JP2013177478A - 粉末状親水性高分子およびその製造方法 - Google Patents

粉末状親水性高分子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
油中水型エマルジョンからなる親水性高分子を乾燥して得られる粉末状親水性高分子において、従来の油中水型エマルジョンからの乾燥粉末化方法に比べて粒子径が比較的大きく、なおかつ粒子径が乾燥条件に依存せず、乾燥条件の設定が容易である粉末状親水性高分子及びその製造方法

【解決手段】
液体状の油中水型エマルジョンからなる親水性高分子をエマルジョンブレイクにより塊状化させた後、該塊状物を造粒し、乾燥させて粉末状親水性高分子を得る。エマルジョンブレイカーとして親水性有機溶媒を使用し、沸点が50℃以上、200℃以下のものが好ましい。本発明の粉末状親水性高分子は、乾燥後細粒化することによって平均粒子径が0.3mm〜5mmの粉末が製造可能であり、粉末を溶解水に投入した際に浮きやすく、溶解槽壁面に付着してしまうことがなく取り扱いに非常に便利である。

【選択図】 なし

Description

本発明は粉末状親水性高分子及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、油中水型エマルジョンからなる親水性高分子をエマルジョンブレイクにより塊状化させた後、該塊状物を造粒し、その後乾燥して製造される粉末状親水性高分子及び粉末状親水性高分子の製造方法に関する。
親水性高分子は一般に溶液状態、乾燥粉末固体形態、分散液形態、油中水型エマルジョン各形態にて市販されている。溶液形態では親水性高分子の濃度が分子量数百万程度になると、溶液の粘度が高くなり、5%程度の濃度でも扱いが非常に困難である。分散液あるいは油中水型エマルジョンでは親水性高分子の濃度が15%〜50%程度であり、比較的粘度が低いため、扱いが容易である。
その中でも、油中水型エマルジョンは高度な架橋構造を有する高分子を製造することができる。
特許文献1には、架橋された水溶性カチオン性の単量体重合物の油中水型エマルジョンを歩留向上剤および濾水性向上剤として抄紙工程に適用する方法が例示されている。一方で、粉末状のカチオン性水溶性高分子は、その他の形態のものと比較し疎水性溶媒、水あるいは分散剤といった不純物が少ない特徴があり、輸送コストや環境負荷の面で優位性があるが、一度粉末状になると改良の選択肢が狭いといった欠点がある。
そこで、油中水型エマルジョン重合を行い、その後乾燥して粉末を得る方法が用いられている。油中水型エマルジョンは液状であるため、噴霧乾燥、又は伝熱乾燥によって得ることができる。生産効率の点で、油中水型エマルジョンを乾燥する方法として一般的な方法は噴霧乾燥である。特許文献2には、カチオン性水溶性高分子の噴霧乾燥物について記載されており、特許文献3には、噴霧乾燥により得られた架橋されたカチオン性水溶性高分子と、凝集剤としての適用が例示されている。しかしながら、噴霧乾燥法では0.1〜100μmの微粉を製造するには効果的だが、比較的大きい粒子径は製造できない。用途によっては数百〜数千μmの粒子径を有する粉末が好まれるため、噴霧乾燥により得られた微粉末は液体バインダー等を使用して造粒する必要がある。また、噴霧乾燥法で乾燥粉末を製造する際、乾燥器の大きさ、乾燥器の温度、送風量、滞留時間、噴霧器の種類などが変化すると、乾燥粉末の粒子径が影響を受ける可能性がある。所望する粒子径の粉末を得るために、乾燥条件の設定が煩雑になってしまうといった欠点がある。このほか、乾燥時に液滴を滞留させなければならないので、装置自体も大きくなり、設置する場合、場所に苦慮する等の不利な点がある。
特開平10−140496号公報 米国公開2004−0035317号公報 特表2001−516773号公報
したがって本発明の課題は、油中水型エマルジョンからなる親水性高分子を乾燥して粉末状親水性高分子を製造するにあたり、比較的粒子径が大きく、乾燥条件の設定が簡略で且つ粒子径が乾燥条件に依存しない方法で製造される、粉末状親水性高分子及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、液状の油中水型エマルジョンからなる親水性高分子に親水性有機溶媒を添加してエマルジョンブレイクすることにより塊状化させ、細粒化させることで、噴霧乾燥以外の方法でも乾燥することができるようになり、上記の課題を解決できることを見出した。すなわち請求項1の発明は油中水型エマルジョンからなる親水性高分子に親水性有機溶媒を添加することでエマルジョンブレイクすることにより塊状化させ、乾燥後細粒化したことを特徴とする粉末状親水性高分子である。
