JP2004149568A - 水不溶性ゲルおよびその製造方法と用途 - Google Patents
水不溶性ゲルおよびその製造方法と用途 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004149568A JP2004149568A JP2002313280A JP2002313280A JP2004149568A JP 2004149568 A JP2004149568 A JP 2004149568A JP 2002313280 A JP2002313280 A JP 2002313280A JP 2002313280 A JP2002313280 A JP 2002313280A JP 2004149568 A JP2004149568 A JP 2004149568A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- gel
- absorbent resin
- weight
- acid group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
- Orthopedics, Nursing, And Contraception (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【課題】耐久性に非常に優れた水不溶性ゲルおよびその製造方法と用途を提供する。
【解決手段】本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルは、酸基を有する吸水性樹脂と水性液体を必須成分とする高耐久性水不溶性ゲルであって、前記ゲル中の前記吸水性樹脂の含有割合が0.2〜10重量%、前記ゲル中の前記水性液体の含有割合が90〜99.8重量%であり、前記吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10であり、前記ゲルのpHが7以上であり、95℃で112時間加熱後の水可溶性成分量が15重量%以下である、ことを特徴とする、
【選択図】 なし
【解決手段】本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルは、酸基を有する吸水性樹脂と水性液体を必須成分とする高耐久性水不溶性ゲルであって、前記ゲル中の前記吸水性樹脂の含有割合が0.2〜10重量%、前記ゲル中の前記水性液体の含有割合が90〜99.8重量%であり、前記吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10であり、前記ゲルのpHが7以上であり、95℃で112時間加熱後の水可溶性成分量が15重量%以下である、ことを特徴とする、
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水不溶性ゲルおよびその製造方法と用途に関する。さらに詳しくは、耐久性に非常に優れた水不溶性ゲルおよびその製造方法と用途、ならびに、水不溶性ゲルの耐久性向上方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大量の水性液体を吸収してゲル化する合成架橋高分子として、様々な吸水性樹脂が開発されている。吸水性樹脂は、紙オムツや生理用ナプキン、失禁パッド、簡易便器、創傷保護材、創傷治癒材等の衛生材料や、猫砂などペット用の排泄物処理剤(糞尿固化用物品)等の構成材として利用されている。
上記の吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、カルボキシメチルセルロースの架橋体、カチオン性モノマーの架橋体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合架橋体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸との共重合架橋体、ポリエチレンオキシド架橋体、メトキシポリエチレングリコールとアクリル酸との共重合架橋体等が知られている。
【0003】
衛生材料や排泄物処理剤など、水性液体を吸収させることを主たる目的として、吸水性樹脂に種々の特性を付与することが検討されている。上記目的達成に好適な特性としては、例えば、優れた吸水量や吸水速度、水性液体を吸い上げる吸引力などが挙げられ、これまでに優れた特性を持つ吸水性樹脂が各種提案されている。
一方、吸水性樹脂は、その優れた吸水性能を生かし、衛生材料や排泄物処理剤とは全く異なる用途で使用することができる。中でも特に、吸水性樹脂が吸水して膨潤したゲル状物は各種用途に有用な機能材料であり、例えば、ウォーターベッド用材料、保水材、ゲル状湿布、蓄冷材、保冷剤などに用いられている。
【0004】
しかしながら、吸水性樹脂そのものに比べて、吸水性樹脂が吸水して膨潤したゲル状物は安定性が非常に悪いという問題がある。例えば、ゲル状物を密閉容器中で80℃以上の高温下に置いた場合、耐熱性が非常に乏しい場合には、数時間から1日程度でゲルが劣化して流動化してしまう。
そこで、吸水性樹脂が吸水して膨潤したゲル状物の安定性を向上させるための検討がいくつかの視点から行われてきているが、改良効果は未だ十分なものとはいえない(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4など参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭59−66478号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平1−285119号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平3−14809号公報
【0008】
【特許文献4】
特開2000−95954号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、耐久性に非常に優れた水不溶性ゲルおよびその製造方法と用途、ならびに水不溶性ゲルの耐久性向上方法、さらに、高耐久性水不溶性ゲルの好ましい原料となる酸基含有吸水性樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、ゲルのpHが所定のレベルに調整され、かつ、ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が所定の高レベルに調整されているような水不溶性ゲルが、非常に優れた長期耐久性を発現できることを見出した。また、そのような水不溶性ゲルの製造方法として、酸基を有する吸水性樹脂に水性液体を吸収させて製造するにあたり、ゲルのpHが所定のレベルとなるように調整し、かつ、ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が所定の高レベルとなるように調整すればよいことを見出した。
【0011】
すなわち、本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルは、酸基を有する吸水性樹脂と水性液体を必須成分とする高耐久性水不溶性ゲルであって、前記ゲル中の前記吸水性樹脂の含有割合が0.2〜10重量%、前記ゲル中の前記水性液体の含有割合が90〜99.8重量%であり、前記吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10であり、前記ゲルのpHが7以上であり、95℃で112時間加熱後の水可溶性成分量が15重量%以下である、ことを特徴とする、
また、本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルの製造方法は、酸基を有する吸水性樹脂に水性液体を吸収させて高耐久性水不溶性ゲルを製造する方法であって、前記ゲルのpHが7以上となるように調整し、かつ、前記ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10となるように調整する、ことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明にかかるゲル含有製品は、ゲル含有製品用としての本発明の高耐久性水不溶性ゲルを含む。
また、本発明にかかる水不溶性ゲルの耐久性向上方法は、酸基を有する吸水性樹脂と水性液体を必須成分とする水不溶性ゲルの耐久性を向上させる方法であって、前記ゲルのpHが7以上となるように調整し、かつ、前記ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10となるように調整する、ことを特徴とする。
また、本発明にかかる酸基含有吸水性樹脂組成物は、酸基を有する吸水性樹脂と塩基性物質とを含む吸水性樹脂組成物であって、水性液体を吸収させてゲル化した場合の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10である、ことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
(高耐久性水不溶性ゲル)
本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルは、酸基を有する吸水性樹脂と水性液体を必須成分とする。すなわち、本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルは、酸基を有する吸水性樹脂が水性液体を吸収して膨潤した状態のゲル状物である。
本発明にいう「酸基を有する吸水性樹脂」とは、酸基および/またはその中和塩基を有する吸水性樹脂を意味する。好ましくは、酸基含有モノマーを含有する親水性不飽和単量体成分を重合して得られ、かつ、内部架橋構造を有する吸水性樹脂である。内部架橋構造を導入する方法は特に限定されず、例えば、内部架橋剤を用いてもよいし、自己架橋型の親水性不飽和単量体を用いてもよい。また、表面架橋剤を用いて表面架橋処理されたものであってもよい。
【0014】
酸基含有モノマーとしては、カルボン酸基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸塩基から選ばれる少なくとも1種を有するモノマーが好ましい。具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、アリルトルエンスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリロイルエタンスルホン酸、2−メタクリロイルエタンスルホン酸、2−アクリロイルプロパンスルホン酸、2−メタクリロイルプロパンスルホン酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、およびこれらの塩などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも特に好ましくは、アクリル酸およびその塩である。
【0015】
親水性不飽和単量体成分中の酸基含有モノマーの含有量は、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%、より一層好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%、最も好ましくは95〜100モル%である。
酸基含有モノマー以外に用いることができる親水性不飽和単量体成分としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルカルボン酸アミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド等のアミド基含有ビニル系単量体;ビニルアルコール、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基含有ビニル系単量体;N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾリン等の環状N−ビニルラクタム系単量体;アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート;などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。中でも、アクリルアミド、アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートが、共重合性の点で好ましい。
【0016】
親水性不飽和単量体成分を重合して吸水性樹脂を製造する際には、内部架橋剤を用いて架橋構造を内部に導入することが好ましい。内部架橋剤は、重合性不飽和基および/または反応性基を1分子中に複数有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。つまり、内部架橋剤は、親水性不飽和単量体と共重合および/または反応する置換基を1分子中に複数有する化合物であればよい。なお、親水性不飽和単量体として、内部架橋剤を用いなくとも架橋構造が形成される自己架橋型の化合物を用いる場合には、内部架橋剤を用いなくてもよい。
内部架橋剤としては、具体的には、例えば、N,N´−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラアリロキシエタン、N,N´−エチレンビス(N−2−ビニルピロリドン)、多価金属塩、等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら内部架橋剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。そして、上記例示の内部架橋剤のうち、重合性不飽和基を一分子中に複数有する内部架橋剤を用いることにより、得られる吸水性樹脂の吸水特性等をより一層向上させることができる。中でも、架橋剤の構造としてエステル結合を含まない架橋剤が耐久性の点で好ましく用いられる。
【0017】
内部架橋剤の使用量は、親水性不飽和単量体に対して0.005〜3モル%の範囲内が好ましく、0.01〜1.5モル%の範囲内がより好ましい。内部架橋剤の使用量が0.005モル%よりも少ない場合、並びに、3モル%よりも多い場合には、得られた吸水性樹脂を用いて製造された本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルが本発明の効果を十分に示さない場合がある。
なお、親水性不飽和単量体を重合させて吸水性樹脂を得る際には、反応系に澱粉、澱粉の誘導体、セルロース、セルロースの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子;次亜リン酸(塩)等の連鎖移動剤;水溶性若しくは水分散性の界面活性剤等を添加してもよい。
