊200gを用い、1100℃で2時間CO(5L/min)と反応させる。反応後、反応残試料を、内径132mm、高さ700mmの筒状のI型ドラム試験機(長谷川製作所製)に入れ、20回転/分で30分間回転させた。その後、9.56mmの篩で篩い分け、篩上に残った試料重量を測定し、反応残試料に対する篩上の残存試料割合を熱間強度(RSI)とした。
<本発明に係るコークス製造用原料の作製方法>
本作製方法の基本的な作製プロセスの概要を、図3に例示する。コークス製造用原料として用いられる2次配合炭に対する所望の流動度(例えばlogMFが2〜3の範囲)およびコークス強度(例えばDI15が85.0以上,RSIが38.0以上)が設定された場合、以下の工程(1)〜(7)の作製プロセスによって、2次配合炭が作製される。
(1)原料炭,低品位炭および高流動度材の選定
(2)1次配合炭のMFの推定
(3)1次配合炭のMFと所望のMFとの差異の確認
(4)高流動度材の配合量の算出
(5)前駆配合炭の作製:低品位炭と高流動度材との配合
(6)2次配合炭の作製:前駆配合炭と原料炭との配合
(7)2次配合炭のコークス強度の確認:所望のコークス強度の範囲内の確認
種々の原料炭や低品位炭を用いた場合、特に過剰量の低品位炭を用いた場合であっても、1次配合炭のMFを精度高く推定できるとともに、既知のMFを有する高流動度材を用いて補填することによって、2次配合炭のMFを適正に調整することができる。また、低品位炭と高流動度材を近接配合した後に、原料炭と均一に配合することによって、加熱時に低品位炭と高流動度材が近接して軟化溶融し、その後再固化して前駆配合炭のコークス強度を上げることができる。つまり、原料炭に対して流動性が高い「低品位炭」が配合された状態を形成することができる。コークス製造用原料として使用される粒状あるいは粉状の石炭は、個々の各粒子あるいは粉状体として機能するものであり、各粒子あるいは粉状体が高品位な特性を有することによって、高品位炭と同等の機能を確保することが可能であると推定される。以下、上記工程(1)〜(7)の詳細を説明する。なお、工程(2)1次配合炭のMFの推定については、後述する別項において、詳述する。
(1)原料炭,低品位炭および高流動度材を選定するステップ
所望のコークス製造用原料(2次配合炭)を作製するために、原料炭,低品位炭および高流動度材が選定される。通常、既知あるいは実測のMFを有する原料炭および低品位炭が選定され、各々の配合量が設定される。例えば、所望の2次配合炭のMFがlogMF=3[logddpm]である場合、原料炭としてlogMF=2〜4[logddpm]の高流動度を有する粘結炭を選定し、低品位炭としてlogMF=0.1〜1[logddpm]の低流動度の褐炭を選定し、予め実際に配合される各石炭の流動度に係る情報を検証あるいは実測する。具体的には、上記図2(A)に示すような流動度特性曲線を入手あるいは実測する。また、同時に、選定された原料炭と低品位炭との配合性の優れた高流動度材としてタールピッチを選定し、その流動度に係る情報を検証あるいは実測する。なお、予め原料炭と低品位炭の流動度に係る情報が入手可能で、かかる情報を基に、任意の配合比率における1次配合炭のMFが推定可能な場合には、これらの配合比率を指標とし1次配合炭を構成する原料炭と低品位炭および配合比率を選定することができる。このとき、各々の石炭は1つの炭種に限定されず、複数の炭種が配合された石炭を用いることができる。
(2)1次配合炭のMFを推定するステップ
上記(1)で得られた原料炭と低品位炭の流動度特性曲線に基づき、原料炭と低品位炭ついての図2(A)に示すような最高流動度(MF)を設定する。また、選定された原料炭と同種あるいは異種の類似した流動度を有する基準炭を設定し、該基準炭の流動度特性曲線を入手あるいは実測する。原料炭,低品位炭および基準炭のMFを基に、複数の配合比率における1次配合炭のMFを推定する。推定方法の詳細は、後述する。
(3)1次配合炭のMFと所望のMFとの差異を確認するステップ
