JP2013178382A - 定着装置および定着装置を備えた画像形成装置 - Google Patents
定着装置および定着装置を備えた画像形成装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013178382A JP2013178382A JP2012042123A JP2012042123A JP2013178382A JP 2013178382 A JP2013178382 A JP 2013178382A JP 2012042123 A JP2012042123 A JP 2012042123A JP 2012042123 A JP2012042123 A JP 2012042123A JP 2013178382 A JP2013178382 A JP 2013178382A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fixing
- roller
- heating element
- belt
- base material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Fixing For Electrophotography (AREA)
- Control Of Resistance Heating (AREA)
Abstract
【解決手段】定着ローラと、加圧ローラと、定着ベルトと、加熱部材とを備え、定着ベルトが、定着ローラと加熱部材との間に定着ローラの回転により回転可能なように張架され、加熱部材が接触する定着ベルトを加熱し、加圧ローラが定着ローラに接触する定着ベルトの表面と圧接するように定着ローラに対して対向配置され、加熱部材が、半円筒形状の表面を持つ基材と、基材の表面に格子形状に形成された複数の凹部に埋設された発熱する抵抗発熱体とを備える。定着ベルトは、加熱部材の基材の半円筒形状の表面に接触することにより抵抗発熱体により加熱され、定着ローラと加圧ローラとを回転させ、加熱された定着ベルトによる加熱と定着ローラと加圧ローラとの加圧により、定着ニップ部に搬送された記録紙を定着させることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
従来の熱ローラ定着方式の定着装置は、たとえば、互いに圧接されたローラ対(定着ローラおよび加圧ローラ)を備え、このローラ対の両方あるいはいずれか一方の内部に、ハロゲンヒーターからなる加熱手段を配置する。
画像形成時において、この加熱手段によってローラ対を所定の温度(定着温度)に加熱した後、トナー像が形成された記録媒体(記録紙)をローラ対の圧接部(定着ニップ部)に搬送する。
記録媒体が圧接部を通過させられると、ローラ対の熱と圧力によって、記録媒体上のトナー像が定着させられる。
定着ローラを弾性ローラとすることで、定着ローラの表面が、未定着トナー像の凹凸に対応して弾性変形し、トナー像面を覆い包むように接触するため、モノクロに比べてトナー量の多いカラーの未定着トナー像に対して良好に加熱定着を行うことが可能となる。
さらに、定着ニップ部のニップ形状が上(定着ローラ側)に凸(所謂、逆ニップ形状)となるようにすることにより、ニップ出口での曲率を利用した記録紙の剥離性能を向上させることができ、剥離爪等の剥離手段を用いずとも記録紙の剥離が可能となり、剥離手段に起因する画像欠陥を解消することができる。
たとえば、このようなカラー画像形成装置に備えられる定着装置において、高速化に対応するためには、定着ニップ部のニップ幅を広くすることが考えられる。ニップ幅を広くする方法としては、定着ローラの弾性層の層厚を厚くすることや、定着ローラ径を大きくするなどの方法がある。
一方、定着ローラ径を大きくした場合には、熱容量が増加するためウオームアップ時間(立ち上がり時間)が長くなり、消費電力が増大するという問題があった。
たとえば、定着ローラと、加熱ローラと、加圧ローラと、無端状の定着ベルトとを備え、定着ローラと加熱ローラとの間に定着ベルトを張架し、加熱ローラによって加熱された定着ベルトを用いて、定着ローラと加圧ローラとの間を搬送される被定着材上のトナー像を加熱して定着させるベルト定着方式の定着装置が提案されている(特許文献1,2参照)。
この剥離した部分が加熱されると、過熱により発煙する場合もあり、安全上問題となる。
さらに、この剥離等が原因となって、定着ベルトに回転ムラが生じ、定着ベルトおよび加熱ローラの寿命が短くなり、長期的な信頼性が損なわれるという問題もあった。
これによれば、断熱層と第2絶縁層によって抵抗発熱体の電気的絶縁性を確保でき、抵抗発熱体が埋設された凹部を含む基材全体を覆うように第1絶縁層を形成しているので、定着ベルトをスムーズに回転させることができ、過熱を防止し、定着ベルトの寿命を長くすることができる。
これによれば、抵抗発熱体自体の熱容量を小さくすることができ、加熱部材の耐久性を高め、長期的に安定かつ高品質の画像形成ができる。
また、ステンレスは、高耐酸化性を有するので、高温でも酸化されにくく、急速加熱を繰り返しても十分な耐久性を有し、十分な安全性を確保できる。