【0018】
親水性不飽和単量体の重合方法は、特に限定されるものではなく、例えば、水溶液重合、逆相懸濁重合、バルク重合、沈澱重合等の公知の方法を採用することができる。このうち、重合反応の制御の容易さ、および、得られる吸水性樹脂の性能面から、親水性不飽和単量体を水溶液にして重合させる方法、即ち、水溶液重合および逆相懸濁重合が好ましい。なお、反応温度や反応時間等の反応条件は、親水性不飽和単量体の種類等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
また、重合開始時には、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤、あるいは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線等を用いることができる。また、酸化性ラジカル重合開始剤を用いる場合には、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、L−アスコルビン酸等の還元剤を併用してレドックス重合を行ってもよい。これら重合開始剤の使用量は、0.001〜2モル%の範囲内が好ましく、0.01〜0.5モル%の範囲内がより好ましい。なお、重合開始剤は、水等の溶媒に溶解または分散させればよい。
【0019】
上記の重合方法によって得られる吸水性樹脂は、必要に応じて分級等の操作により、その粒子径が調整される。吸水性樹脂は、所定形状に造粒されていてもよく、また、球状、鱗片状、不定形破砕状、繊維状、顆粒状、棒状、略球状、扁平状等の種々の形状であってもよい。さらに、吸水性樹脂は、1次粒子であってもよく、また、1次粒子の造粒体であってもよい、
以上のようにして得られた吸水性樹脂は、表面架橋剤を用いて表面架橋処理されてもよい。
上記表面架橋処理を行うための表面架橋剤としては、種々のものがあるが、物性の観点から、一般的には、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、多価アミン化合物またはそのハロエポキシ化合物との縮合物、オキサゾリン化合物、モノ、ジ、またはポリオキサゾリジノン化合物、多価金属塩、アルキレンカーボネート化合物等が用いられている。
【0020】
本発明で用いることができる表面架橋剤としては、具体的には、例えば、米国特許6228930号、同6071976号、同6254990号などに例示されている。例えば、モノ,ジ,トリ,テトラまたはポリエチレングリコール、モノプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,3,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノールなどの多価アルコール化合物、エチレングリコールジグリシジルエーテルやグリシドールなどのエポキシ化合物、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン等の多価アミン化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物;上記多価アミン化合物と上記ハロエポキシ化合物との縮合物、2−オキサゾリジノンなどのキサゾリジノン化合物、エチレンカボネートなどのアルキレンカーボネート化合物等が挙げられるが、特に限定されるものではない。本発明の効果を最大限にするために、これらの架橋剤の中でも少なくとも多価アルコールを用いることが好ましく、炭素数2〜10、好ましくは炭素数3〜8の多価アルコールが用いられる。
【0021】
表面架橋剤の使用量は、用いる化合物やそれらの組み合わせ等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、0.001〜10重量部の範囲内が好ましく、0.01〜5重量部の範囲内がより好ましい。
本発明において、表面架橋には水を用いることが好ましい。この際、使用される水の量は、使用する吸水性樹脂の含水率にもよるが、通常、吸水性樹脂100重量部に対し、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部の範囲である。また、本発明において、水以外に親水性有機溶媒を用いてもよい。この際、使用される親水性有機溶媒の量は、通常、吸水性樹脂100重量部に対し、好ましくは0〜10重量部、より好ましくは0〜5重量部、さらに好ましくは0〜3重量部の範囲である。架橋剤溶液の温度は混合性や安定性から、好ましくは0℃〜沸点、より好ましくは5〜50℃、さらに好ましくは10〜30℃にする。また、混合前の吸水性樹脂の温度は、混合性から好ましくは0〜80℃、より好ましくは40〜70℃の範囲である。
【0022】
上記の親水性有機溶媒としては、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アルコキシポリエチレングリコール等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。親水性有機溶媒の使用量は、吸水性樹脂の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、0.1〜10重量部の範囲内がより好ましい。
【0023】
吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合する際には、例えば、上記の親水性有機溶媒中に吸水性樹脂を分散させた後、表面架橋剤を混合してもよいが、混合方法は、特に限定されるものではない。種々の混合方法のうち、必要に応じて水および/または親水性有機溶媒に溶解させた表面架橋剤を、吸水性樹脂に直接、噴霧若しくは滴下して混合する方法が好ましい。また、水を用いて混合する場合には、水に不溶な微粒子状の粉体や、界面活性剤等を共存させてもよい。
吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合する際に用いられる混合装置は、両者を均一にかつ確実に混合するために、大きな混合力を備えていることが好ましい。上記の混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等が好適である。
【0024】
吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合した後、加熱処理を行い、吸水性樹脂の表面近傍を架橋させる。上記加熱処理の処理温度は、用いる表面架橋剤にもよるが、160〜250℃が好ましい。処理温度が160℃未満の場合には、均一な架橋構造が形成されず、好ましくない。また、加熱処理に時間がかかるので、生産性の低下を引き起こす。処理温度が250℃を越える場合には、吸水性樹脂の劣化を引き起こし、好ましくない。
上記の加熱処理は、通常の乾燥機または加熱炉を用いて行うことができる。上記の乾燥機としては、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、デスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、赤外線乾燥機等が挙げられる。
【0025】
本発明で用いる吸水性樹脂は、水可溶性成分量が15重量%以下であることが好ましい。より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、特に好ましくは3重量%以下である。水可溶性成分量が15重量%よりも大きいと、水性液体を吸収したときにゲルが安定化せず、流れてしまうおそれがある。
本発明で用いる吸水性樹脂は、含水率が10重量%以下の粒子状であることが好ましい。より好ましくは7重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、特に好ましくは3重量%以下である。含水率が10重量%よりも大きいと、吸水性樹脂粒子の流動性が低下して作業性が悪くなる場合がある。
【0026】
本発明で用いる吸水性樹脂が粉末の場合、その重量平均粒子径としては、その使用条件によって適宜選択すればよい。
例えば、早期に水性液体の流動性を無くしたい場合には、10〜1000μmが好ましく、より好ましくは100〜800μmである。
また、所定箇所に注入する場合には、注入する間、水性液体の流動性を維持する必要があるため、吸水速度が遅いほうが良い場合もあり、0.05〜10cmが好ましく、より好ましくは0.1〜5cmである。
本発明で用いる吸水性樹脂は、無加圧下におけるイオン交換水の吸水倍率が20〜500g/gであることが好ましい。より好ましくは30〜300g/g、さらに好ましくは30〜200g/gである。無加圧下におけるイオン交換水の吸水倍率が20g/gより小さいと、含水ゲルを形成するのに多量の吸水性樹脂が必要となる点で好ましくなく、500g/gより大きいと、含水ゲルの耐久性が不足する場合があるため好ましくない。
【0027】
高耐久性水不溶性ゲル中の吸水性樹脂の含有割合は、吸水性樹脂の吸収能力にもよるが、必須に0.2〜10重量%であり、好ましくは0.2〜5.0重量%、より好ましくは0.4〜3.4重量%、さらに好ましくは0.5〜3.4重量%である。
水性液体とは、水のみ、もしくは水を40重量%以上含み、かつ、水可溶性の有機・無機の塩や親水性有機溶媒を含んでなる液体をいい、具体的には、例えば、水、水道水、雨水、地下水、海水、酸性水、アルカリ性水、金属イオン含有水、不凍液等の各種冷却水などが挙げられる。また、エマルションや、水不溶性の粒子が存在している水性液体などであってもよい。
【0028】
水不溶性ゲル中の水性液体の含有割合は、吸水性樹脂の吸収能力にもよるが、必須に90〜99.8重量%であり、好ましくは95.0〜99.8重量%、より好ましくは96.6〜99.6重量%、さらに好ましくは96.6〜99.5重量%である。
本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルの必須成分である吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合は0.85〜10であることが必須である。
なお本発明において、酸基に対する対イオンとしては、プロトンは除かれる。
ここで、対イオン存在割合とは、下記式で定義される。
【0029】
対イオン存在割合=[吸水性樹脂中のOM型酸基数+[(系中の全溶存Mの数)×(Mの価数)]]/[吸水性樹脂中の酸型(プロトン型)酸基数+吸水性樹脂中のOM型酸基数]
ただし、酸型(プロトン型)酸基、OM型酸基は以下の通り。
酸型(プロトン型)酸基:−COOH、−SO3H、−OPO3H、−P(OH)2O
OM型酸基:酸型(プロトン型)酸基のプロトンをMに変えたもの(ただし、Mは金属イオン、オニウムイオン)
金属イオンおよびオニウムイオンは、系中で陽イオンになるものであれば特に制限無く使用できる。具体的には、例えば、Na、K等の1価金属イオン、Ca、Mg、Cu、Zn、Mn、Al、Fe等の多価金属イオン、NH4 +、4級化有機アミン等のオニウムイオンなどを挙げることができる。中でも、1価金属イオンおよびオニウムイオンが、吸水性樹脂のゲル化能力を低下させない点で好ましく用いられる。さらに、安定性や安全性の点でNaイオン、Kイオンが好ましい。
【0030】
対イオン存在割合の計算例を以下の計算例1〜3に示す。
(計算例1:後述する製造例1で得られた吸水性樹脂1gにイオン交換水40gを入れて含水ゲルを得た場合の対イオン存在割合)
含水ゲル41g中の吸水性樹脂中の酸型(プロトン型)酸基数
=1g÷(72×0.25+94×0.75)×0.25
=0.0113×0.25=0.00282
含水ゲル41g中の吸水性樹脂中のOM型酸基数
=1g÷(72×0.25+94×0.75)×0.75
=0.0113×0.75=0.00848
対イオン存在割合
=0.00848÷(0.00282+0.00848)=0.75
(計算例2:後述する製造例1で得られた吸水性樹脂1gにイオン交換水37.18gおよび1N−NaOH4.23gを入れて含水ゲルを得た場合の対イオン存在割合)
含水ゲル41g中の吸水性樹脂中の酸型(プロトン型)酸基数
=1g÷(72×0.25+94×0.75)×0.25
=0.0113×0.25=0.00282
含水ゲル41g中の吸水性樹脂中のOM型酸基数
=1g÷(72×0.25+94×0.75)×0.75
=0.0113×0.75=0.00848
追加したNaOH数
=0.00423
対イオン存在割合
=(0.00848+0.00423)÷(0.00282+0.00848)=1.125
(計算例3:後述する製造例1で得られた吸水性樹脂1gにイオン交換水37.18gおよび1mol/L−Ca(OH)21.41gを入れて含水ゲルを得た場合の対イオン存在割合)
含水ゲル41g中の吸水性樹脂中の酸型(プロトン型)酸基数
=1g÷(72×0.25+94×0.75)×0.25
=0.0113×0.25=0.00282
含水ゲル41g中の吸水性樹脂中のOM型酸基数
=1g÷(72×0.25+94×0.75)×0.75
=0.0113×0.75=0.00848
追加したCa(OH)2数(総価数)
=0.00141×2価=0.00282
対イオン存在割合
=(0.00848+0.00282)÷(0.00282+0.00848)=1.0
上記対イオン存在割合の下限値は好ましくは0.90、より好ましくは0.95、さらに好ましくは0.98、特に好ましくは1である。上限値は好ましくは5、より好ましくは2、さらに好ましくは1.5、さらに一層好ましくは1.2、特に好ましくは1.1である。前記吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85よりも小さいと、本発明の効果が十分に発揮できない。また、10より大きいと、吸水性樹脂のゲル化能力、吸水能力が低下するために好ましくない。このように吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合を非常に高いレベルに調整することにより、本発明の効果が十分に発現できる。
【0031】
本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルのpHは7以上であることが必須であり、好ましくは、7〜13、より好ましくは7.5〜12、さらに好ましくは9〜12、特に好ましくは9.5〜12である。このようにゲルのpHを7以上という特定のレベルに調整することにより、本発明の効果が十分に発現できる。