請求項2の発明は前記親水性有機溶媒の沸点が50℃以上、200℃以下のアルコール類、エーテル類、ケトン類、アミン類、カルボン酸類から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の粉末状親水性高分子である。
請求項3の発明は前記エマルジョンブレイクを、機械的シェアを掛けることによって行うことを特徴とする請求項1に記載の粉末状親水性高分子である。
請求項4の発明は前記エマルジョンブレイク時に加熱することを併用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粉末状親水性高分子である。
請求項5の発明は乾燥前に粗砕し造粒することを特徴とする請求項1〜4に記載の粉末状親水性高分子である。
請求項6の発明は前記親水性高分子が下記一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)で表される構造単位から選択される一種以上を有することを特徴とする請求項1に記載の粉末状親水性高分子である。
請求項7の発明は前記油中水型エマルジョンからなる親水性高分子が、架橋性単量体を共存させ重合したものであることを特徴とする請求項1あるいは6に記載の粉末状親水性高分子である。
請求項8の発明は乾燥後細粒化した平均粒子径が0.3〜5mmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の粉末状親水性高分子である。
一般式(1)
は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。AはOまたはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、X は陰イオンをそれぞれ表す。
一般式(2)
、Rは水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X は陰イオンをそれぞれ表す。
は水素またはCHCOOY、R10は水素、メチル基またはCOOY、QはSO 、CSO 、CONHC(CHCHSO 、CCOOあるいはCOOであり、Y、Yは水素または陽イオンをそれぞれ表す。
一般式(4)
11は水素またはメチル基、Hは無機酸および/または有機酸を表し、
未中和時H=0である。
一般式(5)
12、13は水素またはメチル基、Hは無機酸および/または有機酸を表し、未中和時H=0である。
請求項9の発明は油中水型エマルジョンからなる親水性高分子に親水性有機溶媒を添加することでエマルジョンブレイクすることにより塊状化させ、乾燥後細粒化することを特徴とする粉末状親水性高分子の製造方法である。
請求項10の発明は前記乾燥前に0.5〜20.0mmの平均粒子径に造粒した後、乾燥することを特徴とする請求項9に記載の粉末状親水性高分子の製造方法である。
本発明の親水性高分子粉末の特徴は、液状の油中水型エマルジョン状親水性高分子からでも乾燥後に造粒が必要無く、比較的平均粒子径の大きい粉末を効率よく製造することができる。すなわち油中水型エマルジョンからなる親水性高分子をエマルジョンブレイクすることにより塊状化させ、乾燥後細粒化したことを特徴とする。エマルジョンブレイカーは、乳化バランスを変えることでエマルジョンブレイクさせることができる物質であり、その一つとして親水性有機溶媒を用いる。
さらに乳化状態が不安定な系では機械的なシェアを掛けるだけでエマルジョンブレイクを引き起こすことができる。機械的なシェアを掛ける手段としてはホモジナイザーやミキサーを使用する方法が挙げられる。さらにエマルジョンブレイカーを添加して機械的シェアを掛けることにより、短時間でエマルジョンブレイクを引き起こすことができる。あるいはまた加熱をすることでエマルジョンブレイクを効率よく引き起こすことができる。加熱温度が高いほどエマルジョンブレイクするまでの時間は短くてすむが、加熱温度が高すぎると、含有する親水性高分子が劣化するなどの問題も生じる。よって加熱温度は、50〜150℃であり、好ましくは70〜120℃である。
従来の噴霧乾燥法では0.1〜100μmの微粉を製造するには効果的だが、比較的大きい粒子径は製造できない。これに対し本発明の粉末状親水性高分子は、0.3mm〜5mmの粉末が製造可能であり、粉末を溶解水に投入した際に浮きやすく、溶解槽壁面に付着してしまうことがなく取り扱いに非常に便利である。本発明の粉末状親水性高分子は、凝集剤、製紙用薬剤あるいは分散剤などに多用されているジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートあるいはその四級アンモニウム塩の重合体やアクリルアミドとの共重合体などが、この粉末化方法に適用でき実用性に適したものといえる。
