JP2007317489A - 導電膜及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】抵抗値の経時的上昇を抑制することにより、長期間に亘って安定した抵抗値を確保することができ、したがって、長期間に亘って所望の導電性を確保することができる導電膜及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の導電膜は、In2O3、ITO、SnO2、ATO、ZnO、AZO、GZO、IZOの群から選択される1種または2種以上の金属酸化物と、アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸エステル、トコフェロール(ビタミンE)、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、オリザノール、ルチン、亜硝酸ナトリウムの群から選択される1種または2種以上の酸化防止剤とを、含有している。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の導電膜は、In2O3、ITO、SnO2、ATO、ZnO、AZO、GZO、IZOの群から選択される1種または2種以上の金属酸化物と、アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸エステル、トコフェロール(ビタミンE)、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、オリザノール、ルチン、亜硝酸ナトリウムの群から選択される1種または2種以上の酸化防止剤とを、含有している。
【選択図】なし
Description
本発明は、導電膜及びその製造方法に関し、更に詳しくは、抵抗値の経時変化が小さく、長期間に亘って安定した抵抗値を確保することが可能な導電膜、及びそのような特徴を有する導電膜の製造方法に関するものである。
従来、平均一次粒子径が、例えば0.1μm以下のスズ含有酸化インジウム(Indium Tin Oxide:ITO)等の金属酸化物微粒子を溶媒中に分散させた塗布液を基板上に塗布し、その後、大気雰囲気下にて熱処理することにより得られた透明導電膜が知られている(特許文献1)。
このような透明導電膜は、その表面抵抗が、例えば103Ω/□〜104Ω/□程度で、導電性が十分ではないために、例えば、帯電防止膜としては好適に使用し得るが、電磁波遮蔽膜としては使用し得ないものであった。
このような透明導電膜は、その表面抵抗が、例えば103Ω/□〜104Ω/□程度で、導電性が十分ではないために、例えば、帯電防止膜としては好適に使用し得るが、電磁波遮蔽膜としては使用し得ないものであった。
そこで、近年では、透明導電膜の表面抵抗を低抵抗化する方法として、平均一次粒子径が、例えば0.1μm以下のITO等の金属酸化物微粒子を溶媒中に分散させた塗布液を、基板上に塗布し、得られた塗膜を還元性雰囲気下にて熱処理することにより、表面抵抗が、例えば102Ω/□程度の透明導電膜を得ることが試みられている。
また、透明導電膜の表面抵抗を低抵抗化する他の方法として、平均一次粒子径が、例えば0.1μm以下のITO等の金属酸化物微粒子を溶媒中に分散させた塗布液を基板上に塗布し、得られた塗膜を大気雰囲気等の酸化性雰囲気下にて熱処理し、さらに、ヒドラジンまたはヒドラジン化合物等の還元剤を含む溶液に接触させることにより、表面抵抗が、例えば102Ω/□〜103Ω/□程度の透明導電膜を得ることが行われている(特許文献2、3)。
特開平9−78008号公報
特開2002−8461号公報
特開2003−281946号公報
また、透明導電膜の表面抵抗を低抵抗化する他の方法として、平均一次粒子径が、例えば0.1μm以下のITO等の金属酸化物微粒子を溶媒中に分散させた塗布液を基板上に塗布し、得られた塗膜を大気雰囲気等の酸化性雰囲気下にて熱処理し、さらに、ヒドラジンまたはヒドラジン化合物等の還元剤を含む溶液に接触させることにより、表面抵抗が、例えば102Ω/□〜103Ω/□程度の透明導電膜を得ることが行われている(特許文献2、3)。
ところで、従来の低抵抗化処理が施された透明導電膜においては、低抵抗化処理の直後の表面抵抗は、確かに102Ω/□〜103Ω/□程度の低い抵抗値を示しているものの、時間が経過するにしたがって表面抵抗が上昇し、場合によっては103Ω/□〜104Ω/□程度にまで上昇してしまい、長期間に亘って導電性を十分確保することができないという問題点があった。
特に、この透明導電膜を透明電極として用いる場合、長期的な信頼性を確保する必要があり、表面抵抗についても102Ω/□〜103Ω/□程度の低い抵抗値を長期間に亘って確保する必要があるが、従来の透明導電膜では、これらの要求に十分に対応できるまでには至っていないのが現状である。
