JP2013179046A - 光透過性導電性フィルム及びそれを有する静電容量型タッチパネル - Google Patents

光透過性導電性フィルム及びそれを有する静電容量型タッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】光透過性導電性フィルムに含まれる光透過性導電性層において、簡易な手段により、エッチング液に対する溶解性を調節する。
【解決手段】(A)光透過性支持層;及び(B)光透過性導電層を含有する光透過性導電性フィルムであって、前記光透過性導電層(B)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、前記光透過性導電層(B)が、光透過性導電物質を含有する粒子を含有し、かつ前記粒子の平均粒子径が10nm以下であることを特徴とする、光透過性導電性フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、光透過性導電性フィルム及びそれを有する静電容量型タッチパネルに関する。
タッチパネルに搭載される光透過性導電性フィルムとして、PET等からなる光透過性支持層の上に酸化インジウムスズ(ITO)等からなる光透過性導電層を積層して得られる光透過性導電性フィルムが数多く使用されている。これらの光透過性導電性フィルムは、さらに光透過性導電層にエッチング処理を行うことによりパターン構造を形成させた上でタッチパネルに搭載されるのが通常である。
通常、ITO等の光透過性導電層に対するエッチングによるパターン形成(パターニング)は、まず必要なパターンを残すためにレジスト(エッチング液から層を保護するための保護膜)を光透過性導電層上に印刷し、さらに必要に応じてレジストを部分的に除去してから、最終的にエッチング液を光透過性導電層上に添加することにより行われる。エッチング液の作用により、光透過性導電層のうちレジストで保護されていない領域が選択的に溶解し、続いて除去されることにより、パターン形成が行われる。
特開2009−104842号公報
従来の光透過性導電性フィルムに含まれる光透過性導電性層においては、エッチング液に対する溶解性の調節が容易ではないという課題があった。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ね、光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面上に光透過性導電層(B)が積層されてなる光透過性導電性フィルムにおいて、前記光透過性導電層(B)が、光透過性導電物質を含有する粒子を含有し、かつ前記粒子の平均粒子径が10nm以下であることに起因して、光透過性導電層(B)のエッチング液に対する溶解性が向上することを新たに見出した。本発明は、この新たな知見に基づいてさらに検討を重ねることにより完成されたものであり、次に掲げるものである。
項1
(A)光透過性支持層;及び
(B)光透過性導電層
を含有する光透過性導電性フィルムであって、
前記光透過性導電層(B)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、
前記光透過性導電層(B)が、光透過性導電物質を含有する粒子を含有し、かつ
前記粒子の平均粒子径が10nm以下であることを特徴とする、
光透過性導電性フィルム。
項2
前記平均粒子径が、前記光透過性導電層(B)表面の2×2μm四方のSEM像において視認可能な無作為に選ばれた10個の粒子から、長軸方向長さについて上位2個及び下位2個の粒子を除いて得られる6個の粒子についての、長軸方向長さの数平均値である、項1に記載の光透過性導電性フィルム。
項3
前記光透過性導電物質が、酸化インジウムスズである、項1又は2に記載の光透過性導電性フィルム。
項4
前記光透過性導電層(B)の厚さが、5〜50nmである、項1〜3のいずれかに記載の光透過性導電性フィルム。
項5
光透過性導電層(B)の厚さが18〜22nmであり、
前記光透過性導電物質がSnOを8〜15重量%含有する酸化インジウムスズであり、かつ
光透過性導電物質を含有する前記粒子の平均粒子径が5〜8nmである、
項1〜3に記載の光透過性導電性フィルム。
項6
表面抵抗が100Ω/□以下である、項5に記載の光透過性導電性フィルム。
項7
さらに、
(C)光透過性下地層を含有し、かつ
少なくとも一方の前記光透過性導電層(B)が、少なくとも前記光透過性下地層(C)を介して前記光透過性支持層(A)の面に配置されている、
項1〜6のいずれかに記載の光透過性導電性フィルム。
項8
前記光透過性導電層(B)が、前記光透過性下地層(C)に隣接して配置されている、項7に記載の光透過性導電性フィルム。
項9
前記光透過性下地層(C)が、SiO(X=1〜2)を含む、項1〜8のいずれかに記載の光透過性導電性フィルム。
項10
さらに、
(D)ハードコート層を含有し、かつ
少なくとも一方の前記光透過性導電層(B)が、少なくとも前記ハードコート層(D)を介して前記光透過性支持層(A)の面に配置されている、
項1〜6のいずれかに記載の光透過性導電性フィルム。
項11
さらに、
(D)ハードコート層を含有し、かつ
少なくとも一方の前記光透過性下地層(C)が、少なくとも前記ハードコート層(D)を介して前記光透過性支持層(A)の面に配置されている、
項7〜9のいずれかに記載の光透過性導電性フィルム。
項12
前記光透過性下地層(C)が、前記ハードコート層(D)に隣接して配置されている、項11に記載の光透過性導電性フィルム。
項13
さらに、
(E)金属層を含有し、かつ