以下に本発明について説明する。油中水型エマルジョンからなる親水性高分子はエマルジョンブレイクによって塊状化する。ここでエマルジョンブレイクとはW/O型の乳化状態を変化させることであり、乳化状態の破壊及び、W/O型の乳化状態への転相も含む。また、塊状化した状態とは元の液体状から固体化した状態のことであり、さらに詳しくは塊状化物同士を混練しても合一して一つの塊になることが無い固体状態を表す。エマルジョンブレイクによる塊状化は、高濃度の親水性高分子を含む水相粒子同士が合一し、粗大なゲルが生成するためである。
エマルジョンブレイクを引き起こす方法としては既知の方法を用いることができる。特に有効であるのは、エマルジョンブレイカーを添加する、機械的なシェアを掛けてエマルジョンを破壊する方法である。本発明では、エマルジョンブレイカーとして親水性有機溶媒を使用する。さらに加熱をすることでエマルジョンブレイクを効率よく行うことができる。ここでエマルジョンブレイカーとは上述にエマルジョンブレイクを引き起こす物質を表す。エマルジョンブレイクはW/O型エマルジョン系内のHLBバランスを高くする、又はエマルジョンを安定化している乳化剤を失活もしくは排除することで引き起こすことができる。
親水性有機溶媒とは常温で液体の水に溶解できる有機化合物を指し、通常、その溶解度は常温100gの水に通常1g以上、好ましくは10g以上である。又、親水性有機溶媒の沸点は50℃以上、200℃以下が好ましい。200℃を越えると粉末状親水性高分子に有機溶媒の残留する割合が高くなるためであり、好ましくは150℃以下である。更に常温で液体である必要があるため50℃以上が好ましい。親水性有機溶媒の種類としてアルコール類、エーテル類、ケトン類、アミン類、カルボン酸類から選択される一種以上であることが好ましい。アルコール類として、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の低級アルコール類が挙げられる。エーテル類として、エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。ケトン類として、アセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン等が挙げられる。アミン類として、エチレンジアミン、ジアリルアミン、アリルアミン等が挙げられる。カルボン酸類として、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等が挙げられる。
親水性有機溶媒の添加量については特に指定はないが、添加量が少ないとエマルジョンブレイクに要する時間が長くなりすぎる。エマルジョンブレイカーは乾燥後に不純物として残存するため添加量が多すぎることも好ましくない。よってエマルジョンブレイカーの添加量は油中水型エマルジョンの液量に対して0.1〜10質量%であり、好ましくは0.5〜5質量%である。
乳化状態が不安定な系では機械的なシェアを掛けるだけでエマルジョンブレイクを引き起こすことができる。機械的なシェアを掛ける手段としてはホモジナイザーやミキサーを使用する方法が挙げられる。さらにエマルジョンブレイカーを添加して機械的シェアを掛けることにより、短時間でエマルジョンブレイクを引き起こすことができる。
さらには加熱をすることでエマルジョンブレイクを効率よく引き起こすことができる。加熱温度が高いほどエマルジョンブレイクするまでの時間は短くてすむが、加熱温度が高すぎると、含有する親水性高分子が劣化するなどの問題も生じる。よって加熱温度は、50〜150℃であり、好ましくは70〜120℃である。
前記親水性有機溶媒によるエマルジョンブレイクを引き起こすタイミングとしては、親水性高分子の油中水型エマルジョン重合中でも、単量体が99%以上重合した重合の完了した時点でもよく、重合率が10〜50%など重合反応が完全に完了せず、油中水型エマルジョンの水相に親水性高分子が存在している状態であればいつでもよい。
粒子径のコントロールは乾燥前と後のどちらでも行うことができる。乾燥前に粒子径をコントロールする場合、方法は特に制限しないが、カッター、ミートチョッパー、押出成型機等の含水ゲルを造粒する機具が採用される。乾燥方法に応じて適当な大きさに油中水型エマルジョンからなる親水性高分子の塊状化物を粗砕、造粒する。乾燥前に造粒することで粗大な塊状の場合よりも効率的に乾燥が可能である。乾燥前造粒物の平均粒子径については、0.5mmより小さいと造粒時に造粒装置の負荷が大きくなってしまい、効率的ではない。造粒物の粒子径が20mmを超えると、乾燥時に十分に内部まで乾燥することが困難になる。乾燥前の造粒物の平均粒子径は0.5〜20mmであり、好ましくは1.0〜10mmである。