推定された1次配合炭のMFと所望の(2次配合炭の)MFとの差異を確認する。つまり、上記(2)で推定された1次配合炭のMFによって、原料炭への過剰量の低品位炭の配合によって生じた所望のMFとの差異を確認させ、補填に必要な高流動度材の配合量を確定させる。
(4)高流動度材の配合量を算出するステップ
推定された1次配合炭のMFと所望のMFとの差異を補填すべく、高流動度材の配合量が算出される。1次配合炭への高流動度材の配合率zは、下式1のように、所望の2次配合炭の最高流動度(MFあるいはlogMF)を基に、1次配合炭の最高流動度(MFあるいはlogMF),配合される低品位炭の最高流動度(MFあるいはlogMF),高流動度材の最高流動度(MFあるいはlogMF),低品位炭の流動度低下勾配のいずれか,あるいはそのいくつかを指標として設定される。具体的には、後述に例示するような下式2−1や2−2に基づき設定することができる。
z=f(Y2,Y1,Yo,T) …式1
ここで、Y2:所望の2次配合炭の最高流動度
Y1:1次配合炭の最高流動度
Yo:低品位炭の最高流動度
T :高流動度炭または高流動度材料の最高流動度
α :低品位炭の流動度低下勾配
具体的には、配合率zは、例えば、所望の2次配合炭のMF(logMF)と1次配合炭のMF(logMF)および高流動度材のMF(logMF)を指標として、下式2−1に基づき設定することができる。
z=(Y2−Y1)/T …式2−1
ここで、Y2:所望の2次配合炭のlogMF
Y1:1次配合炭のlogMF
T :高流動度炭または高流動度材料のlogMF
過剰量の低品位炭の配合によって生じた所望のMFとの差異を、高流動度材を適量配合することによって精度よく補填することが可能となり、適正範囲の流動度を有する2次配合炭を作製することできる。
また、配合率zは、例えば、低品位炭の流動度低下勾配(△logMF)と低品位炭のMF(logMF)よび高流動度材のMF(logMF)を指標として、下式2−2に基づき設定することができる。
z=α×Yo/T …式2−2
ここで、α :低品位炭の流動度低下勾配(△logMF)
Yo:低品位炭のlogMF
T :高流動度炭または高流動度材料のlogMF
低品位炭の配合によって生じた原料炭のMFとの差異を、低品位炭の特性から推定された適量の高流動度材を配合することによって精度よく補填することが可能となり、適正範囲の流動度を有する原料炭と同等の品位および強度を有する2次配合炭を作製することできる。ここで、「△logMF」は、最高流動度(MF)の常用対数値logMFの勾配(流動度低下勾配)を示し、実際の評価において使用される。
(5)前駆配合炭を作製するステップ
上記(1)で選定された低品位炭と高流動度材を、高流動度材が上記(4)で算出された配合率zとなるように配合し、前駆配合炭を作製する。具体的には、1次配合炭を構成する原料炭と低品位炭の配合比率x:y(x+y+z=1)から、低品位炭と高流動度材の配合比率y:zとなるように配合する。原料炭に低品位炭が均一に配合された1次配合炭に対して高流動度炭を均一に配合して2次配合炭を作製する単純配合ではなく、低品位炭に高流動度材を近接配合して前駆配合炭を作製した後に、該前駆配合炭を原料炭と均一に配合するによって、原料炭への低品位炭の配合に伴う流動度の低下を補填することができるとともに、コークス強度が一層高い2次配合炭を作製することができる。
ここで、近接配合の処理として、圧着(成型)処理,造粒処理,接着処理または混練処理が挙げられる。こうした処理によって、配合された高流動度材が原料炭に近接し高流動度材の配合効果を低減することを防止し、過剰量の低品位炭の配合によって生じた所望のMFとの差異を、精度よく補填することができる。各処理の具体的な内容は、以下の通りである。
(i)圧着(成型)処理とは、粉末や微粒子状の低品位炭と高流動度材の混合物を加圧条件で圧着し、所定の形状に成型する処理をいう。加温処理によって流動性を上げて含浸率を上げることができる。例えば、プレス圧力1〜30MPaという加圧条件を形成するために不活性ガスが用いられる。
(ii)造粒処理とは、粉末や微粒子状の低品位炭を、高流動度材をバインダーとして造粒し、粒状の前駆配合炭を作製することをいう。前駆配合炭の表面が高流動度材に被覆されることによって、高品位炭に似た流動性の高い特性を有することができる。