本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルは、長期耐久性が非常に高く、95℃で112時間加熱後の水可溶性成分量が15重量%以下である。好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下である。
【0032】
また、95℃で64時間加熱後の水可溶性成分量が、好ましくは5重量%以下、より好ましくは4重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下である。
(高耐久性水不溶性ゲルの製造方法)
本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルの製造方法は、酸基を有する吸水性樹脂に水性液体を吸収させて高耐久性水不溶性ゲルを製造する方法であって、前記ゲルのpHが7以上となるように調整し、かつ、前記ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10となるように調整することを特徴とする。
【0033】
本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルの製造方法において用いることができる酸基を有する吸水性樹脂および水性液体は前述の通りである。
本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルの製造方法における前記調整について、以下に説明する。かかる調整方法は、水性液体を吸収させる前の吸水性樹脂(原料の吸水性樹脂)が有する酸基に対する対イオン存在割合、および、吸収させる水性液体(原料の水性液体)のpHに応じて、適宜最適な方法を採用する。具体的には、例えば以下のような方法が挙げられるが、これら方法には限定されない。
【0034】
(1)原料の吸水性樹脂として酸基に対する対イオン存在割合が0.75の吸水性樹脂を用い、原料の水性液体として中性の水性液体(イオン交換水など)を用いる場合は、塩基性物質を添加することによって、ゲルのpHを7以上に調整し、かつ、ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合を0.85〜10となるように調整する。
(2)原料の吸水性樹脂として酸基に対する対イオン存在割合が0.75の吸水性樹脂を用い、原料の水性液体としてアルカリ性の水性液体を用いる場合は、原料の水性液体のアルカリ性の強さに応じ、必要であれば塩基性物質あるいは酸性物質を添加することによって、ゲルのpHを7以上に調整し、かつ、ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合を0.85〜10となるように調整する。
【0035】
(3)原料の吸水性樹脂として酸基に対する対イオン存在割合が0.75の吸水性樹脂を用い、原料の水性液体として酸性の水性液体を用いる場合は、前記酸性の水性液体のために吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が低下するので、塩基性物質を添加することによって、ゲルのpHを7以上に調整し、かつ、ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合を0.85〜10となるように調整する。
(4)原料の吸水性樹脂として酸基に対する対イオン存在割合が1の吸水性樹脂を用い、原料の水性液体として中性の水性液体(イオン交換水など)を用いる場合は、必要であれば塩基性物質を添加することによって、ゲルのpHを7以上に調整し、かつ、ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合を0.85〜10となるように調整する。
【0036】
(5)原料の吸水性樹脂として酸基に対する対イオン存在割合が1の吸水性樹脂を用い、原料の水性液体としてアルカリ性の水性液体を用いる場合は、必要であれば塩基性物質あるいは酸性物質を添加することによって、ゲルのpHを7以上に調整し、かつ、ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合を0.85〜10となるように調整する。
(6)原料の吸水性樹脂として酸基に対する対イオン存在割合が1の吸水性樹脂を用い、原料の水性液体として酸性の水性液体を用いる場合は、前記酸性の水性液体のために吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が低下するので、必要であれば塩基性物質を添加することによって、ゲルのpHを7以上に調整し、かつ、ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合を0.85〜10となるように調整する。
【0037】
本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルの製造方法においては、上述の例でも触れたように、必要により、ゲルのpHおよびゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合の調整を塩基性物質の添加により行う。
前記塩基性物質は、水性液体中で解離して1価の陽イオンを発生する物質であることが好ましい。具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム等のアルカリ金属リン酸水素塩;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属リン酸塩;トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム等のアルカリ金属トリポリリン酸塩;ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イミダゾール誘導体、アミジノ基含有化合物等の有機アミン化合物;アンモニア;硅酸ソーダ;水ガラスなどが挙げられ、これらの1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属リン酸水素塩、アルカリ金属トリポリリン酸塩、アルカリ金属ピロリン酸塩が、安全性、安定性などの点で特に好ましい。中でも、これらのナトリウム塩、および/またはカリウム塩がさらに好ましい。
【0038】
以上のような方法によって、非常に優れた長期耐久性を有する高耐久性水不溶性ゲルを製造することができる。すなわち、上述した方法は、水不溶性ゲルの耐久性を向上させる方法でもある。
すなわち、本発明にかかる水不溶性ゲルの耐久性向上方法は、酸基を有する吸水性樹脂と水性液体を必須成分とする水不溶性ゲルの耐久性を向上させる方法であって、前記ゲルのpHが7以上となるように調整し、かつ、前記ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10となるように調整することを特徴とする。
(酸基含有吸水性樹脂組成物)
本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルは上述の製造方法によって得ることができるが、その他に、酸基を有する吸水性樹脂と塩基性物質とを含む吸水性樹脂組成物を用いて得ることもできる。
【0039】
すなわち、本発明にかかる酸基含有吸水性樹脂組成物は、酸基を有する吸水性樹脂と塩基性物質とを含む吸水性樹脂組成物であって、水性液体を吸収させてゲル化した場合の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10であることを特徴とする。
酸基を有する吸水性樹脂と塩基性物質については、前述したものと同様である。
本発明にかかる酸基含有吸水性樹脂組成物中の酸基を有する吸水性樹脂の含有割合は特に限定されず、用いる吸水性樹脂の中和率や吸収させる水性液体によって適宜決定される。
【0040】
本発明にかかる酸基含有吸水性樹脂組成物中の塩基性物質の含有割合は、該組成物に水性液体を吸収させてゲル化した場合の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10となる量であることが好ましい。上記対イオン存在割合の下限値は、より好ましくは0.90、さらに好ましくは0.95、さらに一層好ましくは0.98、特に好ましくは1である。上限値は、より好ましくは5、さらに好ましくは2、さらに一層好ましくは1.2、特に好ましくは1.1である。
本発明にかかる酸基含有吸水性樹脂組成物中には、酸基を有する吸水性樹脂と塩基性物質以外に、その他成分として、水溶性無機物質、水不溶性無機粒子、水不溶性無機繊維、有機物質、バインダー樹脂、パルプ、ポリエステル等の有機繊維などを含んでいても良い。
【0041】
本発明にかかる酸基含有吸水性樹脂組成物は、水性液体を吸収させてゲル化した場合の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10である。
水性液体の種類、対イオン存在割合の説明は前述と同様である。
ゲル化させるための水性液体の吸収量は、酸基を有する吸水性樹脂の吸収能力によるが、好ましくは吸収後のゲルの含水率が95重量%以上、より好ましくは96.6重量%以上、さらに好ましくは97.5重量%以上となる量を吸収させる。
【0042】
上記対イオン存在割合の下限値は好ましくは0.90、より好ましくは0.95、さらに好ましくは0.98、特に好ましくは1である。上限値は好ましくは5、より好ましくは2、さらに好ましくは1.5、さらに一層好ましくは1.2、特に好ましくは1.1である。前記吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85よりも小さいと、本発明の効果が十分に発揮できない。また、10より大きいと、吸水性樹脂のゲル化能力、吸水能力が低下するために好ましくない。このように吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合を非常に高いレベルに調整することにより、本発明の効果が十分に発現できる。
【0043】
本発明にかかる酸基含有吸水性樹脂組成物は、水性液体を吸収させて得られるゲルを95℃で112時間加熱した後の水可溶性成分量が15重量%以下であることが好ましい。より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、特に好ましくは3重量%以下である。
また、本発明にかかる酸基含有吸水性樹脂組成物は、水性液体を吸収させて得られるゲルを95℃で64時間加熱後の水可溶性成分量が、好ましくは5重量%以下、より好ましくは4重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下である。
以上のような特徴を有する本発明にかかる酸基含有吸水性樹脂組成物は、水性液体を吸収させることによって、非常に優れた長期耐久性を有する高耐久性水不溶性ゲルを与える。
(高耐久性水不溶性ゲルの用途)
以上のようにして得られる本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルは、従来には見られなかった非常に優れた長期耐久性を有するので、ゲル含有製品用として非常に有用である。
【0044】
上記ゲル含有製品としては、特に限定されないが、例えば、ウォーターベッド用材料、ショックアブソーバー(緩衝材)、保水材、ゲル状湿布、蓄冷材、蓄熱材、ゲル状湯たんぽ、温熱パック、耐火用ゲル、地盤液状化防止ゲル、ケミカルカイロ用含水ゲル、保冷剤、芳香剤用ゲルなどが挙げられる。
このようにして得られる本発明にかかるゲル含有製品は、本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルを含むので、非常に優れた長期耐久性を有する。
【0045】
【実施例】
(無加圧下におけるイオン交換水の吸水倍率)
吸水性樹脂約0.05gを不織布製のティーバッグ式袋(40mm×150mm)に均一に入れ、大過剰のイオン交換水に2時間浸漬して該吸水性樹脂を吸水させた後、吸水ゲルの入ったティーバッグ式袋を5秒間引き上げ、24枚のトイレットペーパー(57mm×50mm、19g/m2)の上で10秒間水切りを行い、重量を測定した。ティーバッグ式袋のみの吸水後の重量をブランクとして、次式に従って吸水性樹脂の吸水倍率を算出した。
【0046】
吸水倍率(g/g)=(吸水後の重量(g)−ブランク(g))÷吸水性樹脂の重量(g)
(吸水性樹脂の水可溶性成分量測定方法)
500〜850μmに文久した吸水性樹脂粉末500mgを、蓋付きポリプロピレン製カップ(内径90mm×200mm)中に投入した1000gのイオン交換水中に分散し、4cmのマグネティックスターラーで約300〜600rpmで室温で16時間攪拌した後、含水ゲルの分散液を濾紙1枚(ADVANTEC東洋株式会社製、品名:JIS P3801 No.2、厚さ:0.26mm、保留粒子径:5μm)を用いて濾過することにより濾液を得た。
【0047】
次に、得られた濾液の50.0gを100mlのビーカーに計り取り、該濾液に0.1N−水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬工業(株)製)を1ml、0.005N−メチルグリコールキトサン水溶液(和光純薬工業(株)製)を10ml、および0.1重量%トルイジンブルー(トルイジンブルー指示薬、和光純薬工業(株)製)を約0.2g加えた。次いで、上記ビーカーの溶液を0.0025N−ポリビニル硫酸カリウム水溶液(和光純薬工業(株)製)を用いてコロイド滴定し、溶液の色が青色から赤紫色に変化した時点を滴定の終点とし、滴定量D(ml)を求めた。また、溶液50gに代えて、イオン交換水50gを用いて同様の操作を行い、滴定量E(ml)を求めた。
【0048】
これらの滴定量と吸水性樹脂を構成する単量体のイオン官能基当りの平均分子量Fから、次式に従って水可溶性成分量(重量%)を算出した。
水可溶性成分量(重量%)=(E(ml)−D(ml))×0.005/C(g)×F
(ゲルの水可溶性成分量測定方法)
50ccスクリュー管内に作成した含水ゲル20g(吸水性樹脂固形分=0.5g)をイオン交換水980gで洗浄しながら、全てを蓋付きポリプロピレン製カップ(内径90mm×200mm)中に投入してゲルを分散し、4cmのマグネティックスターラーで約300〜600rpmで室温で16時間攪拌した後、含水ゲルの分散液を濾紙1枚(ADVANTEC東洋株式会社製、品名:JISP3801 No.2、厚さ:0.26mm、保留粒子径:5μm)を用いて濾過することにより濾液を得た。
【0049】
