JP2013180961A - Ws727713含有固形製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】嵩高く、撥水性の高いWS727713化合物を高含量含有し、速やかな崩壊性を有する固形製剤、特にコンパクト化された固形製剤、殊に錠剤の提供。
【解決手段】WS727713化合物又はその塩及びクロスカルメロースナトリウム及びクロスポビドンなどの親水性物質を含有する造粒物、並びにリン酸水素カルシウム及びクロスカルメロースナトリウムなどの崩壊剤を含有してなる固形製剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、WS727713化合物及びその塩を含有する固形製剤及びその製造方法に関する。詳細には、本発明は、高含量のWS727713化合物又はその塩を含有し、速やかな崩壊性を有する固形製剤及びその製造方法に関する。
WS727713化合物は、日本で採集された落葉から単離されたPseudonocardia属のWS727713産生株を培養して得られ、炎症性腸疾患(IBD)、殊にクローン病、潰瘍性大腸炎等の治療剤として有効であることが開示されている(特許文献1)。
WS727713化合物は、非常に嵩高く、撥水性のため、湿式造粒方法では造粒時の水分調整が難しく、また直接打錠法では錠剤が速やかな崩壊性を示すことが難しい等、製剤自体及びその製剤化には、化合物の特性に起因する問題がある。かかる状況に加えて、期待される薬効発現のための予想される高用量(高含量)に鑑み、服用コンプライアンス向上のため、製剤のコンパクト化も必要となる。
特許文献2には、水難溶性有効成分と第一崩壊剤及び水溶性賦形剤との固形成形体、例えば造粒物を調製し、この固体成形体と第二崩壊剤と混合して得られる混合物からなるか、或いは、水難溶性有効成分と崩壊剤及び糖アルコールから水溶性高分子結合剤を用いて調製される固体成形体からなる、崩壊性が良好な経口製剤に関する発明が開示されている。
特許文献3には、難水溶性で撥水性の高い生理活性物質を高含量有する造粒物、及び、該造粒末を含有する、崩壊性及び生理活性物質の溶出性に優れる固形製剤に関する発明が開示されている。
しかしながら、上記文献には、嵩高く、撥水性の高いWS727713化合物を高含量有し、速やかな崩壊性を有する固形製剤、特にコンパクト化された固形製剤については記載されておらず、該製剤の設計にあたっては更なる技術開発が必要である。また、撥水性の高いWS727713化合物を造粒するため、造粒時に水分調整を可能とした固形製剤の製造方法を提供するためにも更なる技術開発が必要である。
WO2005/097973号パンフレット WO2002/024166号パンフレット 特開2002-167327号公報
本発明は、嵩高く、撥水性の高いWS727713化合物又はその塩を高含量有し、速やかな崩壊性を有する固形製剤、特にコンパクト化された固形製剤、殊に錠剤を提供する。また、本発明は、嵩高く、撥水性の高いWS727713化合物又はその塩を造粒して得られた該造粒物を含有し、速やかな崩壊性を有する固形製剤、特にコンパクト化された固形製剤、殊に錠剤の製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討を行なった結果、
(1)WS727713化合物又はその塩に、クロスカルメロースナトリウム等の吸水性を有する親水性物質を配合することにより造粒時に水分コントロールが可能であること、
(2)親水性物質が吸水性を有し、かつ崩壊作用を有する物質であれば、(高速)撹拌造粒等により製した造粒物であっても、崩壊剤を配合して圧縮成型し得られた錠剤が速やかな崩壊性を達成すること、
(3)かかる錠剤が、本発明における所望の効果を有するコンパクト化された固形製剤となり得ること、
等を知見して、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明は、WS727713化合物又はその塩を含有する固形製剤及びその製造方法に関する。詳細には、本発明は、高含量のWS727713化合物又はその塩を含有し、速やかな崩壊性を有する固形製剤及びその製造方法に関する。
即ち、本発明は下記の通りである。
[1]WS727713化合物又はその塩、及び親水性物質を含有する造粒物、並びに崩壊剤を含んでなる固形製剤。
[2]親水性物質が吸水性を有する物質である[1]に記載の固形製剤。