これによれば、第1絶縁層が、フッ素樹脂等を含んでいるので、定着ベルトとの間の摩擦力を低減させることができ、定着ベルトの摩耗を防止して高い耐久性を確保することができる。
また、熱伝導性の微粒子を充填することにより、定着ベルトへの熱伝導性を向上させることができる。さらに、断熱層に、中空粒子を充填しているので、基材への熱伝導を低下させることができる。
これによれば、抵抗発熱体を形成位置の異なる2つの面状発熱体に分割して構成しているので、記録紙のサイズに対応した加熱が可能となり記録紙のない領域に対する無駄な加熱をしないことにより、省エネルギー化を図ることができる。
また、記録紙のない領域を加熱しないので、その領域に対する過熱が防止でき、安全性を高めることができる。
<この発明の画像形成装置の構成>
図1に、この発明の現像装置を備えた画像形成装置の一実施例の構成図を示す。
この発明の画像形成装置100は、図1に示すように、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム3と、感光体ドラム3表面を帯電させる帯電器(帯電装置)5と、感光体ドラム3表面に静電潜像を形成する露光ユニット(露光装置)1と、感光体ドラム3表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置2と、現像装置2にトナーを補給するトナー補給装置22と、感光体ドラム3表面のトナー像を記録媒体に転写する中間転写ベルトユニット(転写装置)8と、トナー像を記録媒体に定着させる定着ユニット(定着装置)12とを備える。
図1に示す画像形成装置100は、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及び黄(Y)の4つの色成分毎の画像データが取り扱われるものとする。ここでは、黒画像、シアン画像、マゼンタ画像、黄画像が別々に形成され、各々の色成分の画像を重畳することによって1つのカラー画像が形成される。
したがって、画像形成装置100においては、図1に示すように、各色成分の画像が形成されるように、現像装置2(2a,2b,2c,2d)、感光体ドラム3(3a,3b,3c,3d)、帯電器5(5a,5b,5c,5d)、クリーナユニット4(4a,4b,4c,4d)がそれぞれ4個ずつ設けられている。言い換えると、現像装置2と感光体ドラム3と帯電器5とクリーナユニット4とを1つずつ含む画像形成ステーション(画像形成部)が4つ設けられる。
帯電器5としては、図1に示す接触ローラ型の帯電器の他、接触ブラシ型の帯電器、或いは非接触チャージャー型の帯電器などが使用されることもある。
感光体ドラム3の上方には中間転写ベルトユニット8が配置されている。中間転写ベルトユニット8は、中間転写ローラ6(6a,6b,6c,6d)、中間転写ベルト7、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73、及び中間転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。
中間転写ローラ6、中間転写ベルト駆動ローラ71、中間転写ベルト従動ローラ72、中間転写ベルトテンション機構73は、中間転写ベルト7を張架し、図1の矢印B方向に中間転写ベルト7を回転駆動させるものである。
中間転写ローラ6は、直径が例えば8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとして形成され、表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われている。この導電性の弾性材により、中間転写ローラ6は中間転写ベルト7に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施の形態では、転写電極としてローラ形状のもの(中間転写ローラ6)を使用しているが、これ以外にブラシなども用いることが可能である。
中間転写ベルト7と感光体ドラム3との接触により中間転写ベルト7に付着したトナー、及び中間転写ベルト7から用紙へのトナー像の転写の際に転写されずに中間転写ベルト7上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット9によって除去され回収される。
さらに、シート搬送路Sには、ピックアップローラ16(16a,16b)、レジストローラ14、転写部、定着ユニット12、搬送ローラ25(25a〜25h)等が配置されている。
次に、シート搬送路Sによるシート搬送動作について説明する。
図1の画像形成装置100において、給紙トレイ10、及び少数枚の印字を行う場合等に使用される手差しトレイ20に、所定サイズのシートが予め配置される。
両トレイ(10,20)の近傍にそれぞれ配置されたピックアップローラ16(16a,16b)が、シートを1枚ずつシート搬送路Sに供給する。
転写部ではシート上にトナー像が転写され、このトナー像は定着ユニット12にてシート上に定着される。その後、シートは、搬送ローラ25bを経て排紙ローラ25cから排紙トレイ15上に排出される。
次に、シートは、排紙ローラ25cが逆回転することによって搬送ローラ25g,25hに導かれ、再びレジストローラ14を経て裏面印字が行われた後に、排紙トレイ15に排出される。