特に、この透明導電膜を透明電極として用いる場合、長期的な信頼性を確保する必要があり、表面抵抗についても102Ω/□〜103Ω/□程度の低い抵抗値を長期間に亘って確保する必要があるが、従来の透明導電膜では、これらの要求に十分に対応できるまでには至っていないのが現状である。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、抵抗値の経時的上昇を抑制することにより、長期間に亘って安定した抵抗値を確保することができ、したがって、長期間に亘って所望の導電性を確保することができる導電膜及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、抵抗値の経時的上昇が、導電膜に含まれる金属酸化物が徐々に酸化されることによる抵抗値の上昇にあると考え、そこで、金属酸化物と酸化防止剤とを共存させれば、酸化防止剤が金属酸化物の酸化を抑制し、したがって、膜の抵抗値の経時的上昇を抑制し、その結果、長期間に亘って安定した抵抗値を確保することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の導電膜は、金属酸化物と酸化防止剤とを含有してなることを特徴とする。
前記金属酸化物は、酸化インジウム、スズ含有酸化インジウム、酸化スズ、アンチモン含有酸化スズ、酸化亜鉛、アルミニウム含有酸化亜鉛、ガリウム含有酸化亜鉛、インジウム含有酸化亜鉛の群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
前記酸化防止剤は、アスコルビン酸、アスコルビン酸エステル、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、オリザノール、ルチン、亜硝酸ナトリウムの群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
前記酸化防止剤は、アスコルビン酸、アスコルビン酸エステル、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、オリザノール、ルチン、亜硝酸ナトリウムの群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
本発明の導電膜の製造方法は、金属酸化物を含有してなる塗料を基材上に塗布し、得られた塗膜を還元性雰囲気下にて熱処理して導電性膜とし、この導電性膜を酸化防止剤を含有する溶液または分散液に接触させることを特徴とする。
本発明の導電膜によれば、金属酸化物と酸化防止剤とを含有したので、膜内に金属酸化物と酸化防止剤とを共存させることで、金属酸化物の酸化を抑制することができ、膜の抵抗値の経時的上昇を抑制することができる。したがって、長期間に亘って安定した抵抗値を確保することができ、その結果、長期間に亘って所望の導電性を確保することができる。
本発明の導電膜の製造方法によれば、金属酸化物を含有してなる塗料を基材上に塗布し、得られた塗膜を還元性雰囲気下にて熱処理して導電性膜とし、この導電性膜を酸化防止剤を含有する溶液または分散液に接触させるので、抵抗値の経時的上昇を抑制することができ、長期間に亘って安定した抵抗値を確保することができる導電膜を、特別な装置を用いることなく、簡便かつ低コストにて作製することができる。
本発明の導電膜及びその製造方法を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「導電膜」
本発明の導電膜は、金属酸化物と、酸化防止剤とを含有してなる導電性の膜であり、必要に応じてバインダー等を含有している膜である。
この導電膜の膜厚は、例えば、0.2μm〜0.8μm程度である。
この金属酸化物は、膜中に均一に分散して導電性を付与するためには、分散粒子径が0.01μm以上かつ0.2μm以下、より好ましくは0.05μm以上かつ0.15μm以下、さらに好ましくは0.08μm以上かつ0.12μm以下の微粒子であることが好ましい。
本発明の導電膜は、金属酸化物と、酸化防止剤とを含有してなる導電性の膜であり、必要に応じてバインダー等を含有している膜である。
この導電膜の膜厚は、例えば、0.2μm〜0.8μm程度である。
この金属酸化物は、膜中に均一に分散して導電性を付与するためには、分散粒子径が0.01μm以上かつ0.2μm以下、より好ましくは0.05μm以上かつ0.15μm以下、さらに好ましくは0.08μm以上かつ0.12μm以下の微粒子であることが好ましい。
金属酸化物としては、導電性を有する金属酸化物であればよく、特に限定されることはないが、例えば、酸化インジウム(In2O3)、スズ含有酸化インジウム(Indium Tin Oxide:ITO)、酸化スズ(SnO2)、アンチモン含有酸化スズ(Antimony Tin Oxide:ATO)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム含有酸化亜鉛(Aluminium Zinc Oxide:AZO)、ガリウム含有酸化亜鉛(Gallium Zinc Oxide:GZO)、インジウム含有酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide:IZO)の群から選択される1種または2種以上が好適に用いられる。
これらの金属酸化物は、エネルギー帯のエネルギーギャップ(Eg)が3.0eV以上のワイドギャップ半導体であり、結晶中に格子欠陥の一種である酸素空孔を形成することで、さらに導電性を向上させることが可能であり、しかも、可視光領域の透明性が高いので、膜に導電性を付与するフィラーとして好適である。