[3]親水性物質が吸水性を有し、かつ崩壊作用を有する物質である[1]又は[2]に記載の固形製剤。
[4]親水性物質がクロスカルメロースナトリウム及びクロスポビドンからなる群より選択される1種以上である[1]乃至[3]の何れかに記載の固形製剤。
[5]親水性物質がクロスカルメロースナトリウムである[1]乃至[4]の何れかに記載の固形製剤。
[6]崩壊剤がリン酸水素カルシウムである[1]乃至[5]の何れかに記載の固形製剤。
[7]WS727713化合物又はその塩、及び親水性物質を含有する造粒物が、更に崩壊剤を含んでなる造粒物である[1]乃至[6]の何れかに記載の固形製剤。
[8]親水性物質がクロスカルメロースナトリウムである[7]に記載の固形製剤。
[9]崩壊剤がリン酸水素カルシウム及びクロスカルメロースナトリウムからなる群より選択される1種以上である[7]又は[8]に記載の固形製剤。
[10]崩壊剤がリン酸水素カルシウムである[7]乃至[9]の何れかに記載の固形製剤。
[11]WS727713化合物又はその塩の含量が固形製剤あたり40〜80重量%である[1]乃至[10]の何れかに記載の固形製剤。
[12]固形製剤中に含まれるWS727713化合物又はその塩の65重量%以上が30分以内に溶出する溶出挙動を示す[1]乃至[11]の何れかに記載の固形製剤。
[13]造粒物が撹拌造粒で得られる[1]乃至[12]の何れかに記載の固形製剤。
[14]撹拌造粒が高速撹拌造粒である[13]に記載の固形製剤。
[15]錠剤である[1]乃至[14]の何れかに記載の固形製剤。
[16]フィルムコーティング錠である[15]に記載の固形製剤。
[17]カプセル剤である[1]乃至[14]の何れかに記載の固形製剤。
[18]WS727713化合物又はその塩、及び親水性物質を含有する造粒物と、崩壊剤とを混合し、ついで打錠することを特徴とする、[15]に記載の錠剤の製造方法。
嵩高く、撥水性の高いWS727713化合物又はその塩を高含量有し、速やかな崩壊性を有する固形製剤、特にコンパクト化された固形製剤を提供することにより、炎症性腸疾患(IBD)、殊にクローン病、又は、潰瘍性大腸炎の治療剤として有用な化合物を、医薬品として医療の現場に提供することが可能になり、以って服用コンプライアンスの向上に寄与することができる。
実施例1及び比較例1の製剤において、各種親水性物質を添加した固形製剤からのWS727713化合物の溶出プロファイルを示す。図中、(%)releasedは薬物の溶出率を示す。図中の記号はそれぞれ次の意味を示す。A=実施例1(クロスカルメロースナトリウム)、B=比較例1(カルボキシメチルスターチナトリウム)、C=実施例1(クロスポビドン)。 実施例2及び比較例2の製剤において、崩壊剤(リン酸水素カルシウム水和物)の添加の有無による固形製剤からのWS727713化合物の溶出プロファイルを示す。図中、(%)releasedは薬物の溶出率を示す。図中の記号はそれぞれ次の意味を示す。A=比較例2、B=実施例2。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、WS727713化合物又はその塩、及び親水性物質を含有する造粒物、並びに崩壊剤を含んでなる固形製剤に関する(以下本発明の固形製剤ということもある)。
本明細書における「高用量」又は「高含量」は、固形製剤中のWS727713化合物又はその塩の用量(含量)がWS727713化合物に換算して100 mg以上を意味する。
本発明の固形製剤において、WS727713化合物又はその塩の含量は、ある態様としては、100〜600 mgが挙げられる。別の態様としては、200〜500 mgが挙げられる。
WS727713化合物又はその塩の用量(含量)の定量法は、WS727713化合物が定量できる方法であれば特に制限されない。ある態様として、高速液体クロマトグラフ法を用いて固形製剤中のWS727713化合物の量を測定して定める方法が挙げられる。
本明細書における「速やかな崩壊性」とは、第15改正日本薬局方における一般試験法の崩壊試験に規定されているとおり、錠剤が試験液中、定められた条件で規定時間内に崩壊するかどうかを確認するものである。しかし、本発明の固形製剤の評価としては、製剤の崩壊及び/又は製剤中における溶解・拡散を経て、製剤中の化合物が放出したり、また溶出したりすることから、本明細書においては、以下の「速やかな溶出性」なる用語と同等の用語として取扱うものとする。