次に、得られた濾液の50.0gを100mlのビーカーに計り取り、該濾液に0.1N−水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬工業(株)製)を1ml、0.005N−メチルグリコールキトサン水溶液(和光純薬工業(株)製)を10ml、および0.1重量%トルイジンブルー(トルイジンブルー指示薬、和光純薬工業(株)製)を約0.2g加えた。次いで、上記ビーカーの溶液を0.0025N−ポリビニル硫酸カリウム水溶液(和光純薬工業(株)製)を用いてコロイド滴定し、溶液の色が青色から赤紫色に変化した時点を滴定の終点とし、滴定量D(ml)を求めた。また、溶液50gに代えて、イオン交換水50gを用いて同様の操作を行い、滴定量E(ml)を求めた。
【0050】
これらの滴定量と吸水性樹脂を構成する単量体のイオン官能基当りの平均分子量Fから、次式に従って水可溶性成分量(重量%)を算出した。
水可溶性成分量(重量%)=(E(ml)−D(ml))×0.005/C(g)×F
(ゲルのpHの測定方法)
含水ゲル中の吸水性樹脂量が1gとなる量の含水ゲルを採取した(例えば、40倍膨潤ゲルであれば、ゲルを40g採取すれば、そのうちの吸水性樹脂量は1gとなる。)。次に、0.9重量%食塩水が120g入ったビーカーに、採取した上記含水ゲルを投入し、25℃で1時間攪拌した。その後、攪拌を止めずにpHメーター(堀場製作所製pHメーター:形式D−21)のセンサーをビーカーに挿入して、5分後のpHを読み取った。
【0051】
(製造例1)
51.8重量%アクリル酸水溶液112.6重量部に架橋剤としてのメチレンビスアクリルアミド2.5重量部を溶解させ、次いで37%アクリル酸ナトリウム616.9重量部を入れて溶解し反応液とした。次にこの反応液を、窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで1Lの攪拌羽根付き反応器に、上記の反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を攪拌しながら、重合開始剤としての7.7重量%過硫酸ナトリウム水溶液5.08重量部および0.38重量%L−アスコルビン酸水溶液5.2重量部を添加したところ、およそ2分後に重合が開始した。そして、30〜80℃で重合を行い、重合を開始してから60分後に反応を終了して含水ゲル状重合体を取り出した。(このときの含水ゲル状重合体中の酸基に対する対イオン存在割合は0.75であった。)
得られた含水ゲル状重合体は、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュの金網上に広げ、150℃で120分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、得られた乾燥粉を分級して500μm〜850μmの粒子を取り出し、吸水性樹脂(1)を得た。得られた吸水性樹脂(1)の吸水倍率は100g/gであり、水可溶性成分量は0.7重量%であった。
【0052】
(製造例2)
51.8重量%アクリル酸水溶液112.6重量部に架橋剤としてのメチレンビスアクリルアミド2.5重量部を溶解させ、次いで37%アクリル酸ナトリウム616.9重量部を入れて溶解し反応液とした。次にこの反応液を、窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで1Lの攪拌羽根付き反応器に、上記の反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を攪拌しながら、重合開始剤としての7.7重量%過硫酸ナトリウム水溶液5.08重量部および0.38重量%L−アスコルビン酸水溶液5.2重量部を添加したところ、およそ2分後に重合が開始した。そして、30〜80℃で重合を行い、重合を開始してから60分後に反応を終了して含水ゲル状重合体を取り出した。(このときの含水ゲル状重合体中の酸基に対する対イオン存在割合は0.75であった。)
得られた含水ゲル状重合体は、その径が約5mmに細分化されていた。
【0053】
この細分化された含水ゲル状重合体を攪拌しながら、85.9重量部の50重量%Na2CO3水溶液を徐々に添加し、酸基に対する対イオン存在割合が実質1の含水ゲル状重合体を得た。
次に該含水ゲル状重合体を50メッシュの金網上に広げ、150℃で120分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、得られた乾燥粉を分級して500μm〜850μmの粒子を取り出し、吸水性樹脂(2)を得た。得られた吸水性樹脂(2)の吸水倍率は100g/gであり、水可溶性成分量は1.1重量%であった。
【0054】
(実施例1)
50ccスクリュー管(マルエム社製:ガラス製円筒型栓付で内径=33mm、高さ=77mm)に蒸留水を18.59gおよび1N−NaOH水溶液を1.41g(吸水性樹脂(1)=0.5g中の酸基(25%)を中和する量)入れた後、製造例1で得られた吸水性樹脂(1)を0.5g入れて攪拌下で吸水・ゲル化させた。このときの吸水性樹脂中の酸基は100%Na塩となっている。
このようにして得られた含水ゲル入りスクリュー管を密栓して、95℃に調節した恒温器に入れて所定時間加熱した。
【0055】
所定時間加熱した含水ゲルをスクリュー管から全量取り出し、含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表1に示した。
(実施例2〜5)
蒸留水の量および1N−NaOH水溶液の量を表1に記載したとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、所定時間加熱後の含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表1および図1に示した。
(比較例1)
蒸留水の量を20gにし、1N−NaOH水溶液を加えない以外は実施例1と同様にして、所定時間加熱後の含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表1および図1に示した。
【0056】
【表1】
【0057】
(実施例6)
水道水=1000gに、97%硫酸=0.35ml、硫酸第一鉄・7水和物(FeSO4・7H2O:和光純薬製試薬特級)=1.25gおよび硫酸アルミニウム・14〜18水和物(Al2(SO4)3・14〜18H2O:和光純薬製試薬特級)=0.86gを溶解させて、酸性水溶液(1)を作成した。この水溶液のpHは2.0であった。
次に、酸性水溶液(1)に該水溶液のpHが10.8になるまで48%NaOH水溶液を攪拌下に添加してアルカリ性水溶液(1)を得た。
【0058】
次いで、50ccスクリュー管(マルエム社製:ガラス製円筒型栓付で内径=33mm、高さ=77mm)にアルカリ性水溶液(1)を18.59gおよび1N−NaOH水溶液を1.41g(吸水性樹脂(1)=0.5g中の酸基(25%)を中和する量)入れた後、製造例1で得られた吸水性樹脂(1)を0.5g入れて攪拌下で吸水・ゲル化させた。このときの吸水性樹脂中の酸基の100%がNa塩となっていた。
このようにして得られた含水ゲル入りスクリュー管を密栓して、95℃に調節した恒温器に入れて所定時間加熱した。
【0059】
所定時間加熱した含水ゲルをスクリュー管から全量取り出し、含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表2および図2に示した。
(実施例7)
水道水=1000gに、97%硫酸=0.35ml、硫酸第一鉄・7水和物(FeSO4・7H2O:和光純薬製試薬特級)=1.25gおよび硫酸アルミニウム・14〜18水和物(Al2(SO4)3・14〜18H2O:和光純薬製試薬特級)=0.86gを溶解させて、酸性水溶液(1)を作成した。この水溶液のpHは2.0であった。
【0060】
次に、酸性水溶液(1)に該水溶液中に30重量%過酸化水素水(和光純薬社製:試薬特級)0.51gを添加した後、pHが10.8になるまで48%NaOH水溶液を攪拌下に添加してアルカリ性水溶液(2)を得た。
次いで、50ccスクリュー管(マルエム社製:ガラス製円筒型栓付で内径=33mm、高さ=77mm)にアルカリ性水溶液(2)を18.59gおよび1N−NaOH水溶液を1.41g(吸水性樹脂(1)=0.5g中の酸基(25%)を中和する量)入れた後、製造例1で得られた吸水性樹脂(1)を0.5g入れて攪拌下で吸水・ゲル化させた。このときの吸水性樹脂中の酸基の100%がNa塩となっていた。
【0061】
このようにして得られた含水ゲル入りスクリュー管を密栓して、95℃に調節された恒温器に入れて所定時間加熱した。
所定時間加熱した含水ゲルをスクリュー管から全量取り出し、含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表2および図2に示した。
(比較例2)
50ccスクリュー管(マルエム社製:ガラス製円筒型栓付で内径=33mm、高さ=77mm)に実施例6で作成した酸性水溶液(1)20gを入れ、次いで製造例1で得られた吸水性樹脂(1)を0.5g入れて攪拌下で吸水・ゲル化させた。このときの吸水性樹脂中の酸基の約30%がNa塩になったと推定される。
【0062】
このようにして得られた含水ゲル入りスクリュー管を密栓して、95℃に調節された恒温器に入れて所定時間加熱した。
所定時間加熱した含水ゲルをスクリュー管から全量取り出し、含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表2および図2に示した。
(比較例3)
50ccスクリュー管(マルエム社製:ガラス製円筒型栓付で内径=33mm、高さ=77mm)に実施例6で作成した酸性水溶液(1)を20gおよび製造例2で得られた吸水性樹脂(2)を0.5g入れて攪拌下で吸水・ゲル化させた。このときの吸水性樹脂中の酸基の約55%がNa塩となっていた。
【0063】
このようにして得られた含水ゲル入りスクリュー管を密栓して、95℃に調節された恒温器に入れて所定時間加熱した。
所定時間加熱した含水ゲルをスクリュー管から全量取り出し、含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表2および図2に示した。
【0064】
【表2】
【0065】
(実施例8)
1N−NaOH水溶液の代わりに1N−KOH水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、95℃で所定時間加熱した含水ゲルをスクリュー管から全量取り出し、含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表3および図3に示した。
(実施例9)
1N−NaOH水溶液の代わりに0.5mol/LのNa2CO3水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、95℃で所定時間加熱した含水ゲルをスクリュー管から全量取り出し、含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表3および図3に示した。
【0066】
(実施例10)
1N−NaOH水溶液の代わりに1mol/LのNH3水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、95℃で所定時間加熱した含水ゲルをスクリュー管から全量取り出し、含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表3および図3に示した。
【0067】
【表3】
【0068】
(製造例3)
製造例1で得られた吸水性樹脂(1)88.5gに無水炭酸ナトリウム(キシダ化学株式会社製、試薬1級)26.5gを加えて均一に混合し、吸水性樹脂組成物(1)を得た。
(実施例11)
50ccスクリュー管(マルエム社製:ガラス製円筒型栓付で内径=33mm、高さ=77mm)に実施例6で作成した酸性水溶液(1)を20g入れた後、製造例3で得られた吸水性樹脂組成物(1)を0.65g入れて攪拌下で吸水・ゲル化させた。
【0069】
このようにして得られた含水ゲル入りスクリュー管を密栓して、95℃に調節された恒温器に入れて所定時間加熱した。
所定時間加熱した含水ゲルをスクリュー管から全量取り出し、含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表2および図2に示した。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、耐久性に非常に優れた水不溶性ゲルおよびその製造方法と用途、ならびに水不溶性ゲルの耐久性向上方法、さらに、高耐久性水不溶性ゲルの好ましい原料となる酸基含有吸水性樹脂組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水可溶性成分量経時変化を表すグラフ図
【図2】水可溶性成分量経時変化を表すグラフ図
【図3】水可溶性成分量経時変化を表すグラフ図
【発明の属する技術分野】
本発明は水不溶性ゲルおよびその製造方法と用途に関する。さらに詳しくは、耐久性に非常に優れた水不溶性ゲルおよびその製造方法と用途、ならびに、水不溶性ゲルの耐久性向上方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大量の水性液体を吸収してゲル化する合成架橋高分子として、様々な吸水性樹脂が開発されている。吸水性樹脂は、紙オムツや生理用ナプキン、失禁パッド、簡易便器、創傷保護材、創傷治癒材等の衛生材料や、猫砂などペット用の排泄物処理剤(糞尿固化用物品)等の構成材として利用されている。
上記の吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、カルボキシメチルセルロースの架橋体、カチオン性モノマーの架橋体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合架橋体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸との共重合架橋体、ポリエチレンオキシド架橋体、メトキシポリエチレングリコールとアクリル酸との共重合架橋体等が知られている。
【0003】
衛生材料や排泄物処理剤など、水性液体を吸収させることを主たる目的として、吸水性樹脂に種々の特性を付与することが検討されている。上記目的達成に好適な特性としては、例えば、優れた吸水量や吸水速度、水性液体を吸い上げる吸引力などが挙げられ、これまでに優れた特性を持つ吸水性樹脂が各種提案されている。
一方、吸水性樹脂は、その優れた吸水性能を生かし、衛生材料や排泄物処理剤とは全く異なる用途で使用することができる。中でも特に、吸水性樹脂が吸水して膨潤したゲル状物は各種用途に有用な機能材料であり、例えば、ウォーターベッド用材料、保水材、ゲル状湿布、蓄冷材、保冷剤などに用いられている。
【0004】