酸化防止剤は、導電膜の抵抗値の経時的上昇を抑制し、所望の抵抗値を維持する作用を奏するものであり、膜内における作用は、以下の通りと考えられる。
上記のような金属酸化物微粒子を含む膜を還元性雰囲気下にて熱処理すると、酸素空孔の増加に伴い低抵抗の導電膜が得られる。しかし、大気中に放置されると、酸素欠陥のサイトが大気中の酸素により徐々に酸化されてしまい、それにつれて表面抵抗も徐々に上昇する。
上記のような金属酸化物微粒子を含む膜を還元性雰囲気下にて熱処理すると、酸素空孔の増加に伴い低抵抗の導電膜が得られる。しかし、大気中に放置されると、酸素欠陥のサイトが大気中の酸素により徐々に酸化されてしまい、それにつれて表面抵抗も徐々に上昇する。
そこで、まず、金属酸化物微粒子の膜を還元性雰囲気下にて熱処理する。この熱処理により金属酸化物微粒子中に酸素空孔が形成される。その後に酸化防止剤で処理すると、酸素空孔近傍に酸化防止剤が存在することになり、大気中においても酸素による酸化の虞がなくなる。したがって、この膜を大気等の酸化性雰囲気中に曝したような場合であっても、金属酸化物微粒子中の酸素空孔は酸化されることなく、空孔の状態を良好に維持することとなり、導電膜の表面抵抗も上昇することなく、低抵抗の状態を良好に維持することとなる。
このような酸化防止剤としては、水や有機溶媒に可溶なものであればよく、特に制限されることはないが、例えば、アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸エステル、トコフェロール(ビタミンE)、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、オリザノール、ルチン、亜硝酸ナトリウムの群から選択される1種または2種以上が好適に用いられる。
これらの酸化防止剤により、導電膜の酸化が効率よく防止され、したがって、導電膜の抵抗値の経時的上昇もよりいっそう効率よく抑制されている。
また、これらの酸化防止剤は、食品においても酸化防止剤としてよく用いられていることから、比較的容易に入手可能であり、しかも安価である。
また、これらの酸化防止剤は、食品においても酸化防止剤としてよく用いられていることから、比較的容易に入手可能であり、しかも安価である。
バインダーは、導電性フィラーである金属酸化物微粒子を相互に接続し、かつ、基材上に接着・固定するためのもので、しかも、可視光線の波長帯域に対して透明性を有するものであり、例えば、テトラエトキシシラン(Si(OC2H5)4)、テトラメトキシシラン(Si(OCH3)4)等のアルコキシシランまたはそれらの部分加水分解物、あるいはエトキシトリメチルシラン((CH3)3SiOC2H5)、ジエトキシジメチルシラン((CH3)2Si(OC2H5)2)、トリエトキシメチルシラン(CH3Si(OC2H5)3)、トリメトキシメチルシラン(CH3Si(OCH3)3)等のアルキルアルコキシシランまたはそれらの部分加水分解物が好適に用いられる。
また、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の合成樹脂も好適に用いられる。
また、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の合成樹脂も好適に用いられる。
このように、可視光線の波長帯域に対して透明性を有するバインダーを用い、このバインダーに分散粒子径が0.1μm以下の金属酸化物微粒子を分散させると、導電膜に透明性を付与することができる。
「導電膜の製造方法」
本発明の導電膜の製造方法は、金属酸化物を含有してなる塗料を基材上に塗布し、得られた塗膜を還元性雰囲気下にて熱処理して導電性膜とし、この導電性膜を酸化防止剤を含有する溶液または分散液に接触させる方法である。
本発明の導電膜の製造方法は、金属酸化物を含有してなる塗料を基材上に塗布し、得られた塗膜を還元性雰囲気下にて熱処理して導電性膜とし、この導電性膜を酸化防止剤を含有する溶液または分散液に接触させる方法である。
上記の塗料としては、溶媒中に、金属酸化物微粒子が分散し、バインダーが溶解した塗料が好適である。
この溶媒は、水、有機溶媒、液状の樹脂モノマー、液状の樹脂オリゴマーのうち少なくとも1種以上を含有したものである。
この溶媒は、水、有機溶媒、液状の樹脂モノマー、液状の樹脂オリゴマーのうち少なくとも1種以上を含有したものである。
上記の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(イソプロピルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が好適に用いられ、これらの溶媒のうち1種または2種以上を用いることができる。
上記の液状の樹脂モノマーとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等のアクリル系またはメタクリル系のモノマー、エポキシ系モノマー等が好適に用いられる。
また、上記の液状の樹脂オリゴマーとしては、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、アクリレート系オリゴマー等が好適に用いられる。