本明細書における「速やかな溶出性」は、通常製剤と同等、或いはそれに相当する溶出性を有することを意味する。第15改正日本薬局方における一般試験法の溶出試験法により試験を行なう場合に、第2法(パドル法)に従い、日本薬局方溶出試験液第1液(JP1)900mLを用いて試験を行うとき、30分後のWS727713化合物又はその塩の溶出率が65%を示すことを意味する。
WS727713化合物又はその塩の溶出率は、WS727713化合物を定量して算出できる。定量方法はWS727713化合物が定量できれば特に制限されない。溶出率は、高速液体クロマトグラフ法により固形製剤からのWS727713化合物の経時的な溶出量を測定し、錠剤中のWS727713化合物の量を基準にして算出する方法等が挙げられる。
以下に、本発明の固形製剤について説明する。
本発明における「WS727713化合物又はその塩」は、特許文献1に記載された製法により、或いはそれに準じて容易に入手可能である。WS727713化合物を産生する微生物は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1つくば中央第6、郵便番号305-8566にFERM BP-7570として国際寄託されている(国際受託日:2001年4月25日)。
WS727713化合物は、化学名(4aR,10R,13S,18R,19aR,22S)-10-ベンジル-12,18-ジヒドロキシ-13-イソブチル-22-メチルヘキサデカヒドロ-1H,16H-ジピリダジノ[1,6-a:1',6'-g] [1,4,7,10,13,16]ヘキサアザシクロオクタデシン-5,8,11,14,20,23-ヘキソンであり、化学構造は下記の通りである。
Figure 2013180961
WS727713化合物は、下記の性質を示す。
a) 分子式: C30H44N8O8
b) 1H 核磁気共鳴スペクトル :(500 MHz, DMSO-d6) δ
9.76 (1H, s, 交換可能), 8.76 (1H, d, J=7.5 Hz, 交換可能), 8.23 (1H, d, J=5 Hz, 交換可能), 7.76 (1H, dd, J=8.5 及び 3 Hz, 交換可能), 7.25 - 7.17 (5H, m), 5.71 (1H, dd, J=10.5 及び 5 Hz), 5.08 (1H, dd, J=11 及び 4 Hz, 交換可能), 5.03 (1H, m), 4.99 (1H, m), 4.92 (1H, m), 4.85 (1H, m), 4.83 (1H, d, J=3 Hz, 交換可能), 4.76 (1H, br d, J=12 Hz, 交換可能), 4.12 (1H, dd, J=16.5 及び 8.5 Hz), 3.65 (1H, dd, J=16.5 及び 3 Hz), 3.58 (1H, m), 3.07 (1H, dd, J=13.5 及び 8.5 Hz), 2.94 (1H, br d, J=13 Hz), 2.86 (1H, dd, J=13.5 及び 6 Hz), 2.73 - 2.68 (2H, m), 2.58 (1H, m), 2.24 (1H, br d, J=13 Hz), 2.08 (1H, br d, J=14 Hz), 1.88 (1H, m), 1.67 (1H, m), 1.55 (1H, m), 1.42 - 1.36 (2H, m), 1.21 (1H, m), 1.19 (3H, d, J=7 Hz), 1.09 (1H, m), 0.76 (3H, d, J=6.5 Hz), 0.75 (3H, d, J=6.5 Hz)、及び、
c) 13C 核磁気共鳴スペクトル :(125 MHz, DMSO-d6) δ
173.8 (s), 171.7 (s), 170.4 (s), 169.8 (s), 169.1 (s), 167.6 (s), 137.2 (s), 129.2 (d)x2, 128.0 (d)x2, 126.3 (d), 60.2 (d), 53.2 (t), 51.1 (d), 50.8 (d), 49.6 (d), 47.4 (d), 47.0 (t), 44.7 (d), 41.2 (t), 36.4 (t), 35.4 (t), 33.2 (t), 23.6 (d), 23.5 (t), 23.1 (q), 21.7 (q), 21.0 (t), 15.8 (q).
