JP2007053042A - 透明導電膜形成用塗料及び透明導電膜並びに透明導電膜の製造方法 - Google Patents

透明導電膜形成用塗料及び透明導電膜並びに透明導電膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 塗膜を300℃以下の温度で熱処理した場合においても、透明性に優れ、表面抵抗が低く、膜強度が高い透明導電膜を容易に得ることができる透明導電膜形成用塗料及び透明導電膜並びに透明導電膜の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の透明導電膜形成用塗料は、ITO超微粒子と、シリカゾルと、Inの無機塩またはSnの無機塩とを含有し、ITO超微粒子100重量部に対し、シリカゾルをシリカ換算で2重量部以上かつ20重量部以下、Inの無機塩またはSnの無機塩を20重量部以上かつ100重量部以下としたことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明導電膜形成用塗料及び透明導電膜並びに透明導電膜の製造方法に関し、更に詳しくは、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の透明電極や電磁波シールド材等を作製する際に用いて好適な透明導電膜形成用塗料及び透明導電膜並びに透明導電膜の製造方法に関するものである。
従来、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)においては、表示面に発生する静電気により埃が付着して視認性が低下する他、電磁波を放射して環境に悪影響を及ぼす可能性がある。そこで、これらの問題を解決するために、表示面に、例えば、金、銀、白金等の金属微粒子を含む透明導電膜を形成することにより、表示面の静電防止及び電磁波遮蔽を図っている。
この透明導電膜を形成する方法として、乾式成膜法や湿式成膜法が知られている。
乾式成膜法とは、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーディング法等により透明導電膜を成膜する方法であり、特に、スパッタリング法は、ターゲットの技術開発の進歩等と相まって、現在では、工業上一般的に広く使われるようになっている。
このターゲットに使用される材料としては、スズ含有酸化インジウム(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化スズ、酸化亜鉛の他、種々のドーパントを導入したもの等、様々なものが提案されているが、膜の表面抵抗、信頼性、透明性を加味すると、ITOを選択使用せざる得ないのが現状である。
乾式成膜法により得られた透明導電膜は、表面抵抗は良好なものの、成膜装置が高価であること、真空装置が必要なためランニングコストも高くなってしまうこと、等により低価格化への要求に対応することが難しい。
特に、フラットパネルディスプレイ(FPD)の大画面化に伴い、用いるガラス基板も大型化しつつあるが、大型のガラス基板に対しては乾式成膜法は不向きである。
一方、湿式成膜法としては、インジウムとすずの混合塩を基材に塗布し焼成することにより、ITO膜を形成する方法(例えば、特許文献1、2参照)と、ITO微粒子を有機溶剤等に分散させた塗料を基材に塗布し焼成することにより、ITO膜を形成する方法(例えば、特許文献3参照)とがある。
前者の方法は、インジウムとすずの混合塩の分解反応を利用したものであるから、少なくとも400℃を超える温度で熱処理する必要がある。
また、後者の方法は、ITO微粒子と基材との密着性を持たせるために、塗料にバインダー成分を加える必要がある。このバインダー成分は、有機物、無機物を問わず絶縁性であることが多く、得られる塗膜の表面抵抗は高くなり易い。
そこで、塗料に有機金属化合物を添加し、焼成時に有機金属化合物を熱分解させてバインダーと結合することにより、塗膜の表面抵抗を低くする方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
このように、今後の発展が期待される大画面のフラットパネルディスプレイ(FPD)においては、大画面用のガラス基板に透明導電膜を形成する場合、高価な製造装置を用いることなく、大画面化への対応が容易で、しかも、製造工程のコストダウンが可能という点から、明らかに湿式成膜法の方が有利であり、その開発が期待されている。