また、上記の液状の樹脂オリゴマーとしては、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、アクリレート系オリゴマー等が好適に用いられる。
この塗料中における金属酸化物微粒子の分散濃度は、2重量%以上かつ15重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以上かつ8重量%以下である。
ここで、分散濃度を上記の範囲に限定した理由は、分散濃度が2重量%を下回ると、基材上に導電膜を形成する際の効率が低下するからであり、一方、分散濃度が15重量%を越えると、製膜した際の膜厚が厚くなり易く、透明性に優れた導電膜が得られなくなる虞があるからである。
また、この塗料中におけるバインダーの濃度は、特に限定されないが、塗工性等を考慮すると、0.1重量%以上かつ3.0重量%以下が好ましく、0.2重量%以上かつ1.0重量%以下がより好ましい。
ここで、分散濃度を上記の範囲に限定した理由は、分散濃度が2重量%を下回ると、基材上に導電膜を形成する際の効率が低下するからであり、一方、分散濃度が15重量%を越えると、製膜した際の膜厚が厚くなり易く、透明性に優れた導電膜が得られなくなる虞があるからである。
また、この塗料中におけるバインダーの濃度は、特に限定されないが、塗工性等を考慮すると、0.1重量%以上かつ3.0重量%以下が好ましく、0.2重量%以上かつ1.0重量%以下がより好ましい。
この塗料を基材上に塗布し、塗膜を得る。
塗布法としては、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、フローコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、ロールコート法、メニスカスコート法、グラビア印刷法等、通常のウエットコート法を用いることができる。
塗布法としては、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、フローコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、ロールコート法、メニスカスコート法、グラビア印刷法等、通常のウエットコート法を用いることができる。
次いで、この塗膜を還元性雰囲気下にて熱処理し、導電性膜を得る。
ここで、上記の塗膜を還元性雰囲気下にて熱処理する理由は、この熱処理により金属酸化物微粒子中の酸素欠陥が増加することにより、キャリア濃度が増加し、したがって、膜の導電性が大幅に向上するからである。
ここで、上記の塗膜を還元性雰囲気下にて熱処理する理由は、この熱処理により金属酸化物微粒子中の酸素欠陥が増加することにより、キャリア濃度が増加し、したがって、膜の導電性が大幅に向上するからである。
還元性雰囲気を生じさせるためのガスとしては、H21〜5v/v%−N2混合ガス、あるいは極低圧のH2ガス等が好適に用いられる。
この熱処理においては、塗膜の緻密性の向上、還元処理の効率向上のためには、その最高保持温度(熱処理温度)は、高温であればあるほど好ましく、例えば、200℃以上が好ましい。この最高保持温度は、基材の耐熱温度が上限となる。
例えば、ガラス基板の場合、500℃程度が上限となる。また、この塗膜を液晶ディスプレイ(LCD)の透明基板の電極として用いる場合には、工程上、高温処理ができない場合があることから、300℃程度が上限となる。
また、この最高保持温度の保持時間(熱処理時間)は、30分以上が好ましい。30分未満では、還元効果が十分に現れないからである。
この熱処理においては、塗膜の緻密性の向上、還元処理の効率向上のためには、その最高保持温度(熱処理温度)は、高温であればあるほど好ましく、例えば、200℃以上が好ましい。この最高保持温度は、基材の耐熱温度が上限となる。
例えば、ガラス基板の場合、500℃程度が上限となる。また、この塗膜を液晶ディスプレイ(LCD)の透明基板の電極として用いる場合には、工程上、高温処理ができない場合があることから、300℃程度が上限となる。
また、この最高保持温度の保持時間(熱処理時間)は、30分以上が好ましい。30分未満では、還元効果が十分に現れないからである。
次いで、この導電性膜を酸化防止剤を含有する溶液または分散液に接触させる。
この溶液は、溶媒に酸化防止剤を溶解させたものであり、分散液は、分散媒に酸化防止剤を均一に分散させたものである。
この酸化防止剤としては、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸エステル、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、オリザノール、ルチン、亜硝酸ナトリウムの群から選択される1種または2種以上が好適に用いられる。
この溶液は、溶媒に酸化防止剤を溶解させたものであり、分散液は、分散媒に酸化防止剤を均一に分散させたものである。