WS727713化合物の塩としては、薬理学的に許容し得る塩であれば特に制限されない。ある態様として、アルカリ金属との塩等が挙げられる。アルカリ金属との塩の好適な例としては、カリウム、マグネシウム等の塩が挙げられる。
WS727713化合物又はその塩の固形製剤中の含量は、WS727713化合物又はその塩の治療又は予防の薬効を発現し得る量であれば特に制限されない。固形製剤全体の量を基準にして、ある態様としては、40重量%以上が挙げられ、別の態様としては、40〜80重量%が挙げられ、さらに別の態様としては、50〜70重量%が挙げられる。なお本明細書中のWS727713化合物又はその塩の含量等の数値はWS727713化合物の量に換算したものである。
WS727713化合物又はその塩の投与量は、投与ルート、疾患の症状、投与対象の年齢、人種、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。通常経口投与の場合成人1人当たり、ある態様としては、1日量:約0.001〜100 mg/kgが挙げられ、別の態様としては、1日量:約0.1〜80 mg/kgが挙げられ、また別の態様としては、1日量:約5〜50 mg/kgが挙げられる。
WS727713化合物又はその塩の1日あたりの量は、1度にもしくは数回に分けて投与することができる。ある態様として、1日1回〜4回、別の態様として、1日1回〜2回、さらに別の態様として1日2回が挙げられる。
本発明における「親水性物質」とは、水との間で相互作用し合い、水との親和力が強い性質を持つ物質であり、製薬学的に許容され、WS727713化合物又はその塩を造粒し得る物質であれば制限されない。特に架橋構造を有する親水性物質が望ましい。
本明細書における「吸水」とは、上記親水性物質のうち、水を吸収する能力を有することを意味し、更に保水作用も有してもよい。
親水性物質は、主に以下の態様が挙げられる。
(1)吸水性(吸水作用)を有し、WS727713化合物又はその塩を造粒しうる物質、
(2)WS727713化合物又はその塩を含む造粒物を構成し、造粒の際、各製品の混合物中に水分が偏在した場合において、過剰な水分を吸水することにより、造粒時の水分を調整しうる物質、
(3)吸水作用を有し、かつ崩壊作用を有する物質、
(4)架橋構造を有するセルロース又は架橋構造を有するポリビニルピロリドン、
(5)架橋セルロース、架橋ポリビニルピロリドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、
(6)クロスカルメロースナトリウム又はクロスポビドン、
(7)クロスカルメロースナトリウム。
親水性物質は1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
親水性物質の配合量は、WS727713化合物又はその塩を造粒できる量であれば制限されない。
親水性物質の配合量は、WS727713化合物又はその塩1重量部を基準にした場合には、ある態様としては、0.1重量部以上が挙げられ、別の態様としては0.1〜0.5重量部が挙げられ、また別の態様としては、0.2〜0.3重量部が挙げられる。
また親水性物質の配合量は、本発明の固形製剤の量を基準にした場合には、ある態様としては、5〜25重量%が挙げられ、別の態様としては、10〜15重量%が挙げられる。
本発明における「崩壊剤」は、製薬学的に許容され、WS727713化合物又はその塩を含有する固形製剤を速やかに崩壊させるか、或いは同固形製剤からWS727713化合物又はその塩を速やかに溶出させるものであれば制限されない。
崩壊剤は、主に以下の態様が挙げられる。
(1)リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム水和物等の無機リン酸;クロスカルメロースナトリウム等の架橋セルロース系;低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース等のセルロース系;カルボキシスターチナトリウム等のデンプン系;ゼラチン末、
(2)リン酸水素カルシウム又はクロスカルメロースナトリウム、
(3)リン酸水素カルシウム、
(4)リン酸水素カルシウム水和物。
崩壊剤は1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
崩壊剤は、本発明の固形製剤中に存在し、
(A)造粒物:WS727713化合物又はその塩及び親水性物質を含有する造粒物、及び
造粒物外:崩壊剤、
を含む固形製剤、
(B)造粒物:WS727713化合物又はその塩、親水性物質及び崩壊剤を含有する造粒物、及び
造粒物外:崩壊剤、
を含む固形製剤
の態様が挙げられる。
造粒物内に含まれる崩壊剤の配合量は(上記(B))、WS727713化合物又はその塩1重量部を基準にした場合、ある態様としては、0.05〜0.35重量部が挙げられ、別の態様としては、0.10〜0.30重量部が挙げられる。