(iii)接着処理とは、粉末や微粒子状の低品位炭を、高流動度材をバインダーとして所定の大きさの前駆配合炭を作製することをいう。上記(ii)同様、前駆配合炭の表面が高流動度材に被覆されることによって、高品位炭に似た流動性の高い特性を有することができる。
(iv)混練処理とは、粉末や微粒子状の低品位炭を、高流動度材をバインダーとして練って成形することをいう。均一性の高い前駆配合炭が作製され、より高品位炭に似た流動性の高い特性を有することができる。
(6)2次配合炭を作製するステップ
前駆配合炭に、上記(1)で選定された原料炭を配合し、2次配合炭を作製する。このように、原料炭,低品位炭,高流動度材を、単純配合でなく、低品位炭と高流動度材を近接配合した後に、原料炭と均一に配合することによって、加熱時に低品位炭と高流動度材が近接して軟化溶融し、その後再固化して前駆配合炭のコークス強度を上げることができる。
(7)2次配合炭のコークス強度を確認するステップ
作製された2次配合炭(抜き取り)のコークス強度を実測し、所望のコークス強度の所定範囲(以下「許容範囲」ということがある)内であることを確認する。該許容範囲を超える場合には、作製された2次配合炭のうちから再度抜き取られた石炭を実測し,原料炭や低品位炭および高流動度材のMFのばらつき,上記(2)で推定された1次配合炭のMFとの相違等を検証し、各要素を補正して1次配合炭のMFを確定する。確定された1次配合炭のMFから、推定された2次配合炭のMFが、所望のMFの所定範囲(以下「許容範囲」ということがある)内になるように高流動度材の配合量を設定し、再度、上記(4)〜(6)の作製ステップを行う。なお、推定された2次配合炭のMFが、所望のMFの許容範囲を超えて異なる場合には、再度、上記(1)〜(6)の作製ステップを行う。所望のMFの許容範囲内にある2次配合炭を、コークス製造用原料として使用する。
〔本作製方法により作製されたコークス製造用原料〕
本作製方法によって作製された2次配合炭は、優れた粘結性あるいは流動性を有し、コークス製造用原料として用いられる。低品位炭が増配された1次配合炭のMFを正確に推定し、高流動度材によって所望の流動性を有する2次配合炭とすることによって、高価な高品位の石炭の消費量を低減し、余剰品として少量しか使用できなかった低品位炭の使用範囲を拡大し消費量の増大を図ることが可能となった。と同時に、予め低品位炭に対して高流動度材を近接配合させて前駆配合炭を作製した後に、該前駆配合炭を原料炭に配合して2次配合炭を作製することによって、所望のMFと高いコークス強度を有する粘結性あるいは流動性に優れたコークス製造用原料を作製することができる。
具体的には、後述する実施例のように、通常のlogMF=2〜3あるいはこれに近い特性を有する原料炭に対して、配合する低品位炭の配合比率を0.1〜10%とすることによって、2次配合炭のMFについてlogMF=2〜3あるいはこれに近い特性を確保することができる。また、logMFが3を超える炭種あるいは配合炭を用いる場合には、低品位炭の配合比率を10〜20%とすることによって、2次配合炭のMFについてlogMF=2〜3あるいはこれに近い特性を確保することができる。こうした製造方法によって、従前使用が限定されていた低品位炭の消費量を増大させることができるとともに、コークス強度に優れ、かつ粘結性に優れたコークス製造用原料を安価に確保することが可能となった。
図4は、上記作製プロセスにおいて、2次配合炭の作製プロセスの配合処理における原料炭や作製された2次配合炭等のMFの変化を例示する。ここでは、原料炭が所望の(許容範囲内の)MFを有する石炭の場合を実線,これを超える流動性を有する石炭の場合を破線,およびそれ以下の流動性を有する石炭の場合を一点鎖線によって区分する。図中、原料炭,低品位炭および高流動度材の配合量を固定した場合において、
(A)低品位炭に対して高流動度材を近接配合させた前駆配合炭のMFの変化と、
(B)原料炭に前駆配合炭を配合させた2次配合炭のMFの変化