この酸化防止剤としては、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸エステル、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、オリザノール、ルチン、亜硝酸ナトリウムの群から選択される1種または2種以上が好適に用いられる。
また、溶媒または分散媒としては、酸化防止剤を溶解または均一に分散させることができるものであればよく、水および/または有機溶媒が好適に用いられる。
この有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(イソプロピルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が好適に用いられ、これらの溶媒のうち1種または2種以上を用いることができる。
この有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(イソプロピルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が好適に用いられ、これらの溶媒のうち1種または2種以上を用いることができる。
この酸化防止剤の溶液または分散液中の濃度は、酸化防止剤が溶解または均一に分散することができれば、特に制限はないが、0.001モル/L以上かつ0.5モル/L以下が好ましく、より好ましくは0.01モル/L以上かつ0.1モル/L以下である。
ここで、濃度が0.001モル/L未満では、導電性膜を処理する酸化防止剤の量が少なすぎてしまい、この導電性膜の酸化防止効果が緩慢となり、膜の抵抗値の経時的上昇を抑制することが難しくなり、その結果、長期間に亘って安定した抵抗値を確保することができなくなるからである。
一方、濃度が0.5モル/Lを越えると、この導電性膜の酸化防止効果は発揮することができるものの、濃度が高すぎるために、酸化防止剤が導電性膜上に析出し易くなり、この酸化防止剤を取り除くための処理が新たに必要になるからである。
ここで、濃度が0.001モル/L未満では、導電性膜を処理する酸化防止剤の量が少なすぎてしまい、この導電性膜の酸化防止効果が緩慢となり、膜の抵抗値の経時的上昇を抑制することが難しくなり、その結果、長期間に亘って安定した抵抗値を確保することができなくなるからである。
一方、濃度が0.5モル/Lを越えると、この導電性膜の酸化防止効果は発揮することができるものの、濃度が高すぎるために、酸化防止剤が導電性膜上に析出し易くなり、この酸化防止剤を取り除くための処理が新たに必要になるからである。
この導電性膜を上記の溶液または分散液と接触させる方法としては、導電性膜上に上記の溶液または分散液を塗布する塗布法、導電性膜を上記の溶液または分散液に浸漬する浸漬法等が好適に用いられる。
塗布法としては、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、フローコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、ロールコート法、メニスカスコート法、グラビア印刷法等、通常のウエットコート法を用いることができる。
塗布法としては、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、フローコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、ロールコート法、メニスカスコート法、グラビア印刷法等、通常のウエットコート法を用いることができる。
接触させる際の溶液または分散液の温度は、溶媒の液相の温度範囲内の温度と、この温度における酸化防止剤の溶解度及び粘性等の物性を考慮して設定される。
例えば、純水の場合、10℃以上かつ80℃以下が好ましく、エタノールや2−プロパノールの場合、10℃以上かつ50℃以下が好ましい。
例えば、純水の場合、10℃以上かつ80℃以下が好ましく、エタノールや2−プロパノールの場合、10℃以上かつ50℃以下が好ましい。
また、接触時間は、10分以上かつ6時間以下が好ましく、より好ましくは30分以上かつ3時間以下である。
ここで、接触時間が10分未満であると、酸化防止剤が導電性膜を十分に処理することができなくなり、この導電性膜の酸化防止効果が緩慢となるからであり、一方、接触時間が6時間を超えると、酸化防止剤が導電性膜を必要以上に処理することにより、導電性膜の特性が悪化するからである。
ここで、接触時間が10分未満であると、酸化防止剤が導電性膜を十分に処理することができなくなり、この導電性膜の酸化防止効果が緩慢となるからであり、一方、接触時間が6時間を超えると、酸化防止剤が導電性膜を必要以上に処理することにより、導電性膜の特性が悪化するからである。
最後に、この酸化防止剤により処理された導電性膜に乾燥処理を施し、導電膜とする。
乾燥条件としては、溶媒または分散媒が散逸して膜が乾燥する程度であればよい。例えば、有機系の酸化防止剤を用いた場合、乾燥温度が高すぎると酸化防止剤が分解してしまう虞があり、また、酸化防止剤で処理された導電膜の表面が酸化されてしまい、膜の抵抗値の経時的上昇を抑制することができなくなるからである。したがって、乾燥温度については、酸化防止剤の耐熱温度、溶媒または分散媒の沸点等を考慮して、高くとも100℃程度、好ましくは30℃以上かつ80℃以下程度に設定することが好ましい。