造粒後の乾燥方法に特に制限は無く、熱風乾燥、伝導伝熱乾燥、輻射熱乾燥等の方法を用いることができる。特に流動乾燥、通気乾燥のような乾燥効率の良い熱風乾燥が好ましい。乾燥後に乾燥された固体物を解砕機等で処理することで、比較的大きい粒子のほかにマイクロメートルオーダーの平均粒子径を有する微細粒子を得ることができる。
本発明の粉末状親水性高分子は、界面活性剤により水に非混和性有機液体を連続相、不飽和二重結合を有する単量体水溶液混合物を分散相となるよう乳化し重合して得られる油中水型エマルジョンからなる親水性高分子を乾燥して製造することができる。親水性高分子の構造として一般式(1)で表される構造単位を重合するための単量体の例としては、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドやこれらのハロゲン化水素、硫酸、硝酸、有機酸等による中和塩、ハロゲン化アルキル、ベンジルハライド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等による四級化物等があげられる。また一般式(2)で表される構造単位を重合するための例としては、ジメチルジ(メタ)アリルアンモニウム塩化物、ジ(メタ)アリルメチルベンジルアンモニウム塩化物等が挙げられる。
一般式(3)で表される構造単位を重合するための単量体の例としては、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸あるいはp−カルボキシスチレンなどが挙げられる。
一般式(4)で表される構造単位は、N−ビニルカルボン酸アミド類を加水分解することで得られる。N−ビニルカルボン酸アミド類としてはN−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどが挙げられる。
一般式(5)で表される構造単位は、アクリロニトリルとN−ビニルカルボン酸アミド類を共重合し、酸による加水分解時に隣接するニトリル基とアミノ基が反応することで得ることができる。
一般式(1)で表される構造単位、一般式(2)で表される構造単位、あるいは一般式(3)で表される構造単位を有する親水性高分子を重合する場合、非イオン性単量体を共重合していてもよくその例としては以下のようなものがある。すなわちアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリンなどがあげられる。
また一般式(4)あるいは一般式(5)で表される構造単位を有する親水性高分子を重合する場合は、加水分解する工程が入るため耐加水分解性のある非イオン性単量体を共重合することが好ましい。
水溶性の親水性高分子は前記一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)であらわされる構造を少なくとも一つ以上を含む。高分子中に含まれる前記一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)であらわされる構造単位の割合は1〜100モル%である。一般式(1)あるいは(2)の構造単位と非イオン性構造単位を有する親水性高分子はカチオン性高分子であり、水溶性、水膨潤性あるいは水分散性の場合がある。カチオン性水溶性高分子の場合は、一般式(1)あるいは(2)の構造単位が1〜100モル%、非イオン性構造単位が0〜99モル%であり、10〜100モル%、非イオン性構造単位が0〜90モル%であることが好ましい。一般式(1)あるいは(2)および一般式(3)の構造単位と非イオン性構造単位を有する親水性高分子は両性高分子であり、同様に水溶性、水膨潤性あるいは水分散性の場合がある。両性水溶性高分子の場合は、一般式(1)あるいは(2)の構造単位が1〜95モル%であり、一般式(3)の構造単位は5〜50モル%、非イオン性構造単位が0〜94モル%であり、一般式(1)あるいは(2)の構造単位が10〜95モル%であり、一般式(3)の構造単位は5〜30モル%、非イオン性構造単位が0〜85モル%であることが好ましい。
一般式(4)の構造単位と非イオン性構造単位を有する親水性高分子はカチオン性高分子であり、水溶性、水膨潤性あるいは水分散性の場合がある。カチオン性水溶性高分子の場合は、一般式(4)の構造単位が1〜100モル%、非イオン性構造単位が0〜99モル%であり、10〜100モル%、非イオン性構造単位が0〜90モル%であることが好ましい。また一般式(4)の構造単位、一般式(5)の構造単位および非イオン性構造単位を有する親水性高分子はカチオン性高分子であり、水溶性、水膨潤性あるいは水分散性の場合がある。