特開平6−325637号公報 特開2004−349105号公報 特開平8−134382号公報 特開平8−143792号公報
ところで、上述した従来の塗料に有機金属化合物を添加する方法においても、添加した有機金属化合物を分解するには、400℃以上での高温処理が必須条件である。したがって、400℃より低い温度、特に300℃以下の温度で熱処理した場合、有機金属化合物の熱分解が不十分なものとなるために、得られた透明導電膜は、表面抵抗が高く、しかも基材との密着性が不十分で満足する膜強度を得ることができないという問題点があった。
有機金属化合物は、低温で分解反応が起こり金属酸化物になることが一般的に知られており、これまでにも、有機金属化合物の熱分解反応を利用して低温処理にて透明導電膜を得ようとする試みが多数行われているが、しかし、実際には、有機金属化合物を300℃以下の温度で熱処理すると、この有機金属化合物の分解反応は部分的にしか生じないことが多く、この分解反応の際に生じた有機金属化合物由来の炭素が塗膜のヘーズの原因にもなってしまい、良好な透明導電膜を得ることができない虞があった。
以上のように、塗膜を300℃以下の温度で熱処理した場合、表面抵抗が高く、膜強度も不十分なものであり、特に、大画面のフラットパネルディスプレイ(FPD)に用いた場合に、表面抵抗、膜強度共に満足する透明導電膜を得ることが難しいという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、塗膜を300℃以下の温度で熱処理した場合においても、透明性に優れ、表面抵抗が低く、膜強度が高い透明導電膜を容易に得ることができる透明導電膜形成用塗料及び透明導電膜並びに透明導電膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、スズ含有酸化インジウム微粒子を含む塗膜を300℃以下の温度で熱処理した場合に、表面抵抗及び基材への密着性を確保するためにはバインダーの存在が不可欠である点、及び塗膜の低抵抗化のためには金属塩の熱分解を利用するのが望ましい点を考慮して鋭意検討を重ねた結果、スズ含有酸化インジウム超微粒子と、シリカゾルと、インジウムの無機塩またはスズの無機塩とを所定の条件の下で共存させた塗料を300℃以下の温度で熱処理すれば、透明性に優れ、表面抵抗が低く、しかも膜強度の高い透明導電膜を容易に得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の透明導電膜形成用塗料は、スズ含有酸化インジウム超微粒子と、シリカゾルと、インジウムの無機塩またはスズの無機塩とを含有し、前記スズ含有酸化インジウム超微粒子100重量部に対し、前記シリカゾルをシリカ換算で2重量部以上かつ20重量部以下、前記インジウムの無機塩またはスズの無機塩を20重量部以上かつ100重量部以下としたことを特徴とする。
前記インジウムの無機塩は、フッ化インジウム、塩化インジウム、臭化インジウム、硝酸インジウム、硫酸インジウムの群から選択された1種または2種以上であることが好ましい。
前記スズの無機塩は、フッ化スズ、塩化スズ、臭化スズ、硝酸スズ、硫酸スズの群から選択された1種または2種以上であることが好ましい。
本発明の透明導電膜は、本発明の透明導電膜形成用塗料を用いて形成された塗膜を還元性雰囲気中または不活性雰囲気中にて熱処理してなることを特徴とする。
本発明の透明導電膜の製造方法は、基材上に、本発明の透明導電膜形成用塗料を塗布して塗膜を形成し、次いで、この塗膜を還元性雰囲気中または不活性雰囲気中にて熱処理することを特徴とする。
前記熱処理の温度は、200℃以上であることが好ましい。
本発明の透明導電膜形成用塗料によれば、スズ含有酸化インジウム超微粒子100重量部に対し、シリカゾルを2重量部以上かつ20重量部以下、インジウムの無機塩またはスズの無機塩を20重量部以上かつ100重量部以下としたので、透明性に優れ、表面抵抗が低く、しかも膜強度の高い透明導電膜を容易に得ることができる。
本発明の透明導電膜によれば、本発明の透明導電膜形成用塗料を用いて形成された塗膜を還元性雰囲気中にて熱処理したものであるから、透明性、低い表面抵抗、高い膜強度を備えた透明導電膜を実現することができる。