前記金属層(E)が、前記光透過性導電層(B)の前記光透過性支持層(A)とは反対側の面に隣接して配置されている、項1〜12のいずれかに記載の光透過性導電性フィルム。
項14
項1〜13のいずれかに記載の光透過性導電性フィルムを含む、静電容量型タッチパネル。
項15
(A)光透過性支持層;及び
(B)光透過性導電層
を含有する光透過性導電性フィルムであって、
前記光透過性導電層(B)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、
前記光透過性導電層(B)が、光透過性導電物質を含有する粒子を含有し、かつ
前記粒子の平均粒子径が10nm以下であることを特徴とする、
光透過性導電性フィルムの製造方法であって、
前記光透過性導電層(B)を、前記粒子の平均粒子径が10nm以下となるように配置する工程を含む方法。
本発明により、光透過性導電性フィルムに含まれる光透過性導電性層のエッチング液に対する溶解性を向上できる。
光透過性支持層(A)の片面に光透過性導電層(B)が隣接して配置されている、本発明の光透過性導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の両面に光透過性導電層(B)が隣接して配置されている、本発明の光透過性導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の片面に光透過性下地層(C)及び光透過性導電層(B)がこの順で互いに隣接して配置されている、本発明の光透過性導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の両面に光透過性下地層(C)及び光透過性導電層(B)がこの順で互いに隣接して配置されている、本発明の光透過性導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の片面にハードコート層(D)、光透過性下地層(C)及び光透過性導電層(B)がこの順で互いに隣接して配置されている、本発明の光透過性導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の両面にハードコート層(D)、光透過性下地層(C)及び光透過性導電層(B)がこの順で互いに隣接して配置されている、本発明の光透過性導電性フィルムを示す断面図である。 光透過性支持層(A)の片面にハードコート層(D)、光透過性下地層(C)及び光透過性導電層(B)がこの順で配置されており、光透過性支持層(A)の他方の面に別のハードコート層(D)が配置されている、本発明の光透過性導電性フィルムを示す断面図である。
1 光透過性導電性フィルム
11 光透過性支持層(A)
12 光透過性導電層(B)
13 光透過性下地層(C)
14 ハードコート層(D)
1. 光透過性導電性フィルム
本発明の光透過性導電性フィルムは、
(A)光透過性支持層;及び
(B)光透過性導電層
を含有する光透過性導電性フィルムであって、
前記光透過性導電層(B)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、
前記光透過性導電層(B)が、光透過性導電物質を含有する粒子を含有し、かつ
前記粒子の平均粒子径が10nm以下であることを特徴とする、
光透過性導電性フィルムである。
本発明において「光透過性」とは、光を透過させる性質を有する(translucent)ことを意味する。「光透過性」には、透明(transparent)が含まれる。「光透過性」とは、例えば、全光線透過率が80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは87%以上である性質をいう。
本発明において、各層の厚さは、Rigaku製 薄膜評価用試料水平型X線回折装置SmartLab、又はその同等品を用いて、X線反射率法により求める。
本発明において、光透過性導電性フィルムの表面抵抗は、表面抵抗計(MITSUBISHI CHEMICAL ANALYTECH 社製、商品名:Loresta−EP、又はその同等品)を用いて、4端子法により測定する。
本明細書において、光透過性支持層(A)の一方の面上に配置される複数の層のうち二つの層の相対的な位置関係について言及する場合、光透過性支持層(A)を基準にして、光透過性支持層(A)からの距離が大きい一方の層を「上の層」等ということがある。
図1に、本発明の光透過性導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の一方の面に直接、光透過性導電層(B)が配置されている。
図2に、本発明の光透過性導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の両方の面に直接、光透過性導電層(B)が配置されている。
1.1 光透過性支持層(A)
本発明において光透過性支持層とは、光透過性導電層を含有する光透過性導電性フィルムにおいて、光透過性導電層を含む層を支持する役割を果たすものをいう。光透過性支持層(A)としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用光透過性導電性フィルムにおいて、光透過性支持層として通常用いられるものを用いることができる。