しかしながら、吸水性樹脂そのものに比べて、吸水性樹脂が吸水して膨潤したゲル状物は安定性が非常に悪いという問題がある。例えば、ゲル状物を密閉容器中で80℃以上の高温下に置いた場合、耐熱性が非常に乏しい場合には、数時間から1日程度でゲルが劣化して流動化してしまう。
そこで、吸水性樹脂が吸水して膨潤したゲル状物の安定性を向上させるための検討がいくつかの視点から行われてきているが、改良効果は未だ十分なものとはいえない(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4など参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭59−66478号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平1−285119号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平3−14809号公報
【0008】
【特許文献4】
特開2000−95954号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、耐久性に非常に優れた水不溶性ゲルおよびその製造方法と用途、ならびに水不溶性ゲルの耐久性向上方法、さらに、高耐久性水不溶性ゲルの好ましい原料となる酸基含有吸水性樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、ゲルのpHが所定のレベルに調整され、かつ、ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が所定の高レベルに調整されているような水不溶性ゲルが、非常に優れた長期耐久性を発現できることを見出した。また、そのような水不溶性ゲルの製造方法として、酸基を有する吸水性樹脂に水性液体を吸収させて製造するにあたり、ゲルのpHが所定のレベルとなるように調整し、かつ、ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が所定の高レベルとなるように調整すればよいことを見出した。
【0011】
すなわち、本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルは、酸基を有する吸水性樹脂と水性液体を必須成分とする高耐久性水不溶性ゲルであって、前記ゲル中の前記吸水性樹脂の含有割合が0.2〜10重量%、前記ゲル中の前記水性液体の含有割合が90〜99.8重量%であり、前記吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10であり、前記ゲルのpHが7以上であり、95℃で112時間加熱後の水可溶性成分量が15重量%以下である、ことを特徴とする、
また、本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルの製造方法は、酸基を有する吸水性樹脂に水性液体を吸収させて高耐久性水不溶性ゲルを製造する方法であって、前記ゲルのpHが7以上となるように調整し、かつ、前記ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10となるように調整する、ことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明にかかるゲル含有製品は、ゲル含有製品用としての本発明の高耐久性水不溶性ゲルを含む。
また、本発明にかかる水不溶性ゲルの耐久性向上方法は、酸基を有する吸水性樹脂と水性液体を必須成分とする水不溶性ゲルの耐久性を向上させる方法であって、前記ゲルのpHが7以上となるように調整し、かつ、前記ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10となるように調整する、ことを特徴とする。
また、本発明にかかる酸基含有吸水性樹脂組成物は、酸基を有する吸水性樹脂と塩基性物質とを含む吸水性樹脂組成物であって、水性液体を吸収させてゲル化した場合の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10である、ことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
(高耐久性水不溶性ゲル)
本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルは、酸基を有する吸水性樹脂と水性液体を必須成分とする。すなわち、本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルは、酸基を有する吸水性樹脂が水性液体を吸収して膨潤した状態のゲル状物である。
本発明にいう「酸基を有する吸水性樹脂」とは、酸基および/またはその中和塩基を有する吸水性樹脂を意味する。好ましくは、酸基含有モノマーを含有する親水性不飽和単量体成分を重合して得られ、かつ、内部架橋構造を有する吸水性樹脂である。内部架橋構造を導入する方法は特に限定されず、例えば、内部架橋剤を用いてもよいし、自己架橋型の親水性不飽和単量体を用いてもよい。また、表面架橋剤を用いて表面架橋処理されたものであってもよい。
【0014】
酸基含有モノマーとしては、カルボン酸基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、スルホン酸塩基から選ばれる少なくとも1種を有するモノマーが好ましい。具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、アリルトルエンスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリロイルエタンスルホン酸、2−メタクリロイルエタンスルホン酸、2−アクリロイルプロパンスルホン酸、2−メタクリロイルプロパンスルホン酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、およびこれらの塩などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも特に好ましくは、アクリル酸およびその塩である。
【0015】
親水性不飽和単量体成分中の酸基含有モノマーの含有量は、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%、より一層好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%、最も好ましくは95〜100モル%である。
酸基含有モノマー以外に用いることができる親水性不飽和単量体成分としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルカルボン酸アミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド等のアミド基含有ビニル系単量体;ビニルアルコール、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基含有ビニル系単量体;N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾリン等の環状N−ビニルラクタム系単量体;アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート;などを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。中でも、アクリルアミド、アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートが、共重合性の点で好ましい。
【0016】
親水性不飽和単量体成分を重合して吸水性樹脂を製造する際には、内部架橋剤を用いて架橋構造を内部に導入することが好ましい。内部架橋剤は、重合性不飽和基および/または反応性基を1分子中に複数有する化合物であればよく、特に限定されるものではない。つまり、内部架橋剤は、親水性不飽和単量体と共重合および/または反応する置換基を1分子中に複数有する化合物であればよい。なお、親水性不飽和単量体として、内部架橋剤を用いなくとも架橋構造が形成される自己架橋型の化合物を用いる場合には、内部架橋剤を用いなくてもよい。
内部架橋剤としては、具体的には、例えば、N,N´−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラアリロキシエタン、N,N´−エチレンビス(N−2−ビニルピロリドン)、多価金属塩、等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら内部架橋剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。そして、上記例示の内部架橋剤のうち、重合性不飽和基を一分子中に複数有する内部架橋剤を用いることにより、得られる吸水性樹脂の吸水特性等をより一層向上させることができる。中でも、架橋剤の構造としてエステル結合を含まない架橋剤が耐久性の点で好ましく用いられる。
【0017】
内部架橋剤の使用量は、親水性不飽和単量体に対して0.005〜3モル%の範囲内が好ましく、0.01〜1.5モル%の範囲内がより好ましい。内部架橋剤の使用量が0.005モル%よりも少ない場合、並びに、3モル%よりも多い場合には、得られた吸水性樹脂を用いて製造された本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルが本発明の効果を十分に示さない場合がある。
なお、親水性不飽和単量体を重合させて吸水性樹脂を得る際には、反応系に澱粉、澱粉の誘導体、セルロース、セルロースの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子;次亜リン酸(塩)等の連鎖移動剤;水溶性若しくは水分散性の界面活性剤等を添加してもよい。
【0018】
親水性不飽和単量体の重合方法は、特に限定されるものではなく、例えば、水溶液重合、逆相懸濁重合、バルク重合、沈澱重合等の公知の方法を採用することができる。このうち、重合反応の制御の容易さ、および、得られる吸水性樹脂の性能面から、親水性不飽和単量体を水溶液にして重合させる方法、即ち、水溶液重合および逆相懸濁重合が好ましい。なお、反応温度や反応時間等の反応条件は、親水性不飽和単量体の種類等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
また、重合開始時には、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤、あるいは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線等を用いることができる。また、酸化性ラジカル重合開始剤を用いる場合には、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、L−アスコルビン酸等の還元剤を併用してレドックス重合を行ってもよい。これら重合開始剤の使用量は、0.001〜2モル%の範囲内が好ましく、0.01〜0.5モル%の範囲内がより好ましい。なお、重合開始剤は、水等の溶媒に溶解または分散させればよい。
【0019】
上記の重合方法によって得られる吸水性樹脂は、必要に応じて分級等の操作により、その粒子径が調整される。吸水性樹脂は、所定形状に造粒されていてもよく、また、球状、鱗片状、不定形破砕状、繊維状、顆粒状、棒状、略球状、扁平状等の種々の形状であってもよい。さらに、吸水性樹脂は、1次粒子であってもよく、また、1次粒子の造粒体であってもよい、
以上のようにして得られた吸水性樹脂は、表面架橋剤を用いて表面架橋処理されてもよい。
上記表面架橋処理を行うための表面架橋剤としては、種々のものがあるが、物性の観点から、一般的には、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、多価アミン化合物またはそのハロエポキシ化合物との縮合物、オキサゾリン化合物、モノ、ジ、またはポリオキサゾリジノン化合物、多価金属塩、アルキレンカーボネート化合物等が用いられている。
【0020】
本発明で用いることができる表面架橋剤としては、具体的には、例えば、米国特許6228930号、同6071976号、同6254990号などに例示されている。例えば、モノ,ジ,トリ,テトラまたはポリエチレングリコール、モノプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,3,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノールなどの多価アルコール化合物、エチレングリコールジグリシジルエーテルやグリシドールなどのエポキシ化合物、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン等の多価アミン化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物;上記多価アミン化合物と上記ハロエポキシ化合物との縮合物、2−オキサゾリジノンなどのキサゾリジノン化合物、エチレンカボネートなどのアルキレンカーボネート化合物等が挙げられるが、特に限定されるものではない。本発明の効果を最大限にするために、これらの架橋剤の中でも少なくとも多価アルコールを用いることが好ましく、炭素数2〜10、好ましくは炭素数3〜8の多価アルコールが用いられる。
【0021】
表面架橋剤の使用量は、用いる化合物やそれらの組み合わせ等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、0.001〜10重量部の範囲内が好ましく、0.01〜5重量部の範囲内がより好ましい。
本発明において、表面架橋には水を用いることが好ましい。この際、使用される水の量は、使用する吸水性樹脂の含水率にもよるが、通常、吸水性樹脂100重量部に対し、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部の範囲である。また、本発明において、水以外に親水性有機溶媒を用いてもよい。この際、使用される親水性有機溶媒の量は、通常、吸水性樹脂100重量部に対し、好ましくは0〜10重量部、より好ましくは0〜5重量部、さらに好ましくは0〜3重量部の範囲である。架橋剤溶液の温度は混合性や安定性から、好ましくは0℃〜沸点、より好ましくは5〜50℃、さらに好ましくは10〜30℃にする。また、混合前の吸水性樹脂の温度は、混合性から好ましくは0〜80℃、より好ましくは40〜70℃の範囲である。
【0022】