を太線によって示すように、予め低品位炭に高流動度材を近接配合させて、所望の(許容範囲内の)MFを有する前駆配合炭を作製することによって、所望のMFを有し、コークス強度も一層高い2次配合炭を作製することができる。一方、
(C)原料炭への低品位炭の配合による1次配合炭のMFの変化と、
(D)1次配合炭への高流動度材の配合による2次配合炭のMFの変化
を細線によって示すように、過剰の低品位炭の配合によって所望のMFを下回る1次配合炭が作製された場合には、固定された配合量では原料炭のMFによって2次配合炭の特性が影響される。しかしながら、本作製方法においては、上記作製プロセスの工程(1)〜(4)のように、原料炭のMFに応じて、高流動度材の配合量が算出され設定されることによって、図中d1やd2のように許容範囲内の2次配合炭を作製することができる。図中d2は、原料炭への低品位炭の配合による流動度低下分を補填する高流動度材の配合量を、logMF補填比率(高流動度材の配合比率/低品位炭の配合比率)1.0以上とした場合を示し、2次配合炭のMFの向上を図り、コークス強度を含むコークス品位を向上させることができる。
〔本発明に係る1次配合炭のMFの推定方法〕
上記作製プロセスの工程(2)に係る1次配合炭のMFの推定方法(以下「本推定方法」という)は、原料炭の1または2以上の炭種を基準炭として選択し、予め該基準炭の特性と、配合される1または2以上の低品位炭に対する基準炭のMFの変化に基づく該低品位炭に係る流動度低下勾配を求めるとともに、実際に使用される前記原料炭のMFと、実際に配合される低品位炭に係る流動度低下勾配に基づき、該原料炭に配合される該低品位炭の配合比率から、該原料炭に該低品位炭が配合された1次配合炭のMFを推定する。つまり、本推定方法は、次のような知見を基に、予め基準炭によって得られた後述する「本推定方法の手順」によって、簡便かつ効率的に1次配合炭のMFを高い精度で推定することができる。
(a)低品位炭の配合に伴う流動度低下勾配(以下「△logMF」ということがある)は、原料炭(基準炭)の炭種や特性への依存性が低い。つまり、異なる原料炭(基準炭)に対して、同一の低品位炭を配合させた場合の△logMFが、原料炭(基準炭)の炭種やMF等の特性に依存しない。従って、同一の低品位炭について、共通の推定値を設定することができる。
(b)低品位炭の△logMFは、低品位炭の銘柄固有である。つまり、同一原料炭(基準炭)に対して、異なる低品位炭を配合させた場合の△logMFは、配合される低品位炭の銘柄によって決定される。従って、異なる低品位炭を配合することによって、同一の原料炭(基準炭)について異なる推定値の設定することができる。
ここで、「logMF」は、最高流動度(MF)の常用対数値を示し、実際の評価において使用される。「△logMF」は、その勾配(流動度低下勾配)を示す。
以下、その知見を得た検証過程を詳述する。
(i)本推定方法の手順
本推定方法は、基本的に、以下の5つのステップから構成される。
(i−1)予め準備された基準炭の流動度特性曲線(例えば図2(A)に例示する特性)を実測するステップ
(i−2)上記(1)で得られた流動度特性曲線に基づき、基準炭のMFを設定するステップ
(i−3)予め準備された低品位炭を基準炭に配合し、1次配合炭の流動度特性曲線からMFを実測するステップ
(i−4)実測された1次配合炭のMFから、各低品位炭についての△logMFを設定するステップ
(i−5)実際に使用される1次配合炭のMFを推定するステップ
実際に使用される原料炭のMFと、実際に配合される(予定の)低品位炭について設定された△logMFを用い、1次配合炭のMF(logMF)を推定する。低品位炭の配合に伴う1次配合炭の流動度は、一般式として、下式3によって表すことができる。
Y=S+α×X …式3
ここで、Yは1次配合炭のlogMF
Sは原料炭のlogMF
αは低品位炭の△logMF[1/%]
Xは低品位炭配合比率[%]