光透過性支持層(A)の素材は、特に限定されないが、例えば、ガラス、及び各種の有機高分子等を挙げることができる。有機高分子としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、及びポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリエチレンナフタレート(PEN)等が挙げられる。光透過性支持層(A)の素材は、ポリエステル系樹脂が好ましく、特にPETが好ましい。光透過性支持層(A)は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。
光透過性支持層(A)の厚さは、特に限定されないが、例えば、2〜300μmの範囲が挙げられる。
1.2 光透過性導電層(B)
光透過性導電層(B)は、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されている。
本発明において光透過性導電層とは、電気を導通しかつ可視光を透過する役割を果たすものをいう。光透過性導電層(B)としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用光透過性導電性フィルムにおいて光透過性導電層として通常用いられるものを用いることができる。
光透過性導電層(B)は、光透過性導電物質を含有する粒子を含有する。
前記光透過性導電物質としては、特に限定されないが、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、及び酸化チタン等が挙げられる。前記光透過性導電物質は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。前記光透過性導電物質としては、これらの光透過性導電物質にドーパントをドープしたものが好ましく、中でも透明性と導電性を両立する点で酸化インジウムにドーパントをドープしたものが特に好ましい。ドーパントとしては、特に限定されないが、例えば、酸化スズ及び酸化亜鉛、並びにそれらの混合物等が挙げられる。
光透過性導電物質として酸化インジウムに酸化スズをドープしたものを用いる場合は、酸化インジウム(III)(In)に酸化スズ(IV)(SnO)をドープしたもの(tin−dopedindium oxide;ITO)が好ましい。この場合、SnOの添加量としては、特に限定されないが、例えば、1〜15重量%であり、光透過性導電層のエッチング液に対する溶解性を向上させるという点では好ましくは2〜10重量%、より好ましくは3〜8重量%であり、さらに同時に良好な表面抵抗を達成するという点では好ましくは8〜15重量%である。また、ドーパントの総量が左記の数値範囲を超えない範囲で、ITOにさらに他のドーパントが加えられたものを光透過性導電層(B)の素材として用いてもよい。左記において他のドーパントとしては、特に限定されないが、例えばセレン等が挙げられる。光透過性導電物質は、酸化インジウムと酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン及び酸化セレン等との混合物であってもよい。
光透過性導電層(B)は、上記の各種光透過性導電物質のうちいずれか単独を含有する粒子を含有するものであってもよいし、複数種を含有する粒子を含有するものであってもあってもよいし、複数種をそれぞれ別個に含有する複数種の粒子を含有するものであってもあってもよい。
前記光透過性導電物質を含有する粒子の平均粒子径は、10nm以下である。
前記光透過性導電物質を含有する粒子の平均粒子径は、光透過性導電層のエッチング液に対する溶解性を向上させるという点で、好ましくは1〜10nmであり、より好ましくは1.5〜9nm、さらに好ましくは2〜8nmであり、さらに同時に良好な表面抵抗を達成するという点では好ましくは5〜8nmである。なお、本発明の光透過性導電性フィルムに含まれる光透過性導電層(B)に対してエッチング処理を行う場合、エッチング液としては、特に限定されないが、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸及びこれらの混酸溶液等を用いることができる。
前記光透過性導電物質を含有する粒子の平均粒子径は、前記光透過性導電層(B)表面の2×2μm四方のSEM像において視認可能な無作為に選ばれた10個の粒子から、長軸方向長さについて上位2個及び下位2個の粒子を除いて得られる6個の粒子についての、長軸方向長さの数平均値である。SEM像は、市販の電界放出形走査型電子顕微鏡(株式会社日本電子、JSM6700F、又はその同等品)を用いて、5kVで走査して得られる。
前記光透過性導電物質は、特に限定されないが、結晶体若しくは非晶質体、又はそれらの混合体であってもよい。
光透過性導電層(B)の厚さは、特に限定されないが、通常は5〜50nmである。光透過性導電層(B)の厚さは、光透過性導電層のエッチング液に対する溶解性を向上させるという点で好ましくは10〜40nm、より好ましくは12〜35nm、さらに好ましくは15〜30nmであり、さらに同時に良好な表面抵抗を達成するという点では好ましくは18〜22nmである。
光透過性導電層(B)を配置する方法は、湿式及び乾式のいずれであってもよい。
光透過性導電層(B)を配置する方法として、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法、及びパルスレーザーデポジション法等が挙げられる。
光透過性導電層(B)は、特に限定されないが、例えば、平均表面粗さRaが0.1〜1nmの層の上に隣接して配置されていてもよい。このことにより、光透過性導電物質を含有する粒子の平均粒子径を10nm以下、好ましくは1〜10nm、より好ましくは1.5〜9.5nm、さらに好ましくは2〜9nmに調節することができる。また、このことにより、均質な抵抗率の低い光透過性導電層(B)薄膜が形成される。