本発明の透明導電膜の製造方法によれば、基材上に、本発明の透明導電膜形成用塗料を塗布して塗膜を形成し、次いで、この塗膜を還元性雰囲気中または不活性雰囲気中にて熱処理するので、透明性に優れ、表面抵抗が低く、しかも膜強度の高い透明導電膜を低コストで作製することができる。
本発明の透明導電膜形成用塗料及び透明導電膜並びに透明導電膜の製造方法を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「透明導電膜形成用塗料」
本発明の透明導電膜形成用塗料は、スズ含有酸化インジウム(ITO:Indium Tin Oxide)超微粒子(以下、ITO超微粒子と略記する)と、シリカゾルと、インジウムの無機塩またはスズの無機塩とを含有し、スズ含有酸化インジウム超微粒子100重量部に対し、シリカゾルをシリカ換算で2重量部以上かつ20重量部以下、インジウムの無機塩またはスズの無機塩を20重量部以上かつ100重量部以下とした塗料である。
このITO超微粒子の平均粒径は、好ましくは30〜250nm、より好ましくは50〜200nm、さらに好ましくは70〜150nmである。
ここで、ITO超微粒子の平均粒径を30〜250nmと限定した理由は、平均粒径が30nmより小さいと、比表面積が極めて大きいために、活性が極めて高く、容易に酸化して抵抗値が高くなり、この塗料を用いて透明導電膜を形成した際に、膜の導電性が低下(抵抗が上昇)するからであり、一方、平均粒径が250nmを超えると、塗料中におけるITO超微粒子の凝集傾向が非常に強くなり、均一な膜の形成が困難となり、膜を形成した際に、形成された膜のヘイズ値が増大し、透明性が低下するからである。
シリカゾルは、水および/または有機溶媒中にシリカ(SiO)微粒子を分散させたポリシロキサン溶液であり、固形分であるシリカ(SiO)微粒子を5〜15重量%含む溶液である。
このシリカゾルは、(a)シリカ(SiO)微粒子を水および/または有機溶媒に分散剤等と共に投入し、分散機等を用いて分散させる方法、(b)シリカ(SiO)微粒子の前駆体であるテトラメトキシシラン(Si(OCH)、テトラエトキシシラン(Si(OC)等のケイ素有機化合物を希硝酸等と共に水および/または有機溶媒に投入し、所定の温度下にて反応させてゾル化する方法、等により作製することができる。
インジウムの無機塩は、フッ化インジウム(InF)、塩化インジウム(InCl、InCl、InCl)、臭化インジウム(InBr、InBr、InBr)、硝酸インジウム(In(NO)、硫酸インジウム(In(SO)の群から選択された1種または2種以上が好ましく、特に、塩化インジウム(InCl)、硝酸インジウム(In(NO)、硫酸インジウム(In(SO)が好ましい。
スズの無機塩は、フッ化スズ(SnF、SnF)、塩化スズ(SnCl、SnCl)、臭化スズ(SnBr、SnBr)、硝酸スズ(Sn(NO、Sn(NO)、硫酸スズ(SnSO、Sn(SO)の群から選択された1種または2種以上が好ましく、特に、フッ化スズ(SnF)、塩化スズ(SnCl)、臭化スズ(SnBr)が好ましい。
これらITO超微粒子、シリカゾル、インジウムの無機塩またはスズの無機塩の重量比は、ITO超微粒子100重量部に対し、シリカゾルをシリカ(SiO)換算で2重量部以上かつ20重量部以下、インジウムの無機塩またはスズの無機塩を20重量部以上かつ100重量部以下である。
ここで、シリカゾルを、ITO超微粒子100重量部に対してシリカ(SiO)換算で2重量部以上かつ20重量部以下とした理由は、シリカゾルが2重量部未満であると、バインダーとしてシリカマトリックスを形成するのに十分な量とならず、塗膜の密着性が低下し、表面抵抗も低くならないからであり、一方、シリカゾルが20重量部を超えると、塗膜中のシリカの量が多くなり、シリカ自体の絶縁性のために表面抵抗が上昇し、満足する表面抵抗を得ることができなくなるからである。
また、インジウムの無機塩またはスズの無機塩を、ITO超微粒子100重量部に対して20重量部以上かつ100重量部以下とした理由は、これらの無機塩が20重量部未満であると、目的とする表面抵抗の低抵抗化という効果が得られず、一方、これらの無機塩が100重量部を超えると、ITO超微粒子の分散系を壊してしまい、塗料自体が凝集してしまうからである。
この透明導電膜形成用塗料に用いられる溶媒は、基本的には、水および/または有機溶媒であるが、その他、高分子モノマーやオリゴマーの単体、もしくはこれらの混合物も好適に用いられる。