図2に、この発明の定着装置の一実施例の概略構成図を示す。
定着装置は、後述する定着ローラと加圧ローラとを回転させ、加熱された定着ベルトによる加熱と、定着ローラと加圧ローラとの加圧により、定着ニップ部に搬送されてきた記録紙を定着させるものである。
図2において、この発明の定着装置50は、主として、定着ローラ51aと、加圧ローラ51bと、剥離爪52と、定着ベルト64と、加熱部材60と、クリーニング部材53と、第1温度センサ63と、第2温度センサ65と、ハロゲンヒーター66とを備える。
加圧ローラ51bと定着ローラ51aとは、それらの間に定着ベルト64を介して接触するように、対向配置される。加圧ローラ51bは、定着ローラ51aに接触する定着ベルト64の表面と圧接する。
また、定着ローラ51aと、加圧ローラ51bの軸線方向は、同一であり、図2の紙面に垂直な方向である。
加熱部材60は、接触する定着ベルトを加熱する部材である。加熱部材60はその表面が略半円孤形状の部材であり、定着ローラ51aと加圧ローラ51bの軸線方向に平行な方向(図2の紙面に垂直な方向)に長い長方形状の部材である。
記録紙59のトナー像が担持されている方の面は、加圧ローラ51b側に接触し、担持されていない面は定着ベルト64に接触して搬送される。
その加熱後、定着ベルト64がさらに回転して加熱された部分が定着ニップ部51cまできたとき、定着ベルト64の熱と、定着ベルト64および加圧ローラ51bとの接触圧により、定着ニップ部51cに搬送されてきた記録紙59上のトナー像58が、記録紙59に定着される。この定着速度は、例えば220mm/秒である。
芯金には、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等が用いられる。また、弾性層には、たとえばシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料が用いられ、ウオームアップ時間の短縮のために断熱性を有する上記のスポンジゴム材料とすることが好ましい。一つの実施の形態として、定着ローラ51aが定着ベルト64を介して加圧ローラ51bに圧接するときの力は、216N程度である。
芯金には、定着ローラ51aと同様に、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等が用いられる。また、弾性層も、定着ローラ51aと同様に、シリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料が用いられる。離型層には、たとえば、PFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂が用いられる。
また、加圧ローラ51bの内部には、加圧ローラ51bを加熱するハロゲンヒータ(ヒータランプ)66が配置されている。図示しない電源回路からヒータランプ66に電力を供給(通電)させることによって、ヒータランプ66から赤外線を放射させる。これによって、加圧ローラ51bの内周面が赤外線を吸収して加熱され、加圧ローラ51b全体が加熱される。
定着ベルト64は、たとえば直径50mm程度の無端状のベルトであり、基材の上に、弾性層と離型層とをこの順に形成した3層構造の部材である。
この第1温度センサ63は、加熱部材60上の定着ベルト64の表面温度を検出するものである。
第1温度センサ63は、非接触式の温度検出を行う赤外線検知型のセンサであり、たとえば、サーミスタが用いられる。
第1温度センサ63によって検出された温度データ(定着ベルト64の表面温度)に基づいて、定着ベルトの表面温度がほぼ一定値(たとえば、170℃)となるように、加熱部材60への通電が制御される。
この第2温度センサ65は、加圧ローラ51bの表面温度を検出するものである。
第2温度センサ65としては、非接触式あるいは接触式の赤外線検知型の温度センサ(たとえば、サーミスタ)が用いられる。
この第2温度センサ65によって検出された温度データ(加圧ローラ51bの表面温度)に基づいて、加圧ローラ51bの表面温度がほぼ一定値(たとえば、120℃)となるように、ハロゲンヒータ66への通電が制御される。
クリーニング部材53は、たとえば、汚染物質、特にトナーを捕集する不織布として、耐熱性および耐久性に優れる芳香族ポリアミド系繊維に、不織布の柔軟性を向上させるために適量のポリエチレンテレフタレート系繊維を混合した不織布から構成され、アルミシャフトの周辺に、例えば適当な厚さの弾性層を有するクリーニングローラが加圧ローラに適正圧力で押圧されており、クリーニングローラにより上記不織布を加圧ローラに圧接して、トナー、トナー外部添加材、紙粉などをクリーニングするものである。
図3に、この発明の定着装置に備えられる加熱部材の一実施例の概略構成図を示す。
また、図4に、加熱部材の一実施例の断面図を示す。
加熱部材60は、上記したように、定着ベルト64に接触して、定着ベルト64を所定の温度に加熱する部材である。加熱部材60は、加熱部61とジャーナル部67aとから構成される。
加熱部61は、定着ベルト64に接触することにより定着ベルト64を加熱する部分であり、主として、基材61aと、抵抗発熱体61bと、第1絶縁層61cと、断熱層61dと、電極部61eと、第2絶縁層61fとから構成される。