本発明において平均表面粗さRaは、走査型プローブ顕微鏡を用いて測定される粗さの算術平均を意味する。本発明における平均表面粗さRaは、詳細には、市販の走査型プローブ顕微鏡(株式会社島津製作所、SPM−9700、又はその同等品)及び市販の走査型プローブ顕微鏡用マイクロカンチレバー(オリンパス社、OMCL AC160TS−C2、又はその同等品)を用いて、所定のタッピングモードで1.0μm平方の測定面を探針で走査して得られる、平均線からの絶対偏差を平均した値である。
光透過性導電層(B)は、好ましくは平均表面粗さRa0.1〜1nm、より好ましくは0.1〜0.7nm、さらにより好ましくは0.1〜0.6nmの層の上に配置されている。
本発明の光透過性導電性フィルムは、好ましくは表面抵抗が100Ω/□以下である。そのような本発明の光透過性導電性フィルムの例として、例えば、
光透過性導電層(B)の厚さが18〜22nmであり、
光透過性導電物質がSnOを8〜15重量%含有する酸化インジウムスズであり、かつ
光透過性導電物質を含有する粒子の平均粒子径が5〜8nmである
光透過性導電性フィルムを挙げることができる。
1.3 光透過性下地層(C)
本発明の光透過性導電性フィルムは、光透過性支持層(A)の光透過性導電層(B)が配置されている面に、直接又は一以上の他の層を介して光透過性下地層(C)が配置されていてもよい。光透過性下地層(C)が配置されている場合、少なくとも一方の前記光透過性導電層(B)が、少なくとも前記光透過性下地層(C)を介して前記光透過性支持層(A)の面に配置されている。この場合、少なくとも一方の前記光透過性導電層(B)が、前記光透過性下地層(C)に隣接して配置されていてもよい。
図3に、本発明の光透過性導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の一方の面に光透過性下地層(C)が隣接して配置されており、さらに光透過性導電層(B)が光透過性下地層(C)に隣接して配置されている。
図4に、本発明の光透過性導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の両方の面に光透過性下地層(C)が隣接して配置されており、さらに光透過性導電層(B)が光透過性下地層(C)に隣接して配置されている。
光透過性下地層(C)の素材は、特に限定されないが、例えば、誘電性を有するものであってもよい。光透過性下地層(C)の素材としては、特に限定されないが、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭化ケイ素、シリコンアルコキシド、アルキルシロキサンの及びその縮合物、ポリシロキサン、シルセスキオキサン、ポリシラザン等が挙げられる。光透過性下地層(C)は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。酸化ケイ素を含む光透過性下地層が好ましく、酸化ケイ素からなる光透過性下地層がより好ましい。
光透過性下地層(C)は、一層が配置されていてもよい。あるいは二層以上が互いに隣接して、または他の層を介して互いに離間して配置されていてもよい。光透過性下地層(C)が二層以上互いに隣接して配置されているのが好ましい。例えば二層が互いに隣接して配置されている場合、光透過性支持層(A)側にSiOからなる光透過性下地層(C−1)、光透過性導電層(B)側にSiO(x=1.0〜2.0)からなる光透過性下地層(C−2)を配置させるのが好ましい。
光透過性下地層(C)の一層あたりの厚さは、15〜25nm等が挙げられる。二層以上が互いに隣接して配置されている場合は互いに隣接している全ての光透過性下地層(C)の合計厚さが上記範囲内であればよい。
光透過性下地層(C)の屈折率は、本発明の光透過性導電性フィルムがタッチパネル用光透過性導電性フィルムとして使用できる限り特に限定されないが、例えば、1.4〜1.5が好ましい。
本発明の光透過性導電性フィルムが光透過性下地層(C)を含む場合、光透過性下地層(C)は、1.2で説明した「平均表面粗さがRa0.1〜1nmの層」に該当する。光透過性下地層(C)を平均表面粗さRa0.1〜1nmとなるよう配置するための方法としては、湿式及び乾式のいずれでもよく、特に限定されないが、湿式としては例えば、ゾル−ゲル法、又は微粒子分散液若しくはコロイド溶液を塗布する方法等が挙げられる。
光透過性下地層(C)を配置する方法として、乾式としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、パルスレーザーデポジション法により隣接する層上に積層する方法等が挙げられる。
1.4 ハードコート層(D)
本発明の光透過性導電性フィルムは、光透過性支持層(A)の光透過性導電層(B)が配置されている面に、直接又は一以上の他の層を介してハードコート層(D)が配置されていてもよい。ハードコート層(D)は、好ましくは光透過性支持層(A)に隣接して配置されている。ハードコート層(D)が配置されている場合、少なくとも一方の前記光透過性導電層(B)が、少なくとも前記光ハードコート層(D)を介して前記光透過性支持層(A)の面に配置されている。この場合、少なくとも一方の前記光透過性導電層(B)が、前記ハードコート層(D)に隣接して配置されていてもよい。