上記の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルコール類、酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が好適に用いられ、これらの溶媒のうち1種または2種以上を用いることができる。
「透明導電膜の製造方法」
本発明の透明導電膜の製造方法は、基材上に、本発明の透明導電膜形成用塗料を塗布して塗膜を形成し、次いで、この塗膜を、還元性雰囲気中または不活性雰囲気中、200℃以上にて熱処理する方法である。
基材としては、200℃以上の熱処理温度に耐える基材であればよく、ガラス基板、透光性のセラミックス基板等が好適に用いられる。
なお、熱処理温度が200℃〜250℃程度の場合、熱変形等が生じないのであれば、耐熱性プラスチック基板も用いることができる。
塗布に際しては、形成された後の透明導電膜の膜厚が、300〜800nmとなるような塗布量とすることが好ましい。
塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、スプレーコート法、バーコート法、ディップコート法、メニスカスコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット法等、塗布液を透明基材1の表面に塗布する通常のウエットコート法を用いることができる。これらの内、スピンコート法は、短時間で均一な厚みの薄膜を形成することができるので、特に好ましい塗布法である。
還元性雰囲気用のガスとしては、水素や一酸化炭素を所定量含む還元性ガス、例えばH1〜5wt%−N混合ガス、CO1〜5wt%−N混合ガス等が好適に用いられる。
また、不活性雰囲気用のガスとしては、窒素(N)ガス、アルゴン(Ar)ガス等が好適に用いられる。
熱処理温度は、200℃以上が好ましい。
その理由は、200℃未満の温度で熱処理すると、添加している無機塩の熱分解反応が生じ難くなり、目的とする表面抵抗の低抵抗化を図ることができなくなるからである。
もちろん、塗膜の密着性や無機塩の熱分解反応の観点からは、熱処理温度は高い方が望ましく、熱処理温度の上限は選択される基材の耐熱温度付近となる。
このようにして本発明の透明導電膜を得ることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
「実施例1」
(ITO分散液の調製)
ITO超微粒子として、SnOを10重量%含むITO超微粒子(平均粒径: nm、住友大阪セメント社製)を用い、このITO超微粒子30重量部、アセチルアセトン5重量部、純水35重量部、エタノール30重量部をガラスビーズを用いたサンドミル分散機にて1時間分散させ、その後ガラスビーズを分離し、ITO分散液を得た。
(シリカゾルの調製)
テトラメトキシシラン(Si(OCH)25重量部をエタノール38重量部で希釈し、この希釈液に1Nの硝酸を12重量部、純水を25重量部加えて混合し、その後、60℃にて3時間加熱し、シリカゾルを得た。
(透明導電膜形成用塗料の調製)
ITO分散液33重量部、シリカゾル1重量部、プロピレングリコール50重量部、純水5重量部、メタノール11重量部を混合し、この混合液に、ITO100重量部に対して塩化インジウム(InCl)50重量部となるように塩化インジウムを添加し、実施例1の透明導電膜形成用塗料とした。
(透明導電膜の作製)
上記の透明導電膜形成用塗料を、厚さ5mmのガラス基板上に、スピンコート法により500rpm、30秒の条件にて塗布し、次いで、この塗膜を大気中、100℃にて2分間乾燥し、その後、H5wt%−N混合ガスの雰囲気下、300℃にて30分間熱処理し、実施例1の透明導電膜を作製した。
「実施例2」
実施例1で熱処理温度を400℃とした他は、実施例1に準じて実施例2の透明導電膜を作製した。
「実施例3」
実施例1で塩化インジウム(InCl)を塩化スズ(SnCl)に替えた他は、実施例1に準じて実施例3の透明導電膜を作製した。
「実施例4」
実施例1で熱処理温度を200℃とした他は、実施例1に準じて実施例4の透明導電膜を作製した。
「比較例1」
塗料中のSnO成分をITO超微粒子に対する比で0とした他は、実施例1に準じて比較例1の透明導電膜を作製した。
「比較例2」
塗料中のSnO成分をITO超微粒子に対する比で30とした他は、実施例1に準じて比較例2の透明導電膜を作製した。
「比較例3」
実施例1で塩化インジウム(InCl)を添加しないとした他は、実施例1に準じて比較例3の透明導電膜を作製した。