ここで、基材61aは、半円筒形状の表面を持つ部材であり、抵抗発熱体61bは、基材の表面に格子形状に形成された複数の凹部に埋設された発熱する部材である。
ジャーナル部67aには、定着装置50本体のサイドフレーム67bに固定され、かつ定着ベルト64の蛇行を防止する蛇行防止用カラー67cが備えられている。
加熱部材60は、ジャーナル部67aをサイドフレーム67bに固定することにより、定着ベルト64と加熱部61との摩擦力により回転しないように配置されている。
蛇行防止用カラー67cは、基材61aの両端部のジャーナル部67aに固定され、2つのカラー67cの間に、定着ベルト64の端部がちょうど接触する位置に形成される。
このカラー67cにより、定着ベルト64が回転摺動するときに、定着ベルト64が蛇行するのを防止する。
半円筒の外側表面である曲面部分に、抵抗発熱体等からなる加熱部61が配置され、この加熱部61が、定着ベルト64と接触する部分である。定着ベルト64は、半円筒の外側表面と接触した状態で、回転させられる。
基材61aは、高耐熱性の剛性を有する材料で形成され、たとえば、アルミニウム、鉄などの金属で形成される。
この凹部62の上方と、凹部以外の基材61aの上方には、第1絶縁層61cが形成され、この第1絶縁層61cと定着ベルト64とが接触する。すなわち、第1絶縁層61cは、基材61aの表面全体を覆うように形成される。
抵抗発熱体61bをその内部に有する凹部62を格子形状に形成するのは、定着ベルト64に伝達される熱を均一化するためである。
定着ベルト64に伝熱された熱が均一化されている場合、定着されるトナー画像の定着性も均一化できる。
抵抗発熱体61bは、電極部61eと接続され、電極からの通電により発熱する部材であり、たとえば、ニクロム、ステンレスのような発熱に適した材料により形成される。
抵抗発熱体61bにより発熱された熱は、第1絶縁層61cを介して定着ベルト64へ伝達される。
凹部62は、基材61aの表面の凹部となる部分以外をマスクして、基材表面をエッチングすることにより形成すればよい。エッチングの方法は公知のエッチング技術を用いればよい。ただし、凹部の形状は、抵抗発熱体が均一に発熱できるために、できるだけ抵抗発熱体のパターン形状に対応した形状であることが好ましく、また凹部の底面は平坦となるように加工することが好ましい。
断熱層61dの上に、第2絶縁層61fを形成する。
また、断熱層61bの側面部分も覆うように第2絶縁層61fを形成する。
第1絶縁層61cは、定着ベルト64と直接接触する部分であり、定着ベルト64によって摺動されるので、摺動されても摩耗することの少ない材料を用い適当な厚みで被覆することが好ましい。
このように、抵抗発熱体61bは、基材61aの凹部62の中に埋設され、かつその上方を第1絶縁層61cで覆っているので、抵抗発熱体61bが基材61aからはがれることはなく、接触する定着ベルト64を傷つけることもない。したがって、定着ベルト64の耐久性を向上させることができ、加熱部材60の高寿命化と、十分な安全性を確保することができる。
もし、第2絶縁層61fがなければ、断熱層61dの中の中空粒子内および粒子間の空孔により、抵抗発熱体から基材へリークする可能性があるからである。
この第1絶縁層61cを形成する樹脂としては、たとえば、PTFE樹脂やPFA樹脂などのフッ素樹脂のいずれか1つを少なくとも含むものを用いることができ、さらに、PTFE樹脂とPFA樹脂とを混合したものを用いてもよい。
あるいは、ガラス樹脂を用いてもよい。
また、その充填量は20〜70容量%が好ましい。20容量%よりも少ないと熱伝導性の向上効果が少ないからである。
また、70容量%よりも多いと、絶縁膜の形成時の溶融粘度が大幅に高まり、レベリング性が低下し平滑性が確保できないばかりでなく、絶縁層の靭性も低下し、製造時に容量分率が少しばらつくだけで熱伝導率が大きく変化するために、定着ベルトに温度分布が生じる可能性があるからである。
さらに、定着ベルト64を駆動する定着ローラ51aおよび加圧ローラ51bへの負荷も低減することができ、両ローラ51a,51bの耐久性も確保し、両ローラを低電力で駆動することが可能となる。
図5に、この発明の加熱部材に用いられる抵抗発熱体の一実施例の全体構成の説明図を示す。ここでは、一方向(図5の紙面の左右方向)に長い長方形状の基材61aの表面上に、格子形状に形成した抵抗発熱体61bの構成を示している。
図5において、抵抗発熱体61bは、大きく分類すると、2つの面状発熱体(61b−1,61b−2)に分割して構成される。
もう1つの第2の面状発熱体61b−2は、基材61aの長手方向の中央部の両方の外側である両端部の領域にそれぞれ配置される抵抗発熱体であり、図5では、格子間隔の広いパターンとして図示した部分である。
給電部61b−3は、第1および第2の面状発熱体のそれぞれに対して通電するか、あるいは、第1および第2の面状発熱体の両方に通電するかを選択可能なように、抵抗発熱体に接続される。
定着ベルト64は、図5に示した構成全体の上に接触して配置され、図5の紙面の上下方向に移動させられる。