本発明の光透過性導電性フィルムが光透過性下地層(C)を含む場合であって、ハードコート層(D)が配置されているときは、光透過性下地層(C)はハードコート層(D)の光透過性導電層(B)が配置されている面に、直接、又は他の層を介して配置されている。光透過性下地層(C)は、好ましくはハードコート層(D)に隣接して配置されている。
ハードコート層(D)は、一層が配置されていてもよい。あるいは二層以上が互いに隣接して、または他の層を介して互いに離間して配置されていてもよい。
ハードコート層(D)は、光透過性支持層(A)の両面に配置されていてもよい。
図5に、本発明の光透過性導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の一方の面に隣接してハードコート層(D)が配置されており、光透過性下地層(C)がハードコート層(D)と隣接して配置されており、さらに光透過性導電層(B)が光透過性下地層(C)と隣接して配置されている。
図6に、本発明の光透過性導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の両方の面に隣接してハードコート層(D)が配置されており、光透過性下地層(C)がハードコート層(D)と隣接して配置されており、さらに光透過性導電層(B)が光透過性下地層(C)と隣接して配置されている。
図7に、本発明の光透過性導電性フィルムの一態様を示す。この態様では、光透過性支持層(A)の一方の面にハードコート層(D)、光透過性下地層(C)及び光透過性導電層(B)がこの順で互いに隣接して配置されており、光透過性支持層(A)の他方の面に別のハードコート層(D)が直接配置されている。
本発明においてハードコート層とは、プラスチック表面の傷つきを防止する役割を果たすものをいう。ハードコート層(D)としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用光透過性導電性フィルムにおいてハードコート層として通常用いられるものを用いることができる。
ハードコート層(D)の素材は、特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂、シリカ、ジルコニア、チタニア、アルミナなどのコロイド粒子等が挙げられる。ハードコート層(D)は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。ジルコニア粒子を分散したアクリル樹脂がより好ましい。
ハードコート層(D)の一層あたりの厚さは、特に限定されないが、例えば0.1〜10μm、0.5〜7μm、好ましくは1〜6μm等が挙げられる。二層以上が互いに隣接して配置されている場合は互いに隣接している全てのハードコート層(D)の合計厚さが上記範囲内であればよい。
ハードコート層(D)の屈折率は、本発明の光透過性導電性フィルムがタッチパネル用光透過性導電性フィルムとして使用できる限り特に限定されないが、例えば、1.4〜1.7等が挙げられる。
ハードコート層(D)は、光透過性下地層(C)よりも高い屈折率を有していてもよい。この場合、光透過性下地層(C)は好ましくはハードコート層(D)の面上に直接配置されている。このような構成を採ることにより、光透過性下地層(C)及びハードコート層(D)の光学干渉作用により光透過性導電性フィルムの透過率が向上するので好ましい。
ハードコート層(D)を配置する方法としては、特に限定されないが、例えば、フィルムに塗布して、熱で硬化する方法、紫外線や電子線などの活性エネルギー線で硬化する方法等が挙げられる。生産性の点で、紫外線により硬化する方法が好ましい。
1.5 金属層(E)
本発明の光透過性導電性フィルムは、前記光透過性導電層(B)の光透過性支持層(A)とは反対側の面に、前記金属層(E)が隣接して配置されていてもよい。
なお、金属層(E)が配置されている本発明のフィルムは、フィルム全体としては光透過性を失うことになるが、本明細書においては、このような場合であっても本発明のフィルムのことを便宜上、「光透過性導電性フィルム」と呼ぶ。他の非光透過性の層を含有する本発明のフィルムについても同様である。
金属層(E)は金属を含む層である。金属層(E)に含まれる金属は、特に限定されないが、例えば、銅、ニッケル銅、銀、アルミニウム及びモリブデン等が挙げられる。金属層(E)はこれらを単独で含有していてもよいし、二種以上を含んでいてもよい。また、金属層(E)は他の成分をさらに含んでいてもよい。そのような他の成分としては、特に限定されないが、例えば、酸素、窒素、水素及び硫黄等が挙げられる。
例えば、金属層(E)を、光透過性導電層(B)の一方の面に隣接して配置させ、さらにエッチング処理により金属層(E)の所望の領域だけを取り除くことにより、前記光透過性導電層(B)の面上に残存した領域を配線として利用することができる。このように配線として利用する場合は、銅、ニッケル銅、銀、アルミニウム及びモリブデン等を含む金属層(E)を用いることができる。
本発明の光透過性導電性フィルムに含まれる前記光透過性導電層(B)は、金属層(E)との密着性に優れている。本発明の光透過性導電性フィルムは、このような光透過性導電層(B)と金属層(E)の間の優れた密着性を利用することにより、タッチパネル、電子ペーパー、有機EL、及び太陽電池等の用途に好ましく使用できる。
1.6 その他の層
本発明の光透過性導電性フィルムは、光透過性支持層(A)の前記面上に、光透過性導電層(B)に加えて、光透過性下地層(C)、ハードコート層(D)、金属層(E)及びそれらと異なる少なくとも1種のその他の層(F)からなる群より選択される少なくとも1種の層がさらに配置されていてもよい。
(A)〜(E)のいずれとも異なるその他の層としては、特に限定されないが、例えば、接着層等が挙げられる。