なお、予め1次配合炭のMF(logMF)の範囲が設定されている場合には、実際に配合される(予定の)低品位炭の配合比率を設定することによって、所望の1次配合炭のMF(logMF)を推定することができる。また、配合する予定の低品位炭では所望の1次配合炭のMF(logMF)の設定が難しい場合には、上記(4)で△logMFが設定された他の低品位炭のうちから、適正な△logMFが設定された低品位炭を選定し、1次配合炭のMF(logMF)を推定する。さらに、低品位炭の選定が難しい場合には、原料炭に使用されている粘結炭の一部を流動性の異なる粘結炭に振り替えて低品位炭配合時のlogMFを適正範囲に設定することも可能である。
(ii)原料炭,低品位炭および1次配合炭の特性の検証
(ii−1)検証に使用した石炭
本推定方法の検証に用いた原料炭(基準炭),低品位炭および1次配合炭の特性を、下表1に示す。以下、実施例を含む本推定方法の検証に用いた。
Figure 2013181100
(ii−2)原料炭(基準炭),低品位炭および1次配合炭の流動度の検証
上表1の原料炭(基準炭),低品位炭および1次配合炭を用いて、その流動度特性曲線を求め、原料炭(基準炭)および低品位炭のMFおよびlogMFを設定した。下表2に、原料炭Jまたは原料炭Kに、低品位炭Aまたは低品位炭Bを配合したときの流動度測定結果を例示するとともに、図6および図7に図示する。下表2( )内は低品位炭のlogMF=0として加重平均した値を示す。
Figure 2013181100
上表2の測定結果を基に、低品位炭が配合された1次配合炭の△logMFを求める。図6および図7中、◆は、原料炭(基準炭)J,L,Kに低品位炭Aを1%または3%配合した時の1次配合炭のlogMFを示し、■は、原料炭(基準炭)L,Kに低品位炭Bを1%または3%配合した時の1次配合炭のlogMFを示す。図6および図7に例示するように、低品位炭の配合比率に対応した1次配合炭の流動度logMFを、炭種ごとおよび低品位炭に比較すると、上記の知見(a),(b)を定量的に検証することができる。
(a)図6および図7に示すように、異なる原料炭(基準炭)J,L,Kに対して、低品位炭Aを配合させた場合の△logMFが、原料炭(基準炭)の炭種やMF等の特性に依存しないといえる。また、MFが949[ddpm](logMF2.98),226[ddpm](logMF2.35)を有する異なる原料炭(基準炭)L,Kに対して、低品位炭Bを配合させた場合の△logMFが、それぞれ−0.130,−0.128であり、同様の結果が得られた。同一の低品位炭について、共通の推定値を設定することができる。
(b)図6に示すように、同一原料炭(基準炭)に対して、低品位炭Aを配合させた場合の△logMFが−0.099に対して、低品位炭Bを配合させた場合の△logMFが−0.128とあり、△logMFは、配合される低品位炭の銘柄によって決定される。異なる低品位炭を配合することによって、同一の原料炭(基準炭)について異なる推定値の設定することができる。
〔本発明に係る1次配合炭のMFの推定における補正要素の検証〕
上記のような方法によって、従前にない簡便な手法によって、効率的に1次配合炭のMFを推定することが可能となった。一方、1次配合炭のMFは、配合される低品位炭の銘柄に依存することの知見とともに、配合された低品位炭のその特性によって推定値と実測値とのズレが生じることがわかった。具体的には、下表3に示すような5種類の低品位炭A〜Eを原料炭(基準炭)に配合し、1次配合炭の△logMFを実証したところ、同表に示す推定値および実測値が得られた。
Figure 2013181100
〔低品位炭の酸素含有率による特性の補正〕
上表3に示す実証結果から、1次配合炭の流動性は、配合される低品位炭の銘柄に依存するとともに、低品位炭の酸素合有率が高いほど流動性が低くなる傾向を示すことが判る。具体的には、図8に例示するように、低品位炭の酸素合有量が多いほど、1次配合炭の流動性の推定プロセスの最終段階に近い低品位炭に係る△logMFの設定に影響を与えている。このとき、実際の補正曲線としては、図8に例示するように、特性線が所定の幅(図中0.046)を有する曲線が用いられる。下表4に、低品位炭の配合比率10〜30%時の中央値,上限値および下限値を例示する。炭種によって、異なる所定の幅が設定される。酸素合有率が異なる場合、各低品位炭は同一銘柄といえない場合があるためである。つまり、特定の低品位炭によっては、酸素合有率が異なることから、銘柄の相違に伴う△logMFの変動の要因の1つとなる可能性がある。