上記の親水性有機溶媒としては、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アルコキシポリエチレングリコール等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。親水性有機溶媒の使用量は、吸水性樹脂の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、0.1〜10重量部の範囲内がより好ましい。
【0023】
吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合する際には、例えば、上記の親水性有機溶媒中に吸水性樹脂を分散させた後、表面架橋剤を混合してもよいが、混合方法は、特に限定されるものではない。種々の混合方法のうち、必要に応じて水および/または親水性有機溶媒に溶解させた表面架橋剤を、吸水性樹脂に直接、噴霧若しくは滴下して混合する方法が好ましい。また、水を用いて混合する場合には、水に不溶な微粒子状の粉体や、界面活性剤等を共存させてもよい。
吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合する際に用いられる混合装置は、両者を均一にかつ確実に混合するために、大きな混合力を備えていることが好ましい。上記の混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等が好適である。
【0024】
吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合した後、加熱処理を行い、吸水性樹脂の表面近傍を架橋させる。上記加熱処理の処理温度は、用いる表面架橋剤にもよるが、160〜250℃が好ましい。処理温度が160℃未満の場合には、均一な架橋構造が形成されず、好ましくない。また、加熱処理に時間がかかるので、生産性の低下を引き起こす。処理温度が250℃を越える場合には、吸水性樹脂の劣化を引き起こし、好ましくない。
上記の加熱処理は、通常の乾燥機または加熱炉を用いて行うことができる。上記の乾燥機としては、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、デスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、赤外線乾燥機等が挙げられる。
【0025】
本発明で用いる吸水性樹脂は、水可溶性成分量が15重量%以下であることが好ましい。より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、特に好ましくは3重量%以下である。水可溶性成分量が15重量%よりも大きいと、水性液体を吸収したときにゲルが安定化せず、流れてしまうおそれがある。
本発明で用いる吸水性樹脂は、含水率が10重量%以下の粒子状であることが好ましい。より好ましくは7重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、特に好ましくは3重量%以下である。含水率が10重量%よりも大きいと、吸水性樹脂粒子の流動性が低下して作業性が悪くなる場合がある。
【0026】
本発明で用いる吸水性樹脂が粉末の場合、その重量平均粒子径としては、その使用条件によって適宜選択すればよい。
例えば、早期に水性液体の流動性を無くしたい場合には、10〜1000μmが好ましく、より好ましくは100〜800μmである。
また、所定箇所に注入する場合には、注入する間、水性液体の流動性を維持する必要があるため、吸水速度が遅いほうが良い場合もあり、0.05〜10cmが好ましく、より好ましくは0.1〜5cmである。
本発明で用いる吸水性樹脂は、無加圧下におけるイオン交換水の吸水倍率が20〜500g/gであることが好ましい。より好ましくは30〜300g/g、さらに好ましくは30〜200g/gである。無加圧下におけるイオン交換水の吸水倍率が20g/gより小さいと、含水ゲルを形成するのに多量の吸水性樹脂が必要となる点で好ましくなく、500g/gより大きいと、含水ゲルの耐久性が不足する場合があるため好ましくない。
【0027】
高耐久性水不溶性ゲル中の吸水性樹脂の含有割合は、吸水性樹脂の吸収能力にもよるが、必須に0.2〜10重量%であり、好ましくは0.2〜5.0重量%、より好ましくは0.4〜3.4重量%、さらに好ましくは0.5〜3.4重量%である。
水性液体とは、水のみ、もしくは水を40重量%以上含み、かつ、水可溶性の有機・無機の塩や親水性有機溶媒を含んでなる液体をいい、具体的には、例えば、水、水道水、雨水、地下水、海水、酸性水、アルカリ性水、金属イオン含有水、不凍液等の各種冷却水などが挙げられる。また、エマルションや、水不溶性の粒子が存在している水性液体などであってもよい。
【0028】
水不溶性ゲル中の水性液体の含有割合は、吸水性樹脂の吸収能力にもよるが、必須に90〜99.8重量%であり、好ましくは95.0〜99.8重量%、より好ましくは96.6〜99.6重量%、さらに好ましくは96.6〜99.5重量%である。
本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルの必須成分である吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合は0.85〜10であることが必須である。
なお本発明において、酸基に対する対イオンとしては、プロトンは除かれる。
ここで、対イオン存在割合とは、下記式で定義される。
【0029】
対イオン存在割合=[吸水性樹脂中のOM型酸基数+[(系中の全溶存Mの数)×(Mの価数)]]/[吸水性樹脂中の酸型(プロトン型)酸基数+吸水性樹脂中のOM型酸基数]
ただし、酸型(プロトン型)酸基、OM型酸基は以下の通り。
酸型(プロトン型)酸基:−COOH、−SO3H、−OPO3H、−P(OH)2O
OM型酸基:酸型(プロトン型)酸基のプロトンをMに変えたもの(ただし、Mは金属イオン、オニウムイオン)
金属イオンおよびオニウムイオンは、系中で陽イオンになるものであれば特に制限無く使用できる。具体的には、例えば、Na、K等の1価金属イオン、Ca、Mg、Cu、Zn、Mn、Al、Fe等の多価金属イオン、NH4 +、4級化有機アミン等のオニウムイオンなどを挙げることができる。中でも、1価金属イオンおよびオニウムイオンが、吸水性樹脂のゲル化能力を低下させない点で好ましく用いられる。さらに、安定性や安全性の点でNaイオン、Kイオンが好ましい。
【0030】
対イオン存在割合の計算例を以下の計算例1〜3に示す。
(計算例1:後述する製造例1で得られた吸水性樹脂1gにイオン交換水40gを入れて含水ゲルを得た場合の対イオン存在割合)
含水ゲル41g中の吸水性樹脂中の酸型(プロトン型)酸基数
=1g÷(72×0.25+94×0.75)×0.25
=0.0113×0.25=0.00282
含水ゲル41g中の吸水性樹脂中のOM型酸基数
=1g÷(72×0.25+94×0.75)×0.75
=0.0113×0.75=0.00848
対イオン存在割合
=0.00848÷(0.00282+0.00848)=0.75
(計算例2:後述する製造例1で得られた吸水性樹脂1gにイオン交換水37.18gおよび1N−NaOH4.23gを入れて含水ゲルを得た場合の対イオン存在割合)
含水ゲル41g中の吸水性樹脂中の酸型(プロトン型)酸基数
=1g÷(72×0.25+94×0.75)×0.25
=0.0113×0.25=0.00282
含水ゲル41g中の吸水性樹脂中のOM型酸基数
=1g÷(72×0.25+94×0.75)×0.75
=0.0113×0.75=0.00848
追加したNaOH数
=0.00423
対イオン存在割合
=(0.00848+0.00423)÷(0.00282+0.00848)=1.125
(計算例3:後述する製造例1で得られた吸水性樹脂1gにイオン交換水37.18gおよび1mol/L−Ca(OH)21.41gを入れて含水ゲルを得た場合の対イオン存在割合)
含水ゲル41g中の吸水性樹脂中の酸型(プロトン型)酸基数
=1g÷(72×0.25+94×0.75)×0.25
=0.0113×0.25=0.00282
含水ゲル41g中の吸水性樹脂中のOM型酸基数
=1g÷(72×0.25+94×0.75)×0.75
=0.0113×0.75=0.00848
追加したCa(OH)2数(総価数)
=0.00141×2価=0.00282
対イオン存在割合
=(0.00848+0.00282)÷(0.00282+0.00848)=1.0
上記対イオン存在割合の下限値は好ましくは0.90、より好ましくは0.95、さらに好ましくは0.98、特に好ましくは1である。上限値は好ましくは5、より好ましくは2、さらに好ましくは1.5、さらに一層好ましくは1.2、特に好ましくは1.1である。前記吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85よりも小さいと、本発明の効果が十分に発揮できない。また、10より大きいと、吸水性樹脂のゲル化能力、吸水能力が低下するために好ましくない。このように吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合を非常に高いレベルに調整することにより、本発明の効果が十分に発現できる。
【0031】
本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルのpHは7以上であることが必須であり、好ましくは、7〜13、より好ましくは7.5〜12、さらに好ましくは9〜12、特に好ましくは9.5〜12である。このようにゲルのpHを7以上という特定のレベルに調整することにより、本発明の効果が十分に発現できる。
本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルは、長期耐久性が非常に高く、95℃で112時間加熱後の水可溶性成分量が15重量%以下である。好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下である。
【0032】
また、95℃で64時間加熱後の水可溶性成分量が、好ましくは5重量%以下、より好ましくは4重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下である。
(高耐久性水不溶性ゲルの製造方法)
本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルの製造方法は、酸基を有する吸水性樹脂に水性液体を吸収させて高耐久性水不溶性ゲルを製造する方法であって、前記ゲルのpHが7以上となるように調整し、かつ、前記ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10となるように調整することを特徴とする。
【0033】
本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルの製造方法において用いることができる酸基を有する吸水性樹脂および水性液体は前述の通りである。
本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルの製造方法における前記調整について、以下に説明する。かかる調整方法は、水性液体を吸収させる前の吸水性樹脂(原料の吸水性樹脂)が有する酸基に対する対イオン存在割合、および、吸収させる水性液体(原料の水性液体)のpHに応じて、適宜最適な方法を採用する。具体的には、例えば以下のような方法が挙げられるが、これら方法には限定されない。
【0034】
(1)原料の吸水性樹脂として酸基に対する対イオン存在割合が0.75の吸水性樹脂を用い、原料の水性液体として中性の水性液体(イオン交換水など)を用いる場合は、塩基性物質を添加することによって、ゲルのpHを7以上に調整し、かつ、ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合を0.85〜10となるように調整する。
(2)原料の吸水性樹脂として酸基に対する対イオン存在割合が0.75の吸水性樹脂を用い、原料の水性液体としてアルカリ性の水性液体を用いる場合は、原料の水性液体のアルカリ性の強さに応じ、必要であれば塩基性物質あるいは酸性物質を添加することによって、ゲルのpHを7以上に調整し、かつ、ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合を0.85〜10となるように調整する。
【0035】
(3)原料の吸水性樹脂として酸基に対する対イオン存在割合が0.75の吸水性樹脂を用い、原料の水性液体として酸性の水性液体を用いる場合は、前記酸性の水性液体のために吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が低下するので、塩基性物質を添加することによって、ゲルのpHを7以上に調整し、かつ、ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合を0.85〜10となるように調整する。
(4)原料の吸水性樹脂として酸基に対する対イオン存在割合が1の吸水性樹脂を用い、原料の水性液体として中性の水性液体(イオン交換水など)を用いる場合は、必要であれば塩基性物質を添加することによって、ゲルのpHを7以上に調整し、かつ、ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合を0.85〜10となるように調整する。
【0036】
(5)原料の吸水性樹脂として酸基に対する対イオン存在割合が1の吸水性樹脂を用い、原料の水性液体としてアルカリ性の水性液体を用いる場合は、必要であれば塩基性物質あるいは酸性物質を添加することによって、ゲルのpHを7以上に調整し、かつ、ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合を0.85〜10となるように調整する。
(6)原料の吸水性樹脂として酸基に対する対イオン存在割合が1の吸水性樹脂を用い、原料の水性液体として酸性の水性液体を用いる場合は、前記酸性の水性液体のために吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が低下するので、必要であれば塩基性物質を添加することによって、ゲルのpHを7以上に調整し、かつ、ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合を0.85〜10となるように調整する。
【0037】
本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルの製造方法においては、上述の例でも触れたように、必要により、ゲルのpHおよびゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合の調整を塩基性物質の添加により行う。