造粒物外の崩壊剤の配合量は、上記(A)及び(B)いずれにおいても、WS727713化合物又はその塩1重量部を基準にした場合、ある態様としては、0.05〜0.35重量部が挙げられ、別の態様としては、0.10〜0.30重量部が挙げられる。
また、固形製剤の量を基準にした場合、崩壊剤の配合量は、
・上記(A)では、ある態様としては、2.5〜20重量%が挙げられ、別の態様としては、5.0〜15重量%が挙げられる。
・上記(B)では、ある態様としては、5〜40重量%が挙げられ、別の態様としては、10〜30重量%が挙げられる。
本発明における固形製剤中の造粒物は、各種造粒方法により製造することができるが特に制限されない。造粒方法は、ある態様としては、撹拌造粒、押出造粒、転動造粒等が挙げられる。別の態様としては、撹拌造粒が挙げられる。また別の態様としては、高速撹拌造粒が挙げられる。特に、高速撹拌造粒により得られた造粒物を特に粒と略記することがある。
造粒物は、平均粒子径、比容積等の各種特性を有する。造粒物は、撹拌造粒により製した場合に、流動層造粒により製した造粒物と比べて一般的には重質であり、よりコンパクトな造粒物が得られる。特に、撹拌造粒が高速撹拌造粒の場合には、さらによりコンパクトな粒が得られる。
高速撹拌造粒により製した本発明における粒の各種特性は、ある態様として、平均粒子径が約140〜200 μm(乾式篩法)が挙げられ、別の態様としては、比容積が、Loose: 2.0〜3.0 mL/g、tap:1.5〜2.5 mL/gが挙げられ、また別の態様としては、安息角が、30〜40°が挙げられる。
本発明の固形製剤は、所望により、さらに各種医薬品添加剤が造粒物内、又は、造粒物外に配合される態様が適宜使用され、製剤化される。添加剤としては、製薬的に許容され、かつ薬理的に許容されるものであれば特に制限されない。賦形剤、安定化剤、結合剤、崩壊剤、酸味料、発泡剤、人工甘味料、香料、滑沢剤、着色剤、緩衝剤、抗酸化剤、界面活性剤等が使用される。
賦形剤は、無水リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。
結合剤は、アラビアゴム、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。なお、結合剤は、WS727713化合物又はその塩及び親水性物質からなる混合物に、固体状態として用いることもできる。また、結合剤は、水、アルコール、又はその混合液等の溶媒に溶解後、或いは溶解及び懸濁後に、結合剤溶液として使用することもできる。
酸味料は、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。
発泡剤は、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
人工甘味料は、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチン等が挙げられる。
香料は、レモン、レモンライム、オレンジ、メントール等が挙げられる。
滑沢剤は、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸等が挙げられる。
着色剤は、黄色三二酸化鉄、赤色三二酸化鉄、黒色酸化鉄、食用黄色4号、5号、食用赤色3号、102号、食用青色3号等が挙げられる。
緩衝剤は、クエン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、アスコルビン酸又はその塩類、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン又はその塩類、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸、ホウ酸又はその塩類等が挙げられる。
抗酸化剤は、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル等が挙げられる。
界面活性剤は、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
医薬品添加剤は、1種又は2種以上を組み合せて適宜適量使用することができる。
各添加剤の配合量は、本発明の所望の効果が達成される範囲で使用される。
本発明の固形製剤は、哺乳動物に対して経口的に投与することができる。
本発明の固形製剤は、WS727713化合物又はその塩の適応症である炎症性腸疾患(IBD)、殊にクローン病、潰瘍性大腸炎の治療及び/又は予防のために投与され、また使用される医薬品製剤であれば制限されない。
ある態様としては、散剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤、ドライシロップ、錠剤、口腔内崩壊錠等である。別の態様としては、カプセル剤又は錠剤である。また別の態様としては、錠剤である。
本発明における錠剤は、第15改正日本薬局方における溶出試験法第2法に従い日本薬局方溶出試験液第1液(JP1)900mLを用いて試験を行うとき、ある態様としては、30分後のWS727713化合物又はその塩の溶出率が65%以上であるものが挙げられ、別の態様としては、30分後のWS727713化合物又はその塩の溶出率が80%以上であるものが挙げられる。