Figure 2013181100
本推定方法は、図8に示す酸素含有率に対する△logMFの変動を求め、予め銘柄によって設定された低品位炭に係る△logMFを補正することによって、後述する実施例のように、より正確に1次配合炭のMFを推定することが可能となった。
具体的には、酸素含有率aの場合、下式4に基づき、△logMFを算出し、上式3に挿入し、補正される。
△logMF=−0.0061×a+0.0135 …式4
ここで、酸素合有率は、通常石炭の特性表に明示されることから、特に実測が要求されることはなく、補正に伴う煩雑さを招くことはない。また、上記のような工業分析値として石炭の品質表記がある場合には、下式5によって酸素含有率を算出することができる。
酸素含有率[%]=100−元素C,H,N,S[%] …式5
〔低品位炭の揮発分による特性の補正〕
揮発分は、既述のように石炭の品質を化学的に評価する上において重要な要素である。上表3に示す実証結果から、低品位炭の揮発分が多いほど1次配合炭の流動性が低くなる傾向を示すことが判る。本推定方法においても、こうした傾向は、低品位炭は配合された1次配合炭の△logMFに影響を与えることが判った。具体的には、図9に例示するように、低品位炭の揮発分が多いほど、1次配合炭の△logMFに影響を与えている。本推定方法は、図9に示す揮発分に対する△logMFの変動を求め、予め銘柄によって設定された低品位炭に係る△logMFを補正することによって、後述する実施例のように、より正確に1次配合炭のMFを推定することが可能となった。なお、配合される低品位炭の揮発分は、通常石炭の特性表に明示されることから、特に実測が要求されることはなく、補正に伴う煩雑さを招くことはない。
具体的には、図9において、揮発分b[%]の場合、下式6に基づき、△logMFを算出し、上式3に挿入し、補正される。
△logMF=−0.000313×b2+0.0216×b−0.413 …式6
<実施例1>
本作製方法の特徴である近接配合に関し、その有効性および処理内容の相違による有効性の相違について、実証試験を行なった。試料炭として、予め細砕した低品位炭および高流動度材を所定重量比率で配合し、混合した試料を準備し、以下の通りの実施方法によって各処理を行った。
(i)圧着(成型)処理
円筒型成型器(BUEHLER製、SIMPLIMET−II)を用い、試料炭に対して、圧力約20〜30MPaで約10〜20分圧着処理を行った。見掛け密度約1.1〜1.5g/cmの成型物を得た。このとき、加熱しながら圧着処理すると、強固な成型物が得られた。また、加熱しながら圧着処理した場合、徐冷処理を行うことによって成型器からの脱着が容易となった。
(ii)造粒処理
佐藤式振動篩器(晃栄産業製、400−D)に試料炭を投入して、約10〜20分間振動処理して造粒品を作製した。また、別法として円筒型転動器(タナカテック製、RPB−3)に試料炭を充填し、回転速度約20〜30rpmで約1〜2時間転動処理して造粒品を作製した、
(iii)接着処理
V型ブレンダー(西村製作所製、NV−10)に試料炭を投入し回転速度約20〜30rpmで約10〜20分間混合処理し、約5%に調合したPVA水溶液を所定量添加して回転速度約20〜30rpmで10〜20分間混合処理したのち、乾燥機にて静置乾燥する。
(iv)混練処理
双腕式混練器(トーシン製、TK1−5M)に試料炭を投入し、ブレード回転約10〜20rpm,窒素注入量約2L/minで約250℃まで昇温し約20〜30分間混練後、冷却して混練品を得る。150℃以上に加熱すると、大気中の空気を取り込んで燃焼してしまうため、窒素雰囲気で処理を行い、流動性のよい混練物が得られた。
〔実施例1−1〕
本作製方法の特徴である近接配合の有効性について、実証試験を行なった。
(i)実験条件