なお、この乾燥処理の前に洗浄処理を施してもよい。
乾燥条件としては、溶媒または分散媒が散逸して膜が乾燥する程度であればよい。例えば、有機系の酸化防止剤を用いた場合、乾燥温度が高すぎると酸化防止剤が分解してしまう虞があり、また、酸化防止剤で処理された導電膜の表面が酸化されてしまい、膜の抵抗値の経時的上昇を抑制することができなくなるからである。したがって、乾燥温度については、酸化防止剤の耐熱温度、溶媒または分散媒の沸点等を考慮して、高くとも100℃程度、好ましくは30℃以上かつ80℃以下程度に設定することが好ましい。
なお、この乾燥処理の前に洗浄処理を施してもよい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
「実施例1」
ITO微粒子(平均二次粒子径:0.1μm、住友大阪セメント製)が30重量%、アセチルアセトンが5重量%、純水が35重量%、エタノールが30重量%となるように、これらを混合し、得られた混合物に分散機のメディアとしてガラスビーズを混入してサンドミル分散機(アイメックス(株)社製)にて1時間、分散処理を施し、その後、ガラスビーズを分離し、ITO微粒子分散液を得た。
ITO微粒子(平均二次粒子径:0.1μm、住友大阪セメント製)が30重量%、アセチルアセトンが5重量%、純水が35重量%、エタノールが30重量%となるように、これらを混合し、得られた混合物に分散機のメディアとしてガラスビーズを混入してサンドミル分散機(アイメックス(株)社製)にて1時間、分散処理を施し、その後、ガラスビーズを分離し、ITO微粒子分散液を得た。
一方、テトラメトキシシランのエタノール溶液(関東化学(株)社製)をエタノールで希釈し、この希釈液に1規定の硝酸及び純水を添加した後、60℃にて3時間加熱し、テトラメトキシシランの部分加水分解物をテトラメトキシシランに換算して25重量%含むバインダー組成物を得た。
次いで、ITO微粒子分散液、バインダー組成物、ジアセトンアルコール、イソプロピルセロソルブ、エタノールを混合し、ITO微粒子含有塗料を得た。
このITO微粒子含有塗料中におけるITO微粒子の平均分散粒子径は、0.1μmであった。
また、この塗料の主要成分の含有率は、次のとおりであった。
ITO微粒子 … 5.0重量%
テトラメトキシシランの部分加水分解物
(テトラメトキシシランに換算) … 2.5重量%
水 …15重量%
エタノール …51.7重量%
アセチルアセトン … 0.83重量%
ジアセトンアルコール … 5.0重量%
イソプロピルセロソルブ …20.0重量%
このITO微粒子含有塗料中におけるITO微粒子の平均分散粒子径は、0.1μmであった。
また、この塗料の主要成分の含有率は、次のとおりであった。
ITO微粒子 … 5.0重量%
テトラメトキシシランの部分加水分解物
(テトラメトキシシランに換算) … 2.5重量%
水 …15重量%
エタノール …51.7重量%
アセチルアセトン … 0.83重量%
ジアセトンアルコール … 5.0重量%
イソプロピルセロソルブ …20.0重量%
次いで、この塗料を厚み5mmのガラス基板上に滴下し、500rpmにて30秒間スピンコートを行い、このガラス基板上に塗布膜を形成した。
次いで、この塗布膜を、100℃にて2分間乾燥し、その後、水素雰囲気の下、300℃にて1時間、熱処理を行い、実施例1の透明導電膜A(酸化防止処理前の透明導電膜)を得た。
次いで、この塗布膜を、100℃にて2分間乾燥し、その後、水素雰囲気の下、300℃にて1時間、熱処理を行い、実施例1の透明導電膜A(酸化防止処理前の透明導電膜)を得た。
一方、0.01モル/Lのモル濃度のアスコルビン酸水溶液を調製し、このアスコルビン酸水溶液に上記の透明導電膜Aを30分間浸漬し、この透明導電膜Aに酸化防止処理を施した。その後、この透明導電膜を水洗した後、乾燥器を用いて60℃にて10分間、乾燥し、実施例1の透明導電膜B(酸化防止処理が施された透明導電膜)を得た。
次いで、ロレスタAP(三菱化学(社)製)を用いて、これら透明導電膜A、Bそれぞれの表面抵抗を四端子法により測定した。
次いで、透明導電膜Bを用いて、恒温恒湿試験を行った。
ここでは、透明導電膜Bを大気中、温度25℃、湿度55%の恒温恒湿槽内に1週間保持し、その後、取り出して、この透明導電膜Bの表面抵抗を再度測定した。そして、この透明導電膜Bの恒温恒湿試験前後における表面抵抗の変化率ΔRを、下記の式(1)
ΔR(%)=(恒温恒湿試験後(1週間保持後)の表面抵抗/恒温恒湿試験前の表面抵抗−1)×100 …(1)
により算出した。
これらの結果を表1に示す。
次いで、透明導電膜Bを用いて、恒温恒湿試験を行った。
ここでは、透明導電膜Bを大気中、温度25℃、湿度55%の恒温恒湿槽内に1週間保持し、その後、取り出して、この透明導電膜Bの表面抵抗を再度測定した。そして、この透明導電膜Bの恒温恒湿試験前後における表面抵抗の変化率ΔRを、下記の式(1)
ΔR(%)=(恒温恒湿試験後(1週間保持後)の表面抵抗/恒温恒湿試験前の表面抵抗−1)×100 …(1)
により算出した。
これらの結果を表1に示す。