本発明における錠剤は、硬度が9〜18 kNが好ましい。
本発明の固形製剤は、必要に応じ、フィルムコーティングを施しフィルムコーティング錠とすることもできる。フィルムコーティング錠は錠剤にフィルムコーティング液を噴霧し、必要に応じ乾燥させて得られる。フィルムコーティング液は、フィルムコーティング用高分子を溶媒に溶解又は懸濁させること等により調製され、さらに、着色剤(黄色三二酸化鉄等)、遮光剤(酸化チタン等)等を配合してもよい。フィルムコーティング用高分子は、ある態様としては、ヒプロメロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられ、別の態様としては、ヒプロメロース等が挙げられる。溶媒は、水、エタノール等のアルコール類、アセトン等の有機溶媒、及びそれらの混合溶媒が挙げられる。フィルムコーティング用高分子の使用量は、固形製剤の種類に応じ選択される。
本発明における錠剤がフィルムコーティングされる場合には、フィルムコーティング層は本発明における錠剤1重量部に対して、ある態様として0.01〜0.05重量部、好ましくは0.02〜0.04重量部の割合で施される。
以下に、本発明の固形製剤の製造方法について説明する。
本発明の固形製剤の製造工程は、実質的に以下の工程からなる。
(1)成分の粉砕・混合工程
(2)結合剤溶液の調製工程
(3)造粒・乾燥工程(必要に応じ、整粒工程を実施)
(4)造粒物と製薬学的に許容される医薬品添加剤とを混合する工程
(5)成形工程
各工程について以下に詳細に説明する。
(1)成分の粉砕・混合工程
本工程は、通常製薬学的に粉砕できる方法であれば、装置、手段とも制限されない。粉砕に連続した各成分の混合工程は、通常製薬学的に各成分を均一に混合できる方法であれば、装置、手段とも制限されない。
粉砕装置は、粉砕条件は適宜選択されれば制限されないが、ハンマーミル、ボールミル、ジェット粉砕機、コロイドミル等が挙げられる。
混合方法は、撹拌造粒法(特に高速撹拌造粒法)、解砕(粉砕)造粒法、押し出し造粒法、転動造粒法、流動層造粒法が挙げられる。混合装置は、それらの方法により用いられる装置等が挙げられる。
(2)結合剤溶液の調製工程
結合剤溶液は、造粒時には、製薬学的に許容される、水、アルコール、又はその混合液等の溶液として使用することができる。ある態様としては、水溶液高分子(ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース等)等の結合剤を、水、アルコール、又はその混合液に溶解することにより調製した結合剤溶液が挙げられる。
(3)造粒・乾燥工程(必要に応じ、整粒工程を実施)
本工程は、製薬学的にWS727713化合物又はその塩を造粒できる方法であれば、装置、手段とも制限されない。造粒に連続した乾燥工程は、通常製薬学的に造粒物を乾燥できる方法であれば、装置、手段とも制限されない。ある態様としては、原料粉末を高速で混合、撹拌、流動しながら結合剤溶液(上記工程(2)参照)を加えて、ブレード又はクロスチョッパー等と呼ばれる撹拌羽のせん断によって造粒する撹拌造粒(高速撹拌造粒とも称する)が挙げられる。高速撹拌造粒のブレードの回転数としては、スケールにもよるが、WS727713化合物又はその塩を造粒できる条件であれば制限されず、ある態様としては、100〜500 rpmが挙げられ、別の態様としては、270〜290 rpmが挙げられる。クロスチョッパーの回転数は、同様にWS727713化合物又はその塩を造粒できる条件であれば制限されず、ある態様としては、1500〜3500 rpmが挙げられ、別の態様としては、2900〜3100 rpmが挙げられる。これらのブレード又はクロスチョッパー等の回転数は、高速撹拌造粒機(パウレック社製VG-25)を用いた場合の値の例を示す。
造粒装置のある態様としては、撹拌造粒機(高速撹拌造粒機としてパウレック社製VG-25等)、解砕(粉砕)造粒機、押し出し造粒機、転動造粒機、流動層造粒機(フロイント産業社製フローコーター、Glatt社製GPCG等)、平滑な接粉部を有する水平回転円盤を備えた造粒コーティング装置である遠心流動造粒装置(フロイント産業社製CFグラニュレーター等)、通気部を有し、かつ表面が平滑な回転円盤を流動層の下部に設けた造粒コーティング装置(フロイント産業社製スパイラフロー、フロイント産業社製ローターコンテナー付フローコーター等)等が挙げられる。
造粒時の結合剤の溶液量は、親水性物質が撥水性の高いWS727713化合物又はその塩を均一に含む造粒物とし得る量であれば制限されない。親水性物質の吸水能の程度により、親水性物質の種類は適宜変更することができ、造粒時の溶媒量も適宜調整することができる。
乾燥工程は、造粒物が乾燥される方法であれば、装置、手段とも制限されない。