実測値logMF:2.1である原料炭Nに対して、ΔlogMF:−0.14[logddpm]である低品位炭Fを配合比率2.5〜5%の条件、および推定値logMF:13の高流動度材である粘結材Pを配合した2次原料炭を作製するに際し、低品位炭Fに対して粘結材Pを近接配合した場合としなかった場合における、logMFおよびコークス強度を推定あるいは実測して比較した。近接配合としては、窒素雰囲気下、250℃で30分間の混練処理を行った。
(ii)実験結果
下表5に示すように、低品位炭配合による流動度低下分を高流動度粘結材で補填することができるとともに、近接配合を行わなかった参考例1−1a,1−1bと比較して、混練処理を行った実施例1−1a,1−1bについて、高いコークス強度が得られることが判った。本作製方法の優れた機能が証明された。
Figure 2013181100
〔実施例1−2〕
次に、近接配合の処理内容の相違による有効性の相違について、実証試験を行なった。
(i)実験条件
実測値logMF:2.0である原料炭Naに対して、ΔlogMF:−0.10[logddpm]である低品位炭Fを配合比率2.5%の条件、および推定値logMF:13,6の高流動度材である粘結材P,Qを配合した2次原料炭を作製するに際し、低品位炭Fに対して粘結材P,Qを近接配合した場合としなかった場合における、logMFおよびコークス強度を推定あるいは実測して比較した。近接配合としては、次の3つの処理を行った。
(i−1)低品位炭Fと粘結材Pを、窒素雰囲気下、250℃で30分間の混練処理
(i−2)低品位炭Fと粘結材P,Qに対し、5%PVAを10%添加して混合し、振動篩上で10分間転動する造粒処理
(i−3)低品位炭Fと粘結材Pの混合物を、φ32円筒容器に入れ、29MPaで20分間圧着処理を行う成型処理
(ii)実験結果
下表6に示すように、近接配合を行わなかった参考例1−2a,1−2bと比較して、近接処理を行った実施例1−2a〜1−2dについて、高いコークス強度が得られるとともに、近接処理の効果は、圧着処理(成型処理)>混練処理>造粒処理の傾向となった。なお、実施例1−2dと参考例1−2bの差について、DIでは効果が見えないが、RSIで差があることがわかる。本作製方法の優れた機能が証明された。また、混練処理(上記〔実施例1−1)同様、造粒処理についても、logMF補填比率(高流動度材の配合比率/低品位炭の配合比率)が大きいほどコークス強度の向上が見られた。
Figure 2013181100
<実施例2>
以上の本推定方法の有効性について、以下の内容について実証試験を行なった。
〔実施例2−1〕原料炭のlogMFを高めに設定した場合の1次配合炭の流動度の推定
〔実施例2−2〕原料炭のlogMFを低めに設定した場合の1次配合炭の流動度の推定
〔実施例2−3〕流動性のない炭材を配合した場合の1次配合炭の流動度の推定
〔実施例2−1〕
原料炭のlogMFを高めに設定した場合の1次配合炭の流動度の推定を行なった。
(i)実験条件
logMF:2.98である原料炭Lに対して、低品位炭A,BおよびCを配合比率5〜10%の条件で、原料炭のlogMFおよび△logMFを実測、設定し、推定値と比較した。
(ii)実験結果
下表7に示すように、1次配合炭のlogMFについて、推定値と実測値が非常に一致し、相関性が高いことが判った。本推定方法の優れた機能が証明された。
Figure 2013181100
〔実施例2−2〕
原料炭のlogMFを低めに設定した場合の1次配合炭の流動度の推定を、上記実施例2−1と同様の方法にて行った
(i)実験条件
logMFの低い(2.00前後)原料炭Mおよび原料炭Nを用い、低品位炭の炭種を低品位炭D,低品位炭Eおよび低品位炭Fとして,配合比率1〜10%の条件で、原料炭のlogMFおよび△logMFを実測、設定し、推定値と比較した。
(ii)実験結果
下表8に示すように、原料炭のlogMFを低く設定した場合においても、1次配合炭のlogMFについて、推定値は実測値と合致している。
Figure 2013181100
〔実施例2−3〕