さらに、透明導電膜A、透明導電膜Bの恒温恒湿試験前後、それぞれの全光線透過率、ヘーズ、最低反射率及び密着性を、下記の方法または装置により測定または試験した。
全光線透過率:Automatic Haze Meter HIIIDP(東京電色社製)を用いて測定した。
ヘーズ :Automatic Haze Meter HIIIDP(東京電色社製)を用いて測定した。
最低反射率 :自記分光光度計 U-3500(日立製作所社製)を用いて測定した。
密着性 :日本工業規格JIS K 5600−5−6「塗料一般試験方法 付着性(クロスカット法)」に準拠して試験を実施した。
その結果、これら全光線透過率、ヘーズ、最低反射率及び密着性については、変化が全く認められなかった。
全光線透過率:Automatic Haze Meter HIIIDP(東京電色社製)を用いて測定した。
ヘーズ :Automatic Haze Meter HIIIDP(東京電色社製)を用いて測定した。
最低反射率 :自記分光光度計 U-3500(日立製作所社製)を用いて測定した。
密着性 :日本工業規格JIS K 5600−5−6「塗料一般試験方法 付着性(クロスカット法)」に準拠して試験を実施した。
その結果、これら全光線透過率、ヘーズ、最低反射率及び密着性については、変化が全く認められなかった。
「実施例2〜10」
実施例1のアスコルビン酸を表1の酸化防止剤に変更した以外は、実施例1に準じて実施例2〜10各々の透明導電膜A、Bを得た。
次いで、実施例2〜10それぞれについて、実施例1に準じて、透明導電膜Aの表面抵抗、透明導電膜Bの恒温恒湿試験前後の表面抵抗を測定し、表面抵抗の変化率ΔRを算出した。
これらの結果を表1に示す。
実施例1のアスコルビン酸を表1の酸化防止剤に変更した以外は、実施例1に準じて実施例2〜10各々の透明導電膜A、Bを得た。
次いで、実施例2〜10それぞれについて、実施例1に準じて、透明導電膜Aの表面抵抗、透明導電膜Bの恒温恒湿試験前後の表面抵抗を測定し、表面抵抗の変化率ΔRを算出した。
これらの結果を表1に示す。
さらに、実施例2〜10それぞれについて、実施例1に準じて、透明導電膜A、透明導電膜Bの恒温恒湿試験前後、それぞれの全光線透過率、ヘーズ、最低反射率及び密着性を測定または試験した。
その結果、これら全光線透過率、ヘーズ、最低反射率及び密着性については、変化が全く認められなかった。
その結果、これら全光線透過率、ヘーズ、最低反射率及び密着性については、変化が全く認められなかった。
「比較例1」
実施例1の酸化防止処理前の透明導電膜Aを比較例1の透明導電膜とし、この透明導電膜の表面抵抗を、ロレスタAP(三菱化学(社)製)を用いて四端子法により測定した。
また、実施例1に準じて恒温恒湿試験を行い、恒温恒湿試験前後の表面抵抗を測定し、表面抵抗の変化率ΔRを算出した。
これらの結果を表1に示す。
実施例1の酸化防止処理前の透明導電膜Aを比較例1の透明導電膜とし、この透明導電膜の表面抵抗を、ロレスタAP(三菱化学(社)製)を用いて四端子法により測定した。
また、実施例1に準じて恒温恒湿試験を行い、恒温恒湿試験前後の表面抵抗を測定し、表面抵抗の変化率ΔRを算出した。
これらの結果を表1に示す。
さらに、実施例1に準じて、透明導電膜の恒温恒湿試験前後の全光線透過率、ヘーズ、最低反射率及び密着性を測定または試験した。
その結果、これら全光線透過率、ヘーズ、最低反射率及び密着性については、変化が全く認められなかった。
その結果、これら全光線透過率、ヘーズ、最低反射率及び密着性については、変化が全く認められなかった。
「比較例2」
実施例1のアスコルビン酸を強還元剤のヒドラジンに変更し、このヒドラジンのモル濃度を0.1モル/Lとした以外は、実施例1に準じて比較例2の透明導電膜A、Bを得た。
次いで、実施例1に準じて、透明導電膜Aの表面抵抗、透明導電膜Bの恒温恒湿試験前後の表面抵抗を測定し、表面抵抗の変化率ΔRを算出した。
これらの結果を表1に示す。
実施例1のアスコルビン酸を強還元剤のヒドラジンに変更し、このヒドラジンのモル濃度を0.1モル/Lとした以外は、実施例1に準じて比較例2の透明導電膜A、Bを得た。
次いで、実施例1に準じて、透明導電膜Aの表面抵抗、透明導電膜Bの恒温恒湿試験前後の表面抵抗を測定し、表面抵抗の変化率ΔRを算出した。
これらの結果を表1に示す。
さらに、実施例1に準じて、透明導電膜A、透明導電膜Bの恒温恒湿試験前後、それぞれの全光線透過率、ヘーズ、最低反射率及び密着性を測定または試験した。
その結果、これら全光線透過率、ヘーズ、最低反射率及び密着性については、変化が全く認められなかった。
その結果、これら全光線透過率、ヘーズ、最低反射率及び密着性については、変化が全く認められなかった。
表1によれば、実施例1〜10の透明導電膜では、表面抵抗の変化率ΔRが47%またはそれ以下であり、中には変化率ΔRが0%のものもあり、表面抵抗の経時的上昇が抑制されていることが明らかになった。
一方、比較例1、2の透明導電膜では、表面抵抗の変化率ΔRがそれぞれ220%、400%と非常に大きく、表面抵抗の経時的上昇を抑制することはできなかった。
一方、比較例1、2の透明導電膜では、表面抵抗の変化率ΔRがそれぞれ220%、400%と非常に大きく、表面抵抗の経時的上昇を抑制することはできなかった。