カチオン性水溶性高分子の場合は、一般式(4)の構造単位が10〜50モル%、一般式(5)の構造単位が10〜90モル%、非イオン性構造単位が0〜80モル%であり、一般式(4)の構造単位が10〜30モル%、一般式(5)の構造単位が30〜90モル%、非イオン性構造単位が0〜60モル%であることが好ましい。
本発明によって製造される粉末状親水性高分子は汚泥脱水剤、製紙用薬剤、化粧品、COD除去剤などの用途に使用可能である。すなわち用途によって分子量を適宜調節して目的のものを合成することができる。製紙の紙力増強剤は重量平均分子量で50万〜300万であり、濾水性あるいは歩留向上剤は500万〜3000万であり、汚泥の脱水剤であれば300万〜1000万である。
また、上記水溶性高分子は同様の構造単位を有する組成において、架橋剤の存在化で重合することにより、水不溶性の膨潤ゲルとして得ることができる。架橋剤の例はメチレンビスアクリルアミド、テトラアリルアンモニウムクロリド等がある。架橋剤の量は不飽和結合を有する単量体に対して少なくとも5ppm以上、好ましくは100ppm〜10000ppmである。
また、上記水溶性高分子は同様の構造単位を有する組成において、疎水性単量体を共重合させた場合には、水分散性の親水性高分子が得られる。疎水性単量体としては、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル等が挙げられる。水分散性の親水性高分子中に含まれる疎水性単量体の構造単位の割合は10〜50モル%である。
粉末状親水性高分子は0.3mm以下の小さい粒子径の場合、粉末を溶解水に投入した際に浮きやすく、溶解槽壁面に付着してしまうことがある。また、粉塵が舞うなど、作業環境の悪化につながる。また、粒子径が5mmより大きすぎると溶解時に継子ができやすくなり、溶解性が悪化してしまう。よって粉末状親水性高分子の平均粒子径は0.3mm〜5mmが好ましい、さらには0.5mm〜2mmが望ましい。
本発明の粉末状親水性高分子は、親水性有機溶媒、機械シェアあるいは加熱などによって油中水型エマルジョンを塊状化させた後、カッターなどによって祖砕し、あるいはミートチョッパーなどによって造粒すると、乾燥を効率よく行うことができる。また細かく造粒すれば乾燥後の粉砕など細粒化が必要ない場合もある。これら工程は、コストや効率など考慮して適宜順序を組むことができる。
(実施例)
以下に実施例によりさらに詳細に本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
下記表1に記載した油中水型エマルジョンからなる親水性高分子を用いてエマルジョンブレイクによる塊状化、その後の造粒、さらに乾燥試験を実施した。
(表1)
(エマルジョンブレイク工程1)サンプルA100gにメチルアルコールを5.0g添加し、マグネチックスターラーにて攪拌して塊状化させた。
(エマルジョンブレイク工程2)サンプルA100gにジオキサンを5.0g添加し、マグネチックスターラーにて攪拌して塊状化させた。
(エマルジョンブレイク工程3)サンプルA100gにアセトンを5.0g添加し、マグネチックスターラーにて攪拌して塊状化させた。
(エマルジョンブレイク工程4)サンプルA100gにエチレンジアミンを5.0g添加し、マグネチックスターラーにて攪拌して塊状化させた。
(エマルジョンブレイク工程5)サンプルA100gに酢酸を5.0g添加し、マグネチックスターラーにて攪拌して塊状化させた。
(エマルジョンブレイク工程6)サンプルB100gにメチルアルコールを5.0g添加し、マグネチックスターラーにて攪拌して塊状化させた。
(エマルジョンブレイク工程7)サンプルC100gにメチルアルコールを5.0g添加し、マグネチックスターラーにて攪拌して塊状化させた。
(エマルジョンブレイク工程8)サンプルD100gにメチルアルコールを5.0g添加し、マグネチックスターラーにて攪拌して塊状化させた。
(エマルジョンブレイク工程9)サンプルE100gにメチルアルコールを5.0g添加し、マグネチックスターラーにて攪拌して塊状化させた。
(エマルジョンブレイク工程10)サンプルF100gにメチルアルコールを5.0g添加し、マグネチックスターラーにて攪拌して塊状化させた。
(エマルジョンブレイク工程11)サンプルG100gにメチルアルコールを5.0g添加し、マグネチックスターラーにて攪拌して塊状化させた。
(エマルジョンブレイク工程12)サンプルH100gにメチルアルコールを5.0g添加し、マグネチックスターラーにて攪拌して塊状化させた。
(エマルジョンブレイク工程13)サンプルA100gにメチルアルコールを5.0g添加し、ホモジナイザーにて12000rpmで処理をして塊状化させた。