上記実施例2−1,2−2における低品位炭に代え、原料炭に流動性のない炭材を配合した場合の1次配合炭の流動度の推定を行なった
(i)実験条件
logMFの低い(2.00前後)原料炭Mおよび原料炭Nを用い、流動性のない炭材の炭種として低品位炭Gおよび低品位炭Hを用い,配合比率10%の条件で、原料炭のlogMFおよび△logMFを実測、設定し、推定値と比較した。
(ii)実験結果
下表9に示すように、無煙炭など石炭化度が進み軟化溶融しない低品位炭Gおよび低品位炭H等の炭材を用いても、1次配合炭のlogMFについて、推定値と実測値が非常に一致し、1次配合炭の流動度の推定は可能であることが判った。
Figure 2013181100
1 石炭運搬船
2 貯炭場
3 配合槽
4 粉砕設備
6 コークス炉
6a コールビン
6b 装入車
6c 押出機
7 高流動度材
8 処理槽

Claims (6)

  1. 原料炭に低品位炭を配合してコークス製造用原料を作製する場合に、
    該原料炭に該低品位炭が配合される1次配合炭の特性と所望のコークス製造用原料の特性との差異を補填するために配合される高流動度炭または高流動度材料を、予め前記低品位炭に近接させて配合して前駆配合炭を作製し、該前駆配合炭を前記原料炭に配合して2次配合炭を作製するとともに、
    原料炭,低品位炭,高流動度炭または高流動度材料,および前駆配合炭の配合比率を、それぞれの特性の指標である最高流動度を基に設定することを特徴とするコークス製造用原料の作製方法。
  2. 前記前駆配合炭の作製において、圧着や成型,造粒,接着または混練のいずれかの処理、あるいはこれらの処理のいくつかの組合せによって、前記低品位炭に前記高流動度炭または高流動度材料を近接させて配合することを特徴とする請求項1記載のコークス製造用原料の作製方法。
  3. 予め前記原料炭の1または2以上の炭種を基準炭として選択し、該基準炭の適正流動度の範囲と、該基準炭の温度に対する流動度特性曲線と、該流動度特性曲線に基づく前記基準炭の最高流動度を求め、さらに、配合される1または2以上の低品位炭について、該低品位炭の配合比率に対する前記基準炭の最高流動度の変化に基づく該低品位炭に係る流動度低下勾配を求め、
    実際に使用される前記原料炭の最高流動度と、実際に配合される前記低品位炭に係る流動度低下勾配に基づき、該原料炭に配合される該低品位炭の配合比率から、該原料炭に該低品位炭が配合される1次配合炭の最高流動度を推定するとともに、
    予め前記原料炭よりも高い流動性を有する高流動度炭または高流動度材料の最高流動度を求め、
    前記1次配合炭の最高流動度と所望のコークス製造用原料の最高流動度との差異を補填するように、前記高流動度炭または高流動度材料の配合率zを、下式1に基づき設定することを特徴とする請求項1または2記載のコークス製造用原料の作製方法。
    z=f(Y2,Y1,Yo,T,α) …式1
    ここで、Y2:所望の2次配合炭の最高流動度
    Y1:1次配合炭の最高流動度
    Yo:低品位炭の最高流動度
    T :高流動度炭または高流動度材料の最高流動度
    α :低品位炭の流動度低下勾配
  4. 配合される前記低品位炭の酸素含有率に対する前記流動度低下勾配の変動を求め、使用する低品位炭に係る前記流動度低下勾配を、該低品位炭の酸素含有率によって補正することを特徴とする請求項1〜3にいずれかに記載のコークス製造用原料の作製方法。
  5. 配合される前記低品位炭の揮発分に対する前記流動度低下勾配の変動を求め、使用する低品位炭に係る前記流動度低下勾配を、該低品位炭の揮発分によって補正することを特徴とする請求項1〜4にいずれかに記載のコークス製造用原料の作製方法。
  6. 原料炭に低品位炭が配合されたコークス製造用原料であって、前記低品位炭の配合比率0.1〜20%,前記2次配合炭の最高流動度の常用対数値2〜3を有することを特徴とする請求項1〜5にいずれかに記載のコークス製造用原料の作製方法により作製されたコークス製造用原料。
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