接着層とは、二層の間に当該二層と互いに隣接して配置され、当該二層間を互いに接着するために配置される層である。接着層としては、特に限定されないが、例えば、タッチパネル用光透過性導電性フィルムにおいて接着層として通常用いられるものを用いることができる。接着層は、これらのうちいずれか単独からなるものであってもよいし、複数種からなるものであってもあってもよい。
1.7 本発明の光透過性導電性フィルムの用途
本発明の光透過性導電性フィルムは、静電容量型タッチパネルの製造のために好ましく用いられる。抵抗膜方式タッチパネルの製造のために用いられる光透過性導電性フィルムは一般に表面抵抗率(シート抵抗)が250〜1,000Ω/sq程度は必要であるとされる。これに対して静電容量型タッチパネルの製造のために用いられる光透過性導電性フィルムは一般に表面抵抗率が低いほうが有利である。本発明の光透過性導電性フィルムは、抵抗率が低減されており、これにより、静電容量型タッチパネルの製造のために好ましく用いられる。静電容量型タッチパネルについて詳細は、2で説明する通りである。
2.本発明の静電容量型タッチパネル
本発明の静電容量型タッチパネルは、本発明の光透過性導電性フィルムを含み、さらに必要に応じてその他の部材を含んでなる。
本発明の静電容量型タッチパネルの具体的な構成例としては、次のような構成が挙げられる。なお、保護層(1)側が操作画面側を、ガラス(5)側が操作画面とは反対側を向くようにして使用される。
(1)保護層
(2)本発明の光透過性導電性フィルム(Y軸方向)
(3)絶縁層
(4)本発明の光透過性導電性フィルム(X軸方向)
(5)ガラス
本発明の静電容量型タッチパネルは、特に限定されないが、例えば、上記(1)〜(5)、並びに必要に応じてその他の部材を通常の方法に従って組み合わせることにより製造することができる。
3. 本発明の光透過性導電性フィルムの製造方法
本発明の光透過性導電性フィルムの製造方法は、
(A)光透過性支持層;及び
(B)光透過性導電層
を含有する光透過性導電性フィルムであって、
前記光透過性導電層(B)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、
前記光透過性導電層(B)が、光透過性導電物質を含有する粒子を含有し、かつ
前記粒子の平均粒子径が10nm以下であることを特徴とする、
光透過性導電性フィルムの製造方法であって、
前記光透過性導電層(B)を、前記粒子の平均粒子径が10nm以下となるように配置する工程を含む方法である。
本発明の光透過性導電性フィルムの製造方法は、光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、光透過性導電層(B)に加えて、光透過性下地層(C)、ハードコート層(D)及びそれらと異なる少なくとも1種のその他の層(E)からなる群より選択される少なくとも1種の層をそれぞれ配置する工程をそれぞれ含んでいてもよい。
それぞれの層を配置する工程は、それぞれの層について説明した通りである。
光透過性導電層(B)に加えて、少なくとも1種の他の層を配置する場合は、例えば、光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に光透過性支持層(A)側から反対方向側に向かって順次配置させてもよいが、配置の順番は特に限定されない。例えば、最初に光透過性支持層(A)ではない層(例えば、光透過性導電層(B))の一方の面に他の層を配置させてもよい。あるいは、一方で2種以上の層を互いに隣接するように配置させることにより1種の複合層を得てから、又はそれと同時に、他方で同様に2種以上の層を互いに隣接するように配置させることにより1種の複合層を得て、これらの2種の複合層をさらに互いに隣接するように配置させてもよい。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
1.実施例1:平滑な下地層へ積層化されてなる光透過性導電性フィルム
以下の製法により、本発明の光透過性導電性フィルムを得た。
平滑性を有する光透過性支持層として、両面にハードコート層が積層されたPETを用いた。ハードコート層の厚みは4μm、屈折率(n)は1.65であった。ハードコート層表面の平均表面粗さRaを走査型プローブ顕微鏡(株式会社島津製作所、SPM−9700)によって測定したところ、0.6nmであった。このハードコート層の上に、DCスパッタリング法により光透過性下地層としてSiO層を積層した。SiO層の厚みは5〜10nmであった。SiO層の上に、連続してDCスパッタを用いて酸化インジウム及び酸化スズの混合物(ITO)を積層化した。具体的には次のように行った。SnO6重量%のITO焼結体ターゲットをカソードに設置し、アルゴンガス98%、酸素ガス2%の混合ガスを導入し真空度3×10−1PaでITO層を積層した。これを150℃で1時間熱処理した。
このようにして得られた光透過性導電性フィルムの表面抵抗は128Ω/sqであった。なお、表面抵抗は、次のようにして測定した。以下の実施例及び比較例についても同様である。表面抵抗計(MITSUBISHI CHEMICAL ANALYTECH 社製、商品名:Loresta−EP)を用いて、4端子法により測定した。