乾燥装置は、流動層造粒機、平滑な接粉部を有する水平回転円盤を備えた造粒コーティング装置、通気部を有し、かつ表面が平滑な回転円盤を流動層の下部に設けた造粒コーティング装置等が挙げられる。乾燥条件は通常造粒物が流動層内で乾燥される条件であれば特に制限されない。ある態様としては、乾燥吸気温度を40〜70℃が挙げられる。乾燥方法には通風乾燥法、圧乾燥法も適用することができる。
整粒工程は、造粒物が整粒される方法であれば、装置、手段とも制限されない。
整粒装置は、破砕型造粒機(昭和化学機械工作所製パワーミル等)、金属性の網篩等が挙げられる。
(4)造粒物と製薬学的に許容される医薬品添加剤とを混合する工程
本工程は、造粒物と崩壊剤等の医薬品添加剤が混合される方法であれば、装置、手段とも制限されない。
混合装置は、回転型混合機(寿工業製コンテナミキサー等)等が挙げられる。
(5)成形工程
成形工程は、通常製薬学的に圧縮成型物(特に、錠剤)が製造される方法であれば、装置、手段とも制限されない。
打錠装置は、ロータリー打錠機(畑鉄工所製HTP-22等)、単発打錠機(岡田精工製KM-2等)等が挙げられる。打錠条件は、ある態様としては、ターンテーブルの回転数:20〜30 rpm等が挙げられる。
打錠圧は、ある態様としては、5〜20kN/杵であり、別の態様としては、9〜18kN/杵等が挙げられる。
(6)フィルムコーティング工程
上記で得られた固形製剤(錠剤)を、必要に応じ、フィルムコーティング液を噴霧し、必要に応じ乾燥する。
噴霧温度、噴霧時間、乾燥温度及び乾燥時間等の条件は固形製剤の種類に応じ採用できる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定解釈されるものではない。
〔実施例1〕
以下の実施例及び比較例における各成分の重量は、一錠中の重量を示す。
造粒物の調製:
WS727713化合物(250.0 mg)、無水リン酸水素カルシウム(協和化学工業)(20.0 mg)、親水性物質(60.0 mg)を高速撹拌造粒機(パウレック社製VG-25、ブレードの回転数:280 rpm、クロスチョッパーの回転数:3000 rpm)を用いて混合後、結合液(結合液は水57.1重量部にヒプロメロース3.1重量部(13.5 mg)を加えて撹拌し、溶解させて調製した。)を加えて撹拌造粒を行った。この造粒品を流動層造粒機(パウレック社製GPCG-15)を用いて、製品温度が60℃で30分間乾燥した後、該乾燥した粒をパワーミル(昭和化学機械工作所製P-04S)を用いて整粒した。
親水性物質としては、クロスカルメロースナトリウム(登録商標KICCOLATE)又はクロスポビドン(登録商標KOLLIDON CL)を用いた。
製剤の調製:
上記の方法で得られた粒にリン酸水素カルシウム水和物(60.0 mg)、ケイ酸カルシウム(15.0 mg)、ステアリン酸カルシウム(4.5 mg)を加え、コンテナミキサー(寿工業製PM200)を用いて混合した。この混合粉末をロータリー打錠機(畑鉄工所製HT-X20)を用いて一錠あたり423 mgで打錠圧約12 kNで圧縮成型(長径15 mm、短径7.5 mm、厚み5.3±0.2 mm)して本発明の錠剤(素錠)を得た。次に、水26.1重量部にオパドライ2.9重量部(日本カラコン社製03F42203)(12.7 mg)を撹拌し分散させた。調製したコーティング液をコーティング機(パウレック社製PRC-20)を用いて錠剤にコーティングして、本発明の錠剤(フィルムコーティング錠)(435.7 mg)を得た。本錠剤の組成を表1に示す。
Figure 2013180961
〔実施例2〕
造粒物の調製:
WS727713化合物(250.0 mg)、無水リン酸水素カルシウム(20.0 mg)、及びクロスカルメロースナトリウム(60.0 mg)を高速撹拌造粒機(パウレック社製VG-25、ブレードの回転数:280 rpm、クロスチョッパーの回転数:3000 rpm)により混合した後、結合液(結合液:水 62.7重量部にヒプロメロース3.3重量部(13.5 mg)を撹拌、溶解させて調製した)を加えて撹拌造粒を行った。この造粒物を流動層造粒機(パウレック社製GPCG-15)を用いて製品温度が60℃で30分間乾燥した後、パワーミル(昭和化学機械工作所製P-04S)を用いて整粒した。
製剤の調製:
上記の方法で得られた粒にリン酸水素カルシウム水和物(60.0 mg)、ステアリン酸カルシウム(4.5 mg)を加え、コンテナミキサー(寿工業製PM200)を用いて混合した。この混合粉末をロータリー打錠機(畑鉄工所製HT-X20)を用いて一錠あたり408 mgで打錠圧約10 kNで圧縮成型(長径15 mm、短径7.5 mm、厚み5.3±0.2 mm)して本発明の錠剤(素錠)を得た。本錠剤の組成を表2に示す。
Figure 2013180961
〔比較例1〕
実施例1に記載された方法と同じ方法で錠剤を得た。ただし、造粒物として親水性物質の代わりに、カルボキシメチルスターチナトリウム(登録商標PRIMOJEL)を用い、フィルムコーティングは施さなかった。本錠剤の組成を表3に示す。
Figure 2013180961
〔比較例2〕