(エマルジョンブレイク工程14)
サンプルA100gにジオキサンを5.0g添加し、80℃に加温、マグネチックスターラーにて攪拌して塊状化させた。
以上の試験に関して、油中水型エマルジョンが塊状化するまでの時間を表2に示す。
(表2)
(造粒工程)実施例1〜14で塊状化させたものをダイス径4.8mmのミートチョッパーに供給して4〜6mmの粒子径を有する造粒物を得た。対応する試料を試料15〜28とする。
(乾燥工程)造粒された粒子を棚式通風乾燥機にて105℃、1時間で乾燥粉末化させた。得られた乾燥粉末を孔径2mmのスクリーンで粗砕して粉末状親水性高分子を得た。得られた粉末の平均粒子径を測定した。また、200mLビーカーに親水性高分子濃度0.2%、総量150mLになるように純粋と乾燥粉末を加えてマグネチックスターラーにて攪拌して溶解させ、その様子を観察した。試料15〜28に対応する結果を表3に示す。
(比較例1)
サンプルAを噴霧乾燥機にて120℃で乾燥させた。得られた乾燥粉末の平均粒子径を測定した。また、200mLビーカーに親水性高分子濃度0.2%、総量150mLになるように純粋と乾燥粉末を加えてマグネチックスターラーにて攪拌して溶解させ、その様子を観察した。得られた結果を表3に示す。
(表3)

Claims (10)

  1. 油中水型エマルジョンからなる親水性高分子に親水性有機溶媒を添加することでエマルジョンブレイクすることにより塊状化させ、乾燥後細粒化したことを特徴とする粉末状親水性高分子。
  2. 前記親水性有機溶媒の沸点が50℃以上、200℃以下のアルコール類、エーテル類、ケトン類、アミン類、カルボン酸類から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の粉末状親水性高分子。
  3. 前記エマルジョンブレイクを、機械的シェアを掛けることによって行うことを特徴とする請求項1に記載の粉末状親水性高分子。
  4. 前記エマルジョンブレイク時に加熱することを併用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粉末状親水性高分子。
  5. 乾燥前に粗砕し造粒することを特徴とする請求項1〜4に記載の粉末状親水性高分子。
  6. 前記親水性高分子が下記一般式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)で表される構造単位から選択される一種以上を有することを特徴とする請求項1に記載の粉末状親水性高分子。
    一般式(1)
    は水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基、Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い。AはOまたはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基、X は陰イオンをそれぞれ表す。
    一般式(2)
    、Rは水素又はメチル基、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X は陰イオンをそれぞれ表す。
    は水素またはCHCOOY、R10は水素、メチル基またはCOOY、QはSO 、CSO 、CONHC(CHCHSO 、CCOOあるいはCOOであり、Y、Yは水素または陽イオンをそれぞれ表す。
    一般式(4)
    11は水素またはメチル基、Hは無機酸および/または有機酸を表し、
    未中和時H=0である。
    一般式(5)
    12、13は水素またはメチル基、Hは無機酸および/または有機酸を表し、未中和時H=0である。
  7. 前記油中水型エマルジョンからなる親水性高分子が、架橋性単量体を共存させ重合したものであることを特徴とする請求項1あるいは6に記載の粉末状親水性高分子。
  8. 乾燥後細粒化した平均粒子径が0.3〜5mmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の粉末状親水性高分子。
  9. 油中水型エマルジョンからなる親水性高分子に親水性有機溶媒を添加することでエマルジョンブレイクすることにより塊状化させ、乾燥後細粒化することを特徴とする粉末状親水性高分子の製造方法。
  10. 前記乾燥前に0.5〜20.0mmの平均粒子径に造粒することを特徴とする請求項9に記載の粉末状親水性高分子の製造方法。
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