また、このようにして得られた光透過性導電性フィルムのITO層は、ITOからなる粒子を含有しており、前記粒子の平均粒子径は8nmであった。なお、本明細書に記載の実施例において、ITO粒子の平均粒子径は、詳細には次のようにして求めた。電界放出形走査型電子顕微鏡(株式会社日本電子、JSM6700F)を用いて、5kVで走査して得られるITO層表面の2×2μm四方のSEM像において、視認可能な無作為に選ばれた10個の粒子から、長軸方向長さについて上位2個及び下位2個の粒子を除いて得られる6個の粒子についての、長軸方向長さの数平均値を平均粒子径とした。
得られた光透過性導電性フィルムを19%HCl水溶液中に浸漬し、エッチング処理を行ったところ、ITO薄膜が溶解するまでに要した時間は65秒であった。
得られた光透過性導電性フィルムについて、ITOからなる粒子の平均粒子径、ITO層の厚さ、フィルムの表面抵抗、及びITO層がエッチングされるまでの時間を測定した結果を表1に示す。
2.実施例2:平滑な下地層へ積層化されてなる光透過性導電性フィルム
以下の製法により、本発明の光透過性導電性フィルムを得た。
平滑性を有する光透過性支持層として、両面にハードコート層が積層されたPETを用いた。このハードコート層の上に、DCスパッタリング法により光透過性下地層としてSiO層を積層した。SiO層の厚みは25〜30nmであった。SiO層の上に、連続してDCスパッタを用いて酸化インジウム及び酸化スズの混合物(ITO)を積層化した。具体的には次のように行った。SnO9重量%のITO焼結体ターゲットをカソードに設置し、アルゴンガス94%、酸素ガス6%の混合ガスを導入し真空度5×10−1PaでITO層を積層した。これを150℃で1時間熱処理した。
このようにして得られた光透過性導電性フィルムの表面抵抗は98Ω/sqであった。
また、このようにして得られた光透過性導電性フィルムのITO層は、ITOからなる粒子を含有しており、前記粒子の平均粒子径は8nmであった。
得られた光透過性導電性フィルムを19%HCl水溶液中に浸漬し、エッチング処理を行ったところ、ITO薄膜が溶解するまでに要した時間は55秒であった。
得られた光透過性導電性フィルムについて、ITOからなる粒子の平均粒子径、ITO層の厚さ、フィルムの表面抵抗、及びITO層がエッチングされるまでの時間を測定した結果を表1に示す。
3.実施例3:平滑な下地層へ積層化されてなる光透過性導電性フィルム
以下の製法により、本発明の光透過性導電性フィルムを得た。
平滑性を有する光透過性支持層として、両面にハードコート層が積層されたPETを用いた。このハードコート層の上に、DCスパッタリング法により光透過性下地層としてSiO層を積層した。SiO層の上に、連続してDCスパッタを用いて酸化インジウム及び酸化スズの混合物(ITO)を積層化した。具体的には次のように行った。SnO6重量%のITO焼結体ターゲットをカソードに設置し、アルゴンガス95%、酸素ガス5%の混合ガスを導入し真空度5×10−1PaでITO層を積層した。これを150℃で1時間熱処理した。
このようにして得られた光透過性導電性フィルムの表面抵抗は117Ω/sqであった。
また、このようにして得られた光透過性導電性フィルムのITO層は、ITOからなる粒子を含有しており、前記粒子の平均粒子径は10nmであった。
得られた光透過性導電性フィルムを19%HCl水溶液中に浸漬し、エッチング処理を行ったところ、ITO薄膜が溶解するまでに要した時間は70秒であった。
得られた光透過性導電性フィルムについて、ITOからなる粒子の平均粒子径、ITO層の厚さ、フィルムの表面抵抗、及びITO層がエッチングされるまでの時間を測定した結果を表1に示す。
4.実施例4:平滑な下地層へ積層化されてなる光透過性導電性フィルム
以下の製法により、本発明の光透過性導電性フィルムを得た。
平滑性を有する光透過性支持層として、両面にハードコート層が積層されたPETを用いた。このハードコート層の上に、DCスパッタリング法により光透過性下地層としてSiO層を積層した。SiO層の上に、連続してDCスパッタを用いて酸化インジウム及び酸化スズの混合物(ITO)を積層化した。具体的には次のように行った。SnO8重量%のITO焼結体ターゲットをカソードに設置し、アルゴンガス94%、酸素ガス6%の混合ガスを導入し真空度5×10−1PaでITO層を積層した。これを150℃で1時間熱処理した。
このようにして得られた光透過性導電性フィルムの表面抵抗は105Ω/sqであった。
また、このようにして得られた光透過性導電性フィルムのITO層は、ITOからなる粒子を含有しており、前記粒子の平均粒子径は9nmであった。
得られた光透過性導電性フィルムを19%HCl水溶液中に浸漬し、エッチング処理を行ったところ、ITO薄膜が溶解するまでに要した時間は65秒であった。
得られた光透過性導電性フィルムについて、ITOからなる粒子の平均粒子径、ITO層の厚さ、フィルムの表面抵抗、及びITO層がエッチングされるまでの時間を測定した結果を表1に示す。
5.実施例5:平滑な下地層へ積層化されてなる光透過性導電性フィルム
以下の製法により、本発明の光透過性導電性フィルムを得た。
平滑性を有する光透過性支持層として、両面にハードコート層が積層されたPETを用いた。このハードコート層の上に、DCスパッタリング法により光透過性下地層としてSiO層を積層した。SiO層の上に、連続してDCスパッタを用いて酸化インジウム及び酸化スズの混合物(ITO)を積層化した。具体的には次のように行った。SnO6重量%のITO焼結体ターゲットをカソードに設置し、アルゴンガス95%、酸素ガス5%の混合ガスを導入し真空度5×10−1PaでITO層を積層した。これを150℃で1時間熱処理した。
このようにして得られた光透過性導電性フィルムの表面抵抗は117Ω/sqであった。