前記塩基性物質は、水性液体中で解離して1価の陽イオンを発生する物質であることが好ましい。具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム等のアルカリ金属リン酸水素塩;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属リン酸塩;トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム等のアルカリ金属トリポリリン酸塩;ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イミダゾール誘導体、アミジノ基含有化合物等の有機アミン化合物;アンモニア;硅酸ソーダ;水ガラスなどが挙げられ、これらの1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属リン酸水素塩、アルカリ金属トリポリリン酸塩、アルカリ金属ピロリン酸塩が、安全性、安定性などの点で特に好ましい。中でも、これらのナトリウム塩、および/またはカリウム塩がさらに好ましい。
【0038】
以上のような方法によって、非常に優れた長期耐久性を有する高耐久性水不溶性ゲルを製造することができる。すなわち、上述した方法は、水不溶性ゲルの耐久性を向上させる方法でもある。
すなわち、本発明にかかる水不溶性ゲルの耐久性向上方法は、酸基を有する吸水性樹脂と水性液体を必須成分とする水不溶性ゲルの耐久性を向上させる方法であって、前記ゲルのpHが7以上となるように調整し、かつ、前記ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10となるように調整することを特徴とする。
(酸基含有吸水性樹脂組成物)
本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルは上述の製造方法によって得ることができるが、その他に、酸基を有する吸水性樹脂と塩基性物質とを含む吸水性樹脂組成物を用いて得ることもできる。
【0039】
すなわち、本発明にかかる酸基含有吸水性樹脂組成物は、酸基を有する吸水性樹脂と塩基性物質とを含む吸水性樹脂組成物であって、水性液体を吸収させてゲル化した場合の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10であることを特徴とする。
酸基を有する吸水性樹脂と塩基性物質については、前述したものと同様である。
本発明にかかる酸基含有吸水性樹脂組成物中の酸基を有する吸水性樹脂の含有割合は特に限定されず、用いる吸水性樹脂の中和率や吸収させる水性液体によって適宜決定される。
【0040】
本発明にかかる酸基含有吸水性樹脂組成物中の塩基性物質の含有割合は、該組成物に水性液体を吸収させてゲル化した場合の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10となる量であることが好ましい。上記対イオン存在割合の下限値は、より好ましくは0.90、さらに好ましくは0.95、さらに一層好ましくは0.98、特に好ましくは1である。上限値は、より好ましくは5、さらに好ましくは2、さらに一層好ましくは1.2、特に好ましくは1.1である。
本発明にかかる酸基含有吸水性樹脂組成物中には、酸基を有する吸水性樹脂と塩基性物質以外に、その他成分として、水溶性無機物質、水不溶性無機粒子、水不溶性無機繊維、有機物質、バインダー樹脂、パルプ、ポリエステル等の有機繊維などを含んでいても良い。
【0041】
本発明にかかる酸基含有吸水性樹脂組成物は、水性液体を吸収させてゲル化した場合の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10である。
水性液体の種類、対イオン存在割合の説明は前述と同様である。
ゲル化させるための水性液体の吸収量は、酸基を有する吸水性樹脂の吸収能力によるが、好ましくは吸収後のゲルの含水率が95重量%以上、より好ましくは96.6重量%以上、さらに好ましくは97.5重量%以上となる量を吸収させる。
【0042】
上記対イオン存在割合の下限値は好ましくは0.90、より好ましくは0.95、さらに好ましくは0.98、特に好ましくは1である。上限値は好ましくは5、より好ましくは2、さらに好ましくは1.5、さらに一層好ましくは1.2、特に好ましくは1.1である。前記吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85よりも小さいと、本発明の効果が十分に発揮できない。また、10より大きいと、吸水性樹脂のゲル化能力、吸水能力が低下するために好ましくない。このように吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合を非常に高いレベルに調整することにより、本発明の効果が十分に発現できる。
【0043】
本発明にかかる酸基含有吸水性樹脂組成物は、水性液体を吸収させて得られるゲルを95℃で112時間加熱した後の水可溶性成分量が15重量%以下であることが好ましい。より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、特に好ましくは3重量%以下である。
また、本発明にかかる酸基含有吸水性樹脂組成物は、水性液体を吸収させて得られるゲルを95℃で64時間加熱後の水可溶性成分量が、好ましくは5重量%以下、より好ましくは4重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下である。
以上のような特徴を有する本発明にかかる酸基含有吸水性樹脂組成物は、水性液体を吸収させることによって、非常に優れた長期耐久性を有する高耐久性水不溶性ゲルを与える。
(高耐久性水不溶性ゲルの用途)
以上のようにして得られる本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルは、従来には見られなかった非常に優れた長期耐久性を有するので、ゲル含有製品用として非常に有用である。
【0044】
上記ゲル含有製品としては、特に限定されないが、例えば、ウォーターベッド用材料、ショックアブソーバー(緩衝材)、保水材、ゲル状湿布、蓄冷材、蓄熱材、ゲル状湯たんぽ、温熱パック、耐火用ゲル、地盤液状化防止ゲル、ケミカルカイロ用含水ゲル、保冷剤、芳香剤用ゲルなどが挙げられる。
このようにして得られる本発明にかかるゲル含有製品は、本発明にかかる高耐久性水不溶性ゲルを含むので、非常に優れた長期耐久性を有する。
【0045】
【実施例】
(無加圧下におけるイオン交換水の吸水倍率)
吸水性樹脂約0.05gを不織布製のティーバッグ式袋(40mm×150mm)に均一に入れ、大過剰のイオン交換水に2時間浸漬して該吸水性樹脂を吸水させた後、吸水ゲルの入ったティーバッグ式袋を5秒間引き上げ、24枚のトイレットペーパー(57mm×50mm、19g/m2)の上で10秒間水切りを行い、重量を測定した。ティーバッグ式袋のみの吸水後の重量をブランクとして、次式に従って吸水性樹脂の吸水倍率を算出した。
【0046】
吸水倍率(g/g)=(吸水後の重量(g)−ブランク(g))÷吸水性樹脂の重量(g)
(吸水性樹脂の水可溶性成分量測定方法)
500〜850μmに文久した吸水性樹脂粉末500mgを、蓋付きポリプロピレン製カップ(内径90mm×200mm)中に投入した1000gのイオン交換水中に分散し、4cmのマグネティックスターラーで約300〜600rpmで室温で16時間攪拌した後、含水ゲルの分散液を濾紙1枚(ADVANTEC東洋株式会社製、品名:JIS P3801 No.2、厚さ:0.26mm、保留粒子径:5μm)を用いて濾過することにより濾液を得た。
【0047】
次に、得られた濾液の50.0gを100mlのビーカーに計り取り、該濾液に0.1N−水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬工業(株)製)を1ml、0.005N−メチルグリコールキトサン水溶液(和光純薬工業(株)製)を10ml、および0.1重量%トルイジンブルー(トルイジンブルー指示薬、和光純薬工業(株)製)を約0.2g加えた。次いで、上記ビーカーの溶液を0.0025N−ポリビニル硫酸カリウム水溶液(和光純薬工業(株)製)を用いてコロイド滴定し、溶液の色が青色から赤紫色に変化した時点を滴定の終点とし、滴定量D(ml)を求めた。また、溶液50gに代えて、イオン交換水50gを用いて同様の操作を行い、滴定量E(ml)を求めた。
【0048】
これらの滴定量と吸水性樹脂を構成する単量体のイオン官能基当りの平均分子量Fから、次式に従って水可溶性成分量(重量%)を算出した。
水可溶性成分量(重量%)=(E(ml)−D(ml))×0.005/C(g)×F
(ゲルの水可溶性成分量測定方法)
50ccスクリュー管内に作成した含水ゲル20g(吸水性樹脂固形分=0.5g)をイオン交換水980gで洗浄しながら、全てを蓋付きポリプロピレン製カップ(内径90mm×200mm)中に投入してゲルを分散し、4cmのマグネティックスターラーで約300〜600rpmで室温で16時間攪拌した後、含水ゲルの分散液を濾紙1枚(ADVANTEC東洋株式会社製、品名:JISP3801 No.2、厚さ:0.26mm、保留粒子径:5μm)を用いて濾過することにより濾液を得た。
【0049】
次に、得られた濾液の50.0gを100mlのビーカーに計り取り、該濾液に0.1N−水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬工業(株)製)を1ml、0.005N−メチルグリコールキトサン水溶液(和光純薬工業(株)製)を10ml、および0.1重量%トルイジンブルー(トルイジンブルー指示薬、和光純薬工業(株)製)を約0.2g加えた。次いで、上記ビーカーの溶液を0.0025N−ポリビニル硫酸カリウム水溶液(和光純薬工業(株)製)を用いてコロイド滴定し、溶液の色が青色から赤紫色に変化した時点を滴定の終点とし、滴定量D(ml)を求めた。また、溶液50gに代えて、イオン交換水50gを用いて同様の操作を行い、滴定量E(ml)を求めた。
【0050】
これらの滴定量と吸水性樹脂を構成する単量体のイオン官能基当りの平均分子量Fから、次式に従って水可溶性成分量(重量%)を算出した。
水可溶性成分量(重量%)=(E(ml)−D(ml))×0.005/C(g)×F
(ゲルのpHの測定方法)
含水ゲル中の吸水性樹脂量が1gとなる量の含水ゲルを採取した(例えば、40倍膨潤ゲルであれば、ゲルを40g採取すれば、そのうちの吸水性樹脂量は1gとなる。)。次に、0.9重量%食塩水が120g入ったビーカーに、採取した上記含水ゲルを投入し、25℃で1時間攪拌した。その後、攪拌を止めずにpHメーター(堀場製作所製pHメーター:形式D−21)のセンサーをビーカーに挿入して、5分後のpHを読み取った。
【0051】
(製造例1)
51.8重量%アクリル酸水溶液112.6重量部に架橋剤としてのメチレンビスアクリルアミド2.5重量部を溶解させ、次いで37%アクリル酸ナトリウム616.9重量部を入れて溶解し反応液とした。次にこの反応液を、窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで1Lの攪拌羽根付き反応器に、上記の反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を攪拌しながら、重合開始剤としての7.7重量%過硫酸ナトリウム水溶液5.08重量部および0.38重量%L−アスコルビン酸水溶液5.2重量部を添加したところ、およそ2分後に重合が開始した。そして、30〜80℃で重合を行い、重合を開始してから60分後に反応を終了して含水ゲル状重合体を取り出した。(このときの含水ゲル状重合体中の酸基に対する対イオン存在割合は0.75であった。)
得られた含水ゲル状重合体は、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュの金網上に広げ、150℃で120分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、得られた乾燥粉を分級して500μm〜850μmの粒子を取り出し、吸水性樹脂(1)を得た。得られた吸水性樹脂(1)の吸水倍率は100g/gであり、水可溶性成分量は0.7重量%であった。
【0052】
(製造例2)
51.8重量%アクリル酸水溶液112.6重量部に架橋剤としてのメチレンビスアクリルアミド2.5重量部を溶解させ、次いで37%アクリル酸ナトリウム616.9重量部を入れて溶解し反応液とした。次にこの反応液を、窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで1Lの攪拌羽根付き反応器に、上記の反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を攪拌しながら、重合開始剤としての7.7重量%過硫酸ナトリウム水溶液5.08重量部および0.38重量%L−アスコルビン酸水溶液5.2重量部を添加したところ、およそ2分後に重合が開始した。そして、30〜80℃で重合を行い、重合を開始してから60分後に反応を終了して含水ゲル状重合体を取り出した。(このときの含水ゲル状重合体中の酸基に対する対イオン存在割合は0.75であった。)
得られた含水ゲル状重合体は、その径が約5mmに細分化されていた。
【0053】
この細分化された含水ゲル状重合体を攪拌しながら、85.9重量部の50重量%Na2CO3水溶液を徐々に添加し、酸基に対する対イオン存在割合が実質1の含水ゲル状重合体を得た。
次に該含水ゲル状重合体を50メッシュの金網上に広げ、150℃で120分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、得られた乾燥粉を分級して500μm〜850μmの粒子を取り出し、吸水性樹脂(2)を得た。得られた吸水性樹脂(2)の吸水倍率は100g/gであり、水可溶性成分量は1.1重量%であった。
【0054】
(実施例1)
50ccスクリュー管(マルエム社製:ガラス製円筒型栓付で内径=33mm、高さ=77mm)に蒸留水を18.59gおよび1N−NaOH水溶液を1.41g(吸水性樹脂(1)=0.5g中の酸基(25%)を中和する量)入れた後、製造例1で得られた吸水性樹脂(1)を0.5g入れて攪拌下で吸水・ゲル化させた。このときの吸水性樹脂中の酸基は100%Na塩となっている。
このようにして得られた含水ゲル入りスクリュー管を密栓して、95℃に調節した恒温器に入れて所定時間加熱した。