「比較例4」
実施例1で塩化インジウム(InCl)の添加量を150重量部とした他は、実施例1に準じて比較例4の透明導電膜を作製した。
「比較例5」
実施例1で熱処理温度を150℃とした他は、実施例1に準じて比較例5の透明導電膜を作製した。
「比較例6」
実施例1で塩化インジウム(InCl)を酢酸インジウム(In(CHCOO))に替えた他は、実施例1に準じて比較例6の透明導電膜を作製した。
「透明導電膜の評価」
実施例1〜4及び比較例1〜6それぞれの透明導電膜について、下記の装置または方法により評価を行った。
ここでは、評価項目として、液晶ディスプレイ(LCD)用の画素電極に用いられる透明電極に必要な特性を取り上げ、それを基準値とした。
(1)全光線透過率
東京電色社製「Automatic Haze Meter HIII DP」を用いて測定した。
(2)ヘーズ
東京電色社製「Automatic Haze Meter HIII DP」を用いて測定した。
(3)表面抵抗
三菱化学(株)社製「ロレスタAP」(4端子法)を用いて測定した。
(4)密着性
日本工業規格:JIS K 5600−5−6「クロスカット法」に準拠して評価した。
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 2007053042
これらの評価結果によれば、実施例1〜4では、全光線透過率、ヘーズ、表面抵抗ともに良好な結果であり、液晶ディスプレイ(LCD)用の透明電極として良好な膜であることが分かった。
一方、比較例1〜6では、全光線透過率、ヘーズ、表面抵抗のいずれかの特性が実施例1〜3と比べて劣っていた。
本発明の透明導電膜形成用塗料は、ITO超微粒子100重量部に対し、シリカゾルをシリカ換算で2重量部以上かつ20重量部以下、インジウムの無機塩またはスズの無機塩を20重量部以上かつ100重量部以下としたもので、300℃以下の温度で熱処理しても、透明性に優れ、表面抵抗が低く、膜強度が高い透明導電膜を容易に得ることができるものであるから、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の透明電極や電磁波シールド材等を作製する際に有効であることはもちろんのこと、自動車、建築物等の窓材等の電磁波シールド等、電磁波シールドが必要な様々な工業分野においても、その効果は大である。

Claims (6)

  1. スズ含有酸化インジウム超微粒子と、シリカゾルと、インジウムの無機塩またはスズの無機塩とを含有し、
    前記スズ含有酸化インジウム超微粒子100重量部に対し、前記シリカゾルをシリカ換算で2重量部以上かつ20重量部以下、前記インジウムの無機塩またはスズの無機塩を20重量部以上かつ100重量部以下としたことを特徴とする透明導電膜形成用塗料。
  2. 前記インジウムの無機塩は、フッ化インジウム、塩化インジウム、臭化インジウム、硝酸インジウム、硫酸インジウムの群から選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項1記載の透明導電膜形成用塗料。
  3. 前記スズの無機塩は、フッ化スズ、塩化スズ、臭化スズ、硝酸スズ、硫酸スズの群から選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項1記載の透明導電膜形成用塗料。
  4. 請求項1、2または3記載の透明導電膜形成用塗料を用いて形成された塗膜を還元性雰囲気中または不活性雰囲気中にて熱処理してなることを特徴とする透明導電膜。
  5. 基材上に、請求項1、2または3記載の透明導電膜形成用塗料を塗布して塗膜を形成し、次いで、この塗膜を還元性雰囲気中または不活性雰囲気中にて熱処理することを特徴とする透明導電膜の製造方法。
  6. 前記熱処理の温度は、200℃以上であることを特徴とする請求項5記載の透明導電膜の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013179046A (ja) * 2012-02-03 2013-09-09 Sekisui Nano Coat Technology Co Ltd 光透過性導電性フィルム及びそれを有する静電容量型タッチパネル

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