また、このようにして得られた光透過性導電性フィルムのITO層は、ITOからなる粒子を含有しており、前記粒子の平均粒子径は8nmであった。
得られた光透過性導電性フィルムを19%HCl水溶液中に浸漬し、エッチング処理を行ったところ、ITO薄膜が溶解するまでに要した時間は70秒であった。
6.実施例6:平滑な下地層へ積層化されてなる光透過性導電性フィルム
以下の製法により、本発明の光透過性導電性フィルムを得た。
平滑性を有する光透過性支持層として、両面にハードコート層が積層されたPETを用いた。このハードコート層の上に、DCスパッタリング法により光透過性下地層としてSiO層を積層した。SiO層の上に、連続してDCスパッタを用いて酸化インジウム及び酸化スズの混合物(ITO)を積層化した。具体的には次のように行った。SnO6重量%のITO焼結体ターゲットをカソードに設置し、アルゴンガス95%、酸素ガス5%の混合ガスを導入し真空度5×10−1PaでITO層を積層した。これを150℃で1時間熱処理した。
このようにして得られた光透過性導電性フィルムの表面抵抗は117Ω/sqであった。
また、このようにして得られた光透過性導電性フィルムのITO層は、ITOからなる粒子を含有しており、前記粒子の平均粒子径は8nmであった。
得られた光透過性導電性フィルムを19%HCl水溶液中に浸漬し、エッチング処理を行ったところ、ITO薄膜が溶解するまでに要した時間は70秒であった。
7.比較例:平滑性の低い下地層へ積層化されてなる光透過性導電性フィルム
以下の製法により、光透過性導電性フィルムを得た。
平滑性の低い光透過性支持層として、両面にハードコート層が積層され、かつ片面のハードコート層上にジルコニアからなる薄膜層、さらにその上にシリコンからなる薄膜層を積層したPETを用いた。ハードコート層表面の平均表面粗さRaを走査型プローブ顕微鏡(株式会社島津製作所、SPM−9700)によって測定したところ、4.2nmであった。このハードコート層の上に、DCスパッタリング法により光透過性下地層としてSiO層を積層した。SiO層の厚みは5〜10nmであった。SiO層の上に、連続してDCスパッタを用いて酸化インジウム及び酸化スズの混合物(ITO)を積層化した。具体的には次のように行った。SnO6重量%のITO焼結体ターゲットをカソードに設置し、アルゴンガス98%、酸素ガス2%の混合ガスを導入し真空度10−4PaでITO層を積層した。これを150℃で1時間熱処理した。
このようにして得られた光透過性導電性フィルムの表面抵抗は128Ω/sqであった。
また、このようにして得られた光透過性導電性フィルムのITO層は、ITOからなる粒子を含有しており、前記粒子の平均粒子径は25nmであった。
得られた光透過性導電性フィルムを19%HCl水溶液中に浸漬し、エッチング処理を行ったところ、ITO薄膜が溶解するまでに要した時間は110秒であった。
Figure 2013179046

Claims (10)

  1. (A)光透過性支持層;及び
    (B)光透過性導電層
    を含有する光透過性導電性フィルムであって、
    前記光透過性導電層(B)が、前記光透過性支持層(A)の少なくとも一方の面に、直接又は一以上の他の層を介して配置されており、
    前記光透過性導電層(B)が、光透過性導電物質を含有する粒子を含有し、かつ
    前記粒子の平均粒子径が10nm以下であることを特徴とする、
    光透過性導電性フィルム。
  2. 前記平均粒子径が、前記光透過性導電層(B)表面の2×2μm四方のSEM像において視認可能な無作為に選ばれた10個の粒子から、長軸方向長さについて上位2個及び下位2個の粒子を除いて得られる6個の粒子についての、長軸方向長さの数平均値である、請求項1に記載の光透過性導電性フィルム。
  3. 前記光透過性導電物質が、酸化インジウムスズである、請求項1又は2に記載の光透過性導電性フィルム。
  4. 前記光透過性導電層(B)の厚さが、5〜50nmである、請求項1〜3のいずれかに記載の光透過性導電性フィルム。
  5. 光透過性導電層(B)の厚さが18〜22nmであり、
    前記光透過性導電物質がSnOを8〜15重量%含有する酸化インジウムスズであり、かつ
    光透過性導電物質を含有する前記粒子の平均粒子径が5〜8nmである、
    請求項1〜3に記載の光透過性導電性フィルム。
  6. さらに、
    (C)光透過性下地層を含有し、かつ
    少なくとも一方の前記光透過性導電層(B)が、少なくとも前記光透過性下地層(C)を介して前記光透過性支持層(A)の面に配置されている、
    請求項1〜5のいずれかに記載の光透過性導電性フィルム。
  7. 前記光透過性導電層(B)が、前記光透過性下地層(C)に隣接して配置されている、請求項6に記載の光透過性導電性フィルム。
  8. 前記光透過性下地層(C)が、SiO(X=1〜2)を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の光透過性導電性フィルム。
  9. さらに、
    (E)金属層を含有し、かつ
    前記金属層(E)が、前記光透過性導電層(B)の前記光透過性支持層(A)とは反対側の面に隣接して配置されている、請求項1〜8のいずれかに記載の光透過性導電性フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の光透過性導電性フィルムを含む、静電容量型タッチパネル。
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