たとえば、定着させようとする記録紙の幅が狭く、その幅に対応する定着ベルトの幅が、第1面状発熱体61b−1と一致する場合には、給電部61b−3は、第1の面状発熱体61b−1の領域のみに通電を行うようにすればよい。
また、給電制御部は、第1温度センサ63によって検出された温度と、定着ベルト64の回転の有無の情報を得て、給電部61b−3へ出力する給電電力の大きさとタイミングを制御する。
また、ステンレスとしては、たとえば、厚さ20から500μm、好ましくは、40から100μm程度のステンレス箔を用いることが好ましい。
ただし、微細加工が容易にできる観点からは、エッチング処理が好ましい。
このエッチング処理温度や時間などの条件は、一義的に定められるものではなく、適宜選択・設定される。
上記に説明したこの発明の定着装置の一つの実施例として、以下に示すような各構成部材を用いて製作した。以下に、この実施例の詳細な部材、条件、数値を示す。
直径が30mmで、心金が直径15mmのステンレス鋼、弾性層が厚さ7.5mmのシリコンスポンジであるものを使用した。
直径が30mmでシリコンソリッドゴムからなり、離型層には厚さ30μmのPFAチューブ、内部に定格電力400Wのヒーターランプを配置したものを使用した。
ベルト基材に厚さ70μmのポリイミド、弾性層に厚さ150μmのシリコンゴム、離型層に厚さ30μmのPFAチューブを使用し、巻きかけ角度θを185°とした。
内径28mm、直径32mm、幅7mmのポリフェニレンサルファイド(PPS)カラーを、定着ベルト端部と接するように配置した。
基材61a:加熱部およびジャーナル部の直径が28mmであり、肉厚0.5mmのアルミ製パイプで、周方向において40%カットされた円弧形状を有するものを用いた。なお、外表面には、図5に示した格子状パターンに対応した深さ0.3mmの溝をレーザー加工により形成した。
第2絶縁層61f:厚み50μm、ポリイミドからなる絶縁層を、熱圧接着により形成した。
断熱層61d:厚み100μm、ポリイミドをベースとして粒子径約10nm〜約300nmを有するシリカ殻からなる中空粒子を15重量%充填したものを、熱圧接着により形成した。
抵抗発熱体61d:厚み50μmの高耐酸化性ステンレス箔を用いて、パターン幅0.2mm〜0.4mm、格子長さ1.6〜1.9mmの格子状のパターンを有する面状発熱体をエッチング法により形成した。
また、発熱体の長手方向の全長は310mm、電力はAC100V1200W、発熱体の長手方向中央部領域の長さは、全長手方向の中央部を基準にして220mm、AC100V825Wとした。端部の電力は各々187Wとした。
電極部61e:図5に示した配置に、幅5mmの給電部をパターン化し、給電端子部は穴あきラグハトメφ2.0で接続した。
第1絶縁層61c:厚み50μm、PFAからなる材料を用いて形成した。
第1温度センサ63として非接触式のサーミスタ、第2温度センサ65として接触式のサーミスタを使用した。
定着ニップ部51cの長さ:7mm(定着ニップ部の記録紙搬送方向の長さ)
定着ニップ部51cの幅:325mm(定着ローラの軸線方向に対応する長さ)
定着速度:220mm/sec
記録紙の最大幅:300mm(定着ローラの軸線方向に対応する長さ)
抵抗発熱体61bが格子状にパターン化され、断熱層61dと第2絶縁層61fを介して低熱容量の基材61aに埋設されているので、ウオームアップ時間は29sec、定着ベルト表面の温度分布は、長手方向で175℃プラスマイナス5℃以内となってほぼ均一になり、また連続通紙しても温度低下がなかった。
さらに、ライフ試験において、300K枚通紙後も初期と同等の定着性と画質を得ることができた。
また、異なるサイズの記録紙の連続印刷時に、通電領域を制御することにより、これ以上の定着ベルトの温度の過上昇は抑制できた。
したがって、安全性を確保し、定着ローラの寿命を維持することに加え、省エネ化した状態で、記録紙上への画像形成が可能となった。
51a 定着ローラ
51b 加圧ローラ
51c 定着ニップ部
52 剥離爪
53 クリーニング部材
58 トナー像
59 記録紙
60 加熱部材
61 加熱部
61a 基材
61b 抵抗発熱体
61b−1 第1の面状発熱体(中央部)
61b−2 第2の面状発熱体(端部)
61b−3 給電部
61c 第1絶縁層
61d 断熱層
61e 電極部
61f 第2絶縁層
62 凹部
63 第1温度センサ
64 定着ベルト
65 第2温度センサ
66 ハロゲンヒーター
67a ジャーナル部
67b サイドフレーム
67c ベルト蛇行防止カラー
Claims (6)
- 定着ローラと、加圧ローラと、定着ベルトと、加熱部材とを備え、
前記定着ベルトが、所定の距離だけ離れた位置に配置された前記定着ローラと前記加熱部材との間に、前記定着ローラの回転により回転可能なように張架され、前記加熱部材が、接触する定着ベルトを加熱し、前記加圧ローラが、前記定着ローラに接触する定着ベルトの表面と圧接するように、定着ローラに対して対向配置され、
前記加熱部材が、半円筒形状の表面を持つ基材と、前記基材の表面に格子形状に形成された複数の凹部に埋設された発熱する抵抗発熱体とを備え、