「実施例11〜15」
実施例1のITOを表1の金属酸化物に変更した以外は、実施例1に準じて実施例11〜15各々の透明導電膜A、Bを得た。なお、ここで用いられる金属酸化物の平均二次粒子径は、それぞれ0.1μmであった。
次いで、実施例11〜15それぞれについて、実施例1に準じて、透明導電膜Aの表面抵抗、透明導電膜Bの恒温恒湿試験前後の表面抵抗を測定し、表面抵抗の変化率ΔRを算出した。
これらの結果を表2に示す。
実施例1のITOを表1の金属酸化物に変更した以外は、実施例1に準じて実施例11〜15各々の透明導電膜A、Bを得た。なお、ここで用いられる金属酸化物の平均二次粒子径は、それぞれ0.1μmであった。
次いで、実施例11〜15それぞれについて、実施例1に準じて、透明導電膜Aの表面抵抗、透明導電膜Bの恒温恒湿試験前後の表面抵抗を測定し、表面抵抗の変化率ΔRを算出した。
これらの結果を表2に示す。
さらに、実施例11〜15それぞれについて、実施例1に準じて、透明導電膜A、透明導電膜Bの恒温恒湿試験前後、それぞれの全光線透過率、ヘーズ、最低反射率及び密着性を測定または試験した。
その結果、これら全光線透過率、ヘーズ、最低反射率及び密着性については、変化が全く認められなかった。
その結果、これら全光線透過率、ヘーズ、最低反射率及び密着性については、変化が全く認められなかった。
表2によれば、実施例11〜15の透明導電膜では、表面抵抗の変化率ΔRが18%またはそれ以下であり、中には変化率ΔRが0%のものもあり、表面抵抗の経時的上昇が良好に抑制されていることが明らかになった。
本発明の導電膜は、金属酸化物と酸化防止剤とを含有したことで、抵抗値の経時的上昇を抑制することにより、長期間に亘って安定した抵抗値を確保することを可能としたものであるから、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の表示面の透明導電膜はもちろんのこと、長期間に亘って安定した透明性及び導電性を保持することが必要な様々な工業分野においても、その効果は大である。
Claims (4)
- 金属酸化物と酸化防止剤とを含有してなることを特徴とする導電膜。
- 前記金属酸化物は、酸化インジウム、スズ含有酸化インジウム、酸化スズ、アンチモン含有酸化スズ、酸化亜鉛、アルミニウム含有酸化亜鉛、ガリウム含有酸化亜鉛、インジウム含有酸化亜鉛の群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1記載の導電膜。
- 前記酸化防止剤は、アスコルビン酸、アスコルビン酸エステル、トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、オリザノール、ルチン、亜硝酸ナトリウムの群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1または2記載の導電膜。
- 金属酸化物を含有してなる塗料を基材上に塗布し、得られた塗膜を還元性雰囲気下にて熱処理して導電性膜とし、この導電性膜を酸化防止剤を含有する溶液または分散液に接触させることを特徴とする導電膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006145351A JP2007317489A (ja) | 2006-05-25 | 2006-05-25 | 導電膜及びその製造方法 |
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JP2006145351A JP2007317489A (ja) | 2006-05-25 | 2006-05-25 | 導電膜及びその製造方法 |
Publications (1)
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JP2006145351A Withdrawn JP2007317489A (ja) | 2006-05-25 | 2006-05-25 | 導電膜及びその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2007317489A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014125896A1 (ja) | 2013-02-12 | 2014-08-21 | 日本軽金属株式会社 | アルミ導電部材及びその製造方法 |
WO2014192869A1 (ja) | 2013-05-29 | 2014-12-04 | 日本軽金属株式会社 | 導電部材 |
-
2006
- 2006-05-25 JP JP2006145351A patent/JP2007317489A/ja not_active Withdrawn
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WO2014192869A1 (ja) | 2013-05-29 | 2014-12-04 | 日本軽金属株式会社 | 導電部材 |
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