【0055】
所定時間加熱した含水ゲルをスクリュー管から全量取り出し、含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表1に示した。
(実施例2〜5)
蒸留水の量および1N−NaOH水溶液の量を表1に記載したとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、所定時間加熱後の含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表1および図1に示した。
(比較例1)
蒸留水の量を20gにし、1N−NaOH水溶液を加えない以外は実施例1と同様にして、所定時間加熱後の含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表1および図1に示した。
【0056】
【表1】
【0057】
(実施例6)
水道水=1000gに、97%硫酸=0.35ml、硫酸第一鉄・7水和物(FeSO4・7H2O:和光純薬製試薬特級)=1.25gおよび硫酸アルミニウム・14〜18水和物(Al2(SO4)3・14〜18H2O:和光純薬製試薬特級)=0.86gを溶解させて、酸性水溶液(1)を作成した。この水溶液のpHは2.0であった。
次に、酸性水溶液(1)に該水溶液のpHが10.8になるまで48%NaOH水溶液を攪拌下に添加してアルカリ性水溶液(1)を得た。
【0058】
次いで、50ccスクリュー管(マルエム社製:ガラス製円筒型栓付で内径=33mm、高さ=77mm)にアルカリ性水溶液(1)を18.59gおよび1N−NaOH水溶液を1.41g(吸水性樹脂(1)=0.5g中の酸基(25%)を中和する量)入れた後、製造例1で得られた吸水性樹脂(1)を0.5g入れて攪拌下で吸水・ゲル化させた。このときの吸水性樹脂中の酸基の100%がNa塩となっていた。
このようにして得られた含水ゲル入りスクリュー管を密栓して、95℃に調節した恒温器に入れて所定時間加熱した。
【0059】
所定時間加熱した含水ゲルをスクリュー管から全量取り出し、含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表2および図2に示した。
(実施例7)
水道水=1000gに、97%硫酸=0.35ml、硫酸第一鉄・7水和物(FeSO4・7H2O:和光純薬製試薬特級)=1.25gおよび硫酸アルミニウム・14〜18水和物(Al2(SO4)3・14〜18H2O:和光純薬製試薬特級)=0.86gを溶解させて、酸性水溶液(1)を作成した。この水溶液のpHは2.0であった。
【0060】
次に、酸性水溶液(1)に該水溶液中に30重量%過酸化水素水(和光純薬社製:試薬特級)0.51gを添加した後、pHが10.8になるまで48%NaOH水溶液を攪拌下に添加してアルカリ性水溶液(2)を得た。
次いで、50ccスクリュー管(マルエム社製:ガラス製円筒型栓付で内径=33mm、高さ=77mm)にアルカリ性水溶液(2)を18.59gおよび1N−NaOH水溶液を1.41g(吸水性樹脂(1)=0.5g中の酸基(25%)を中和する量)入れた後、製造例1で得られた吸水性樹脂(1)を0.5g入れて攪拌下で吸水・ゲル化させた。このときの吸水性樹脂中の酸基の100%がNa塩となっていた。
【0061】
このようにして得られた含水ゲル入りスクリュー管を密栓して、95℃に調節された恒温器に入れて所定時間加熱した。
所定時間加熱した含水ゲルをスクリュー管から全量取り出し、含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表2および図2に示した。
(比較例2)
50ccスクリュー管(マルエム社製:ガラス製円筒型栓付で内径=33mm、高さ=77mm)に実施例6で作成した酸性水溶液(1)20gを入れ、次いで製造例1で得られた吸水性樹脂(1)を0.5g入れて攪拌下で吸水・ゲル化させた。このときの吸水性樹脂中の酸基の約30%がNa塩になったと推定される。
【0062】
このようにして得られた含水ゲル入りスクリュー管を密栓して、95℃に調節された恒温器に入れて所定時間加熱した。
所定時間加熱した含水ゲルをスクリュー管から全量取り出し、含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表2および図2に示した。
(比較例3)
50ccスクリュー管(マルエム社製:ガラス製円筒型栓付で内径=33mm、高さ=77mm)に実施例6で作成した酸性水溶液(1)を20gおよび製造例2で得られた吸水性樹脂(2)を0.5g入れて攪拌下で吸水・ゲル化させた。このときの吸水性樹脂中の酸基の約55%がNa塩となっていた。
【0063】
このようにして得られた含水ゲル入りスクリュー管を密栓して、95℃に調節された恒温器に入れて所定時間加熱した。
所定時間加熱した含水ゲルをスクリュー管から全量取り出し、含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表2および図2に示した。
【0064】
【表2】
【0065】
(実施例8)
1N−NaOH水溶液の代わりに1N−KOH水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、95℃で所定時間加熱した含水ゲルをスクリュー管から全量取り出し、含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表3および図3に示した。
(実施例9)
1N−NaOH水溶液の代わりに0.5mol/LのNa2CO3水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、95℃で所定時間加熱した含水ゲルをスクリュー管から全量取り出し、含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表3および図3に示した。
【0066】
(実施例10)
1N−NaOH水溶液の代わりに1mol/LのNH3水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、95℃で所定時間加熱した含水ゲルをスクリュー管から全量取り出し、含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表3および図3に示した。
【0067】
【表3】
【0068】
(製造例3)
製造例1で得られた吸水性樹脂(1)88.5gに無水炭酸ナトリウム(キシダ化学株式会社製、試薬1級)26.5gを加えて均一に混合し、吸水性樹脂組成物(1)を得た。
(実施例11)
50ccスクリュー管(マルエム社製:ガラス製円筒型栓付で内径=33mm、高さ=77mm)に実施例6で作成した酸性水溶液(1)を20g入れた後、製造例3で得られた吸水性樹脂組成物(1)を0.65g入れて攪拌下で吸水・ゲル化させた。
【0069】
このようにして得られた含水ゲル入りスクリュー管を密栓して、95℃に調節された恒温器に入れて所定時間加熱した。
所定時間加熱した含水ゲルをスクリュー管から全量取り出し、含水ゲルに含まれている水可溶性成分量を測定した。結果を表2および図2に示した。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、耐久性に非常に優れた水不溶性ゲルおよびその製造方法と用途、ならびに水不溶性ゲルの耐久性向上方法、さらに、高耐久性水不溶性ゲルの好ましい原料となる酸基含有吸水性樹脂組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水可溶性成分量経時変化を表すグラフ図
【図2】水可溶性成分量経時変化を表すグラフ図
【図3】水可溶性成分量経時変化を表すグラフ図
Claims (7)
- 酸基を有する吸水性樹脂と水性液体を必須成分とする高耐久性水不溶性ゲルであって、
前記ゲル中の前記吸水性樹脂の含有割合が0.2〜10重量%、前記ゲル中の前記水性液体の含有割合が90〜99.8重量%であり、
前記吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10であり、前記ゲルのpHが7以上であり、95℃で112時間加熱後の水可溶性成分量が15重量%以下である、
ことを特徴とする、高耐久性水不溶性ゲル。 - ゲル含有製品用である、請求項1に記載の高耐久性水不溶性ゲル。
- 請求項2に記載の高耐久性水不溶性ゲルを含む、ゲル含有製品。
- 酸基を有する吸水性樹脂に水性液体を吸収させて高耐久性水不溶性ゲルを製造する方法であって、
前記ゲルのpHが7以上となるように調整し、かつ、前記ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10となるように調整する、
ことを特徴とする、高耐久性水不溶性ゲルの製造方法。 - 酸基を有する吸水性樹脂と水性液体を必須成分とする水不溶性ゲルの耐久性を向上させる方法であって、
前記ゲルのpHが7以上となるように調整し、かつ、前記ゲル中の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10となるように調整する、
ことを特徴とする、水不溶性ゲルの耐久性向上方法。 - 酸基を有する吸水性樹脂と塩基性物質とを含む吸水性樹脂組成物であって、
水性液体を吸収させてゲル化した場合の吸水性樹脂が有する酸基に対する対イオン存在割合が0.85〜10である、
ことを特徴とする、酸基含有吸水性樹脂組成物。 - 水性液体を吸収させて得られるゲルを95℃で112時間加熱した後の水可溶性成分量が15重量%以下である、請求項6に記載の酸基含有吸水性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002313280A JP2004149568A (ja) | 2002-10-28 | 2002-10-28 | 水不溶性ゲルおよびその製造方法と用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002313280A JP2004149568A (ja) | 2002-10-28 | 2002-10-28 | 水不溶性ゲルおよびその製造方法と用途 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004149568A true JP2004149568A (ja) | 2004-05-27 |
Family
ID=32457939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002313280A Pending JP2004149568A (ja) | 2002-10-28 | 2002-10-28 | 水不溶性ゲルおよびその製造方法と用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004149568A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013177479A (ja) * | 2012-02-28 | 2013-09-09 | Hymo Corp | 粉末状親水性高分子およびその製造方法 |
JP2013177478A (ja) * | 2012-02-28 | 2013-09-09 | Hymo Corp | 粉末状親水性高分子およびその製造方法 |
-
2002
- 2002-10-28 JP JP2002313280A patent/JP2004149568A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013177479A (ja) * | 2012-02-28 | 2013-09-09 | Hymo Corp | 粉末状親水性高分子およびその製造方法 |
JP2013177478A (ja) * | 2012-02-28 | 2013-09-09 | Hymo Corp | 粉末状親水性高分子およびその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5972853B2 (ja) | 吸水剤及びその製造方法 | |
JP4683405B2 (ja) | 吸水性樹脂組成物とその製造方法 | |
KR101507623B1 (ko) | 우수한 암모니아-결합능을 갖는 물-흡수성 중합체 구조 | |
JP5638801B2 (ja) | 高透過性超吸収性ポリマー構造体 | |
JP4926474B2 (ja) | 粒子状吸水剤及びその製造方法並びに吸水性物品 | |
JP5591448B2 (ja) | 吸水剤およびその製造方法 | |
JP5430588B2 (ja) | 臭気抑制用のサリチル酸亜鉛を含む超吸収性組成物 | |
JP5367364B2 (ja) | 吸水性樹脂を主成分として含む吸水剤およびその製造方法 | |
JP5601495B2 (ja) | 吸収剤組成物およびその製造方法、並びに、吸収剤組成物を含む吸収物品 | |
US20070207924A1 (en) | Aqueous-Liquid-Absorbing Agent and its Production Process | |
JP2004261796A (ja) | 粒子状吸水剤 | |
KR20060087615A (ko) | 분말형 가교 흡수성 중합체, 이것의 제조 방법 및 용도 | |
EP2192978A1 (en) | Water absorbing agent and production method thereof | |
JP4428729B2 (ja) | 水膨潤性架橋重合体組成物およびその製法 | |
JP3606966B2 (ja) | 吸水性樹脂およびその製造方法 | |
JP3335843B2 (ja) | 吸収剤組成物および吸収体、並びに、吸収体を含む吸収物品 | |
JP4308382B2 (ja) | 吸水剤およびその製造方法 | |
JP4722545B2 (ja) | 吸水性樹脂組成物とその製造方法 | |
JP4722546B2 (ja) | 吸水性樹脂組成物とその製造方法 | |
JP5079938B2 (ja) | 吸水剤組成物 | |
JP4704559B2 (ja) | 塩基性吸水性樹脂の製法、吸水剤の製法、ならびにその使用 | |
JP4727027B2 (ja) | 水膨潤性架橋重合体の製造方法およびその組成物の製造方法 | |
JP2004149568A (ja) | 水不溶性ゲルおよびその製造方法と用途 | |
JPH02248404A (ja) | 高吸水性樹脂の改質法 | |
JP2007321008A (ja) | 改質された吸水性樹脂の製法 |