前記定着ベルトは、前記加熱部材の基材の半円筒形状の表面に接触することにより、前記抵抗発熱体により加熱され、前記定着ローラと加圧ローラとを回転させ、加熱された定着ベルトによる加熱と、定着ローラと加圧ローラとの加圧により、前記定着ベルトと前記加圧ローラとが接触する定着ニップ部に搬送された記録紙を、定着させることを特徴とする定着装置。 - 前記加熱部材は、前記基材の表面全体を覆うように形成された第1絶縁層を備え、前記基材の凹部の中に、凹部の底面の上に、断熱層と、第2絶縁層と、前記抵抗発熱体とをこの順序で形成したことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記抵抗発熱体は、箔状のステンレスからなることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
- 前記第1絶縁層は、PTFE樹脂およびPFA樹脂のいずれか1つを少なくとも含み、熱伝導性の微粒子が充填された材料からなり、前記断熱層は、内部に中空粒子が充填されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の定着装置。
- 前記加熱部材は、前記抵抗発熱体に通電する給電部をさらに備え、
前記格子形状に形成された凹部に埋設された抵抗発熱体は、基材のほぼ中央部の所定の領域に配置された第1の面状発熱体と、基材の前記中央部の両方の外側に配置された第2の面状発熱体に分割して構成され、
前記給電部は、前記第1および第2の面状発熱体のそれぞれに対して通電するか、あるいは前記第1および第2の面状発熱体の両方に通電するかを選択可能なように、前記抵抗発熱体に接続されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の定着装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012042123A JP5899003B2 (ja) | 2012-02-28 | 2012-02-28 | 定着装置および定着装置を備えた画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012042123A JP5899003B2 (ja) | 2012-02-28 | 2012-02-28 | 定着装置および定着装置を備えた画像形成装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013178382A true JP2013178382A (ja) | 2013-09-09 |
JP5899003B2 JP5899003B2 (ja) | 2016-04-06 |
Family
ID=49270074
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012042123A Active JP5899003B2 (ja) | 2012-02-28 | 2012-02-28 | 定着装置および定着装置を備えた画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5899003B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016156935A (ja) * | 2015-02-24 | 2016-09-01 | 富士ゼロックス株式会社 | シート状部材の基材、定着ベルト、面状発熱体、シート状部材の基材の製造方法、定着装置、および画像形成装置 |
JP2018084457A (ja) * | 2016-11-22 | 2018-05-31 | 株式会社Ihi | ホットフィルムセンサ |
KR20180065886A (ko) * | 2016-12-08 | 2018-06-18 | 삼성전자주식회사 | 발열체 및 그 제조방법, 발열체 형성용 조성물 및 발열장치 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0869862A (ja) * | 1994-06-21 | 1996-03-12 | Tokai Denka Kogyo Kk | 面状ヒータ及びトナー定着装置 |
JP2001235955A (ja) * | 2000-02-24 | 2001-08-31 | Ricoh Co Ltd | 定着装置の加熱ローラ |
JP2009259714A (ja) * | 2008-04-18 | 2009-11-05 | Sharp Corp | 面状発熱体およびそれを備えた定着装置ならびに画像形成装置 |
-
2012
- 2012-02-28 JP JP2012042123A patent/JP5899003B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0869862A (ja) * | 1994-06-21 | 1996-03-12 | Tokai Denka Kogyo Kk | 面状ヒータ及びトナー定着装置 |
JP2001235955A (ja) * | 2000-02-24 | 2001-08-31 | Ricoh Co Ltd | 定着装置の加熱ローラ |