実施例2に記載された方法と同じ方法で錠剤を得た。ただし、造粒物にリン酸水素カルシウム水和物は添加しなかった。本錠剤の組成を表4に示す。
Figure 2013180961
〔試験例1〕
〔評価方法〕
溶出プロファイル測定:
本発明の固形製剤の評価は、製剤からのWS727713化合物の溶出性について、第15改正日本薬局方における一般試験法の溶出試験法であるパドル法を用いて試験を行なった。
条件を以下に示す。
・試験液:0.1M HCL+0.75%セチルトリメチルアンモニウムブロミド(900 mL)
・温度:37 ℃
・回転数:75 rpm
実施例1で得られた錠剤について、上記評価方法に従い溶出試験を行った。比較対照として比較例1で得られた錠剤を用いた。
各錠剤からのWS727713化合物の溶出プロファイルを図1に示す。図中、(%)releasedは薬物の溶出率を示す。図中の記号はそれぞれ次の意味を示す。A=実施例1(クロスカルメロースナトリウム)、B=比較例1(カルボキシメチルスターチナトリウム)、C=実施例1(クロスポビドン)。
〔結果〕親水性物質としてクロスカルメロースナトリウムやクロスポビドンを用いて造粒後打錠して得られた錠剤は、30分で80%以上が溶出し、極めて優れた溶出性を示した。比較例として、カルボキシメチルスターチナトリウムを用いた場合には、速やかな溶出性を示さなかった。
このように親水性物質として何れも架橋構造を有するクロスカルメロースナトリウム及びクロスポビドンを用いた場合に極めて良好な溶出性を示した。
〔試験例2〕
実施例2で得られた錠剤について、上記評価方法に従い溶出試験を行った。
比較対照として比較例2で得られた錠剤を用いた。各錠剤からのWS727713化合物の溶出プロファイルを図2に示す。図中、(%)releasedは薬物の溶出率を示す。図中の記号はそれぞれ次の意味を示す。A=比較例2、B=実施例2(リン酸水素カルシウム水和物添加)。
〔結果〕WS727713化合物を含有する造粒物にリン酸水素カルシウム水和物を加え混合後打錠して得られた錠剤は、30分で80%以上が溶出し、極めて優れた溶出性を示した。比較例2の錠剤は(リン酸水素カルシウム水和物無添加)、速やかな溶出性を示さなかった。
WS727713化合物を含有する造粒物に崩壊剤であるリン酸水素カルシウム水和物を混合して調製した錠剤は極めて良好な溶出性を示した。
嵩高く、撥水性の高いWS727713化合物またはその塩を高含量含有し、速やかな崩壊性を有する固形製剤、特にコンパクト化された固形製剤を提供することにより、炎症性腸疾患(IBD)、殊にクローン病、潰瘍性大腸炎の治療剤として有用な化合物を、医薬品として医療の現場に提供することが可能になり、以って服用コンプライアンスの向上に寄与することができる。

Claims (18)

  1. WS727713化合物又はその塩、及び親水性物質を含有する造粒物、並びに崩壊剤を含んでなる固形製剤。
  2. 親水性物質が吸水性を有する物質である請求項1に記載の固形製剤。
  3. 親水性物質が吸水性を有し、かつ崩壊作用を有する物質である請求項1又は2に記載の固形製剤。
  4. 親水性物質がクロスカルメロースナトリウム及びクロスポビドンからなる群より選択される1種以上である請求項1乃至3の何れか1項に記載の固形製剤。
  5. 親水性物質がクロスカルメロースナトリウムである請求項1乃至4の何れか1項に記載の固形製剤。
  6. 崩壊剤がリン酸水素カルシウムである請求項1乃至5の何れか1項に記載の固形製剤。
  7. WS727713化合物又はその塩、及び親水性物質を含有する造粒物が、更に崩壊剤を含んでなる造粒物である請求項1乃至6の何れか1項に記載の固形製剤。
  8. 親水性物質がクロスカルメロースナトリウムである請求項7に記載の固形製剤。
  9. 崩壊剤がリン酸水素カルシウム及びクロスカルメロースナトリウムからなる群より選択される1種以上である請求項7又は8に記載の固形製剤。
  10. 崩壊剤がリン酸水素カルシウムである請求項7乃至9の何れか1項に記載の固形製剤。
  11. WS727713化合物又はその塩の含量が固形製剤あたり40〜80重量%である請求項1乃至10の何れか1項に記載の固形製剤。
  12. 固形製剤中に含まれるWS727713化合物又はその塩の65重量%以上が30分以内に溶出する溶出挙動を示す請求項1乃至11の何れか1項に記載の固形製剤。
  13. 造粒物が撹拌造粒で得られる請求項1乃至12の何れか1項に記載の固形製剤。
  14. 撹拌造粒が高速撹拌造粒である請求項13に記載の固形製剤。
  15. 錠剤である請求項1乃至14の何れか1項に記載の固形製剤。
  16. フィルムコーティング錠である請求項15に記載の固形製剤。
  17. カプセル剤である請求項1乃至14の何れか1項に記載の固形製剤。
  18. WS727713化合物又はその塩、及び親水性物質を含有する造粒物と、崩壊剤とを混合し、ついで打錠することを特徴とする、請求項15に記載の錠剤の製造方法。
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