JP2009259714A (ja) * | 2008-04-18 | 2009-11-05 | Sharp Corp | 面状発熱体およびそれを備えた定着装置ならびに画像形成装置 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016156935A (ja) * | 2015-02-24 | 2016-09-01 | 富士ゼロックス株式会社 | シート状部材の基材、定着ベルト、面状発熱体、シート状部材の基材の製造方法、定着装置、および画像形成装置 |
JP2018084457A (ja) * | 2016-11-22 | 2018-05-31 | 株式会社Ihi | ホットフィルムセンサ |
KR20180065886A (ko) * | 2016-12-08 | 2018-06-18 | 삼성전자주식회사 | 발열체 및 그 제조방법, 발열체 형성용 조성물 및 발열장치 |
KR102567991B1 (ko) * | 2016-12-08 | 2023-08-18 | 삼성전자주식회사 | 발열체 및 그 제조방법, 발열체 형성용 조성물 및 발열장치 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5899003B2 (ja) | 2016-04-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5091885B2 (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP2011059364A (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP2010250228A (ja) | 定着装置及びこの定着装置を用いた画像形成装置 | |
JP2009109673A (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
JP2003122152A (ja) | 加熱装置およびそれを備える画像形成装置 | |
JP2014153506A (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP6197658B2 (ja) | 定着装置、摺動部材および画像形成装置 | |
JP4551932B2 (ja) | 定着装置、及びこれを備えた画像形成装置 | |
JP5899003B2 (ja) | 定着装置および定着装置を備えた画像形成装置 | |
JP2011022263A (ja) | 定着装置 | |
US8295750B2 (en) | Fixing apparatus and image forming apparatus equipped therewith | |
JP2010139982A (ja) | 定着装置およびこれを備える画像形成装置 | |
JP4376620B2 (ja) | 画像形成装置 | |
JP2013083683A (ja) | ベルト定着装置及びこれを用いた画像形成装置 | |
JP3967345B2 (ja) | 誘導加熱装置及びそれを備えた画像形成装置 | |
JP5011149B2 (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
JP2005156918A (ja) | 定着装置 | |
JP2005183122A (ja) | 加熱装置およびこれを備えた画像形成装置 | |
JP2002156860A (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP2005338501A (ja) | 加熱装置 | |
JP2014174392A (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
JP5190209B2 (ja) | 定着装置および画像形成装置 | |
JP2012078453A (ja) | 定着ヒータ、定着装置及び画像形成装置 | |
JP2006251497A (ja) | 定着装置及び画像形成装置 | |
JP2008216806A (ja) | 定着装置および画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140918 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150728 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150804 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150925 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160209 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160307 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5899003 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |